『大家族石田さんチSP』10.8%獲得! 視聴率はいいのに「大家族番組が嫌い」という視聴者が多いワケ

 日本で最も有名な大家族の一つ「石田家」の特番『まさかまさかの2020 大家族石田さんチ~人生、山あり谷ありSP~』(日本テレビ系)が11月26日に放送され、10.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を獲得した。

 取材班が石田家に密着を始めて早24年。長年、同番組を追ってきた視聴者にとっては待望の新作となり、石田家にどんな山あり谷ありが起こったか、子どもたちがどんな成長を遂げたかなど、ネット上では実況が大いに盛り上がっていたようだ。

 大家族番組の醍醐味といえば、さまざまなトラブルを、家族が一丸となって乗り越えていくところだろう。視聴者は、彼らの姿に大きな感動を覚えるものだが、一方では、大家族番組を嫌う層は少なからずいる。その主たる理由は「大家族ならではの貧困で、苦労を強いられる子どもたちを見ていられない」というものだ。

 石田家の場合は、裕福な家であるため、そうした視点抜きに楽しめるという視聴者も多いが、確かにほかの大家族番組だと、子どもたちが進学を諦めたり、家計を支えるためにアルバイトに奔走することは珍しくない。しかし、大家族番組は長年ヒットコンテンツで、高視聴率を叩き出すのも事実だ。

 サイゾーウーマンでは過去に、大家族番組を「好き」という人と、「嫌い」という人――それぞれどんな心理が働いているのかに迫る、神奈川大学心理相談センター所長、人間科学部教授である臨床心理士の杉山崇氏のインタビュー記事を掲載した。『大家族石田さんチSP』の熱気が冷めぬいま、あらためて公開する。


(初出:2018年1月20日)

大家族番組が嫌いな人は「自分のことで頭いっぱい」――“イライラの原因”を臨床心理士が解説

 テレビ界のヒットコンテンツの1つである“大家族番組”。これまで、三好家、青木家、林下家(ビッグダディ)、石田家、渡津家など、さまざまな大家族がテレビに登場し、大家族ならではの苦労やトラブルを赤裸々に明かし、それを一丸となって乗り越えるさまをお茶の間に届けてきた。こうした大家族番組は、軒並み高視聴率を叩き出し、その多くがシリーズ化されている。

 しかしそんな中、こうした大家族番組が「嫌い」という人も少なくない。1月14日、あるTwitterユーザーが、大家族番組に関してこんなツイートを投稿し、話題を集めた。

「ぶっ叩かれるの覚悟で言いますけど、私は大部分の大家族番組というものが嫌いで、無計画に子作りして案の定家計が火の車、子供達にはお腹いっぱいご飯を食べさせず、挙げ句の果てには『中学出たら働け』。そんな実録家族ドラマのどこに感動要素があるのかわかりません」

 このツイートは多くの共感を呼び、大反響を巻き起こした。確かにテレビで取り上げられる大家族は、経済的に困窮している場合が多く、また子どもたちが中卒で社会に出るというケースも珍しくはない。

 『貧乏に負けるな!2男12女ワケアリ大家族』(テレビ東京系、2014年4月放送)で取り上げられた、島根県浜田市の渡津家は、育ち盛りの子どもの食事が「おかずはブロッコリーだけ」「白いご飯に卵のそぼろを混ぜたもの」のみという日も。

 また、『「水トク!」激闘大家族スペシャル 17歳で産んだ我が娘が17歳でまさかの妊娠』(TBS系、15年1月)に登場した、福岡県福岡市の濱本家の長女は、家計を助けるために中卒で就職。実家の家事も手伝うという働き者だったが、終盤で「仕事を辞めて遊びに出るようになったこと」への罰として、親から丸刈りを強制されるという衝撃的な展開を迎えていた。

 こうした大家族の生々しい現実を見せられることを「不快」と感じ、さらにそれを美談に仕立て上げられることに疑問を覚える人たちがいるのも頷ける。しかし、前述の通り、大家族番組はヒットコンテンツ。放送を楽しみにしている視聴者も多いのだ。

 大家族番組を「好き」という人と、「嫌い」という人――それぞれどんな心理が働いているのだろうか。神奈川大学心理相談センター所長、人間科学部教授である臨床心理士の杉山崇氏は次のように語る。

 杉山氏は、まず大家族番組を「好き」という人について、「癒やされている部分がある」と指摘する。

「暮らしは決して楽ではなく、人数が多い分だけ心の葛藤もあるけれど、それなりに楽しそうにたくましくやっている……大家族のそういった点に、『うちの家もこうだ』『家族に問題を抱えているのはうちだけじゃないんだ』と思っている視聴者はいると思います。家庭内のややこしいことって、たいていみんな隠すんですけれど、ああいう番組だと、それが見られるわけです。社会心理学の用語で『社会的比較』といわれていますが、“ほかの人と比較すること”で、癒やされる面もあると感じます」

 一方で、普段見ることのできない“他人の家のいざこざ”を見るというのは、「一種の“覗き見”的楽しみもある」と杉山氏は続ける。

「覗き見をしていると、“自分のことを考えなくてよくなる”んです。『自分のことについて考えると、人はクヨクヨする』という研究があり、ほかに何か注目することがあって、自分から目がそれると、気が楽になる……という。そういう意味では、よその家のゴタゴタは、癒やしになるのかもしれませんね」

 では、「嫌い」と感じる人の心理はどうなのだろうか? 杉山氏は、Twitterの「大家族番組が嫌い」というツイートについて、「子どもがひもじい思いをしている様子を、“子どもの貧困問題”と捉えているのかもしれません。そういった理由から、大家族番組に嫌悪感を示す人はほかにもいるでしょう」と語る。

「『嫌い』という人は、自分のことで頭がいっぱいの人とも言える。例えば、『自分がもっとしっかりしなきゃ』とか『もっとこうしたい』というふうに、向上心があって自分のことに一生懸命になっていると、『人の家のゴタゴタを見て何が面白いんだ』となりがちだと思います。もっと言うと、“自己志向が高い人”は、大家族番組にイライラしてしまうでしょうね。こういう人は、『自分はこうあるべきだ』と思いがちで、さらに、ほかの人ができないと腹が立つんです。自分より苦労している人を見ると、比較して『私も同じくらい大変』『自分よりはマシ』と思うのではなく、『何やってるんだ、けしからん!』と感じるわけです。そう考えると、大家族番組が好きな人は、『自分も他人も許せる人』といえるのではないでしょうか」

 自己志向が高くなる背景は、かねてからネット上で指摘されている「男性は大家族番組が嫌い」という説に通ずるものがありそうだ。

「自己志向が高くなりやすい人は、いろんな責任を背負っている人。無責任な人はなりにくいです。『男性は大家族番組が嫌い』といった傾向があるのは、社会的に男性の方が責任を背負いやすい面と関係があるのかもしれません」

 今後も各テレビ局が放送するだろう大家族番組。自分は彼らの姿をどう受け止めているのかを考えるのも一興かもしれない。

『大家族石田さんチSP』10.8%獲得! 視聴率はいいのに「大家族番組が嫌い」という視聴者が多いワケ

 日本で最も有名な大家族の一つ「石田家」の特番『まさかまさかの2020 大家族石田さんチ~人生、山あり谷ありSP~』(日本テレビ系)が11月26日に放送され、10.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を獲得した。

 取材班が石田家に密着を始めて早24年。長年、同番組を追ってきた視聴者にとっては待望の新作となり、石田家にどんな山あり谷ありが起こったか、子どもたちがどんな成長を遂げたかなど、ネット上では実況が大いに盛り上がっていたようだ。

 大家族番組の醍醐味といえば、さまざまなトラブルを、家族が一丸となって乗り越えていくところだろう。視聴者は、彼らの姿に大きな感動を覚えるものだが、一方では、大家族番組を嫌う層は少なからずいる。その主たる理由は「大家族ならではの貧困で、苦労を強いられる子どもたちを見ていられない」というものだ。

 石田家の場合は、裕福な家であるため、そうした視点抜きに楽しめるという視聴者も多いが、確かにほかの大家族番組だと、子どもたちが進学を諦めたり、家計を支えるためにアルバイトに奔走することは珍しくない。しかし、大家族番組は長年ヒットコンテンツで、高視聴率を叩き出すのも事実だ。

 サイゾーウーマンでは過去に、大家族番組を「好き」という人と、「嫌い」という人――それぞれどんな心理が働いているのかに迫る、神奈川大学心理相談センター所長、人間科学部教授である臨床心理士の杉山崇氏のインタビュー記事を掲載した。『大家族石田さんチSP』の熱気が冷めぬいま、あらためて公開する。


(初出:2018年1月20日)

大家族番組が嫌いな人は「自分のことで頭いっぱい」――“イライラの原因”を臨床心理士が解説

 テレビ界のヒットコンテンツの1つである“大家族番組”。これまで、三好家、青木家、林下家(ビッグダディ)、石田家、渡津家など、さまざまな大家族がテレビに登場し、大家族ならではの苦労やトラブルを赤裸々に明かし、それを一丸となって乗り越えるさまをお茶の間に届けてきた。こうした大家族番組は、軒並み高視聴率を叩き出し、その多くがシリーズ化されている。

 しかしそんな中、こうした大家族番組が「嫌い」という人も少なくない。1月14日、あるTwitterユーザーが、大家族番組に関してこんなツイートを投稿し、話題を集めた。

「ぶっ叩かれるの覚悟で言いますけど、私は大部分の大家族番組というものが嫌いで、無計画に子作りして案の定家計が火の車、子供達にはお腹いっぱいご飯を食べさせず、挙げ句の果てには『中学出たら働け』。そんな実録家族ドラマのどこに感動要素があるのかわかりません」

 このツイートは多くの共感を呼び、大反響を巻き起こした。確かにテレビで取り上げられる大家族は、経済的に困窮している場合が多く、また子どもたちが中卒で社会に出るというケースも珍しくはない。

 『貧乏に負けるな!2男12女ワケアリ大家族』(テレビ東京系、2014年4月放送)で取り上げられた、島根県浜田市の渡津家は、育ち盛りの子どもの食事が「おかずはブロッコリーだけ」「白いご飯に卵のそぼろを混ぜたもの」のみという日も。

 また、『「水トク!」激闘大家族スペシャル 17歳で産んだ我が娘が17歳でまさかの妊娠』(TBS系、15年1月)に登場した、福岡県福岡市の濱本家の長女は、家計を助けるために中卒で就職。実家の家事も手伝うという働き者だったが、終盤で「仕事を辞めて遊びに出るようになったこと」への罰として、親から丸刈りを強制されるという衝撃的な展開を迎えていた。

 こうした大家族の生々しい現実を見せられることを「不快」と感じ、さらにそれを美談に仕立て上げられることに疑問を覚える人たちがいるのも頷ける。しかし、前述の通り、大家族番組はヒットコンテンツ。放送を楽しみにしている視聴者も多いのだ。

 大家族番組を「好き」という人と、「嫌い」という人――それぞれどんな心理が働いているのだろうか。神奈川大学心理相談センター所長、人間科学部教授である臨床心理士の杉山崇氏は次のように語る。

 杉山氏は、まず大家族番組を「好き」という人について、「癒やされている部分がある」と指摘する。

「暮らしは決して楽ではなく、人数が多い分だけ心の葛藤もあるけれど、それなりに楽しそうにたくましくやっている……大家族のそういった点に、『うちの家もこうだ』『家族に問題を抱えているのはうちだけじゃないんだ』と思っている視聴者はいると思います。家庭内のややこしいことって、たいていみんな隠すんですけれど、ああいう番組だと、それが見られるわけです。社会心理学の用語で『社会的比較』といわれていますが、“ほかの人と比較すること”で、癒やされる面もあると感じます」

 一方で、普段見ることのできない“他人の家のいざこざ”を見るというのは、「一種の“覗き見”的楽しみもある」と杉山氏は続ける。

「覗き見をしていると、“自分のことを考えなくてよくなる”んです。『自分のことについて考えると、人はクヨクヨする』という研究があり、ほかに何か注目することがあって、自分から目がそれると、気が楽になる……という。そういう意味では、よその家のゴタゴタは、癒やしになるのかもしれませんね」

 では、「嫌い」と感じる人の心理はどうなのだろうか? 杉山氏は、Twitterの「大家族番組が嫌い」というツイートについて、「子どもがひもじい思いをしている様子を、“子どもの貧困問題”と捉えているのかもしれません。そういった理由から、大家族番組に嫌悪感を示す人はほかにもいるでしょう」と語る。

「『嫌い』という人は、自分のことで頭がいっぱいの人とも言える。例えば、『自分がもっとしっかりしなきゃ』とか『もっとこうしたい』というふうに、向上心があって自分のことに一生懸命になっていると、『人の家のゴタゴタを見て何が面白いんだ』となりがちだと思います。もっと言うと、“自己志向が高い人”は、大家族番組にイライラしてしまうでしょうね。こういう人は、『自分はこうあるべきだ』と思いがちで、さらに、ほかの人ができないと腹が立つんです。自分より苦労している人を見ると、比較して『私も同じくらい大変』『自分よりはマシ』と思うのではなく、『何やってるんだ、けしからん!』と感じるわけです。そう考えると、大家族番組が好きな人は、『自分も他人も許せる人』といえるのではないでしょうか」

 自己志向が高くなる背景は、かねてからネット上で指摘されている「男性は大家族番組が嫌い」という説に通ずるものがありそうだ。

「自己志向が高くなりやすい人は、いろんな責任を背負っている人。無責任な人はなりにくいです。『男性は大家族番組が嫌い』といった傾向があるのは、社会的に男性の方が責任を背負いやすい面と関係があるのかもしれません」

 今後も各テレビ局が放送するだろう大家族番組。自分は彼らの姿をどう受け止めているのかを考えるのも一興かもしれない。

田中みなみ愛用の人気コスメを、美容のプロが成分解析! 「効果が半減」の使用方法とは!?【クレ・ド・ポーボーテ・RMK・ラ ロッシュ ポゼほか】

 かつては「嫌いな女子アナ」ランキングの常連だった田中みな実しかしここ最近は、自分磨きにストイックな姿勢が世の女性たちから評価され、今や“美のカリスマ”として幅広い年代から支持されている。ちまたでは、田中が愛用しているコスメをマネする「田中みな実買い」も流行しているようだが、実際、彼女の愛用品は本当に安心して使用できる商品のなのだろうか? 

 前回に引き続き、化粧品検定一級取得者で化粧品開発の経験を持つ安藤美和子氏(「アンチエイジングの神様」)に、田中が雑誌やSNSで紹介した人気の美容液・化粧水・化粧下地6点の成分解析と、「本当に安心して使えるアイテムかどうか」をA・B・Cの3段階で評価してもらった。ぜひ、スキンケアの参考にしていただきたい。

【美容液】「コスメデコルテ モイスチュアリポソーム」40mL 1万1,000 円(税込み)

「発売当初から長年愛用。乳液のような乳白色の美容液が驚くほどさらりと馴染み、お肌表面のごわつきを緩めて次に入るものをぐんぐん浸透させてくれる感じ」(インスタグラムの投稿より)

成分:水、BG、グリセリン、水添レシチン、PCA-Na、アセチルグルタミン、オオウメガサソウ葉エキス、スギナエキス、トコフェロール、ヒアルロン酸Na、ホップエキス、マツエキス、ヨーロッパシラカバ樹皮エキス、レモンエキス、ローズマリーエキス、オキシベンゾン-5、カルボマー、キサンタンガム、コレステロール、メトキシケイヒ酸エチルへキシル、水酸化Na、フェノキシエタアノール、メチルパラベン、香料

評価:A

 この商品は、浸透力の高さと保湿力の持続性が高いのが特徴。成分濃度は濃いものの、分子が0.1ミクロンと極小なのでさらっとした使用感です。ヒトの肌の成分に近い美容成分が使われているので、肌に刺激を与えにくく、敏感肌の人でも使いやすいでしょう。浸透力と保湿力に優れているので、インナードライ肌や混合肌とも相性が良く、うるおいの持続力が高いので化粧崩れしにくくなるメリットもあります。

「さらっとした使い心地で、お水みたいに軽い。生理前後の不安定なお肌状態のときにも安心して使えて潤い保持力も高い気がします」(インスタグラムの投稿より)

成分:水、プロパンジオール、グリセリン、オプンチアフィクスインジカ種子油、サトザクラ花エキス、ロドデンドロンフェルギネウムエキス、エーデルワイスエキス、フランスラベンダーエキス、加水分解ホホバエステル、酒粕エキス、サクシノグリカン、PEG-40水添ヒマシ油、クエン酸、BG、ラベンダー油、ベルガモット果実油、ニオイテンジクアオイ油、イランイラン花油、アオモジ果実油、安息香酸Na

評価:A

「アルガンオイル」よりも浸透力や保湿効果の高い「ウチワサボテンオイル(オプンチアフィクスインジカ種子油)」を配合しています。これは、「USDA」「ECOCERT」2つのオーガニック認証を取得しており、それ以外にも肌が本来持つ潤いを引き出す「サトザクラ花エキス」、「エーデルワイスエキス」などが配合されているので、肌が敏感なときでも使いやすいでしょう。洗顔後、または化粧水の後に使う美容液としても使うことができ、手の届きやすい価格帯でコスパも魅力的です。

【美容液】「クレ・ド・ポーボーテ ル・セラム」50ml 2万7,500円(税込み)


「細胞のひとつひとつがふっくらしていくようで、メイクのりも抜群。乾燥が気になるときや1日メイクをしっぱなしのハードな日は必須」(インスタグラムの投稿より)

成分:アラントイン*、グリチルリチン酸ジカリウム*、加水分解シルク液、加水分解コンキオリン液、L-テアニン、トウキエキス(1)、シソエキス(1)、海藻エキス(4)、海藻エキス(1)、精製水、1,3-ブチレングリコール、安息香酸デナトニウム変性アルコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテル、トリメチルグリシン、濃グリセリン、トレハロース、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、カルボキシビニルポリマー、クエン酸ナトリウム、エリスリトール、果糖、クエン酸、キサンタンガム、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、シロキクラゲ多糖体、水酸化カリウム、ユリエキス、ヤグルマギクエキス、ニンジンエキス、グリシン、イノシット、ノバラエキス、ブナエキス、トルメンチラエキス、サイコエキスBS、フェノキシエタノール、香料 *は「有効成分」無表示は「その他の成分」

評価:B

 数々の雑誌でコスメグランプリを受賞してきたこの商品は、とろみのあるジェルのような美容液で肌にすっと馴染み、ベタッと重たくなりすぎず、肌につけた直後からふっくらとやわらかい肌の質感を感じられます。肌細胞にアプローチする最先端技術だけでなく、肌の炎症を抑えたり、キメを整える薬用成分も配合されているので、肌の衰えを感じる人が使うと実感しやすいでしょう。ただし、「変性アルコール」や「カルボキシビニルポリマー」など、肌が不安定なときは刺激に感じやすい成分も配合されているので、気になるときは様子をみながら使うことをおすすめします。

「夏は焼けちゃう気がして敬遠していたけど秋冬はオイルを使いたくなる。メイクの過程でオイルを入れると、私の場合はどうしても崩れが気になるから、洗顔後ダブルトリートメントオイルで保湿兼ツヤ出しをして、ほんのりツヤ出しするのにハマっています」(インスタグラムの投稿より)

成分:スクワラン、グリセリン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジメチコン、オリーブ果実油、プロパンジオール、香料、水、エタノール、BG、プセウドジマツクバエンシス/(オリーブ油/グリセリン/ダイズタンパク)発酵物、ホホバ種子油、ブドウ種子油、カニナバラ果実油、アボカド油、マカデミアナッツ油、PG、アカヤジオウ根エキス、キハダ樹皮エキス、ユズ果皮エキス、ローヤルゼリーエキス、アルガニアスピノサ核油、オレンジ果実エキス、セージ葉エキス、ブクリョウタケエキス、カンゾウ根エキス、シソ葉エキス、フェノキシエタノール

評価:B

 肌への刺激が少ない「スクワラン」をベースにしたブースターオイルです。すっと肌に馴染むというより、オイルでしっかり肌を包み込んでくれる美容液のため、乾燥が気になる人向けの商品です。エイジング効果の高い「アルガニアスピノサ核油」など8種類の美容オイルが配合されており、ごわついた肌を柔らかくし、スキンケアの浸透を高める効果が期待できます。植物オイルやエキスで構成された美容オイルですが、撥水作用のある「ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(シリコン油)」や「ジメチコン」が使われており、オイルの美容効果を半減させている可能性があります。そのため、洗顔後一番に使うアイテムとしては避けたほうが良いでしょう。

【化粧水】「資生堂 エリクシール 艶玉ミスト」1,980円(税込み)

「(日中乾燥を感じたときにどうしているかとの質問に対して)ミストをシュシュとして、その後、ファンデーションを重ねています。乳液とか+すると絶対ヨレるからあんまりしたくないんです」(インスタライブより)

成分:水、エタノール、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、ジメチコン、グリセリン、PEG-8、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、PEG-6、PEG-32、エリスリトール、PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル、イノシトール、水溶性コラーゲン、塩化Na、サッカロミセス培養溶解質液、オランダガラシ葉/茎エキス、BG、EDTA-2Na、クエン酸Na、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、クエン酸、フェノキシエタノール、香料、黄4

評価:B

 膜感のある成分が多く使われているので、肌表面がツヤっとして見え、化粧ノリがよくなります。艶玉ミストに配合されている資生堂が開発した美容成分「イノシトール」には、エイジングケア効果がありますが、ミストなので配合量は期待できず、それ以外の保湿成分は高分子の「水溶性コラーゲン」や「グリセリン」だけなので、毎日の化粧水として使うには不向きです。しかし、肌にベールをまとうことができるため、素早く化粧直ししたい時や、しぼんだ夕方の肌をツヤっと見せたい時に役立ちます。


「のびが良くて、高いSPFなのに日焼け止め特有のゴワつき感がない。しかも保湿力もあるからスキンケア感覚で思わず手が伸びる。首やデコルテまで薄くしっかり伸ばして使うといいですね」「テカリではなくツヤを出して気になる部分を光で飛ばすことができる」(「美的」小学館、2020年4月号より)

成分:水、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、酸化チタン、スクワラン、グリセリン、ドロメトリゾールトリシロキサン、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、PG、変性アルコール、TEA、DPG、マイカ、ステアリン酸、セチルリン酸K、トコフェロール、ナイロン-12、(アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、水酸化Al、BHT、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、BG、シアバター油粕エキス、カプリリルグリコール、カルボマー、セタノール、硫酸Ba、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、EDTA-2Na、エチルヘキシルトリアゾン、ステアリン酸グリセリル、イソヘキサデカン、ミリスチン酸、ボタンエキス、パルミチン酸、ステアリン酸PEG-100、フェノキシエタノール、ポリソルベート80、ソルビン酸K、塩化Na、ココイルサルコシンNa、オレイン酸ソルビタン、サーマスサーモフィルス培養物、トロメタミン、キサンタンガム

評価:A

 紫外線散乱剤と紫外線散乱剤の両方が使われていますが、肌負担を考慮した成分のみでつくられているUV乳液です。SPA50・PA++++という高い日焼け止め効果に加え、PM2.5や肌の奥まで届き、シワやシミの原因となるロングUVAなど、空気中のあらゆる物質から守ってくれるので、肌が敏感な人でも安心して使えます。化粧下地として肌のトーンアップ効果もあるので、機能性と安全性を考えると、コスパの良いUV乳液といえます。シリコンで覆われた膜ではなく、「スクワラン」などの油溶性成分が多く使われているため、クリームを塗っている感覚で、これだけで肌にツヤやしっとり感を与えてくれます。テカりやすい肌よりも、乾燥が気になる肌向けです。

話題のパック法「乳液仮面返し」の注意点は?

 なお、コスメ以外にも、田中みな実がハマっている美容法として「乳液仮面返し」という以下のパックの方法も、「肌がモチモチになる」と世の女性たちの間で話題を呼んでいる様子。

[手順]
1.化粧水を塗った後、美容液入りのシートマスクを普段通り10分顔にのせる
2.10分経過したら、シートマスクの肌に密着していないほうの面に乳液をりたくる
3.ひっくり返して乳液を塗った方を顔にのせて10分待つ
4.シートマスクをとって顔の乳液を馴染ませる

 シートマスクと乳液の相性によっては、かえって肌荒れの原因になってしまうなどのリスクはないのだろうか? 安藤氏に注意点をうかがった。

「シートマスクと乳液の相性よりも、『乳液と肌の相性』と『乳液の使用量』を気にしたほうがいいと思います。普段から使っている乳液であれば、肌荒れのリスクは少ないでしょう。また、乳液の使用量が少ないとシートマスクが吸収してしまうので、シートマスクがひたひたになるくらいたっぷり使うことがポイントです。体温によって温まったシートマスクであれば手で乳液をつけるよりも美容成分の浸透は期待できます」(安藤)

田中みな実おすすめコスメの“実力”は? 人気アイテム5点を美容のプロが成分解析!【コスメデコルテ・オバジ・ソフティモ・MT】

  その美貌と美意識の高さから、女性誌や美容誌で次々特集が組まれるなど、今や“国民的ビューティアイコン”として熱い支持を得ているフリーアナウンサー・田中みな実。「田中みな実が愛用!」「田中みな実もおすすめ!」との宣伝文句がつけられた商品は数多く存在し、「田中みな実が使ってるなら……」と、彼女の愛用品をマネする人は決して少なくない。

 そこで今回、化粧品検定一級取得者で、化粧品開発の経験を持つ安藤美和子氏(「アンチエイジングの神様」)に、田中が雑誌やSNSで紹介した人気クレンジング・洗顔アイテム5点の成分解析をしていただき、「本当に安心して使えるアイテムなのかどうか」をA・B・Cの3段階で評価してもらった。ぜひ、スキンケアの参考にしていただきたい。

【クレンジング】「MTクレンジングジェル」200ml 5,500円(税込み)

「敏感肌もアトピーの人も使えるジェルタイプのクレンジング。しっかり落とせるところ、さっぱり感としっとり感のバランス、微妙な粘度、どれも私のツボ」(「MAQUIA」集英社、2019年8月号より)

成分:水、グリセリン、ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル、DPGノール、酒石酸ジメチルアミノエタノール、カルノシン、ジメチルスルホン、パルミチン酸アスコルビル、BGタンエキス、アルテア根エキス、フユボダイジュ花エキス、アルニカ花エキス、セイヨウオトギリソウ花/葉/茎エキス、カミツレ花エキス、トウキンセンカ花エキス、ヤグルマギク花エキス、ローマカミツレ花エキス、グリチルリチン酸2カルボマー、水酸化Kフェノキシエタノール、1,2−ヘキサンジオール

評価:A

 洗浄作用のある界面活性剤の中でも低刺激で肌への負担が少ない「ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル」を主成分としており、肌が弱い人でも安心して使いやすいのが特徴です。さらに、肌を保湿して炎症を和らげる成分など、肌の調子を整える美容成分が多く配合されているのも特長的で、クレンジングとしてはやや高価ですが、その分、肌の変化を感じやすいでしょう。美容成分のほとんどが植物エキス由来のため、アレルギーがある人には不向きですが、そうでなければ肌が不安定な人でも毎日使えるクレンジングジェルです。

【クレンジング】「ソフティモ スーパーポイントメイクアップリムーバー Na」230ml 825円(税込み)

「アイメイクはMTクレンジングジェルで無理して落とさずに、こちらを使用。学生の頃からずっと愛用している」(インスタライブより)

成分:水、BG、水添ポリイソブテン、エタノール、アルギニン、グリコシルトレハロース、コムギ麦芽油、トコフェロール、ヒアルロン酸Na、加水分解シルク、EDTA-2Na、アクリル酸アルキルコポリマー、ラウリル硫酸Na、加水分解水添デンプン、フェノキシエタノール、メチルパラベン

評価:B

 メイク落とし成分として配合されている「水添ポリイソブテン」は、安全性の高い成分ではあるものの、肌への密着度が高いため必要以上に皮脂を奪ってしまうというデメリットがあります。目元の皮膚は顔の中で最も薄いので、肌が不安定なときや乾燥が気になる肌には避けたいリムーバーです。メイクとの馴染みやすさ・落としやすさを売りにしていて、短時間でオフできるのは便利ですが、ウォータープルーフのアイメイクのとき以外は避けるか、リムーバーをケチらずたっぷりコットンにつけて、短時間でメイクオフを済ませるようにしましょう。

「週に1回使うと、角質が取れる。ポロポロしたのが出てくるのが気持ちよくて、でも取りすぎず。(最高品質ラインの)『AQ』だから信頼もできるし、オススメ」(インスタライブより)

成分:ミネラルオイル、水、BG、グリセリン、セテアリルアルコール、ワセリン、アボカド油、エゾウコギ根エキス、オウレン根エキス、オオウメガサソウ葉エキス、ケイケットウエエキス、シラカンバ樹皮エキス、セイヨウハッカ葉エキス、チャ葉エキス、テトラへキシルデカン酸アスコルビル・トコフェロール、パルミトイルペンタぺプチド-4、ビャクダン木エキス、マカデミアナッツ油、マルトース、加水分解コラーゲン、加水分解ダイズエキス、BHT、アルギン酸Na、エタノール、オレイルアルコール、オレイン酸エチル、オレイン酸ソルビタン、カルボマー、キャンデリラロウ、コハク酸、コハク酸2Na、コメヌカロウ、コレステロール、ジメチコン、スクワラン、ステアリン酸、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビタン、ステアロイルグルタミン酸、ステアロイルメチルタウリンNa、セスキオレイン酸ソルビタン、トリラウレス-4リン酸、パラフィン、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、べへニルアルコール、ポリソルベート20、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチドデシル)、レシチン、水酸化Na、水添レシチン、乳酸Na、フェノキシエタノール、香料、酸化チタン

評価:B

 コスメデコルテの最上位ラインのアイテムというだけあって、メイク落ち、香り、洗い上がりの肌の質感、パッケージにまでこだわって作られています。メイク落としの主成分は「ミネラルオイル(鉱物油系オイル)」であり、中身の成分に対して価格が高いのは否めませんが、コクのあるクリームで肌を擦ることなくメイクオフでき、乾燥肌でもつっぱり感はないでしょう。また、配合成分は安全性が確認されれている成分ばかりで、メイク落としをしながら肌のくすみやハリ、毛穴引き締めのケアまでまとめてできる高機能なクレンジングクリームです。

【洗顔】「コスメデコルテ AQ ミリオリティ リペア フォーミングウォッシュn」200ml 1万1,000円(税込み)

「クレンジングクリームとあわせて使用。毎日使っても大丈夫」(インスタライブより)

成分:(公式サイトより)水、ヤシ脂肪酸TEA、ココイルグリシンK、BG、ココアンホ酢酸Na、コミカドMEA、ラウリルベタイン、PPG-2コミカド、グリセリン、エゾウコギ根エキス、オウレン根エキス、オオウメガサソウ葉エキス、ケイケットウエキス、シラカンバ樹液、シラカンバ樹皮エキス、セイヨウハッカ葉エキス、ポリクオタタニウム-51、マルトース、加水分解コラーゲン、加水分解ダイズエキス、EDTA-2Na、エタノール、オレイルアルコール、オレイン酸エチル、オレイン酸ソルビタン、クエン酸、ココイルメチルタウリンNa、コハク酸、コハク酸2Na、コレステロール、スクワラン、ポリクオタニウム-7、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、レシチン、亜硫酸水素Na、塩化Na、水添レシチン、炭酸水素Na、エチルパラベン、フェノキシエタアノール、安息香酸Na、香料

評価:A

 クレンジングでも登場した、コスメデコルテの最上位ラインの洗顔料です。洗浄成分は「ヤシ脂肪酸 TEA」などマイルドな界面活性剤なので、保湿因子を残しながら洗顔ができます。「パラベン(防腐剤)」の代わりに「フェノキシエタノール」を配合しており、刺激性成分が少ないのも特徴で、乾燥肌・敏感肌の人でも使いやすい洗顔料です。ただし、この商品に使われている洗浄成分はどれも泡立ちが弱いため、使用時は泡立てネットでしっかり泡立ててから洗顔するようにしましょう。泡立ちが不十分だと、肌を擦ってしまい、乾燥の原因になります。

【洗顔】「オバジC 酵素洗顔パウダー」0.4g×30個 1,980円(税込み)


「毛穴の黒ずみが気にならなくなった気がするし、酵素洗顔って“毎日やって大丈夫かな?”って思ってたんですが、これは私の感覚では大丈夫」(インスタライブより)

成分:(公式サイトより)タルク 、ラウロイルグルタミン酸Na 、ミリストイルグルタミン酸Na 、ソルビトール 、ココイルグリシンNa 、アクリレーツク ロスポリマー-2-Na 、アスコルビン酸 、プロテアーゼ 、リパーゼ 、ヒメフウロエキス 、アスコフィルムノドスムエキス 、水 、シリカ 、デキストリン 、BG 、リン酸K 、リン酸2Na 、メチルパラベン

評価:B

 タンパク質分解酵素「プロテアーゼ」や「リパーゼ」による毛穴ケア効果が期待されますが、洗浄力が強力です。また、「タルク」や「シリカ」など吸着成分も含まれているので、あまり皮脂が出ない肌質や敏感肌の人には不向き。その場合、酵素洗顔よりも美容オイルで肌の柔軟性を高めたほうがいいかもしれません。また、「タルク」は健康被害の危険性を指摘されており、安全性が懸念されている成分でもあるため、海外では使用を中止するコスメブランドが相次いでいます。肌への負担が気になる人は、使用を避けたほうがいいでしょう。

ドラマ『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』人気で利用者増加も? 初心者が知るべき「Tinder」「Pairs」のコワ~イ落とし穴

 現在、テレビ東京で放送中の連続ドラマ『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』が、ネット上で話題になっている。

 同作は、松本千秋氏の同題エッセイコミックが原作。友人から勧められ、好奇心でマッチングアプリを始めた38歳の主人公・チアキが、とにかく女性がモテまくるアプリの世界で、さまざまな男性と出会い、遅咲きの青春を謳歌するというストーリーだ。

 現在「Tinder」や「Pairs」などの有名マッチングアプリは、若者を中心に多くの人が利用しており、マッチングアプリをテーマにしたドラマが制作されるのも、それほど市民権を得たからだともいえる。今後はさらに利用者の年齢層が幅広くなっていくとみられるが、マッチングアプリで怖い目に遭ったり、嫌な思いをするのは珍しいケースではなく、SNSではそうした体験談が数多く見受けられる。

 では、マッチングアプリを楽しく使うためにはどうすればいいのか? サイゾーウーマンでは過去に、ITジャーナリスト・高橋暁子氏に取材を行い、マッチングアプリに潜む落とし穴とともに、使い方へのアドバイスをお聞きしていた。ドラマの影響もあり、新たにマッチングアプリを始める人が増加しそうな今、初心者にこそ読んでほしいこのインタビュー記事を再度掲載する。
(編集部)

(初出:2019年3月16日)

「Tinder」「Pairs」マッチングアプリの落とし穴! 「街中で『これ君だよね?』」恐怖の一幕も

 大学生や20代の若者を中心に、もはや定番となっている「Tinder」や「Pairs」といったマッチングアプリ。出会いを求める男女を“つなぐ”アプリで、実際に恋愛に発展したり、結婚に至ったというカップルも増えているという。「出会いがない……」と悩む人にとっては、まさに救いのアプリだが、一方で、上の世代の人たちは、ひと昔前にはやった「出会い系サイト」を想起し、「知らない人と出会うなんて、危険ではないか?」と疑問を漏らすことも。今回、ITジャーナリスト・高橋暁子氏に、マッチングアプリが若者の間で市民権を得た理由や、注意すべき“落とし穴”について話を聞いた。

「外部の人と付き合いたい」SNS時代の若者たち
 ひとたび、インターネットで「マッチングアプリ」と検索すると、「Tinder」「Pairs」「Omiai」「ゼクシィ縁結び」など、多種多様なアプリがずらりと並ぶ。それだけ今、マッチングアプリの需要があるということだが、その人気の理由はどこにあるのだろうか。

「以前、大学に講演に行った際、学生さんからいろいろと話を聞いたのですが、『大学内で恋愛をすると、みんなSNSでつながっているので、元カレや元々カレ、また“いま付き合いそうになっている男子”など、全てが筒抜けになるので、正直やりづらい。別れた後も面倒だ』と言っていました。そのため、外部の人と付き合いたいという願望があり、マッチングアプリを使うのだそうです。友達もみんな使っていて、ある時、大学内でGPS機能付きのマッチングアプリを立ち上げたところ、同じ大学のユーザーが表示され、すぐに閉じたという話も耳にしましたね。それだけマッチングアプリは一般的になっています」

 SNSを使うことが当たり前の世代は、ネットに費やす時間が長い。「そこで失敗すると、自分の立場がなくなってしまう」という理由から、大学用や高校用、趣味用など、複数のアカウントを作り、それぞれの場でウケるためにはどうすればいいのかを考えた投稿を行うそうだ。こうした背景から、「しがらみがなく、切ろうと思えば切れるマッチングアプリが重宝されるようになった」という。

 また、以前の出会い系サイトとは違い、最近は大手企業が手がけるマッチングアプリもあり、「目視による監視体制が敷かれている点や、Facebook認証の導入、公的証明書での本人確認を必須とするなど、安全性が高いシステムとなっていることも、若者の間で人気を得た理由ではないでしょうか」と、高橋氏は考察する。

「その人の“出会いに対する本気度”によって、使うマッチングアプリを選べるのも人気の理由だと思います。マッチングアプリと一口に言っても、例えば、『ちょっと出会いたいな』という人は『Tinder』を、結婚を視野に入れた恋人がほしい人は、『恋活』『婚活』を謳う『Pairs』をといった具合です。男性は有料というアプリは、より本気度が高いのではないでしょうか」

 ユーザーの本気度がわからず、サクラも多かったかつての出会い系サイトと比較すると、マッチングアプリは信頼を置けると言えそうだ。

●突然切られる……人間不信に陥るようなトラブルも

 しかし、そんなマッチングアプリにも落とし穴があるという。アプリ上でのやりとりだけでも、さまざまなトラブルが発生しているようだ。

「アプリ上のプロフィール写真を、SNSと同じものにしていたところ、相手とのやりとりの中で、『君のSNSアカウントってこれだよね?』『住所近いね』とメッセージがきて、怖い思いをしたという人の話を聞きました。また、GPS機能付きで近くの人と出会えるアプリを使っていたら、家の近所でユーザーと何度もすれ違い、街中で『これ君だよね?』と声をかけられたケースも」

 ネットでは、マッチングアプリ上で、相手から暴言を吐かれたといったトラブルも目にするが、「『Tinder』のような顔だけで相手を判断するようなアプリのユーザーは、軽い気持ちかつ相手の体目的という人も多く、ネットに対するスタンスがかなりゆるいので、そういったトラブルが起こりやすいのではないでしょうか」という。ほかにも、「いい感じでやりとりをしていたのに、突然切られてしまうなど、マッチングアプリで人間不信になりそうになったという話も聞きますね。人を人と思わないようなユーザーも中にはいるようです」。

 実際に会ってからだと、さらに多くのトラブル事例があるそうだ。昨年3月に起こった「大阪民泊バラバラ殺人」もその一つで、加害者と被害者が最初に知り合ったのが「Tinder」だったと報じられている。

「先日、婚活アプリで知り合った複数の女性から現金を騙し取った男性が逮捕される事件もありましたね。また、マルチ商法やネットワークビジネスなどを紹介されたというケースも多く、最初は会話が盛り上がっていたのに、突然風向きが変わり、“別の会”に誘われたりするそうです。それから、婚活目的で会ってみたら、実は既婚で子どもがいたことが後から発覚したり、職業や年収がウソだったりという話もよく聞きます。先ほど、マッチングアプリは、本気度によって使い分けることができると言いましたが、婚活アプリなのに体目的のユーザーが混じっているといったことも珍しくないようです」

 ほかにも、プロフィール写真詐欺は頻繁にあるそうで、「若い頃の写真ならまだしも、まったく別人の写真を使っているユーザーも。顔だけで相手を判断するようなアプリでマッチングして、実際に会ってみたら、びっくりしてしまいますよね。日本ではあまり知られていない、台湾や中国のアイドルの顔写真を使うユーザーもいるようです。アプリ側がユーザーの本人確認をしても、顔までは確認できないこともあるので、そういったことが起こるのでしょう」。

●個人情報を渡しすぎてはいけない

 では、マッチングアプリで危険な目に遭わないようにするためには、どうしたらいいのだろうか。

「会ったばかりなのに、個人情報を渡しすぎないこと。アプリ上で切っても、LINEや電話番号を教えていたため、そちらに連絡が来るようになったという人もいます。また、最初は密室で会わないなど、最低限の自分を守るための手立てを持ってから会うようにすべきでしょう。数回会って、本当に信頼の置ける人かどうかを確認することが大切です」

 こうしてマッチングアプリの落とし穴について話を聞くと、今まで使ったことがない人は「やっぱり怖い」と思うかもしれない。しかし、最後に高橋氏は、マッチングアプリを使うメリットを教えてくれた。

「婚活アプリで出会ったカップルは成婚率が高く、しかもなかなか別れないという話も聞きます。というのも、プロフィールなどから“相性の良さ”を計測してくれるというアプリもあり、その精度は利用すればするほど上がるそうです。うまく使えば、いい人と出会えると思うので、最初から“ノーサンキュー”と拒まず、選択肢の一つとして取り入れてみてもいいのでは」

 マッチングアプリに限らず、どんなものにもメリット/デメリットがある。だからこそ、自分にとってどう使うのがベストかを十分考えることが重要と言えるだろう。

ドラマ『チェリまほ』人気爆発も……「BL作品に魅力を感じる人少ない」大手映画会社の現状

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 テレビ東京系で現在放送中の連続ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(通称『チェリまほ』)が人気を博している。

 「全国書店員が選んだおすすめBLコミック2019」の1位を獲得した同名コミックが原作の同作は、童貞のまま30歳を迎えたことで、“触れた人の心が読める魔法”を手に入れた30歳のサラリーマン・安達清(赤楚衛二)が主人公。そんな安達が、社内随一のイケメンかつ仕事もデキる同僚・黒沢優一(町田啓太)に触れたところ、彼が自分に恋をしていることがわかってしまう……というBL(ボーイズラブ)作品となっている。

 同作は「ドラマ満足度調査ランキング」(オリコン調べ、10月20日~26日放送分対象)で堂々の第1位を獲得したほか、Twitterでも『チェリまほ』がトレンド入りするほど、人気が急上昇中。2018年4月期放送の連ドラ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)や、今年公開の映画『窮鼠はチーズの夢を見る』など、昨今、BL映像作品のヒットが続く中、『チェリまほ』はその勢いをさらに加速させる作品になるのかもしれない。

 サイゾーウーマンでは昨年に、BL映像化のパイオニア的存在であるビデオプランニングのプロデューサー・三木和史氏に取材を行い、昨今のBL映像作品を取り巻く状況について話をお聞きしていた。BL映像作品は、“イケイケどんどん”なブームの真っ只中にあるかと思いきや、制作側からすると、まださまざまな壁があるようだ。『チェリまほ』がまさにヒットする中、あらためて同記事を掲載する。
(編集部)


(初出:2019年05月10日)

『おっさんずラブ』BLブームはまやかし!? BL映画界のパイオニア語る“ヒット”のウラ側

 昨年春に放送されたドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)が、今年の夏に映画化する。2016年に“単発深夜ドラマ”として放送されたあと、好評を受け18年に深夜枠で連続ドラマ化。視聴率こそ振るわなかったが、最終話が近づくにつれネット上で人気が高まり、ドラマ放送中は「#おっさんずラブ」がTwitterのトレンドワード上位に浮上し、世界トレンド1位にもなった。深夜の単発ドラマが映画化まで飛躍した同作は、“平成最後の大ヒットドラマ”と言っても過言ではないだろう。

 また、現在放送中の西島秀俊と内野聖陽によるW主演ドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京系)も、ネット上を中心に好評を博している。第1話の見逃し配信は120万回を突破し、これは動画配信サービス「ネットもテレ東」の過去最高再生回数だといい、数字でも結果を残した。20年公開の、関ジャニ∞・大倉忠義と、若手きっての実力派俳優・成田凌が主演によるW主演映画『窮鼠はチーズの夢を見る』も、ネットで早くも注目を集めている。これらに共通するのは、すべて男性同士の恋愛を扱った作品、いわゆる“BL作品”であることだ。

 かつてBLは「影でコソコソ楽しむ」ものだったが、そんな話は今や昔。ついにジャニーズにまで波及、かつてない盛り上がりを見せている。そこで、06~11年に映画『タクミくんシリーズ』を大ヒットさせた、BL映像化のパイオニア的存在であるビデオプランニングのプロデューサー・三木和史氏に、昨今のBL映像作品を取り巻く状況について語っていただいた。

BL企画が通らないのは「男同士でキスする」からじゃない!?

――近年、BLの映像作品が増えていますが、“先駆者”として、この状況に思うことはありますか。

三木和史氏(以下、三木) 実は僕も、3年前に『窮鼠はチーズの夢を見る』の原作を映像化しようと、版権を取りにいったんですよ。原作、めちゃくちゃ傑作じゃないですか。だから映画化したかったんですが、「上映規模が小さいと、ちょっと……」と難色を示されて。まあ、僕らがやるとすると低予算で、上映館数は全国でも10カ所ほどになってしまいます。ジャニーズの大倉くんと、人気若手俳優の成田くんが演じて、行定勲監督ときたら、そりゃあ上映規模は大きいでしょう。「やられたー!」と思いましたね。

――ほかにも、NHKでは現在『腐女子、うっかりゲイに告る。』という、ゲイの主人公が登場するドラマが放送されています。

三木 NHKだからやれることに限界はありそうですが、チャレンジ精神は感じますね。要は、“BL”に終始しなければいいんですよ。“BL”になると、おのずと規模が小さくなり、キャスティング時にプロダクションが難色を示すから、企画自体通りにくいんです。

――「“BL”に終始しなければいい」といいますと……?

三木 例えば、俳優を作品に出すかどうか決めるとき、プロダクションが重要視しているのは“規模”なんです。上映館数が多いとか、宣伝をたくさんするとか、そこが基準になっています。我々のように規模が小さいと、“BLというジャンルの作品”になってしまい、前向きに進めてくれるところが少ないんですよ。

――なるほど。では、テレビ局や芸能事務所がBL作品を承諾しにくい理由は、「男同士の恋愛描写があるから」ではない、ということでしょうか。

三木 そうです。台本に男性同士のキスシーンがあっても、役者たちは納得して演じますからね。『窮鼠はチーズの夢を見る』は男性同士の恋愛を描いているけれど、それ以前に、実績のある行定勲監督の作品だから、「なんか世界に通用しそう!」と思わせる力がある。男性同士の恋愛をテーマにしながらも、“BL作品”の枠組みを超えているから、映画化できたんじゃないでしょうか。……じゃあ、大きな映画会社にBLの企画を通せばいいのかというと、それもまた難しい。

――それは一体なぜでしょうか?

三木 大手の映画会社には、BLに魅力を感じる人や、作品としてやりたいと思う人が少ないんだと思います。一般的じゃないと思っているから、わからないプロデューサ―が多いなと感じます。一般的だと思わせるには、やっぱり「○○賞受賞」とか、監督・脚本家のネームバリューは大きいです。

 例えば、日本で06年に公開された洋画『ブロークバック・マウンテン』も男性同士の恋愛を描いていますが、作品として素晴らしく、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞、アカデミー賞で監督賞などを受賞しましたよね。このころまだ日本では、男性同士の恋愛を描いた作品は少なかったと思いますが、受賞をきっかけに「見てみよう」と思った人は多かったはずです。でも逆に言えば、賞を取らなかったら、どんなに内容がよくても“BL作品”で終わっていたかもしれない。結局、日本人って賞の権威とか、ヒット作を生み出した監督・脚本家に弱いじゃないですか(笑)。

――おっしゃる通り、「○○賞を取ったんだから面白いだろう」とか思っちゃいます(笑)。とはいえ、三木さんがBL映画を手がけていた約10年前と比べると、BL作品を映像化することに対するハードルが下がったような印象を受けますが、実際はそうでもないのでしょうか。

三木 確かに、市民権は得ました。当時、BL映画の出演者は2.5次元俳優が主でしたが、昔は2.5次元舞台自体、『ミュージカル「テニスの王子様」』くらいしかなくて、コアなファンだけのものでしたよね。それが今は2.5次元舞台の公演が増え、俳優のファン層も広がり、客がたくさんついていることを知った制作者が「2.5次元の舞台を作りたい」と思うようになった。なので、10年前よりも2.5次元俳優が出演する作品自体の注目度が上がったとは感じます。でも、それはそれ、これはこれ。“BL”を題材にした映画やドラマとなると、やはりまだまだ難しいです。

――公開規模の大小以外にも、ネックになることがあるのでしょうか。

三木 『おっさんずラブ』見てましたか? 僕は面白く見てましたけど、吉田鋼太郎さん演じる“部長”のキャラクターがバラエティ要素を含んでいたことで、あそこまで多くの人に受け入れられ、人気が出たと思うんです。「こうすればテレビでもBLできるのか」と得心しましたね。しかし、男性同士の恋愛をバラエティ要素ナシで、“王道”の恋愛ドラマにしようとすると、どこもやりたがらないという……。

 実は『タクミくんシリーズ』のドラマ化を、以前某局に提案したんです。『タクミくんシリーズ』をご存知の方はわかると思いますが、『おっさんずラブ』とはちょっと方向が違って、“ド王道”の学園恋愛物語なんですよ。原作は根強い人気があるし、キャラクターも魅力的だし、すでにしっかりファンもついているし、絶対にドラマ化するべきだと思っています。

 余談ですが、『タクミくんシリーズ』を映画化した時、ファンの方たちが本当に熱くて驚きました。公開当時、「タクミくんファン 九州支部」と名乗る30人くらいのファンが、手紙入りの分厚いアルバムを私宛に送ってくれて。中には「1万本見た映画の中で、一番よかった」なんて書いてあるんです。「そんなわけあるか!」と思うけど(笑)、とてもうれしかったですね。これだけ熱い作品なのに、テレビ局的には「倫理的にしんどい」らしく、ドラマ化を断られたんです。

――同性愛に対して倫理を問うとは……言葉を失います。

三木 「男性同士の恋愛モノは、いくら内容が深くても、倫理的にちょっと……」ってね。要するに、テレビ局には「恋愛は男女でするべきだ!」みたいな、古い固定観念が残っているんですよね。

――でも、今年1月クールには“デリヘル”を題材にしたドラマ『フルーツ宅急便』(テレビ東京)が放送されていました。これも「倫理的にしんどい」とツッコまれそうな題材ですが……。

三木 『フルーツ宅急便』はデルヘルを題材にしていても、監督が映画『凶悪』(13年)の白石和彌さんと、映画『横道世之介』(13年)の沖田修一さんなんですよね。彼らが監督で、濱田岳さんが主演という要素は、やはり強い。だから『タクミくんシリーズ』も、旬の監督や俳優をキャスティングできれば、状況は変わってくるはずなんです。脚本家も同様に、例えば「宮藤官九郎さんを連れてきました!」となれば、局上層部は彼が濃厚なBL作品を書いたとしても、「クドカンは知ってる! OK!」となっちゃうでしょうね。
(番田アミ)

■後編へ続く

無印良品、ニトリ、ユニクロ「快眠グッズ」をプロがジャッジ! 本当に必要な“眠りのスイッチ”を伝授

 近ごろ、「快眠できない人」が増えているという。ライオン株式会社は今年6月、20〜69歳の男女就業者2,671人を対象に、睡眠に関する調査を実施。新型コロナウイルスの流行前後を比べ、「眠りの深さ」が「深くなった」人は7.1%、「寝起きの熟眠感」が「良くなった」人は7.9%だったのに対し、「浅くなった」が16.0%、「悪くなった」が14.1%だったと発表。また、リモートワークを実施している人だけ見ると、「眠りの深さ」が「浅くなった」は20.6%、「寝起きの熟眠感」が「悪くなった」は17.0%となり、平均よりも多いことがわかった。

 ストレスや不安、リモートワークによる環境の変化が睡眠に影響すると指摘される中、眠りの質を上げる“快眠グッズ”がSNS上で話題になることも多い。そこで今回は、「睡眠改善インストラクター」の資格を持つ、ライフスタイルプロデューサーの神原サリー氏が、ネットで話題の商品をジャッジ。さらに、快眠に必要な条件について教えてもらった。

無印良品「エッセンシャルオイル・おやすみブレンド」は“魔法の香り”ではない!?

――無印良品「エッセンシャルオイル・おやすみブレンド」は、「枕元に置くとよく眠れる」などとSNSで話題になっていましたが、プロの目から見ていかがですか?

神原サリー氏(以下、神原) 私自身が使って「こうでした」という話ではなく、あくまでも成分を見た感想を伝えますね。そもそも、“香り”というのは快眠において重要なポイントで、すごく体に影響します。なので、香りに注目するのは間違っていないです。

 この商品で面白いと思ったのは、“誰でも心地よいと思う香り”を使っていること。一般的に、ラベンダーの香りは「リラックス効果がある」といわれていますけど、実は私自身、ラベンダーの香りを嗅ぐと眠れません(笑)。ラベンダー自体には眠りに導くようなリラックス作用があるのですが、ブレンドされていないラベンダー“だけ”の香りだとキツいというか、合わない人が結構いるみたいで。要は、「自分にとって心地よい香りかどうか」が大事なんですが、柑橘系やシトラス系のブレンドは、比較的、誰でも心地よいと感じる香りだといわれているんです。

 しかし、柑橘系の香りが苦手な人にとっては、無印の「エッセンシャルオイル・おやすみブレンド」も、“眠れる魔法の香り”ではないということ。「これを使えば絶対眠れる」というわけではないので、自分に合った香りを選んでほしいです。ただし、ミントなど刺激が強く、爽快感のある香りが好きでも、寝る前に嗅ぐのはNG。ぐっすり眠るためにはリラックスすることが大切ですから、その効果を働かせる香りを選びましょう。

――香りが気に入ったら、普段使いしてもいいのでしょうか?

神原 快眠のために一番大事なのは、「眠りのスイッチを入れること」です。「そろそろ眠るんだ」ということを、自分の頭と体に意識させるというイメージですね。なので、日中も同じ香りを嗅ぎ続けていると、眠りのスイッチが入らなくなってしまいます。気に入った香りをいつでも使いたい気持ちはわかりますが、寝る前に嗅ぐからこそ効果があるので、快眠を求めるなら、普段使いはやめたほうがいいでしょう。

――この時期になると、毎年のように「靴下をはくかはかないか問題」が勃発します。寝る時に靴下をはくのは、アリですか、ナシですか?

神原 これについては、「足を締めつけるような靴下はNG、ゆるい靴下なら条件つきでOK」という感じです。まず、靴下をはいて寝る人は「足が冷えて眠れない」という理由がほとんどだと思います。しかし、足は寝ている間に絶対汗をかき、その汗で結果的に足が冷えますから、靴下をはいてもあまりいいことがないんです。ましてや、締めつけるとリラックス感を損なうので、深い眠りに落ちにくくなります。

 一方で、どうしても足元が冷えて寝つきが悪いということであれば、5本指や綿100%で通気性に優れていたり、締めつけ感がなくゆるい靴下であれば、私的にはアリだと思います。決してはいたほうがいいわけではありませんが、「はいたほうが眠れる」という人もいるので、「条件つきでOK」としました。

――そもそも、足元が冷えていると、快眠は難しいのでしょうか?

神原 「頭寒足熱」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは「頭のほうを冷やして、足元を温めるとよく眠れる」ということ。深い眠りに入るためには、体温をいったん下げることがすごく大事なので、最初から足元が冷えていたら、なかなか眠れません。なので、靴下をはいたり、布団乾燥機を使って足元を温めるといいと思います。

――布団乾燥機は、どのように使うと効果的なのか教えてください。

神原 布団乾燥機を足元に差し込んで、寝る前に15分ほど温めておくんです。そうすると、布団もふかふかになるし、足先だけが温まって「頭寒足熱」の状態を作りやすくなります。反対に、電気毛布のような「一晩中温かい」ものは最悪。寝ている間に汗をかきすぎて脱水症状を起こしかねないし、体温も下がらないままになってしまうので、どんなに寒くてもおすすめできないですね。

 あとは、湯たんぽはだんだんと温度が下がっていくので、直接足にくっつけなければ、悪くないアイテム。これと同じような商品でも、電気あんかは一晩中温度が下がらないのでよくないです。低温やけどの原因にもなるので、使用は避けたほうがいいでしょう。

 ちなみに、何も使わず、今夜からすぐできる方法は、寝る1時間前にお風呂に入ること。温まった体にこもった熱がちょうどよく放出されるので、ベッドに入る頃には体温が下がって、ぐっすり眠れると思いますよ。

――「眠りのスイッチを入れるのが大事」とのことでしたが、香りや体温以外にも、スイッチになり得る要素はありますか?

神原 最近は新型コロナウイルスの影響もあって、家に帰ったら着ていた洋服をすぐに脱いで、部屋着に着替える人が多いのではないでしょうか。で、そのまま寝てしまう場合もあると思うんですが、眠りのスイッチを入れるためには、“パジャマ”に着替えたほうがいいです。

 以前、ワコールやグンゼなど、パジャマを作っているメーカーさんを取材したとき、その機能性について知りました。肌触りはもちろんのこと、パンツ部分のゴムが、普通のものより10%ほどゆるく作られているそうなんです。締めつけないだけでなく、寝返りがしやすいゆとりを持たせる意味もあるそうで、パジャマって“寝ることに特化した服”なんだな、と。寝る時に着るものを見直すのも、快眠のためにはいいことだと思います。

――考えてみると、パジャマって大体同じ形をしているような……実はあれが“快眠デザイン”だったんですね。

神原 そういうことです。冬だったら、“ネル”という素材を使ったパジャマがおすすめ。起毛した木綿のことなんですけど、すごく肌触りのいいものが多く、吸湿性も高い。冬でも気がつかない間に、コップ1杯分の寝汗をかくといわれているので、吸湿性は1年中大事です。反対に、ナイロンや化繊の生地は汗を吸い取りにくく、冷えにつながってしまいます。ゆとりのあるデザイン、吸湿性・肌触りのいい素材ということが、パジャマを選ぶときにはすごく大事なんですよね。

 そういえば、この前ひさしぶりにユニクロへ行ったら、パジャマのコーナーが充実していて、「あ、ちゃんと気づいているな」と思いました。「部屋着からパジャマに着替えろよ!」って、ユニクロがちゃんと言ってるわ~という(笑)。もしかしたら、今は在宅勤務されている方が多いから、1日中部屋着で過ごして、でもそのまま寝るわけにはいかないという理由で、パジャマの需要が高まっているのかもしれませんね。

――コロナ禍で起こった“いい変化”といえそうです。

神原 はい、すごくいいことだと思います。今までだったら、仕事から家に帰って、部屋着に着替えて、ご飯を食べて、お風呂に入って……といった感じで、だんだんとリラックスしていくと思うのですが、在宅勤務が続くと、なんとなくオンオフが切り替えにくい状態で、眠りにくい人が増えています。そういう環境だからこそ、パジャマに着替えるなどして、眠りのスイッチを意識してほしいですね。

――ほかに、快眠のために必要なことはありますか?

神原 昨年あたりから見かけるようになり、ニトリでも販売されている「重い毛布」を掛けないことですね。先ほど寝返りの話をしましたが、普通に眠っていても、人間は何回か寝返りをするのが自然。これがスムーズにできるかどうかで、快眠できるかどうかが変わってきます。重い毛布を掛けると、当然、寝返りがしづらくなってしまうので、よくないです。それと、柔らかすぎて体が沈んでしまう敷き布団やマットレスもダメ。寝返りしやすいパジャマを着ていても、こうした寝具を使っていると、せっかくの機能性をムダにしてしまいます。

 あとは、部屋の湿度も重要な要素。湿度が40%より下がるようだったら、加湿器を使ってほしいです。部屋全体を加湿しなくても、枕元にコンパクトな加湿器を置くとか、清潔なタオルを1枚濡らして吊るしておくだけでもOK。空気が乾きすぎると、夜中にせき込んで眠れないこともありますし、コロナ禍の今であれば、ウイルス対策にもなりますよ。

――あと気になるのは、部屋の明かりです。「真っ暗だと眠れない」という人もいますが……。

神原 少し明かりがついてないと眠れない人、いますよね。そういう場合は、間接照明を試してみてほしいです。メインの電気を消して、自分の周りだけをぼんやりとともしておくようなものがいいのですが、例えばBALMUDA(バルミューダ)が出している「BALMUDA The Lantern」は、デザインもおしゃれでおすすめ。本を読むには暗いかもしれないけど、音楽を聞いたり、ちょっとしたリラックスタイムにも使えていいんじゃないかなと思います。

――思いのほか、「快眠のためにできること」は種類が多いですね。

神原 快眠に導く方法はいろいろあるのですが、誰かが「これいいよ!」と勧めたからといって、それが全員に当てはまるわけではありません。なので、これらの提案の中から、自分にとっての「眠りのスイッチ」を探したり、心地よい空間作りをすることが大事。自分に合った方法で、快眠を目指していきましょう。

■神原サリー(かみはら・さりー)
家電+ライフスタイルプロデューサー。睡眠改善インストラクター。家電を「感動ベース」で語れる担い手として、その独自の視点が評判。新聞・雑誌、業界誌をはじめ、多数の連載記事のほか、識者としての監修記事も多数手掛ける。子育て経験なども含め生活者視点で家電をとらえ、スペックなどの数字や難しい言葉を使わずに、暮らしの中でどのように役立つかなど、ライフスタイルをトータルで提案することを心がけている。五感に響き、使っている時もそうでない時にも心躍るデザイン性にも優れた家電を「うふふ家電」と命名、提唱している。

ヤクザファンが語る「山口組ハロウィン」の興奮ポイント! 「禁止条例は滑稽」と嘆くワケ

 山口組のハロウィンがなくなる——そんな驚きのニュースが飛び込んできたのは、今月5日のこと。兵庫県議会本会議で、暴力団員が子どもに金品を渡す行為を禁じる改正暴力団排除条例が全会一致で可決され、これにより、「六代目山口組」が毎年10月、神戸市灘区の総本部で開催するハロウィンイベントが“禁止”となったのだ。

 山口組のハロウィンは、全国的に知られているイベントで、近寄りがたい存在の暴力団組員が、地域の子どもたちにお菓子を配るという“ギャップ”が、多くの人に驚きを与えてきた。山口組のハロウィン禁止条例について、ネット上は賛否両論で、「やはり子どもが暴力団にいいイメージを抱くことは阻止しなければ」「地域住民を懐柔するためのイベントは禁止にして当然」など賛成意見もあれば、「山口組は善意でやっているのだろうし寛容に見てあげてもいいと思う」「近隣住民は残念がっているのでは」といった否定的な意見もある。

 そんな中、山口組ハロウィン禁止を嘆いているのが、ヤクザファンの40代男性X氏だ。「“親分の言うことは絶対”という究極の縦社会で生きるヤクザに、男として憧れを感じる」と語るX氏のファン歴は20年。“迷惑をかけることは絶対にしない”という信条の下、さまざまなヤクザ事務所を“参拝”したり、最近では、山口組総本部の近辺をウォーキングがてらウォッチしにいくことを日課としているそうだ。

「私は、実話誌に掲載された組長の顔写真などを頭にインプットしているのですが、結構古い写真が使われていることも多い。現在はどうなのかと気になるものの、山口組総本部で実際に本人たちを見かけることはほぼありません。特に今は、『六代目山口組』と『神戸山口組』の抗争が激化していることから、暴力団対策法によって総本部の使用自体が制限されているんです。我々ヤクザファンが、実際に彼らに“会える”機会は年に3回しかない。それが10月31日のハロウィンと、12月29日の餅つき、そして新年の神戸護国神社への初詣なのですが、その1回が今回の禁止令により完全に失われたというわけです」

 ある意味、貴重な“現場”を失ったヤクザファンは、山口組ハロウィン禁止令をどう見ているのか——その心中を詳しく聞いた。

 実際に山口組のハロウィンに足を運んだことがあるというX氏。そのイベント内容はどのようなものなのか。

「私が訪れた年は、午後4〜7時くらいの間に行われていました。やはりお子さんがメインのイベントなので、学校が終わってから、かつ遅くなりすぎない時間帯に設定しているのかなと思います。会場は、六代目山口組総本部の西側にある駐車場。ハロウィン当日はそこのシャッターが開かれ、入り口付近で、お菓子の詰め合わせが配られています。子どもが『トリックオアトリート!』と声をかけると、組員が『ハッピーハロウィン!』と言ってお菓子を渡す流れです。ハロウィンのバルーンなども飾られているので、そこで写真撮影をしている人も見かけましたね」

 イベントには、お母さんと子ども、また子どもだけで連れ立って訪れるケースも多いという。近隣住民は警戒している様子もなく、「普通に会場に入っていく」とX氏。なお、お父さんの姿を見かけることはほぼないといい、「10月31日が平日の場合もあり、仕事の都合で足を運びづらいのでしょう。もしくは男性のほうが組員を警戒するものなのかもしれません」と考察する。

「近くにある護国神社の手前の公園に、お菓子をもらった子どもたちが集まっているんですよ。品評会ではないですけれど、『今年はこんなのが入ってた!』と中身をチェックし合っている。子どもたちは『山口組のお菓子は豪華』と思っているみたいですね。実際にこの目で見て思うのは、近隣住民の方は、山口組のハロウィンを特別視していないということ。ネットでは『子どもを暴力団のイベントに参加させるなんて、親はどうかしている』といった指摘もありますが、皆さんおそらく、古くからある地域行事の一つとして捉えているのではないでしょうか」

 一方、ヤクザファンのX氏自身にとっては、憧れのヤクザと実際に交流できるとあって、さぞ興奮してしまうはず。しかし、X氏は「……実は私、イベント自体に参加したことはないんです」と述べ、そのファン心理を明かす。

「自分で言うのもなんですが、私はお行儀のいいヤクザファン(笑)。子どもがメインのイベントに、40代のおっさんが一人でズカズカ入っていくことはできません。あくまでその辺を散歩しているおっさんのていで、外からイベントを見ているだけなんです。ちなみに、会場となる駐車場の前には、兵庫県警の捜査員が立っていて、ピリピリした空気を放っています。私があまり変な動きをすると職務質問されてしまい、そうすると山口組にも、イベントに来たお母さんや子どもにも迷惑をかけますし、また取材に来たマスコミの邪魔にもなるはず。だから絶対に捜査員とは目を合わせません! ただ、実話誌でしか知らない、直参の組長を直に見られるので、顔や挙動には一切出さないものの、心の中で『あぁ! ◯◯組長や!!』と大興奮しています(笑)」

 加えてX氏は、実話誌等で見るヤクザは、基本的に険しい顔をしているものの、ハロウィンでは、柔和な表情で子どもたちにお菓子を渡しているといい、「そんな普段見られない一面に、ヤクザの人間らしさを感じてグッとくる」そうだ。

 そんなX氏は、今回の山口組ハロウィン禁止令を受け、「昔からある地域のお祭りや盆踊りがなくなったような感じ」という。

「正直、法律で禁止しなければいけないというのは、私は“滑稽ではないか”と感じます。単純に、行きたい人は行ったらいいし、行きたくない人は行かなければいいという話のように思います」

 ただ、「子どもが自発的に『行きたい』といって参加するのはいいけれど、親が行きたいがために、子どもをダシに使うのはよろしくない。ちなみに私は、自分の息子と一緒に山口組の餅つきに参加したことがあるのですが、これは息子の希望があったからです」と、X氏のヤクザファンとしての矜持が垣間見える発言も飛び出した。

 山口組ハロウィン禁止の理由は、各報道で「子どもたちが暴力団に取り込まれる危険があるから」などと説明されているが……。

「ハロウィンに参加したからといって『山口組のおっちゃんはいい人。僕も将来、山口組に入るねん!』なんて、誰が思うの? と疑問を抱きますね。もし子どもがそんなことを言い出したとしたら、それは山口組ではなく、親や環境のせいではないでしょうか」

 もし自身の息子に「ヤクザになりたい!」と言われたら、X氏は「『あかん!』ときっぱり言う」そうだ。

「山口組も、ハロウィンをやったからといって、世間からいい人だと思ってもらえるという考えなんて、サラサラないのではないでしょうか。法に触れる“悪いこと”をして処罰されるのは当然ですが、地域に貢献するような“良いこと”をなぜ法律で禁じるのか……と思ってしまいますね」

 一方で、違法行為に基づいた資金で購入したお菓子を子どもに配るのは問題ではないかという指摘もあるが、X氏は「その点は正直、なんとも言えないですね……」と漏らす。

「これまでも抗争が懸念された時には、ハロウィンを行わないことがありました。正直、総本部が狙われることはないんじゃないか? とは思いつつ、それは致し方ないと受け止めています。今のご時世、と考えると、ハロウィン自体の禁止もしょうがないかもしれませんが、昨日今日始まったわけではないイベントがなくなるのは、やっぱり寂しいものですよ」

 そんな熱心なヤクザファンの嘆きを、山口組はどう思うのか。ぜひ一度聞いてみたいところだ。

無印良品の生理用品が「シンプルでいい」で大好評! なぜ長年“キラキラ”なパッケージデザインが採用されてきたのか?

 10月中旬、「無印良品」が一部の店舗で生理用ナプキンの販売を開始したところ、「シンプルなパッケージデザインが素晴らしい!」「キラキラしていないところがいい」とSNS上で話題になっている。同アイテムは、“無印らしい”無地の箱型パッケージが採用されており、一見すると生理用品とはわからないデザインとなっている。

 生理用品のパッケージデザインといえば、パステルカラーを基調としたパッケージに、花柄や蝶柄、レース柄などがあしらわれているデザインが主流だが、無印の生理用品が話題になっているのは、つまりそのデザインに納得いっていない層が少なからずいたということだろう。

 しかし、なぜ女性は、生理用品のパッケージデザインにシンプルさを求めるか。10月28日放送の『グッとラック!』(TBS系)で、無印の生理用品が取り上げられると、出演者たちの間で「生理用品を購入するときに『恥ずかしい』と感じている女性が少なくない」という点が指摘されることに。さらに、「生理は恥ずかしくない」という認識が広まることの重要性が説かれていた。

 サイゾーウーマンでも過去、生理用品のパッケージデザインについて、「以前から納得いかないと感じていた」というデザインジャーナリストでもある東京造形大学准教授・渡部千春氏に取材を行っていた。渡部氏は、なぜデザインの主流が「パステルカラーに花柄や蝶柄、レース柄」になったのか、さらにはデザインと生理に対する抵抗感の関係性についても考察いただいた。生理用品が世間の関心を集める今、あらためて掲載する。
(編集部)


(初出:2019年7月25日)

生理用品のパッケージデザインは「納得いかない」――美大准教授が語る“違和感”の正体

 6月12日、生理用品ブランド「ソフィ」を販売しているユニ・チャームが、「生理用品を購入する時に紙袋や中身の見えないビニール袋などで生理用品を包む外袋に対して、“紙袋いりません”と言う選択肢をもつことを推進するプロジェクト」として、「#NoBagForMe」プロジェクトをスタート。「女性の体に自然に起こる生理について、『当たり前に語れる世の中であってほしい』との願いを込めて」「生理用品を隠す必要性を感じさせない」新しいパッケージのデザインを、20〜30代の美大出身女性や元アイドルらとともに開発するという。

 ネット上では、この一報を受け「確かに生理用品のパッケージデザインはダサい」という声が散見されることとなり、また同プロジェクトにも携わるアパレル経営者で起業家のハヤカワ五味氏が、青山ブックセンターで生理用品のセレクトショップ「illuminate」を立ち上げるといった動きも出てきたが、デザインジャーナリストで東京造形大学准教授の渡部千春氏も、自身のブログ「これ、誰がデザインしたの?」において、以前から「生理用ナプキンのパッケージデザインについて、どうも納得がいかないところが多い」と、疑問を投げかけ考察を行っていた一人。今回、そんな渡部氏に、生理用品のパッケージデザインの問題点について話を聞いた。

花柄やピンクは「痛みを和らげる」ため?

――生理用品のパッケージデザインについて、「納得がいかない」と感じる点を具体的に教えてください。

渡部千春氏(以下、渡部) 「20〜30代」をターゲットにしているように思えてならない点です。ユーザーは12歳くらいから50歳くらいまでの幅広い層のはずなのに、「花柄」「蝶柄」「レース柄」「パステルカラー」など、中高生や中年女性が持つには違和感があるものが多い。もっとユーザー個々の指向性に合わせるのであれば、例えば中高校生くらいだとキャラクターものが好きな子もいるでしょうし、一方で中年層は、娘がいるかいないか、で分かれるかもしれません。母親は自己主張よりも娘を中心に生活用品を合わせようとする傾向が見受けられます。とはいえ、そうでないケースも非常に多い。子どものいない中高年、家族と一緒に住んでいない、あるいはシングルの女性などにもう少し意識を寄せれば、パッケージの好みはばらけてくるはずなのですが、現状、日本のマーケティングというのは生理用品に限らず、消費力の高い「20〜30代」の「女性」を中心に捉えがちですね。

 今ある生理用品のような「押しの強い色や柄」のパッケージで消費者を掴む傾向になったのは90年代後半くらいから。ここ20年ほどは変わっていないようです。それより以前は「生理は隠すもの」という認識が今よりも強く、何の表情もないようなパッケージでした。

――「花柄」や「パステルカラー」などのパッケージについて、ユニ・チャームは、「そうしたパッケージには『痛みを和らげる』ような優しいイメージもあり、実際に高い評価を受けてきた側面もある」(6月12日付け「ハフポスト日本版」)とコメントしています。

渡部 日本や海外の医薬品のパッケージデザイン集を見ると、日本に比べて海外は「パッケージで痛みを和らげよう」という意識はあまり感じられません。日本はそういう傾向が強いのかもしれませんね。

 なお、韓国の「ソフィ ボディーフィット 貴愛娘(ギエラン)」は、痛みを和らげるとされるよもぎ成分を配合している製品ですが、花柄やピンクではなく“漢方”のイメージを打ち出したパッケージになっています。

――そもそも痛みを和らげるイメージがパッケージに必要なのかどうかも疑問です。

渡部 実際に色彩学的には、パステルカラーなどの柔らかい色、緑系の色などは、人の心を穏やかにさせるといった働きはあると言われています。とはいえ、メーカーは消費者のアンケート結果に大きく左右されているのではないでしょうか。また、質問の仕方もやや誘導式なのではないかとも考えられます。例えば、花柄やパステルカラーのパッケージに関して、「このパッケージデザインは痛みを和らげると思うか」という質問を女性に投げかけ、「非常にそう思う」「そう思う」「あまりそう思わない」「まったく思わない」からどれかを選択させるというアンケートを実施した場合、恐らく「そう思う」にチェックする人が多いと思います。しかし「和らげないと思うか」という質問だと結果は違ってくるはず。アンケートでは後者のような聞き方は少ないと思います。

――「蝶柄」や「レース柄」についてはどう思われますか。

渡部 蝶柄やレース柄に関しては「かわいい」の象徴として起用されていると言えます。私感ですが、日本における「かわいい」の感覚は、プレ・ディズニーランド世代、ポスト・ディズニーランド世代で差があるのではないでしょうか。東京ディズニーランドが開業したのが1983年。生まれた頃、すでにディズニーランドがあった世代の「かわいい」という感覚は、ディズニーに影響されていると思うのです。特に、ディズニープリンセスがプロダクトとして出てきた2000年代初期に、子ども時代~思春期を過ごした世代以降は、その影響を受けていると感じています。

 もちろん、ディズニープリンセス以前もお姫様のイメージはありましたが、パーティなどの特別な機会以外で自分が身につけるという感覚はほとんどなかったと思います。また、かつては蝶柄やレースにピンクや紫色が組み合わさると、いわゆるセクシーな下着も連想させたのです。しかし、ディズニープリンセスが登場したことにより、濃いピンクや紫といった色とレースやリボンを、躊躇なく受け入れられる女性が増えたと考えています。

――確かに、ディズニープリンセスのイメージと生理用品のパッケージには似たものがありますね。渡部さんは大学で教鞭をとっていらっしゃいますが、実際に若者は、生理用品のパッケージに関して、どう感じているのでしょうか。

渡部 学生の中には、特にパッケージを気にしたことはなく、「母親が買ってきたものを使っている」という子もいるんですよ。自分で買っているというゼミの学生からは、次のような意見を得たのでご紹介します。

学生A「花柄や蝶柄、レースなど、ガーリーなデザインを好む同年代女性はいると思いますが、私自身は抵抗があります。愛用しているのは『ロリエ スリムガード』(花王)。これはサイズがピンク、黄色、緑と色別になっていて、見慣れてしまえばすぐにわかる点がいいと思います。パッケージでいいなと思ったのは、生理用品っぽくない茶色のパッケージに、うさぎの絵が描かれている『オーガニックコットンナプキン』(コットン・ラボ)です」

学生B「私は、パッケージは気にせず機能で選んでいます。使っているのは、薄くて羽つきがいい『スリムガード』。ナプキンの形そのままのイラストをパッケージに入れている商品があり、わかりやすくていいとは思うのですが、レジに持っていくときに少し抵抗があります」

学生C「私も使い心地重視。蛍光色とか派手なピンクよりもあまり色が派手でない、シンプルなパッケージの方が買いやすい。なぜユニセックスなデザインではだめなのか疑問です。使っているのは、『elis Megami 素肌のきもち』(エリエール)。パッケージではなく使い心地で選びました」

 このように、「かわいい」パッケージの対象となっていると思われる20代前半女性の中にも、「デザインに抵抗がある」という子がいるのです。それでも、こうしたデザインが世に溢れているのは、「パッケージは気にしない」あるいは「目立たなければいい」「形がわかればいい」と思っている人が多いとも言えるでしょう。
(取材・文=安楽由紀子)

(後編につづく)

渡部千春(わたべ・ちはる)
東京造形大学准教授。デザインジャーナリスト。1969年新潟生まれ、93年東京造形大学卒業。世界の日用品、食品パッケージなどを研究。『これ、誰がデザインしたの?』『続・これ、誰がデザインしたの?』(美術出版社)、『北欧デザイン』(プチグラパブリッシング)、『北欧デザインを知る』(NHK生活人新書)など著書多数。
ブログ「これ、誰がデザインしたの?

無印良品の生理用品が「シンプルでいい」で大好評! なぜ長年“キラキラ”なパッケージデザインが採用されてきたのか?

 10月中旬、「無印良品」が一部の店舗で生理用ナプキンの販売を開始したところ、「シンプルなパッケージデザインが素晴らしい!」「キラキラしていないところがいい」とSNS上で話題になっている。同アイテムは、“無印らしい”無地の箱型パッケージが採用されており、一見すると生理用品とはわからないデザインとなっている。

 生理用品のパッケージデザインといえば、パステルカラーを基調としたパッケージに、花柄や蝶柄、レース柄などがあしらわれているデザインが主流だが、無印の生理用品が話題になっているのは、つまりそのデザインに納得いっていない層が少なからずいたということだろう。

 しかし、なぜ女性は、生理用品のパッケージデザインにシンプルさを求めるか。10月28日放送の『グッとラック!』(TBS系)で、無印の生理用品が取り上げられると、出演者たちの間で「生理用品を購入するときに『恥ずかしい』と感じている女性が少なくない」という点が指摘されることに。さらに、「生理は恥ずかしくない」という認識が広まることの重要性が説かれていた。

 サイゾーウーマンでも過去、生理用品のパッケージデザインについて、「以前から納得いかないと感じていた」というデザインジャーナリストでもある東京造形大学准教授・渡部千春氏に取材を行っていた。渡部氏は、なぜデザインの主流が「パステルカラーに花柄や蝶柄、レース柄」になったのか、さらにはデザインと生理に対する抵抗感の関係性についても考察いただいた。生理用品が世間の関心を集める今、あらためて掲載する。
(編集部)


(初出:2019年7月25日)

生理用品のパッケージデザインは「納得いかない」――美大准教授が語る“違和感”の正体

 6月12日、生理用品ブランド「ソフィ」を販売しているユニ・チャームが、「生理用品を購入する時に紙袋や中身の見えないビニール袋などで生理用品を包む外袋に対して、“紙袋いりません”と言う選択肢をもつことを推進するプロジェクト」として、「#NoBagForMe」プロジェクトをスタート。「女性の体に自然に起こる生理について、『当たり前に語れる世の中であってほしい』との願いを込めて」「生理用品を隠す必要性を感じさせない」新しいパッケージのデザインを、20〜30代の美大出身女性や元アイドルらとともに開発するという。

 ネット上では、この一報を受け「確かに生理用品のパッケージデザインはダサい」という声が散見されることとなり、また同プロジェクトにも携わるアパレル経営者で起業家のハヤカワ五味氏が、青山ブックセンターで生理用品のセレクトショップ「illuminate」を立ち上げるといった動きも出てきたが、デザインジャーナリストで東京造形大学准教授の渡部千春氏も、自身のブログ「これ、誰がデザインしたの?」において、以前から「生理用ナプキンのパッケージデザインについて、どうも納得がいかないところが多い」と、疑問を投げかけ考察を行っていた一人。今回、そんな渡部氏に、生理用品のパッケージデザインの問題点について話を聞いた。

花柄やピンクは「痛みを和らげる」ため?

――生理用品のパッケージデザインについて、「納得がいかない」と感じる点を具体的に教えてください。

渡部千春氏(以下、渡部) 「20〜30代」をターゲットにしているように思えてならない点です。ユーザーは12歳くらいから50歳くらいまでの幅広い層のはずなのに、「花柄」「蝶柄」「レース柄」「パステルカラー」など、中高生や中年女性が持つには違和感があるものが多い。もっとユーザー個々の指向性に合わせるのであれば、例えば中高校生くらいだとキャラクターものが好きな子もいるでしょうし、一方で中年層は、娘がいるかいないか、で分かれるかもしれません。母親は自己主張よりも娘を中心に生活用品を合わせようとする傾向が見受けられます。とはいえ、そうでないケースも非常に多い。子どものいない中高年、家族と一緒に住んでいない、あるいはシングルの女性などにもう少し意識を寄せれば、パッケージの好みはばらけてくるはずなのですが、現状、日本のマーケティングというのは生理用品に限らず、消費力の高い「20〜30代」の「女性」を中心に捉えがちですね。

 今ある生理用品のような「押しの強い色や柄」のパッケージで消費者を掴む傾向になったのは90年代後半くらいから。ここ20年ほどは変わっていないようです。それより以前は「生理は隠すもの」という認識が今よりも強く、何の表情もないようなパッケージでした。

――「花柄」や「パステルカラー」などのパッケージについて、ユニ・チャームは、「そうしたパッケージには『痛みを和らげる』ような優しいイメージもあり、実際に高い評価を受けてきた側面もある」(6月12日付け「ハフポスト日本版」)とコメントしています。

渡部 日本や海外の医薬品のパッケージデザイン集を見ると、日本に比べて海外は「パッケージで痛みを和らげよう」という意識はあまり感じられません。日本はそういう傾向が強いのかもしれませんね。

 なお、韓国の「ソフィ ボディーフィット 貴愛娘(ギエラン)」は、痛みを和らげるとされるよもぎ成分を配合している製品ですが、花柄やピンクではなく“漢方”のイメージを打ち出したパッケージになっています。

――そもそも痛みを和らげるイメージがパッケージに必要なのかどうかも疑問です。

渡部 実際に色彩学的には、パステルカラーなどの柔らかい色、緑系の色などは、人の心を穏やかにさせるといった働きはあると言われています。とはいえ、メーカーは消費者のアンケート結果に大きく左右されているのではないでしょうか。また、質問の仕方もやや誘導式なのではないかとも考えられます。例えば、花柄やパステルカラーのパッケージに関して、「このパッケージデザインは痛みを和らげると思うか」という質問を女性に投げかけ、「非常にそう思う」「そう思う」「あまりそう思わない」「まったく思わない」からどれかを選択させるというアンケートを実施した場合、恐らく「そう思う」にチェックする人が多いと思います。しかし「和らげないと思うか」という質問だと結果は違ってくるはず。アンケートでは後者のような聞き方は少ないと思います。

――「蝶柄」や「レース柄」についてはどう思われますか。

渡部 蝶柄やレース柄に関しては「かわいい」の象徴として起用されていると言えます。私感ですが、日本における「かわいい」の感覚は、プレ・ディズニーランド世代、ポスト・ディズニーランド世代で差があるのではないでしょうか。東京ディズニーランドが開業したのが1983年。生まれた頃、すでにディズニーランドがあった世代の「かわいい」という感覚は、ディズニーに影響されていると思うのです。特に、ディズニープリンセスがプロダクトとして出てきた2000年代初期に、子ども時代~思春期を過ごした世代以降は、その影響を受けていると感じています。

 もちろん、ディズニープリンセス以前もお姫様のイメージはありましたが、パーティなどの特別な機会以外で自分が身につけるという感覚はほとんどなかったと思います。また、かつては蝶柄やレースにピンクや紫色が組み合わさると、いわゆるセクシーな下着も連想させたのです。しかし、ディズニープリンセスが登場したことにより、濃いピンクや紫といった色とレースやリボンを、躊躇なく受け入れられる女性が増えたと考えています。

――確かに、ディズニープリンセスのイメージと生理用品のパッケージには似たものがありますね。渡部さんは大学で教鞭をとっていらっしゃいますが、実際に若者は、生理用品のパッケージに関して、どう感じているのでしょうか。

渡部 学生の中には、特にパッケージを気にしたことはなく、「母親が買ってきたものを使っている」という子もいるんですよ。自分で買っているというゼミの学生からは、次のような意見を得たのでご紹介します。

学生A「花柄や蝶柄、レースなど、ガーリーなデザインを好む同年代女性はいると思いますが、私自身は抵抗があります。愛用しているのは『ロリエ スリムガード』(花王)。これはサイズがピンク、黄色、緑と色別になっていて、見慣れてしまえばすぐにわかる点がいいと思います。パッケージでいいなと思ったのは、生理用品っぽくない茶色のパッケージに、うさぎの絵が描かれている『オーガニックコットンナプキン』(コットン・ラボ)です」

学生B「私は、パッケージは気にせず機能で選んでいます。使っているのは、薄くて羽つきがいい『スリムガード』。ナプキンの形そのままのイラストをパッケージに入れている商品があり、わかりやすくていいとは思うのですが、レジに持っていくときに少し抵抗があります」

学生C「私も使い心地重視。蛍光色とか派手なピンクよりもあまり色が派手でない、シンプルなパッケージの方が買いやすい。なぜユニセックスなデザインではだめなのか疑問です。使っているのは、『elis Megami 素肌のきもち』(エリエール)。パッケージではなく使い心地で選びました」

 このように、「かわいい」パッケージの対象となっていると思われる20代前半女性の中にも、「デザインに抵抗がある」という子がいるのです。それでも、こうしたデザインが世に溢れているのは、「パッケージは気にしない」あるいは「目立たなければいい」「形がわかればいい」と思っている人が多いとも言えるでしょう。
(取材・文=安楽由紀子)

(後編につづく)

渡部千春(わたべ・ちはる)
東京造形大学准教授。デザインジャーナリスト。1969年新潟生まれ、93年東京造形大学卒業。世界の日用品、食品パッケージなどを研究。『これ、誰がデザインしたの?』『続・これ、誰がデザインしたの?』(美術出版社)、『北欧デザイン』(プチグラパブリッシング)、『北欧デザインを知る』(NHK生活人新書)など著書多数。
ブログ「これ、誰がデザインしたの?