いよいよ梅雨入り……“低気圧”による頭痛や不調をどう乗り切る? 「気象病」の原因と改善法を解説

 5月5日、気象庁は沖縄地方と奄美地方が「梅雨入りしたとみられる」と発表。平年より5〜7日早く梅雨入りしたようで、今後は九州や四国、本州の空模様も気になるところだ。

 梅雨時期になると、体や心の不調で悩む人は多いようで、ネット上には「気圧の変化で頭痛になったり、体調が悪くなったりするので梅雨は嫌だ」「もう梅雨入りしたんだ! しんどい季節がやってきた……」「今年もまた“低気圧地獄”がやってくるね、つらいなあ」といった声が寄せられており、すでに憂鬱な気分を感じているよう。

 このような症状は「気象病」とも呼ばれ、昨年は小林製薬から低気圧による不調を改善する漢方薬「テイラック」が発売となり、ネット上で話題に。ほかにも、低気圧による頭痛リスクを予報する「頭痛ーる」というアプリも支持されるなど、さまざまな方法で予防や改善ができるようになってきた。

 サイゾーウーマンでは過去に、『低気圧女子の処方せん』(セブン&アイ出版)の著者で健康気象アドバイザーの小越久美さんにインタビューを行い、気象病の原因や改善方法について詳しく聞いていた。全国的に梅雨入りする前の“心構え”として、同記事をあらためて掲載する。
(編集部)


(初出:2019年3月8日)

天気が悪い日に不調なら「低気圧女子」? 痛みの原因と対策を健康気象アドバイザーに聞く

 低気圧が近づくと、頭痛やめまいなどが起こり、心も体も調子が悪くなる……という経験はありませんか? 天候の変化が引き起こしてしまう心身のさまざまな症状は「気象病」と呼ばれ、特に女性は「低気圧女子」という言葉も生まれるほど、低気圧の接近による体調不良に悩まされている人が多いといいます。なぜ気温や気圧の変化が心身に影響を及ぼすのか、そして気象病の改善方法などを、『低気圧女子の処方せん』(セブン&アイ出版)の著者で健康気象アドバイザーの小越久美さんにお聞きしました。

■自律神経の乱れが「低気圧女子」を生む!

 気圧や気温の変化で体調を崩してしまうのは、なぜなのでしょうか?

「私たちの体は、気温に関係なく、体温を一定に保とうとしています。また、気圧の変化にも体の内側から対応しているのですが、こうした働きを担っている『自律神経』が、低気圧の接近や気温の変化に追いつかないと、さまざまな不調が現れてしまうのです。自律神経には、『交感神経』と『副交感神経』の2種類があり、2つの神経が1:1で働いている状態が健常ですが、多くの人は生活習慣や日々のストレスで自律神経のバランスがそもそも乱れています。その上、気温や気圧の変化によってもこの比率が乱されることで、気象病の症状が出てしまうのです」

 交感神経は体を温め、アクティブモードにする神経で、副交感神経は反対に体温を下げ、リラックスモードにするという特徴を持っています。つまり、どんよりとした天気の日などに、だるかったり眠かったりするのは、副交感神経の方が優位に働いて、体がリラックスモードになるからなのだそうです。

「一方で、急な気温の低下や、気圧が急変することを、“内耳“という耳の奥の器官がキャッチすると、一時的に交感神経が興奮状態になり、頭痛、関節痛、古傷の痛み、首や肩のコリなどの症状を引き起こします。“内耳”が気圧の変化をキャッチして痛みを招くことは、気象病研究者の佐藤純先生の研究で明らかになりました。ほかにも自律神経の乱れは、めまいや耳鳴り、アレルギー症状の悪化、全身のむくみ、便秘など、さまざまな症状を引き起こします」

 気象病とは天候の変化によって現れたり、悪化したりする、さまざまな病気の総称なのです。雨が降ると立っていられないほど頭が痛い、曇りの日は1日中やる気が起きない、こういった経験に心当たりがあれば、あなたも「低気圧女子」かもしれません。

 気象病にかかるのは圧倒的に女性が多いといいますが、その理由は何なのでしょうか?

「女性には生理がありますよね。その関係で女性の体は、交感神経が働きやすい黄体期と、副交感神経が働きやすい卵胞期を、2週間ごとに繰り返しています。生理周期の影響で自律神経のバランスが乱れている上、気温や気圧がさらに悪影響を及ぼすため、女性は気象病の症状が出やすいのです。また、女性は40歳を過ぎると、副交感神経の働きが低下します。年々慢性痛がひどくなるのも、このせいだと考えられます」

 低気圧女子には、天気が悪い日は痛み止めが必須という人も多いといいます。とはいえ、ゲリラ豪雨など急に天気が変化してしまう時には、薬を持っていない場合もあるでしょう。薬以外に症状を改善する方法はあるのでしょうか?

「薬以外の治療法では、根本的に低気圧の影響を受けにくい体にしていくこと、つまり自律神経を整えることが最も有効な改善法です」

 小越さんは、「自律神経を整えるための第一歩は、天気に合わせた生活スタイルを心がけること」と話します。

「お天気が悪い日は副交感神経が働きやすいので、早起きして念入りにメイクをしたり、朝食に好物を作ってみたり、早歩きで駅へ向かってみたり、電車では立ってみたり、交感神経が刺激されるようにするといいでしょう」

 こういった切り替えのスイッチがあるだけで、自然とアクティブモードになっていくというわけです。

「とはいえ、生活すべてを変える必要はありません。ラクになるために無理をしても、本末転倒ですからね。オススメは、明るい色の服を着ることです。オレンジや赤などの暖色は、見るだけで交感神経を優位にしてくれます。天気予報を活用して、要注意な日に向けた服のローテーションや、仕事のスケジュールを組んで、天気とうまく付き合い、低気圧女子を卒業しましょう」

 こうした対策を立てるためにも、どういう天気で、自分がどういう調子の時、どういう症状が出るのかを、体調がすぐれないと感じた日だけでも記録をしていくと、徐々に傾向がわかるようになるといいます。

「たとえば、『朝から雨、生理1日目、頭痛がした』というように、簡単にでも記録をつけていけば、雨の予報が出ていて、かつ生理と重なりそうな日は、自分の体調が悪くなることが予想できるので、あらじめ対策を立てることができます。天気予報は1週間先まで出ますから、体調を想定したスケジューリングも可能というわけです」

 低気圧女子の敵は気象現象ですから、抵抗しようがなさそうにも思えるかもしれません。しかし、明日の天気と、自分の傾向さえわかれば、対策が可能なのです。自分も低気圧女子だと感じた人は、今すぐ天気予報を確認し、クローゼットの中をチェックしてみるとよいですね。
(ますだポム子/清談社) 

小越久美(おこし・くみ)
1978年、岐阜県生まれ。気象予報士、健康気象アドバイザー。多くの低気圧女子から相談を受け、悩みを解決したいという思いから『低気圧女子の処方せん』(監修:小林弘幸)(セブン&アイ出版)を上梓。現在は、一般財団法人日本気象協会に所属している。

【JO1ファン“JAM”座談会】バラエティ出演は「新規獲得の近道」、個人SNSは「やらかすから反対」!? デビュー後の活動を振り返る

 オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』(GYAO!、TBS系。以下、『日プ』)から誕生した、11人組グローバルボーイズグループJO1。20年3月4月にシングル「PROTOSTAR」でデビューを果たした彼らは、今年4月28日に3rdシングル「CHALLENGER」をリリースし、前日27日付オリコンデイリーシングルランキングで1位を獲得するなど、今人気急上昇中だ。

 今回は、そんなJO1ファンこと「JAM」のアラサー世代3人に集まってもらい、座談会を開催。前編では、オーディションから3rdシングル「CHALLENGER」までの活動を振り返ったが、後編では、オンラインライブの感想や、「JO1の今後」について熱く語ってもらった。

前編【JO1ファン“JAM”座談会】推しがセンターなのに「しんどい」、CDを積むのに「疲れた」!? デビュー後の“本音”を吐露

<座談会参加者>
Aさん
:ジャニーズからK-POP、ハロプロまでアイドルは一通り網羅。『日プ』からの川西拓実&佐藤景瑚推し。
Bさん:アイドルにどっぷりハマったのはJO1が初めて。『日プ』からの白岩瑠姫推し。
Cさん:元ジャニオタ。『日プ』は最終回のみ視聴、JO1結成後からの與那城奨推し。

「バラエティ番組ばっかり出る」のは、是か否か?

――リリース以外の活動で、印象に残っていることはありますか?

A 彼ら、バラエティにめちゃくちゃ出てるじゃないですか? 企業とのコラボもえげつないぐらいやってるし(笑)。デビュー当時、「バラエティじゃなくて音楽番組に出て!」って言ってるJAMが多かったですけど、私は全然そう思わなくて。バラエティでもコラボでも、いろんなところに出て行ったことで、新規ファンを獲得してきたのを見てるから、「なんでもやってみるものだな!」って。

C それ、私もすごい感じてます! それこそこの前、奨くんと景瑚が『行列のできる芸能人通販王決定戦』(4月17日放送、日本テレビ系)に出てたじゃないですか? Twitterを見てたら「友だちに『あの番組に出てた人誰?』って聞かれたんだけど、奨くんのことだった。ファンになったみたい」っていうJAMのつぶやきがあって、「でかした!」って叫びましたもん(笑)。通販番組で新規ファンを捕まえてくるなんて思わなかったからこそ、いろいろ出てみるもんだと実感しましたね。

B バラエティ出演に関しては、やっぱり吉本興業のバックがある(※)のはデカい。確かに、音楽番組は十分に出られているとは思わないけど、バラエティにはめちゃくちゃ出てますし、なんならバラエティのほうが視聴者層が広いから、いい宣伝になる気がします。

 音楽番組って、今ではもはや“オタクが見る番組”じゃないですか? 自分の興味ある人以外は流し見しちゃうし。それなら、有名な俳優とかお笑い芸人が出てるようなバラエティに放り込んで、「この人誰だろう?」って興味持ってもらうのが、新規ファン獲得の近道じゃないかな。

(※JO1は、吉本興業と韓国のエンタテインメント企業・CJ ENMによる合弁会社・LAPONEエンタテインメントに所属している。そのため、バラエティ番組出演や吉本芸人との共演が特に多い)

C あと個人的に、“選抜メンバー”の選び方がすごくうまいと思ってて。例えば、ドッキリ番組はビビりの拓実が大活躍するし、頭脳系は高学歴の河野純喜と、頭が切れる川尻蓮くん。ビジュアルが目を引く白岩瑠姫と鶴房汐恩は、ワイプで顔がしっかり抜かれるように、VTRを見る系の番組……みたいな。さっきの通販番組に出てた奨くんと景瑚も、なんとなく主婦層に刺さりそうな2人なんですよ(笑)。

A 確かに、適材適所をしっかり考えてる感じがしますね。あとは、バラエティと歌番組のギャップで落ちる人も多そう。私、小学生の時に嵐・櫻井翔くんが出てたドラマ『よい子の味方 新米保育士物語』(日本テレビ系、03年)を見てたんですけど、当時は嵐どころかジャニーズすらよく知らなくて。でも、たまたま『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)を見てたら、『よい子の味方』の主題歌を翔くんが歌ってて、「え!? この人、歌って踊れるの!?」って衝撃を受けて、そこから嵐にハマったんです。こういう経験がある人、結構多いんじゃないかな?

C 韓国は音楽番組が多いから、K-POPをイメージしてJO1を見ると「バラエティばっかり出てる」みたいなイメージになりそうですけど、ジャニオタ的には、バラエティやドラマから入るのが“あるある”だったりしますよね。でも、そういったK-POPファンとの認識の違いも、デビューから1年でかなり埋まってきたかな。

B YouTubeのコンテンツが充実してきたのも、大きいような気がします。今までは、「この曲がいい!」「このダンスがカッコいい!」って宣伝したくても、差し出せる動画が少なくて、音楽番組に出ないと見てもらえないと思ってた。けど、MVのほかにもダンス練習動画とか、オンラインコンサートのパフォーマンス映像が公式YouTubeでたくさん見られるので、むしろバラエティで興味を持った人が、すぐに彼らのことを知れていいのかなと。

A テレビでチラッと見て気になって自分でいろいろ調べて、いつの間にかハマるってパターンが、一番“沼”ですもんね(笑)。

――昨年末には初の単独ライブ『JO1 1ST LIVE STREAMING CONCERT「STARLIGHT」』がオンラインで開催されました。

C あの~……正直“不評”でしたよね?

A・B (苦笑)

C 私は「なんじゃこれ?」って思いました。というのも、2曲目の「MONSTAR」が終わった後にMCが始まった上に、別室に移動してトークコーナーが設けられましたよね。「ちょっと待って、これファンミーティングか!?」ってツッコまずにはいられなかった。

A 東方神起のコンサートって、ほぼノンストップで3時間半歌って踊って、みたいな感じなんですよ。それに慣れてたから、「めっちゃ休憩するやん?」って(笑)。でも、数年前にKis-My-Ft2のコンサートに行った時、途中で大喜利コーナーがあったんですよ。しかも結構長尺で。だから、「こんなもんなのかな」とも思いましたけど。

B 私も一応K-POPを通ってるから、イメージしてたコンサートとあまりにも違くて、「これは文句出そうだな」とは思った。やっぱり“コンサート”っていうと、ぶっ続けでパフォーマンスを見られることが楽しみだから、途中でゲームコーナーが入ってくると「なんで?」って言われても仕方ない気がしますね。

A 私の知り合い、『JO1 1ST LIVE STREAMING CONCERT「STARLIGHT」』のあと、2人ぐらい降りちゃったんですよ。「なんか私が思ってた方向性と違うから、もう推せない」みたいな感じで。ショックだったけど、その気持ちもわかるな~と思って。無料で見られるものだったら、ここまでガッカリしなかったかもしれないけど、ちゃんとチケット代を払って、コンサートのために予定を空けてるわけですから。

C でも、今年2月の『JO1 Live Streaming Concert 「STARLIGHT DELUXE」』で巻き返しましたよね? 『DELUXE』の発表があった時、運営側も前回のコンサートが不評だったことをわかってるんだなと、真っ先に思いましたよ。

B 『DELUXE』は見違えるようによくなりましたね。まず、照明の明るさが全然違う! 『STARLIGHT』の時は全体的にステージが暗くて、全然メンバーの顔が見えなかったので、彼らの姿がハッキリ見えるだけでもうれしかった(笑)。まだ持ち曲が少ないから、VTRで場をつなぐところも多かったけど、これからユニット曲とかが増えれば、その辺は解消しそう。

A ユニット曲、欲しいですね〜。11人もいるから、無限に組み合わせられるし。あと、衣装も新しいのを作ってもらえてましたね。やっぱりその、私たち、CDとか写真集とかで、いろいろお金を落としてるわけじゃないですか? それがきちんと、ステージセットとか衣装に還元されたと実感できたのもよかったなあ。

C 確かに。『STARLIGHT』の時は完全に新しい衣装が1着もなくて、「今まで払った金どこいったんだよ!?」って思った(笑)。こういう進化が目に見えてわかると、私たちも貢献したくなるというか。「もっといいものを見たい!」という気持ちで“お布施”できるな~と思いますね。

――今年デビュー2年目のJO1ですが、「これをやってほしい」と期待していることはありますか?

A この間、YouTubeに上がってたような、日常の風景を収めた動画をいろいろ出してほしいな。“ユビスマ”で大盛り上がるするメンバー、めっちゃかわいかった。

C YouTubeでいうと、私はユニットのパフォーマンス動画がめちゃめちゃよかった! メンバーから「これやりたい」って希望して撮ってたみたいだし、これからも、本人たちが提案した企画をどんどんやってほしいな。

B 奨くんと蓮くんが「SNSをもっと活用しようって話し合った」みたいな話をしてたけど、それからすごく更新が活発になってるものうれしい。私は、メンバー個人のSNSがあってもいいかなと思うんですけど……。

A 私はまだいらない派ですね。だって……絶対に“やらかす”メンバーがいるでしょ(笑)。

C まあ、そうね……(笑)。私もいらない派かなあ。今は「JO1 mail」(※)があるから、それで満足してますね。でも、瑠姫はSNSに慣れてるのがわかるから、個人のアカウントを持ったらすごくファンが増えそう。

(※JO1メンバーからプライベートメールが届くサービス。活動の裏話や、オフショットなどが送られてくる。メンバー1人につき月額税込み440円)

B そうそう、うまく使える子は、SNSが“強み”になるかなと思って。得意分野を伸ばしていくという意味で、いつかやってくれたらうれしいですね。

A あとはとにかく、冬のツアーが楽しみ。無事に開催されてほしいし、とにかくメンバーに会いたい! 

C 私、ファンミーティングも行ってないし、個別オンライントーク会もやらない派なんで、一度も“リアル與那城奨”を見てないんですよ。本当に存在してるのかもわからない。「もしかしたら、現実世界にはいないのではないか?」と疑い続けてますからね(笑)。だから、一刻も早くコンサートに行って存在を確認したいです。

A 個人的には、コンサートでゴリッゴリにかわいい曲をやってほしい。「『やんちゃ BOY やんちゃ GIRL』? そんなんヌルい!」って思うぐらいの(笑)。今だからこそできる、“バブみ”のあるパフォーマンスを見てみたいな~。

――まだJAMじゃない人にJO1の魅力を知ってもらうなら、どうやって勧めますか?

A パフォーマンスのことをとりあえず置いておくなら、やっぱりメンバーの仲の良さを知ってほしいですね。嵐も5人が仲良しだから人気になったと思うので、アイドルグループにおいて、メンバー仲はとても大事かなと。しかも彼らは、寮で共同生活をしてますからね。日常の何気ないエピソードでも、ビハインド動画でも、仲の良さをひしひしと感じられます。

C グループで活動してるからには、メンバーの絡みって絶対あるじゃないですか。そうなると、仲が良いに越したことはないと思います。K-POPだと共同生活してるアイドルって普通ですけど、日本には全然いないから、新鮮ですよね。あとは、「元会社員」とか「元解体作業員」とか、一般人時代の話をもうちょっと引きずってほしい。JO1を知らない人には、こういうエピソードが一番興味を引きそうじゃないですか?

A 確かに(金城)碧海とか、今は歌もダンスも成長してるから、「もともとそういう活動してたんでしょ?」って思われそうだけど、「元解体作業員でした」って言ったら、100人中100人が「え!?」ってなると思う(笑)。拓実だって、バギーの製造をやってたとは思えないし。このネタ、多分デビュー5年目までイケる。

B 過去を見ても、彼らのキャラクターって個性的ですごいですよね。顔の系統もみんなバラバラだし、誰か1人は絶対にハマると思うな。

C 個性の話でいうと、出身地をアピールしていくのはすごくいいと思う。「この子は沖縄の子なんだ」ってわかると、それだけで同郷の人は気になるじゃないですか。「こんなに頑張ってる子が地元にいたんだ」って、思わず応援したくなるというか。リリースのたびにそれぞれの地元に帰ってCDを宣伝するのは、結構大事な活動だと思ってます。

B 私は「とりあえず1回、『PRODUCE 101 JAPAN』を見てくれ!」って勧めますね(笑)。できれば最初から、彼らがどうやって誕生して、ここまでのパフォーマンスができるようになったのかという過程を楽しんでもらいたい。それまでのストーリーがあるから、JO1にもディープにハマれる気がするので。

C それは本当そうですね。私も『日プ』を見てなかったら、ここまで好きになってなかったと思います。JO1の活動もすでにいろいろあるから「絶対に見ろ」とは言えないけど、見たほうがより好きになることは間違いない。

 私だったら、「とりあえず1曲聞いてみて!」かな。顔が好きとか、バラエティ見て面白いなあって思っても、結局、曲が好きじゃないとCD欲しくならないんですよね。曲が好みじゃないと、コンサートに行っても楽しくないだろうし。自分の中では、アイドルを推すなら、絶対に曲を好きになる必要があるわけです。

A 好みの問題もあるだろうけど、JO1の曲はどれもクオリティが高いですもんね。

C 「K-POPっぽい」って思われがちだけど、曲を聞くとJ-POP寄りの楽曲もあるし、割とジャンルが広いから、聞いてみたらどれか1曲ぐらい気になってくれそう。全曲サブスクで聞けるので、CDを買わなくてもいいし。だから、ちょっと1曲試しに聞いてみてほしいです。

B なんかこうやって話してると、JO1の魅力って本当にたくさんあって、「まだ知られてないだけ」って感じがしますよね。メディア露出がもっと増えて、いろんな人に知ってもらえれば、絶対ハマるだろうなっていう要素が多い。だから「知らないともったいないよ!」って言ってあげたい(笑)。

A もし何かわからないことがあったら、近くのJAMに聞いてください(笑)。なんでも優しく教えますよ!

【JO1ファン“JAM”座談会】推しがセンターなのに「しんどい」、CDを積むのに「疲れた」!? デビュー後の“本音”を吐露

 2019年12月、韓国の人気オーディション番組『PRODUCE 101』の日本版『PRODUCE 101 JAPAN』(GYAO!、TBS系。以下、『日プ』)から誕生した、11人組グローバルボーイズグループJO1。20年3月4月にシングル「PROTOSTAR」でデビューを果たし、今年は活動2年目を迎えている。

 約6,000人が参加したオーディションを経て、番組に参加する101人の練習生が決定。彼らは、“国民プロデューサー”と呼ばれる視聴者の投票によって順位がつけられ、上位11位までに勝ち残ったメンバーによってJO1が結成された。

 デビューシングル「PROTOSTAR」は初週売上32万枚を記録し、続く2ndシングル「STARGAZER」、3rdシングル「CHALLENGER」もオリコン週間&デイリーランキング第1位を獲得。今年の冬には全国ツアーも予定されているなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの彼らだが、コロナ禍の影響が直撃したこともあり、デビューから1年は、JO1のファンこと「JAM」にとってもさまざまな思いがあったよう。

 そこで今回は、アラサー世代のJAM3人に集まってもらい、座談会を開催。前編では、オーディションから3rdシングル「CHALLENGER」までの活動を振り返り、今だから言える本音を語ってもらった。

<座談会参加者>
Aさん
:ジャニーズからK-POP、ハロプロまでアイドルは一通り網羅。『日プ』からの川西拓実&佐藤景瑚推し。
Bさん:アイドルにどっぷりハマったのはJO1が初めて。『日プ』からの白岩瑠姫推し。
Cさん:元ジャニオタ。『日プ』は最終回のみリアルタイム視聴、JO1結成後からの與那城奨推し。

ジャニーズ、ハロプロ、AKBを経てたどり着いた「JO1」

――まず、みなさんの“オタク経歴”を簡単に教えてください。

A 一番最初からさかのぼるなら、モーニング娘。がスタートですね。それから、俳優集団の「D-BOYS」にいって、全然売れてないデビュー当時の嵐も見てました。学生時代は、ジャニーズJr.時代のHey!Say!JUMP・伊野尾慧も好きだったな。

 K-POPにハマったのは、東方神起が日本デビューした頃で、今も一応ファンクラブに入ってます。とはいえ、入ってるだけって感じで、ガッツリは追ってない。もう今は、JO1だけって感じです。

B 私は、今までどっぷりハマったものがなくて。ミーハーなので、世間で盛り上がってるアイドルは見てたけど、盛り上がりすぎると逆に冷めちゃうんですよね。でも、東方神起は母親がハマってたので、私も好きでした。

 そこからもう、オタクという感じではなくなったんすけど、AKB界隈が好きだったのもあって、『PRODUCE 48』(※)のことは気になってたんです。特に宮脇咲良ちゃんを応援してて、キラキラした姿を見ているうちに、ちゃんと追いかけたくなってきて。そのあたりから、“オタク的”な気持ちが沸き上がってきて、今は立派な“JO1オタク”ですね(笑)。

(※『PRODUCE 101』の女性版で、18年6〜8月に番組が放送された。合格者12人によってグローバルガールズグループ「IZ*ONE」が結成され、宮脇もメンバーに入った)

C 私はずっとジャニオタをやってました。SMAPが好きだったんですけど、16年に解散しちゃって……。それからは、彼らの後輩グループを応援してたんですけど、「ちょっと飽きてきちゃったな」っていうタイミングがあって、ジャニーズ自体から一旦離れました。

 俳優とかスポーツ選手とか、アイドルと全然関係ない界隈でフラフラしてたんですけど、周りにK-POP好きな人が多くて。試しに聞いてみたら、曲がよすぎて“お手上げ”状態になったんです(笑)。そこから『日プ』のことも知って、今に至るという感じですね。

――今の推しにたどり着くまでは、それぞれどんな流れがあったんでしょう?

A 私は韓国の『PRODUCE 101』を追っかけてて、推してた子がデビューしたから、「『日プ』でも推し作ったら、デビューするんじゃね?」と思って(笑)。それで、第1話を見たら、景瑚に一目惚れしてしまったんです。そのあと、第3話のポジションバトルでBTSの「DNA」を披露した拓実を見て衝撃を受けて、「ちゃんと見よう!」って思った感じ。ずっと2人に投票してたし、JO1になってからも2人を推してます。

C 最終回は1pick(※)でしたけど、どっちに入れたんですか?

(※番組開始当初は、国民プロデューサー1人につき練習生11人に投票できるが、デビューメンバーを決める最終回は、1人にしか投票できないルール。そのため、2人以上推しがいる場合は、どちらかを選ばなくてはならず、苦渋の決断を迫られる国民プロデューサーも続出した)

A 友だちに手伝ってもらって、それぞれ1票入れました!

B よかった、平和的解決(笑)。

A 今までは「デビューしたからそこで終了」だったんですけど、『日プ』はJO1になってからも追いかけてるんです。韓国の『PRODUCE 101』は、もともと事務所に所属している人の集まりだから、ほっといても勝手に成長して行くし、ファンが必死にならなくても、勝手に売れていくように思えて。

 でも『日プ』の場合は、ほとんどの子が一般人だし、事務所自体も生まれたてで、「私たちが応援しなきゃ!」という気持ちになるというか。「責任取ります!」みたいな感じですね。Bさんはどうやって瑠姫にたどり着いたんですか?

B 最初のほう、瑠姫って全然目立ってなかったじゃないですか? でも、「この子、絶対顔がいいのに!」って目をつけてたんです。それで、元地下アイドルで、すごい苦労してた背景を知ってしまい、次第に「この子を推さなきゃ」みたいな使命感が湧いてきたかな。アイドルとして活動してたから、ほかの子よりも意識が高いような感じもして、それで応援したいなって思いましたね。

 ポジションバトルの「OVER THE TOP」(Hey!Say!JUMP)がカッコよかったのと、意外におしゃべりっていうギャップにもグッときて、そっからはもう、通勤の時に投票するのがモーニングルーティン化(笑)。

 めでたくJO1になったんですけど、周りにオタ友がいなくて1人で応援してたのもあって、デビュー前に気持ちが離れそうになってたんです。でも、『日プ』を見てなかった仲のいい友だちに布教してみたら、まんまとハマって。Twitterも始めたりして、今はオタ友もできて楽しいですね。

C 確かに、オタ友は大事ですよね。わかるわ~。私は会社に『日プ』をずっと見てる人がいて、「なんかやってるな」ってのは知ってたんですけど、放送は全然ちゃんと見てなくて。でも、最終回の前に、『日プ』の公式Twitterでファイナリストの写真をたまたま見た時に、安藤誠明くんの顔に衝撃を受けたんです。「こんなカッコいい人いたの!?」みたいな(笑)。

 それで、ほかのファイナリストも見てみたら、(河野)純喜と奨くんが好みの顔だったので、気になっちゃって。その時は、彼らが「シックスパックス」というチームだということも知らないまま、会社の人と一緒に職場で最終回をリアタイしたんです。

A なんていい職場なの(笑)。

C それで、結果的に純喜と奨くんがデビューして、「これはちょっと、追っかけなきゃいけないかもしれない」と思って、翌日にJO1のファンクラブに入りましたね。マジで何も知らないのに(笑)。その後、『日プ』をちゃんと最初から見て、ポジジョンバトルの「Lemon」(米津玄師)で奨くんの歌声に惹かれて、正式に推しになりました。

――デビューから約1年で、シングル3枚とアルバム1枚をリリースしています。デビューシングルの「PROTOSTAR」から振り返ってみましょうか。

A 私は「PROTOSTAR」に至るまでの、まったく供給のない時期がつらかったな~。JO1結成後、メンバーはすぐに韓国へ行ってデビューの準備をしてたんですけど、その時にファンが空港で撮った写真とか動画を見て、なんとか生き延びてた感じです。年末から年明けぐらいに、公式から動画の供給もありましたけど、今見たら恥ずかしくなるぐらい、素人感出てますよね(笑)。でも、「これがなかったら飢え死にしてたな!」ってぐらい、何もなかった。

B 「もうそろそろ本気で死ぬ!」って時に、「無限大」のティザーが上がって……あの時は感動で震えましたよ。「本当にデビューするんだ!」って気持ちと、「ちゃんと韓国クオリティだ!」っていう二重の感動。デビューの時は、雑誌もすごい量出てた気がしますね。「1週間にそんな何冊も出るの!?」って驚いた記憶があります。それを追っかけてたら、いつの間にかデビューしたって感じかな。

C ちなみに、みなさん『JO1 1ST FANMEETING』は行きました? 私は応募すらしなかったんですけど、こんな状況になるなら、なんとしてでも行きたかった……と後悔してます。

A 私は応募したんですけど、3次抽選まで全部外れて。リセールとかTwitterで譲ってくれる人を探したけど、結局行けずに終わっちゃいましたね。

B 私も行ってないんです。1人で行くのは嫌だな~と思って。でも、1名義につき1人分しかチケット取れなかったから、よくよく考えれば、あの会場って全員1人参戦なんですよね。だから、思い切っていけばよかったって思ってます。

C まさか、みんな行けなかったとは……悲しい! でも、ギリギリファンミが開催できてよかったですよね。デビュー直後から本格的に新型コロナウイルスが猛威を振るい始めて、JO1の活動もかなり制限されちゃったし。「いよいよ活動するぞ! いっぱい応援するぞ!」って時だったから、さすがに心が折れそうだった。

A 家から生配信とかやってたけど、私はあれビビりましたね(笑)。面白かったけど、「こんな素人丸出しな感じで行くの!?」って、ちょっと不安にもなって。

B そのあたり、運営側も不安定というか、すごい手探りな感じでしたよね。でも、一生懸命やってるのが伝わるから、「あーだこーだ言うのもかわいそうかな」とも思ったり。運営もメンバーもオタクも、みんなそれぞれ頑張ったっていうのが、「PROTOSTAR」の印象ですかね。……いろいろありすぎて、誰も曲の感想を言わないっていう(笑)。

一同 (笑)

――続いて、2ndシングル「STARGAZER」はどうでしたか?

A 初めて“個別オンライントーク会”が行われましたよね。私は、これまでにない枚数を買ったので、記憶に残ってます。

C ちなみに何枚ですか?

A ……110枚(笑)。

B・C スゲー!!!

A 初めてのことだから、全然倍率が読めなくて。無事に拓実としゃべれたので、よかったですけど。それと、「OH-EH-OH」は曲が好きでしたね、「無限大」と比べても。

C 私も思います。「無限大」のこと、ずっと変な曲だなって思ってる(笑)。今もまだ、テレビに出た時とか「無限大」を流されたりするじゃないですか? そのたびに、「もっといい曲あるんです!」って言いたくなる。

B 「好き派」と「どうなの派」に分かれますよね。ちなみに私も「どうなの派」なので、ここは満場一致です。

C でも、私は「OH-EH-OH」のMVに対して「どうなの派」ですね。なんでかって、全然奨くんが映らなかったんですよ! MVが解禁されたあと、「どこにいた?」ってポカーン。それから、片手で数えられる回数しかMV見てないですね。ストーリー性のある作品だったから、主人公的な存在が必要なのは、まあわかるんですけども……。

A 私たちの推しはみんな分量少なかったよね。拓実と景瑚のオタクも「全然映ってない!」って言ってましたよ。

B 瑠姫も全然出なかったな~。ワクワクしてただけに、「え!?」っていうのはありますよね。メンバーもみんな「演技を頑張りました!」って言ってたから、期待してたのに、全然映らないっていう。「STARGAZER」は「OH-EH-OH」以外の曲のほうが“スルメ曲”が多くてよかったかな。

A 確かに! ちゃんとしたバラードもこの時に出ましたよね。「PROTOSTAR」では「Running」がありましたけど、あれ、踊るじゃないですか(笑)。「バラードもこういう路線で行くの?」って思ってたら、ちゃんと「Voice(君の声)」みたいなハンドマイクで歌う曲が出て、ホッとしましたね。

――続いて、1stアルバム『The STAR』が発売されました。表題曲「Shine A Light」では、川西さんがセンターを務めましたね。

A そうです、初センターですよ! 「Shine A Light」のビジュアルが出る前に、『JO1 スターギャザーTV』(AbemaTV)の宣伝写真とかで、拓実が真ん中にいることが多くて、「これ、絶対センター来るだろ!?」みたいにザワついてましたね。うれしかったですけど、ファンの中でちょっと論争にならなかったですか?

B ありましたね、「なんで拓実くんがセンターなの?」的な感じのやつ。そもそも、「OH-EH-OH」で川尻蓮くんがセンターになった時も、「豆ちゃん(豆原一成)のセンターは最初だけで終わるの?」みたいな声が出てたような。

A それで結局、「Shine A Light」のサビを歌うのは純喜と蓮くんだったから、今度は拓実のファンが「なんで!?」って言いだしたり……。

C センター問題で言ったら、3rdシングル「CHALLENGER」も不穏な空気になりましたよね。これまで、『日プ』の順位で1~3位の子が順番にセンターを務めてきたから、次は4位の大平祥生だろうと思っていたら、「Born To Be Wild」は純喜がセンターだったという。でも、祥生がリリース発表のときに「JO1には毎回センター制度がありますが皆一人一人が主役、センターの気持ちでパフォーマンスしています」とコメントしてて、騒ぎが収まった感じ。

A そのコメント、本当に偉いなと思いましたよ。でもなんか、あんまり彼らに気を使わせたくないから、次からJAMはセンターの子に「おめでとう! 頑張ってね!」だけ言うようにしたいですね。ちなみに私は、「推しがセンターになった時はたくさんCDを積もう!」って思ってたんですが、まさかアルバムだとは思わず、しんどかったです(笑)。

C シングルより出費がかさみますからね(笑)。ジャニオタも最近文化が変わってきましたけど、数年前まで「CDを何枚も買う」っていう発想なかったじゃないですか? 3形態を各1枚買うぐらいでしたけど、JO1やK-POP界隈は、個別オンライントーク会などの抽選特典があるから、必然的に積まざるを得ないというか。

A しかも、純粋な気持ちでは積んでないんですよ。ジャニオタの場合、「オリコン1位を取らせてあげたい!」「もっと売れてほしい!」って気持ちで積むことが多いイメージだけど、私はトーク会を当てたいから積んでいるわけで。要するに、見返りを求めてるんですよね。正直、そんな状況にちょっと疲れを感じる時もあったりして。

B 今のところ、安定して20〜30万枚売れてるし、オリコン1位を取れてるからこそ、完全に見返りのために買ってますよね。どちらが良い悪いではなく、そこはジャニーズファンの感覚とちょっと違うかもしれない。

――最新シングル「CHALLENGER」も、オリコンデイリーランキングで1位を獲得していました。

C 2ndシングルと1stアルバムは、日本でMV撮影やレコーディングを行なっていましたが、「CHALLENGER」はようやく韓国で準備できたみたいで。MVを見てクオリティの高さに「やっぱすげ~!」ってなりましたね。今のご時世、仕事とはいえ簡単に渡航できる状況じゃないと思いますが、今後もできる限り、撮影は韓国でやってほしいと思っちゃいます。

A 渡韓できないから、蓮くんがメンバーにダンスを教えてるって話もありましたよね。それはもうさすがに、負担が大きすぎて心配になるし、限界があると思うんです。歌やラップのレッスンも「Zoom」でやったって言ってたし。韓国に行くのは、パフォーマンス向上のためにも大事なんじゃないかな。

B まだまだ新型コロナの収束には時間がかかるでしょうし、これからも“できる限りやる”っていう状況は変わらないと思うんです。でも、メンバーも全力でやってるのが伝わるから、やっぱり応援したくなるんですよね~。

(後編は5月4日公開)

GWに一気見したい「韓国ドラマ」5作品! 韓流ライターがオススメ「人生で1、2を争う」と評判の最新作は?

 昨年、コロナ禍の“ステイホーム”の影響もあって、『愛の不時着』『梨泰院クラス』『サイコだけど大丈夫』といった動画配信サービスの韓国ドラマが大ヒットし、第4次韓流ブームが巻き起こった。それ以来、Netflixの「今日の総合TOP10(日本)」には、常に韓流ドラマがランクインする状況となっている。

 しかし、ブームによって一気に話題の韓国ドラマが配信されるようになり、「一体どの作品を見ればいいのかわからない」と悩んでいる人も少なくないはず。そこで今回、ゴールデンウィーク(GW)に一気見したい5作品を、All About「韓国ドラマ」ガイドである韓流ライター・安部裕子さんにお聞きした。

Netflix『賢い医師生活』
出演:チョ・ジョンソク、ユ・ヨンソク、チョン・ギョンホ、キム・デミョン、チョン・ミドほか

【あらすじ】かつて共に青春時代を過ごし、バンド活動を行っていたソウル大学医学部同期の男女5人組。現在は40代の医師として、各専門分野で仕事に邁進する中、ひょんなことから、同じ病院で一緒に働くことに。5人の友情関係を軸に、それぞれの仕事や恋愛、家族について丁寧に描いたヒューマンドラマ。

「Netflixで配信中の韓国ドラマで、私が一番好きな作品です。医師5人の日常を描きながら、だんだん一人ひとりの過去や背景にスポットが当てられていき、『だから今、彼・彼女は、こうやって生きているのだ』というのがわかってくるんですが、これぞ韓国ドラマの“長所”といえるでしょう。

 というのも、日本のドラマは基本的に1話が約50分程度、全10話という構成の一方、韓国ドラマは約70〜80分で全16話が主流と、1話の尺が長く話数も多いので、登場人物一人ひとりをより掘り下げられるんです。『賢い医師生活』自体は全12話なのですが、シーズン2が控えているとあって、それも合わせると、やはり深い話が展開されるでしょう。

 一部では、6月からシーズン2が配信されるのではと言われているので、GW中にシーズン1を見ておけば、タイムラグなくシーズン2に移れてラッキーですよ! ちなみに、もし『賢い医師生活』が気に入ったら、同じ演出家が手がけている『刑務所のルールブック』もぜひチェックしてみてください」(安部さん、以下同)

【あらすじ】元郵便配達員の70歳男性・ドクチュルは、子どもの頃からの夢であるバレエに挑戦すべく、バレエスタジオの門を叩く。そこで出会ったのは、将来有望ながら、スランプに陥る23歳のバレリーノ・チェロクだった。2人はこの出会いをきっかけに、互いに成長を遂げ、強い絆で結ばれるようになる。

「『Sweet Home―俺と世界の絶望―』『恋するアプリ Love Alarm』で一躍大ブレークしたソン・ガンがメインキャストの『ナビレラ-それでも蝶は舞う-』。つい先日まで、Netflixで配信される一方、本国の韓国tvNでもまさに放送中だったのですが、とても話題になっているんです。

 見どころは、何といってもソン・ガンの美しいバレエシーン。これを見たら皆さん、ソン・ガンに落ちちゃうんじゃないかなと思いますよ。また2人がお互い影響を受け合うというストーリー展開も感動的。チェロクはドクチュルに褒めてもらったことで、もう一度夢と向き合い、一方でドクチュルはチェロクの存在によって、無謀とも思えるバレエ挑戦への勇気をもらうんです。日本映画の『Shall we ダンス?』(1996年)にも似ていますよね。

 最終回次第という面もありますが、私の周囲からは、早くも『人生で1、2を争う作品になりそう!』『私の一生に残るドラマ』という声も聞こえてきます。ぜひ今からチェックしてほしい作品です」 

Netflix『スタートアップ:夢の扉』
出演:ペ・スジ、ナム・ジュヒョク、キム・ソンホほか

【あらすじ】競争の激しい韓国のハイテク業界で、成功を夢見るヒロイン、ソ・ダルミ。子どもの頃、両親が離婚し、母と姉と離れ離れになった彼女にとって、ナム・ドサンという少年との文通が心の支えになっていた。しかしドサンの正体は、別の少年ハン・ジピョン。彼は新聞記事でたまたま見かけた、数学オリンピックの優勝者であるドサンの名前を勝手に拝借していたのだ。そして、大人になったダルミ、ドサン、ジピョンは起業を通じて関係を深め、三角関係に発展していく。

「ここ最近のラブストーリーの中で、特に新鮮だと感じたのが『スタートアップ:夢の扉』。韓国ドラマの王道恋愛モノというと、ツンデレ御曹司が登場する胸キュンラブコメで、それはそれで面白いのですが、正直16話分、話がもたないことも。しかし『スタートアップ』は、ラブに青春サクセスストーリーの要素が加わり、飽きが来ない作りになっています。

 同作の舞台は、若き起業家を支援する「サンドボックス」。ダルミはここで、エンジニアとなったドサンと組んで夢をかなえるために奮闘するんですが、企画力や実行力のあるダルミと、技術力のあるドサンは、お互いの足りない部分を補いながら成長していきます。一方で、ジピョンはサンドボックスを立ち上げた投資家として、彼女のことを陰ながら支えている。つまりドサンはパートナーとして、ジピョンはあしながおじさんとして、彼女の夢を応援していて、一体ダルミはどちらと結ばれるのだろうと、最後までドキドキするんです。

 また、ダルミと姉ウォン・インジェの対決も見どころの一つ。インジェもまた起業家として活躍しているのですが、2人はライバルのような関係に発展。ダルミのチームとインジェのチームが技術対決を繰り広げ、これがまた面白いんです! 『梨泰院クラス』が好きな人はハマる作品かもしれません」

【あらすじ】国会議員の父を突然亡くすと同時に、夫が失踪した女性キム・ソヒ。担当刑事のチョ・テシクは、夫が父親殺しに関与しているのではないかとにらむが、なんとソヒの元に、夫の切断された手が送りつけられる。姉が失踪した過去を持つテシクはソヒに共感し、この不可解な事件の捜査に乗り出す。そんな中、夫を拉致したという犯人から「夫を助けたければ、父親の跡を継いで国会議員になれ」と要求され……。

「なぜ犯人はソヒに『国会議員になれ』と命じたのか……謎が謎を呼ぶ中、手以外にも、夫の体の部位が一つずつ送られてくるというおぞましい展開が繰り広げられ、『果たして夫は生きているのか?』という点にゾワゾワさせられます。

ほかにも、夫の親友や、夫の愛人かと思われた女性など、怪しい人たちが登場するのですが、こうしたさまざまな謎が少しずつ明かされていき、点と点がつながって線になって、予想だにしない壮大な結末を迎えるというのが、『みんなの嘘』の見どころといえるでしょう。

ちなみに『みんなの嘘』というタイトルには、みんなのちょっとした嘘が、取り返しのつかないような大きな嘘になっていくといった意味が込められています」

Amazonプライムビデオ、Netflix『100日の郎君様』
出演:ド・ギョンス(EXO D.O.)、ナム・ジヒョン、キム・ソノほか

【あらすじ】舞台は朝鮮王朝。王族の少年イ・ユルは、高官の娘であるユン・イソと初恋を育んでいた。そんな中、ユルの父親は王座を狙って謀反を起こしたが、その罪を着せられたイソの父は殺されてしまう。謀反人の娘となったイソは、名前をホンシムと変え、平民として暮らすようになった。時は流れ、世子になったユルは政略結婚をさせられたものの、夫婦仲は冷え切るばかり。ある時、暗殺者に狙われて傷を負ったユルは、記憶を失くした状態で、イソと再会を果たす。

「ユルは自身の結婚生活がうまくいかない腹いせで、国中の適齢期を過ぎた男女に対し、結婚をするようにと命令を出します。その後、記憶を失ったユルと未婚のホンシム(イソ)が出会って、結婚をする流れでして、ユルは生活力ゼロのダメダメな夫で、ホンシムに迷惑をかけまくるものの、いつしか2人の間に愛が芽生えてくるんです。

『偉そうだけど可愛い』という“ツンデレ王子”なユルと、まるでキャンディ(『キャンディ・キャンディ』)のようにたくましいホンシムのカップルが、愛を育む様子はとてもほほ笑ましい一方、記憶を取り戻してユルが姿を消したり、またそれに伴って、彼が命を狙われた背景にある政治的な策略が描かれるなど、ラブコメパートとシリアスパートのバランスがいいんです。

ラブコメ時代劇の醍醐味は、“すれ違いの美”でしょう。スマホやSNSが普及した現代では、恋人同士が連絡を取れず、すれ違ってしまうようなことは起こり得ませんし、かつ身分が異なることによるすれ違いもなかなか起こりません。一方で、こうした障害が描かれやすい時代劇は、ラブストーリーに向いていると思います」

取材協力:All About「韓国ドラマ」ガイド 安部裕子(あべ・ゆうこ)さん
韓流ライター。1997年に『星に願いを』で、韓国ドラマの面白さに目覚め、これまでに約1,100作品もの韓国ドラマを視聴。現在は執筆業を中心にコメンテーターとしても活動。

夫の浮気で妊娠10カ月のときに離婚、現夫と出会ったのは「再婚希望者限定」の婚活パーティーだった

 人生、何度でも、いくつになっても、やり直しができる。間違えても大丈夫、もう一度、立ち上がって生きていこう!――そんなメッセージを込めてお送りする連載「2回目だからこそのしあわせ〜わたしたちの再婚物語」では、失敗を糧にして「結婚」に再チャレンジし、幸せを手にしつつある人たちの物語を紹介していく。

妊娠中に結婚生活が破綻

 沖田美加子さん(仮名・46歳)は、ぱっちりとした瞳が印象的で、「きれいなおねえさん」といった風情の女性だ。いまの夫とは、婚活パーティーで出会い、付き合い始めた。一緒に暮らして6年になる。当時12歳だった息子は、今年高校を卒業した。

「子どもを妊娠中に離婚してから、必死で子育てしてきました。ようやく息子が小学校に入学し、ほっと一息ついたとき、ふと『もう一度、男性とお付き合いしてみたいな』と思ったんです」

 一度目の結婚は、妊娠10カ月のとき、夫から「好きな女ができたから別れてくれ」と言われて破綻した。

「『浮気してごめん』と謝ってくれたならまた違ったんでしょうけど、『別れてくれ』と言われてしまっては、どうしようもなくて……。本人としては『浮気じゃなくて本気だ』と。別居、出産、調停を経て、離婚届を出しました」

 妊娠を機に仕事は辞めていたから、当時は専業主婦。貯金を取り崩しながら生活し、子どもが6カ月になった頃、介護の仕事を見つけて就職した。その後、資格を取得し、収入も上がって、気持ちに余裕が生まれた。それで母親としてだけではなく、女性としても生きてみたくなった。

「息子に聞いたんです。『お母さん、すてきな人がいたらお付き合いしてみようと思うんだけど、どうかな?』って。まだ小学校低学年ですから、無邪気に『いいよ』『弟とかできたらうれしいな』なんて言ってくれました」

再婚希望者限定の婚活パーティーに参加

 とりあえず、婚活パーティーに参加してみた。普通の婚活パーティーにも行ってみたが、子持ちとわかると邪険にされるなど嫌な思いもしたので、再婚希望者限定のパーティーに的を絞った。何回目かのパーティーでカップリングしたのが、いまの夫だ。

「その日はお茶を飲んで帰りました。夫は私に『一目ぼれ』した、と。私は『いい人だな』と。2回目のデートではお昼ごはんを一緒に食べて、会話がとても楽しかったので、『次はいつにしましょうか』みたいな感じで、お付き合いが始まりました。私は息子がいて夜は出られないから、昼間のデート中心。4回目くらいのときに『お子さんも一緒に』と言ってくれたので、一緒にお台場に行きました」 

 その頃、子どもは小学4年生。「弟が欲しい」などと言ってくれていた無邪気な時期は過ぎていて、終始、むすっとしていた。

「それまでずっと2人っきりで生きてきたから、お母さんを取られるという焼きもちだったのかもしれません。夫が話しかけてもそっぽを向いて、私にばっかり『お母さん、お母さん』って」

 それでも夫は諦めず、時間をかけて子どもとの関係を築こうとしてくれた。夫の猛プッシュで始まった交際だが、次第に美加子さんもその誠実な人柄と、ユーモアのある人間性に惹かれていった。

「元夫に手ひどい裏切られ方をしたから、とにかく誠実で安心できる人とお付き合いがしたかった。もともと私は恋愛体質というか、ドキドキハラハラする恋愛が好きだったのだけれど、もう相手に振り回されるのは嫌だな、と。いまの夫には落ち着いた愛情を感じていて、私自身、それがとても心地よかったんです」

 毎週末、泊まりに来るといった形でお付き合いを続けて1年後、子どもの中学入学を機に、一緒に暮らすことにした。

「もちろん息子には確認し、承諾を得た上で、です。でも、『嫌だ』と断ることはできなかったと思うから、かわいそうなことをしたかなと思っています」 

 当初、夫と子どもとの関係はまだギクシャクしていたが、美加子さんが間に入って調整しながら、なんとか暮らしを立ててきた。家族らしくなったのは、子どもの高校受験がきっかけだ。

「反抗期もあって、息子の家の中での態度はあまり感じのいいものではなかったけれど、夫は息子のために高校の情報をいろいろ調べてくれたんです。『この学校は校風がよさそうだ』とか、『あの学校は最近、評判がいい』とか。そんな夫の姿を見て、息子もだんだん夫に心を開くようになりました。息子は夫のことを『ケイさん(仮名)』って名前の愛称で呼んでいて、私も夫を息子のお父さんにするつもりはなかったんですけど、一緒に暮らす家族としての信頼関係は、ここで築けたような気がします」

 夫は、真面目でスポーツ好きな熱血漢。美加子さんは「松岡修造みたいな感じ」と笑う。

「けんかもしますけど、夫の悪いところってあんまり思いつかない。基本、彼が家のローンと光熱費、私が食費と息子関連――と別財布なので、それぞれのお金の使い方にはあまり口出ししていませんが、共同で買うものの出費の割合でもめることがあるくらい。お金以外でもめるのは、お風呂の温度とか。――こうやって考えてみると、あまり不満ってないですね」

 実はけんかをして、「別れる」と言いだすのは決まって夫。お金がらみで言い合いをしたときなど、美加子さんは深い意味があって言ったわけではなくても、夫は「人格を否定された」と怒る。そして、「どうせ美加子は、俺のことなんか好きじゃないんだろ」とすねる。「前の結婚でのトラウマがあるのかもしれませんね……」と、美加子さん。

「『もう別れる!』と夫が言うので、私が冷静に『こんな小さなことで別れていいの?』となだめて仲直り。その繰り返しで、ここまでやってきました。私、けっこう粘り強いんです(笑)」

 さすがに最近、「別れる、別れない」をめぐるけんかはなくなった。

 再婚してよかったのは、いざというときに支えてくれる人がいるという安心感が得られたことだ。数年前、美加子さんは仕事に悩み、心療内科に通うほど追い詰められていた。でも、それを「熱血漢」である夫には、なかなか打ち明けられずにいた。「甘えている」と、叱られてしまうのではないかと思っていたのだ。

「年に1回、夫婦で旅行に行くんですけど、そのとき思い切って話したんです。『弱い私を認めてもらえないんじゃないかと思って言えなかったけど、仕事がつらくて休んでいる。辞めようと思っている』って。そうしたら、思いがけなく『気づいてあげられなくて、ごめんな』と言ってくれて。ああ、つらいときは甘えて大丈夫なんだ、って、すごくほっとしました。直接、手助けしてもらえなかったとしても、そばにいてくれるだけで全然違う」

 温かい家庭を手に入れて、それを日々慈しみながら、いま美加子さんは心おだやかに生きている。

「実はまだ籍は入れていなくて、事実婚なんです。息子が20歳になったら、私から逆プロポーズしようと思っています」

(上條まゆみ)

『ワイドナショー』でも議論! “容姿をいじる”笑いは「ビートたけしと吉本新喜劇」が発端? 元吉本芸人が解説

 ここ最近、人の容姿をイジるようなネタは「やらない」と宣言する芸人が増えている。

 お笑いトリオ・3時のヒロインの福田麻貴は、4月8日に自身のTwitterで「この数週間で容姿ネタに関してじっくり考える機会が何度かあって、私達は容姿に言及するネタを捨てることにしました」と表明。同18日には『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演し、「容姿ネタって、どんどんウケなくなっていってるなっていうのを劇場でも、すごい肌で感じてた」とコメントし、芸人と視聴者や観客との間に「価値観のねじれ」が生じていると持論を展開した。

 また、昨年10月には、尼神インター・誠子がウェブメディアのインタビューで「容姿をいじるネタはやめました」「笑わせることが一番大事なので、それが嫌だという人がいるなら対応していきたい」などと語り、これまで尼神インターの定番だった「ブスやないか!」というツッコミを捨てると宣言。さらに遡れば、2018年には、アジアン・隅田美保が「ふだんから『ブス、ブス』と言われるのがホンマに嫌で」と告白したことが話題になり、ネット上で“容姿いじり”をめぐる議論が起こった。

 サイゾーウーマンでは過去に、元吉本芸人で、コミュニケーション学などを専門とする西武文理大学専任講師・瀬沼文彰氏に、容姿いじりが行われるようになった歴史や、その是非を聞いていた。芸人たちの一声により、お笑い業界が変わり始めている今、あらためて同記事を掲載する。
(編集部)


(初出:2018年9月10日)

アジアン・隅田美保、テレビ復帰――「女芸人のブスいじり」は絶対的な悪なのか?

 2015年頃からテレビから遠ざかっていたアジアン・隅田美保の姿を、最近よく目にするようになった。テレビ出演を中止していた理由は、バラエティ番組での「ブスいじり」にあったという。同年7月発売の「フラッシュ」(光文社)の取材に、隅田は、「今年40歳。私は前から結婚の意識が強く、真面目に婚活したかった。ふだんから『ブス、ブス』と言われるのがホンマに嫌で。バラエティ番組でみんなにいじられるせいで、婚期を逃している」と心境を吐露した。

 この発言は、ネット上で瞬く間に話題となり、「女芸人のブスいじりは是か非か」と議論を巻き起こした。“ブスいじり容認派”が「芸人なんだから、おいしいって思えばいいのに」と声を上げると、“ブスいじり否定派”が「容姿をいじられても笑えない」「『ブスは笑ってもいい』という風潮が高まる」と反論するなど、当時はさまざまなメディアでもこの問題が取り上げられていた。

 そんな中、当事者である隅田は、昨年の『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)を機にテレビ復帰を果たし、今年に入って、徐々にバラエティ番組への露出を増やしているが、再び“ブスいじり”をされるように。今月1日放送の『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)で、隅田は「こんなとんでもない“ブスのドン”が帰ってくるなんて!」といじられ、スタジオは大爆笑に包まれていた。他バラエティでも、同様のいじりが散見され、「ブスいじりの是非」論争が、なかったことのようになっている。

 果たして、女芸人のブスいじり問題は、今後どうなるのか? 元吉本芸人で、“コミュニケーション学”や“笑い”に関する研究をしている桜美林大学講師・瀬沼文彰氏に取材を行い、容姿いじりが生まれた背景や、変化しつつある女芸人の笑いの取り方についても、あわせて話を聞いた。

 いつの間にか、“当たり前”のものとなっていた女芸人のブスいじり。瀬沼氏も「久本雅美、オアシズ、森三中、ニッチェの江上敬子、ハリセンボン・近藤春奈、尼神インター、フォーリンラブ・バービー、たんぽぽ、ゆりやんレトリィバァなどなど、ブスいじりをされる女芸人はたくさん挙げることができます」と現状を話す。そもそも、なぜこうした笑いの取り方が盛んになったのだろうか。

「ビートたけしさんが関連していると思います。たけしさんは80年代に、『タブーを笑おう』という内容の漫才をよくやっていて、『ブス』や『年寄り』を笑いのネタにしていたんです。そこで、世間の人たちが、表でも堂々と『タブーを笑う』ことを知ったのではないでしょうか。たけしさんは“ブスいじりのバックグラウンド”を作った人とも捉えられますね。もう1つは、吉本新喜劇の影響です。ここでは、ブスいじりが伝統となっており、元祖となった女芸人は定かではないものの、私が調べたところでは、1960年代に活躍した藤里美さんや楠本美枝子さんは、三枚目役として容姿をいじられていたようです」

 吉本新喜劇の生みの親・八田武男氏は「大阪の笑いは、ぶっちゃけたところにある」という考えの持ち主だったそう。そのため「年寄いじり、容姿いじりを積極的に行う芸風になったのでしょう。吉本が90年代に全国化していく中で、テレビそのものに吉本ノリが広がり、ブスいじりが盛んになったと思われます」という。確かに吉本芸人が、“容姿をいじる”もしくは“いじられる”といったシーンをテレビで目にする機会は多く、ある意味、伝統芸として受け継がれてきた側面もあるようだ。

「女芸人は同性ウケ狙い」が変化しつつある

 瀬沼氏いわく、2000年頃から、女芸人のブスいじりの流れが変わり、容姿そのものを「ブス」といじるのではなく、“キャラとしてのブス”をいじる面が強まっていったという。

「『自称ブス』『自分ではブスを認めていないブス』『ちょいブス』『一般的にはかわいいのにブスを演出するブス』『ブスだけどブスを見せないブス』など、さまざまな立場のブスがテレビに登場し、ブスが“キャラ”になっていった印象です。いじる方は、その人そのものではなく“キャラ”をいじり、いじられる方も“キャラ”をいじられるので傷つかない。そういうふうに、お互い予防線を張りながら、キャラとしてのブスいじりで、トーク番組を盛り上げていったのかなと見ています」

 最近、人気を博す女芸人も、基本的に「キャラをどう見せるのか?」という笑いの作り方をしているのではないかと瀬沼氏は考察するが、一方である変化も見えるという。

「よく言われるように、お笑い業界は圧倒的に男性芸人が優位。見る側の男性も『女芸人より男芸人の方がレベルが高い』といった見方をしていたと思うんです。そんな中、かつて女芸人は、いかに“同性から共感の笑い”を得られるかを重視してきました。例えば、女性のあるあるネタだったり、飛び抜けて痛い女を演じてみせたり……といった感じですね。しかし最近の女芸人は、ブスキャラを演じながら、男女関係なくウケるネタを作っているように思います」

 その例として、相席スタートの山崎ケイ、おかずクラブなどが挙げられるそうだ。

「山崎さんは、“ちょうどいいブス”を自称し、男と女のマウント取りの面白さ、女性が男性を転がす様子の面白さを表現していますし、おかずクラブは、“自分の容姿を意識はするけど、ブスであることは認めない”という自意識過剰なブスキャラを演じつつ、男性の下心をうまく突くネタを披露しています。このように、女芸人が“同性だけではなく、男もイジっていく”というネタは、男性も面白さを感じるのではないでしょうか」

 お笑い界では、ブスそのものではなく、“キャラとしてのブス”をイジる流れになり、男性優位の構図にも変化の兆しが見えるという瀬沼氏。しかし、ネット上では、隅田の休業を機に、ブスいじりの是非が議論されたのも事実だ。

「正直、芸人自体はそれほど気にしていない人の方が多いのではないか、ネットが騒ぎすぎているのでは……と思うところはあります。お笑いにはフリとオチがあるのに、オチだけ拾われて批判されているなと。今のようなネット社会では、文脈を見ず、見出しだけで物事を判断してしまいがちなので、もう少しゆっくり判断してもいいのではないでしょうか。しかし、ポリティカル・コレクトネスの観点から、ブスいじりに批判が出るのはよくわかるんです。確かに世界的に見ると、容姿いじりは珍しいことなんです。あと、バラエティ番組で女芸人が“キャラとしてのブス”を見せていたとしても、『視聴者がマネする』点を懸念する声も上がっています。日常生活のコミュニケーションの中で、ブスいじりを積極的に、もしくは無意識にマネしてしまう人もいるでしょうし、例えば、子どもが学校でブスいじりをして、いじめ問題に発展する可能性も否定できません」

 隅田はかつてブログで、「世間では私がブスと言われるのが辛くて仕事を休んでる!って勝手に思われてる」「ブスといじられることで、恋愛や結婚のチャンスをずっと逃してきたので、理想の結婚をするためには一回ブスのキャラが邪魔だと言ってるだけです」と語っている。これはつまり、ブスキャラ自体ではなく、それによって、世間に「ブス」として下に見られることが嫌だったということなのではないか。

 そうなると、“キャラとしてのブス”は、世間に悪影響を与えかねない笑いの取り方だが、瀬沼氏はここで、ポジティブな影響を与える可能性も示唆する。

「友達同士で“変顔”を見せ合い、そこにブスさ加減を見つけて笑い合ったり、SNSにアップする文化というのがありますが、関係性と親しさによっては、ブスいじりもコミュニケーションの1つになると思うんです。あと、これまで女性には、『綺麗、かわいいこそが素晴らしい』という価値観があったものの、今の時代は“ちょいブス要素”をうまく出し、いじられた方が、コミュニケーションを円滑にして、好感を持たれやすいとも感じますね。それに若い子たちは、ファッションやメイクが個性的すぎることを避けがちで、ある一定の枠内で、他者との差異をどう出すかを重要視する傾向がある。そんな中、“ちょいブス要素”はその差異となり、個性の1つにもなり得るのではないでしょうか」

 変顔が“永続的”ではなく“瞬間的”なもののように、女芸人が見せる“キャラとしてのブス”も“その場”だけのものと捉えられるかもしれない。瀬沼氏は「女芸人も、テレビに出ているときだけのビジネスブスキャラとして割り切っている。それに気づいている視聴者も多い」と感じているようだ。

 では今後、女芸人のブスいじりはどうなっていくのだろう。女芸人のブスいじりは、必ずしもネガティブな側面だけでないとした瀬沼氏だったが、ポリティカル・コレクトネスの流れにおいては、容姿いじりに頼らない笑いを見つける必要性も感じているという。

「日本の笑いは、基本的に身内ウケ。芸人は、芸能界という身内の中であれば、下ネタ、パワハラ、セクハラOKになっている現状は確かにあります。ブスいじり批判には『ほかの笑いってないの?』といった意見があると思いますが、徐々に新しい笑いを作っていけたらいいのではと感じますね。正直、見た目を笑いに変えられないって、芸人はとても悩むはず。でも、日本の芸人は、社会の空気を読んで笑いをつくるのがうまいので、期待したいところです」

 しかしその半面、「BIG3(ビートたけし、タモリ、明石家さんま)、ダウンタウン、とんねるず、ウッチャンナンチャンといった芸人界のトップたちは、全員男性。松本人志さんが、以前『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、『素人はハラスメントNGだけど、芸人はOK』といった旨の発言をしており、上の立場の人がそういった姿勢だと、男性優位の構図は、変化の兆しはありつつも“完全” には変わらないのでは」と、瀬沼氏は現実的な見解を示す。

 そういった背景ゆえ、今後も視聴者が、女芸人のブスいじりを「不快」「弱い者いじめ」と感じるシーンは散見されるかもしれないが、瀬沼氏は、女芸人が男芸人に“いじられる笑い”ではなく、男芸人を“いじる笑い”が「もっと増えれば」と願望を述べてくれた。

「最近、さんまさんを女芸人がコテンパンにいじるといったシーンを見かけるようになりましたが、まだまだ少ない。日常生活や仕事の場でも、女性がいじって笑いを取ることが、いまいち確立されていない気がします。アラフォー男性である私の立場からすると、妻しかり女友達しかり、女性のコミュニケーションにおける強さをすごく実感しているだけに、今後のバラエティにおける女芸人の振る舞いは、女性たちにコミュニケーションの幅を広げるきっかけを与えるのではと思っています」

 女芸人のブスいじり問題に一石を投じた隅田が、今後、男芸人たちにどう対峙していくのか。その姿を女性たちはどう受け止めるのかにも、注目していきたい。

【著書紹介】
ユーモア力の時代―日常生活をもっと笑うために』(日本地域社会研究所)
生活の中にユーモアがあると、自分が見ている世界や日常はもっと面白くなる――そんな“ユーモア”について分析、その効果の大きさと影響力を示すとともに、誰にでもできるユーモア力アップの方法と技術を具体的に紹介した1冊。

「西成のホームレス男性とデート」エッセイが大炎上! 釜ヶ崎で過去にも起こった“ジェントリフィケーション”とは?

 大阪市が取り組む新今宮エリアのブランド向上事業「新今宮ワンダーランド」。そのPR記事として、島田彩氏が「note」に公開したエッセイ「ティファニーで朝食を。松のやで定食を。」が大炎上している。

 このエッセイは、新今宮エリアに足を運んだ島田氏が、大衆酒場で居合わせたおじさんにごちそうしてもらったことをきっかけに、この街に“借りを返す”と決意するところから始まる。次の日、島田氏は、ひょんなことから新今宮エリアにある「西成」のホームレス男性と出会い、松のやで定食を奢る。

 また、男性にタバコや缶コーヒーを奢る代わりに、新今宮のツアーガイドを頼んだり、自身を褒めてもらうなど、貸し借りを続けながら、街を散策するのだが、文章の端々から“上から目線”が滲むと物議を醸し、「ホームレスの男性を暴力的に消費している」「貧困をエンタメにするな」と物議を醸した。加えて、これが大阪市と電通主導の事業の一環であることが、炎上に拍車をかけたのだった。

 この話題にちなんで、ネット上では「ジェントリフィケーション」というワードが注目を浴びた。これは、「都市の高級化」現象を指す言葉で、具体的には、「都心部の比較的低所得者層の移住地域を再開発することによって、地価を上昇させ、その利潤を得る」ことなのだが、これが進むと、もともとこの地域に住んでいた人たちが、追い出されかねないという問題をはらんでいる。この「新今宮ワンダーランド」は、まさにそれに当たるといわれているのだ。

 サイゾーウーマンでは過去、西成の釜ヶ崎で生きる“女性”にクローズアップした記事を公開したが、そこでジェントリフィケーションの話題が登場していた。釜ヶ崎を舞台にした映画『月夜釜合戦』の監督・佐藤零郎氏が、「釜ヶ崎でジェントリフィケーションが起こったのはこれが初めてではない」と語る意味とは? この機会に同記事を再掲する。
(編集部)


(初出:2019年6月15日)

オンナたちの釜ヶ崎――圧倒的「男性社会」で生きてきた「私娼」「女性ホームレス」の姿

 大阪府大阪市西成区の北部に位置する、あいりん地区――旧地名の「釜ヶ崎」と呼ばれることも多い同地区は、簡易宿所や寄せ場が集う「日雇い労働者の街」「ドヤ街」として、全国的にその名を知られている。「酔っ払いのおっちゃんたちが路上でたむろしている」「盗品や薬、違法DVDなどを売る泥棒市をやっている」「シャブの取り引きや賭博は日常茶飯事」「治安が悪いので女性は昼間でも行かない方がいい」――そんな種々雑多な「釜ヶ崎のウワサ」を耳にしたことがある人も少なくないのではないか。

 そんな世間から“特殊な街”という印象を持たれている釜ヶ崎を舞台にした映画『月夜釜合戦』が、今春全国ロードショーされた。古典落語『釜泥』をベースに、釜ヶ崎の繰り広げられる騒動を描いた人情喜劇で、昨年ポルトガルで開催された「ポルト・ポスト・ドック国際映画祭」のインターナショナルコンペティション部門で、日本映画初のグランプリを受賞。同作は、映画ファンからも好評を得ており、今年3月東京公開含む2巡目の全国公開も行われている。

 同作の大きな特徴は、主人公を含め、釜ヶ崎に暮らす「女性」の姿がクローズアップされている点だ。先に記したように、釜ヶ崎から連想されるイメージは男性が中心にあるが、釜ヶ崎の女性たちは、いったいどのように生きているのか――今回、『月夜釜合戦』の監督・佐藤零郎氏と、女性ホームレスの研究を行う立命館大学産業社会学部准教授・丸山里美氏に話を聞いた。

 2005年から釜ヶ崎に関わり、野宿生活者の支援運動などを行ってきたという佐藤零郎氏は、確かに釜ヶ崎には、多くの人がイメージするように「圧倒的に女性が少ない」という。そんな中、なぜ『月夜釜合戦』で釜ヶ崎の女性を描こうと思ったのか。その背景には、「釜ヶ崎の再開発」があるそうだ。

「釜ヶ崎で生活をする中で、監視カメラの設置や露店の撤去、路上で暮らす人たちのテントが潰されるなど、野宿生活者や日雇い労働者を街から追いやるような動きを感じました。これは全世界的に見られる『ジェントリフィケーション』という現象で、アクセスがいい都心部の比較的地価が安い場所を再開発することにより、地価を上昇させ、その利潤を得るというものなのですが、僕は資本が利潤を得るために貧乏人が追い出されるなんて、大問題だと思い、対抗したいと考えたんです。いろいろ調べていくと、釜ヶ崎でジェントリフィケーションが起こったのはこれが初めてではないことがわかった。1970年に大阪万博が開催されましたが、60年代から日雇い労働の供給を増やすために、働き口のない地方の男性を釜ヶ崎に一挙に集め、その過程で地区内に占めるドヤの割合は増加し、単身男性の労働者向けの部屋になり、徐々にドヤは高層化・巨大化していきました。結果、地区内に家族層が暮らせるような家屋の割合は減っていき、女性や子どもが釜ヶ崎を後にしなくてはならない状況が生まれました」

 現在、釜ヶ崎の再開発に関して、自治体は「労働者の高齢化が進み、街が衰退していく。今のうちから、女性や子どもが住める街にしよう」と説明しているというが、「そもそも女性や子どもが住めない街にしたのは誰なんだ! と。『釜ヶ崎の歴史の中には、女性もいた』とことで再開発の欺瞞を映画で突きたくて、主人公を女性にしました。なので、『月夜釜合戦』は、特定の時代設定があるわけではなく、釜ヶ崎の“変遷”の厚みを凝縮して描いていると言えます」。

 『月夜釜合戦』の主人公・メイは私娼をしており、ほかにも釜ヶ崎のほど近くにある飛田新地の公娼・アケミが登場する。また出演シーンはわずかながら、路上生活者と思しきマッチ売りの老婆(マッチの火が消えるまでの間、股座をのぞくことができるという商売をする老婆)の姿もあったが、監督は彼女たちを「釜ヶ崎を女性の住める街にするという言説からは除外される、排除されんとする女性たち」として捉え、劇中に登場させたという。飛田新地で働く女性は現在も大勢存在しているが、私娼やマッチ売りの老婆は、すでに現在の釜ヶ崎では姿を見かけない女性たちだ。

「マッチ売りの老婆は、釜(ヶ崎)にいるおっちゃんに『おったぞ』という話を聞きましたし、また開高健氏の『日本三文オペラ』(角川書店/1950年代後半、大阪造兵廠跡のスクラップを狙う食いつめ者たちの集団・アパッチ族を描いた小説)にも登場し、そこから着想を得ています。大々的にこの商売をやっていたわけではなかったでしょうが、人目を避け、陰でこっそりそういった商売をして、生きていた女性が釜ヶ崎には存在した。今も表立っていないだけで、私娼もマッチ売りの老婆もいるでしょう」

 また、映画では直接的に描かれていなかったが、60年代に男性の街に変貌しつつあった釜ヶ崎には、「労働者」として働く女性もいたそうだ。

「土工と言って、現場の雑用をするといった仕事をしていた女性がいました。実際、炊き出しに並んでいる高齢の女性に『昔はどんな仕事をしていたんですか?』と聞くと、『日雇い労働していた』『飯場の飯炊きをやってた』という人に会うことがあります。しかし、産業の合理化……つまり、女性より男性の方が労働力になるからという理由で、それまで女性が担っていた仕事を男性が行うようになって、やはり釜ヶ崎から女性がいなくなっていったわけです。今も昔も変わらないのは、資本は利潤を追求するために、この街を都合よく利用してきたということです」

 それでは、近年の釜ヶ崎で、女性たちはどのように暮らしているのか。立命館大学産業社会学部准教授・丸山里美氏はまず、釜ヶ崎と一口に言えど、日雇い労働者の人たちが寝泊りし、路上で野宿する人の姿も見られるドヤ街と言われるエリアだけを指すときと、その周辺の貧困住宅地域や、ときにはほど近くにある飛田新地も含める場合があると指摘する。

「私も『月夜釜合戦』を見ましたが、主人公である女性は釜ヶ崎周辺で個人売春をしてお金を稼ぎ、近隣の安いアパートに住んでいるように思いました。60~70年代はこうした私娼の女性も釜ヶ崎にいたようですが、現在では見かけません。天王寺のあたりにはいるという話は耳にするのですが……。また、飛田新地で働いている女性は、現在、近隣ではなく別の場所に住んで通勤しているような印象もありますね。そして、少なくとも釜ヶ崎には現在、女性向けの日雇い仕事というものはありません」

 一方、釜ヶ崎の路上には、女性ホームレスも「ゼロではない」というが、その数は極めて少ないのではないかと、丸山氏は指摘する。

「そもそも一般的に、野宿者の女性の割合は全体の3%と言われていますが、恐らく釜ヶ崎ではその比率はさらに低いのではないでしょうか。いろいろと理由はあるものの、『女性にとって釜ヶ崎が暮らしにくい場所だから』だと、私は理解しています。釜ヶ崎は、そもそも男性の人口比率が圧倒的に多い街ですし、また野宿をする人向けの資源が揃ってはいるものの、例えばシェルターが雑魚寝タイプだったりなど、基本的に男性利用者を想定して作られているんです。それに、酔っ払ってちょっかいをかけてくる男性も多いですし、女性に対する暴力が蔓延している街でもあります。釜ヶ崎に限ったことではありませんが、女性ホームレスの3分の1が『DVから逃げてきたケース』という調査結果もあり、そういった女性にとって、男性の多い釜ヶ崎で暮らすことは耐えられないのではないでしょうか」

 中には、「女性だから優遇してもらえる面」もあるかもしれないというが、それでも釜ヶ崎のような男性社会で、女性ホームレスが生き抜くのは、やはり難しいのではないかと丸山氏は言う。

「今の釜ヶ崎に住んでいるのは、野宿をしている人、日雇い労働をしながらドヤ(簡易宿泊所)に暮らす人、地元の商店の経営者そこに勤めている人、そして福祉マンションとなったドヤに暮らす生活保護受給者だと思います。この生活保護受給者の男女比は、路上生活者の男女比と比べて、女性の割合が高いと感じますね。一度野宿した経験があって、生活保護を受給するという人には、釜ヶ崎は暮らしやすい資源がたくさんあるんです。福祉マンションもそうですが、ホームレスの支援団体も多く入っていますし、生活保護受給者を対象にした介護の事業もあります。野宿をしていた女性が支援団体とつながり、福祉マンションに入るというケースは、個人的によく見ています」

 丸山氏いわく、ここ最近の釜ヶ崎は、どんどん福祉化しているとのこと。一見、生活保護受給者の女性にとって、住みやすい環境と化す兆しがあると言えるかもしれないが、それは「一概には言えない。やはり、その女性それぞれだと思います」という。

「福祉の面でもそうですが、特にここ2~3年で、街自体も綺麗になった印象です。ただそれが、釜ヶ崎の女性にとって、ひいては釜ヶ崎の人にとって、『暮らしやすくなったのか』と言うと、それは断言できない面はありますね。泥棒市をやっていたり、薬物が取り引きされているといった話があったり、売春をしている女性がいたり……そういう“昔ながらの釜ヶ崎”でしか生きられないという人もいると思うんです。個人的に、女性にとって危険が多い街ではあるので、単純に『いいところですよ』と言いづらいところはありつつも、見方を変えれば、『さまざまな事情を抱えた人たちが暮らせる街』でもあると思います」

 2025年に、2度目となる大阪万博を控える中、街のクリーン化はさらに進んでいくことだろう。日雇い労働者の居場所となっていた「あいりん総合センター」(病院施設や市営住宅、また西成労働福祉センターと職業安定所といった労働施設のほか、日雇い労働者が求職活動を行う“寄せ場”の複合施設)も今年の3月31日で閉鎖となるなど、釜ヶ崎は今まさに大変貌の最中にあると言える。その中で、見えづらい存在である釜ヶ崎の女性たちは、どんな生活、心境の変化を感じるのか――今後も注視していきたい。

ユニクロ・ウイグル問題から考える、ファストファッションについて知っておくべきこと

 今や、私たちの生活にすっかり定着したファストファッション。かつては「安かろう悪かろう」といった印象もあったが、近年は品質も向上し、アパレル業界の大部分を担っているといっても過言ではないだろう。

 一方で、その多くを人件費の安い開発途上国の工場で生産しており、労働環境の問題が絶えないのも現状だ。2013年には、バングラデシュの首都ダッカ近郊の縫製工場が入った商業ビル「ラナプラザ」が崩落し、死者1,100人以上を出す大事故が発生。この縫製工場では、日本を含め世界展開しているファストファッションブランドの商品も生産していたという。

 そして今、新たな議論が巻き起こっている。ユニクロを展開するファーストリテイリングが4月9日、フランスの人権擁護団体などから「強制労働の恩恵を受けている」として告発されたのだ。これは、中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区での強制労働問題を受けたもので、ユニクロのほかに、日本でもおなじみのZARAなど、4社の名前が挙がっている。

 ネット上では、「アパレル業界は人権について真剣に考えるべき」「一刻も早く、強制労働の問題が解決してほしい」など、ファストファッションの在り方を問う声も。“消費者”である私たちの意識転換も求められるわけだが、まずはファストファッションの実態を知り、そこから洋服選びについて考える必要があるだろう。

 サイゾーウーマンでは、アパレル業界に詳しい朝日新聞社・仲村和代記者に、消費者が知るべき「ファストファッションと労働環境」について話を聞いていた。決して他人事ではないこの問題に向き合うべく、同記事をあらためて掲載する。
(編集部)


(初出:2020年3月5日)

ファストファッションとアパレル業界の闇――消費者が考えるべき労働環境のこれから

 短いサイクルでの大量生産・販売によって、流行の商品を低価格で販売するファストファッション。私たちの生活にすっかり定着し、誰しもクローゼットに1着はあるのではないだろうか。前編では、ファストファッションを製造する工場の実態について、『大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実』(光文社新書)を共同執筆した朝日新聞社の仲村和代記者にうかがったが、今回は消費者が購入時に意識すべき点について聞いてみた。

新品の服が10億点も焼却される現実

――私たちの「安く買いたい」というエゴが、こうした状況を生み出しているように感じました。ファストファッションの流行が、日本のアパレル業界にもたらした影響などはありますか。

仲村和代さん(以下、仲村) ファストファッションのおかげで、昔と比べるとはるかに安い値段で、おしゃれを楽しむことができるようになりました。質は多少落ちるかも知れませんが、それでも短い期間で買い替えるものであれば、消費者も特に問題には感じません。むしろ、流行の服を安く買って、どんどん買い替えるような風潮を、消費者自身も歓迎したところがあると思います。体形や好み、流行は変わりますからね。

 服を「1~2年で買い替える」のが当たり前になり、安い価格に慣れた消費者にとって、ファストファッションの2~3倍の価格で販売される百貨店やセレクトショップに置かれているようなブランドは高額に感じるでしょう。一方、こうしたブランドのメーカーも、コストを抑えるためにたくさん発注し、大量の洋服を作る傾向が出てきました。30年前と比べると、消費・購入量はさほど変わっていませんが、生産量は倍くらいに増えています。その結果、服の大量廃棄の問題が発生。コスト削減のため、必要とされる以上の大量の服が作られるようになり余ってしまうからです。

――大量に余った洋服はどのように扱われるのでしょうか。

仲村 一部は在庫処分業者がタグなどを外し、海外に輸出したり、国内で販売したりすることもありますが、かなりの割合が捨てられています。日本国内では、燃えるゴミと同じように、自治体の焼却場などで燃やされているものが多いそうです。また、リサイクルといいつつ、固形燃料として結局燃やされているものも。国が統計を取っていないので、正確な数字は不明ですが、ざっくりいうと年に約40億点の衣料品が作られ、消費量は約20億点なので、その分を引いた20億点が余る計算になります。一度も売れず、場合によっては店頭にすら並んでいない新品の洋服が、年に10億点以上、捨てられているとみられ、つまり新品の服の4枚に1枚は、そのまま捨てられているんです。

――大量に服が廃棄される一方、最近はいろいろな女性誌で、「サステナブル」(持続可能な社会を目指す取り組み)や「SDGs(エスディージーズ)」(注)という言葉を目にします。

注 SDGs:「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で、全ての国連加盟国のリーダーによって決められた、国際社会の共通目標。アパレル業界でも、「SDGs」を目標に掲げ、「衣服のリサイクル」「環境に配慮した工場」「生産量の適正化」という取り組みを行っている企業が出てきている。

仲村 この1年くらいで、ものすごく目にするようになりましたね。「この服はどう作られているのか」「環境汚染はしていないか」を考えようという流れは、すごくいいことだと思います。いろんなファストファッションブランドが出てきて、「安かろう悪かろう」は通用しなくなり、分岐点を迎えているのでは。最近は、「エコ」や「サステナブル」を意識したファストファッションのブランドもあるので、消費者が、「安い」という理由だけで服を買う時代は終わり、“選ぶ”“吟味”する時代になりつつあるのだと思います。

 ただ、SDGsを掲げている企業もいろいろ。理念についてあまり理解せずに、とりあえずアピール材料に使っている企業も少なくありません。消費者は企業の何を信用すればいいのか、ますます悩むと思いますが、「企業が発信することは真実なのか」と常に疑うクセをつけた方がいいと思います。

――生産者の労働環境やエコを意識したブランドなどを、教えていただけますか。

仲村 全ての現場を確かめたわけではないので、具体的なブランド名を私の口からお伝えすることは避けたいと思います。目安にするとしたら、例えば、「どこで作られているのか」「回収した古着をどのように使っているのか」といった情報を企業が開示しているかどうか。より具体的であれば、信頼度も高いと考えていいと思います。最近は、実際に作っている生産現場の人との交流の場などを設けているブランドもあるんですよ。「この人が勧めたから」「こう書いてあったから」という理由でどこかのブランドを買うことより、消費者一人ひとりが、自ら一つひとつ知ろうとする動きこそが、大切なのではないかと思っています。そうやって調べながら、「自分なりに納得のいくブランド」を探す、そして企業に対しても声を届けていく、ということを目指してみてはどうでしょうか。

――もし、企業側が出すデータがウソだったとしても、消費者はわからないですよね。

仲村 確かに、判断は難しいですね。私自身も、すごく悩みます。最近は、正しい情報を開示しているかどうかを判断するシステムを作ろうという動きもあります。また、消費者から「情報を知りたい」「そういった仕組みが必要」という声が大きくなれば、国や機関が動く可能性もあるはずです。企業に直接問い合わせるのも有効な手段ですが、ハードルが高いという人は、まずネットで検索するだけでもいいのでは。その検索ワードの数が集合知となって、企業側に「この世代は、服を買う時に環境問題も気にしているんだな」と伝わるかもしれません。「常に、100%正解」を目指すのは正直、難しいと思う。でも、そういう積み重ねが大事なんじゃないかと思います。

――不況と言われる昨今、収入が増えないなどの悩みを持つ消費者は多いため、今後もファストファッションに一定の需要は見込まれると思います。自分たちができることはなんでしょうか。

仲村 私自身は、ファストファッションブランドがいけないとか、購入してはいけないとか、そういうことは全然思っていません。中には、持続可能性に目を向け、とても力を入れているところもありますし、大事に着て、うまくおしゃれを楽しんでいる人はとても素敵だな、と思います。ただ、とりあえず安いから買って、着なくなったら捨てればいい、という風潮は、そろそろ変わってほしいですね。「エシカル」を打ち出しているようなブランドは高くて買えない、という声も聞きますが、無理をして買う必要はないと思います。消費者の側も、「無理なく続けられる」、つまり持続可能であることが大切だと思います。

 考え方として、目の前の値段ではなく、最終的に何回くらい着られるのか、いわゆる「コスパ」を考えると、買い方は変わるのではないでしょうか。例えば、千円のものを5回着て捨てるよりは、1万円のものを100回着る方が、「安上がり」です。長く着る、という観点で、それに見合った品質かどうかを基準にすれば、意外と「高くない」と感じるかもしれません。そもそも、先ほど大量に服が処分されていると話しましたが、焼却するにも費用が掛かりますし、そのコストが販売価格に上乗せされていると考えると、安いように見えて、結構、消費者は損していると思うんです。アパレル業界は、「新商品を販売するサイクルが短すぎる」とよく言われていますが、みなさんが1着を大切に扱うようになれば、いずれ業界を変えることができるかもしれません。

――1着を大切にすることが当たり前になると、アパレル企業は成り立たなくなる気もしますが……。

仲村 確かにそういう声は多く聞こえてきますね。ただ、アパレル企業に限らず、長年日本企業が続けてきた薄利多売のビジネスモデルは、もう限界に来ているのではないでしょうか。まだ物がなく、人口も増えていく時代であれば、生産量を増やすことがそのまま利益にもつながった。ところが、長い不況が続いてデフレ傾向になり、生産コストや人件費を削り、長時間店を開けることで何とか利益を確保しようとして、企業も、働く人たちも疲弊しています。

 目指す方向のヒントになりそうな話を先日、とあるアパレル関係の方からうかがいました。そこは「長く使える」ことを売りにしているメーカーなのですが、新しくお店を始める時に、「セールはしない」「廃棄を出さない」ことを目標にしたそうです。このため、カラーや柄など種類は絞る一方で、セールをしなくても買ってもらえるような商品づくりに力を入れました。品薄になっても補充はせず、なんとお店を休みにしてしまったそう。おかげで、従業員はしっかり休め、年間を通して考えると、利益も確保できたそうです。売り上げよりも利益(売り上げからコストを引いたもの)に着目すると、商売のあり方も少し変わるのでは。

 大量生産、大量廃棄は、環境への負荷も大きい。目先の業績だけでなく、長い目で見て社会全体の利益を考える姿勢が、企業にも求められる時代になっていると思います。物や人を使い捨てることなく、従業員や環境・社会全体の“幸せ”を追求することが当たり前になるといいですね。

仲村和代(なかむら・かずよ) 
朝日新聞社会部記者。1979年、広島県生まれ。沖縄ルーツの転勤族で、これまで暮らした都市は10以上。2002年、朝日新聞社入社。長崎総局、西部報道センターなどを経て10年から東京本社社会部。著書に『ルポ コールセンター 過剰サービス労働の現場から』、取材班の出版物に『孤族の国』(ともに朝日新聞出版)、共著に『大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実』(光文社新書)がある。
Twitter: @coccodesho

YouTuber・ゆたぼん、「中学校に行く気はありませーん!」と堂々宣言!! 「心理カウンセラー」である父親への違和感と疑問

 一昨年、「琉球新報」に登場し、小学3年生の時、同級生が「ロボットに見えた」という理由から、「自由登校」というスタイルを取るようになったと語り、賛否両論を巻き起こしたYouTuber・少年革命家ゆたぼん。この春、中学校に進学したが、4月7日に公開した動画「中学校へ行くかについて」で、「中学校に行く気はありませーん!」と堂々と宣言した。

 ゆたぼんいわく「これまでみたいに自由登校する気もない」とのことで、「制服とかも買っていないんですよ! っていうかそんなん買ってくるくらいなら もっと楽しいことに使った方がええやん!」「だいたいなんでみんなで同じ制服着なあかんねん!」と、制服に対して、強い憤りを抱いている様子。また、中学からもらった「生徒心得」を「ヤバい」と一刀両断、「これに従ってたらみんなと同じロボットになるやけだから」と息巻いていた。

 一方、父親である心理カウンセラー・中村幸也氏も、Twitterで「子どもを強制的に学校に行かせた結果、ネット上で匿名で誹謗中傷する事しかできないような人間に育てるより、ゆたぼんみたいに子どものうちからやりたい事を全力でやらせてあげて、さらにお金も稼げるようにしてあげる方がいい」と、熱弁している。

 そんなゆたぼんには賛同者も多い一方、父親の影響を強く受けているとみられるだけに、「父親のロボットになっているのではないか?」と疑問を呈する者も少なからず存在する。そんな中村氏は、一昨年にゆたぼんが注目を浴びた際、「心理カウンセラー」という肩書が「怪しい」と物議を醸したこともあった。というのも、心理カウンセラーと聞くと、「臨床心理士」を思い浮かべる人が多いだろうが、中村氏は同資格を取得していなかったからだ。

 サイゾーウーマンでは当時、この話題を取り上げて、現役の臨床心理士に「疑惑の心理カウンセラーへの違和感」を語ってもらうインタビューを掲載していた。「中学に行かない宣言」でゆたぼんが再び話題を呼ぶ今、同記事を再掲する。
(編集部)


(初出:2019年5月18日)

ゆたぼん父・中村幸也氏、心屋仁之助氏……臨床心理士が語る「疑惑の心理カウンセラー」への違和感

 5月5日のこどもの日、「琉球新報」が取り上げた「少年革命家ゆたぼん」なるYoutuberが、いま世間から注目を浴びている。同紙によると、ゆたぼんは沖縄在住の10歳の少年で、小学校3年生時、宿題を拒否したところ、放課後や休み時間に宿題をさせられ、学校側に不満を抱いたとのこと。担任の言うことを聞く同級生がロボットに見え、「俺までロボットになってしまう」と感じたことから、以来「自由登校」というスタイルを取っているそうだ。彼は、自身の経験から「不登校は不幸じゃない」と訴えている。

 そんなゆたぼんに対し、世間ではさまざまな意見が飛び交うことに。「いまの時代、学校だけが学びの場ではない」といった賛同の意見もあれば、「宿題をやりたくないのはわがままでは?」といった否定の意見もあり、「義務教育とは何か」についての議論にまで発展しているのだ。

 そんな中、独特の感性を持つゆたぼんを育んだ“中村家の教育方針”を知りたがる人は多かったようで、ゆたぼんの父親である心理カウンセラーで作家の中村幸也氏にも、世間の関心が寄せられるように。するとまもなく、中村氏が公式ブログにつづったエピソードに、「疑問を抱いた」という声がネット上で上がりだしたのだ。

 例えば、「働かないのは悪い事か?」というエントリーでは、「本気で働きたい人がガッツリ稼いで、そのお金を働きたくない人にまわせば、みんながハッピーに暮らせるのではないか?」と自身の考えを述べているのだが、ネット上では「どうして働きたくない人のために、ほかの人が働くのかなければいけないのか」といった声が噴出。また、中村一家が、大阪から沖縄へ移住したことを報告するエントリーでは、長女が移住計画を途中で放棄したとし、「贅沢でわがまま」と痛烈に批判。「学校に従わない子はいい子で、親に従わない子はわがままなの?」といった指摘が飛び交ったのだ。

 さらに、中村氏が、心理カウンセラー・心屋仁之助氏を尊敬しているとみられる内容のエントリーが見つかると、ネット上は騒然。心屋氏は昨年、「娘を叩いてしまう」と悩む母親に対して、「キミの娘さん叩かれるために生まれてきたのよ」とアドバイスし、大炎上した過去があるなど、以前からネット上では、「心理学ではなくスピリチュアルの人では?」と疑惑の目で見られていた人物なのだ。

 こうした流れから、現在、中村氏と心屋氏の肩書である「心理カウンセラー」が話題の的になっている。心理カウンセラーと聞くと、「臨床心理士」を思い浮かべる人が多いだろうが、両氏ともに同資格は取得しておらず、中村氏は「日本メンタルヘルス協会」の講座で心理について学び、心屋氏は「日本NLP協会」の「プラクティショナー」と「マスタープラクティショナー」の認定コースを受講した経験があるとのこと。耳慣れない団体だけに、中村氏や心屋氏に対して「心理カウンセラーを名乗ってもよいのか?」といった疑問の声も聞こえてくる。今回、神奈川大学心理相談センター所長、人間科学部教授である臨床心理士の杉山崇氏に、現在の心理カウンセラー界の実情について、話を聞いた。

 日本には現在、心理に関する資格は枚挙に暇がなく、さまざまな認定講座や試験が実施されている。杉山氏いわく、最もよく知られる資格は「臨床心理士」で、民間資格だが、もともと文部科学省が認可(現在は内閣府が認可)している公益法人が認定しているため「半民半官の資格と言える」そうだ。また2017年、新たに定められた国家資格「公認心理師」も、最近世間で認知されるようになり、双方とも、基本的には大学や大学院の科目履修/修了が受験条件となる「難易度の高い資格」「信頼度の高い資格」と言えるとのこと。一見、心理カウンセラーは、臨床心理士や公認心理師が就く仕事のように思えるが、実際は、「名乗ったもの勝ち」になっているという。

「心理カウンセラーという資格があるわけではなく、心理カウンセラーを名乗ることを規制する法律もないため、誰もが名乗りたい放題になっています。一概に『臨床心理士や公認心理師以外は信頼度が低い』とは言えないですが、厚生労働省や文部科学省のチェックがないまま、各団体が独自に実施している講座や資格試験は、クオリティーコントロールが難しい面はあると思います」

 臨床心理士も公認心理師も、「サイエンティスト-プラクティショナーモデル」に基づいて作られた資格だという。これは「『心理学という科学を修めた人間が、カウンセリングを行う』という意味。そのため、この資格を得るには、大学/大学院レベルでの心理学教育を受け、理論や研究の知見などを理解し、心の動きや仕組みを科学的に考えることができることが前提になる」そうだ。

 中村氏が心理について学んだという日本メンタルヘルス協会の代表・衛藤信之氏は、同協会の公式サイトによると「日本で従来おこなわれていた、理論中心の心理学に変わり、実戦的な日常で使えるコミュニケーションプログラムを開発」(原文ママ)したと紹介されているが、「”理論中心の心理学に変わり”という言葉には、『どこまで科学的に心を捉えられるのか』『心に対する合理的な考察をどのように深めているのだろうか』という疑問は抱いてしまいます」。

 中村氏や心屋氏のように、臨床心理士や公認心理師ではないにもかかわらず、「心理カウンセラー」を名乗る人を、同資格取得者たちはどう見ているのだろうか。

「昔からそういった人は多くいるので、我々臨床心理士たちは、『気にしていない』『同業者とは思わない』といった感じではあるものの、心理カウンセラーという言葉で、一緒くたにされるのを嫌がる人もいるようです。やはり臨床心理士、また公認心理師もそうですが、ちゃんと時間をかけて厳しいトレーニングと勉強をしなければ取得できないハードルの高い資格ですから、同じだとみなされることに不満を抱くのでしょう」

 ただし、カウンセリングを提供する自治体や事業所などが、心理カウンセラーを採用する際、概ね「臨床心理士、公認心理師」を条件にしているため、「こうした資格のない心理カウンセラーが、私たちの仕事を圧迫していることはない」という。臨床心理士、公認心理師ではない心理カウンセラーの増殖を問題視するより、「臨床心理士、公認心理師の社会的な信頼を高めることに集中しようというのが、今の業界の空気」だそうだ。

 また杉山氏いわく、「心理カウンセラー」と名乗る中村氏や心屋氏の言動には、臨床心理士や公認心理師とは違うかもしれないと感じるところもあるという。

「中村氏は、『あきらめる勇気 人生はあきらめが9割 残りの1割で幸福になる方法』(ハート出版)という本を出しているそうですが、最近は心理療法でも『あきらめること』の意義が注目されており、あきらめることを提案することについては、科学的にも間違っていないと思います。しかし、臨床心理士や公認心理師は、特定の価値観や一つのやり方、考え方でみんなが幸せになれる、 という考え方は絶対にしません。幸せの形はみんな違っていいから です。その人なりの幸せを科学的に十分に考えて、その人が幸せに なれる可能性が高いことを提案します。したがって『本気で働きたい人がガッツリ稼いで、そのお金を働きたくない人にまわせば、みんながハッピーに暮らせるのではないか?』という発信は滅多にしません。この考え方で誰が幸せになれるのかよくわかりませんし、その科学的な根拠も良くわからないからです」

 また、心屋氏は、「自分の性格を変えることで問題を解決する」というカウンセリングが好まれ、一部で絶大な支持を集める心理カウンセラーであり、ネット上では「宗教のように見える」「心屋氏に依存しているような人も見受けられる」などとも指摘されているが、杉山氏は「心理カウンセラーの仕事は、クライアントを“カウンセリングの必要がない状態”にすることが目的であり、クライアントをファンにしたり、依存させたりすることは目的ではない」と断言した。

「心理学という科学に基づく心理カウンセラーにとって必要なのは、『心とはわからないものだ』という前提に立って、心を考える合理的な手がかりをたくさん持つ努力を続けることだと思います。それが人の心を科学的に学ぶ必然性にもつながってきます」

 最後に「臨床心理士、公認心理師も、そして心理学という科学も“絶対的な存在”ではないとは思います。大事なことはカウンセリングを受ける人が幸せになることです。そのためには、自分はどんなカウンセリングを求めているのかイメージを持ち、自分に合った人を見つけることが大事です」とアドバイスしてくれた杉山氏。「心理カウンセラーという職種自体には資格がない」からこそ、受ける側には、心理カウンセラーを見極める目が必要とされるようだ。

小室圭さん「結婚に対する思い変わらず」と発表! 2人が本当に結婚したら……眞子さまに降りかかる“3つの問題”

 秋篠宮家の長女・眞子さまとの婚約が内定している小室圭さんは4月8日、週刊誌などで報じられてきた“金銭トラブル”について、あらためて説明する文書を発表。情報番組などでも報じられ、ネット上で大きな話題を呼んでいる。

 2017年9月、眞子さまと小室さんは「婚約内定会見」を行ったものの、その後、小室さんの母親・佳代さんと元婚約者の間で借金を巡ってトラブルが起きていると、一部週刊誌が報道。これが関係したのか、18年2月には宮内庁から「2020年まで結婚延期」が発表され、現在まで2人は結婚に至っていない。

 そんな中、今回小室さんは、これまで報じられてきた“金銭トラブル”について、「誤った情報をできる範囲で訂正する」として、A4用紙24枚に渡る文書を発表。過熱していく報道に対し、弁護士から「反応すべきではなく何もしない方がよい」とアドバイスを受けたこと、佳代さんの元婚約相手とは「解決金をお渡しして和解することができればそれがよいのでは」と考えていたこと、さらには「結婚に対する思いに変わりはありません」とも綴られている。

 この文書に対し、ネット上にはさまざまな声が寄せられているが、「小室さんの気持ちはわかったけど、眞子さまは本当に小室さんと結婚したいの?」「そもそも、こんな文書を出さなきゃいけない人は、眞子さまのお相手にふさわしくない」「本当に結婚したとしても、2人には大変な未来が待ってるとしか思えない」など、眞子さまを心配する人や、結婚の意思を貫こうとする小室さんに対して懐疑的な意見が多い。

 サイゾーウーマンでは昨年9月、精神科医・片田珠美氏にインタビューを行い、もし小室さんと結婚した場合、眞子さまが直面するだろう“問題”について聞いていた。2人の行く末に国民の関心が高まっている今、あらためて同記事を掲載する。
(編集部)


(初出:2020年9月30日)

もし小室圭さんと本当に結婚したら……「佳代さんとの嫁姑問題」「大衆のバッシング」眞子さまに降りかかる“問題”を、精神科医が考察

 2018年2月、宮内庁から秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭さんの婚約延期が発表されてから、2年半が経過した。年内には、結婚に関する何らかの発表があると見られる中、婚約延期の要因といわれている小室さんの母・佳代さんと元婚約者男性との金銭トラブルはいまだ決着を見ていない。それだけに、国民の間では「結婚は難しいのではないか」と見る向きが強いようだ。

 一方で、結婚に反対する国民も少なからず存在する。金銭トラブル解決に動こうとしない態度もさることながら、小室さん親子は以前から「母子一体感が強い」といわれているため、「もしご結婚されたら、眞子さまが苦労するのは目に見えている」と心配されているのである。果たして、眞子さまはご結婚後、どのような苦労に直面すると考えられるのか。『「自分が正義」の人に振り回されない方法』(だいわ文庫)『子どもを攻撃せずにはいられない親』(PHP新書)などの著書を持つ精神科医・片田珠美氏に見解をお聞きした。

姑・小室佳代さんの過干渉が懸念される

 もしご結婚された場合、佳代さんとの2世帯同居の可能性もあると報じられている眞子さま。母子一体感が強い“母と息子”との同居は、非常に難しい問題に直面するケースもあるようだ。

「小室さんは10歳のときに、お父さんを自殺で亡くされています。それから小室さん親子は、母一人子一人で苦しい時期を乗り越えてきただけに、普通の親子以上に、母子一体感が強いと考えられます。また、佳代さんはもともと『息子を自分の思い通りに支配したい』という支配欲求が非常に強そうです。幼少期からバイオリンを習わせたり、インターナショナルスクールに通わせたり、留学をさせたりして、自分が叶えられなかった夢を息子に叶えさせたいという願望がかなり強いように見えます。そういった母親に育てられた小室さんは、例えば、佳代さんに『これがいいわよね』と言われると、『いや、僕の気持ちは違う』などと異を唱えることができず、佳代さんの言いなりになってきたのではないかと思うのです。だいたい中学から高校にかけて迎える反抗期も、小室さんにはなかったのではないでしょうか。女手一つで育ててくれるお母さんの苦労を慮って、『反抗できなかった』ということもあるのかもしれません」

 そういった家庭の息子である小室さんと結婚した場合、一番懸念されるのは、母親である佳代さんの過干渉。問題は、佳代さん自身が「過干渉だと思っているわけではないこと」と、片田氏は指摘する。

「佳代さんはこれまでいろいろなトラブルを起こしていますが、自分のしたことが相手に迷惑をかけたり、不快感を与えたりすることへの自覚が薄いように、少なくとも私の目には映るのです。佳代さんが、息子のため、あるいは皇室から迎えた眞子さまのためと思ってやっても、眞子さまにとっては過干渉で、『嫌だな』と感じてしまうこともあるのではないかと思います」

 また、嫁姑問題は、基本的に「嫁、姑、息子」の三角関係において起こると片田氏。姑には、自分が大事に育ててきた愛情の対象である息子を「嫁に取られた」という気持ちがあるため、例えば料理に関して「私の作ったもののほうがおいしいでしょう?」などと自分の優位性を強調し、結果的に嫁をけなすことがあるそうだ。片田氏いわく「特に母子一体感が強いと、この傾向はより強まる」だけに、結婚後、佳代さんが眞子さまに、あからさまな「嫁いびり」をすることはないとしても、自分のほうが息子のためを思っているし、息子についてよくわかっていると事あるごとにひけらかすことはあるかもしれない。

 「母子一体感が強い」という点以外にも、結婚後に眞子さまが直面しそうな問題が3つあると片田氏。

「1つ目は『経済的困窮』です。日本の司法試験を突破していない小室さんが、ニューヨーク州の国際弁護士資格を取得したとしても、それだけでは原則として日本で弁護士として働くのは無理です。また先日、紀子さまがお誕生日に際し、記者からの質問に文書でご回答されましたが、その中で眞子さまのご結婚について『長女の気持ちをできる限り尊重したいと思っております』と述べておられました。一部週刊誌で、この『できる限り尊重したい』という言葉について、結婚の容認と取れる半面、『できないものは仕方ない』といったニュアンスも含まれていることが示唆されています。また紀子さまが眞子さまに対し、『国民の多くが納得していない状況にもかかわらず小室さんと結婚したいのなら、2人でずっとアメリカで暮らしなさい』といった見解をお持ちではないかと報じられました。しかし、もしご結婚後、ずっとアメリカで働くにしても、アメリカは日本以上に弁護士数が多いので、収入を得づらい面もあるでしょうし、『今後どうやって食べていくのか?』と心配になります」

 片田氏によれば、「経済的困窮」は人の気持ちをすさませるという。特に眞子さまは、「何不自由ない恵まれた環境でお育ちになった正真正銘の深窓の令嬢ですので、経済的困窮は想像だにできないのではないでしょうか」と見解を述べる。

「2つ目は、小室さんが『優柔不断』で『自分で問題を解決しない点』です。これは、母の金銭トラブルに真摯に向き合わず、解決しようとしなかったことに端的に表れており、小室さんの代理人が、元婚約者とその代理人に対面したのは、たった一度だけとも伝えられています。また最近では、これまで『元婚約者からの贈与』と主張していたお金を『借金』と認めれば、その返済の時効がもうすぐくるので、それを小室さんが待っているのではないかと、複数の週刊誌で報じられました。もしこれが事実であれば、小室さんがのらりくらりと何もしないまま、問題が自然消滅し、人々が忘れ去り、ほとぼりが冷めるのを待っているようにも見受けられるのです」

 そんな小室さんと結婚した場合、眞子さまが大変な苦労をする可能性は否めない。育児や親戚付き合い、金銭面など、夫婦に何かしらの問題が起こっても、「自ら問題に真摯に向き合い、解決のために努力できるのか……疑問を抱かずにはいられません」と片田氏は言う。眞子さまが問題解決能力を持っていれば心配はないかもしれないが、「『転ばぬ先の杖』で、道に石が落ちていたら、周りの人が先回りして取り除いてくれるような環境でお育ちになっているだけに、問題解決能力はないと思います」。

「3つ目は『大衆のバッシング』です。今までも散々叩かれてきた小室さんですが、ご結婚することになり、1億5000万円ほどといわれる一時金(元皇族としての品位を保つために国から支給されるお金)を受け取った場合、ものすごいバッシングを浴びることでしょう。それは、コロナ禍によって、余計に激しくなる可能性があります。コロナ禍の影響で、『会社の業績が悪化した』『休業を余儀なくされた』『失業した』という人が多く、経済的困窮に陥っている人も大勢いる状況だからです。そのため、『楽してお金をもらっているように見える人』への羨望(他人の幸福が我慢できない怒り)により、小室さんへのバッシングが、コロナ以前より激化することが考えられます」

 また、もし小室さんが、眞子さまの皇室ブランドを利用し、名誉職についてお金を得るとなった場合も「大衆のバッシングの対象になりやすい」とのこと。結婚後、自身の経済的困窮に悩まされる可能性がある一方、それを解消すべく皇室ブランドに頼ろうとすると、大衆のバッシングの対象になりかねないとあっては、眞子さまと小室さんには、茨の道が待ち受けているように思えてならない。

 もし今後、小室さんとゴールインを果たした場合、眞子さまは小室さん親子とどう接するべきなのか。片田氏はズバリ「佳代さんとの同居はしないほうがいい」と指摘する。

「佳代さんはいま、自身のお父さんと同居されているとのこと。洋菓子店でパートをしていたことから考えるに、佳代さんとお父さんは経済的にそれほど裕福ではないでしょう。ですから、小室さんと眞子さまが、2人の面倒を見なければいけなくなるのではないかと危惧します。金銭的援助は行うことになるでしょうが、できるだけ距離を置いたほうがいいと思います」

 母子一体感が強い母と息子が距離を置くのは、なかなか難しいのではないかと思ってしまうが、「小室さんは18年の夏からアメリカに留学しており、現時点で2年以上、佳代さんと離れて暮らしています。親離れ、子離れの練習期間としてはよかったのではないでしょうか」と片田氏。一方、母子一体感が強い母と息子を、嫁が引き離そうとした場合には、どのような事態が考えられるのだろうか。

「母の怒りが、嫁に向かうことはあるでしょう。そして、母が息子に、嫁の悪口を言うパターンはよくありますね。そのような場合、嫁はもうスルーするしかない。先ほど申し上げたように、いくら眞子さまが皇室のお姫様といえど、佳代さんからすれば、眞子さまは『大事な息子を奪った嫁』なのです。『私のほうが息子のことを思っている』『嫁に勝ちたい』という姑と喧嘩しても埒が明かないですし、同じ土俵にのってはいけません」

 なお、小室さんには優柔不断な面があるため、嫁姑問題が勃発しても、「眞子さまに『お母さんも寂しいんだからうまくやってくれよ』などと言って、“逃げる”可能性は高いのではないでしょうか。金銭トラブルの経緯を振り返ると、そのように思います」という。

 多くの国民が危惧する、眞子さまと小室さんの結婚問題。果たして、2人はどのような結論を出すのだろうか。国民は固唾を飲んで見守るしかないようだ。