バカリズム、中丸雄一、カズレーザー出演『家事ヤロウ!!!』大人気! それでも「女性の家事負担問題」が根強いワケ

 バカリズム、KAT-TUN・中丸雄一、メイプル超合金・カズレーザーの“家事初心者”3人が、家事をゼロから学ぶドキュメントバラエティー『家事ヤロウ!!!』(テレビ朝日系)。番組公式サイトで、「基礎中の基礎から、今すぐ役立つテクニックまで“狭く” “深く” “ユルく”家事をイチからではなくゼロから徹底的に学んでいきます」とあるように、「キッチン汚れの落とし方」「洗濯物の干し方」「アイロンのかけ方」といった基礎から、「豆腐料理」「スイーツ」「炊き込みご飯」など、さまざまなレシピにチャレンジするお料理企画まで、家事にまつわる幅広いテーマを取り上げ、人気を博している。

 誰しもの生活に関わる「家事」だが、こと夫婦間では、「家事の分担問題」が物議を醸すことがある。日本では、男性に比べ、女性の家事負担が大きく、それによって女性側が不満を溜めこんでしまうことが珍しくない。近年では、男性も家事に取り組むようになってきたというものの、ネットを見てみると、「夫は仕事から帰ってくるとソファーから一歩も動かない」「食器を流しに持っていくことすらしない」「洗濯機の使い方すらわかっていない」など、女性の家事分担にまつわる“悩み”がいくつも見受けられる。

 男性タレントが家事を学ぶ番組が支持され、男性も家事をするのが一般的になってきた一方、それでもまだまだ女性側の家事負担が大きいのはなぜか。サイゾーウーマンでは過去に、『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』(光文社新書)の著者であり、家事研究家の佐光紀子氏に取材を行い、その疑問についてお聞きしていた。佐光氏が「女性自身が家事に求めるレベルが高すぎることが背景にある」と語るワケとは。今回、あらためてこのインタビューを掲載する。
(編集部)


(初出:2018年4月7日)

家事のやりすぎが“国を滅ぼす”? 完璧主義な日本女性の“手抜き”が重要なワケ

 育児に積極的な夫「イクメン」、家事に協力的な夫「カジメン」という言葉が生まれて久しい。しかし、厚生労働省によると、2016年度の男性育児休業(育休)取得率は過去最高とはいえ、たった3.16%。女性の育休取得率81.8%とは圧倒的な差が開いている。さらに世界的に見ても、日本の家事分担率は低く、女性に大きな負担がかかっているのが現状だ。日本の家事分担の実態について、『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』(光文社新書)の著者であり家事研究家の佐光紀子氏に、詳しく話を聞いた。

■完璧な家事をしようとする日本の女性

 諸外国の女性と比べて、日本女性が家事をしすぎているのは事実であり、実際のデータにも如実に表れている。たとえば、16年のOECD(経済協力開発機構)の統計によると、男性が家事を分担する割合は、OECD加盟国平均で31%。これでも少ないといわれているが、日本に至っては半分以下の15%にまで落ちる。なぜ日本人男性の家事分担率は低いのだろうか? その理由のひとつに、女性自身が家事に求めるレベルが高すぎることが背景にあると、佐光氏は指摘する。

「夫に家事を頼む妻側が、『自分のやり方が正しい』『ちゃんと正しい家事でなければ』と思っているケースは多いのです。たとえば、服のたたみ方ひとつとってみても、妻側に『正しい』たたみ方がある。夫が『ちゃんと正しく』できないと、ダメだしされたりするわけです。そうなると、家事そのものの難易度が上がってしまうので次第に苦痛になり、なかなか家事分担が進まなくなってしまうのです」

 12年、ダスキンが行った「主婦のお掃除実態調査」でも、日本の主婦のほぼ半数(48.4%)が「トイレ掃除は毎日すべき」と回答するも、夫側の答えは2割弱という結果だった。夫がよしとするレベルでは、妻が到底満足しないことは、想像に難くない。この意識のギャップが、家事分担率の低さに表れているといえる。

 佐光氏によれば、日本では根強い「家事は女性がやるもの」という価値観は、諸外国にもあったはずだという。しかし、欧米諸国では、1960年代後半からのウーマンリブ運動をきっかけに男女同権が徐々に進み、家事においても格差が是正されていった。一方、その時期日本では高度成長期を迎えてサラリーマン家庭が増加し、男は企業戦士、女は家庭を守る専業主婦という分業体制が確立され、いまだにその考えが引き継がれているというわけだ。また、そんな家庭に育った子どもたちは、母親が家事に追われている姿を見て、結婚や出産そのものに及び腰になっていると、佐光氏は警鐘を鳴らす。

「家庭と仕事の両立は大変だという認識が若い世代にも浸透しているため、子どもを産むことをためらい、結婚しない人が増えています。女性の専業主婦志向が強まっているのも、同様の理由といえるでしょう」

 とはいえ、高度成長期が過ぎ、夫の収入だけでは家計がもたなくなったことで、92年に初めて共働き世帯が専業主婦世帯を上回った。女性が家事だけでなく、仕事もすることが一般的になった今、平等性の観点からも家事分担は必然だろう。

■夫とのシェアだけでなく、外部サービスを試してみるのもあり

 それでは、女性の家事負担を減らすためには、どうすればいいのか? 佐光氏は、思い切って夫に家事を任せてみることも大事だという。

「妻側が無理やり自分のやり方を押し付けず、夫を信じて細かい指示を出しすぎないようにすることが重要。さらに、男女ともに家事ができないことを、そこまでダメだと意識しすぎず、重く受け止めないように意識改革することも必要でしょう」

 また、女性の家事負担を下げるためには、必ずしも夫の手助けだけでなく、外部サービスに頼むことも一案だと、佐光氏は指摘する。

「多くの女性は家事のすべてを全部自分でやろうとしていますが、たとえば市区町村が手がけている『ファミリーサポートセンター』では、保育園への送迎や託児サービスなどを受けられます。ほかにも、定年退職後の高齢者が買い物、洗濯、雑草抜きなどをしてくれる『シルバー人材センター』というものもあるので、家事と仕事の両立をするなら、他人の手をうまく活用すべきです」

 「女性が『ちゃんとした家事をしなければならない』という意識の呪縛から解放されれば、身も心も楽になるでしょう」と佐光氏。

 良い家庭を築くことと、完璧に家事をこなすことは、イコールでない。社会のため、日本のためにも、家事は適度に“手抜き”することも大事なのだ。
(福田晃広/清談社)

学歴詐称疑惑に揺れる“女帝”小池百合子……「女優気質」でも「リーダー気質は控えめ」な人物像とは?

 7月5日投開票の東京都知事選に出馬を表明している現東京都知事・小池百合子氏に、“学歴詐称疑惑”が浮上している。小池氏の最終学歴は、エジプトの名門・国立カイロ大学卒業とされているが、長年「実際は卒業していないのではないか?」というウワサがつきまとってきたことは、多くの人が知るところだろう。そんな中、5月29日に発売された、ノンフィクション作家・石井妙子氏による評伝『女帝 小池百合子』(文藝春秋)では、カイロ時代、小池氏とルームメイトだったという女性の証言をもとに、あらためてこの疑惑を追及、また卒業証書と卒業証明書の偽造説にも切り込んでおり、世間の関心を引くことになった。

 小池氏としては、再選を狙う都知事選を前に、どうしても疑惑を払拭しておきたいだろうが、6月8日、カイロ大学側が「小池百合子氏が1976年10月にカイロ大学文学部社会学科を卒業したことを証明する。卒業証書はカイロ大学の正式な手続きにより発行された」と声明を発表。さらに同15日、小池氏は、選挙スタッフを通じて卒業証書と卒業証明書の“原本”を公開したものの、騒ぎは収束に向かっているとは言い難い状況だ。

 そんないま日本で最も注目を浴びる人物の一人である小池氏だが、『女帝 小池百合子』をきっかけに、彼女の人物像にも興味を抱く人は少なくない。サイゾーウーマンでは過去に、筆跡鑑定人・牧野秀美氏に、小池氏の直筆サインから、その人物像を紐解いてもらうインタビューを行っていた。小池氏が渦中の人となったいま、同記事を再掲する。


(初出:2017年10月19日)

 東京都知事でありながら、巻き起こす数々のサプライズは国政までをも揺るがし、来る衆議院議員選挙を前にワイドショーがこぞって取り上げる――そんな時の人となった小池百合子氏の筆跡を鑑定。筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)の著者・牧野秀美氏に、人物像を読み解いてもらった。

■自分が「女優気質」かどうかは、あの部分でわかる!

――小池さんの字は、かなり崩し文字ですね。自身の政経塾である「希望の塾」のホームページに掲載されている直筆サインは、「小池百合子だ」という前提がなければ、「池」も「合」も判読できないくらいです。

牧野秀美氏(以下、牧野) 小池さんの文字は、情緒性あふれる続け字で勢いがあり、女性らしさと男性的な線の太さが混在しています。以前取り上げた元防衛大臣の稲田朋美さんの文字は、どちらかというと線の細い女性的な文字でしたが、対照的ですね。

 稲田さんと共通している点は、左右の両払いが長い所です。これは百合子の「合」の字でわかります。自分自身を華麗に演出し、その世界にのめり込む「女優型」といわれ、華やかに装い、自分のイメージカラーである緑を効果的に使う小池さんそのものを表しているといえます。

――確かに、小池さんの「合」の払いの部分は「とってもたっぷり」ですね。稲田さんの名前にもあり、多くの女性の名前に使われる「美」も払いがありますから、名前に「美」のある人は自身の女優気質をチェックしてみるといいかもしれません。

牧野 また、ほかの画像を確認しましたが、大きな文字と小さな文字が混在して書かれています。このように文字に大きさのメリハリをつけて書く人は「波瀾型」と呼ばれ、荒波であればあるほど、ゆうゆうと泳ぎきる、波瀾を制することに達成感を感じる人に多い書き方です。小池さんの政治人生もまさに波瀾万丈です。

 そして、「様」の字、木へんの横画左側への突出は頭の回転が早く、思ったことをはっきり主張する「才気煥発型」であること、縦画下部への突出は、向上心が強いことがわかります。留学経験があり、外国語が堪能、自らの一貫した政治理念を持っていることはその表れでしょう。その自信と余裕から、器の大きさが伝わってきます。まさに政治家は小池さんにとって“天職”といえるでしょう。

 

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牧野 しかし、気になる箇所がないわけではありません。それは存在感や器の大きさに比べ、「様」の字において、「リーダー気質」を表す縦画上への突出(木へんの頭の部分)が控えめなことです。これは自分が先頭に立ち組織を引っ張っていく力で、それが控えめなことを表しています。

――「頭の回転が早く」かつ「女優気質」、おまけに「波瀾に強く」、かつ職業が政治家なら「リーダー気質」なのかなと思いがちですが、考えてみれば別の気質ですよね。

牧野 リーダー気質の欠如は、小池劇場の脚本を誰かが書き、それを演じているふうにも読めます。今は何とか順風満帆にことが進んでいますので、先頭に立っていられますが、逆境になった時に、果たして今のように堂々と矢面に立つことができるか、また、縦長文字が示すプライドの高さが故に、自分のイメージダウンを恐れずに、逆境時に「辞める」以外の責任を果たせるのかが気になるところです。

 また、「池」の字における「ハネ」が弱いことにも注目です。ハネは実行力の他、切り替えの速さやスピード感も表します。小池さんの高い精神性と理想主義は、例えば貴族が庶民の暮らしを知らないように、現場の問題把握の妨げとなる可能性となるかもしれません。とはいえ、小池さんには女性政治家として第一線で活躍してほしいと願います。

――前回取り上げた「お騒がせ」泰葉さんも、ハネは弱めでしたね。ちなみに、今までの連載でさまざまな女性の文字を取り上げてきましたが、一番政治家適性があるのはどなたでしょう?

牧野 文字から実行力、プライドをコントロールする力、しつこさ、完璧さを併せて考えると、一番政治家にふさわしいのは松居一代さんかなと思います。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所

アンジャッシュ・渡部建と東出昌大の身を滅ぼした“不倫”……“当事者”の女たちが「今どきの不倫事情」を語る

 アンジャッシュ・渡部建が、佐々木希という妻と子どもがいる身でありながら、複数の女性と不倫関係にあったと「週刊文春」(文藝春秋)にスクープされた。これを受け、渡部はテレビ出演を全面自粛。ネット上では「最低すぎる」「あり得ない」「ゲスい」などと非難の嵐となっている。

 芸能界では、こうした不倫スキャンダルが後を絶たない。今年1月には、東出昌大が、唐田えりかと3年にわたり不倫関係にあり、杏とは別居状態であることが発覚。渡部同様もうバッシングを浴び、CM降板など仕事面にも影響を及ぼした。

 しかし、芸能人・一般人問わず、大きな代償を支払うこともある不倫に没入する人はいなくなる気配がない。サイゾーウーマンでは、2016年に「今どきの不倫」をテーマに、不倫をしている女、された女、身近な人の不倫を目撃した女の三者による座談会を開催していた。当事者にしかわからないリアルな不倫事情とは。渡部のスキャンダルが世間を騒がせる中、あらためて本記事を掲載する。


(初出:2016年7月24日)

不倫している女、された女、目撃した女――「今どきの不倫」匿名座談会

 ベッキーに始まり、宮崎謙介前衆議院議員、乙武洋匡、桂文枝、石井竜也、とにかく明るい安村、三遊亭円楽、ファンキー加藤、などなど、芸能界から国会議員まで、なぜか今年は不倫騒動が続いている。そこで、身近で不倫をよく目にしたり、実際に不倫の当事者である女性3人に「今どきの不倫」について語ってもらった。

神澤志万:既婚。連載「永田町の『謎』 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報」でおなじみの現役国会議員秘書。自らの不倫経験はなし。
まほ:30代、既婚。夫が不倫した経験を20回にわたって連載「夫の不倫相手を訴えた! 実録『慰謝料請求裁判』体験記」に綴った。過去に不倫経験あり。
ユカリ:20代。既婚だが、現在不倫中(!)のOL。

■そもそも法律を決める国会が男尊女卑

――最近、ホントに不倫の話題が多いですけど、今回は神澤さんに「国会の不倫」、ユカリさんとまほさんに「普通の人の不倫」についてお聞きしたいと思います。一連の芸能人らの不倫報道については、どう思いますか?

ユカリ 不倫の報道はイヤですね。朝起きてテレビをつけて不倫問題をやっているとイラッとします。ソッコー消しますね。

――それは罪の意識からですか? 

ユカリ それもあるけど、当人の問題なのに大きく報道するのはおかしくないですか? ベッキーは独身なのに、結婚していた川谷絵音(ゲスの極み乙女。)より叩かれている気がします。あと、何年も前の話ですが、元モーニング娘。の矢口真里の時はすごくイヤでしたね。

――夫の留守中に、自宅に年下のイケメンモデルを連れ込んでエッチしていたという件ですね。離婚もしています。

ユカリ もうウンザリするくらい報道してましたね。私だって、不倫はよくないとわかっていますが、誰にも迷惑はかけていません。秘密の関係は墓場まで持って行くものですから、そっとしておいてほしいです。「奥さんに謝りたい」っていうベッキーもどうなんですかね。

まほ ベッキーはいろいろ残念ですね。最初すぐに謝った時は好感度もアップしてたのに、その後にLINE画像が流出して、まったく反省していない態度が公に出てしまったのが失敗でしたね。

ユカリ そうそう、「センテンススプリング」とかね(笑)。 

――でも、メディアはやっぱり女性の方を叩きますよね。結局、不倫もワリを食うのは女性ということですかね。

神澤 そういうことですよね。民法が女性にだけ再婚できる期間を制限しているのも男尊女卑ですよね。そもそも法律を決める国会が男尊女卑の人ばかりなので、仕方ないのかもしれませんが……。

■不倫は周囲に迷惑をかけずに自己責任で

――政治家のセンセー方には、昔からお妾さんがいるイメージがありますが?

神澤 今は、昔みたいなお手当を払って家も買ってあげるような「お妾」タイプは、ゼロではなくとも、ほぼ絶滅状態ですね。まあ今どきは、そんなお金もないでしょうね。永田町は今でも男性優位で、オンナは黙って言うことを聞けという風潮が強いのですが、それでも変わってきていて、全体的に不倫してる人も減っている気がします。週刊誌などマスコミがうるさいのも理由ですが、それ以上に今は奥さんがコワイんですよ。

――なるほど。昔みたいに耐えるタイプの奥さんも少ないでしょうね。

神澤 そうなんです。以前は「一家も治められないで、国が治められるわけがない」といわれていたくらいですから、離婚はご法度で、奥様も耐えるしかありませんでした。もちろん宮崎謙介さんみたいに、不倫くらいでは別れないカップルも多いです。

――もうすっかり忘れてましたが、宮崎さんには驚きましたね。奥様は同じ自民党二階派の金子恵美衆院議員ですね。「妻のために育休も取る」って言ってたのに、出産の1週間前に愛人を自宅マンションに連れ込んでいて、支持を一気に落としました。てっきり、議員を辞めて離婚すると思っていましたが。

神澤 意外かもしれませんが、それまで不倫のせいで辞めた議員はいませんでした。選挙をやり直すにも税金がかかりますし、議員辞職は自分だけの問題ではないんです。でも、宮崎さんのような人を議員にした自民党もどうなんだろうというのが本音ですね。実は宮崎さんは国会でもナンパを繰り返していて、永田町でも評判が悪かったんです。奥様の金子議員はお子さんのこともあって離婚しなかったようですが、今、宮崎さんは奥さんに頭が上がらず、針のムシロ生活と聞いています。

――有権者は、政治資金規正法違反より不貞を許せないんですよね。「不倫したら辞職」という前例ができちゃうと、ほかの議員も困るでしょうね。

神澤 そうですね。不倫はいいことではありませんが、しょせんは当人の問題。お互いが好きなら契約でもなんでもすればいいと思います。私たち秘書が困るのは、別にデキてないのに、ボスとの関係を疑われることですね。私もボスと同じタクシーには乗らないとか、いろいろ気を使いますよ。あとは政治がわかっていない愛人さんが仕切る事務所がたまにあるので、それは本当に迷惑です。

――公私混同タイプ、まだいるんですか!

神澤 たくさんではないですが、いらっしゃいますよ。たとえば元プロスポーツ選手のAさんの事務所の愛人さんは、評判悪いです。なんでも愛人さんにお伺いを立てないとダメなんです。Aさん本人はいい方なんですが、彼女のせいでオトコを下げてると、もっぱらの評判です。個人の自由ですから、不倫も周囲に迷惑をかけずに、自己責任でお願いしたいですね。

■バレないためにはLINEや電話の履歴を消去

――政治家さんなど有名人の不倫は、マスコミが「うわさ」をキャッチすることが多いと思いますが、一般の場合はどうなんでしょう?

ユカリ 私の場合は、夫にスマホをのぞかれたことがありました。その時はトボけたので発覚しませんでしたが、それ以来、電話やLINEのやりとりには、めっちゃ気をつけています。履歴はソッコー消しますね。

――ユカリさんは、ご結婚されているんですよね。お相手も既婚者なんですか?

ユカリ そうですね。今はカレが2人いて、1人は職場の上司、もう1人は合コンで知り合いました。夫は同世代ですが、年上のオトナっぽい人と付き合いたかったので。

――最近は、そういう若いコと付き合いたいオッサンの合コンもあるようです。

神澤 そうそう、国会議員もいろんな合コンやってますよ。今度、声かけます(笑)。

ユカリ ありがとうございます(笑)。

――国会議員の合コン(笑)。行ってみたい気もしますね。オジサマには、若いご主人にはない魅力があるということですか?

ユカリ そうですね。でも、私は夫とも仲はいいんですよ。なんていうか、セックスは「別腹」って感じですかね(笑)。

――オトナの男性は、高いレストランなどにもエスコートしてくれますしね。

ユカリ でも、一緒にいるところを人に見られたくないので、デートはあまりしませんね。だいたいカレの家に行きますし、食事に行くときは友達にも来てもらうとかして、とにかくバレないように気をつけています。
(構成・蒼山しのぶ)

(後編に続く)

アンジャッシュ・渡部建と東出昌大の身を滅ぼした“不倫”……“当事者”の女たちが「今どきの不倫事情」を語る

 アンジャッシュ・渡部建が、佐々木希という妻と子どもがいる身でありながら、複数の女性と不倫関係にあったと「週刊文春」(文藝春秋)にスクープされた。これを受け、渡部はテレビ出演を全面自粛。ネット上では「最低すぎる」「あり得ない」「ゲスい」などと非難の嵐となっている。

 芸能界では、こうした不倫スキャンダルが後を絶たない。今年1月には、東出昌大が、唐田えりかと3年にわたり不倫関係にあり、杏とは別居状態であることが発覚。渡部同様もうバッシングを浴び、CM降板など仕事面にも影響を及ぼした。

 しかし、芸能人・一般人問わず、大きな代償を支払うこともある不倫に没入する人はいなくなる気配がない。サイゾーウーマンでは、2016年に「今どきの不倫」をテーマに、不倫をしている女、された女、身近な人の不倫を目撃した女の三者による座談会を開催していた。当事者にしかわからないリアルな不倫事情とは。渡部のスキャンダルが世間を騒がせる中、あらためて本記事を掲載する。


(初出:2016年7月24日)

不倫している女、された女、目撃した女――「今どきの不倫」匿名座談会

 ベッキーに始まり、宮崎謙介前衆議院議員、乙武洋匡、桂文枝、石井竜也、とにかく明るい安村、三遊亭円楽、ファンキー加藤、などなど、芸能界から国会議員まで、なぜか今年は不倫騒動が続いている。そこで、身近で不倫をよく目にしたり、実際に不倫の当事者である女性3人に「今どきの不倫」について語ってもらった。

神澤志万:既婚。連載「永田町の『謎』 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報」でおなじみの現役国会議員秘書。自らの不倫経験はなし。
まほ:30代、既婚。夫が不倫した経験を20回にわたって連載「夫の不倫相手を訴えた! 実録『慰謝料請求裁判』体験記」に綴った。過去に不倫経験あり。
ユカリ:20代。既婚だが、現在不倫中(!)のOL。

■そもそも法律を決める国会が男尊女卑

――最近、ホントに不倫の話題が多いですけど、今回は神澤さんに「国会の不倫」、ユカリさんとまほさんに「普通の人の不倫」についてお聞きしたいと思います。一連の芸能人らの不倫報道については、どう思いますか?

ユカリ 不倫の報道はイヤですね。朝起きてテレビをつけて不倫問題をやっているとイラッとします。ソッコー消しますね。

――それは罪の意識からですか? 

ユカリ それもあるけど、当人の問題なのに大きく報道するのはおかしくないですか? ベッキーは独身なのに、結婚していた川谷絵音(ゲスの極み乙女。)より叩かれている気がします。あと、何年も前の話ですが、元モーニング娘。の矢口真里の時はすごくイヤでしたね。

――夫の留守中に、自宅に年下のイケメンモデルを連れ込んでエッチしていたという件ですね。離婚もしています。

ユカリ もうウンザリするくらい報道してましたね。私だって、不倫はよくないとわかっていますが、誰にも迷惑はかけていません。秘密の関係は墓場まで持って行くものですから、そっとしておいてほしいです。「奥さんに謝りたい」っていうベッキーもどうなんですかね。

まほ ベッキーはいろいろ残念ですね。最初すぐに謝った時は好感度もアップしてたのに、その後にLINE画像が流出して、まったく反省していない態度が公に出てしまったのが失敗でしたね。

ユカリ そうそう、「センテンススプリング」とかね(笑)。 

――でも、メディアはやっぱり女性の方を叩きますよね。結局、不倫もワリを食うのは女性ということですかね。

神澤 そういうことですよね。民法が女性にだけ再婚できる期間を制限しているのも男尊女卑ですよね。そもそも法律を決める国会が男尊女卑の人ばかりなので、仕方ないのかもしれませんが……。

■不倫は周囲に迷惑をかけずに自己責任で

――政治家のセンセー方には、昔からお妾さんがいるイメージがありますが?

神澤 今は、昔みたいなお手当を払って家も買ってあげるような「お妾」タイプは、ゼロではなくとも、ほぼ絶滅状態ですね。まあ今どきは、そんなお金もないでしょうね。永田町は今でも男性優位で、オンナは黙って言うことを聞けという風潮が強いのですが、それでも変わってきていて、全体的に不倫してる人も減っている気がします。週刊誌などマスコミがうるさいのも理由ですが、それ以上に今は奥さんがコワイんですよ。

――なるほど。昔みたいに耐えるタイプの奥さんも少ないでしょうね。

神澤 そうなんです。以前は「一家も治められないで、国が治められるわけがない」といわれていたくらいですから、離婚はご法度で、奥様も耐えるしかありませんでした。もちろん宮崎謙介さんみたいに、不倫くらいでは別れないカップルも多いです。

――もうすっかり忘れてましたが、宮崎さんには驚きましたね。奥様は同じ自民党二階派の金子恵美衆院議員ですね。「妻のために育休も取る」って言ってたのに、出産の1週間前に愛人を自宅マンションに連れ込んでいて、支持を一気に落としました。てっきり、議員を辞めて離婚すると思っていましたが。

神澤 意外かもしれませんが、それまで不倫のせいで辞めた議員はいませんでした。選挙をやり直すにも税金がかかりますし、議員辞職は自分だけの問題ではないんです。でも、宮崎さんのような人を議員にした自民党もどうなんだろうというのが本音ですね。実は宮崎さんは国会でもナンパを繰り返していて、永田町でも評判が悪かったんです。奥様の金子議員はお子さんのこともあって離婚しなかったようですが、今、宮崎さんは奥さんに頭が上がらず、針のムシロ生活と聞いています。

――有権者は、政治資金規正法違反より不貞を許せないんですよね。「不倫したら辞職」という前例ができちゃうと、ほかの議員も困るでしょうね。

神澤 そうですね。不倫はいいことではありませんが、しょせんは当人の問題。お互いが好きなら契約でもなんでもすればいいと思います。私たち秘書が困るのは、別にデキてないのに、ボスとの関係を疑われることですね。私もボスと同じタクシーには乗らないとか、いろいろ気を使いますよ。あとは政治がわかっていない愛人さんが仕切る事務所がたまにあるので、それは本当に迷惑です。

――公私混同タイプ、まだいるんですか!

神澤 たくさんではないですが、いらっしゃいますよ。たとえば元プロスポーツ選手のAさんの事務所の愛人さんは、評判悪いです。なんでも愛人さんにお伺いを立てないとダメなんです。Aさん本人はいい方なんですが、彼女のせいでオトコを下げてると、もっぱらの評判です。個人の自由ですから、不倫も周囲に迷惑をかけずに、自己責任でお願いしたいですね。

■バレないためにはLINEや電話の履歴を消去

――政治家さんなど有名人の不倫は、マスコミが「うわさ」をキャッチすることが多いと思いますが、一般の場合はどうなんでしょう?

ユカリ 私の場合は、夫にスマホをのぞかれたことがありました。その時はトボけたので発覚しませんでしたが、それ以来、電話やLINEのやりとりには、めっちゃ気をつけています。履歴はソッコー消しますね。

――ユカリさんは、ご結婚されているんですよね。お相手も既婚者なんですか?

ユカリ そうですね。今はカレが2人いて、1人は職場の上司、もう1人は合コンで知り合いました。夫は同世代ですが、年上のオトナっぽい人と付き合いたかったので。

――最近は、そういう若いコと付き合いたいオッサンの合コンもあるようです。

神澤 そうそう、国会議員もいろんな合コンやってますよ。今度、声かけます(笑)。

ユカリ ありがとうございます(笑)。

――国会議員の合コン(笑)。行ってみたい気もしますね。オジサマには、若いご主人にはない魅力があるということですか?

ユカリ そうですね。でも、私は夫とも仲はいいんですよ。なんていうか、セックスは「別腹」って感じですかね(笑)。

――オトナの男性は、高いレストランなどにもエスコートしてくれますしね。

ユカリ でも、一緒にいるところを人に見られたくないので、デートはあまりしませんね。だいたいカレの家に行きますし、食事に行くときは友達にも来てもらうとかして、とにかくバレないように気をつけています。
(構成・蒼山しのぶ)

(後編に続く)

嵐・二宮和也の結婚に猛反発! 「過激」と言われるジャニーズファンの一面「貶し愛」とは?

 世間一般的に「過激」と見られることが少なくないジャニーズファン。例えば昨年11月、嵐・二宮和也が、元フリーアナウンサー・伊藤綾子と結婚した際、ファンは、二宮が活動休止前の大事な時期にゴールインしたことに猛反発。もともと伊藤は、自身のブログで交際を“匂わせ”ていたことで、ファンの怒りを買っていたため、ネット上には「ふざけるな」「あり得ない」などの言葉が飛び交うことになった。また今年に入ってからは、同じく嵐の櫻井翔が、「週刊文春」(文藝春秋)に立て続けに女性と海外旅行をキャッチされ、これまたファンの間で物議を醸した。

 しかし、こうしたジャニーズファンの反応は、必ずしも世間に理解されるものではないのかもしれない。二宮の結婚や櫻井の熱愛スキャンダルをめぐる炎上について、「もうメンバーもいい大人なんだから、ファンが口を出すのは避けるべき」「ファンはアイドルの幸せを喜ぶものじゃないの?」などと指摘する声も散見されたほか、あらためて「ジャニーズファンは過激で怖い」というイメージを持つ者も少なくなかったようだ。

 ジャニーズファンには、ほかにも“一風変わっている”とされる応援スタイルのファンがいる。その一つが“貶し愛”をするファンだ。愛してやまないアイドルのことを、「ブス」「ダサい」などとネガティブな言葉で表現するのが“貶し愛”なのだが、ここ最近ではジャニーズ以外のアイドルファン界隈でも珍しくなくない様子。サイゾーウーマンでは過去に、この“貶し愛”を行うファンの心理を探るべく、神奈川大学心理相談センター所長、人間科学部教授である臨床心理士の杉山崇氏に取材を行っていた。ここ最近も話題に事欠かないジャニーズだが、そのファン心理の一面をお伝えすべく、今回インタビューを再掲する。


(初出:2018年2月22日)

嵐・櫻井翔を「ブス」「ダサい」!! “貶し愛”をするファンの特徴を、臨床心理士が解説

 最近、ネットを中心に話題を呼んでいる深夜アニメ『ポプテピピック』(TOKYO MXなど)。女子中学生・ポプ子とピピ美を主人公に、さまざまな作品のパロディーやブラックユーモアを織り交ぜた、“説明不可能”な物語が展開されていく。そんな同作のファンたちは、こぞって「クソアニメ」と称賛し、ネットで大盛り上がりをしているのだが、ここである疑問がわいてくる。なぜ、自分の愛する作品を「クソ」呼ばわりするのだろうか。

 こうした現象は、アニメ、またアイドル、タレントなどのファン界隈では決して珍しいことではない。例えば、国民的アイドル嵐・櫻井翔の私服姿を「ダサいw」、最近顔回りに肉がついてきたと指摘して「ブスw」などとファン同士が言い合っている様子は、ネット上で散見されている状況だ。こうした、愛するものをネガティブな表現で語ることは「貶し愛」と言われ、近年では愛情表現の1つとして、広く認知されるようになった。

貶す=強い関心を持っている

 しかし、なぜこうした貶し愛が横行するようになったのだろうか。神奈川大学心理相談センター所長、人間科学部教授である臨床心理士の杉山崇氏に、貶し愛の心理や、貶し愛をしがちな人の特徴、またネットとの関連性などについて話を伺った。

「愛情の反対は、嫌悪や憎しみではなく、“無視”なんです。憎しみは、愛情と紙一重で、どちらも対象に強い関心がある。貶すということは、つまり“強い関心を持っている”という表現でもあるわけです。特に、貶すとなると、悪い部分に注目をしていないといけないので、『自分はこれだけ深く注目している』というアピールになります。例えば、男子が好きな女の子に対して、悪口を言うことってありますよね。周りが『あの子って可愛いよね』とチヤホヤしていても、『いや、でもアツイはこういうダメところがある』と言って、『みんなが知らないことを知ってるよ』とアピールするのと同じことです」

 幼い男子特有の心理と思われがちだが、杉山氏いわく「男女問わず、年齢も関係なくあります。パパやママが自分の子どものことを誰かに褒められたりすると、『いやいや、こんなダメなところがあってね』なんてよく言ったりしますが、それもまた『あなたの知らないところを、私は見てるんですよ』という心理であり、ひいては『この子は私のものよ』というアピールの場合もあります」とのこと。

 また、ファンの間での貶し愛には、仲間意識を生む面もあるようだ。確かに、「こういうところが残念」「だよねだよね」と共感を得ることは、ファン交流の醍醐味かもしれない。

「ただし、熱心なファン同士の貶し愛による交流は、興味を持ち始めたファンに嫌な気分や疎外感を覚えさせる面もあるのではないでしょうか。貶し愛をする人たちは、『私だけが知っている』という優越感を持っているので、にわかファンが“撤退していく”ことに、うれしさを覚える……ということはあると思います」

 こうした貶し愛がはやる背景には、対象物であるアニメやアイドル側の戦略も関係しているという。

 例えばAKB48は、「クラスで3~4番目に可愛い子を集める」というコンセプトで、見る者に親近感を抱かせたといわれているが、こうした“完璧ではない面を売りにする”スタイルが、「ファンにツッコミどころを与えるといいますか、『自分はこういうところも見ているぞ』と周りに対して優越感を抱かせやすくなっている。それが貶し愛文化を加速させたとも考えられます。最近ではジャニーズもそうですよね」という。

「アニメに関しても、ファンに評論させる余地を残すことで、ファンをのめり込ませる……という。これは炎上商法とも同じ。いろんな人にツッコませて、のめり込ませて、注目を集め続けるやり方です」

貶し愛をする人は「優越感に浸りたいタイプ」

 では、こうした貶し愛をしがちな人には、どういったタイプが多いのだろうか。杉山氏は「3つのタイプが考えられます」と解説をしてくれた。

「まず、社交性が過剰な人。自分のアピールに周りが反応してくれることで、自分の存在を確認できるタイプで、芸能人に多いんです。次に、優越感に浸りたい人で、男性のアイドルファンに多い傾向なのかもしれません。そして最後が、『自分のものである』という独占欲が強い人。こういうタイプの人は、好きなものに対して、自分以外の者が関心を持っていることを、“虫がたかっている”というふうに受け止めてしまい、殺虫剤感覚で貶し愛を用いるのではないかと考えられます」

 貶し愛をする人自身にも特徴がありそうだが、ことネットでこうした現象が見られるのも、理由があるのだろうか。

「人間は、人と向き合っていると、“人”の顔色をうかがうという脳が刺激されるんです。私はこれを“サルの脳”と呼んでいて、これが刺激されると、『自分は周りからどう見えているか?』という“相手が見ている自分”を気にするようになります。しかしネットをしている時は、自分を見ている人がいません。サルの脳が働かなくなって、人目を気にしなくなると、批判的な書き込みをしてしまうことがあります。ネットで貶し愛が盛り上がるのは、そういった現象と同じような面もあるのかもしれませんね」

 確かに、過度な貶し愛によって、ファン同士のいがみ合いが勃発するケースは珍しくない。さまざまなジャンルはあれど、自分を“熱心なファン”だという人は、貶し愛で同じファンを排除しないように気をつけるべきかもしれない。

なぜ「ポスト福山雅治」は現れないのか?  湯山玲子が語る「歌う俳優」の進化論

 石原裕次郎、小林旭、渡哲也、60年代の映画黄金時代に活躍したスター俳優たちの多くは歌手活動を行なっていた。時は流れ、吉田栄作、織田裕二、江口洋介、反町隆史ら90年代のトレンディ俳優のブームを最後に、00年代に入ると俳優の歌手活動はすっかり廃れてしまった。 だが、2020年代を迎えたいま、菅田将暉、ディーンフジオカ、新田真剣佑といった若手俳優たちが彗星のように現れ、俳優の歌手活動路線をふたたびアップデートしはじめている。

 この背景にはどのような事情があるのだろうか、音楽とジェンダー論に明るい著述家の湯山玲子さんに分析してもらった。(前編はコチラ)

――俳優さんの歌手活動に話を戻すと、やはり福山雅治さんの存在は避けて通れません。90年代に大ブレイクした福山さんの登場以降、玉木宏さん、藤木直人さん、藤重政孝さん、大浦龍宇一さんなど、俳優兼歌手として活動した方は少なくありませんが、同じように成功をしたとは言い難いです。

湯山玲子(以下、湯山) これはひとつの回答があって、ギターを持って歌うフォークシンガーって、ライブで鍛えているから、みんな幕間の語りがうまいんですよ。ご存じのように、さだまさしなんか、年末にNHKで見るラジオのような特番をやっているけれど、トークが達者です。福山もずっとラジオやっていたから、自分の言葉でしゃべれるわけ。そうしたフォークのDNAがあるかないかだと思います。泉谷しげるも、なぎら健壱も、語って弾いて語って弾いて、それが反戦歌だったり、社会運動につながっていったわけ。だからあのスタイルというのは、自分の言葉を持っている人じゃないと成立しないんだね。ちょっと顔のいい俳優が形だけマネしても難しいと思う。

——一方で、俳優の歌手活動にはリスクってないんでしょうか? たとえば、97年に自身のテレビドラマの主題歌でデビューした反町隆史さんなんかは、曲はヒットしたんですが、ちょっとネタっぽく消費された感じも否めません。

湯山 自己表現として歌手活動をするようになると、やっぱり歌詞の世界観をどう展開させるかは考えどころだよね。例えば映画に付随したようなものなら、映画の世界観で通せばいいと思うけど、そこから切り離して裸になったときに、何を歌うのかが大事。特に男性の歌詞は難しいと思うんですよ。女の子だったら、カフェでのときめきデートだったり小さな日常をモノローグで歌ったりできるけど、男を主体とした恋愛の歌詞ってちょっと思いつかない。

——それは根本的な問題ですね。

湯山 そうそう、これはJ-POP全体の問題でもあるけど、男のaikoがいないんだよね。

——共感できる男心を書ける男性アーティストが少ないと。

湯山 そうそう。だから、応援ソングばっかりでしょ。HIPHOPの歌う男らしさは共感するようなものじゃないし。「男心」と「男らしさ」がセットだった昔は、河島英五みたいなフォークや演歌の一部のシンガーがそれをやっていたと思うんだけど、いまは男の人がそういった男らしさの議案から、どんどん逃げようとしてるじゃないですか。そもそも「男らしさ」なんてものが廃れてきている中で、「男心」の輪郭がおぼつかなくなっているというか、語れる言葉がなくなってきている。

——菅田将暉さんの「まちがいさがし」の歌詞は、共感性が高いと言われていて、作詞作曲を手がけた米津玄師さんの詞はネット上でよく考察されていたりもします。

湯山「まちがいさがしの間違いの方に生まれてきたような気でいたけど」って、確かにパンチライン効いてますね。マッチョではなく、男の心の複雑さや弱さをセクシーに書ける人がもっと出てきてもいい。そして、そういう作詞の歌を俳優が演じるように歌ったら、最高に盛り上がりそう。

——そういう意味では、菅田将暉さんの歌手活動はかなり完成形に近いのかもしれませんね。今ある「男心」を精一杯表現できているというか。

湯山 女性から見られて「弱い」と思われることを本当に男性は無意識に遠ざけるところがあるでしょ。性的な部分で女性にイニシアチブを取られることも、サービスプレイ以外は大嫌い。舞台『娼年』を見にいったとき、演出はポツドールの三浦大輔だし、松坂桃李も体当たり演技だしで、もう客席は女性わんさかでスタンディングオベーションしていたんですよ。でも、私の隣に座っていた招待客らしいおっさんは、何かというと舌打ちしていた。女が男を買う、ストーリーが気にくわないんだろうね。あからさまに不快を示してて。

——同作の映画公開時も、濡れ場の評判を聞いて観にいったら「思ってたのと違う!」となった男性も少なくなかったとか。

湯山 そりゃ「桃李演じる主人公と違って、自分は絶対に女に買われない存在だ」ということに無意識に腹が立つんでしょうねぇ(笑)。だから、なかなか男のaikoが出てこれないんだよね。でも、弱いことは“悪”ではぜんぜんなくて、それを発信することで救われる人はいると思うんだよね。

——若い世代になると、もっと柔軟にものごとを考えるようになっているんじゃないかという気はします。

湯山 そうなんだよね。例えば、俳優が歌ってもいいし、踊ってもいいし、インスタやってもいい。SNSのバッシング環境は過酷で、恥をかいて傷つくことは怖いけど、その恐怖を織込み済みで、なおかつ表現しようとする強さ、いい意味の鈍感さが若い世代にはありますよね。炎上も自分への一票にできるような、てらいのなさは羨ましいですよ。

——「てらいがない」という印象は確かに、今歌手活動をする若い俳優たちに当てはまる気がします。

湯山 菅田くんにせよ、真剣佑にせよ、最近の若手俳優たちは、てらいもなく自然に歌っていると思うんだけど、それはやっぱり若い世代の価値観がいい方向に変化しているってことを示しているんだと思います。そういういいものを持ってる俳優たちに、作家が何を歌わせるか……アップデートされた「男心」を描ける作家が出てきたらいいなと思いますね。

湯山玲子(ゆやま・れいこ)
映画、音楽、食、ファッション、クラブ・カルチャーなど文化全般を横断しながら執筆を展開。『ごごナマ』(NHK)をはじめ、テレビ番組にコメンテーターとしても出演している。著書に『女ひとり寿司』(幻冬舎文庫)、『女装する女』(新潮新書)、『男をこじらせる前に』(角川文庫)など多数ある。

菅田将暉、中村倫也、真剣佑……「歌う俳優」が台頭するのはナゼか? 湯山玲子が語る「俳優と歌」の関係性

 石原裕次郎、小林旭、渡哲也、60年代の映画黄金時代に活躍したスター俳優たちの多くは歌手活動を行なっていた。時は流れ、吉田栄作、織田裕二、江口洋介、反町隆史ら90年代のトレンディ俳優のブームを最後に、00年代に入ると俳優の歌手活動はすっかり廃れてしまった。 だが、2020年代を迎えたいま、菅田将暉、ディーンフジオカ、新田真剣佑といった若手俳優たちが彗星のように現れ、俳優の歌手活動路線をふたたびアップデートしはじめている。

 この背景にはどのような事情があるのだろうか、音楽とジェンダー論に明るい著述家の湯山玲子さんに分析してもらった。

——90年代のトレンディ俳優以降、あまり目立った動きがなかった男性俳優の歌手活動が、再び活発化しているように思います。

湯山玲子(以下、湯山) そもそも俳優の音楽活動って、ふたつのタイプに分かれるんですよ。仕事と切り分けて自分の聖域(サンクチュアリ)としてやるタイプと、俳優仕事のプロモーションの一環として歌う昔ながらのタイプ。前者はトレンディ俳優以降では、オダギリジョーや浅野(忠信)くんが音楽活動をしているけど、本当に好きでやっている感じで、タイアップでドラマの主題歌みたいなことはやらない。で、最近の菅田将暉やディーン・フジオカ、三浦春馬なんかは、ちょうどその中間くらいのバランスで、うまくやっているように見える。

――確かに、菅田将暉さんが昨年の紅白歌合戦で歌った『まちがいさがし』は、事務所の先輩である松坂桃李さん主演ドラマ『パーフェクトワールド』(フジテレビ系)の主題歌でしたが、菅田さん自身はドラマには出ていませんでした。

湯山 演技がうまくて、それで歌も上手いんだから、なんだかすごい時代になってきたよね。そもそも、最近の俳優たちって急激にレベルが上がっていて、実力があることが当たり前の世界になりつつある。歌えたり踊れたりする俳優も徐々に増えてきているわけで、これ、ジャニーズが影響していることに間違いはない。ミュージカルのレベルも上がっていて、『キンキーブーツ』のドラアグクウィーンの女装で歌い踊る三浦春馬はすごかった。ちなみに、彼は英語も中国語も得意としている。

ーー山崎育三郎さんや、井上芳雄さんなど、ミュージカル界からもスター俳優が出てきています。やはり、演劇の舞台は俳優にとって重要だということでしょうか?

湯山 舞台経験が俳優を鍛えることは紛れもない事実で、昔はテレビや映画の出演よりも下に観られていた舞台の現場に、積極的に人気の若手を入れて成長させるという戦略がこの10年の当たり前になってきた。その先駆けがジャニーズ事務所だったんだけど、1989年に木村拓哉を蜷川(幸雄)さんの『盲導犬』って舞台に出して、今後は舞台で実力をつけていかないと戦っていけないというふうに、長い目で見て育成するようになったことは大きかったんじゃないかな。

——なるほど。ちなみにいま、湯山さんが「歌える」俳優で気になっている人はいますか?

湯山 ほら、去年の紅白で『アラジン』の劇中歌を歌ってたあの……そうだ、中村倫也! タクシーの車中CM映像で可愛いコがいるな、と思って、ググったら、それが彼。歌も上手いし、チンピラ役からお坊ちゃま役まで芸域が広い。そう、いまの世代の役者は急激にハリウッド化していますよね。大ヒットしたアメリカのミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』も、劇中で歌ってるのは俳優なわけで、持っている技術が高い。アクション映画もミュージカル映画もできるヒュー・ジャックマンとかもいるし。アン・ハサウェイみたいなお嬢ちゃん俳優だって、『レ・ミゼラブル』であれだけ歌えて驚いたわけです。日本の芸能界も、その世界に近づきつつあるんじゃないかな。

——女優でいえば、松たか子さんも、今年のアカデミー賞で各国のエルサ役とともに堂々と『アナと雪の女王2』の主題歌「イントゥ・ジ・アンノウン」を歌い上げていました。

湯山 松たか子さんは、確かに両方の表現者として秀でている。女優だと他には、大竹しのぶさんもすごい世界観持ってる。渡辺えり子さんのシャンソンもすごくいいんですよ……ってこのお二人はちょっと大御所すぎる? 若手だったら、高畑充希も芸達者。CMでもX JAPANの『紅』を歌って話題になってたけど。

——高畑さんは歌手活動も活発で、コブクロの小渕健太郎プロデュースのデビュー曲『大切なもの』(2007・みつき名義)や、竹内まりやさんが楽曲提供したアルバム『PLAY LIST』(2018)をリリースするなど、実は以前から音楽活動もやっています。

湯山 でも、あんまり知られてないかも。本人にそこまで歌手活動の興味がないのかな? 00年前後はともさかりえが、さかともえり名義でテクノポップっぽいことをやってみたり、小西康陽が深田恭子に渋谷系っぽい曲を歌わせて遊ぶみたいな時代があったけど、いまはそういう目立ったコラボがないですよね。アテ書きを楽しむ職業的作曲家がいなくなってることも影響してると思うけど、当時の女優の歌は自分を素材にいじって遊んでもらうパターンが多かったかもね。いま、そういう感じで歌っている女優っているのかな……。

——満島ひかりさんはどうですか? 大沢伸一さんや、小沢健二さんともコラボしています。

湯山 彼女がボーカルをやったMONDO GROSSOの『ラビリンス』はよかったよね。PVがめちゃくちゃかっこよくて。ドラマ『カルテット』(TBS)のエンディングで流れる『おとなの掟』を松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平の4人で歌ってたけど、声が独特。確かに彼女なんかは、歌の世界にも自分がやりたいことがしっかりあって、自発的に選んでいる感じがする。

 あとは、それこそ『カルテット』の主題歌を書いた椎名林檎には、ぜひ女優をやってほしかったりする。レディー・ガガみたいに、自分で主演映画とか撮らないかな……

(後編に続く)

湯山玲子(ゆやま・れいこ)
映画、音楽、食、ファッション、クラブ・カルチャーなど文化全般を横断しながら執筆を展開。『ごごナマ』(NHK)をはじめ、テレビ番組にコメンテーターとしても出演している。著書に『女ひとり寿司』(幻冬舎文庫)、『女装する女』(新潮新書)、『男をこじらせる前に』(角川文庫)など多数ある。

にゃんこスター、『ゴッドタン』での“破局ネタ”が話題! “一発屋”と言われたコンビの「面白さ」とは?

テレビ東京の人気バラエティ番組『ゴッドタン』(テレビ東京系)。前回、初のリモート収録回が放送され、“ステイホーム”中の若手芸人たちが続々登場したのだが、中でも視聴者の注目を集めたのが、男女お笑いコンビ・にゃんこスターのスーパー3助とアンゴラ村長だ。

 にゃんこスターは、無名ながら突如『キングオブコント2017』で準優勝を果たしてスターダムにのし上がると、2人が交際していることも明るみになり、世間を騒がせる存在となった。しかし、その後は徐々に露出が減っていき、今年に入ると、2人が破局していたことも報じられ、前回の『ゴッドタン』では、スーパー3助が「相変わらず可愛い顔をしていますね」と未練をのぞかせる場面も。一方のアンゴラ村長は「思い出の品とか全部フリマアプリで売っちゃったので、もうないですね」とサバサバした様子で語っていた。

 そんなにゃんこスターだが、『キングオブコント』で脚光を浴びた頃から、「どこが面白いのかわからない」「全然笑えない」「どうせ一発屋ですぐ消える」などと言われていたことを覚えているだろうか。「すぐ消える」という点については、確かに露出が減っているので「その通り」とも言えるが、完全に消えたわけではなく、今回のようにテレビに出ると話題を集める面もある。果たして、にゃんこスターの面白さとはなんなのか。

 サイゾーウーマンは17年に、元吉本芸人で、“コミュニケーション学”や“笑い”に関する研究をしている桜美林大学講師・瀬沼文彰氏に、同テーマで取材を行っていた。にゃんこスターが「破局ネタ」でまた露出を増やすかもしれない今、インタビューを再掲する。
(編集部)

(初出:2017年12月17日)

にゃんこスターはなぜ若者にウケる? 「YouTuber的」「いいね!感覚」変容する“面白い”の意味

 『キングオブコント2017』で、第2位という好記録を収めた男女お笑いコンビ・にゃんこスター。ボケのアンゴラ村長が、大塚愛の「さくらんぼ」に合わせて披露する「リズムなわとび」(音楽に合わせてダンスを交えながらするなわとび)に、縄跳び大好き少年ことツッコミのスーパー3助が引き込まれていく……という異色のコントは、若者を中心に「面白い」と注目を集め、同大会後は、グランプリ受賞者のかまいたちをしのぐ売れっ子に。しかしその一方、ネット上では「にゃんこスター、全然面白くない!」「あんなのお笑いじゃない」「どうせすぐ消えるでしょ」といった息巻く者も少なくないのだ。

 これは何も、にゃんこスターにだけ見られる現象ではない。「若者に人気の芸人の面白さがわからない大人」というのはいつの時代にもいるし、最近でも、「2017年ブレイク芸人ランキング」でワンツーフィニッシュを飾ったブルゾンちえみとANZEN漫才・みやぞんにも、同様の指摘がみられている。そこで今回は、元吉本芸人で、“コミュニケーション学”や“笑い”に関する研究をしている桜美林大学講師・瀬沼文彰氏に取材を敢行。にゃんこスター、ブルゾンちえみ、みやぞんの笑いがまったくわからない人に向けて「彼らが若者にウケる理由」を聞いた。

――にゃんこスター、ブルゾンちえみ、みやぞんは、特に若者に人気という印象があります。瀬沼先生はどうお考えでしょうか?

瀬沼文彰氏(以下、瀬沼) そうですね、基本的に若い世代にウケている芸人だと思います。大学の学生にも聞いてみたところ、そのような印象でしたし、一方で39歳の私と同世代の人たちは「ちょっとなぁ」といった反応でした。

――特にどの層の若者に、どのようにウケているのでしょうか?

瀬沼 にゃんこスターは10代、また子どもにも人気だと思います。わかりやすいネタなので、マネしやすいですし、あの通りにやれば笑いが取れるという点が人気なのではないでしょうか。例えば10代は、カラオケでにゃんこスターのコント「リズムなわとび」を応用して、マネしているそう。(リズムなわとびを披露するアンゴラ村長が、サビになると突然“なわとびを捨てて跳ばなくなる”という1シーンになぞらえて)「サビのところで“歌わない”」というふうなネタをやると、簡単に笑いが取れるのだとか。あと、これは学生に聞いた話なんですが、友達が質問に答えない際、(スーパー3助をマネて)「答えないんかーい!」とツッコむことがあると言っていました。彼らのネタは、日常会話の中でも応用できるのです。

 ブルゾンちえみは、大学生や20代前半の人たちにウケている印象です。彼女のネタのような“意識高い系の女性”が身近にいる層には、面白いのかなぁと。若者ではないですが、そういった女性の上司にあたる人も、面白いと感じているのでは。みやぞんも若者に人気ですが、正直、どの世代にもウケていると思います。彼の出演する『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)自体が、そういったつくりだからなのかもしれませんが。みやぞんはイジられキャラで、天然っぽい一方、サーカスのようなことまでしたり、絶対音感を持つなど芸達者で、さらに努力家の一面もある。そのギャップは魅力ですよね。努力をする姿を見せているという点で、子どもの親世代にも受け入れられるだろうし、また、強烈な天然キャラというのはわかりやすいので、高齢者も理解できるのではないかと感じます。

――この3組は、歌ネタ、リズムネタという共通点があります。

瀬沼 そうですね。演じている本人が楽しそうにやっているのも共通していて、ウケていると思います。あと、“見た目”の面白さが、ウケているのではないでしょうか。にゃんこスターも派手な衣装ですし、アンゴラ村長の素人っぽさのある見た目も、テレビでは新鮮に映ったのかもしれません。ブルゾンちえみも、「女・男・男」という編成は今まであまりなかったので、見た目のインパクトがあったし、みやぞんは、やっぱり髪型(笑)。あの笑顔も人にインパクトを与えますよ。

――“視覚”の部分の目新しさに若者は惹かれるんですね。

瀬沼 ブルゾンちえみは、本人も言っていたように、「ミュージックビデオを参考にしてネタを作り上げた」というのが新しかったし、ウケたのではないかと思います。今の笑いは、「ネタが面白いかつまらないか」だけで判断されるのではなく、「ネタの質+ビジュアル」で評価されるというか、もっと“全体”として捉えられているのだと思います。音楽界では、80年代前半にMTVができたことで、「音楽の良さ+ビジュアル」で評価されるようになりましたが、ようやくお笑い界にもそういった流れがきたのかなと感じています。ブルゾンちえみのような“女性のあるあるネタ”自体は、横澤夏子や柳原可奈子もやっていますし、古くは、清水ミチコと重なる部分があり、特に新しくはありません。

 新しいといえば、にゃんこスターが付き合っていることを公表したこと。バラエティ番組で、デートに密着した企画もありましたが、YouTuberの動画っぽい感じがあって面白いなぁと。2人のことを一度「いいなぁ」と思ったら、「今日は何をしているんだろう?」とYouTubeをチェックするように楽しむイメージ。とにかく、身内になってしまったら、ネタの質うんぬんではなく、何をしても面白くなる……そういう点がYouTube的だと感じますね。まさに友達感覚で、距離が近い。2人がこの先テレビで通用するかはわからないものの、“消えていく過程”をウォッチすることもできますし、ドキュメンタリー的な面白さとも言えます。

――今の若い世代は、YouTuberが身近な存在になっていると聞きます。上の世代からすると、「YouTuberが面白い」と言うのは、少々憚られるような感覚もあるように思うのですが……。

瀬沼 YouTuberしかり、にゃんこスターをつまらないという人は、お笑いヒエラルキーの中で「どっちが面白いか?」という“縦軸”で芸人を見ている気がします。しかし若い人は「周囲の評価は関係ない」「自分が面白いと思うものが面白い」「ダウンタウンもにゃんこスターもどっちも面白い」と、“横軸”で芸人を見ているのではないでしょうか。ただ一方で、「友達が面白い」という芸人を「いいね!」感覚で、自分も面白いと感じるなど、他人の意見に影響を受ける面もあるようですが、それは“縦軸”における優劣の話とはまた別です。『キングオブコント』は、まさに“縦軸”で芸人をジャッジする大会ですが、その中に、にゃんこスターが変化球的に現れたのはやっぱり新しかったと思いますよ。

 あと、今の若い人たちって「優しい」という特徴があるんです。にゃんこスター、ブルゾンちえみ、みやぞんは、どこか優しく笑ってあげたくなる部分がある。それもウケている理由かもしれませんね。

――お笑いヒエラルキーから解放され、笑いへの自由度が高まったような気もします。

瀬沼 「面白い」という言葉の意味が、変わってきたともいえます。今の若い人が言う「面白い」って、“ワッハッハ”という笑いを基準にしているだけでなく、インスタグラムの「いいね!」とそんなに変わらないのではないでしょうか。「にゃんこスター面白い!」は、「笑える」ではなく、「いいね!」の感覚に近いのではないかと思います。

瀬沼文彰(せぬま・ふみあき)
桜美林大学講師。1999~2003年、吉本興業にてタレント活動をしていた経歴も。東京経済大学大学院コミュニケーション学研究科博士後期課程満期単位取得退学。専門はコミュニケーション学、若者論。著書に『なぜ若い世代は「キャラ」化するのか』(春日文庫)などがある。

安達祐実も「ロリババア」を自称……「私はババア」と言いたがる女性の心理とは?

 現在放送中の連続ドラマ『捨ててよ、安達さん。』(テレビ東京系)で、10年ぶりに地上波連続ドラマの主演を務めている安達祐実。もともと童顔の安達は、現在38歳ながら、ネット上で「20代にしか見えない」「10代でも通用する」と言われるなど、そのエイジレスな魅力で人気を博しているが、中には、安達を「少女のような見た目だが実年齢は上のキャラクター」といった意味を持つ「ロリババア」と指摘する者も少なくない。

 安達自身、そういったネットの反応を知っていたようで、女性誌「ELLE Japan」(ハースト婦人画報社)のYouTubeチャンネル動画に出演した際、「ロリババアと言われることが多い」と言及。さらに「こんなに言っていただけるなら、自ら名乗ろうと思って」と、「LORIBBA」と印字されたスマホケースを公開した。

 蔑称のイメージが強い「ババア」を安達自ら名乗るという行為は、ネット上で「器がでかい」「面白い」「気取ってなくて素敵」などと大ウケしているようだが、一般の、しかも若年層の中にも「自称ババア」の女性は少なからずいるのではないだろうか。サイゾーウーマンでは、過去に「なぜ彼女たちは『私はババア』と言いたがるのか」に迫るインタビューを行っていた。社会学者・鈴木涼美氏と歴史社会学者・田中ひかる氏は、この現象をどう見るのか。今回、あらためて再掲したい。
(編集部)


(初出:2018年3月14日)

なぜ女は「私はババア」と言いたがる? 自虐をせずにはいられない女たちの深いワケ

 「私、ババアだから」

 最近、自分のことを「ババア」と呼ぶ女性に会ったことはないだろうか。もしかすると、「私も言ってる」という人も少なくないのかもしれない。三省堂『デイリーコンサイス国語辞典』で、「ババア」は「女の老人 *多くののしって言う語」と説明されており、ババアを自称する女性は、自虐的にそう言っているのだろうが、着目したいのは、まったく“老人”には当たらない女性たちまでもがババアを名乗っている点である。中年とされる40代、青年・壮年期とされる20~30代、はたまた高校生の女子までもが「私はババア」と言うこの現象は、なぜ生まれたのだろうか。

自己防御とナルシシズムを感じる

 『オンナの値段』(講談社)などの著書で知られる社会学者・鈴木涼美氏は、「ババア」と自称する女性の心理について、次のような見解を述べる。

「人から言われて傷つくことを、最初から排除するために、批判の口封じをしているような気がしますね。例えばSNSで可愛く撮れた自撮りを載せるとき、『ババアの自撮りです』って言ったら、『ババアのくせに』という悪口は言えなくなる。たとえ言われても、『自分がババアなの知ってます』と反論できます。ある種、批判に対してすごく臆病で、最初から人の意見をシャットアウトしてる印象があります。コメンテーターが『こういう犯罪を起こす人は、こういう人が多いと思います』などと意見を述べるときに、『私見ですが』と前置きする場合がありますが、それは発言が元で裁判になったりした際に、釈明できるから。自称『ババア』はそれを応用していると思います。ただ、『ババア』うんぬんが、裁判に発展するなんてことはないので、その人の臆病さをより感じてしまうんですね」

 また、特に若い世代が「ババア」を自称するケースには、“上から目線”の要素も垣間見えるという。

「年下の子をけん制し、バカにするっていう気持ちも、ちょっとあるんではないかなと思っています。『私はもう大人だよ』『私のが上だよ』というのを、『ババア』という言葉で自虐交じりに言うことで、嫌みっぽく聞こえなくして、マウンティングしているというか。彼女たちが言う『ババア』って、単純に“年齢が上”のことを言っていると思います。『20代の子は肌がピチピチでいいわね、私なんて30代のババアだから』と言うとき、素直に羨ましいという気持ちもありつつ、私にはあなたにはない経験があると優越感に浸っているような。そうじゃないと、自ら『ババアババア』なんて言わないですよ」

 鈴木氏は、自称「ババア」女性のメンタリティに、「自己防御とナルシシズムのミックス」を感じるといい、そうした女性を「苦手」と語る。

「今の女性にとって、『痛い』って一番嫌がる事態。痛いとは、自分がどう見えてるかを自覚できていない状態を指すと思うんですが、その痛さを回避するために、『私は自分のことをちゃんと理解しています』とアピールしようとしているのかな、と。ただ私には、痛さを回避しすぎるがゆえに、相手とのコミュニケーションを断絶しているように見えてしまうんです」

 SNS、とりわけ今主流のインスタグラムは「痛くなりやすい場所」(鈴木氏)でもあるという。確かに、芸能人が自撮り写真やブランドものの写真を載せ、「なぜそれをアップしたのか?」「自慢?」などと批判的に見られてしまうことはよくある。そうした背景によって、女性が自分に対して“自覚的である”ことを、よりいっそうアピールする現象が起こっているのかもしれない。

 女性が「ババア」を自称する現象は、「これまでも波のように起こっていた」と指摘するのは、『「オバサン」はなぜ嫌われるか』(集英社新書)などの著者である歴史社会学者の田中ひかる氏。

「確かに最近、『BBA(=ババア)』というネットスラングもよく目につきますが、実はわりといつの時代も、女性が自分の年齢を自虐的に語ることはあったと思います。私が大学生だったバブルの頃、『おばん』という言葉がはやっていたんです。今はもう死語だそうですけど(笑)、若い女性も『私、おばんだから』などと使っていましたね。年上の人を揶揄するときにも『おばん』と言っていました」

 鈴木氏と同様、田中氏も女性がババアを自称する行為は、「自分の年齢を意識した女性が、『ババア』という言葉を自虐として使い、『私は自分のことをわかっています』と予防線を張っていると思います」と語る。では、なぜ今、年齢を意識する女性が増えているのだろうか。

「今は、一時期より専業主婦を望む女性が増えています。そんな女性が結婚をしたいと思ったとき、男性は『生殖可能な年齢の若い女性を求めるもの』という現実に行き当たり、“若さに価値がある”と思いこむようになったのではないかと。特に最近では、“卵子の老化”という言葉が浸透して、年を取ると妊娠しづらくなるということが常識となっています。そういった背景もあって、生殖という点から、年齢を意識しやすくなっているのではないでしょうか」

 少子化問題が叫ばれている今、ひと頃に比べ、女性がより「結婚して子どもを産まなければ」といったプレッシャーにさらされていると、田中氏は言う。しかし、最近では、NHK『クローズアップ現代+』が、『男にもタイムリミットが!?~精子“老化”の新事実~』という特集を放送。この先、男性も年齢を意識するようになり、「“自称ジジイ男子”も出てくるかもしれません。ただ、やはり男性より女性の方が圧倒的に年齢を意識しているのも事実。年齢については性のダブルスタンダードが露骨に表れますから、無理もありません」。

 また一方で、田中氏は、自称「ババア」女性に、別の背景を見ることもできるという。

「“生殖”という点を起因として、『ババア』を自称するのは、子どもを産めるか産めないかと悩む世代だと思うのですが、18歳などで早くも自分を『ババア』と呼ぶ若い人には、また別の意味合いがあるのでは。昔はやっていたヤンキー漫画の世界では、16~17歳が青春で、特にみんな“17歳の夏”を意識していたんですよ。そうすると、18、19、20歳なんてもう大人。18歳頃の若い人には、いつまでもこの愛おしい世界に浸っていたいけれど現実を見なければという感覚が、今も昔もあるのかもしれません。そして、自分を規制するために、今の言葉で『ババア』を使っている気がします」

 世代によって、女性が「ババア」を口にする背景には違いがある。日本において、女性は10代後半から、常にエイジングを意識しなければいけない状況にあるようだ。

「今の年齢は、その人が生きてきた中で最も『ババア』なんですよね。でも、そう思っていたら、死ぬまでずっと『ババア』です。それよりも『残りの人生で、今が一番若い』という当たり前のことを意識した方がいいかもしれませんね」

 自称「ババア」女性から見えてきた、年齢を意識する日本女性たちの姿。「年齢にとらわれないで生きていければいいと思います」という田中氏の言葉が、今後どれだけ女性たちに根付くのか、期待していきたい。

「事故物件」はイメージアップできるのか? 不動産業界が考える「孤独死増加」問題

 事件や自殺、孤独死が発生した物件……通称「事故物件」。不動産会社は、買主や借主に、事故物件であることを事前に告知しなければいけないというが、実はその告知基準が曖昧であることをご存じだろうか。前編では、事故物件を専門に取り扱う不動産会社「成仏不動産」に、曖昧だという告知の実情を解説いただいたが、後編では、今年国土交通省がガイドライン策定に乗り出したことを受け、どのような内容が望ましいのか、見解を聞いた。

花原浩二氏:「成仏不動産」を展開する株式会社NIKKEI MARKS代表取締役
佐藤祐貴氏:「成仏不動産」事業部部長、遺品整理アドバイザー

(前編はこちら)

事故物件の告知ガイドライン「全て告知する」が望ましいワケ

ーーケースがあまりにも多岐にわたりすぎていて、国交省が告知のガイドラインを定めるのは、かなり難しいのではないかとすら思えてきます。

花原浩二氏(以下、花原) 根本的には、告知をする・しないかは、売主・貸主側ではなく、その情報を知って買うか借りるかを判断する買主・借主側の視点に立って考えるべきだと思っています。そうなると、原則「全て告知する」というガイドラインが望ましいと私は考えます。もちろん、50年、100年前のことも告知するのかとなると、ある程度の線引きは必要となるでしょうが、例えば「自殺は発生から10年、他殺は発生から20年まで告知する」というガイドラインを作ったとして、21年経過した段階で、告知されないまま物件を買った・借りた人はどう思うのか……と。もし大島てるさんのサイトなどでその事実を知ったとき、「だったら買わなかった・借りなかった」と、嫌な思いをするかもしれませんよね。不動産会社側は「ガイドラインで20年と定められているので」と言うことでトラブルは回避できますが、買主・借主側の視点に立つと、何の問題解決にもなっていません。

ーー全て告知した上で、判断を買主・借主側に委ねるということでしょうか。

花原 そうですね。実際に人が亡くなった物件というのはこの世にたくさんあるのに、それを隠そうとするのはどうなんだろうと思います。逆に全てを告知することによって、過去に人が亡くなった物件に住むということが「当たり前」になっていくのではないかとも感じるのです。全て告知したほうがクリーンですし、それが不動産の本来あるべき姿だと思います。

 成仏不動産では、これまでひとくくりにされていた事故物件を、「1.お墓や火葬場、葬儀場などが見える物件」「2.共用部分やほかの部屋などで事故があった物件」「3.発見まで72時間以内の孤独死・病死物件」「4.発見まで72時間以上の孤独死物件」「5.火事や事故で人が亡くなった物件」「6.自殺物件」「7.殺人物件」の7区分に分け、紹介をしています。これに、「何年前の出来事か」を補足することで、買主・借主側の物件選びがしやすくなるのではないかという考えがあるんです。

ーーただ、物件のオーナー側からすると、全てを告知すると、不動産の価値が下がる可能性もあるので、避けたいと思ってしまうかもしれません。

花原 確かにその問題はあるので、不動産会社側が流通を促進させる仕組みを作るなど、フォローしていかなければいけないと思います。例えば、成仏不動産では、事故物件であるマンションの一室の内部を、コンクリート打ちっ放し状態のがらんどうにし、「イチから家を作ってもらうDIY物件」として超格安で販売するという企画を行っています。全てを告知して正直になる、加えて、事故物件のイメージアップを図り、オーナーさんに損をさせないようにすることも重要と考えています。

 そもそも、事故物件は不動産の価値が下がると言いますが、現状、事故物件がどれくらいで売れるのかをわかっている人がほとんどいません。というのも、事故物件の取引事例を収集しているところがないので、データがないんですね。そうなると、事故物件を所有しているオーナーさんが「売りたい」と思っても、まず相場がわからない。わからないから確実に売るために、低めの価格になってしまうんです。先ほど触れた「事故物件を7つの区分に分けること」はここにも関係していて、「この区分の事故物件はいくらくらいで売れる」というデータを収集することで、売主側も相場に見合った価格で物件を売れるようになるのではないかと考えています。

ーー近年、孤独死が増加しているという話を耳にします。東京都監察医務院の調査によると、2019年、東京23区内で一人暮らしの高齢者(65歳以上)が自宅で亡くなったケースは3,882件で、約20年前から3倍になっているそうです。

佐藤祐貴氏(以下、佐藤) 孤独死は高齢者だけの問題ではなくなっています。80代の親が、長年引きこもりを続ける50代の子どもの生活を支える「8050問題」に関連し、80代の親が亡くなった後、50代の子どもが一人で生活していけなくなり、孤独死してしまうケースも増えているんです。

花原 我々は、勉強のために特殊清掃の現場を見学させていただくことがあるのですが、半年ほど前、40代前半の方が孤独死され、2年近く発見されなかったという事例がありました。同居されていたお父さんが亡くなり、きょうだいとは連絡を取っていなかったそうです。そのまま残されていた部屋の様子は凄惨でした。

佐藤 若い人は、SNSの世界にしか友達がおらず、実際の社会とは距離ができてしまっている人もいるのでは。そうなると、亡くなって2〜3日で誰かに気づいてもらうことは困難です。最近では新聞を取る人も少ないですし、「郵便受けがいっぱいになっている」という理由で、安否を心配してもらえることもなくなりました。

ーー超高齢社会になると、孤独死はさらに増えると考えられます。そうなると、事故物件も、今後増加していきますよね。

花原 孤独死を起こさないための見守りサポートなども充実していくように思いますが、孤独死が増えることにより、事故物件を気にしなくなる人が増えるとも言えます。また現在は、孤独死のリスクがあるとして、高齢者の方が部屋を借りにくくなっているという問題もあるのですが、「孤独死によって借り手がつかない部屋を持て余す貸し手」と「孤独死リスクを恐れられて部屋を借りられない借り手」は、相性が合うのではないかと思っていて、今後、双方のマッチングサービスを展開していこうと計画しています。

ーー確かにそう考えると、事故物件は忌み嫌われるものではないなという気になります。

花原 海外だと、宗教観の違いから「事故物件」という概念すらない国も存在しています。今後、事故物件の不透明さをなくしていき、事故物件のイメージが変わることで、「売主・貸主」側と「買主・借主」側双方に、メリットが生まれるといいなと思いますね。

成仏不動産