「1人200万円で売買」「泳いで逃げた少女がいる」――日本に実在した“売春島”の真相

 「島から泳いで逃げた売春婦がいる」「警察や取材者を遠ざけるため客は、みな監視されている」「売春の実態を調べていた女性ライターが失踪した」……。三重県・伊勢志摩の伊勢湾に浮かぶ小さな離島、渡鹿野島(わたかのしま)は、性産業で栄えてきた歴史を持ち、“売春島”として都市伝説のようなウワサがまことしやかに囁かれてきた。その実態を明らかにした『売春島「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ』(彩図社)を上梓したフリーライターの高木瑞穂さんに、その“真相”を聞いた。

■女の子を騙して連れてきて搾取

――まず初めに、高木さんが“売春島”のルポを書いたきっかけを教えてください。

高木瑞穂さん(以下、高木) 1990年代頃からインターネット上に、“売春島”と呼ばれた渡鹿野島にまつわるオカルトめいたウワサが蔓延していました。昨年5月に、この島の目と鼻の先にある賢島が伊勢志摩サミットの開催地になったことで、再び“売春島”が注目を集めました。週刊誌などは、島での売春をタブー視するような取り上げ方をしていましたが、僕は島の歴史を真面目に調べてみたいと思った。実は、5年前にも島を取材する機会があって、売春に関与していたという元ヤクザの人身売買ブローカーX氏と知り合っていたこともきっかけのひとつです。

――本書では、そのX氏をはじめ、複数の関係者に取材されています。実際に、島ではどのように売春行為が行われていたのでしょうか?

高木 島のホテルには「宴会」という独特のシステムがあります。そこに派遣されてきた女の子と、酒の席で仲良くなった客は、女の子のアパートに行ってセックスする。これが、売春島ならではの名物コースです。女の子には、客が支払った料金の何割かが支払われますが、かつてはその取り分からもヤクザにカネが渡る場合も多くあったようです。

――本書内で元ヤクザのX氏は、内地から連れてきた女性を島の置屋に売り飛ばし、荒稼ぎした“手口”を告白しています。

高木 90年代に暗躍したというX氏は、街でナンパした家出少女を自分に惚れさせて、「自分のために稼いでくれ」と言って島に売り飛ばしたといいます。その際、島の置屋からは紹介料として1人200万円がX氏に支払われました。女性の方は、初めから200万円の借金を背負わされ、タダ働きを強いられることになり、オヤジ相手に毎晩カラダを売っても、なかなか借金は減らない。借金を完済するまでは、決して島から出られません。X氏は、この手口を使って、98年に足を洗うまでに30人以上の女性を島に送り込み、なけなしの女の取り分まで送金させるなどして2年間で1億円も荒稼ぎしたと告白しています。彼のようなブローカーが噛んでいた90年代には、こうして女の子を騙して連れてきたり、搾取したり……という事実も、確かに存在したようです。

――最盛期の70年代後半~80年代は、メインストリートは黒山の人だかりだったとか。

高木 当時は働く女性も若く、小さな島に60~70人ほどの売春婦がいたと聞いています。特に、島の顔として栄えていた旅館の「つたや」には、若い女性が20人も働いており、年間5億円近い売り上げになったそうです。バブルの頃は「ドラム缶に札束があふれていた」なんて証言もありました。X氏が暗躍した90年代にも、そういった恩恵は続いていたんです。

――若い女性が監禁同然で島に閉じ込められ、来る日も来る日も無理やりセックスさせられて……。とても現代の日本とは思えない状況ですね。

高木 いえ、僕の取材によれば監禁のような事実は絶対にありません。バンス(前借り)のある子は、緩やかな軟禁状態だったといえるかもしれませんが、バンスのない子であれば島の外にショッピングにも行けたし、女の子同士で飲みに行ったりする自由はあったようです。

――思ったよりも、穏やかな状況だったんですね。

高木 98年に、ある情報誌の女性ライターが、この島の取材中に行方不明になった事件がありました。結局真相はわからないまま迷宮入りしたこの事件を元ネタに、「売春の闇ルートの真相を知ってしまったから消された」など、面白おかしく書き立てた雑誌もありました。また、95年には「死に物狂いで海を渡って島から逃げてきた」という17歳の少女メグミの脱走劇が、週刊誌の記事になっています。彼女が暴露した内容に尾ヒレがついて、ネットを中心に過激なウワサが広まっていったんでしょう。もちろん、島の長い歴史の上には、語られていないようなつらい思いをした女性も存在していたと思います。

――もともと目立った観光地もない渡鹿野島は、昔から性産業で支えられてきたという歴史があるんですよね。

高木 江戸時代から、この島は“風待ち港”として栄え、船乗り相手に夜伽をする女性たちが住んでいました。戦時中には、島に民泊していた航空隊の予科練生が島の商売女と遊ぶようになり、そこから全国に口コミで渡鹿野島のウワサが広まっていきました。

■クリーンな観光地化を図っている

――全国的に売春スポットはありますが、なぜそこまでこの島が賑わったのでしょうか?

高木 風光明媚で飯はうまい、若い女も買える。旅行がてら1泊して、女の子と遊べるような離島というシチュエーションは、ほかになかったと思います。訪れる男にとっては、まさに桃源郷のような島だったのでしょう。

――男性にとっては、ある種のロマンがそこにあったということでしょうか。一方で、島の栄華は長くは続かなかった。2016年に、島の象徴だった「つたや」が、資金繰りに窮して倒産しています。

高木 デリヘルやソープで気軽にセックスができる時代になり、男性にとってわざわざ島に行く価値がなくなった。女性たちも、都会の風俗で働いた方が稼げますし、代わりに外国人女性が出稼ぎにやってくるようになったことも、衰退の原因のひとつです。性産業で潤わなくなった島からは、ヤクザも手を引きました。でも、まだ細々と置屋はやっていて、10人ほどの女性が働いているそうです。

――現在、島ではかつての売春のイメージを払拭する“クリーン作戦”が行われているようです。

高木 03年に「わたかのパールビーチ」という人工の海水浴場がオープンするなど、クリーンな観光地化を図っています。島がハート型をしているので、“ハートアイランド”という名目で恋愛成就の島で売り出していたりして、少しずつ若いカップルや家族連れ客も増えているようですね。

――観光地化に成功して、島が再び活気を取り戻すことが望まれます。

高木 この島が、売春で栄えてきたのは紛れもない事実です。クリーン化が進む一方で、一部の島民には「もう一度島を盛り上げるには、やっぱり売春だ」という声もある。僕としては、どちらが良いか悪いかというのではなく、ただこの島の歴史を語る上では、売春の事実を避けては通れなかったということを伝えたかったのです。
(森江利子)

『奥様は、取り扱い注意』より深刻!? 合コン相手に性病をうつされ、夫にバレた結果……

 綾瀬はるか主演の連続ドラマ『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)。綾瀬演じる主人公・伊佐山菜美は、特殊工作員という過去を持つ専業主婦で、同じセレブ住宅街に暮らす、主婦友の大原優里(広末涼子)や佐藤京子(本田翼)とともに、主婦の間で起きるさまざまなトラブルを解決していくストーリー。

 11月15日放送の第7話では、菜美は主婦仲間の友恵(霧島れいか)から、人を探してほしいと頼まれる。そんな中、京子には、夫・渉(中尾明慶)の浮気疑惑が浮上。一方、夫・啓輔(石黒賢)の態度に耐えかねた優里は、罪悪感を持ちながらもママ友に誘われた合コンに向かう……という展開だ。

「合コンにハマって、散々な目に逢いましたよ」と語るのは、裕香さん(仮名・30歳)。裕香さんがのめり込んだのは「街コン」。店側が協賛し、街ぐるみで行われる大型の合コンイベントだ。

「普通の合コンと違い、『アラサー限定街コン』や『セレブ男性と出会える街コン』など、多数のジャンルがあるのも魅力的でした。昼に開催されるものも多いので、夫にバレずに参加できるのもよかったんです。主婦でも、独身を装って参加している人は多かったですね」

 裕香さんと夫は、同じ大学を卒業した後に結婚した。合コンと無縁だった学生生活の反動が、街コンにハマった理由だと話す。

「大した社会人経験もないまま結婚したので、サラリーマンの男性に憧れていました。学生時代の子どもっぽい男子と違い、街コンで出会った男性は、すごく魅力的に見えましたね。褒め上手で気前が良く、遊び方もスマート。初めは、独身の友人に誘われて仕方なく行った街コンですが、気がついたら私の方がハマっていました」

 「チヤホヤされることに慣れてなかったので、うれしかった」と話す裕香さん。街コンでの異性との出会いが、肉体関係に進展するまでに時間はかからなかった。

「大人数で行われるので、どの街コンでも必ず1人はタイプの男性がいました。連絡先を簡単に交換できるのが街コンの趣旨なので、カッコイイ人を見つけたら、すぐに交換していました。その日のうちに連絡を取り合って、ホテルへ行ったこともあります。突発的な浮気なので、夫にはバレなかったです。事が済んだら、相手の連絡先は消して、二度と会いませんでしたし。夫に不満があったわけではなく、学生時代にできなかった経験を楽しんでいた感じですね」

 月に2~3回、街コンへ出向き、不特定多数の男と、その日限りの関係を持ったという。しかし、そんな生活は、思いがけない結末を迎えた。

「ある日、夫と久しぶりにセックスをした後、『アソコの様子がおかしいんだけど……』と言われました。もしや、と思い病院へ行ったら、性病に感染していたのです。風俗どころかロクに飲みにすら行かない夫に疑いの余地はなく、すぐに私だとバレてしまいました。女性側にはあまり症状が出ない病気だったので、全然気づかなかったんですよね。街コンで知り合う男性とは避妊具をつけていたので、オーラルセックスによって感染したんだと思います。誰から感染したのかも、まったくわかりませんでしたね……」

 不倫と違って責める相手もいなかったので、夫の怒りは収まらなかった。裕香さんは平謝りして、どうにか離婚だけは免れたという。病気自体は1週間ほどで治ったが、その後の代償は大きかった。

「家の財布は夫が握るようになり、私は月2万円のお小遣い制に。街コンどころか、友達とランチすら行けません。さらに、携帯のロックをかけるのは禁止。1日の行動はすべて夫に報告……など。これって、ドラマの啓輔並みのモラハラですよね?」

 妻の浮気で性病をうつされてしまったのだから、夫が極端な行動に出てしまう気持ちはある程度、理解できなくもない。しかし、不満を口にする裕香さんは、それほど反省していないように見えた。たまには息抜きしたいという主婦の気持ちもわかるが、火遊びはほどほどにすべきだろう。
(カワノアユミ)

赤西仁、木村拓哉、石原さとみ……「英語発音指導士」が“ペラペラ”芸能人を辛口診断!

 日本国内では、発音があまりきれいでなくても、芸能人が英語を話していると「すごい!」「ペラペラ!」と尊敬され、巻き舌を駆使して英語っぽく聞こえていれば、たいていの日本人からは「発音すごい!」と評価してもらえるだろう。映画祭などでの英語スピーチも同様だ。必死で覚えてきた英語の文章を暗記してしゃべるだけでも、「流暢な英語であいさつした」と絶賛されるのが通例だ。しかし、プロの耳からすれば、それらが本当にきれいで正しい発音とは認められない場合もある。

 英語ペラペラ芸能人の発音は本当に正しくきれいなのか? 英検1級、TOEIC(R)980点、TOEICリスニング・セクション30回連続満点の最年少「英語発音指導士(R)」高校2年生の加藤博人氏に芸能人の発音を辛口チェックしてもらった。

■工藤静香&木村拓哉夫妻を比較

 まずは、お子様たちをインターナショナルスクールに通わせているセレブママの代表、工藤静香の英語から。2007年11月放送の『英語でしゃべらナイト』(NHK)に出演した時の英語を聞いてもらった。

「イントネーションも発音も、週に1回40分×5年間くらい英語を勉強してきたレベルです(つまりヘタ)。不自然な巻き舌が耳障り。全体的に語尾を伸ばしすぎです。たとえば『アイム ア シンガー』という際、singerという単語の語尾が長すぎます。シンガァアア~な感じです。全体的に語尾を上げて伸ばしてしゃべるのは、英語に自信がない人の特徴ですね」

 では、夫の木村拓哉はどうなのか? キムタクも「英語が上手」というウワサがある芸能人の1人ではある。

「静香さんよりは良いですね。日本語のしゃべり方と英語のしゃべり方が似ています。不自然な巻き舌などはなさそうですね。ただ、発声はいまいちですね。英語発音特有の口の筋肉を使うことができていません。アメリカ英語は特に、おなかから声を出す感じなんですが……それができてないですね」

■赤西仁の英語は本物!

 06年に語学留学で渡米し、その後KAT-TUNを脱退して以来、アメリカでの音楽活動にも積極的な赤西仁はどうか? YouTubeで見つけたファンが作ったと思われる「赤西仁の英語ヒストリー」という動画でジャッジしてもらった。

「発音はきれいですね。ちゃんと英語を発音するための口の筋肉を使っています。アメリカでの生活が長いようですから、しっかりと地に足の着いた英語です。赤西さんの英語は年々、その進化がわかることがすごいです。07年頃に最初のブレークスルーが来ていますね。さらに16年にも発音力、流暢さがアップしています」

 俳優の鈴木亮平は難関の東京外国語大学外国語学部欧米第一課程英語専攻を卒業している、かなりガチな英語話者。ドイツ語や中国語も堪能だ。大学時代には、NHKで英語での受け答えをする電話問い合わせのアルバイトを3年していた経験があるという。14年8月、日本外国特派員協会で映画『TOKYO TRIBE』について記者会見した動画をチェック。期待できそう!

「今回聞いた芸能人の中では、最も発音がきれいです。話す内容や文法も正しくて、“正しい英語”を使い慣れていますね。発声も日本語とは違う場所から出ている感じで、ホントの英語を話しているんだなという印象です。素晴らしいです」

 北川景子が06年のハリウッド映画に出演していたことはあまり知られていないが、『間宮兄弟』で映画デビューして4カ月後に、『ワイルド・スピード X3 TOKYO DRIFT』にちょい役で出演している。ファンからは英語がすごくできると思われているようだが……。実は英語をしゃべっている動画が少なく、YouTubeにアップされていたワイナリーを巡る番組で発見した英会話シーンで診断。

「検証が正しいかどうかはわからないのですが……しかし、『oh!』『wao』『Hhh』などの言葉が多く、センテンスとして成立していたのは、『What do you think about it?』だけで、大したことは話せていません。外国人との会話も笑ってごまかしているようなシーンが多いですね。美しい人ですからそれでいいんでしょう」

 福士蒼汰は中学の時に、英語の先生に「発音がいいから、英語をがんばれ」と励ましてもらったことがきっかけで、英語学習に目覚めたそう。彼の発音は実際どうなのだろうか? 2014年のローマ国際映画祭でのスピーチを聞いてもらった。

「スピード感はいいと思います。発音は日本人にありがちな『こもり系』ですね。動画の中で、イタリア語でスピーチをしているシーンがありましたが、あのイタリア語は英語発音が入っていていまいちでした。英語の発声には腹筋を使っていないと思われ、口先だけで声を出しています。英語はもっと、おなかから声を出すのが良いとされているのです」

■英会話講師役も演じた石原さとみは?

 では、映画『シン・ゴジラ』で、日系三世のアメリカ人を堂々と演じていた女優・石原さとみの発音はどうか? ドラマでの英会話講師役、英会話スクールのCMでも英語を披露している。一般的には“英語ペラペラ”の芸能人である。

「正しい英語発音を知らない人には流暢に聞こえる英語だと思います。聴解力は、結構良いですね。発音は残念です。石原さんの発音は日本人英語ではなくて、中華系の英語に似ています。たとえば、teachers(先生の複数形)の発音の場合、石原さんの発音は『cher』が日本語の『茶』になっています。実際には『チェルノブイリ』の『チェ』に近い発音です。LとRの発音も適当ですね。変に巻き舌なので、わざとらしく、そして正しい発音ではありません」

 なかなか厳しく鋭い英語発音ジャッジだったが、読者の皆さんはどんな印象を持っただろうか? 少なくとも「石原さとみは英語が上手!」というイメージは、いったん消した方がいいのかも?

美容アカウントの異様な熱狂――Twitterで“美人になりたい女”の権力争いが勃発する理由

 2015年、Twitterユーザーの女子の間で一大旋風を巻き起こした“キラキラ女子”を覚えているだろうか。ハイスペックで優しい彼氏や取り巻きの男を従え、贅の限りを尽くした生活を送る若くて容姿端麗な女子――彼女たちの日常をつづったツイートには、たくさんの批判が寄せられたものだが、一部熱狂的な信者を生み出したのも事実だ。

 しかし15年末、キラキラ女子アカウントの代表的存在だったばびろんまつこ氏が、詐欺と商標法違反で逮捕。セレブツイートが、全て“虚飾”だったことが発覚し、同時にTwitter上のキラキラ女子ブームは去っていった。

■何が何でも美しくなりたいという強迫観念

 そして、そんなキラキラ女子に取って代わるように、現在一部のTwitterユーザーの女子から注目を浴びているのが、“美容アカウント”である。主に化粧、スキンケア、ダイエット、整形など、美容に関する情報をツイートするアカウントで、「美容垢」と呼ばれている。

 アカウントの主は、中高生から20代の女子が中心で、「このコスメがよかった」「○○というサプリは美白効果が高い」などといった情報のほかに、石原さとみや乃木坂46・白石麻衣といった芸能人の化粧分析、自身のダイエット記録などをツイートしている。一見“美容意識の高い女性”というだけで、キラキラ女子のようなインパクトはないように思えるが、彼女たちのツイートを読んでいると、「私はブスだから、努力して何が何でも美しくなければいけない」といった強迫観念を感じる。その一方、美容意識の低い人を見下すツイートも散見されるのが特徴である。

 美容アカウントの中には、フォロワーが数万人を突破する者も生まれるなど、まるで教祖と化している者も存在する。2ちゃんねるの「美容、整形アカウント」という掲示板では、特定の美容アカウントがウォッチ対象となっており、顔を晒してないアカウントの顔写真が流出すると、「あんないばってツイートしてたのに、ブスだった」などと嘲笑されるケースも。“あのアカウント主は、実際にどんな顔をしているのか”は大きな関心事のようで、ネット上では「美容垢の中の人はブスばかり」などと偏見の目を向ける者も少なくない。

 そんな異様な盛り上がりを見せる美容アカウント。「私もかなりのメイク好きなんですよ(笑)」と語る著述家の湯山玲子氏は、このブームをどのように見るのだろうか? 湯山氏はまず、実は日本人は“美容意識が高い”点を指摘する。

「先日、ヨーロッパを訪れたとき、化粧品などが売っているドラッグストアのようなお店に入ったところ、驚くべきかな、なんと化粧水が置いてないんですよ。保湿アイテムも、棚に数本あるだけ。ドレスアップ時やデート以外はフルメイクもしないしね。それに比べると、日本は異様ですよね。マツキヨの棚で、化粧水だけで一体どれくらいあるのよ? という感じ」(湯山氏、以下同)

 当然、ヨーロッパにも美容意識の高い人はいるだろう。しかし、日本のように、誰もが気軽に入れるドラッグストアのような場所には、美容アイテムが集まっていないというのだ。「女は美しくあった方がいい」――日本女性の多くが、そういった価値観の上に立っていることが浮き彫りになる。

「日本人女性は、『みんなと一緒でいたい』という思いを持ちつつ、『共通の価値観上で、ちょっとだけマウンティングしたい』といった面を持っているように思います。そもそも日本では、『マウンティングはいけないこと』とされ、実力で上に行く人物を、嫉妬で引き摺り下ろすようなところがある。さらに現在、世の中が不景気なので、上に行くようなチャンスすらない。ただ、そんな中でも、ちょっとだけ『あなたと私は違うのよ』というのを示したいという欲望があるのではないでしょうか。そういった女の一面を、美容アカウントには感じますね」

 なぜ、こうしたマウンティングのネタに美容が使われるのだろうか。湯山氏は、「私の青春時代は、まさに差異の時代で、『人と違った方がいい』とされ、ファッションで違いを出そうとしていました。今は、むしろ個性に繋がるような差異を嫌がる。ファッションはお金がかかるし、あまりにファッショナブルになると、周りから引かれて、グループを追放されてしまう」と述べた上で、「美容は、ファッションに比べて手を出しやすい」と分析する。

「美しい女という存在は、メディアなどから、みんなに共通の価値観がある、ということが重要なのです。そこを全員が信じているわけだから、マウンティングがしやすい。化粧品は値段的にお手頃だし、お金ではなく、努力で美しくなることもできるので、誰でもそのマウンティングに参戦できるんですよ。それに、自分の顔と向き合ってきれいになっていくのを実感でき、他人から称賛され、話題の中心になれるのは快感なんでしょうね。本当に、日本人って向上心が大好きなんですよね(笑)。あと、『女は美しくあった方がいい』『若くて綺麗な女は最強』という、古くからあって、今も廃れていない価値観が根付いているのもポイントです」

 確かに美容アカウントを見ていると、メイクを「自分の個性を表現するもの」ではなく、「美人になるためのもの」と認識しているきらいがある。そんな美人になりたい女たちがTwitterに集まり、その中でヒエラルキーが形成されるのだ。

「不況に陥ると、『おとなしく思考停止状態になった方がいい』『エネルギーが低い人の方がうまくいく』といった処世術がはびこります。そんな時代において、“エネルギーのある女”は生きにくくなっている。エネルギーがあって、“勇気”もスキルも健康な野心もある女は、起業したりして社会的に成功するけど、エネルギーだけがあってそれを実人生に生かすべくの勇気や実行力のない女は、小さな世界のプチ権力者になっていくんですよ。ママ友グループでボスになる、職場でお局になる……Twitterで崇められる美容アカウントは、それと同じなのかもしれません。そんなマウンティングをするエネルギーがあったら、もうちょっと自分の人生を実り豊かにできそうな感じがしますよね。だって、自分で納得のいく化粧品をつくってもいいわけだから。でも、そういうことはしない。面倒臭いし、成功するかわからないし」

 女が健康的にエネルギーを発散できない理由には、男社会の影響もあるようだ。女が社会において、権力を持ち、上に行くことがよしとされない……そんな背景から、小さな世界での“プチ権力”を得ようと躍起になってしまうのかもしれない。

 ただ、美容アカウントによって美しくなり、プチ権力を得たとして、「果たしてゴールはあるのか?」と、湯山氏は疑問を呈する。

「美容アカウントのような現象を見ていると、女性が“逃避”しているようにも思えるんです。会社も親も世間の常識も、もう自分の生き方を決めてくれない今の時代において、若い女性は『自立すること』を強く求められ、『あなたは何をやりたいの?』と問われ続けている。親の教育によって、小さな頃からそういった自立の訓練をしてきた人はいいけれど、だいたいがうまくいっていない印象があります。そこで、“美”という価値観にすがり、『女は美しくなれば幸せになれる。玉の輿にだって……』と、宝くじ当選みたいな可能性を追いかけている。なぜなら、その間は“夢”を見ることができるわけですから」

 美容アカウントブームが浮き彫りにする、女が置かれている切実な現状。ブームが去ったとしても、また新たな“女たちがプチ権力を奪い合う逃避の場”が生まれるのかもしれない。

映画愛をむさぼる悪徳プロデューサーは実在する!? 地方ロケの内情を映画化した『エキストランド』

 映画やテレビドラマの地方ロケに、今や欠かせないのがフィルムコミッション(FC)。ロケ地に選ばれれば撮影クルーが長期間滞在することで地元経済が潤い、映画やドラマがヒットすれば地域のPRになり、町おこし&村おこしにも繋がる。ロケ場所の斡旋からエキストラの募集まで無償で対応するFCは、ゼロ年代に入ってから全国各地で続々と誕生した。だが、そんな地元を愛し、映画製作を応援してくれる人々の善意をしゃぶり尽くそうとする悪徳プロデューサーがいるらしい……。11月11日(土)より劇場公開が始まる吉沢悠主演映画『エキストランド』は、各地のロケ現場で実際に起きているトラブルの数々を盛り込んだコメディタッチの問題提起作となっている。

 本作の主人公は、映画プロデューサーの駒田(吉沢悠)。前作が大コケしてしまい、プロデューサー生命が危うい状況だった。仕事がまるでない駒田は、芸能プロダクションの社長(仁科貴)が税金対策のために製作する映画『フリーター、ひとりで家を建てる』のプロデューサーを引き受けることに。「脚本は一字一句も変えちゃダメ」という無茶な注文だったが、どう転がしても面白くならないこの脚本を無事に映画化できれば、次回作は人気俳優を主演に据えた大作を撮らせてあげると言い含められる。えのき市がFC業務を始めたばかりなことに着目した駒田は、えのき市役所のFC担当・内川(前野朋哉)やボランティアで参加した地元の人々をいいようにコキ使った非道極まりないロケ撮影を始める。すべては、映画プロデューサーとしての駒田の実績づくりのためだった──。

 

 本作を企画し、『東京ウィンドオーケストラ』(17)などで知られる新鋭・坂下雄一郎監督と共同で脚本を書いたのは田中雄之プロデューサー。全国13カ所のFCをリサーチして回ったという田中プロデューサーに、地方ロケで起きているトラブルの実例や本作に登場するような悪徳プロデューサーは実在するのかどうか訊いてみた。

──田中プロデューサーの前作『らくごえいが』(13)も、映画製作の裏側を描いたバックステージものでした。FCを題材にした『エキストランド』は、どのような経緯から生まれた企画だったんでしょうか?

田中 プロデューサーである僕が、映画製作を題材にした映画が好きなんです。岩井俊二さんがプロデュースした『虹の女神 Rainbow Song』(06)が大好きな映画のひとつなんですが、これも映画製作の話です。園子温監督の『地獄でなぜ悪い』(13)や古いところでは『雨に唄えば』(52)も好きです。映画の製作現場ってすごく人間的なところだし、決していいことばかりでもない。描き方によってはコメディにもホラーにもなると思うんです。FCを題材にしたのは、僕自身の実体験から。以前、短編映画をプロデュースした際に「わたらせフィルムコミッション」のお世話になったんですが、ロケ場所のコーディネイトから細かいことまでいろいろと支援してもらい、すごく助かった。逆に四国でロケした際は、たまたま同時期に他の作品の撮影と重なっていたため、地元FCの協力なしで撮影したんですが、とても大変でした。FCなしでの地方ロケは難しい。それもあって、FCの方たちに興味が湧き、各地のFCを訪ねてお話を聞いて回ったんです。取材をもとに最初は僕が企画や脚本を開発していましたが、映画業界以外の人たちにも楽しめるようなエンタメ作品として仕上げるため、脚本開発から坂下監督に参加してもらったのが『エキストランド』なんです。

 

■映画の現場で起きるトラブルのあれこれ

 

──劇中で描かれている映画製作にまつわるトラブルは、実際に起きていること?

田中 映画的に誇張はしていますが、ほぼ起きていることだと思います。映画をめぐるトラブルのいちばんの原因は、外側から見た映画業界の華やかさと、そのイメージとは裏腹な貧しい製作内情とのギャップから生じていると思うんです。国内の映画の製作本数は年々増えていますが、一部のヒットしたメジャー系と赤字続きのインディペンデント系との格差がますます進んでいる状況。でも、映画業界の内情にあまり詳しくない人は「映画はすごい」という印象を持ち、映画のロケ地になれば、日本国中で話題になると思い込んでしまう。映画って、今もある種の魔力を持っているんだと思いますね。吉沢悠さん演じる駒田プロデューサーは、そんなギャップに付け込んでやりたい放題やってしまうわけです。

──プロデューサーの駒田は、ずっと新作が撮れずにいる石井監督(戸次重幸)を起用し、製作費100万円で映画を撮らせようとする。ピンク映画は一本の製作費が300万円だと聞きますが、一本100万円は安すぎませんか。

田中 100万円は、あまりにも安いですよね(笑)。1,000万円くらいだとインディペンデント映画としてリアルな数字かもしれません。坂下監督の「映画業界じゃない人が観ても、ちゃんと安すぎるとわかる数字にしたほうがいい」という意見もあって、映画の設定は100万円にしました。実際の『エキストランド』は製作費1,000万円以上ですが、インディペンデント映画で製作費1,000万円を回収するのは大変です。チケット代1,000円として、1万人を動員しても興行収入は1,000万円。それを劇場と映画とで分けます。映画館に毎日100人を呼び込み、それが100日間続いても赤字になるわけです。ほとんどのインディペンデント映画は製作費を回収できていないんじゃないかと思います。今回の『エキストランド』は、自分たちがやりたい映画をつくるために出資者は募らずに、完全なインディペンデント作品として製作しています。本当にしんどかった。

 

 

──悪徳プロデューサーの駒田は「脚本の善し悪しは一般人にはわからないだろう」と高を括って、ロケ先で無茶振りをする。これはありうる?

田中 FCには3要件というのがあり、その中のひとつで、撮影の規模や内容で優遇や拒否することは禁止されているんです。予算規模が小さいとか、学生映画だからという理由では断れないことになっています。県や市の職員がFC業務をやっていることも多いので、ロケ地のマイナスイメージになる内容だと受けてくれないこともあると思うんですが、脚本が面白いかどうかということは判断材料にはならない。それにFCに申請する際、まだ脚本が完成しておらず、企画書段階で申し込むことが多いと思います。だから企画書にいいことばっかり並べれば、通ってしまう可能性があるでしょうし、脚本がほとんど人目に触れないまま、撮影が始まることもあるようです。でも、だからといって、相手を騙すようなことはしちゃダメですよね。映画製作者とFCは信頼関係で映画をつくっていくわけですから。

──劇中ではエキストラをめぐるトラブルも次々と起きる。エキストラ100人集めるのは、低予算映画では容易なことではない。

田中 人口の小さな町では大人数を集めるのは難しいと思います。映画の撮影現場はスケジュールが押して食事休憩が2~3時間遅れるのはよくあることですが、エキストラとして参加した人でも自分たちがぞんざいに扱われているかどうかはスタッフの対応からすぐわかると思います。スケジュールが押している場合は、きちんと状況を説明するとか、そういうことがあるかないかでわかりますよね。浜松のFCで聞いた話ですが、園子温監督の『新宿スワン』(15)の歌舞伎町シーンは浜松でロケ撮影されたんですが、ロケ日が地元のお祭りと重なって、「沢尻エリカや山田孝之が来ている」と野次馬が集まって危険な状態になり、撮影が一時中断したそうです。ニュースにもなっていました。このとき撮影のために集まっていたエキストラたちがTwitterで「撮影中止」という情報を拡散し、騒ぎが収まってから再び集まって、撮影を再開したそうです。スタッフとエキストラとの信頼関係を感じさせる、いいエピソードだなと思いました。『エキストランド』では「信州上田フィルムコミッション」に協力してもらい、たくさんの上田市の方たちにエキストラとして参加してもらいました。こういう作品を撮っている中で、劇中のようなトラブルが起きてはシャレにならないので、作品内容を事前に丁寧に説明することは心掛けました。例えば、田んぼの中で泥だらけになるシーンで「汚れが目立つ衣装のほうがいいですよね」と、わざわざ白いシャツで来てくれたエキストラの方もいらっしゃいました。エキストラのみなさんに撮影を楽しんで帰ってもらえて、うれしかったですね。

 

■宿泊費&飲食代を支払わない撮影クルーがいる!?

 

──地方ロケで起きやすいトラブルは何でしょうか?

田中 撮影に使ったロケ現場を撮影前の状態に戻さずに散らかしたまま次の現場へ移動してしまう、器物を破損してしまうといったケースはよく聞きます。謝れば済むものではないんですが、「映画なら何をやってもいい」という態度だと必ず問題を起こします。映画撮影は暴力的行為だということを認識していないとダメだなと思います。FCの方もベテランになると「この作品の撮影は深夜まで掛かりそうだな」と予測できる場合は、住宅街から離れた場所を紹介するなど、うまく対処しているようです。FCからいちばんよく聞くのは、やはり金銭トラブル。信じられないことに、ロケ先の宿泊費や飲食代を支払わないまま、ばっくれる撮影クルーがいるそうです。支払うにしても、支払うタイミングでトラブルになることもあるようです。撮影側の都合で、翌々月払いとか、遅いときは映画の公開まで払われないとか。ホテル側からしてみれば、その場で支払ってほしいでしょうから、そのへんのコミュニケーションがとれてないトラブルがあるみたいです。仮にスタッフ30人が一泊5,000円のホテルに泊まったとしたら、1週間で100万円越えてしまう。小さなホテルだと、支払いのタイミングはかなり重大な問題ですよね。

──ずばり、悪徳プロデューサーは実在する?

田中 映画で描かれた駒田というプロデューサーは各地で聞いてきたよくないエピソードの集合体なので、実際にはあんな人物はいないはずです。ただし、自分のキャリアづくりしか考えずに、トラブルばかり起こすあくどいプロデューサーは存在するかもしれません。ジャパン・フィルムコミッションでは年に一度集まって、トラブルにどう対処していくのかスキルアップ研修を開いているそうです。問題が起きていなければ、わざわざ研修をやる必要もないはずですよね。僕個人はプロデューサーの駒田って、『スター・ウォーズ』シリーズの悪役ダース・ベイダーみたいな存在だと思っているんです。最初は面白い映画をつくろうと頑張っていたけど、映画製作に行き詰まってダークサイドに堕ちてしまう。駒田プロデューサーは、ダースベイダーみたいな存在なんです。それもあって、爽やかなイメージのある吉沢悠さんに、この役をお願いしました。駒田は決して根っからの悪人ではないし、僕自身も含めて映画製作に関わっている人間はいつダークサイドに堕ちてしまうか分からない。だから、この作品は自分への戒めでもあると思っています。こんな悪徳プロデューサーは、駒田が最後のひとりであってほしいですね。
(取材・文=長野辰次)

『エキストランド』
監督/坂下雄一郎 プロデューサー/田中雄之
脚本/坂下雄一郎、田中雄之
出演/吉沢悠、戸次重幸、前野朋哉、金田哲、後藤ユウミ、嶺豪一、中村無何有、宇賀那健一、鷲尾英彰、長野こうへい、仁科貴、棚橋ナッツ、古川一博、芹澤興人
配給/コトプロダクション 11月11日(土)より渋谷ユーロスペース、上田映劇ほか全国順次公開
(c)Koto Production Inc.
http://extrand.jp

●田中雄之(たなか・たけし)
1982年東京都生まれ。慶應大学を卒業後、博報堂に入社。映画を中心にコンテンツ×企業のタイアッププロモーションを多数手掛ける。博報堂を退社後、2011年より東京芸術大学大学院映像研究科に進学し、落語を題材にしたオムニバス映画『らくごえいが』(13)を企画プロデュース。卒業後に「コトプロダクション」を設立。監督&プロデュースした短編映画『FIVE PERCENT MAN』は現在各地の映画祭に出品中。その他のプロデュース作に清水崇監督の『雨女』(16)、エグゼクティブプロデュース作としてサンダンス映画祭ショートフィルム部門大賞を受賞した『そうして私たちはプールに金魚を、』(16)などがある。宮崎大学地域資源創成学部の講師も務めている。

「高学歴女子は患者数65倍」「ダイエットとは別物」専門医師が語る、摂食障害の原因

 元AKB48の光宗薫が摂食障害や心身の不調を告白し、10月から芸能活動を休止中だ。また、アイドルグループBiSのプー・ルイがダイエット企画にて減量に失敗。マネジャーから「ブタ!」とののられる動画が話題となり、「摂食障害を引き起こす恐れがある」と警鐘を鳴らす専門家の声も見受けられた。こうした現状に対して、一般社団法人日本摂食障害協会副理事長の鈴木裕也医師は、「いわゆる一般のダイエットと摂食障害(拒食症、過食症)は別物」と、きっぱり指摘する。鈴木医師に、摂食障害とダイエットの違いや、世間に広まっている摂食障害への誤解について教えてもらった。

■芸能界は男女のトラブルが起こりがちで、摂食障害が多い

――最近、アイドルの摂食障害や過剰なダイエットに関するニュースが話題です。

鈴木裕也医師(以下、鈴木) 芸能人の摂食障害は、昔から多いんですよ。有名な女優や歌手も、恋愛の心の傷から摂食障害を患いました。惚れた男性から優しくされていた最中にポイッと捨てられたときの、女性の心の傷はとても深い。美男美女の多い芸能界は、そのような男女のトラブルが極めて多い世界なんでしょうね。

 また、一般女子については、偏差値の高い学校の女子に摂食障害の発生が多く、私の病院の外来に来た患者さんの学歴を調べたところ、一番偏差値の低い37~41の高校出身の患者さんの数を1としたとき、偏差値73の高校出身の患者数は65倍だったんです。

 この結果から、摂食障害を患いやすい人の特徴は、頭が良く、親のしつけがしっかりしていて真面目な子であることだといえます。学校の先生など教育者の子どもにも多く、進学を目指して勉強ばかりしていると、遊びや多様な人と付き合う機会が少なくなるからではないかと思います。

――フィギュアスケートの鈴木明子さんや、マラソンの原裕美子さんのように、スポーツ選手にも摂食障害は多い印象を受けます。

鈴木 スポーツ選手も多いですね。有能な選手なので期待されている。でも、練習がとてもつらい。二流・三流の選手ならサボったりやめたりできますが、日の丸を背負っているような一流選手は、やめるわけにはいかない。スポーツ選手の摂食障害は、選手のメンタルを考えず「やれ! やれ!」と、とにかくムチを打つようなコーチに責任があります。

 おそらく、一般の人は、真面目な頑張り屋さんが摂食障害になりやすいことを知りません。「ダイエットなんて馬鹿なことをして摂食障害になったんだろう」といった見方をしている人が多いでしょう。しかし、ダイエットと摂食障害は別物です。

――時折、摂食障害を扱った番組が放送されていますが、「ダイエットをきっかけに、気づいたら摂食障害になっていた」という内容のものが多い印象です。これは誤った情報だということでしょうか?

鈴木 患者さん本人はダイエットだと思っていますが、実はダイエットではありません。本人がダイエットだと思っている奥には別の原因があります。人間は、だいたい15歳くらいで、50キロ前後の大人の体になります。でも、馬は4~5年で体重が400kg前後の大人になります。なぜ馬は5年で大人になるのに、人間は15年かかるのでしょう? 動物の脳を、コンピュータにたとえるとわかります。馬の脳はそんなに複雑な構造をしていないので5年で出来上がってしまいますが、人間の脳はレベルが高く、ソフトもたくさん入れなければなりません。

 ようやくコンピュータが出来上がり、「さあ、一人前の大人として社会に出よう」となると、越えなければいけない、さまざまな人生のハードルにぶつかります。そのようなとき、普通ならばソフトをバージョンアップして、乗り越えていきます。しかし、どうしても乗り越えられない場合、グレたり横道にそれたりするという方法もありますが、偏差値の高い高校の真面目な子たちは、横道にそれるわけにもいかない。そこで「このコンピュータではダメだから、いったん戻る」という選択肢を取ります。体重を思春期前、10歳くらいの数字まで減らし、生理も止めて、「大人ではない準備中の体」で安心感を得るのです。これが拒食症の本質です。従って、拒食症の患者さんは、自己評価が低く、常に相手の機嫌を損ねないよう、争いが起きないように生活をしています。摂食障害を患った患者さん本人は、このことに気づいていないので「ダイエットしていたら、こんなふうになっちゃって、この体重から1キロでも増えると怖い」と言います。

 患者さんたちは、体重が落ちたときは元気なんです。体重が増えて大人の体に近づくと、ビクビクしちゃう。骨と皮のような体でゴルフを楽しんでいる芸能人の写真が週刊誌に載ったことがありましたが、あれも痩せた体だから元気だったんです。

――でも、そこまで痩せてしまうと体力が落ちて、ゴルフのようなスポーツはできないのではないかと普通は思いますが……。

鈴木 人間などの哺乳類は、飢えに強いんです。飢えたオオカミはアドレナリンがガンガン出て攻撃力が増し、獲物を捕まえて食べて命をつなごうとする、最後の力が出るんです。人間もそれと同じで、摂食障害で痩せていても気持ちが安定していれば、むしろ通常の人よりも過活動になります。

――今年の8月、マラソン元日本代表の原裕美子さんが万引で逮捕された背景には摂食障害があったという報道を見ました。摂食障害と万引の関係性を教えてください。

鈴木 私の患者さんでも、下剤を万引する人がいました。体重を落とすために下剤を飲むのですが、毎日100錠というとんでもない量なのでお金がかかります。もちろん、体にも負担はかかりますが、そこまでしてでも体重を維持しないと怖いと、みんな言います。

――単純に、お金がもったいなくて盗むんですか?

鈴木 違います。人間の脳にはもともと、怒りっぽい人格や泣き虫な人格、そのほか、いろんな人格が混在しています。それらを取りまとめている総監督が「自分」です。ところが、「自分自身」にいろんな悩みごとがあると、ほかの人格のコントロールが利かなくなり、あるひとつの人格が勝手に突出して、その人格が万引や暴力といった問題行動を起こしてしまうのです。

 万引した患者さんに聞くと「盗むつもりはなかったのに、いつの間にか商品を盗んでいて、『まずい!』と気づいたときには店員さんに『もしもし』と声をかけられてしまった。ただ、声をかけられたときはもう、万引をした人格は引っ込んでしまっていて、『自分』が謝り、責任をとらされることになってしまう」などと言います。

――摂食障害は1980年代から増えたと聞いたことがあるのですが、何が原因なのでしょうか?

鈴木 これは、1980年代に病院で診察を受ける患者さんが増えたという意味です。それまでも摂食障害自体はありましたが、認知度が低く、病院に行っても「きちんと食べましょう」としか言われてこなかったんです。しかし、1983年にカーペンターズのカレンが摂食障害で亡くなったことや、解説書などが出版されて、世間に摂食障害が知られるようになりました。

――摂食障害は、薬などで治療するのですか?

鈴木 心の傷が原因なので、薬では治りません。医師が患者さんの話を聞いてあげて、一緒に原因を探っていって、本人も病気を正しく理解し、納得することが第一歩です。そして、私の場合は「あなたはダイエットのつもりだけど、実は違うんですよ」という話をして、1人ひとりそれぞれ、その人の抱える問題点や悩みを解決していきます。

――摂食障害の予防や対策は、あるのでしょうか?

鈴木 ただただ受験勉強するだけでは、さまざまな人生のハードルを乗り越える抵抗力を身につける機会が不足します。やはり親は、育て方を考えねばなりません。いろいろな形で人とたくさん交流をして「自分」というものを築き上げるためには、小さい頃はきょうだいで、もう少し成長したら小学校でというように人との付き合い方を学び、年齢とともにプロセスを踏んで大人にならないといけません。今は一人っ子が多いから、それも抵抗力を下げる原因のひとつですね。現代は、大人への準備がうまくいっていない時代なのだと思います。
(姫野ケイ)

鈴木裕也(すずき・ゆたか)
一般社団法人日本摂食障害協会副理事長。慶應義塾大学卒、同大学院修了(内科学)。元埼玉社会保険病院院長・名誉院長。著書に『拒食、過食のながいトンネルをぬけて』(女子栄養大学出版部)。

『奥様は、取り扱い注意』より悲惨!? パート仲間に“窃盗”を疑われ退職、「真犯人」は風俗落ち

 綾瀬はるか主演の連続ドラマ『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)。特殊工作員という過去を持つ専業主婦の綾瀬演じる主人公・伊佐山菜美が、同じセレブ住宅街に暮らす、主婦友の大原優里(広末涼子)や佐藤京子(本田翼)と共に、主婦の間で起きるさまざまなトラブルを解決していくというストーリー。

 11月8日放送の第6話では、菜美がフラワーアレンジメント教室に通い始め、そこで出会った冴月(酒井美紀)に、菜美は町の広報誌の取材を申し込まれる。取材当日、菜美が冴月の家へ行くと、なんとリビングには冴月の夫・達郎の死体が! 現場の状況から「容疑者の1人」として捜査に協力することになった菜美は、自らの手で事件を解決しようとする……という展開だ。

 殺人とはいわないが、無実の窃盗の罪をかぶせられたと語る聡美さん(仮名・28歳)。その濡れ衣のせいで、聡美さんは勤めていたパート先を辞めるハメになった。

「子どもの受験のためにパートを探していて、見つけたのはショッピングモールに入っている子ども服店でした。パートスタッフは主婦ばかり。そこで出会ったのがAさんで、私と年も近いのですが、勤務歴も長く、パートの中ではリーダー的な存在。見た目は少しギャルっぽいけど、新人の私にも優しかったです。お茶に誘ってくれたり、子どものお下がりをくれたりしました」

 Aさんと仲良くしていた聡美さんだったが、ほかのパートスタッフから忠告を受ける。

「『Aさんとはあまり仲良くしない方がいい』と言われたんです。理由を聞くと、『あまり良いうわさを聞かないから』としか教えてもらえませんでした。今思えば、Aさんはリーダー格でしたので、それ以上は言えなかったのかもしれません。店長は店の雰囲気に厳しい人だったので、スタッフは皆、表向きは和気あいあいとした空気を演じていましたね」

 そのうわさは、さほど気にしなかったという聡美さん。だが、勤めて半年ほどたった頃、事件が起きた。

「その日、夫が子どもを連れて実家に帰っていたので、ラストまでシフトを入れてたんです。ラストまでいたのは私1人だったので、レジを締めて帰りました。1日の売上金は本社の金庫に入金するのですが、釣り銭用の固定のレジ金は10万円残すんです。パートを終えて、私も夫の実家へ帰りました」

 数日後、出勤すると聡美さんは店長に呼び出された。

「なんと、店のレジ金が2万円ほどなくなったと言うのです。しかも、なくなったのは私がラストまでいた日。まったく身に覚えがありませんでしたが、店長には『聡美さんが犯人と疑っているわけではないけれど、休んでいる間にそういううわさが流れていて……』と言われました。その日はとりあえず働くことになったのですが、Aさんの態度が明らかによそよそしいというか……、もしかしてAさんがうわさを流しているのかな、と思いました」

 結局、誰が犯人という確たる証拠も見つからなかったが、聡美さんはパートを辞めることとなる。

「辞めたくなかったのですが、私のせいで空気が悪くなっている気がしたので辞めることにしました。店長は『辞めなくていい』と言ってくれましたが、本社から何か言われていたのかもしれません。辞める時に、Aさんから『せっかく仲良くなれたのに寂しい』とメールが来ました。それを見て、どこか腑に落ちない自分がいましたね……」

 その後、新たにパートを見つけることができた聡美さん。しかし最近、以前のパート先の店長から連絡があったという。

「あのレジ金の犯人がわかって、なんとAさんだったそうです。私が辞めた後にも同じことがあって、本社がこっそり適切な位置に防犯カメラを設置して判明したらしいのです。ほかにもAさんは棚卸しの時に服を盗むなど数々の余罪が見つかり、本社が被害届を出したそうです。“子どものお下がり”と言って、私にくれていた服も、もしかして盗んだ物だったのかも、と思いました。Aさんのことを忠告してくれていた人は、気づいていたのかもしれませんね」

 聡美さんの疑惑は晴れたので、店長から「戻ってきてほしい」と言われたという。Aさんは、その後どうなったのだろうか?

「本社から被害届を出されたことが原因で旦那さんと離婚したそうです。さらに窃盗の罰金として、数十万円の支払いを命じられたようで、今は人妻系の風俗店で働いていると聞きました。この前、少し気になって、Aさんが働いている店の口コミが書かれているネット掲示板を見たら『客の財布から金を盗んでクビになった』と書いてありました。手癖の悪さは相変わらずのようです。Aさんには優しくしてもらいましたが、すべては自分に疑惑が向かないための行動だったのかと思うとゾッとします。これから、あまりにも外づらの良い人は信用しないようにしたいですね」
(カワノアユミ)

盗まれた3000万円、妻からの慰謝料請求、“パパ”がヒモ化――女が「愛人」をやめるとき

 お金持ちのパパからブランドバッグを買ってもらったり、お手当てをもらったりと、一見“おいしい話”に思えるのが愛人である。しかし、いい思いばかりできるとは限らない。時にはひどい目に遭う女性だっているのだ。

 今回は、愛人になったばかりにひどい目に遭ってしまった女性たちを紹介しよう。

 3000万円近いお金を愛人男性に盗まれた

「最近、愛人業は廃業したんです。ちゃんとした彼氏ができたので……。できたら結婚したいですし」

 と語るマキさん(仮名・31歳)。つい数カ月前まで、愛人業のほかに風俗勤めをしていた。それには、ある理由があったという。

「借金ができちゃったからなんです。実は、初めて愛人になった人にお金を盗まれてしまって。最初はお金をくれていたので、すっかり安心していたんですが……」

 マキさんは、大学時代から風俗を始め、OL時代も副業として続けていた。最初に風俗で働き始めたきっかけは、「友達と旅行に行きたいから、お金を貯めるため」だった。ところが、美少女だったこともあり、あっという間に人気が出たマキさんは、驚くほど高額を稼げる風俗のバイトにハマってしまう。

「ただ、学生時代は実家に住んでいたこともあって、贅沢なものにお金は使わず、ひたすら貯めることに喜びを見いだしていたんですよね。税金を払っていないので、銀行に入れるのは怖かったから、ひたすらタンス貯金でしたが、隠し場所に万札を貯金するのが楽しみだったんですよ」

 お金はみるみる貯まっていった。しかし、社会人になり、3000万円近くが貯まった時、マキさんは精神を病んでしまったようだ。

「朝、起き上がれないんですよ。しばらくは無理して会社に行っていたんですが、もうムリってなって……。会社を一度辞めることにしました」

――貯金もあるし、生活には困らないですね。

「ええ、だからしっかり休めばよかったんでしょうが、なぜか、生活費だけでも稼がなきゃって思っちゃったんです。決まった時間に決められた場所に行くのがキツかったから、愛人がいいかもしれないって、ネットで愛人探し専用の掲示板や出会い系に書き込んで相手を探したんです」

――そういった場所で、本当に見つかるの?

「単なる冷やかしのような人もいれば、本当に愛人を探している人もいるし、いろんな人がいますよ」

 だが、運悪くマキさんが最初に出会ったのは詐欺師だった。

「最初はお金をくれていたんです。でも、途中から『今月ちょっと厳しくて』ということが増え、『俺の経営している会社がやばいんだ』と言って、ウチでデートするようになったんです。付き合って半年くらいたっていたので、私も信用し始めていたから、合鍵なども持たせていました。ところが、ある日、ちょっと近所に買い物に行って帰ってきたら、彼がいなかったんです。そして、そのまま音信不通になりました」

 そして、生活費を取り出そうと、金庫を開けた時だった。

「3000万円近く貯めたお金が空っぽになっていたんです。銀行に貯金もないし、お財布にもほとんど残っていない。焦りましたね」

 彼の電話はすでに通じなくなっていた。もらった名刺の会社の所在地には別の会社が入っていて、前に見せてもらった免許証の住所には、やはり他人が住んでいた。もちろん、名前をネットで検索しても一切何も出てこない。すぐに彼を探し当てるのは難しそうだと、当面の生活費として知人から借金をしたり、カードのキャッシングなどで100万円を工面した。

「それからは、借金を返すために必死ですよ。風俗と愛人の掛け持ちで。100万円の返済自体は3カ月くらいで終わりました。でも、失ったお金は大きいですね。悔しいので探偵で探してもらったんですが、なんと、免許は偽造らしく、記載されていた名前で、その生年月日の人はいないらしいんですよ」

 その後、2年間必死で風俗と愛人で働いた。貯金も3000万円には届かないが、再びある程度貯まってきたという。将来の展望について聞くと、「今の彼と結婚して、普通の仕事をしながら地味に暮らしたいですね」と話す。

■ヒモ化する「パパ」
 アカネさん(仮名・26歳)が愛人として交際していた男性は、関係の半ばから“ヒモ化”したという。

「最初はお金を渡してくれてたのに、途中から『今日、持ち合わせがなくて今度でいい?』ってことが出てきて、さらには食事の時などに『ごめん、立て替えてくれない?』となっていきました。そこそこいいレストランなので、2人で食事をすると、3万円くらいするんですよ。正直、『え? なぜ、私が?』って思ったんですが、現金も持ってないし、カードも限度額いっぱいって言われたら、私が払うしかないじゃないですか。食い逃げで捕まるとか恥ずかしすぎるし。でも、そういうのが重なって行って、最終的に20万円くらい私が立て替えている状態になってしまったんですよね。結局、立て替えたお金は返ってこなくて、大げんかして、揉めに揉めて別れました」

 タカられただけなら、まだマシなのかもしれない。というのも、つぎのナナミさん(仮名・28歳)のケースは、愛人業どころか、もはや不倫以下かもしれない。

 ナナミさんが最近別れたパパと出会ったのは、約1年前のこと。友人の結婚式の二次会でナンパしてきたのがその相手だ。

「学生時代に同じサークルだった友達の結婚式の二次会に、同じ大学だった子と一緒に行ったんですが、そこで新郎側のバイト時代の友人だという人と知り合いました。10歳年上で、飲食店をいくつか経営していると話していました」

――それくらいの歳の差だと、愛人より恋人関係になるんじゃない?

「そうですね。だから、そんなに高額はもらっていません。デートするたびに、『ハイ、タクシー代』って感じで1万円もらったり、ウチでデートした時は、『ご飯作ってもらったから』みたいな感じで3万円くらい置いて帰るくらいのユルい愛人関係でした。でも、月にすると5~10万円にはなるので、普通のOLだった私にとっては、結構いい副業だったんですよね。それに不倫ってイヤだったし、相手に対して恋愛感情も持っていなかったし」

――恋愛感情がないんだったら、キャバクラで働いても同じか、それ以上に稼げそうだけど。

「飲食店の経営者ってこともあって、自分の知らない世界のことを知っているし、おしゃれなお店に連れて行ってもらったりして、それは楽しかったんですよね。見た目的にも悪くないっていうか、むしろおしゃれで、『私のパパ的な人♪』って写メ見せると、『え、格好いいじゃん! いいなー、こういう人、私にも紹介して』みたいに言われるのも気分良かったんですよね。それに、インスタとかで、遊びに行ったスポットをアップすると、『いいね』がいっぱいついたりするし。得だけの関係ってうか……」

 そんな軽い気持ちで危うい橋を渡るのがそもそも悪いんだと、説教したくなるが、「お金持ちの彼氏以上愛人未満のパパ的存在との別れ」は1本の電話とともにやってきた。

「しょっちゅうホテルに泊まったり、旅行に行ったりしていたので、『奥さんは大丈夫なの?』ってよく聞いていたんです。彼は、『飲食店の経営をしているから基本生活が不規則なんだよね』って言うので、私はそれを信用しちゃってたんですよね。ところが実はそうでもなかったらしいんです。ウチにも彼の私物とか増えていって、ウチにくる時間も増えて、使ってくれるお金も増えて……って状態になった時でした。彼の奥さんから電話がかかってきたんです。『ウチの人と付き合ってますよね? 別れてください』と。エ! なにそれ! って背筋が凍りつきましたよ」

――なんて答えたの。

「付き合っているっていうか、愛人っていうか、そういう関係なんです。愛人って言っても、そんなにたくさんのお金もらってないですし、本当、奥さんから盗ろうなんて考えてたことないですからって、泣きながら言いましたよ。『あいつ昔から、気に入った女には調子いいことばっかり言うんだよね』みたいに言ってきて、すごい長時間話しました」

――結局、別れるって奥さんに言ったの?

「はい。最悪なのはその後です。どうやら電話を録音していたみたいで、それが不貞の証拠になるって、慰謝料を請求されちゃったんですよね」

――え? じゃあ、もらったお金は彼のところに戻ってくってこと?

「請求されたのは50万円だったので、全部ではないけど、ほとんど戻っちゃいますね。弁護士つけて減額しても、弁護士料と労力考えるとムダだよって、法律に詳しい知り合いから言われて、あきらめて払おうかなと思っているところです」

 不倫関係でもある愛人交際。金持ちの既婚者のパパを作るなら、ある程度しっかりと「仕事だ」と言う意識を持って、覚悟を決めて取り組まないと、思わぬ落とし穴にハマることもありそうだ。
(オフィスキング)

盗まれた3000万円、妻からの慰謝料請求、“パパ”がヒモ化――女が「愛人」をやめるとき

 お金持ちのパパからブランドバッグを買ってもらったり、お手当てをもらったりと、一見“おいしい話”に思えるのが愛人である。しかし、いい思いばかりできるとは限らない。時にはひどい目に遭う女性だっているのだ。

 今回は、愛人になったばかりにひどい目に遭ってしまった女性たちを紹介しよう。

 3000万円近いお金を愛人男性に盗まれた

「最近、愛人業は廃業したんです。ちゃんとした彼氏ができたので……。できたら結婚したいですし」

 と語るマキさん(仮名・31歳)。つい数カ月前まで、愛人業のほかに風俗勤めをしていた。それには、ある理由があったという。

「借金ができちゃったからなんです。実は、初めて愛人になった人にお金を盗まれてしまって。最初はお金をくれていたので、すっかり安心していたんですが……」

 マキさんは、大学時代から風俗を始め、OL時代も副業として続けていた。最初に風俗で働き始めたきっかけは、「友達と旅行に行きたいから、お金を貯めるため」だった。ところが、美少女だったこともあり、あっという間に人気が出たマキさんは、驚くほど高額を稼げる風俗のバイトにハマってしまう。

「ただ、学生時代は実家に住んでいたこともあって、贅沢なものにお金は使わず、ひたすら貯めることに喜びを見いだしていたんですよね。税金を払っていないので、銀行に入れるのは怖かったから、ひたすらタンス貯金でしたが、隠し場所に万札を貯金するのが楽しみだったんですよ」

 お金はみるみる貯まっていった。しかし、社会人になり、3000万円近くが貯まった時、マキさんは精神を病んでしまったようだ。

「朝、起き上がれないんですよ。しばらくは無理して会社に行っていたんですが、もうムリってなって……。会社を一度辞めることにしました」

――貯金もあるし、生活には困らないですね。

「ええ、だからしっかり休めばよかったんでしょうが、なぜか、生活費だけでも稼がなきゃって思っちゃったんです。決まった時間に決められた場所に行くのがキツかったから、愛人がいいかもしれないって、ネットで愛人探し専用の掲示板や出会い系に書き込んで相手を探したんです」

――そういった場所で、本当に見つかるの?

「単なる冷やかしのような人もいれば、本当に愛人を探している人もいるし、いろんな人がいますよ」

 だが、運悪くマキさんが最初に出会ったのは詐欺師だった。

「最初はお金をくれていたんです。でも、途中から『今月ちょっと厳しくて』ということが増え、『俺の経営している会社がやばいんだ』と言って、ウチでデートするようになったんです。付き合って半年くらいたっていたので、私も信用し始めていたから、合鍵なども持たせていました。ところが、ある日、ちょっと近所に買い物に行って帰ってきたら、彼がいなかったんです。そして、そのまま音信不通になりました」

 そして、生活費を取り出そうと、金庫を開けた時だった。

「3000万円近く貯めたお金が空っぽになっていたんです。銀行に貯金もないし、お財布にもほとんど残っていない。焦りましたね」

 彼の電話はすでに通じなくなっていた。もらった名刺の会社の所在地には別の会社が入っていて、前に見せてもらった免許証の住所には、やはり他人が住んでいた。もちろん、名前をネットで検索しても一切何も出てこない。すぐに彼を探し当てるのは難しそうだと、当面の生活費として知人から借金をしたり、カードのキャッシングなどで100万円を工面した。

「それからは、借金を返すために必死ですよ。風俗と愛人の掛け持ちで。100万円の返済自体は3カ月くらいで終わりました。でも、失ったお金は大きいですね。悔しいので探偵で探してもらったんですが、なんと、免許は偽造らしく、記載されていた名前で、その生年月日の人はいないらしいんですよ」

 その後、2年間必死で風俗と愛人で働いた。貯金も3000万円には届かないが、再びある程度貯まってきたという。将来の展望について聞くと、「今の彼と結婚して、普通の仕事をしながら地味に暮らしたいですね」と話す。

■ヒモ化する「パパ」
 アカネさん(仮名・26歳)が愛人として交際していた男性は、関係の半ばから“ヒモ化”したという。

「最初はお金を渡してくれてたのに、途中から『今日、持ち合わせがなくて今度でいい?』ってことが出てきて、さらには食事の時などに『ごめん、立て替えてくれない?』となっていきました。そこそこいいレストランなので、2人で食事をすると、3万円くらいするんですよ。正直、『え? なぜ、私が?』って思ったんですが、現金も持ってないし、カードも限度額いっぱいって言われたら、私が払うしかないじゃないですか。食い逃げで捕まるとか恥ずかしすぎるし。でも、そういうのが重なって行って、最終的に20万円くらい私が立て替えている状態になってしまったんですよね。結局、立て替えたお金は返ってこなくて、大げんかして、揉めに揉めて別れました」

 タカられただけなら、まだマシなのかもしれない。というのも、つぎのナナミさん(仮名・28歳)のケースは、愛人業どころか、もはや不倫以下かもしれない。

 ナナミさんが最近別れたパパと出会ったのは、約1年前のこと。友人の結婚式の二次会でナンパしてきたのがその相手だ。

「学生時代に同じサークルだった友達の結婚式の二次会に、同じ大学だった子と一緒に行ったんですが、そこで新郎側のバイト時代の友人だという人と知り合いました。10歳年上で、飲食店をいくつか経営していると話していました」

――それくらいの歳の差だと、愛人より恋人関係になるんじゃない?

「そうですね。だから、そんなに高額はもらっていません。デートするたびに、『ハイ、タクシー代』って感じで1万円もらったり、ウチでデートした時は、『ご飯作ってもらったから』みたいな感じで3万円くらい置いて帰るくらいのユルい愛人関係でした。でも、月にすると5~10万円にはなるので、普通のOLだった私にとっては、結構いい副業だったんですよね。それに不倫ってイヤだったし、相手に対して恋愛感情も持っていなかったし」

――恋愛感情がないんだったら、キャバクラで働いても同じか、それ以上に稼げそうだけど。

「飲食店の経営者ってこともあって、自分の知らない世界のことを知っているし、おしゃれなお店に連れて行ってもらったりして、それは楽しかったんですよね。見た目的にも悪くないっていうか、むしろおしゃれで、『私のパパ的な人♪』って写メ見せると、『え、格好いいじゃん! いいなー、こういう人、私にも紹介して』みたいに言われるのも気分良かったんですよね。それに、インスタとかで、遊びに行ったスポットをアップすると、『いいね』がいっぱいついたりするし。得だけの関係ってうか……」

 そんな軽い気持ちで危うい橋を渡るのがそもそも悪いんだと、説教したくなるが、「お金持ちの彼氏以上愛人未満のパパ的存在との別れ」は1本の電話とともにやってきた。

「しょっちゅうホテルに泊まったり、旅行に行ったりしていたので、『奥さんは大丈夫なの?』ってよく聞いていたんです。彼は、『飲食店の経営をしているから基本生活が不規則なんだよね』って言うので、私はそれを信用しちゃってたんですよね。ところが実はそうでもなかったらしいんです。ウチにも彼の私物とか増えていって、ウチにくる時間も増えて、使ってくれるお金も増えて……って状態になった時でした。彼の奥さんから電話がかかってきたんです。『ウチの人と付き合ってますよね? 別れてください』と。エ! なにそれ! って背筋が凍りつきましたよ」

――なんて答えたの。

「付き合っているっていうか、愛人っていうか、そういう関係なんです。愛人って言っても、そんなにたくさんのお金もらってないですし、本当、奥さんから盗ろうなんて考えてたことないですからって、泣きながら言いましたよ。『あいつ昔から、気に入った女には調子いいことばっかり言うんだよね』みたいに言ってきて、すごい長時間話しました」

――結局、別れるって奥さんに言ったの?

「はい。最悪なのはその後です。どうやら電話を録音していたみたいで、それが不貞の証拠になるって、慰謝料を請求されちゃったんですよね」

――え? じゃあ、もらったお金は彼のところに戻ってくってこと?

「請求されたのは50万円だったので、全部ではないけど、ほとんど戻っちゃいますね。弁護士つけて減額しても、弁護士料と労力考えるとムダだよって、法律に詳しい知り合いから言われて、あきらめて払おうかなと思っているところです」

 不倫関係でもある愛人交際。金持ちの既婚者のパパを作るなら、ある程度しっかりと「仕事だ」と言う意識を持って、覚悟を決めて取り組まないと、思わぬ落とし穴にハマることもありそうだ。
(オフィスキング)

『奥様は、取り扱い注意』より過激!? 家出した主婦が語る、モラハラ夫が企てた驚愕の“SNS人探し”

 綾瀬はるか主演の連続ドラマ『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)。綾瀬演じる主人公・伊佐山菜美は、特殊工作員という過去を持つ専業主婦で、同じセレブ住宅街に暮らす、主婦友の大原優里(広末涼子)や佐藤京子(本田翼)とともに、主婦の間で起きるさまざまなトラブルを解決していくストーリー。

 11月1日放送の第5話では、夫・啓輔(石黒賢)の、何げない一言でたまりにたまった不満を爆発させた優里が、ついに家出を決意。また、同様に夫に不満を抱えた菜美と京子も、優里とともに家を飛び出してしまう。妻の家出に気づいた勇輝(西島秀俊)と渉(中尾明慶)、啓輔が対策を話し合う……という展開だ。

■モラハラ夫に、人前でけなされることも

 ドラマのように家出した主婦、友香さん(仮名・28歳)。友香さんが家出する原因となったのは、亭主関白な夫のモラハラだったと話す。

「生活費は最低限しかくれず、私がパートに行きたいと言っても『嫁を働かすことは家の恥』と言われ、働かせてもらえませんでした。休みの日も、夫は友人や同僚と趣味のゴルフや飲み会に出かけていましたが、私は留守番。お小遣いのない私の唯一の楽しみは、友人とお茶するくらい。買い物も、ほとんどできませんでした」

 夫からのモラハラは、それだけではなかった。

「夫は家に友人を招いて飲み会を開くのが好きだったのですが、お酒と料理を用意するは私の役目。さらに、片付けも私の役目でした。私が少しでも反抗すれば、友人の前で『コイツは本当にできない奴で……』と、けなされました。人前でけなされるのは、夫の両親の前でもありました。義父も亭主関白なので、それが当たり前だと思っているのか、フォローすらしてくれませんでした」

 そんな生活が数年続いた頃、ついに友香さんは怒りを爆発させる。

「地元の祭りの時期に、自治会の役員をしている夫と近所の挨拶回りに行かされました。連日の挨拶回りで疲れてしまい、人前で疲れた顔をしていたら、ものすごく怒られたんです。その瞬間、私の中で何かが爆発してしまい、初めて声を荒らげて夫とけんかしました。『出てけ』と言われたので、じゃあ出て行ってやろうと、夫のいない時間に荷物をまとめて実家に帰ったんです。すぐ実家に連絡が来ましたが、親に『家には帰っていない』と言ってもらいました。親は私の状況を知っていたので、同情してくれたのかもしれません」

 だが、夫がとったのは信じられない行動だった。

「夫と共通の友人から、『夫のSNSが大変なことになっている』とメールが来ました。添付された画像を見ると、『人探しゲームスタート!』と書かれた私の顔写真が……。さらに『見つけた方には懸賞金!』と書いてありました。家出されたことに、よっぽどプライドが許せなかったのでしょうね。ゲーム風にして、軽い感じで探そうとする夫の神経を疑いました」

 夫は地元で顔が広かったため、友香さんの自宅周辺には、彼女を見つけようと大量の人が集まったという。

「今、見つかったら何をされるかわからないと思ったので、親に協力してもらい、真夜中にコッソリ実家を抜け出しました。地元から離れ、しばらく隣町のビジネスホテルで寝泊まりしました。その間に祭りを迎えたのですが、祭りの前日は夫からの着信が鳴りやみませんでした。メールも来ましたが、内容はすべて祭りのことばかり。私に祭りを欠席されると恥をかくと思ったのでしょうね。『祭りの間じゅう、夫のサポートはすべて妻がする』が夫の口癖だったので。謝罪の言葉1つもない夫なんて恥をかけばいい! と思い、連絡はすべて無視しました」

 しかし、地元の祭りの後、夫の嫌がらせは過熱した。

「祭りに参加しなかったことが、相当許せなかったんだと思います。初めは『人探し』だった書き込みが、エスカレートして『この女は犯罪者です』と、私の顔写真が匿名掲示板に書かれるようになりました。掲示板は『殺す』等の言葉はすぐに削除されるんですが、『犯罪者』という書き込みは削除されないんです。さすがに地元の友達も私に同情してくれて、友人を集めて運営側に通報しました。書き込みは削除されましたが、この頃、夫への気持ちはなくなっていましたね。夫の留守中に家に入り、離婚届を置いてきました」

 夫は離婚を渋っていたので、その後、家族同士で話し合うこととなった。友香さんが保存しておいた掲示板の書き込みの画像を見せると、夫はあっさり引き下がったという。

「最後まで、夫から謝罪の言葉はありませんでしたね。多分、あの性格は一生直らないと思います。縁をキッパリと切りたかったので、慰謝料はもらっていません。取ろうと思っても、夫の性格上、よこさないでしょうし……。子どもがいなかったのが唯一の救いですね。結婚してからずっと、夫の元という狭い世界にしかいなかったので、早く就職して社会復帰できるよう頑張りたいですね」
(カワノアユミ)