イケメン俳優たちが演じる、アニメ・マンガやゲームを原作にした舞台やミュージカルが隆盛を極めている。「2.5次元コンテンツ」と呼ばれるそれらは、2003年からスタートした『ミュージカル「テニスの王子様」』(通称「テニミュ」)の人気をきっかけに、いまやジャニーズやK-POPなどの人気コンテンツと肩を並べる存在になった。
そんな「2.5次元」なる世界に魅了され、至って真剣にパロデ…
イケメン俳優たちが演じる、アニメ・マンガやゲームを原作にした舞台やミュージカルが隆盛を極めている。「2.5次元コンテンツ」と呼ばれるそれらは、2003年からスタートした『ミュージカル「テニスの王子様」』(通称「テニミュ」)の人気をきっかけに、いまやジャニーズやK-POPなどの人気コンテンツと肩を並べる存在になった。
そんな「2.5次元」なる世界に魅了され、至って真剣にパロデ…
しずるの村上純が、3月25日に初の自伝的エッセイ『裸々(らら)』(発行 ドワンゴ/発売 KADOKAWA)を上梓した…
サイプレス上野とロベルト吉野の3年ぶりとなるフルアルバム『Shuttle Loop』。20年以上のキャリアを経て、2013年リリースの『TIC TAC』収録の「LIVE GOES ON」の中で、自分たちを先輩と後輩をつなぐ“中間管理”と言っていた彼らも立派なシーンの重役クラスにはなっているだろう。その意味でも、今回のアルバムに通底する「ヒップホップとは自分にとってなんなのか」「プロとしてシ…
2016年「キングオブコント」ファイナリスト・ななまがりが、ここに来て再びじわじわと注目を集めている。ネタ番組への出演が増え、ライブ出演本数も右肩上がり。芸人とお笑いファンから長らく愛されてきた2人が、より広い場所で温かく受け入れられるようになりつつあるのだ。この4月には、すべて内容の異なる単独ライブ4公演を2日間で開催するという、超高負荷な試みに挑戦する。奇抜かつ大胆なコントをつくりあげ…
『M-1グランプリ』2021年敗者復活戦で6位、ポッドキャスト番組の制作費稼ぎのために出したビキニ写真集が累計2700部突破、テレビ出演すればTwitterトレンド入り、ラジオに出なくてもトレンド入り……昨年末からマユリカの名前をいろんな角度で目にするようになってきた。いよいよ全国区で売れそうな気配が濃厚だ。だが、なにしろ芸人仲間…
あまりにリアルなゴア描写で各所から問題視された新感覚ホラー映画『真・事故物件 本当に怖い住人たち』が、2月18日にいよいよ公開されます。本作では舞台やテレビで幅広く活躍する小野健斗さんが、主人公の女性たちを恐怖の事故物件に追いやる芸能マネージャー役を怪演。ホラー初出演となる彼に、現場のエピソードや作品…
不思議ニュースサイト「TOCANA」編集長・角由紀子が原案を手掛ける新作映画『真・事故物件/本当に怖い住民たち』がいよいよ2月18日に公開初日を迎えた。
同作は、「事故物件に住み込み、幽霊をカメラに収めるまで帰れない」という企画の番組に無理やり参加させられたアイドルとYouTuberの卵たちが、「史上最も凄惨」といわれたバラバラ殺人事件の現場アパートでおぞましい体験をする……というストーリー。数々の短編スプラッター映画で注目を集めている佐々木勝己監督がメガホンを取った、残虐描写がすごまじいバイオレンスホラーとなっており、公開前からホラーファンの間で話題を呼んでいた。
今回は、アイドルとYouTuberのマネジャー、安藤役を務める小野健斗さんにインタビュー。舞台やテレビドラマを中心に活動してきた小野さんに、初となるホラー映画への出演を決めた経緯や作品に対する思いはもちろん、撮影後に体験した心霊現象、アクティブな私生活まで語っていただいた。
――今作に出演を決めた理由を教えてください。
小野健斗氏(以下、小野) ホラー映画に出演したことがなかったので興味があり、ホラー作品の仕組みや、血が噴き出るシーンなどグロテスクな場面の撮影方法も知りたかったんです。さらに、僕が演じている安藤という人物は振り幅が大きくて、これまで経験したことのない役だったので、楽しそうだなとも思いました。
実際に撮影してみると、特殊メイクの技術もすごかったし、作り物の人間の手や臓器があったりと、現場はとても新鮮でした。スチールカメラマンさんが猟師をされていた方で、撮影中に「明日撮休だから、鹿をつかまえてくる」と言って本当に猟をしてきて、本物の鹿の血や臓器を撮影に使用していました。そこまでこだわっている現場はなかなかないそうなんですが、主演の(海老野)心さんは、「鹿の血は匂いが強烈!」と言ってましたね(笑)。
――撮影に参加する前と後で変わったことや、得たものはありますか?
小野 安藤のような、“含み”がある役は面白いなと思いましたし、今後もこういう役を演じるのは楽しそうだなと興味が湧きました。どんな役でもこなすのが役者だとは思いますが、今回のような裏表がある役は演じていてやり甲斐がありましたね。あと、映画は舞台と違って撮影の順番も台本通りではなかったりするので、やることを逆算して考えなきゃいけない。舞台は生モノなので、「次はこうしてみよう」とか、自分でどんどん演技を変えていけるじゃないですか。でも映画の場合は撮影後に「あの場面でこれやっとけばよかった」となっても手遅れになるので、そういう面でも勉強になりました。
――この作品の見どころを教えてください。
小野 まず、撮影技術が素晴らしいし、血まみれのスプラッター描写が好きなホラー映画好きの方々にとってはすごく刺さる作品だと思います。また、ホラー作品の中でも斬新なポイントが多いと思うので、今まで見たことのないホラー映画に仕上がっていると感じています。
――映画撮影後に心霊体験をされたと伺いました。
小野 そうなんです! でも、そのことを今の今まで忘れてたんですよ。今日、映画スタッフに家で起きた出来事を話したら、「それ、ヤバいよ」って言われたので、家に帰るのちょっと嫌だなって(笑)。というのも、昨年7月に映画の撮影をして、1カ月ほど経った8月のある日、一晩に5回連続で金縛りに遭ったんです。
――そんなにも!?
小野 実は、以前から金縛りにはしょっちゅう遭うんですが、自分で何とか解くことができるので、普段はそんなに気にしないんです。でも、その時ばかりは1度かかって解けたあとも1時間おきくらいに金縛りに遭ってしまって。朝8時くらいに5回目の金縛りを経験したあと、「さすがにヤバいぞ、空気の入れ替えをしたら変わるかな」と考えて、部屋の窓を開けたんです。その後、もう一度寝たらすぐに5回目の金縛りにかかったら、体の中から“何か”がブァーッて出てくる感覚があって。体から出たものが開けた窓から出ていったんですよ! その後は何事もなくすんなり眠れたし、日常生活に何の支障もなかった。なので、この体験のことは今日まで忘れてしまっていて、さっき思い出しました(笑)。
――「映画の撮影がきっかけで霊に取り憑かれたのかも?」とは思われなかった?
小野 全く考えなかったです! 今の家は6年前から住んでいるんですが、引っ越した当初からラップ音がすごくて、寝ているといきなり「パンッ!」って音が鳴るんです。怖いといえば怖いけど、自分に直接的な害があるわけじゃないので、今ではすっかり慣れちゃって。今日の今日までラップ音現象が変わったことだとは思わず、日常的に家でラップ音を聞いている人はたくさんいるんだろうなって感じていました。でも、どうやらそうじゃないみたいで……。だから僕、今も自宅で“何か”と共同生活を送ってるみたいです(笑)。
――今回の映画では、女性3人が事故物件でYouTube動画を撮影することで物語が進行していきますが、小野さんも、マルチクリエイターの篠崎功希さんとYouTubeチャンネル「ナナサンベース 」「ナナサンゲームス」で趣味の活動の様子を動画配信されていますよね。
小野 僕はプライベートの活動も全部見てほしいタイプだし、隠す必要はないなとも思っていて。まあ、良かれ悪かれいろんな意見があると思いますけど、ファンの方が喜んでくれていればいいな。最近は2人とも忙しいこともあって、なかなか動画は更新できていないんですが、あくまでも“趣味チャンネル”なので、「出したい時に出す」という感じで、のんびりやっています。
――車、キャンプ、釣り、ゲームなど、趣味の幅が広いですよね。特に一番好きなものは何ですか?
小野 確かに、多趣味だなと自分でも思います(笑)。一つに絞るのは難しいですが、中でも本当に好きなのは海釣りですね。でも、釣りは朝早くから船に乗らなければならず、準備も大変。となってくると、やっぱりゴルフが一番やりやすいですかね。仕事柄、1週間のお休みはなかなかありませんが、次の日休みとなった時、ゴルフだとパッと行けちゃいますから。
ゴルフは女性のみなさんにもおすすめですよ! 皆さんが今後やる趣味について何かないかなとなったときに、覚えておいて損はないかと思います。自分の両親や彼氏と行ったりするのもいいし、仕事で取引先の人と仲良くなるきっかけになるかもしれません。ゴルフができる女性には、「おっ!」と好印象を受けますね(笑)。外で体を動かしている女性は魅力的だと感じます。
――映画が撮影された昨年は、小野さんにとってどんな1年でしたか?
小野 コロナ禍ということもあり、2021年は我々エンターテイメント業界に身を置く人間にとっては特に苦しい1年でした。個人としては、現在ちょうど人生の分岐点にいるなと思っています。僕はいま32歳なんですが、今後役者としてどうやっていくか、どういう方向に進んでいくかと悩んでいる時期なんですよ。だから今、そこを何とか乗り越えようとしてる最中です。もちろん役者を続けていくことには変わりなく、これは小野健斗の人生としての話なんですけどね。
今年は昨年よりいい1年にしたいというか、少しでもエンタメ業界に活気が戻ってくればいいなと思います。そのために我々演者は、やるべきことを一つひとつ積み重ね突き進んでいくだけ。現在上演中の『ミュージカル「新テニスの王子様」The Second Stage』では、久々にがっつり歌って踊って試合をしているので、『真・事故物件』も含め、皆さん楽しみにしていてください!
(文=木森さえ)
映画『真・事故物件/本当に怖い住民たち』(配給:TOCANA)
2022年2月18日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、新宿シネマカリテ他、全国ロードショー!
公式サイト:https://shin-jiko.com/
こんにちは。ラジオ書き起こし職人のみやーんZZです。いつも聞きまくっているラジオの中から興味深かったエピソードを紹介する連載の第55回目。今回は2022年2月11日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』で東野幸治さんと永野さんがオアシス、ブラー、ニルヴァーナなどについて話していた部分です。
昨年の大晦日に放送になった『東野幸治のホンモノラジオSP~俺たちの紅白歌合戦…
オカルトメディア「TOCANA」によるホラー映画プロジェクト第1弾『真・事故物件/本当に怖い住人たち』が2022年2月18日(金)より全国ロードショー。この作品で映画デビューを果たすのが、「ミスヤングチャンピオン2017」グランプリで現役女子大生グラドルの竹内花だ。撮影現場であった恐怖体験に加え、芸能界の怖い話も明かしてくれた。やっぱり怖いのは幽霊よりも人間!?
ーー映画初出…
2月4日から始まった『北京2022 オリンピック』が連日盛り上がりを見せている。スキージャンプ・男子個人ノーマルヒルで金メダルを獲得した小林陵侑選手を筆頭に、日本選手団も大活躍しているが、今回特にメダルが期待されている競技といえば「男子フィギュアスケート」ではないだろうか。
同8日に「男子シングル・ショートプログラム」が行われ、オリンピック初出場となる鍵山優真選手が日本勢トップの2位を獲得。18年の平昌オリンピックで銀メダルに輝いた宇野昌磨選手は3位につけており、同10日に行われる「フリー」で最終的な順位が決まる。
18歳の新星・鍵山選手の活躍に注目が集まる一方で、14年のソチオリンピック、18年の平昌オリンピックと2大会連続で金メダルを獲得した羽生結弦選手は、ショートプログラムを終えた時点で8位。この結果は、フィギュアスケートファンのみならず衝撃を与えた。
冒頭で「4回転サルコー」を披露するはずが、1回転になったミスが大きな影響を与えたとみられ、演技を終えた羽生選手は、リンク上に「ほかのスケーターの穴が存在していて」、そこに「引っかかった」と原因を説明。「自分ではどうこうしようもないところだったので、フリーに向けて一生懸命やりたいと思います」と前向きに決意を語りながらも、「何か悪いことしたかな、と思っています」と悔しさをにじませていた。
オリンピック3連覇の期待がかかる中での8位という結果には、ネット上で応援の声が続出。そんな中、羽生選手が「引っかかった」という穴を開けた選手を探すファンも相次ぎ、一部報道では“犯人”とされる選手が熱狂的なファンから「殺害の脅迫」を受けたと伝えている。
ネット上では「脅迫なんて絶対にあってはならない」とファン側を批判する声もあるが、「ほかのスケーターの穴に引っかかったと言えば、こういうことにもなるだろうね」「正直、羽生選手のコメントを聞いた時に『それは言わないほうがいいのでは?』と思った」「絶対犯人探しする人が出てくると思った。このような事態になってしまい残念」など、羽生選手の発言に疑問を訴える声も見受けられた。
羽生選手といえば、19年に開催された『2019年世界フィギュアスケート選手権』で銀メダルを獲得した際に、「はっきり言って、自分にとっては、負けは死も同然だと思っている」と悔しさを吐露。この言葉に批判が飛び交ったほか、羽生選手のメンタルを心配する声も上がり、波紋を呼ぶことに。
サイゾーウーマンでは過去に、この発言から羽生選手がどのような精神状況に置かれていたのか、精神科医・片田珠美氏に話を聞いていた。「負けは死も同然」という一言から読み取れる、羽生選手の性格や懸念点とは――改めて同記事を掲載する。
(編集部)
(初出:2019年4月6日 )
男子フィギュアスケート・羽生結弦選手が、3月に開催された『2019年世界フィギュアスケート選手権』男子シングルで、銀メダルを獲得した。右足首の故障から、4カ月ぶりに公式戦へ復帰した羽生選手は、ショートプログラムで冒頭の4回転サルコウが2回転になる失敗により、3位発進に。しかし、フリーでは、ほぼ完璧な圧巻の演技を見せ206.10点を叩き出し、総合では300.97点となるも、ショート首位のネイサン・チェン(米)は、フリーで216.02点を出し、総合は323.42点で、2位に留まったのだ。
ファンは、羽生選手のケガからの銀メダル獲得に、大きな感動を抱いたようだが、この結果に納得いかなかったのが、羽生選手本人であった。試合後のインタビューでは、「正直、悔しい」「もっと強くならなきゃいけないというのを痛感している」と切実な心境を吐露。さらに、「やっぱり、負けには負けという意味しかない。はっきり言って、自分にとっては、負けは死も同然だと思っている。本当に、本当、勝ちたい」と語ったのだが、この「負けは死も同然」という言葉が、世間に波紋を広げることとなった。
ファンの間では、とことんまで勝つことを追求する姿勢に称賛の声が上がったものの、ネット上では、「下位の選手に失礼ではないか」「死という言葉を軽々しく使うな」といった批判が飛び交ったほか、「かなり追い詰められているのでは」など、羽生選手のメンタルを心配する声も散見される事態に。オリンピック2大会連続金メダルという偉業を達成したアスリートにしかわからない境地であることは想像に難くないが、果たして、羽生選手はどういった精神状況にあるのか。今回、『一億総他責社会』(イースト・プレス)や『高学歴モンスター~一流大学卒の迷惑な人たち~』(小学館)などの著者である精神科医・片田珠美氏に話を聞いた。
実は羽生選手のファンだという片田氏は、「負けは死も同然」について、「非常に彼らしい言葉で感銘を受けました。この言葉に、彼の精神状況や性格そのものがよく表れていると感じます」と話す。
「この言葉から、羽生選手に関する4つのことが読み取れると思います。まず1つ目が、『それだけフィギュアスケートに人生を懸けている』ということです。以前、羽生選手自身も、インタビューで同様のことを言っていましたが、まさにその通りで、彼は高校在学中にコーチをブライアン・オーサー氏に変更し、活動拠点をカナダに移してスケート一筋でやって来ました。一方、ライバルであるネイサン・チェン選手は、アメリカの名門イェール大学に進学し、学業とスケートを両立させているそうです。どちらが良いか悪いかは別として、羽生選手は『なぜ、これほどまでスケートだけに人生を懸けてきた自分が負けてしまったのか』と思い、それが『負けは死も同然』という言葉につながったのではないかと感じました」
2つ目は「負けず嫌い」。羽生選手の言葉には、「負けたことを受け入れられない」面がにじみ出ているという。そして3つ目は「完璧主義」で、一番かそれ以外かという、いわゆる「ゼロヒャク思考」がみられるそうだ。
「4つ目はやはり、羽生選手がものすごいプレッシャーに晒されているということです。今回の世界選手権は自国開催のうえ、マスコミが『絶対王者』と騒ぎ立て、熱狂的なファンも復活劇に期待する中、真面目で責任感が強い彼は、それに応えなければいけないと思っていたのでしょう。期待というのは、裏返せば重圧ですから。これまでも相当なプレッシャーと戦ってきたのだと思いますよ」
ほかにも羽生選手には、自分が一番じゃないと気が済まないという頑固者の一面がみられると片田氏。そういった性格は、「生まれ持ったもの」と「環境によるもの」どちらもあるというが、「コーチであるブライアン・オーサー氏の影響が大きいのではないか」という。
「オーサー氏は、1984年のサラエボオリンピックと、88年のカルガリーオリンピックで銀メダルを獲得した素晴らしい選手ですが、五輪では金メダルに手が届きませんでした。オーサー氏は自らの経験を元に、『なぜ自分は一番になれなかったのか?』を教えているかもしれませんし、その中で羽生選手が『一番でなければダメなんだ』という気持ちを強めている可能性はあるでしょう」
こうした羽生選手の性格やメンタル面は、アスリートや芸術家が一流になるための必須条件だと、片田氏は言う。
「やはり『負けてもいいや』といった気持ちでは、決して一流にはなれません。『負けず嫌い』と『完璧主義』こそが、羽生選手の強さを支えていると言えるでしょう。しかし、それは諸刃の剣とも言えます。勝ち続けていられればいいのですが、そうはいきません。今回のように、負けてしまうこともある。そうすると、負けず嫌いゆえ、敗北を受け入れられず『うつ状態』になってしまう恐れがあります。また考えすぎて、身動きが取れなくなってしまうかもしれません」
「うつ状態」は、本人が自覚しているかどうかは別として、「喪失体験」によって引き起こされるという。羽生選手にとっての喪失体験は、試合での敗北やケガだといい、「しかしこれまでは彼は、 “人より練習すること”でそれを乗り越え、『うつ状態』にならずに済んだ」と考えられるそうだ。
「人は喪失体験に直面すると、最初は『まさかこんなことになるはずがない』と否認するものですが、つらいからといってずっと目を背けてばかりはいられません。逃げてばかりいると、のちのちツケが回ってくる可能性もあり、お酒や薬物に溺れる人もいます。その点、羽生選手は凡人ではないので、しっかりと『なぜ負けたのか』『どうすれば勝てるのか』を考え、人より練習に励むことで、喪失体験を乗り越えてきたのでしょう。ただ、今後は年齢的な問題もあり、練習をすればするほど故障しやすくなりますし、ドクターストップがかかる可能性も否定できません」
人より練習するという喪失体験の乗り越え方が通用しなくなる――そうなれば、羽生選手が抱える葛藤は、想像を絶するものになると予想されるが、片田氏は、彼が尊敬する、一昨年に現役を引退した男子フィギュアスケート選手、エフゲニー・プルシェンコ氏の言葉が、突破口になるのではないかと考えるそうだ。
「プルシェンコ氏がインタビューで、『ほかの選手に勝とう勝とうと思ってしまい、その自分に負けた』と言っていたんです。そして何より印象的だったのが『自分が何のために滑るのかが大事』という言葉。もちろんほかの選手に勝つことは重要ですが、ネイサン・チェン選手という才能あふれる若い選手が出てきたこと、また羽生選手の故障や年齢のことを考えると、今後、彼が勝てなくなる確率は今まで以上に高まるでしょう。そのとき、『何のために滑るのか』『スケートによって何を伝えたいのか』をもう一度考え直してほしいと思います。1位かそれ以外かという『ゼロかヒャクか』の考え方ではなく、別の視点を持つべきです」
また、マスコミや羽生選手を応援する側が、金メダルを期待しすぎるのも問題だという。成績うんぬんではなく、彼のスケーティングから何を感じ取るかが大事と、片田氏は助言する。
羽生選手は、4月開催の『世界フィギュアスケート国別対抗戦2019』を、右足首のケガのため欠場を発表し、「1日も早くケガを完治させ、来シーズンに向け練習に励みます」とコメントしている。羽生選手が、フィギュアスケートを心の底から楽しめる……そんな瞬間が来ることを、ファンならずとも祈りたいところだ。
Ad Plugin made by Free Wordpress Themes