テレ朝『グッド!モーニング』で「子連れ専用車両」が議論に――子育てネットNPO理事は「基本的に反対」?

 8月17日に放送された朝の情報番組『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)にて、「お子さま連れ専用車両」が特集され、ネット上で議論を呼んでいる。

 JR東海は、東海道新幹線「のぞみ号」の一部に、小さい子どもを連れて旅行に出かけたり、帰省したりする利用者のために「お子さま連れ専用車両」を設置。夏休み中の期間限定だといい、番組内では「利用者の要望に応える形で運行」と紹介されていた。

 今回の『グッド!モーニング』も報じた通り、実は2019年から、都営地下鉄・大江戸線は一部車両に「子育て応援スペース」を設けている。さらに、今春からは小田急電鉄が一部の車両に「子育て応援車」を導入。こちらは誰でも乗車できる車両だが、利用の際は「子連れの方が安心できるように見守りましょう」と呼びかけられていると伝えた。

 このように、子連れ客が安心して利用できる車両の設置は徐々に増えているが、ネット上には「これは子育て家庭にとって朗報!」「子どもが泣き出した時、親の心労は相当なものなので、少しでも負担が減るのはありがたい」などと賛成の声がある一方、「子連れの方が一般車両に乗りづらくなるのでは?」「『子育て専用車両なら何してもいい』と勘違いする親が乗ってきて、無法地帯になりそう……」といった疑問や懸念の声も見られ、賛否両論だ。

 それでは、すでに「子育て応援スペース」を設置している大江戸線は、どのような状況になっているのだろうか? サイゾーウーマンでは2019年に東京都交通局を取材し、利用者からどのような反応が届いたのか聞いていた。

 さらに、「NPO法人せたがや子育てネット」代表理事、「NPO法人子育てひろば全国連絡協議会」理事である松田妙子氏にも、「子ども連れ専用車両」について語っていただいたが、「私は基本的に反対」なのだとか。一体、その理由とは――『グッド!モーニング』をきっかけに議論が巻き起こっているいま、改めて同記事を掲載する。
(編集部)


(初出:2019年11月21日)

電車内でのベビーカー利用は「ルール化すべきでない」――ネット上の論争が見落としていること

 ベビーカーで公共交通機関を利用する際、肩身の狭い思いをする人が後を絶たない――ここ何年か、そんな話をよく耳にする。乗客から「邪魔だ」などと直接文句を言われたり、舌打ちされたといった親の体験談がネット上で散見され、親たちへの共感や同情の声が上がる一方、「混雑時にベビーカーで乗って来るのは避けるべき」「スペースを取るからベビーカーは畳んで」「ベビーカー利用者のマナーがなっていないのでは」といった意見も寄せられるなど、“論争”に発展することも珍しくない。

 そんな中、7月31日から、都営大江戸線で「子育て応援スペース」を設けた車両が試験導入されていることをご存じだろうか。これは、市民団体「子どもの安全な移動を考えるパートナーズ」が小池百合子東京都知事と面会し、電車や地下鉄における「子育て応援車両」設置を求める要望書を提出し、実現化されたものだが、実施の告知がされると、ネット上ではこれまた賛否両論が飛び交うことになった。

 大江戸線の「子育て応援スペース」導入開始から4カ月がたとうとする現在、果たして東京都交通局には、どのような反響が寄せられているのだろうか。また今回、「NPO法人せたがや子育てネット」代表理事、「NPO法人子育てひろば全国連絡協議会」理事の松田妙子氏に、子育てをする人たちがストレスなく、公共交通機関を利用できる社会になるために「必要なこと」は何か、話を聞いた。

 現在、大江戸線の車両全58編成のうち3編成の3号車と6号車に導入されている「子育て応援スペース」。車内には、子どもに人気のキャラクター「きかんしゃトーマスとなかまたち」を使用した装飾が施されているが、東京都交通局の公式サイトによると、「小さなお子様連れのお客様だけでなく、お年寄りや車いすをご利用の方など、どなたでもご乗車いただけるスペースです」とのこと。スタートから4カ月弱、どのような「お客様の声」が寄せられているのだろうか。

「『子どもが騒ぐのではないか』といった声も一部ありましたが、『非常に素晴らしい取り組み』『子育て世代としては本当にありがたく感謝』『「子連れで電車に乗っても問題ないよ」と背中を押してもらったようで安心して電車に乗れた』など、多くは感謝や賛同といった好意的なご意見をいただいています」(東京都交通局)

 また、実際の利用者に関しては「誰でもご利用いただけるスペースとしてご案内しておりますので、小さなお子様連れのお客様だけでなく、お年寄りや車いすをご使用の方、通勤中のサラリーマンなど、さまざまなお客様にご利用いただいています」(同)という。

 なお、「子育て応援スペース」は、「来年3月までに7編成に拡大する方針で現在準備を進めているところです」(同)とのこと。大江戸線に限らず、首都圏のJRや地下鉄では、各車両に、車いすやベビーカーを置ける「フリースペース」が設置されるようになるなど、鉄道会社側の子育て環境への配慮は、じわじわと広がりをみせているようだ。

 そんな現状を、国土交通省の「子育てにやさしい移動に関する協議会」において、ベビーカー利用をしやすい環境づくりに取り組んできた松田妙子氏はどのように見ているのだろうか。

「電車でベビーカーを利用する親たちの多くは、『邪魔になっていないかな』と、肩身の狭い思いをしたり、『申し訳ない』と周囲に謝り倒したりしているものです。ほかの乗客の目が気になるので、『胸に「私が子どもを連れて外出する理由」を貼っておきたい』なんて言うお母さんもいましたね。そんな人たちにとって、大江戸線の『子育て応援スペース』設置のような試みは、もちろんウェルカムです」

 また、「子育て応援スペース」という名前がついているものの、「誰でも利用できる」点を、松田氏は「いいなと思っている」という。

「『子ども連れ専用車両をつくってほしい』という人もいますが、私は基本的に反対。『専用』だと、ほかの乗客にハレーションが起こりやすくなりますし、またベビーカー利用者が専用車両以外の車両に乗りにくくなることも考えられます。そうなったら本末転倒ですよね。なので、誰でも乗れる子育て応援スペースや、どこの車両にもあるフリースペースの方が望ましいと思っています」

 さらに、「みんなで子どもを育てていく社会」を理想とする松田氏にとって、専用車両で子どもを「隔離」することは、子育てへの理解を妨げる要因になってしまうのではないかと、考えているそうだ。

「『あーでもない、こーでもない』と言いながら子育てする人たちの姿を“見せる”ことが大事だと思っています。赤ちゃんはどうやって泣くのか、子ども連れの外出にはどんな困り事が出てくるのか……そういったことを、子育てをしていない人にも知ってもらいたいですし、それは、これから子どもを育てる世代の育成にもつながるのではないでしょうか。

 また、電車内であたふたしている子ども連れの人を目にした人が、手助けするといった状況が生まれることも期待できます。それに今後、超高齢社会となる日本では、子どもは『マイノリティ』になっていきます。街の中に、子どもの姿が当たり前のように“ある”という状況でないと、その存在が社会の一員として“勘定”に入れてもらえなくなり、子どもが暮らしにくい環境になっていくのでは。そうならないためにも、やはり『隔離』はよくないと思いますね」

 ネット上では、よく公共交通機関でのベビーカー利用をめぐって論争が起こる。メディアの中には、炎上が激化しているように伝えるところもあるが、一方で松田氏は理解が進んでいると認識しているようだ。

「もともと、鉄道でのベビーカーの安全利用に関する取り組みは、『子育て応援とうきょう会議』という会議体が、10年ほど前にスタートさせました。当初は反応が悪く、うち(せたがや子育てネット)のホームページにも、『親と子どもを甘やかしている』といった声が寄せられることも多かったのですが、最近では、表立ってそのようなことを言う人は減ってきたような印象です。確実に電車内でのベビーカーの利用は増えていると思います」

 2014年には、国交省が、公共交通機関やエレベーターなどで、ベビーカーを利用しやすくするためのマーク「ベビーカーマーク」を制定し、「車内でベビーカーを折り畳まなくてもよい」と呼びかけた。その影響もあってか、「今では『ベビーカーは畳まなくていい』という風潮になってきた」という。

 しかし、こと「混雑時のベビーカー利用」に関しては、ネット上で苦情を目にする機会は少なくない。

「子ども連れで移動する人にとって、『満員電車にベビーカーで入っていく』って、なかなかできないことだと思うんです。なので、そういう人を見かけたら、『何を考えているんだ』『非常識』と怒るのではなく、『そこまでしなければいけない理由って何なのだろう?』などと、気にかけてあげるような空気が生まれたらいいなと感じます。積極的に声をかけてあげるべき、というわけではなく、『大丈夫だよ』『みんなで一緒に子どもを育てていこう』という空気をつくりたいんです」

 ネット上には、「車内が混み合っているときに、ベビーカーに何度も足を踏まれた」「ほかの乗客のスペースを奪うように、ベビーカーをグイグイ押し込んできた」など、「マナー違反」を厳しく指摘する声も多数上がっているが、「そういうとき、『もしかしたら子育てにしんどさを抱えているのではないか?』などと、周りが心配してあげるような空気があるといいなと思います」という。

「現代の、特に東京では、『周りに知り合いがいない』中で子育てをしている『アウェイ育児』の人がたくさんいます。まったく知らない大勢の乗客をかき分けて、ベビーカーで電車移動をしなければいけない状況にいる人に、優しく寄り添うような空間になってほしいですね」

 例えば、満員電車でのベビーカー利用者に対して、そのほかの乗客が「乗車時間帯の変更」を提案するにしても、「迷惑だから時間をずらせ」と怒るのと、「時間をずらすと、もう少し居心地よく移動できるかもしれないよ」と語りかけるのとでは、受け取り手の抱く印象はまったく異なるだろう。松田氏は混雑時のベビーカー利用問題をめぐる「対立」を煽るような風潮、またその際、「お父さんもおじいちゃんもおばあちゃんも子ども連れで移動するのに、なぜか『お母さんの問題』のように捉えられている点」も疑問だという。

「それから、電車内でのベビーカー利用のルールを決めようという話でもないんです。ルール化してしまうと、例えば、車いすとベビーカーどちらを優先させるべきかといった話になる。この『優先』という言葉が出てきた瞬間、『順位付け』や『評価』が必要となり、それでは誰かが肩身の狭い思いをすることになってしまいます。子連れの人だけに優しくしてほしいというわけではなく、いろいろな事情を抱えた人たちが、同じ空間にいる際、お互いにちょっとずつ配慮し合えるようになるといいよね、ということなんです」

 さらに、ベビーカー問題を「電車内だけのマナー問題」ではなく、もっと広い視点で考えていきたいと松田氏。「子連れで遠出しなければいけない状況そのものをなくすことはできないか」という観点から、「誰もが家から徒歩で通える保育園に入園できる仕組みをつくれないか」「子育中は『在宅勤務可能』という企業を増やせないか」「子どもの検診を近場で受けられるようにできないか」など、「子育て環境をどう変えていくかの問題」として捉えているという。

 最後に松田氏は、公共交通機関でのベビーカー利用問題は、「今後のための練習問題」であるという側面を指摘してくれた。

「超高齢社会になる中、高齢者の方たちが、シルバーカーで乗車してくるという時代が来るかもしれません。また、直近では、来年の東京五輪開催期間に、多くの外国人の方が電車を利用すると思います。そういったさまざまな事情を抱える人や、文化の異なる人が同じ車内にいる際、どのように配慮し合えばいいか――ベビーカー問題はそのためのいい『練習問題』なのではないかと感じますね」

 現在、「世田谷区×WEラブ赤ちゃんプロジェクト」を推進しているという松田氏。これは、赤ちゃんの泣き声を「気にしないで、大丈夫だよ」と温かく見守るメッセージを表明することにより、子育てを応援していくという世田谷区のプロジェクトで、その一環として「泣いてもいいよ!」ステッカーを地域の人に配布しているという。ステッカーをスマートフォンなどに貼ることによって、自分の思いを伝え、子育てする人たちの気苦労を軽減させられれば……という目的があるそうだ。「みんなで子どもを育てていく社会」のために、こうした取り組みに参加してみるのもいいのかもしれない。

松田妙子(まつだ・たえこ)
「NPO法人せたがや子育てネット」代表理事。「NPO法人子育てひろば全国連絡協議会」理事。大学で社会福祉を学んだ後、国立総合児童センター「こどもの城」に勤務。2001年東京で子育て支援グループ「amigo」を立ち上げ、産前・産後中心の支援を地域で展開。現在、子育て支援者の養成や地域のネットワーク化に関わる子育て支援コーディネーターとして活躍。2男1女の母。
「NPO法人せたがや子育てネット」
「世田谷区×WEラブ赤ちゃんプロジェクト」

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Snow Man、JO1、LDH若手2組……タイで「売れる」グループは? タイポップス探検家が大分析!

 7月上旬、タイのとあるネットユーザーが、『PRODUCE 101 JAPAN』(GYAO!、TBS系)を称賛するツイートを投稿。同番組は、韓国発のデビューを目指したサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101』の日本版だが、この投稿がタイ国内外で4.7万リツイートされるほどの“バズり”を見せ、タイのネットユーザーのみならず、日本でも大きな話題になった。

 特に『PRODUCE 101 JAPAN』から誕生したボーイズグループ・JO1のファンが敏感に反応し、タイに向けてSNS上で“布教”を開始。JO1の運営元である吉本興業のタイ支社や、JO1の公式Twitterも、タイ語の投稿を行う展開となった。一つのTwitter投稿によって、事務所まで巻き込む“タイ進出”が始まったのだ。

 一方、同じ日本のボーイズグループだと、ジャニーズ事務所所属のタレントは以前からタイに進出しており、2006年には山下智久とタイの兄弟ユニット・GOLF&MIKEによる3人組ユニット「GYM」が日本とタイでデビューするなど、つながりは深い。近年では20年、Snow Manがタイの音楽イベント『Japan Expo Thailand 2020』に出演。メンバーの向井康二がタイ生まれとあって、“CDデビューから10日”という異例の早さで、初の海外パフォーマンスを成功させている。

 さらに今年は、LDHの若手グループ・BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEとPSYCHIC FEVERが活動拠点をタイに移し、武者修行をすると発表した。

 このように、ジャニーズ、LDH、そして吉本という日本の大手芸能事務所とタイの関係が今後深まっていきそうな気配があるが、果たして、JO1、Snow Man、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE、PSYCHIC FEVERの4組が、「タイで売れる」可能性はどれほどあるのだろうか?

 そこで今回、タイポップス探検家であり、タイの音楽関係者とも交流を持つ山麓園太郎氏に、タイの国民性や音楽カルチャーを踏まえながら、4組それぞれについて「売れそうなポイント」を分析してもらった。

――日本のボーイズグループが続々とタイに進出していることに対して、どのように感じていますか?

山麓園太郎氏(以下、山麓) ここ2~3年の間、日本で“タイドラマブーム”が起こったように、タイは今、韓国と並んで「アジアのエンタメ発信地の一つ」になっていると思います。タイで活動することは、日本のアーティストにすごくいい刺激を与えるはずですし、成長できる機会になるでしょうね。なので、どんどん進出してほしいです。

 もともとタイは親日国なので、すでに日本のカルチャーは注目されていて、「日本の音楽が好き」っていうファンコミュニティもある。メジャーなアーティストでいうと、YOASOBIやSEKAI NO OWARIなんかは、すでにタイでも知名度があります。日本でそこまで有名じゃないアーティストもしっかりチェックしている、“日本好き”な人も多いんです。

――となると、日本のボーイズグループもタイで人気を獲得できそうですね。

山麓 ただ、ボーイズグループとなると、タイではまだまだK-POP勢が強い。そんな中でも唯一浸透している日本のボーイズグループは、やはりジャニーズだと思います。今回、4組のミュージックビデオ(以下、MV)などをチェックしましたが、Snow Manはタイにルーツのある向井くんがいることもあって、人気が出ると思いますよ。K-POPガールズグループのBLACK PINKも、メンバーのリサさんがタイ出身なので、やっぱり人気。仲間意識というか、“母校を応援するような気持ち”と一緒なのかもしれません(笑)。

――Snow Manは、音楽面ではどのように評価されそうですか?

山麓 ジャニーズは、もう「ジャニーズ」っていうジャンルが確立されています。安心して見られる/聞ける、“安定の日本ブランド”のようなものですね。タイでは「ジャニーズ=J-POPの王道」という認識ですから、Snow Manはやはりジャニーズブランドがしっかり確立されているだけに、人気も出やすいと思います。

 でも、Snow Manの一番の強みって、僕はダンスだと思っていて。JO1とLDHの2組とSnow Manを比べて見たとき、ダンスのスキルは全グループ高くて、優劣はつけられませんでした。ただ、JO1とLDH2組がストリートにルーツを持ち「カッコよさ」を突き詰めていくタイプのダンスに見えるのに対して、Snow Manはバレエやミュージカルをルーツに持つ「エレガント」な動きがよく見られますよね。これはジャニーズのグループ全体にいえることですが。

 特に「オレンジkiss」のMVを見ると、指先まで使った感情の表現がとても見事。タイ舞踊でも、こうした指の動きはすごく重要になるので、現地の人たちは、絶対にそこを見逃さないはずです。

――K-POPが人気となると、韓国のサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101』の日本版『PRODUCE 101 JAPAN』から誕生したJO1も、タイの人には受け入れやすいのでしょうか?

山麓 そうですね。JO1がタイに進出したら、おそらくK-POPの延長線上で評価されると思います。タイって1990年代にJ-POPブームが、2000年代に今度はK-POPブームが起こり、これによって、T-POP(タイポップス)のベースみたいなものが作られたんです。

 そう考えていくと、JO1自体がJ-POPとK-POPを融合したような形なので、4組の中では一番、タイの人たちの耳や体にスッと入って、受け入れられやすいサウンドだと思います。特に「With Us」は、2000〜10年代にK-POPの要素を積極的に取り入れて大ヒットを連発した、タイの大手音楽レーベル・RSのサウンドや曲調に、とてもよく似ている。なので、タイの人にはすごくしっくりくるでしょう。

 また、JO1の運営元である吉本興業は、17年に「SWEAT16!」という女性アイドルグループをタイで結成して、人気を獲得していました。この実績があるので、もし本格的にタイ進出を仕掛けるときには、そのノウハウが生かせるはず。タイの人たちは、“かわいくてかっこいい男の子たち”のことが大好きですし、そこもJO1の強みだと思います。

――同じ日本のボーイズグループでも、Snow ManはJ-POP、JO1はK-POPとして、タイの人々に注目されそうなんですね。

山麓 ちなみに、ひと昔前のタイでは、ルックス完璧、歌もうまい、演技もできる、なおかつ性格もいい……といった品行方正で成績優秀なタイプの芸能人が、人気者の“テンプレ”でした。しかし、AKB48グループの一つであるBNK48がタイでブレークした17年頃から、“成長の過程を見せる”エンターテイメントがはやりだしたんです。

 JO1を生んだオーディション番組『PRODUCE 101』シリーズや、ジャニーズJr.が成長してデビューする姿をタイの人たちが楽しむようになったのは、実はここ5〜6年の話。なので、JO1やジャニーズJr.はまだまだ新鮮な存在ではないかと思います。

――そういう意味だと、LDHの2組がタイで「武者修行」をするのは、成長過程を共有しようという狙いもありそうです。

山麓 タイでの生活をリアリティショー『New School Breakin’』という番組にして、YouTubeで配信することも決まっていますよね? これをタイのテレビで放送すれば、すごく視聴率がいいでしょうね。しかも、このプロジェクトのプロデュースを務めるF.HERO(エフ・ヒーロー)さんは、タイの音楽シーンも知り尽くしているし、日本の音楽にも詳しい方なので、2組をすごくいい方向に導いてくれるのではないかと思います。

――BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEとPSYCHIC FEVERの音楽面についてはいかがでしょうか?

山麓 タイではここ数年、ヒップホップがトレンドの一つ。それに加えて、J-POPの哀愁も感じるBALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEとPSYCHIC FEVERの楽曲は、タイで売れる可能性が高いんじゃないかと思いますね。K-POPとはまた違う、「日本製のダンスポップ」として受け入れられたらいいな、と。

 BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEは、「ラストダンスに BYE BYE」を聞いたんですが、今のタイのヒット曲と構造がすごく近いんですよ。イントロからの展開とか、キック(バスドラム)が強めなところとかが似ている。特にサビのメロディーは、そのままタイ語の歌詞を乗せてもしっくりきそうだと思いました。

 PSYCHIC FEVERのほうは、さらにストリート感が強いですが、中には「Snow Candy」みたいなメロウな曲もありますよね。これもまた、タイの人がすごく好きなタイプの曲。テンポがちょっとゆっくりで、やわらかい雰囲気の曲っていうのは、タイの人の大好物なんですよ。

――音楽面以外で、日本のボーイズグループがタイで人気を得るカギはなんだと思われますか?

山麓 ずばり、「ファンサービス」です。例えば、日本ではコンサート中に客席に手を振ることもファンサービスに数えられると思いますが、タイのアーティストはコンサート中、客席に降りていっちゃいます(笑)。客席中を練り歩いて、サビの「愛してるよ」みたいなフレーズで、あえて目の前にいる1人のファンに向けて歌う……これがタイのファンサービスです。日本のアーティストがここまでやったら「神対応」と絶賛されると思いますが、タイでは「普通」のこと。これは大きな違いでしょう。

 また、イベント中にファンから写真をお願いされたら、肩を組んでツーショットを撮ってくれるなんてことも。よっぽど怪しい人じゃなければ、基本的に「誰でも写真OK」というほど寛容なんです。なぜならば、ファンがこうしたツーショット写真などをSNSにアップすること自体が、タレントのプロモーションだと考えている芸能事務所が多いから。たくさんの「いいね」がついて話題になれば、それだけで宣伝になりますよね。

――ジャニーズを筆頭にタレントの肖像権に厳しい日本では、なかなか見られない対応です。

山麓 日本は基本的に、コンサート中に写真や動画を撮影するのも禁止ですよね? でもタイでは、スマホやカメラで推しを撮影して、YouTubeやSNSにアップするのが普通。むしろ日本のように、撮影が禁止されている国のほうが少ないと思いますが……。とにかく、日本からタイに進出するなら、そのあたりの文化もタイ側に合わせる必要があるでしょうね。

 特にジャニーズは肖像権に厳しい事務所だと思うんですが、タイのイベントに限って写真撮影OKにするとか、ローカルルールへの歩み寄りは必要だと感じます。

――そのほかにも、日本とタイのアイドルカルチャーで大きな違いはありますか?

山麓 タイの人たちには「担降り」という概念があまりないかもしれません。「推しは多いほうが楽しい」といった感じで、ずっと同じアーティストを応援しながら、新人にもすごくオープンマインドで、気になったらその人も一緒に推すという感じ。常にアンテナを張って、ちょっとでも引っかかったものはどんどん吸収していくような人が多いですね。

――これからタイ進出を狙う日本のアーティストに対して、何かアドバイスはありますか?

山麓 日本の音楽業界には、グローカルな視点で世界へもっと「今のJ-POP」を発信してほしいと思っています。今、日本のシティポップが世界中から注目を集めていますが、言ってしまえばこれは「遺産」。過去の音楽が掘り起こされているだけなので、新しい動きでもなんでもないわけです。対して、T-POPはタイドラマブームから派生した「今話題の新しいコンテンツ」なので、一歩先を行っているといえるでしょう。

 なので、これからタイに進出しようとしている日本のアーティストには、「エンタメ業界が盛り上がっているタイに勉強しに来ました」という姿勢でいてほしいなと思います。上から目線で「進出」するなら、それはちょっと違うかなと。そこを踏まえた時、LDHが「武者修行に行く」姿勢でタイに来たのは、海外進出の面で、ほかの大手芸能事務所よりは一歩リードしていますよね。

 日本のアーティストがアジア進出をする際、 国内で築き上げてきたビジネスモデルは全く通用しないかもしれません。でも、そこで新しいものが生まれれば、日本を含めアジアの音楽シーン全体が盛り上がり、結果として世界規模で注目される、いいきっかけになるはず。日本のボーイズグループのタイ進出を見ながら、その可能性に期待を寄せているところです。

セールにも間に合う! 「日傘」遮光性で選ぶコツとNG使用法を小田急百貨店“アンブレラマスター”に聞く

 猛暑日が続いている今年の夏。気象庁の発表によると、9月まで平年より厳しい暑さが続くようだ。外出時、「日傘」は紫外線対策の一つとして欠かせないアイテムの一つとなっていることだろう。また、百貨店や大型商業施設では現在夏のセールが行われているため、新たに購入を検討している人も多いのでは?

 そこで今回は、小田急百貨店新宿店の婦人服飾雑貨売り場で日傘の販売を行っている河地沙希さんに取材を敢行。「日本洋傘振興協議会」が認定する洋傘売り場のスペシャリスト「アンブレラ・マスター」の資格を持つ河地さんに、日傘の種類や機能、正しい使い方、ケア方法まで話を聞いた。日傘選びにぜひお役立ていただきたい。

雨でも使える「晴雨兼用傘」、セール価格で平均5,000~8,000円!

――日傘は春から秋にかけてさす人が多い印象ですが、店頭に並び始めるのはいつからでしょうか?

河地さん(以下、河地) 4月くらいから新作が入荷し始め、6月に一気に展開が広がります。梅雨のシーズンでもあるので、雨傘と半々の割合で商品が並び、早い方はこの時期に買いに来られますが、一番売れるのは7月ですね。また、セール時期も売り上げが伸び、多いときは一日で300~400本近く売れたこともありました。

 セール期間はお買い得商品が多く揃いますので、普段あまり百貨店を利用しないという方の来店も増えます。20代から80代の方まで、本当に幅広いお客様がいらっしゃいますね。

――ではまず、日傘の種類について教えてください。

河地 晴雨兼用傘と日傘、いわゆる“純パラソル”があり、晴雨兼用傘は機能性が高く、撥水加工が施されていて、急な雨に降られた場合でもお使いいただけます。ただ、軽量設計なので骨が細く折れやすかったり、風に煽られるとひっくり返りやすいというデメリットも。

 純パラソルは、撥水性がないので、晴れた日にお使いいただくお品物になっています。一方で、水に濡れないことを前提に作られているため、風通しもよく、レースがふんだんに使われていたり、デザイン性が高いことも特徴。ドレッシーな雰囲気の日傘をお探しであれば、純パラソルがおすすめですね。

――価格帯に違いはありますか?

河地 晴雨兼用傘ですと、セール価格で平均5,000~8,000円と1万円を下回るお品物が多いですね。一方の純パラソルは、セール価格でも1万円以上という金額が目安です。生地に麻や綿、絹など天然素材を使用しており、ポリエステルがほとんど混ざっていない商品が多いため、晴雨兼用傘よりもお値段が上がっているのだと思います。

傘の種類 メリット デメリット 生地 セール価格
晴雨兼用傘 撥水性があり雨でも使用可 軽量設計のため、骨が細く風に煽られやすい ポリエステル 5,000~8,000円
純パラソル デザイン豊富で風通しがいい 撥水性なし 麻、綿、絹などの天然素材 1万円以上

 

――日傘を選ぶ際に注目すべきポイントはありますか?

河地 日傘には「遮光」「遮蔽(しゃへい)」「遮熱」の3つの効果があります。

 まず、遮光は“可視光線をカットする程度“を表し、“日よけ”になります。晴雨兼用傘に関しては、「1級遮光」とそうでないものの2種類に分かれ、1級遮光は、遮光率が99.99%あり、限りなく100%に近いんです。傘の内側が黒く塗りつぶされているようなイメージのお品物で、光を一切通さないため、木陰にいるような涼しさを感じられるようになっています。

 対して1級遮光でないお品物は、遮光率が99%以上と1級遮光に比べるとやや数字が落ちてしまうため、特に今年は暑い日が続いていますから、熱中症対策の面でも、1級遮光の傘のご使用をおすすめしています。

 次に、遮蔽は“UVカット率”を表し、“日焼け”対策をしたい方に注目いただきたい項目です。99%以上ある商品がほとんどで、遮光率同様に、商品タグにパーセンテージが記載されているので、チェックしてみてください。

 最後の遮熱は、遮光と似た意味合いで、“熱をカットする効果”の有無を表しており、現在は、東レから出ている「サマーシールド」と、帝人フロンティアとムーンバットが共同開発した「フワクール」というシリーズで「遮熱」をうたっています。1級遮光で遮蔽率も99%以上と高く、「サマーシールド」「フワクール」ともに特殊多層ラミネート構造のため、遮熱効果を発揮しているのが特徴です。

 これら3つの機能があることを頭に入れておくといいでしょう。 

遮光 可視光線をカットする程度のことで、日よけ効果がある
一級遮光 遮光率が99.99%で、光を一切通さず涼しい
一級遮光以外 遮光率が99%以上で、一級遮光よりも効果が劣る
遮蔽 UVカット率のことで、日焼け防止に。99%以上の商品がほとんど
遮熱

“熱をカットする効果”の有無を表す。
東レ「サマーシールド」、帝人フロンティア×ムーンバック「フワクール」が該当

 

――ショート傘、二つ折り傘、ミニ傘と、形状は3種類あるかと思いますが新宿店の売れ筋商品はどういったタイプになりますか?

河地 細めで軽く持ち運びがしやすいという点から、傘を三つ折りの形で収納するミニ傘タイプが人気で、特に先ほど挙げた「サマーシールド」や「フワクール」製品がよく売れています。実際に私も「サマーシールド」の日傘を使っているのですが、それまで使っていた一級遮光ではない製品と比べると、涼しさの度合いが全く違いましたね(笑)。

 あとはお客様の好みにもよりますが、「持ち手がついているほうがいい」「すぐにたためるものがいい」という方や、「日傘を持つのが初めて」という方には、こちらの「楽折」タイプの晴雨兼用傘をおすすめしています。

 ほかの製品ですと、傘を閉じて骨の部分を折り返さなければいけないのですが、楽折タイプは閉じて折り目を整えて巻きつけるだけでいいので、簡単にたためるんです。また、傘袋がついていないタイプもあるので、わざわざしまう手間も省けますし、なくす心配もありません。急な雨でも対応できるので、1本持っておくと便利だと思いますよ。

日傘選びのコツ

――こうして見ると、本当にたくさんの種類の傘がありますが、日傘選びのコツはありますか?

河地 さまざまなタイプの日傘を取り揃えていますので、まずは、お客さま自身に「こういう日傘を買うぞ」というイメージを持ってご来店していただきたいですね。デザイン重視か機能性重視か、どれか一つ譲れない軸があると、その中で「かわいい系のデザインがいい」「ストライプの水色系がいい」など、ご要望に合わせて私たちがお客様に合った商品をピックアップいたします。

 例えば、毎日の通勤で使われる方でしたら、電車での移動も多いと思うので、開閉が簡単な「クイックアーチ」と呼ばれるものか、先ほどご紹介した「楽折」、軽量の「ミニ傘」をおすすめするなど、お客様の生活スタイルや使用するシチュエーションなどもお聞きしながら商品のご案内をいたします。

 また、この売り場が婦人服飾雑貨になってしまうのでお取り扱いは少ないものの、60cmの大きめサイズの男性用と、50~55cmとやや小さくなりますが、落ち着いたデザインのユニセックスの商品もご用意しています。傘選びに迷った際は、ぜひお気軽にお声がけください。

――それぞれの傘のお手入れ方法を教えてください。

河地 晴雨兼用傘が汚れてしまった場合は、中性洗剤をぬるま湯で薄めたものをスポンジにつけ、優しくたたくように拭き取っていただき、水気を絞った布と、さらに乾いた布で拭き取り、陰干しして十分に乾かしてください。日傘の場合も同様の方法でお手入れしていただければと思いますが、できるだけ雨に濡れないようにお使いいただき、万が一濡れてしまった場合はなるべく早く乾かしていただきたいですね。

 また、長期保管する場合、温度差や湿度の変化などで手元が取れてしまう可能性もありますから、陰干しをしてしっかりと乾かし、納戸など日光や蛍光灯などの光が当たらない涼しい場所に置いておくといいかと思います。

――買い替え時のサインはありますか?

河地 日傘は、2~3年が寿命の目安とされています。そのほか、遮光効果があるタイプであれば、使い続けているとラミネート(遮光シート)が剥がれ、傘を光に透かしたときに「ピンホール」と呼ばれるごく小さな穴が開き、外からの光が入ってきてしまう現象が起きることがあります。また、傘をさしたときの感覚として、「去年よりちょっと暑いな」「傘をさしていないときと変わらないな」と思ったときは、効果が薄れてしまっている可能性が高いため、買い替えを検討していただきたいですね。

これはNG! ミニ傘のしまい方

――日傘の使い方で気を付けるべき点はありますか?

河地 使い終わった後に注意していただきたいのが、傘のたたみ方です。特にミニ傘を畳む際、折り目を整えて骨を適当に掴んでくるくると巻きつけて袋にしまい込むという人もいらっしゃるかと思いますが、そうすると、骨がねじれてバラバラの状態で固定されるので余計な圧力がかかってしまいますので、絶対にNG。次に傘を使おうとして開いたときに、骨が折れていたということもありますから、傘の中心の“中棒”をぐるっと囲むように骨を整えてから袋にしまうと、傘の持ちも長くなると思います。

* * *

 ちなみに河地さんによると、小田急百貨店で取り扱っている傘は、「ほとんどのお品物は基本的にはメーカーで修理が可能」だそう。「ご購入された店舗にお持ちいただければ、お手続きもスムーズに行えますので、お気軽に相談ください」というように、アフターフォローも万全のようだ。

 まだまだ暑い今年の夏、日傘選びで迷っている方は、ぜひ店舗に足を運んでみてほしい。

A.B.C-Z・河合郁人、木村拓哉のジャニーズモノマネは「65点」! プロのモノマネタレント&音楽講師が分析

 ジャニーズJr.時代から始めた“ジャニーズモノマネ”を武器に、ここ数年、バラエティ番組への露出が急増したA.B.C-Z・河合郁人。木村拓哉、KinKi Kids・堂本剛&堂本光一、嵐・松本潤、KAT-TUN・亀梨和也など、そのレパートリーは枚挙にいとまがなく、2020年5月放送の『ものまねグランプリ 次世代ものまね芸人No.1決定戦&歌ものまねNo.1決定戦スペシャル』(日本テレビ系)では、堂々の準優勝に輝いたが、ジャニーズファンの間では“賛否両論”。

 「そっくり!」と絶賛する人がいる一方、「全然似ていない」とし、「相手をバカにしている」などと苦言を呈する人も少なくない状況だが、プロのモノマネタレントは、河合の芸をどう見ているのか――? 今回、音大出身のプロ音楽講師であり、榊原郁恵、MISIA、平原綾香などのレパートリーを持つ技巧派モノマネタレント・知香さんに、彼の代表作である「木村拓哉モノマネ」の歌や動きを分析、その完成度を評価いただいた。

河合郁人と木村拓哉は「声の出し方からして違う」

――まず、河合郁人さんによる「木村拓哉モノマネ」に対する率直な印象を教えてください。

知香さん(以下、知香) 河合さんのモノマネだけ見ると似ている感じがするんですが、木村さんと比較した場合、声の出し方からして違うことがわかります。河合さんの声はストレートで、よく言うとミュージカル向きである一方、木村さんの声は甘くて柔らかい、たとえるなら倖田來未さんの男版というか、歌詞に濁点がつくような歌い方をしているんです。

 また、河合さんは一つひとつの歌詞をしっかり歌い、最後の一音一音まで客席に届けようという必死さがあるんですが、木村さんはソフトに息を吸って、優しく歌い、語尾は抜いて歌う傾向がある。そういう違いもありますね。

 さらに言うと、木村さんは歌う時、片腕を内側に入れるなど、体全体をよく動かしているのが特徴で、ロン毛だった時代は、内側に入れた片腕を外に振り切る瞬間に、髪の毛が揺れたりしていたものの、河合さんはそういうポイントを押さえていないのが気になりました。

――歌声だけでなく、仕草の面でも、細かく見ていくと違いがあるのですね。

知香 木村さんが過去に披露した童謡「どんぐりころころ」の独唱(※)を、河合さんがモノマネする映像を見たのですが、比較するとやはり違いましたね。一つ挙げるとすると、歌唱中、ペットボトルの水を飲む場面。木村さんは口を半開きにしたまま水を口に含み、飲むときも少しはにかんで、下唇を噛むなど、一つひとつの動きがクール。一方の河合さんはまるで初めてチューするみたいに口をとんがらせて、ごっくん……と、見ている側が笑っちゃうような飲み方をしていました。木村さんのマネをしているつもりでも、河合さんご本人が出てしまっているんですね。

(※)『うたばん』(TBS系)2002年12月5日放送回の企画「うたばんのど自慢」で、木村が平井堅の「大きな古時計」をオマージュする形で披露した。

――河合さんが木村さんのライブバージョンの歌マネするとき、ものすごく“溜めた”歌い方になるんです。それがバラエティで笑いどころとなっているんですが、その点はどうでしょう。

知香 木村さんご本人はそんなに溜めていないです。結局、モノマネだから、“ネーミング”がほしいのかもしれません。例えばMISIAさんって、歌っている最中によく手を動かすんですが、そのモノマネに「蠅を振り払っているように見えるMISIA」といったタイトルをつけられたら、もうそれだけで面白い。河合さんもそういうネーミングほしさに、あえてああいった歌い方をしているのではないでしょうか。

――河合さんのモノマネに否定的な人は、オーバーなモノマネを、「本人を笑いものにして、バカにしている」と捉えているようです。

知香 歌声って性格とイコールするもので、河合さんのまっすぐな歌声からは、性格の良さといいますか、少年らしさやピュアな一面を感じさせます。私は彼と話したことはないですが、良い人であることはわかるんです(笑)。ただ一方で、オーバーな歌い方には、恥ずかしがり屋な部分も垣間見えます。その恥ずかしさを隠そうとして、笑いに走ってしまうところがあるのかもしれません。

――河合さんが恥ずかしがり屋なのは、A.B.C-Zファンにはよく知られています。

知香 そうですよね。河合さんは、木村さんのようなナルシストになりきれていない。木村さんは恋愛の歌を歌う時、カメラに向かって、首を傾けたりするんですが、彼はそのレンズを“彼女”に見立てている。河合さんも、仕草自体はマネするんだけど、レンズを“彼女”と見ていない。そんな違いもあるのではないでしょうか。

――では、現段階での河合さんの「木村拓哉モノマネ」の完成度は、100点満点中何点だと思いますか?

知香 河合さんには“伸びしろ”があるということを踏まえ、あえて点数をつけるとすれば、65点! ファンの方は「低い」と感じるかもしれませんが、これから練習することによって、さらに満点に近づけるという期待を込めた点数です。

――具体的に、どうしたら河合さんのモノマネの完成度は上がりますか?

知香 河合さんのように歌声にピーンと張りのある人が、甘く柔らかく歌う――つまり張りがないように歌うのは大変なんですが、一つ提案としては、お風呂に入っている時に練習すること。リラックスして力が抜けた状態で、鼻歌みたいに歌う練習をすると、甘く柔らかい声が出しやすいと思います。もしくは、お酒を飲んでほろ酔いの状態で練習するのも、力が抜けるという点でオススメです。

 またこの“甘く柔らかく”というポイントは、息を吸う時から意識してほしいです。パン屋さんの近くを通った時、「あっいい匂いがする」と思って、鼻をクンクンとしたことないですか? あの感じで、鼻から甘く優しく息を吸うところから始めるといいと思います。

――動きに関してはどうでしょうか?

知香 マネする人によってマイクの持ち方を変えたり、髪の揺れなどを意識するのはどうでしょう。河合さんは対象の人物をよく研究されていて、ダンスもうまく、「誰のモノマネをしているのか」は、見る側に伝わっているんですが、これらの点を取り入れると、ジャニーズにあまり詳しくない人にも、しっかり伝わるモノマネになると思います。

 また表情や仕草一つとっても、ただ表面をマネるだけでなく、イントロ中から「木村さんはこの曲を歌う時、どんなことを感じているんだろう? 誰に向けて、どんな思いを伝えようとしているんだろう?」と想像をめぐらせることで、さらに似せられるのではないでしょうか。こうした練習を重ねれば、木村さんはもちろん、KinKi Kids・堂本剛さんの歌マネも、より似てくると思いますよ。

――河合さんが『ものまねグランプリ』で準優勝した際、木村さんから「惜しい、準優勝(スクロールした先)登れる山、あるね」というメールをもらった有名な話があるのですが、知香さんのアドバイスは、まさに「登れる山、あるね」と感じさせるお話でした。

知香 歌唱力でいうと、河合さんが木村さんに劣っているなんてことは全然ないんですよ。「どちらのほうが歌唱力が上か?」とズバリ聞かれると困ってしまいますが……河合さんのほうが、歌に関してはうまく聞こえます。ただ、「魅せる木村と聞かせる河合」というか、それぞれに魅力が違うんです。

――え! そうなんですか?

知香 河合さんは声がいいし、一音一音外さない正確性もすごい。カラオケの精密採点に向くタイプです。ジャニーズの方って、基本的に浅い呼吸の胸式発声で、喉がウッと詰まる感じになり、なかなか深みのある声にならないんですが、河合さんは腹式に近い発声をしていて、いいポジションで歌われているなとも思います。

 しかし、特に恋愛の歌で、聞く人を魅了するのはどちらかというと、木村さんなんですね。もう、イントロからアウトロまですべてに感情がこもっていて、カッコよくて……「歌唱力うんぬんの話にならない」とも言えます(笑)。ただ、河合さんが木村さんのモノマネをすることで、自身の恥ずかしがり屋な面を克服し、恋愛の歌がうまく歌えるようになると思います。

――先ほど言っていた「ナルシストになりきる」という点ですね。ちなみに、河合さんにぜひモノマネをしてもらいたいジャニーズタレントっていますか?

知香 河合さんは、嵐・松本潤さんのダンスモノマネをされていますが、ぜひ歌マネにも力をいれてほしいですね。というのも、背丈や骨格が自分に似ている人のモノマネって、似やすいんです。河合さんと松本さんはそこまで身長差がないようですし、顔も似ているので、歌声も似ると思いますよ!

知香(ともか)
モノマネタレント。榊原郁恵、MISIA、平原綾香、鬼束ちひろ、セリーヌ・ディオン、ホイットニー・ヒューストンなどレパートリー多数。東邦音楽大学、大学院で声楽を学び、音楽講師としての顔も持つ。
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万引きGメンが語る、『密着警察24時』のウラ側! スタッフが通報されたことも!?

 8月3日、TBS系の人気ドキュメンタリー番組『密着警察24時』の最新作『最前線!密着警察24時★SNSのぞき見犯を追え!&飲酒運転撲滅!交通SOS合体』が放送される。

 日本全国の警察署を取材し、“最前線”で犯罪に立ち向かう警察官や刑事に完全密着する同番組。今回の放送では、他人のSNSアカウントなどを乗っ取る「不正アクセス」や、運転中にスマートフォンを操作する「ながら運転」といった、近年増えている事件の現場にカメラが密着したという。

 『密着警察24時』の見どころといえば、やはり“逮捕の瞬間”だろう。普段は見られない衝撃の場面はお茶の間の注目を集めるようで、同シリーズの世帯平均視聴率は10%前後を記録することも珍しくない。その中でも特に、「万引き犯」を捕捉する現場は、『ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)といった人気番組や、夕方のニュース番組などでも特集される人気ジャンルだ。

 サイゾーウーマンでも、保安員の澄江氏が「オンナ万引きGメン日誌」を連載中だが、同記事の監修を務める万引き対策専門家・伊東ゆう氏は、まさに“カメラの前で万引き犯を捕捉したことがある人物”だ。

 そんな伊東氏が『ジョブチューン』に出演して「5日で8人」万引き犯を捕まえた際の裏話や、『警察24時』のスタッフについて語った記事を改めて掲載。番組ディレクターやカメラマンとの連携、「万引きGメンがテレビに出るメリット&デメリット」などを掘り下げたインタビューを、ぜひチェックしてほしい。
(編集部)


「112.702」

 この数字は警視庁が2016年に検挙した万引き犯の人数です(『平成29年版 犯罪白書 窃盗 認知件数・検挙件数・検挙率の推移』より)。1件ごとの被害額は少額でも、個人経営のコンビニや書店などの小売店にとって被害が重なれば大変な打撃になり、万引きが一因で閉店に追い込まれる店舗もあります。店舗側も指をくわえて見ているわけではありません。万引き犯取り締まり専門のセキュリティースタッフを配置して防衛しています。いわゆる“万引きGメン”です。

 本サイトでは、オンナ万引きGメンの澄江さんが、さまざまな現場で出会った万引き犯についてレポートをしていますが、テレビでも万引きGメンの特集はたびたび放送されています。また、第71回カンヌ国際映画祭にてパルム・ドールという最高の賞を与えられ、一躍注目を浴びた是枝裕和監督の『万引き家族』も、そのタイトルの通り、万引きが大きなテーマに取り上げられた作品です。

 今回、『万引き家族』の制作協力やテレビの万引きGメン特集にもたびたび出演し、本サイトの澄江さんのコラムも監修している、万引き対策専門家の伊東ゆうさんに取材を行うことに。『万引き家族』協力の経緯やテレビの万引きGメン特集の知られざるエピソード、Gメンだけが知る万引き犯の実態をお伺いしました。

――『万引き家族』は世界的に注目されましたね。協力のきっかけはなんだったんですか?

伊東ゆうさん(以下、伊東) 「是枝監督の新作映画『声に出して呼んで(仮)』に、家族で万引きするシーンがあるから協力願えませんか」というメールがきて、面白そうだなぁと思って制作事務所に出向き、レクチャーしました。私も映画が好きなので、ノーギャラだったけど喜んでお受けしたわけです。

――元々のタイトルは違っていたんですね。是枝監督とは話したんですか?

伊東 確かそんな感じのタイトルで、『万引き家族』なんてタイトルじゃなかったですね。だから公開されて「あれ?」となりました。実は、製作スタッフの方たちとお話しただけで、是枝監督とは会ったことないんですよ。誰が出るとかもまったく知らなかったですね。タイトルが変わったのも、万引きっていう字面がやっぱりインパクト強かったのかなぁって。

――レクチャーでは、どんな内容のお話をしたんですか?

伊東 詳しくは言えないですけど、万引き現場の写真を見せたり、家族でやるときの手口を教えたり。各地で万引き対策の講演会もやっているので、そういった資料を交えて説明しました。嵐の日に呼び出されて、2時間くらいインタビューを受けました。

――伊東さんはTBS系『ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』やフジテレビ系『おたすけJAPAN』などで、実際に撮影隊の前で、日本や海外の万引き犯を捕捉していますが、撮影現場で捕まえるのは大変ですか?

伊東 『おたすけジャパン』(※海外で困っている人のところへ日本のプロフェッショナルが派遣され、お助けするというバラエティ番組)でインドネシアのスーパーに行ったときは、現地のコーディネーターに頼んで、事前に店舗のレイアウトを送ってもらいました。入手した資料を基に「やるならこの辺だろうから、こことここにカメラを置こう」などと打ち合わせてから現地入りしたのです。でも、いざ行ってみたら全然いなかった。そもそも客がいなかった(苦笑)。かなりキツかったですけど、1週間の撮影予定の最終日に、なんとか1人捕まえることができました。

――海外まで行って、捕まえられなかったら絶望的ですね。

伊東 どの国も関係なく、スーパーでの撮影は難しいんですよ。スーパーの万引きは基本的に「人混みに紛れて」ですから。平日の混んでる時間帯に行くと常習者が紛れています。『ジョブチューン』の時は、5日で8人捕まえました。お客さんの多いスーパーでは、1日1人は、万引きする人が必ずいる。 そう信じてやっているわけです。

 こういった撮影を成功させるには事前のリサーチと準備がかなり大事です。その店舗で混む曜日の確認、あと天候ですね。雨が降ると来ないところが多いです。カレンダーで言うと、万引きが活発になるのは給料日前と生活保護の支給前ですね。撮影中も気が抜けません、食事休憩や撮影機材のメディアの交換などで、万引き犯が「普段と雰囲気が違う」と撮影隊の殺気のようなものを感じ取って、バレたりしてしまうんです。なので、撮影で捕まる犯人の多くは空気の変化にまったく気づかない老人、油断している常習犯ばかりになります。

――万引きを実行する瞬間を映像で押さえるには、撮影ポイントに気を使いそうですね。

伊東 まず開店前に下見して、万引き犯が盗りそうなスポットに定点カメラを置いたり、買い物カートに仕込んだりしています。私が一緒に仕事をしているテレビマンたちは、『警察24時』とか詐欺の潜入調査とか、皆さんがテレビでご覧になっているような事件系の番組のスタッフが多いですが、お店にお買い物に来られているお客様に紛れて撮影をすることが初めてなんていう方も。最初は戸惑ったり、挙動不審になったりして、「不審者がいる」と、警備室に通報されたこともありました。

――万引きする瞬間を映像に収めるのは、そう簡単ではないと。

伊東 万引き犯を捕捉する仕事は、言うなれば心を読む仕事です。撮影現場でも、私が万引き犯の心を読んで、その心理的変遷を実況し、撮影ポイントまでガイドしている感じですね。インカムで常に撮影隊同士は会話していますから、ディレクターさんやカメラマンさんが私の声を聞いて動く。「この人ですよー」とか「いま5番通路に入りました」とか「そこ曲がったら入れますよ」とか。

――そうすることで、テレビで流れるような決定的瞬間が押さえられるということなんですね。伊東さんはテレビに出ることでメリット、デメリットって感じたことありますか?

伊東 Gメンの会社としては、メリットってほとんどないんじゃないですかね、高額なギャラというわけでもないし。私個人では撮影隊と長期のロケになったりするわけですが、それが楽しいというのがありますね。

 万引きGメンは1人で仕事をすることが多いんです。デパートなど広い施設だとパートナーと組んで見回ることもありますけど、基本的に1人で仕事をしています。それに前職でも基本的に単独行動が多くて集団で動いたことがなかったんです。そんな中で、長期間を撮影隊と過ごして犯人を捕捉していくのは今までにない新鮮な経験でもあり、学生時代の合宿のような感覚で成功したら達成感があって楽しいんですよ。あとは撮影現場を提供してくれた店長さんから「プロは違うね、ありがとう」と感謝されることがうれしいですね。なんだかんだお金のためじゃないような気がしますね。

――撮影できる犯人は老人や油断している常習犯が多いということですが、テレビでは見られない万引き犯もいるんですか?

伊東 いますね。若い人とか外国人の犯人には、撮影がバレます。同じ人がずっといて、自分の周りを囲んでるから、おかしいと気づくんですよ。万引きをやっても撮影に気づかれて一度バッグに隠したモノを出されちゃったりする。カメラに気づかれて逆に因縁を付けられて、撮影ストップになったこともありました。

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 万引き犯の性質によって、撮影できる犯人、できない犯人がいるというのは驚きである。テレビだけの印象で、「万引き犯=高齢者犯罪」と感じている人もいるかもしれないが、その認識はあらためるべきなのかもしれない。

 後編では、さらにテレビではわからない万引き犯の実像やテレビ出演による苦労、Gメンという仕事について、より詳しく語っていただく。

<後編はこちら>

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伊東ゆう(いとう・ゆう)
1971年、東京生まれ。 フリーライター、万引き対策専門家、万引きGメン。1999年より5000人以上の万引き犯を捕捉してきた経験を持つ現役保安員。『万引きGメンは見た!』(2011、河出書房新社)『万引き老人』(16、双葉社)を上梓すると大きな話題を呼び、『実録!犯罪列島シリーズ』『ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(ともにTBS系)をはじめとする多数の番組で特集された。現役保安員として活躍する一方、講演活動とメディア出演による「店内声かけ」の普及に努め、「万引きさせない環境作り」に情熱を傾ける。

現在、香川大学教育学部特別講師、香川県万引き対策協議会メンバー、北海道万引き防止ウィーブネットワークアドバイザー、岩手県万引防止対策協議会講師、ジーワンセキュリティサービス株式会社取締役会長。

※2018年11月23日初出の記事に追記、編集を加えています。

大阪万博「ミャクミャク」を元サンリオデザイナーが解説「こいつ、悪いやつじゃないな」

 大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」が大きな話題になっている。

 2020年8月に発表されたロゴマークは、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」の「いのち」から「細胞」を連想して作られたというが、この時点でネット上では「かわいい」と「気持ち悪い」という両極端な声が噴出。

 2022年3月にロゴマークを最大限に生かした公式キャラクターのデザインが…

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【東京ドーム、横アリほか】会場別の「安くて使いやすい」おすすめ防振双眼鏡を、ヨドバシカメラ販売員が解説!

 ジャニーズライブやコンサート、舞台公演が目白押しのこの夏。オタク活動に欠かせない「双眼鏡」の購入やレンタルを検討している人も多いのでは?

 サイゾーウーマンでは過去、双眼鏡のプロにおすすめの双眼鏡についてインタビューしていた。プロが選ぶ、ホールクラス、アリーナクラス、ドームクラスの3つの会場にそれぞれ適したモデルはいったいどんなものがあるのか、過去記事を参考に、自分に合った一台を見つけてほしい。

(編集部)


  今やコンサートや観劇の「必需品」となりつつある双眼鏡。“推し”の姿をより近くではっきりと見ようと、夏のコンサートツアーに向けて、購入を検討している人も多いのではないだろうか。

 今回、サイゾーウーマンでは、ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店カメラ専門チームマーケット・イノベーターの川上朋孝さんに取材を敢行。インタビュー前編に引き続き、後編ではホールクラス、アリーナクラス、ドームクラスの3つの会場別におすすめの双眼鏡について話を聞いた。双眼鏡選びにぜひお役立ていただきたい。

* * *

ジャニーズコンサート、ホールクラスでおすすめの双眼鏡2選

――インタビュー前編では、コンサートや舞台観劇には8~10倍の双眼鏡が最適で、対物レンズが大きいものを選ぶことがポイントだと伺いました。では、具体的にNHKホールや帝国劇場など、ホールクラスの会場におすすめの商品はどちらになりますか?

川上朋孝さん(以下、川上) 当店で人気なのは、ビクセンの「アトレックII HR8×32WP」(2万4,640円)という商品。32mmとレンズが比較的大きく、ほかのメーカーの同じスペックの機種よりもボディが小さいことが特徴で、持ち運びがしやすくなっています。

――コンサートになると、2時間ほど手に持つことになりますから、特に女性ファンにとっては、 “ボディの重さ”も非常に重要なポイントになりそうですね。

川上 一方、防振タイプだと、410gと少々重くはなってしまうのですが、ニコンの「STABILIZED 10×25」(7万5,900円)。電源ボタンを押し続けると、「STABILIZED(手ブレ補正)機能」が起動します。10倍とホールクラスの会場にはやや倍率は高めですが、防振なのでやはり視界がブレないというところと、10倍クラスの中ではレンズの前側が大きいので、目が疲れにくいというのが一番の特徴。価格帯も、このレベルの商品としては、比較的リーズナブルです。

ジャニーズコンサート、アリーナクラスの会場でおすすめの双眼鏡4選

――続いて、横浜アリーナや国立代々木競技場第一体育館など、アリーナクラスでおすすめの双眼鏡を教えてください。

川上 ホールクラスで紹介したビクセンの双眼鏡の一つ上のモデル「アトレックII HR8×42WP」(2万8,580円)がおすすめです。42mmと、対物レンズが大きくなりますので、より視界が広くなります。

 また、より手ごろな価格帯のシリーズでは、インタビュー前編でも紹介した、同じくビクセンの「アリーナスポーツMP8×25」(1万4,030円)や「アリーナスポーツMP10×25」(1万5,120円)が、比較的コンパクトかつ使いやすいモデルです。

 一方の防振タイプでは、ケンコーの「VC スマート 10×30」(7万4,800円)がおすすめ。こちらは、ON・OFFの切り替え式の電源なので、ボタンを押し続ける必要がありません。また、接眼レンズ部分の枠がしっかりした作りになっているので、目が痛くなりづらいというところと、対物レンズが30mmと大きくなりますので、見やすくなっています。

――最後に、東京ドームや大阪ドームといったドームクラスでの使用がおすすめの機種について教えてください。

川上 ビクセンの「アトレックII HR10×32WP」(2万6,400円)です。レンズが大きいわりにボディが390gとコンパクトかつ軽量なので、女性の方でも扱いやすいと思います。

 防振は、アリーナクラスで紹介したケンコーの「VC スマート 10×30」ですね。防振双眼鏡自体、そこまで種類が多いわけではなく、ほかの電子機器と違ってモデルチェンジもあまりしないんです。なので、1台買っておけば、長く使うことができるともいえます。

各会場でおすすめの双眼鏡のスペックの詳細はこちら

ジャニーズファンにおすすめ、「一台あればOK」な“イチ押し商品”

――では、「これを持っておくといい」という川上さんのイチ押し商品を教えていただけますか?

川上 金額を気にしないのであれば、ビクセンの「アルテスJ HR10×42WP」(6万3,580円)ですね。42mmとレンズが大きく、非常にいい質のものを積んでいますので、視界も明るくよりクリアに見えることが特徴です。その分ボディが大きく、700gと同じようなクラスのモデルよりもやや重たくなってはしまいますが……。

 なお、ビクセンなど一部のメーカーであれば、5年間の保証がつく商品もあり、さらに長持ちさせたいという方であれば、レンズの中側に曇らないようにするための窒素ガスを装填している防水タイプのモデルをお選びいただくと、ストレスなく安心してお使いいただけるかと思います。

(取材・文=編集部)

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※2022年4月30日初出の記事に編集を加えています。