「精神障害者になると思ってなかった」当事者が語る生活保護受給者の実情

 2017年12月、厚生労働省は国費160億円削減に向け、生活保護支給額の見直しを行った。当初は生活保護水準に対して最大13%減の見直し案を提示していたが、批判が殺到。結局、最大5%減にとどめることを発表した。生活保護に関する話題に関心が高まる中、『この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで。』(イースト・プレス)を上梓した小林エリコさん。休みなく働いて月収12万というブラック企業で働いたことで心を病み、生活保護を受給、そこから抜け出すまでの凄まじい体験を綴った自伝的エッセイとなっている。今回は、生活に困っている人の相談支援活動を行うNPO法人ほっとプラスの代表で、『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』(朝日新聞出版)や『貧困クライシス 国民総「最底辺」社会』(毎日新聞出版)の著書もある社会福祉士の藤田孝典さんと小林さんに、うつ病などの精神障害者をめぐる状況、生活保護やソーシャルワーカー(社会福祉士や精神保健福祉士という国家資格の有資格者の総称)の実情を語ってもらった。

■当事者が自分の経験を発信することは、つらすぎてほとんどできない

――藤田さんは、小林さんの本を読まれて、どんな感想を抱かれましたか?

藤田孝典さん(以下、藤田) 僕は生活に困窮されていらっしゃる方の相談支援活動のNPOを15年ほどやっているのですが、当事者の方が自分の経験を発言するということは、つらすぎてほとんどできていません。僕も貧困に関する本を出しているのですが、当事者ではないので「本人の思いはこうではないか?」と独自に解釈して代弁するしかありません。ある種、当事者と少し距離がある状態で問題と関わってきました。勇気を持って発信してくださった小林さんに、尊敬の念を抱いています。感謝したいです。

――小林さんは、本を出されて、どのような反響がありましたか?

小林エリコさん(以下、小林) 主にインターネット上での反応で多いのは「ひとごとじゃない」ということでした。心を病んだり精神障害者になったりするのは、誰にでも起こり得ることだというのが他の人に伝わったのは、すごくうれしかったです。私自身も10代の頃は、自分が精神障害者になるとは思っていなかったので。

藤田 この本、すごいですよね。僕らのところに相談に来る人は、ブラック企業で心身を病んだり、失職、自殺未遂の中で1つか2つ経験している人はいますが、小林さんはすべて経験していらっしゃって、貧困の要因問題に関するデパートのようになっていますよね。

小林 売るほどあります(笑)。

藤田 これらを僕らは「多問題当事者」または「多問題家族」と呼ぶのですが、まさにその典型のようで、それでいて発信できるのは、自分の中で整理したり、乗り越えてきたりした強さがあるのだろうなと、読んでいて感じました。

――小林さんは生活保護受給時、とてもつらい精神状況だったと思うのですが、心の拠り所などはあったのでしょうか?

小林 本の中にも出てきますが、北海道にある「べてるの家」(精神障害当事者のための地域活動拠点)のソーシャルワーカーがよくしてくれたことです。支援してくれる方や病気のことを理解してくれる自助グループには、すごく助けられました。同じ病気の人と話すことで安心したり、自分の病気がどういうものかを眺めたりする活動によって、社会のつながりができたので、行ってよかったなと思います。

藤田 べてるの家をはじめ、いろんな社会資源がありますが、当事者をそこへ案内するためには、僕らと人間関係を築いてもらわねばならず、そこで、すごく労力を必要とすることが悩みです。当事者の中には支援者を信頼できない人もいて、自分が自助グループに参加しても何も解決しないのではないかという不信感と不安感を抱いているんです。社会資源につながることができたら、ほとんど解決のようなものなのですが、小林さんは、そこにつながるまで大変ではありませんでしたか?

小林 私の場合は、短大のときの教授がべてるの家を教えてくれて、べてるの家に関する本をたくさん読んでいたので、ここなら信用できると思っていました。そして、べてるの家の向谷地生良さんという有名なソーシャルワーカーさんに電話したとき、すごく親身になって話してくれたんです。

 それまでは、私も支援者を信用することはほとんどなかったのですが、向谷地さんは私がかけた電話にすべて折り返してくれるんです。ほかのソーシャルワーカーさんだと出られなかった電話はそのままという人もいるので、向谷地さんなら信用できると思いました。

――信頼できる自助グループをどこで知るかということも大きいと思うのですが、貧困に陥っている方は学歴もない方が多いので、そのような情報を持っていない場合もありますよね。

藤田 僕らのところに来られる方は、高校中退や中学までの学歴しかなかったりする方も多いので、そもそも情報がありません。あとは孤立していて、援助を受ける力「受援力」が弱まっている方もいます。実際に自助グループに行ってみると、支援者の方がたくさんいるし、同じ経験をしている方もいるので、安心したり、次のステップに進めたりするのですが、受援力自体が弱まっていて、僕らが「ここに行きましょう」と案内してもなかなか難しい場合があります。

小林 一歩を踏み出すまでが、すごく難しいというのはありますよね。

藤田 時間がかかりますし、それこそ信頼関係が重要ですよね。

――小林さんが通われていたクリニックは利益重視のひどいところだったと本にも書かれていますが、きちんと治そうとしてくれるクリニックと、そうでないクリニックの見分け方はあるのでしょうか?

藤田 うーん(苦笑)。僕がずっと貧困問題に関わっていて思うのは、ソーシャルワーカーの方がきちんとクリニックに配属され、クリニックの運営に関わっているかどうかです。薬だけを大量に出すようなクリニックは「医学モデル」といって、医療中心なんです。一方、ソーシャルワーカーは、「生活モデル」として見ていて、どうやって生活習慣を変えたり、ストレス環境をなくしたりしていくかに取り組んでいます。

 だから、クリニックにソーシャルワーカーがどのくらい配置されているか、その人たちがちゃんと相談を受けてくれるか、仕事ができているかということで、僕らは判断をします。医師の質というよりは、ソーシャルワーカーがどのくらい活発に動いているかというところです。小林さんが通っていたクリニックには、ソーシャルワーカーさんはいたんですか?

小林 いたのですが、予約を取るのが大変で、2〜3週間待ちでした。藤田さんがおっしゃったような、ワーカーさんと関わったのは、生活保護を受けるときと、車で市役所を往復するときだけで、それ以外は特に困っている点を聞かれることはなかったです。

藤田 僕らが関わっている精神科のクリニックや、済生会の病院などは、医師とソーシャルワーカーがセットなんです。薬についても、医師と意見交換しながら処方について進めていっています。医師とソーシャルワーカーが一緒になり、チームのようにして関わってくれる病院だと、比較的安心で信頼できるかと思いますが、なかなか多くはないです。

小林 ずっとお伺いしたいことがあって、私はずっと男性のケースワーカー(福祉事務所や児童相談所といった公的機関で働く人)だったのですが、女性に替えてほしいと役所の人に言っても、一度も替えてもらえませんでした。そういう場合、替えてもらうことは難しいのでしょうか?

藤田 女性のケースワーカーさんがどのくらいいるかにもよりますが、今は一定数女性の方も増えていると思うので、そういう要望があったら聞いてあげてもいいと思います。生活保護は地区割で、住んでいる地域で担当が決まっています。それも1〜2年で担当が交代するんです。でも、DV被害や性被害の経験があって男性に家に来てほしくない事情があるなら、ケースワーカーを替える措置はあって然るべきだと思います。小林さんの本を読んでいても、女性のケースワーカーの方がいいのではないかと思いました。

小林 そうですね。やはり男性が家に来るのは、抵抗がありました。途中でケースワーカーさんが替わり、最初のケースワーカーさんは玄関口までしか来なかったのですが、次の方は、家の中に上がって「金目のものがないかチェックする」と言いだしまして……。

藤田 それは、はっきり言われるんですか?

小林 言いましたね。タンスの中まで全部見られるのかな……と不安になって、怖かったです。

藤田 法律的には「資産調査」といって、指輪や宝石類、今はなくなりましたが、株券などがないかチェックします。本当は資産があるのに受給をする方がごく一部いるので、それがないよう、調査が厳しくなっているんです。不正受給対策で、相談に来られた当事者を疑って見ることになります。でも、ほとんど大多数が相談に来た時点で困窮していますから、本当はすぐに支援しないといけないのですが、ごく一部の資産を持つ方に支給してしまうと、役所も叩かれます。

 生活保護法が改正され、12年以降は特に調査も厳しくなりました。調査をしっかりして、親族にも連絡をとり、扶養できるのかどうかを確認する「扶養照会」という動きも強まっています。

小林 私も、扶養照会で自分の親きょうだいから「扶養できません」と言われ、生活保護を受けました。

(後編へつづく)

(姫野ケイ)

浜崎あゆみは、なぜ“オワコン”なのに注目を集め続けるのか? ウォッチャーが激論!!

 “平成の歌姫”として一世を風靡したアーティスト・浜崎あゆみ。しかしここ数年話題となるのは、激太りや歌唱力の低迷、過剰な画像修整疑惑に迷走する恋愛など、本業とはかけ離れたことばかり。挙げ句には、ともに一時代を築いた安室奈美恵の引退表明を受けて「芸能界にしがみついている」とまで言われてしまうほど、今やすっかり“オワコン”扱いされている。

 しかしその一方で、それでもなお自分を貫くあゆの姿を、常日頃から熱心にチェックしているウォッチャーたちがいる。今回は、「私たちは、決してアンチではありません」と語るあゆウォッチャーを集め、彼女の魅力や面白さについて語っていただいた。

A……20代半ば女性。あゆの全盛期はあまりよく知らないが、ネット炎上を目にするうち、興味を持つように。「最初はちょっとアンチ目線だったが、一周回ってファンになった」とのこと。
B……30代前半女性。小学校高学年の頃にあゆがデビューし、青春の思い出は全て当時のヒット曲とリンクしている。しかし「全盛期より今の方があゆに夢中です」。
C……30代後半女性。今回のウォッチャー3人中で唯一のコアなファン。ブーム衰退とともに一度ファンを離れたが、5年ほど前から再びドハマり。あゆの生き方についても考察を繰り広げる。

■あゆは致命傷を負ったディーバ

A 私は「rollin’」(2009年発売のオリジナルアルバム『NEXT LEVEL』の収録曲)のライブ映像をネットで見て、あゆに落ちた(笑)。ネットだと「ローリン音頭」って言われてるよね。楠田枝里子みたいな金髪のボブで、アンドロイドのような動きを見せるダンスが本当にツボ。あと、あゆ本人が「私は最先端のパフォーマンスをやっている」って表情をしているのも笑ったなぁ。ああいうあゆのダサさが、たまらなく好き。

B 出た、ローリン音頭(笑)。私的には、Perfumeときゃりーぱみゅぱみゅを、あゆなりに解釈したらああなったのかなって思ってる。ネットで有名な“糸巻きぐるぐるダンス”は、12年のツアーで披露した「Boys&Girls」(1999年発売のシングル)の曲終わりに、客席を煽ってる振りなのよ(笑)。それから、“宙吊りパフォーマンス”も「ボンレスハムみたい」って笑われてたなぁ。あゆって“ギャルの孤独”を歌うようなバラードのイメージが強かったのに、ここ10年で完全に迷走しちゃった。世間では「歌唱力で勝負できなくなった」って言われたり、「ボイトレしろ」とか叩かれたりもしているけど、あゆ自身はどう思ってんだろう。

C あゆはもう、歌うことに興味ないと思うよ。実は昨年、今やってる『Just the beginning -20- TOUR 2017』の第一章を見に行ったの。ライブだと歌よりショーの方に目がいくし、あんまり“歌を聞きに行った”という印象がなかった。そもそも音響も大きいから、テレビほど歌のヘタさが目立たないよね。でもやっぱり高音は出なくて、がなる感じで歌うからドスが利いちゃって、楽しい歌も怖く聞こえた(笑)。あゆは、今回のツアーの第二章で、会場をアリーナからホールに移したわけだけど、バンドを削ってダンサーを残したでしょ。本人も「ショーを見せたい」って言い切っているし、歌で勝負する気はもうないんじゃないかなぁ。まあ、ショーっていっても、“イエスマンたちに囲まれたあゆが、楽しそうにしている様子”を見せられている感じなんだけどね。

A “おはま一座”だね(笑)。 ライブに行ったファンが「ダンサー邪魔」って嘆いているのをよく聞く。セクシーかつキュート、それでいて強い女性であることを誇示したいのか、パフォーマンスでも男性と絡みたがるよね。崇められたい欲求が強いのかも。

B でも、それがかえって笑いのネタになっているという。そうそう数カ月前に、山梨公演映像のネット流出騒動があったじゃん? その映像に映っていた、あゆがダンサーに手を引かれている姿が、ネット上で「介護」っていわれてた(笑)。ステージ演出もお粗末だなぁって思ったし、曲自体も高音が出ないから変な抑揚をつけて歌っててさ、なんともいえないシュールさだった。私、あの流出映像、100回は見たね!! 消されちゃったのが残念すぎる。

A ライブといえば、「衣装もダサい」って叩かれてる。全盛期のままで時代錯誤だって。それを「最高にオシャレ」と思って着ていそうなあたりが、あゆの面白いところなんだけど。

C 私が行ったライブのアンコールの衣装も、パフスリーブTシャツにミスカート&ニーハイだった……。しかもかなり太っていた時期だから、本当にキツかった(笑)。でも、あの体形で、堂々と露出度の高い衣装を着ちゃうあゆは、最高に素敵だと思う。

B あゆは体形の変化に屈せず、常に攻めた衣装を着ているよ。しかも、「アラフォーなのに年甲斐のない」といわれそうな衣装を着ることに、一切エクスキューズがない。思い切りの良さが最高。

C そうそう。逆にオシャレになっちゃったら、あゆの魅力半減だよね。この珍妙さがいい。「周りは『ダサい』と思っているのに、あゆには言えないんだな……」とか、妄想も広がる(笑)。

A よく指摘されてるけど、あゆは自意識が“ディーバ”なんだよ。やっていることブリトニー・スピアーズとか、マドンナの真似。でも、「歌唱力がそんなにない」というディーバとして致命的な欠点を負っているからこそ、これだけ面白い存在でいてくれるんだよね。

■あゆの画像修整は「エイベックスの忖度」説

B ただ、私は1つ解せないことがある。インスタグラムの本人画像をえげつないほど修整しているんだよね。映像と写真で、まるで別人なんだもん。普通タレントって、ネットで叩かれるから、別人レベルの修整ってしないのに、あゆは潔すぎる。頭身から違うからね。しかも、修整を指摘されても、藤原紀香みたいにこっそりすり替えたりしない。

C インスタの画像は修整しまくるのに、あゆはファンにライブ中の写真撮影をOKしてるから、修整なしの画像もいっぱいネットに散らばってるじゃん。それはいいの? 本当に意味がわからない。本人が望んでいるのか、エイベックスの意向なのか……。そもそも誰が画像修整しているのか。謎が深すぎて、考えるほど楽しくなる(笑)。

A ネット上では、自己顕示欲であゆ自身が修整しているってもっぱらのウワサだけど、エイベックスの可能性も高い。あゆがショックを受けないように気を使ってるのかな。でも、あゆ本人は、ファンに“ありのままの自分”を見せたいから、ライブの撮影を許しているとか?

C あり得るよね。太り始めた頃、雑誌のインタビューで「重力に逆らうためには、ワークアウトで筋肉をつけて、食べたいものを食べた方が、髪もつやつやになるし、肌にもいい」みたいなことを言ってて、食べなかった頃の自分を否定しているのよ。だから、あゆ自身は体形を気にしてないのかも。この間も、インスタにお菓子の大量買いをしているストーリーを載せていて、「痩せる気ねーだろっ」っていうツッコミ待ちなのかと思ったもん(笑)。

B だとしたらなおさら、なぜこんなに画像修整をするのかが謎。永遠の謎。でも、謎すぎるから味わい深い。

A あゆが某雑誌の表紙を飾ることになったとき、自ら印刷所まで行って、写真に修整指示を出したことがあるっていう話を聞いたことがある。あと、あゆがあまりに鬼のような修整指示を入れてくるから、デザイナーが混乱しちゃって「もう目の位置すらわかんない」と漏らしたとか……あゆにはいろんな都市伝説があるよね。10年後くらいに、あゆに仕える“修整職人”が暴露本とか出してくれないかな。

■L.A.住まいの頃が、あゆのイケイケ全盛期

B あゆのインスタって、写真に“一行ポエム”を添えるよね。「泣かない夜を過ごせたかな。優しい日を送ってね。」とか「人を求め、人を憎み、人を信じた傷と一緒に生きていく。」とか。あゆの全盛期にはやった、女子高生が自分の不幸な生い立ちとかを綴る“ケータイ小説”を彷彿とさせる雰囲気がある(笑)。ケータイ小説は廃れたのに、あゆの中ではそのまま生きている感じ。「これはどこに響いているんだろう?」と感じさせる、自己満足的なメンタリティがたまらない。

C あの一行ポエム、曲の歌詞を一部抜粋してるパターンもあるのよ。まぁ、あゆは自分大好きだよね。あゆって自宅写真を公開してるんだけど、それを見ると、至るところに“A(あゆ)マーク”を飾ってるの。それこそイスの背面に「Aマーク」が入ってたり。そのセンスに「NO」と言える人が周りにいないんだろうけど、発想がディーバだよね。もっとやってほしい。あ……余談だけど、私、とある不動産会社のサイトに、あゆが以前住んでいた家の間取り図が載っているのを見つけて、プリントアウトしたものを今も持ってるの。その間取り図と、あゆの自宅の風景写真を照らし合わせて、「どんなふうに暮らしていたんだろう?」って想像するのが好きなんだよね(笑)。

A Cさん、すごい趣味(笑)!! しかしやっぱ、あゆはいいよね。「これが日本人の美徳よ!」とばかりに謙遜するタレントが多い中、あゆは「今の私がいちばんイイ!」ってスタイルを貫いているところも最高。

B あゆはいつだって“お姫様”。オーストリア出身の俳優マニュエル・シュワルツに続いて、アメリカ人医大生ともスピード離婚しちゃったとき、世間では「さすがにおとなしくなるかな?」っていわれてたけど、それでも今なお、あゆ本人は「絶好調!」って感じだもん。

C そういえば、医大生と結婚したのって、ちょうどL.A.に住んでた頃だったよね。金髪で、バイブスがどうとか英語交じりでしゃべったりして、まるで海外スターみたいだったなぁ。あの時期が、私の中でのあゆ全盛期。過去の自分を否定しながら「今の私がいちばん!」って、イケイケだったの。でも15年に日本に帰国した当初、あゆは髪を黒くして、毒にも薬にもならないことばかり言ってて、日本人に媚びている感じがして嫌だった。もう一度、L.A.時代のあゆに戻ってほしい。

■マダムあゆ”は、若い男を囲うべき

A ネット上では、「TOKIOの長瀬智也と付き合っていた頃が、あゆは一番幸せそうだった」っていわれてるよね。「美男美女カップル」なんて呼ばれて、若い子のあこがれだったんでしょ。あ……そういえば、あゆのバックダンサーだったマロ(内山麿我)とも付き合ってたね。交際宣言までしたのに、離婚調停中の妻がいて、しかもまた別の女性との間に子どもまでいたことが発覚してさ……。でも、男運がないところもディーバっぽいのかも(笑)。

C あゆ、騙されやすそうだもんね。あゆって、自作の歌詞を見ていると、もともとは根暗な女だろうなぁって思うのよ。だから、マロみたいにポジティブワードで夢を語る男性のことを、好きになっちゃうんじゃないかって。しかも、あゆの周りはイエスマンばっかりだから、あゆに対してでも、ガンガン物申しそうなマロの言葉が、響いたんじゃない?

B “ノリのいい明るいイケメンヤンキー”ってところも、あゆの好みだと思う。長瀬もそんな雰囲気だよね。でもそうなると、そのあとの外国人2人は何だったんだ? 「歌姫である私が、名も知れていない一般人と結婚する」っていうドラマ性を重視したの? まぁ、日本には、あゆにグイグイ行けるような一般人男性はなかなかいないだろうし、あゆ自身が西洋人コンプレックスをこじらせてる部分もあるから、外国人と結婚したのかもね。

A 紀香発想に近いものを感じるね。あゆはなんでもドラマ性を大事にするから、結婚もそうだったのかも。でも、自分で創り出した美談なのに、結局スピード離婚という面白い結末を迎えてるという。次にあゆが結婚するとしたら、みんな「いつ離婚するんだろう」って楽しみにすると思うよ。もしうまくいっちゃったら物足りなさを感じそう。

C それか、若い男を養子にしたらいいんじゃない? 美人でしかもお金持ちなんだから、あゆに養ってもらいたい男は大勢いると思う。

B いいね! あゆって、年下の男を可愛がるのが好きじゃん。AAAの浦田直也を、弟みたいに溺愛しているし。でもあれは、あゆが浦田に甘えているって感じだろうけど。みんなに囲まれてチヤホヤされるのが好きだから、若い男をいっぱいいっぱい囲えばいいと思う!

C ステキ、そんなあゆ! “マダムになったあゆ”を想像したら、これからが楽しみになってきた!

■あゆは芸能界にしがみついて生きていく

A これからのあゆは、どうなっていくだろうね。昨年は『しゃべくり007』『今夜くらべてみました』(ともに日本テレビ系)に出演していたけど、もう出ない気がする。ほかの出演者たちは、「あの大スター・あゆが来てくれた!」ってテンションで持ち上げていたけど、あまりにバラエティ番組に露出しすぎると、ディーバ感が保てないしね。

B そうだね。でも、引退しろっていう人も多いよ。ネットでは「安室奈美恵の引き際は素晴らしい」「あゆもそうしろ」っていわれているけど、あれは安室なりの美学じゃん。あゆは芸能界で、自分の理想像にどこまでもしがみついていった方がいいと思う。あゆって、“自分で作った物語の主役”として生きていると思うんだけど、その物語を周りから称賛され続けないと満足しないでしょ。その場を失ったら寂しくて死んじゃうんじゃないか心配。私はあゆがどんなババアになっていくか見届けたいよ。

C 私も。あゆは自意識のバケモノだから、そこで右往左往している姿をずっと見ていきたい。でも、そもそもあゆって、「慕っていた女性が亡くなり、その人のために活動を続けている説」があるよね。だから、何か活動に対して信念があると思うんだけど、CDが売れなくなってきているから、今のツアーが終わった後にアルバム制作に入るかどうかが、今後の歌手人生の分岐点になる気がする。

A 前回のアルバム『MADE IN JAPAN』は3万枚くらい売れてた。工藤静香みたいに「3,000枚も売れない」レベルの落ちぶれ方はしていないから、歌手活動は続けてくれるといいんだけど。あゆってさ、自意識のバケモノでありながら、自分が世間からネガティブに見られていたとしても、一切言い訳しない。そこが、一本筋が通っているなって思う。でも、周囲の目を気にしているのかすらわからないときもあるから、不思議な存在だよね。

C だからこそ妄想が膨らんで楽しいんだけど(笑)、不思議すぎるゆえに、心はジョイントできないね。

B そう、共感はまったくできない(笑)。空港芸とか、宣伝のために離婚発表の時期を決めるとか、注目を集めるためにゾッとするようなことを平気でするクールな一面もあるし。

C そうなんだよね。でも、だからまた動きがあったら何かしてくれるはず! それを楽しみにウォッチを続けるわ。

浜崎あゆみは、なぜ“オワコン”なのに注目を集め続けるのか? ウォッチャーが激論!!

 “平成の歌姫”として一世を風靡したアーティスト・浜崎あゆみ。しかしここ数年話題となるのは、激太りや歌唱力の低迷、過剰な画像修整疑惑に迷走する恋愛など、本業とはかけ離れたことばかり。挙げ句には、ともに一時代を築いた安室奈美恵の引退表明を受けて「芸能界にしがみついている」とまで言われてしまうほど、今やすっかり“オワコン”扱いされている。

 しかしその一方で、それでもなお自分を貫くあゆの姿を、常日頃から熱心にチェックしているウォッチャーたちがいる。今回は、「私たちは、決してアンチではありません」と語るあゆウォッチャーを集め、彼女の魅力や面白さについて語っていただいた。

A……20代半ば女性。あゆの全盛期はあまりよく知らないが、ネット炎上を目にするうち、興味を持つように。「最初はちょっとアンチ目線だったが、一周回ってファンになった」とのこと。
B……30代前半女性。小学校高学年の頃にあゆがデビューし、青春の思い出は全て当時のヒット曲とリンクしている。しかし「全盛期より今の方があゆに夢中です」。
C……30代後半女性。今回のウォッチャー3人中で唯一のコアなファン。ブーム衰退とともに一度ファンを離れたが、5年ほど前から再びドハマり。あゆの生き方についても考察を繰り広げる。

■あゆは致命傷を負ったディーバ

A 私は「rollin’」(2009年発売のオリジナルアルバム『NEXT LEVEL』の収録曲)のライブ映像をネットで見て、あゆに落ちた(笑)。ネットだと「ローリン音頭」って言われてるよね。楠田枝里子みたいな金髪のボブで、アンドロイドのような動きを見せるダンスが本当にツボ。あと、あゆ本人が「私は最先端のパフォーマンスをやっている」って表情をしているのも笑ったなぁ。ああいうあゆのダサさが、たまらなく好き。

B 出た、ローリン音頭(笑)。私的には、Perfumeときゃりーぱみゅぱみゅを、あゆなりに解釈したらああなったのかなって思ってる。ネットで有名な“糸巻きぐるぐるダンス”は、12年のツアーで披露した「Boys&Girls」(1999年発売のシングル)の曲終わりに、客席を煽ってる振りなのよ(笑)。それから、“宙吊りパフォーマンス”も「ボンレスハムみたい」って笑われてたなぁ。あゆって“ギャルの孤独”を歌うようなバラードのイメージが強かったのに、ここ10年で完全に迷走しちゃった。世間では「歌唱力で勝負できなくなった」って言われたり、「ボイトレしろ」とか叩かれたりもしているけど、あゆ自身はどう思ってんだろう。

C あゆはもう、歌うことに興味ないと思うよ。実は昨年、今やってる『Just the beginning -20- TOUR 2017』の第一章を見に行ったの。ライブだと歌よりショーの方に目がいくし、あんまり“歌を聞きに行った”という印象がなかった。そもそも音響も大きいから、テレビほど歌のヘタさが目立たないよね。でもやっぱり高音は出なくて、がなる感じで歌うからドスが利いちゃって、楽しい歌も怖く聞こえた(笑)。あゆは、今回のツアーの第二章で、会場をアリーナからホールに移したわけだけど、バンドを削ってダンサーを残したでしょ。本人も「ショーを見せたい」って言い切っているし、歌で勝負する気はもうないんじゃないかなぁ。まあ、ショーっていっても、“イエスマンたちに囲まれたあゆが、楽しそうにしている様子”を見せられている感じなんだけどね。

A “おはま一座”だね(笑)。 ライブに行ったファンが「ダンサー邪魔」って嘆いているのをよく聞く。セクシーかつキュート、それでいて強い女性であることを誇示したいのか、パフォーマンスでも男性と絡みたがるよね。崇められたい欲求が強いのかも。

B でも、それがかえって笑いのネタになっているという。そうそう数カ月前に、山梨公演映像のネット流出騒動があったじゃん? その映像に映っていた、あゆがダンサーに手を引かれている姿が、ネット上で「介護」っていわれてた(笑)。ステージ演出もお粗末だなぁって思ったし、曲自体も高音が出ないから変な抑揚をつけて歌っててさ、なんともいえないシュールさだった。私、あの流出映像、100回は見たね!! 消されちゃったのが残念すぎる。

A ライブといえば、「衣装もダサい」って叩かれてる。全盛期のままで時代錯誤だって。それを「最高にオシャレ」と思って着ていそうなあたりが、あゆの面白いところなんだけど。

C 私が行ったライブのアンコールの衣装も、パフスリーブTシャツにミスカート&ニーハイだった……。しかもかなり太っていた時期だから、本当にキツかった(笑)。でも、あの体形で、堂々と露出度の高い衣装を着ちゃうあゆは、最高に素敵だと思う。

B あゆは体形の変化に屈せず、常に攻めた衣装を着ているよ。しかも、「アラフォーなのに年甲斐のない」といわれそうな衣装を着ることに、一切エクスキューズがない。思い切りの良さが最高。

C そうそう。逆にオシャレになっちゃったら、あゆの魅力半減だよね。この珍妙さがいい。「周りは『ダサい』と思っているのに、あゆには言えないんだな……」とか、妄想も広がる(笑)。

A よく指摘されてるけど、あゆは自意識が“ディーバ”なんだよ。やっていることブリトニー・スピアーズとか、マドンナの真似。でも、「歌唱力がそんなにない」というディーバとして致命的な欠点を負っているからこそ、これだけ面白い存在でいてくれるんだよね。

■あゆの画像修整は「エイベックスの忖度」説

B ただ、私は1つ解せないことがある。インスタグラムの本人画像をえげつないほど修整しているんだよね。映像と写真で、まるで別人なんだもん。普通タレントって、ネットで叩かれるから、別人レベルの修整ってしないのに、あゆは潔すぎる。頭身から違うからね。しかも、修整を指摘されても、藤原紀香みたいにこっそりすり替えたりしない。

C インスタの画像は修整しまくるのに、あゆはファンにライブ中の写真撮影をOKしてるから、修整なしの画像もいっぱいネットに散らばってるじゃん。それはいいの? 本当に意味がわからない。本人が望んでいるのか、エイベックスの意向なのか……。そもそも誰が画像修整しているのか。謎が深すぎて、考えるほど楽しくなる(笑)。

A ネット上では、自己顕示欲であゆ自身が修整しているってもっぱらのウワサだけど、エイベックスの可能性も高い。あゆがショックを受けないように気を使ってるのかな。でも、あゆ本人は、ファンに“ありのままの自分”を見せたいから、ライブの撮影を許しているとか?

C あり得るよね。太り始めた頃、雑誌のインタビューで「重力に逆らうためには、ワークアウトで筋肉をつけて、食べたいものを食べた方が、髪もつやつやになるし、肌にもいい」みたいなことを言ってて、食べなかった頃の自分を否定しているのよ。だから、あゆ自身は体形を気にしてないのかも。この間も、インスタにお菓子の大量買いをしているストーリーを載せていて、「痩せる気ねーだろっ」っていうツッコミ待ちなのかと思ったもん(笑)。

B だとしたらなおさら、なぜこんなに画像修整をするのかが謎。永遠の謎。でも、謎すぎるから味わい深い。

A あゆが某雑誌の表紙を飾ることになったとき、自ら印刷所まで行って、写真に修整指示を出したことがあるっていう話を聞いたことがある。あと、あゆがあまりに鬼のような修整指示を入れてくるから、デザイナーが混乱しちゃって「もう目の位置すらわかんない」と漏らしたとか……あゆにはいろんな都市伝説があるよね。10年後くらいに、あゆに仕える“修整職人”が暴露本とか出してくれないかな。

■L.A.住まいの頃が、あゆのイケイケ全盛期

B あゆのインスタって、写真に“一行ポエム”を添えるよね。「泣かない夜を過ごせたかな。優しい日を送ってね。」とか「人を求め、人を憎み、人を信じた傷と一緒に生きていく。」とか。あゆの全盛期にはやった、女子高生が自分の不幸な生い立ちとかを綴る“ケータイ小説”を彷彿とさせる雰囲気がある(笑)。ケータイ小説は廃れたのに、あゆの中ではそのまま生きている感じ。「これはどこに響いているんだろう?」と感じさせる、自己満足的なメンタリティがたまらない。

C あの一行ポエム、曲の歌詞を一部抜粋してるパターンもあるのよ。まぁ、あゆは自分大好きだよね。あゆって自宅写真を公開してるんだけど、それを見ると、至るところに“A(あゆ)マーク”を飾ってるの。それこそイスの背面に「Aマーク」が入ってたり。そのセンスに「NO」と言える人が周りにいないんだろうけど、発想がディーバだよね。もっとやってほしい。あ……余談だけど、私、とある不動産会社のサイトに、あゆが以前住んでいた家の間取り図が載っているのを見つけて、プリントアウトしたものを今も持ってるの。その間取り図と、あゆの自宅の風景写真を照らし合わせて、「どんなふうに暮らしていたんだろう?」って想像するのが好きなんだよね(笑)。

A Cさん、すごい趣味(笑)!! しかしやっぱ、あゆはいいよね。「これが日本人の美徳よ!」とばかりに謙遜するタレントが多い中、あゆは「今の私がいちばんイイ!」ってスタイルを貫いているところも最高。

B あゆはいつだって“お姫様”。オーストリア出身の俳優マニュエル・シュワルツに続いて、アメリカ人医大生ともスピード離婚しちゃったとき、世間では「さすがにおとなしくなるかな?」っていわれてたけど、それでも今なお、あゆ本人は「絶好調!」って感じだもん。

C そういえば、医大生と結婚したのって、ちょうどL.A.に住んでた頃だったよね。金髪で、バイブスがどうとか英語交じりでしゃべったりして、まるで海外スターみたいだったなぁ。あの時期が、私の中でのあゆ全盛期。過去の自分を否定しながら「今の私がいちばん!」って、イケイケだったの。でも15年に日本に帰国した当初、あゆは髪を黒くして、毒にも薬にもならないことばかり言ってて、日本人に媚びている感じがして嫌だった。もう一度、L.A.時代のあゆに戻ってほしい。

■マダムあゆ”は、若い男を囲うべき

A ネット上では、「TOKIOの長瀬智也と付き合っていた頃が、あゆは一番幸せそうだった」っていわれてるよね。「美男美女カップル」なんて呼ばれて、若い子のあこがれだったんでしょ。あ……そういえば、あゆのバックダンサーだったマロ(内山麿我)とも付き合ってたね。交際宣言までしたのに、離婚調停中の妻がいて、しかもまた別の女性との間に子どもまでいたことが発覚してさ……。でも、男運がないところもディーバっぽいのかも(笑)。

C あゆ、騙されやすそうだもんね。あゆって、自作の歌詞を見ていると、もともとは根暗な女だろうなぁって思うのよ。だから、マロみたいにポジティブワードで夢を語る男性のことを、好きになっちゃうんじゃないかって。しかも、あゆの周りはイエスマンばっかりだから、あゆに対してでも、ガンガン物申しそうなマロの言葉が、響いたんじゃない?

B “ノリのいい明るいイケメンヤンキー”ってところも、あゆの好みだと思う。長瀬もそんな雰囲気だよね。でもそうなると、そのあとの外国人2人は何だったんだ? 「歌姫である私が、名も知れていない一般人と結婚する」っていうドラマ性を重視したの? まぁ、日本には、あゆにグイグイ行けるような一般人男性はなかなかいないだろうし、あゆ自身が西洋人コンプレックスをこじらせてる部分もあるから、外国人と結婚したのかもね。

A 紀香発想に近いものを感じるね。あゆはなんでもドラマ性を大事にするから、結婚もそうだったのかも。でも、自分で創り出した美談なのに、結局スピード離婚という面白い結末を迎えてるという。次にあゆが結婚するとしたら、みんな「いつ離婚するんだろう」って楽しみにすると思うよ。もしうまくいっちゃったら物足りなさを感じそう。

C それか、若い男を養子にしたらいいんじゃない? 美人でしかもお金持ちなんだから、あゆに養ってもらいたい男は大勢いると思う。

B いいね! あゆって、年下の男を可愛がるのが好きじゃん。AAAの浦田直也を、弟みたいに溺愛しているし。でもあれは、あゆが浦田に甘えているって感じだろうけど。みんなに囲まれてチヤホヤされるのが好きだから、若い男をいっぱいいっぱい囲えばいいと思う!

C ステキ、そんなあゆ! “マダムになったあゆ”を想像したら、これからが楽しみになってきた!

■あゆは芸能界にしがみついて生きていく

A これからのあゆは、どうなっていくだろうね。昨年は『しゃべくり007』『今夜くらべてみました』(ともに日本テレビ系)に出演していたけど、もう出ない気がする。ほかの出演者たちは、「あの大スター・あゆが来てくれた!」ってテンションで持ち上げていたけど、あまりにバラエティ番組に露出しすぎると、ディーバ感が保てないしね。

B そうだね。でも、引退しろっていう人も多いよ。ネットでは「安室奈美恵の引き際は素晴らしい」「あゆもそうしろ」っていわれているけど、あれは安室なりの美学じゃん。あゆは芸能界で、自分の理想像にどこまでもしがみついていった方がいいと思う。あゆって、“自分で作った物語の主役”として生きていると思うんだけど、その物語を周りから称賛され続けないと満足しないでしょ。その場を失ったら寂しくて死んじゃうんじゃないか心配。私はあゆがどんなババアになっていくか見届けたいよ。

C 私も。あゆは自意識のバケモノだから、そこで右往左往している姿をずっと見ていきたい。でも、そもそもあゆって、「慕っていた女性が亡くなり、その人のために活動を続けている説」があるよね。だから、何か活動に対して信念があると思うんだけど、CDが売れなくなってきているから、今のツアーが終わった後にアルバム制作に入るかどうかが、今後の歌手人生の分岐点になる気がする。

A 前回のアルバム『MADE IN JAPAN』は3万枚くらい売れてた。工藤静香みたいに「3,000枚も売れない」レベルの落ちぶれ方はしていないから、歌手活動は続けてくれるといいんだけど。あゆってさ、自意識のバケモノでありながら、自分が世間からネガティブに見られていたとしても、一切言い訳しない。そこが、一本筋が通っているなって思う。でも、周囲の目を気にしているのかすらわからないときもあるから、不思議な存在だよね。

C だからこそ妄想が膨らんで楽しいんだけど(笑)、不思議すぎるゆえに、心はジョイントできないね。

B そう、共感はまったくできない(笑)。空港芸とか、宣伝のために離婚発表の時期を決めるとか、注目を集めるためにゾッとするようなことを平気でするクールな一面もあるし。

C そうなんだよね。でも、だからまた動きがあったら何かしてくれるはず! それを楽しみにウォッチを続けるわ。

整形依存、ネットに悪口、ブス写真投稿……「大学ミスコン」出場者が暴露する女の醜い争い

 大学ミスコンテストの日本一を決める大会「Miss of Miss Campus Queen Contest 2018」の決勝が3月30日に開催されます。首都圏を中心に各大学でグランプリ、準グランプリを獲得したミスコン美女が集い、その頂点を決めるという催しで、過去のコンテスト参加者からはアナウンサーやキャスター、タレントが続々と誕生しています。しかし、その陰ではコンテスト出場による過剰なストレスで壊れていく女子もたくさんいるというのです。

■女性の友達はできなくなった

 ミスコン女性たちは、華やかなルックスやキラキラした経歴を手に、コンテストという“競争”の場に参加します。しかし、外から見ていると、彼女たちの間にギスギスした雰囲気はみじんも感じられず、SNS上では「ミスコン終わっても絶対遊ぼう!」「誰がグランプリでもうれしい!」などと、候補者同士の友情を感じさせる投稿も。恵まれた容姿を持つ美女たちが和気あいあいと美を競い合う……しかし、その裏には当然のように女同士の醜い争いが起こっていると、元出場者は語ります。

「私は大学のミスコンに出たのですが、期間中は、候補者同士で集まってカフェに行ったり、写真を撮ったり、それをSNSに投稿してコメントし合ったり、すごく楽しかったんです。『コンテストが終わっても、こうやって集まろうね』って言い合ってたし、ほんとに仲良くなったと思ってました。でも、いざミスコンが終わったらパッタリ。LINEのグループトークに誰も発言しなくなったし、遊ぶ計画も、1人、また1人と参加しなくなって、大学の学食で会っても挨拶するくらい。結局、ミスコンのときだけの関係だったんだなって思いましたね」

 そう語るのは5年前、大学2年生時にミスコンに出場したユリコさん(仮名/25歳)。友人のススメで“思い出作り”に、と参加したミスコンですが、結果的にイヤな記憶ばかりが残ったそうです。

「匿名掲示板に自分の写真を晒されて、『ブス』とか『お笑い芸人に似てる』とかいろいろ書かれるので、まずネットが開けなくなりました。就職しても『ミスコンに出てたんだよね』って言われるし、あれ以来、女性の友達はできなくなりましたね」

 ユリコさんが経験したように、ミスコン出場者に対する容姿への誹謗中傷は容赦がありません。そして、ミスコンに出場した以上、写真も自分のプロフィールも半永久的にネットに残ってしまい、いつまでも匿名掲示板でターゲットにされ、悪口を書かれ続けてしまうのです。

 別の大学のミスコン出場経験者のアキエさん(仮名/26歳)は、候補者同士の泥沼バトルを体験しています。

「表面上は仲良しアピールするんですよ。くっついて写真撮って『この5人でよかった!』とか言いながら。でも、実際は写真を撮る段階から、いかに自分が一番かわいく写るかの勝負が始まってるので、一瞬も気が抜けないんですよ。より小顔に、デブに見えないように写りたいから、みんなどんどん後ろに下がっていったり(笑)。それで、自分の写りが悪い写真に限って、ほかの子が投稿したりするから、最終的には誰のカメラで撮るのかの争いになっていくんです」

 アキエさんは自分の写りが悪い写真をほかの候補者に投稿されると、報復として相手がブスに見える写真を投稿していたと笑います。

「いま思うと嫌な奴ですよね(笑)。相手は故意じゃなかったかもしれないのに。でも当時は、わざと私の写りが悪いやつ選んで載せてるんだって疑わなかった。自分だけ小顔とか美肌加工してるんじゃないかとか、画像を拡大してチェックしてましたね」

 写真だけでなく、「○○はビッチ」「ヤリサー所属」など根も葉もないことをネットに書いたのは、同じミスコン仲間なのではないかと疑心暗鬼になったこともあるそう。

「確かめようがないけど、候補者のひとりに信頼して彼氏のことを話したら、しばらくしてそれをネットに書かれたので、怪しいなと思って……。ほかにも、サークルの男とヤリまくってるとか、学生時代イジメしていたとか、あることないことをたくさん書かれて、人のねたみって怖いなと思いました」

■賞が取れず、ショックで整形依存に

 さらに、ミスコンに出場したことで、人生が変わってしまった女性も。OLのサキさん(仮名/26歳)の友人は、ミスコンによって「大きな変化」が起こってしまいました。

「私の友人は学内でも有名な美女だったんですけど、ミスコンに出場して何も賞が取れなかったことがよっぽどショックだったのか、そこから整形依存症みたいになっちゃったんです。会うたびに目頭切開をしてたり、鼻筋が別人みたいに高くなってたり、どこかしら改造してるんです。それがまたウワサになったりして、性格もすさんで、付き合う友達も変わってしまいましたね」

 ミスコンに応募するぐらいですから、自己顕示欲が強く、自分に自信があるのは当然のこと。しかし、そこで優勝できなかった場合、それまで培ってきたプライドが一気に崩れ、精神的に病んでしまうのでしょう。

 匿名での誹謗中傷、女性同士の嫉妬や足の引っ張り合いと、実はドロドロした内情の大学ミスコン。それでも彼女たちがミスコンに出場したいと願うのは、なぜなのでしょうか?

「ミスコン=勝ち組、だから。ミスコンに出る子は、女子アナ志望にモデル志望、タレント志望とかばっか。みんなミスコンをきっかけに有名になりたいし、ミスコンに出ることで、大学生活も、その後の人生も、勝ち組だなーって周囲に思われたい」(アキエさん)

 逆にいえば、ミスコン出身でアナウンサーやタレントになった女性は、こうした修羅場を乗り越えてきた猛者ばかりということ。そのしたたかな女っぷりが強烈なのは、当然のことなのかもしれません。
(ジョージ山田/清談社)

作家・鈴木光司と貞子は背中合わせの関係だった!! 原作者が語る『リング』が生まれた原風景とは?

 2018年は劇場版『リング』(98)が日本中を震撼させてから20年となる。呪いのビデオから這い出てきた貞子はその後増殖を続け、韓国版やハリウッド版も生まれ、恐怖のウイルスは世界各地へと広まっていった。ハリウッド版の新作『ザ・リング/リバース』の日本公開を1月26日(金)に控え、貞子の生みの親である作家・鈴木光司氏が、『リング』シリーズがロングランヒットする秘密と貞子が誕生した原風景について語った。

──中田秀夫監督が撮った劇場版第1作『リング』で、テレビ画面の中から貞子が這い出てくるシーンはあまりにもインパクトがありました。原作者である鈴木さんは、Jホラーブームを巻き起こしたあの第1作を、どのようにご覧になったんでしょうか?

鈴木 シナリオを事前に読んでいたので、当然、内容は知っていました。面白いことを考えつくなぁと思いましたね。原作小説には貞子がテレビから出てくるシーンはないんです。小説で描いても、貞子の怖さは伝わってきませんしね。映像のよさが活かされた劇場版でした。映像から這い出てきたことで、貞子というキャラクターが定着していったといえるでしょうね。

──そんな貞子の怖さは、ウイルスのように世界へと広まっていった。中田監督が撮った『ザ・リング2』(05)以来となるハリウッド版『ザ・リング/リバース』は、若手のF・ハビエル・グティエレス監督が『リング』シリーズの面白さを汲み取った上で、現代的にアップデートしたものになっています。

鈴木 僕が書いた小説を、ハビエル監督はしっかり読んで研究したなと思いました。ナオミ・ワッツが主演したハリウッド版第1作『ザ・リング』(02)の頃は、まだ僕の小説の英訳が出てなかったんですが、今では英語版も出ているので、今回は、かなり原作を読み込んできたなという印象を受けます。貞子(ハリウッド版ではサマラ)に対する愛情も感じさせ、薄型テレビから出てくるシーンがちゃんと用意されていますしね。

■オカルト現象と科学とのボーダーに潜むもの

 

──主演の若手俳優マチルダ・ルッツとアレックス・ローが序盤は延々といちゃいちゃしているシーンが続くんですが、中盤以降は愛する恋人を呪いによって失うかもしれないという恐怖へと転じていく。実は『リング』シリーズは愛の物語だったことに改めて気づかされました。

鈴木 主演の2人は初々しいカップルで、とてもよかった。確かに『リング』は愛をめぐる物語なんです。原作小説は妻と娘を守るために懸命に闘う父親の物語でした。これを中田監督の劇場版は松嶋菜々子さん演じる母親を主人公にして、母親が息子を呪いから救おうとするドラマにアレンジしたわけです。今回のハリウッド版は恋人を救うためのストーリーになっています。やっぱり、『リング』は愛する人を失うかもしれないという恐怖が描かれているから、多くの人を魅了したんだと思います。小説って、読者の想像力をどれだけ刺激できるかが面白さの決め手になるんです。自分自身の記憶に置き換えることで、物語がリアルに感じられるわけです。映画版も同じで、自分の大切な人がもし残り1週間の命だったらどうしようと考えるから怖く感じるんです。

──コケ脅し的な怖さではないから、『リング』シリーズはロングラン人気を誇っているわけですね。

鈴木 そう思います。愛する人を失うかもしれないという恐怖が、『リング』の骨格なんです。僕は言ってみれば“貞子遣い”なわけなんだけど、貞子自体は別に怖くはないんです。すでにプロ野球のマウンドに登板するようにもなっているわけで(12年と13年のパ・リーグの始球式イベントに貞子が登場)。もう、貞子は面白キャラになっちゃってますからね(笑)。

──今回の逆輸入版『ザ・リング/リバース』は、そんな貞子のキャラぶりを再度ひっくり返してみせたと。今回、オカルト現象を科学的に証明しようとする大学の研究チームが現われるあたりが面白く感じられました。

鈴木 かつてはオカルトと呼ばれたものも、近年は科学的に実証できるようになってきたわけです。例えば大昔、雷は神さまの怒りだと恐れられていたけれど、自然界に発生した静電気だと今ではみんな知っている。でも、科学で全部証明できると信じている人はアホです。まだまだ科学で証明できていないものは、いくらでもあります。

──リアル・高山竜司(『リング』シリーズに登場する天才学者)のレクチャーを受けているような気分になってきました。

鈴木 ハハハ! 宇宙を構成しているのは、ダークマターとかダークエネルギーと呼ばれているものが99%を占めているんです。ですから、我々が理解していると思っている物体も、実はわけのわからないものなんです。そのことが2000年になってから発覚した。大ショックですよ。これまで否定的に見られてきたオカルト現象ですが、科学的に証明できることも充分あると思いますよ。虫の知らせって、あるでしょ? 僕は実際に2度ほど体験しています。大切な人が亡くなる瞬間に、離れた場所にいても、眠っていても胸騒ぎがするわけです。この虫の知らせが宇宙空間だとどうなるんだろうということに、僕は興味があるんです。論理的に考えれば、情報が伝達するのは光よりも速いスピードでは不可能なはず。では5光年先の宇宙で宇宙飛行士が亡くなった場合、虫の知らせは5年の歳月を要するのか、それとも一瞬で感じるのか。もし、一瞬で虫の知らせを感じたのなら、これまでの物理の理論は成り立たなくなります。アインシュタインの相対性理論の上を行くモデルをつくらないと証明することができない。最近の量子力学なんて、以前ならオカルトと呼ばれた世界ですよ。僕が小説にするネタは、まだまだいっぱいある(笑)。

■『リング』に関わった人間はみんな幸せになる!?

 

──劇場版の『リング』シリーズに登場した女優ですが、竹内結子、松嶋菜々子、中谷美紀、深田恭子、仲間由紀恵、石原さとみ……。韓国版ではペ・ドゥナ、ハリウッド版ではナオミ・ワッツと、貞子に関わった後、みんな人気女優となっています。貞子って、実は幸福をもたらす女神じゃないんでしょうか?

鈴木 みんなを幸せにしているのは貞子ではなく、僕なんですよ(笑)。僕は自称「人間パワースポット」なんです。『人間パワースポット 成功と幸せを“引き寄せる”生き方』(角川書店)なんて本も出しています。僕の初代編集担当者は、今では角川映画の責任者ですよ。僕と関わると、みんな売れっ子になるんです。僕がね、いつも心掛けていることは、なるべくみんなが明るくなれるように現場を盛り上げ、いい仕事をして、仕事終わりに旨い酒を呑むための雰囲気づくりです。いい雰囲気の場所から、いいものが生まれる。大相撲みたいに、閉鎖的なことをやってちゃダメ。僕は、小説を書いているとき以外は、どうすればみんなが明るくなるかということばっかり考えているんです。また、そういうことばかり考えていることが人間パワースポットに繋がっているように思います。

──底抜けに明るい性格だから、『リング』のようなホラー小説が書けるんですね。

鈴木 そうですよ。作家の柳美里さんが「あんなに怖い話を書く人は、心の中に暗く不吉なものがあるに違いない」と言ったそうですが、僕の編集担当が「鈴木さんの頭の中は、どこを探しても暗いものがない。天然で明るいだけ」と説明したそうです。「僕の頭の中を空っぽみたいに言うなよ」と、そのとき思ったけど、実際に僕にはコンプレックスがひとつもなく、なんでこんなにいろんなことがうまくいくんだろうと思っている人間なんです。逆に、僕には明るい家族の話が書けません(笑)。

──作家・鈴木光司と貞子は“背中合わせ”の関係なんですね。小学生の頃に文章を書くようになったきっかけがあったそうですが……。

鈴木 小学5~6年のときに初めて小説らしきものを書いて、それが僕の作家デビュー作『楽園』のもとになっています。文章を書くようになったきっかけは、小学4年生の頃にクラスでいじめがあって、その輪の中に僕は入ることができず、疎外感を感じていたんです。そんなとき宮沢賢治の伝記を読んだら、賢治もいじめに遭遇して同じような心境になっていた。自分と同じように感じていた人がいたことがうれしく、それから賢治を真似て詩を書くようになったんです。

──小学校時代の体験が、作家・鈴木光司としての原点であり、『リング』誕生の原風景にもなったといえそうですね?

鈴木 そうですね。確かに、そういう部分はあるかもしれませんね。

──いじめって、どんなに時代を経てもなくなりません。

鈴木 いじめがなくなることはないでしょうね。昔は単純に貧富の差や容姿の違いから起きていたものだったと思いますが、今はいじめの構造が変わってきています。娘たちが通っていた学校でもいじめ問題があったので、ずっと考えていた時期があったんです。いじめの原因がどこにあるかは明白です。家族の問題なんです。いじられる側もいじめる側も、どちらも家庭に問題があることがほとんどで、家庭の崩壊がいじめの原因に繋がっている。いじめは子どもが学校に入学する前から根が張っている深い問題です。それが学校に上がって、ひとクラス30~40人が同じ輪になったときに、いろんな問題が顕在化してくる。いじめる側といじめられる側の立場が、逆転することもありえます。学校の先生が「いじめはダメ」と押さえつけても効果はありません。人間パワースポットみたいな根っから明るい子をうまく輪の中に配置することで、クラスの雰囲気は変わってきます。子どもたちからのボトムアップが重要です。先生がそのことをうまく理解して、子どもたちを配置できればいいんですが、今の先生たちは多忙すぎて、なかなか手が回らないというのが現状でしょう。

──いろんな状況を、作家として論理的に見つめているんですね。『リング』誕生から四半世紀が経ちますが、鈴木さんが感じる“恐怖”に変化はありますか?

鈴木 僕がいちばん怖いのは、やはり愛する家族を失うということ。そういう点では、恐怖の対象は変わっていないように思います。物理的に怖いのは、僕はヨットでよく航海するんですが、夜間に台風に遭遇したときですね。あらがいようのない大自然の怖さは、オカルトどころではないです。ヨットで航海しているときは、船の性能や自分の航海技術や能力で乗り切るしかない。小説や映画の世界で描かれる妄想の怖さは、またそれとは別物でしょうね。妄想は実態がないから、対処のしようがありませんから。『ザ・リング/リバース』で描かれた恐怖は、僕の原作にとても近い。その分、すごく怖いですよ。
(取材・文=長野辰次)

『ザ・リング/リバース』
原作/鈴木光司、映画『リング』
監督/F・ハビエル・グティエレス 脚本/デヴィッド・ルーカ、ヤコブ・アーロン・エステス、アキヴァ・ゴールズマン
出演/マチルダ・ルッツ、アレックス・ロー、ジョニー・ガレッキ、ヴィンセント・ドノフリオ
配給/KADOKAWA 1月26日(金)より全国ロードショー
C)2017 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
http://thering-movie.jp/

●鈴木光司(すずき・こうじ)
1957年静岡県生まれ。慶應大学文学部卒業後、90年に日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞した『楽園』(新潮社)で小説家デビュー。91年に発表した『リング』(角川書店)は横溝正史賞最終選考に残り、ベストセラーに。その続編『らせん』(角川書店)は吉川英治文学新人賞を受賞。『リング』『らせん』は98年に同時映画化され、Jホラーブームを巻き起こした。『リング』はハリウッドで『ザ・リング』として2002年にリメイクされるなど、世界的な人気シリーズとなった。映画原作となった作品に『仄暗い水の底から』『バースデイ』『エス』(いずれも角川書店)などがある。

 

“おじさん”が世間から疎まれるワケ――鈴木涼美が語る、二極化する男の実態と対処法

 くどくど小言を言ってきたり、つまらないギャグで場を凍らせたり……面倒くさい“おじさん”、あなたの周りにもいませんか? 『おじさんメモリアル』(扶桑社)の著者、鈴木涼美さんは、同書でさまざまな“おじさん”との20年間の思い出を綴っています。東京大学大学院卒、元キャバクラ嬢、元AV女優、元日経新聞記者という多彩な経歴を持つ鈴木さんだからこそ垣間見られた、さまざまな業界に生息するおじさんたちの、あぜんとする実態の数々。今回は鈴木さんに、その中から特に印象的だったおじさんの生態について話を聞いてきました。

●おじさんNo.1 “居酒屋スピーチおじさん”

 「よし、今日は飲みにいくか!」の一声に情け心でついていったが最後、誰でも知っているようなことをドヤ顔で延々と語るのが、“居酒屋スピーチおじさん”だという。

「圧倒的にウザいのが、一方的に話し続けるおじさんですね。基本的におじさんって、相手が言われたいことじゃなくて、自分が言いたいことを話すんですよ。『安倍はバカだからさ……』って、いや、お前は誰なんだよと。おじさんの7割が言っているような政治家の悪口を、飲みの席でまで聞きたくないですよね。もう演説なんですよ。しかも、それがメディアで散々見聞きしたような意見だから、余計に退屈」(鈴木さん、以下同)

 それはコミュニケーションと呼ぶには、あまりに一方的。もはや会話というより、演説であり、興が乗ったおじさんの独壇場。居酒屋スピーチおじさんと同席し、死んだ魚のような目をしながら「え~!」「すご~い!」「知らなかった~!」と感嘆符を連発するだけのマシンと化したことのある女性は少なくないだろう。

●おじさんNo.2 “純愛コンプレックスおじさん”

 年齢を重ね、ある程度、財力を持った男性が陥りがちなのが、この“純愛コンプレックスおじさん”。彼らはお金以外の部分、外見や内面的な魅力でモテることを望み、自分に寄ってくる女性が金目当てではないかと常に不信感を抱いているとか。自分語りが大好きで、「お金じゃなく中身を見て!」「下心なしに僕のこと好きになってよ!」と、まるで10代女子のようなピュアでロマンチックな一面を、恥ずかしげもなくぶつけてきるんだそう。

「夜の世界に来る客で一番ウザいのは、『僕をお金として見ないで』って言う人。『結局、金目当てなの?』と、しつこく愛情を確かめようとするんです。そういう“内面見て見ておじさん”はうっとうしいですね。財力も魅力の1つ。それでいいのに。このタイプは、若い頃モテない暗い青春時代を送ったことがコンプレックスとしてあって、基本的に女性に対して卑屈なんですよ。ちゃんと青春してこなかったからこそ、いくつになっても若い女の子との純愛を夢見てる男性って、意外と多いんですよね」

 海外の偉人や松下幸之助の名言を「ここぞ!」とばかりに盛り込んでくる、“名言引用おじさん”。今日も名言集を片手に「おっ、コレ使えそうだな」と考えていたりするんだとか。しかも引用するだけでは飽き足らず、自ら“名言風”な言葉を生み出すおじさんも存在するんだそう。

「やる気のある中小企業経営者とかに多いですね。社員への一斉送信メールの最後に、なんかそれっぽい格言くっつけたりして。私の祖父もこのタイプで、全然詳しくないのに、結婚式のスピーチで『中国の有名な詩で、こんなものがあります』とか言いだす。名言引用おじさんは、自分に自信はないけど威張りたい人。でもそれ以上にイタいのは、名言製造おじさんですね。キャバ時代の客で『多くの動物は宇宙の中で回らされている。そのループの中にいる』とか、なんか名言っぽいフレーズばかりメールしてくる人がいました」

 空気の読めないそんな言動に、白けた視線が向けられていることには、1ミリも気づいていないのだろうか……。

●おじさんNo.4 “男はバカだよ”おじさん

 「男ってバカだよな」「女は強い」といった言葉が大好きなおじさん、周りにいませんか? これって一見、女性の味方のようにも見えますが、とんでもない勘違いのようです。

「『男ってほんとバカで、単純で、どうしようもない生き物なんだよ』とか、『女の人は偉いよ』『母は偉大だよ』と男を嘆いてみせながら、実際そんな愚かしさを『愛してくれー、受け入れてくれー』と思っているタイプ。『愚かな男だいすき! さいこー!』って心で叫んでいる。こういう男は大抵マザコンですね」

 まるで占い師かのように「君って意外と○○でしょ?」と、内面まで見抜ける鋭さをアピールしてくるのが、このタイプの特徴。

「“俺だけは、君の本当の魅力をわかってるからね”って感じがイヤらしい。『強がってるけど、繊細だよね』『社交的に見えるけど、実は1人が好きでしょ』とか、お前は占い師か? と(笑)。誰にでも当てはまるような逆張りで、ほかの男とは違うからとドヤ顔。そんな薄っぺらい手法で心開くような女はいませんよね」

 なぜ、おじさんという人物は、こうも世間から疎まれるのか? その理由を、「男性は一般的に、相手が何を求めているのか察するのがヘタだから」と鈴木さんは話します。

「女性はずっと男性に“選ばれる側”だったので、『この人には知性的な面を』『このタイプにはセクシーな魅力を見せるのが効果的!』と、相手の好みや求めているものを察することに長けていますが、男性はいくつになっても“選ぶ側”から抜けきれてない。そのため、察することが苦手で、好感を持ってもらうための努力が見当違いの方向に行ってしまう(笑)。それが、女性からはウザいと捉えられがちなのではないでしょうか。また、おじさんは、『若造とは違う』っていうプライドと、『結局、若さにはかなわない』っていう敗北感の狭間で生きているので、より自信過剰になるか、自信をなくして卑屈になるかの、二極化する傾向にあると思います」

 『おじさんメモリアル』の中で、そうしたおじさんの行動の数々を冷静に観察し、分析した鈴木さん。同書を発表したことに対する周囲のおじさんの反応は、どのようなものだったのでしょうか?

「『こんなやばい男って本当にいるんだね!』って、あくまで他人事ですよ。おじさんってイタい行動を指摘しても、なぜか絶対、自分のことだとは思わないんですよね。自分を顧みないというか。そこもまた、おじさんらしいですけどね」

 そんなおじさんへの対処法は、“笑いのネタ”にして昇華することがポイントなんだという。

「基本の対処法は、ちょっと笑う。こっちが本気で怒っても、おじさんが変わることは絶対ないし、いがみ合うだけで平行線なので。うまくやっていくためには笑いながらも許すみたいな姿勢が必要かも。その代わり、Twitterのネタにするとか、女子会でネタにして笑うとか、そういうガス抜きが大事ですね」

 私たちを苛立たせる、おじさんの行動の数々。日々更新されていくネタ帳だと思えば、少しは優しい気持ちになれる……とはいまいち思えないのだが……。
(ジョージ山田/清談社)

「もう一度、トガり直したい」突然のコンビ解散から2年……“俳優”今野浩喜の現在地

 相方の不祥事による突然のコンビ解散から2年。かつて、コント日本一を決める『キングオブコント2010』(TBS系)を制した元キングオブコメディの今野浩喜は、俳優としての実績を着実に、そして飄々と積み重ねているように見える。

 昨年はドラマ『僕たちがやりました』(フジテレビ系)で、ゴールデンのレギュラーにも進出。お茶の間にも、その独特な風貌が広く浸透し、テレビ、映画、演劇などジャンルを問わず出演オファーが絶えない状況が続いているという。

 そんな今野浩喜に、“ほぼ専業”の俳優として生きる日々と、冷めやらぬお笑いへの思いを聞いた。(取材・文=編集部/撮影=関戸康平)

 * * *

──解散から丸2年、すこぶる順調に見えます。

今野浩喜(以下、今野) 順調に見えるじゃないですか。

──はい。

今野 私がね、今びっくりしているのが、2017年の夏にゴールデンのドラマでレギュラーをやったわけじゃないですか。

──そうですね、はい。

今野 ……生活水準が変わらないんですよ! 非常に不思議なんです、これが。

──あはは(笑)。それは、事務所批判、マネジャー批判ですか? それとも『僕やり』を制作した関西テレビに、何か思うところが……。

今野 いやいや(笑)。誰を批判しているわけでもなく、実際にそういうドラマに出て、思ったんですよ。あ、変わらない! って。もっと大金持ちに見えるじゃないですか、ああいうところに出ている人たちって。でも変わらないんでね。なんだろうな、意外と夢がない世界なんだなってことが、わかったような気がします、2017年は。

──やっぱり、もっとお金が欲しい。

今野 有名税という言葉があると思うんですけどね、そんなに払うほどもらってないからって。顔だけ出てしまった。割に合ってないと思いますよ。

──また、顔が目立ちますし。

今野 そうそう、そうなんです。

■お笑いとの“2足のわらじ”から“専業”へ

──長い間、お笑いと俳優業の“2足のわらじ”だったわけですが、それがほぼ専業の俳優になったことで、現場に入る心境に変化はありますか? お笑い芸人としてドラマの現場に行くときと、今と。

今野 今はもう慣れっこですけど、当初はやっぱり、本気度は変わりますよね。これでやらないと死んでしまうっていうのは思っていました。

──逆に、普段お笑い番組を見るときの心境はいかがでしょう。

今野 うーん、変わってるのかなぁ。例えば、賞レースとかを見て評価をするとき……誰しもが、評価をするじゃないですか。そういうときに、「言う立場じゃないんじゃない?」って、ふと思うことはありますね。

──これまでは、王者として見ていた?

今野 王者としてっていうわけじゃ……(笑)。子どものころ、『ものまね王座決定戦』(フジテレビ系)とかを見ていて、「(審査員に対して)まず、おまえがやってみろよ」と思っていたから、その立場にはなりたくないよねっていう。だから、あまり評価をしないようにしているかもしれません。

──では、その立場から見て、昨年の『キングオブコント2017』(TBS系)は、どうでしたか?

今野 グフッ!(せき込む)

──にゃんこスターとか。

今野 いや、まあ、なんでそんなことを聞くんだっていう……。ただ、年末にね、後輩とボウリングをやって、ストライクのたびに、にゃんこスターの踊りをやってみたら、すっごいアガるんですよ。いいと思います、あれ。

──マネしやすいですしね。簡単ですし。

今野 簡単って、私はそうは思わないけど。あれは、結果、簡単なものに見えるけど、ゼロから作っているというのは、やっぱりすごいことですからね。

──もちろんです。あと、最近では“相方不祥事芸人”というのが数多く出てきていますが、NON STYLEの石田明さんやインパルスの板倉俊之さんに対して思うところはありますか?

今野 いやいやいや……。あのー、石田さんにしても、極楽とんぼの加藤さんとか、相方さんをずっと待っていたわけじゃないですか。なので、いないときでもイジる笑いをしていいと思うんですけど、そこは、私と一緒にしないでほしいと思いますね……。

──まったく別だと。

今野 別です。待っているのをヨシとされると、私の立場が、いずらくなるので、世間には状況をちゃんと考えてほしいと。

──確かに「待ってない今野は冷たい」と思われるのは心外ですよね。

今野 そうです。それに、1回待ったことがある(07年に相方の活動休止で半年間ピン芸人として活動した)ということは、忘れないでほしい……。

■ドラマ『僕やり』の“パイセン”役という重責

──昨年は、なんといっても『僕やり』でした。ゴールデンで、ほぼ準主役級の扱い。

今野 準主役ではないですけど。

──実際現場に入ってパイセンという役をやってみて、手応えというか、これはいけそうだなっていうのは、どれくらいでつかめましたか?

今野 意外と、ホン読みのときの周りの反応から、これでいいだろうなっていうのはわかりましたね。

──自分的に、というより、周囲の反応を見て安心する感じですか?

今野 そうです。

──これまでの出演作に比べると、作品の評価に対する責任の重い役だったと思いますが。

今野 それは、ありますよね……。とにかく、自分が背負わなきゃいけないのは、原作ファンの人に対して「全然違うじゃねえか」と思われないようにすることで。パイセンがもっとも象徴的だと思うんです。原作ファンを丸め込むのが、私の役だと思っていたので。それに、原作を読んだら「最終的にお笑いになろうとする人なんだ」っていう、そこを逆算しながらやる大変さもありましたよね。

──お笑いでいうと、「ダンソン!」とか「空前絶後の~!」とか、後輩のネタを全力でやっているのが、すごく楽しそうでした。

今野 楽しそうに見えたっていうのは、それは演技力のなせるわざでしょう(笑)。お笑いの人がやってるっていう恥ずかしさを出しちゃいけないから、お笑いの私をまず、画面から感じさせちゃいけない。そこは悩みましたけど、終わってみれば無駄な悩みだと思いましたね。

──とにかく、いろいろ重いものを背負った役だったと。

今野 背負ったものでいえば、それは『くそガキの告白』(12年公開の主演映画)のほうが重いですけど。でも、見ている視聴者の数は明らかにドラマのほうが多いですし、これは、本当に生活が変わると思ったんですけどね……。CMとか、その時間帯のレギュラーとか、そういうのが、思っていたより全然ないから……。

──『僕やり』の役のイメージでCMは難しいかもしれません。爆破犯だし。

今野 でもその、演技という面では見られているわけだし、坊主にすることも厭わない人なんだっていうのも……。

──誰も坊主を厭うとは思っていないと思いますが……。

■20歳の“パイセン”と、20歳の今野浩喜

──パイセンは20歳という設定ですが、今野さん自身の20歳のころは、どんな感じでしたか?

今野 えー、憶えてないですね……。オンバト(NHK『爆笑オンエアバトル』)には、もう出てたんじゃないかな。全然憶えてないです。

──手元の資料では、1999年の11月にゲットスマイルズで出ているようです。これ20歳ですね。

今野 憶えてないなぁ……。

──そのころも、人前やカメラの前で何かやるという仕事をしていたわけですが、今と比べて、舞台やテレビに出る怖さみたいなものは変わりましたか?

今野 当時は、圧倒的に緊張していたんじゃないかと。

──場数を踏んで、緊張はしなくなった。

今野 今も緊張はしているんでしょうけど、緊張がどういうものかまで、わかるじゃないですか。緊張したらこうなる、とか。冷静に緊張を受け止めるので、すぐ治まるし、なんで緊張するんだっていうことを突き詰めていくと、緊張する意味がなくなる。そういうことは、あると思いますね。

──逆に、変わっていないことってありますか?

今野 変わってないというか、当時の感じに、また戻ったほうがいいだろうなっていうのは、やっぱ、トガり直してますよね、最近。

──トガりを。具体的にどうトガっているとか、ありますか?

今野 もっとカメラ前だけで、とにかく結果を残すとか、客前だけ結果を残すっていう。

──あ、楽屋でトガるってことですか?

今野 そうですよ。

──本番でトガりを見せるのではなく、楽屋でトガることをやり直してる。

今野 そうです。

──えっと、それはなぜ……?

今野 無駄だと思ったんです。なんだろうな、サッカー選手とか、人の顔色を見てやらないでしょう。そういうところからですよ。もっと「オレがオレが」でしょ、みんな。それは、世界が違うんですけれども。

──要は、パフォーマンスを本番で、ガッ! とやるために。

今野 そう、あんまり仲良くなると、何かを本番で急にやるっていうのが、やりずらいし。「あの人、わからないな」っていう部分を残しておきたい。『下町ロケット』(TBS系)のときに安田顕さんにそれを感じて。あの人、ホントしゃべらないんですよ、楽屋で。でも、気付くとみんなの目がそっちに向くんですよね。本人が、どう意識してそうしているのかわからないですけど。

■「演技力が高い」という評価

──今野さんの中で「演技力」って、なんだと思いますか?

今野 ああー、それはでも、ね。演技力と「売れる」が関係なさすぎるっていうのは、小劇場を見ていると思いますよね。ホントにみんな上手なんで。演技力ってなんなんだって聞かれたら、何かわからないけど、見て明らかに違いますよね。明らかに違う。

──見た瞬間、違う。

今野 見て、すぐ違うのがわかる人っていますよね。いくらつまらない芝居でも、目につく人がいる。そういう何かですよね。

──そういうものが自分の中に備わっているとか、身に付けたいとか、自分自身と「演技力」という言葉って、どんなふうにつながっていますか?

今野 そういう人の何かをパクろうとはしますよね。セリフのやり取りが上手だったら、それは芝居が上手ということなんですけど、じゃあ上手く見えるかっていうと違うし。「変だな、あの人」っていう印象のほうが、上手に見えたりすることもある。そういうのを、その場によって使い分けられるようになりたいですね。

──今でも、それぞれの現場で求められているものに回答しているという実感はあるんじゃないですか?

今野 うーん、どうだろう……。

──ガッカリはさせていないというか。

今野 ガッカリはさせてないと思いますけど。ただ、現場によっては「これ誰が情熱を持ってやってんだろう」みたいなところもあるじゃないですか。「このディレクターは何も見えてないな、画が」みたいな。というときは、現場に向けてやってもしょうがないんで、視聴率を落とさないようにっていうのを念頭に置くことはあります。

──数字に対する意識があるんですね。

今野 数字は、たぶん3本の指に入るくらい意識してます。

──それでいえば、『僕やり』は全話平均6.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、視聴率的にはコケてます。一方で、視聴熱といったデータでは非常に高く評価されていますが、それでもやっぱり、数字は欲しかった。

今野 数字は欲しいです。自分で上げようっていう意識より、自分が出ているときに下げてはいけないという。ヘタだろうがなんだろうが、「なんだ?」って思わせれば視聴率は下がらないと思うので、目に留まるようなことをしようとは思いますね。

──お芝居の仕事をしている中で、満足感を感じることってありますか? クランクアップとか、その日の現場終わりとか。

今野 満足感……うーん、満足感……。終わっての満足感は、特には感じてないのかな。むしろ始まる前のほうが楽しいです。情報解禁を待っているときとか、ポスターが出るときのほうが楽しい。

──それは、ミーハーな感覚なんでしょうか。

今野 そうかもしれないです。ものすごいミーハーだし。現場に入ったら、もう終わりが見えるし。

──では、先ほど情熱という話がありましたが、今野さんの中で情熱が燃える仕事というのは?

今野 燃える仕事は、もちろん番手のいい仕事はそうですけど、逆のこともあって。さっき言ったような、「なんだ、この現場は」「なんだ、この台本は」とか思うと、それはそれで情熱が湧くんですよね。どう出し抜こうか、どう成立させようかっていう。

■新作『カクホの女』超大御所だらけの現場で

──今年最初の連ドラは『カクホの女』(テレビ東京系、金曜20時)です。若手の多かった『僕やり』から一転して、名取裕子さん、麻生祐未さん、伊東四朗さん、鶴見辰吾さんなどなど、超大御所ぞろいの現場に入ってみて、いかがでしょう。

今野 あのー、なんか知らないんですけど、名取さんが、すごい話しかけてくれて。

──かわいがられてる。

今野 というか、当初「かわいい」って、すごい言われました。かわいがられるということじゃなく、直の話ですよ。「かわいい~!」って、すっごい言われて。

──顔が、ですか?

今野 顔なんでしょうね。髪型とかも、すっごいよかったみたいで。こっちも、なんかちょっと意識しちゃいますよね。そんなんなっちゃったら。

──おきれいな方です。

今野 おきれいです。

──意識しちゃいますか。

今野 しちゃいます。もう、そもそも『ミエリーノ柏木』(テレビ東京系/13年)のファンだそうで、「カッコいい役だったわよね」みたいな、すごく見てたみたいで、それをキッカケに話してくれて。

──名取さんが座長ですよね。それは超ラッキーな。

今野 ラッキーでしたね。

──もしくは名取さんが「この子、食べちゃいたいわ」と思ってネジ込んだか。

今野 それはないと思いますけど……。でもやっぱり、トガり直してたとこなんで、実際、誰ともしゃべってなかったんです。そしたら、いきなり名取さんから。だから、結局そういうことじゃんって思いました。トガろうがトガるまいが、結果を残していればそうなるんだっていうのは、自信が確信に変わったところはありましたよね。大楽屋でワイワイする必要はないわけだから。

──向こうが勝手に来る。座長が勝手に、かわいがってくる。

今野 座長にかわいがられれば、それでいいわけですから。でも、この記事が載って、出演者が読むと思うと怖いですね。みなさん番組名で検索するわけだから、これにたどり着いちゃうわけじゃないですか。怖いですよ。

──別に、2人でイチャイチャしているわけではないんですよね?

今野 でも、急に私だけに袋でアメをくれたりする。みんなもらってるかと思ったら、私だけ。イタリア製のアメをくれたりとか。

──『僕やり』では、共演者の窪田正孝さんと水川あさみさんがフライデーされていましたが、そういう可能性も?

今野 あるわけねーだろ! っていうのは失礼だし、アレですけど……。まあまあ、それはね。匂わせたほうが視聴率も上がるかもしれないですし。

──それはそうと、今回は鑑識の役ということで、鑑識といえば、大先輩で過去に共演もしている六角精児さんのイメージが強いです。

今野 やっぱり、そこは考えますよね。「鑑識=六角さん」が強いので、六角さんとは違うことをやろうとしすぎてます。

──台本上だけじゃなく、自分の中でも。

今野 これをぶっちゃけることが、いいことか悪いことかわからないですけど、私はいいことだと思うから言いますけど、台本が、そもそも全員にタメ口だったんです。というのも、もともと最初の準備稿が53歳の役だったんですね。それを、そのほうが面白いからそのままいきましょうってことになって。誰しもにタメ口というのは、六角さんとの違いも出ますし、面白いと思うんですけど、どう転ぶか、ちょっと楽しみですよね。

──好感度が下がるかもしれない。

今野 下がるかもしれない。どんどん話が進むにつれてエキセントリックさが増してるし。

──そんな『カクホの女』の見どころを教えてください。

今野 どういう言い方をすればいいんだろうな……。いわゆる、パッと見は、2時間ドラマのようなものだと思うんですよ。安心して見られるような。20時だし。そういう感じで見てたら「ビクッ!」ってすることが多々あると思うんです。「なんなのこれ!?」って。そういうところが見どころだし、自分でも見たいところですね。

■ところで、お笑いの仕事は?

──お笑いの仕事の予定はありますか?

今野 特にないですね。

──『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)とか、また呼ばれれば出たいという気持ちは?

今野 あれは……なんなんでしょうね? 川島(明=麒麟)さんだけ、すぐまた出たけど。同じくらいの結果の残し方だったんですけど、おかしいですよ。同じように『IPPONスカウト』から上がって、同じような結果だったんですけどね。あの番組はなんですか? その、大喜利以外のしゃべりも評価に入れるんですか? っていうのは、ちょっと思いましたけどね。

──結局、競技じゃなくてバラエティじゃないかと。

今野 そうですよ。おかしいんじゃないかって。これは、今のは文句です。載せてもらって構いません。

──激怒、ということですね。

今野 激怒ですね。ただ、タイトルにはしないでください。

──『今野浩喜、IPPONに激怒!』。

今野 それは、ちょっとまずいので……。

●こんの・ひろき
1978年、埼玉県生まれ。高校卒業後、プロダクション人力舎「スクールJCA」に6期生として入学。お笑いコンビ・キングオブコメディとして『キングオブコント2010』で優勝を飾るも、相方の不祥事によって2015年にコンビ解散。08年頃から俳優としても活動し始め、12年、主演映画『くそガキの告白』で「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」審査員特別賞、シネガーアワード、ベストアクター賞、ゆうばりファンタランド大賞人物部門の4冠を獲得。テレビドラマ『下町ロケット』(TBS系/15年)、『真田丸』(NHK/16年)、『僕たちがやりました』(フジテレビ系/17年)などに出演。現在、放送中のドラマ『カクホの女』(テレビ東京系)に出演中。18年には映画『不能犯』『今夜、ロマンス劇場で』が公開を控えている。
Twitter:https://twitter.com/comnotwithiroki

永井豪の伝説コミックが完全アニメーション化!! 湯浅版『デビルマン』がヤバすぎるその秘密は?

 カルト的人気を誇る永井豪の伝説コミック『デビルマン』が連載終了から45年の歳月を経て、初めて完全アニメーション化された。平和をむさぼる現人類と2万年の眠りから目覚めた先住人類であるデーモン(悪魔)との壮絶なるサバイバルウォーを描いたSFコミックだが、スケールの大きさから過去にテレビアニメ化(1972年)、実写映画化(2004年)されたものの、衝撃的なエンディングまでを描き切ることはできなかった。だが、1月5日からNetflixにて全世界配信が始まった『DEVILMAN crybaby』(全10話)では、人間の心と悪魔の能力を持った不動明ことデビルマンとサタン率いるデーモン軍団との最終戦争(ハルマゲドン)までを怒濤の展開できっちり描いてみせている。

 映像化不可能と思われていた『デビルマン』の完全アニメーション化をなし得たのは湯浅政明監督。『マインド・ゲーム』(04)で長編監督デビューを果たして以来、数々の傑作アニメーションを生み出してきた天才アニメーターだ。アヌシー国際アニメーション映画祭最高賞受賞作『夜明け告げるルーのうた』(17)でも見せた奔放な演出は、今回も存分に発揮されている。テレビアニメ『ピンポンTHE ANIMATION』(14)でも湯浅監督とタッグを組んだアニプレックス社の新宅洋平プロデューサーに、本作の企画が成立した経緯とテレビアニメとは異なるネット配信アニメの特性について聞いた。

新宅洋平(以下、新宅)「松本大洋さんの人気コミックを原作にした『ピンポン』を終えたとき、通常のコミック原作のアニメ化より一歩先へ行けた手応えを感じたんです。湯浅監督と『また、ぜひやりましょう』という話になったのですが、松本さんの『ピンポン』を上回るような作品はそうそうありません。しばらくは企画会議と称してちょくちょく話し合い、そうして出てきた企画のひとつが『デビルマン』でした。湯浅監督が全世界配信であるNetflixで新作をやるのも面白いんじゃないかと思い、Netflixに湯浅版『デビルマン』を提案したんです。企画が成立したのが2015年ごろ。永井豪先生が2018年で漫画家デビュー50年を迎えるというタイミングも重なり、また永井先生も『この企画なら、僕も観てみたい』と快諾してもらえたんです」

 永井豪原作の『デビルマン』を映像化する上で、セクシャル&バイオレンスな描写は避けて通れない。この点に関してもNetflixを表現の場に選んだことは正解だった。CMを流す企業からのスポンサー料で成り立つ民放テレビと違い、Netflixは視聴者がスポンサーとなり、好きな動画を楽しむことができる。地上波テレビと比べ、表現に関する規制はかなり少ない。

新宅「公共の電波であるテレビでは、深夜枠であっても、流血シーンや人体破壊シーンの表現は難しい。その点、ネット配信であるNetflixは自由度がとても高い。Netflixの担当者から『うちはクリエイターの表現を大切にする』と言ってもらえたのも、心強かったですね。キャラクターを縦横無尽に動かす湯浅監督の魅力を大いに活かすことができたと思います。テレビと違って放送のフォーマットが厳しく決まってないことも良かった。テレビアニメの場合、放送枠に収まらず、大事なシーンを調整せざるを得ないこともあるんですが、今回それはありませんでした。各エピソード24分程度でまとめていますが、第9話では石野卓球さんと七尾旅人さんが歌う特別エンディング曲『今夜だけ』が流れたり、尺の自由度があります。また、完成した第1話を観たときに、あまりに過激な内容だったので驚いたのですが、湯浅監督から『これでも、まだアクセル踏むのは抑えたつもりだよ』と平然と言われ、さすがだなと思いました(笑)。テレビアニメでは不可能なセクシャル&バイオレンスな表現もありますが、あくまでもデビルマンのかっこさよさを描くためのものなんです」

 湯浅監督が2013年に立ち上げたアニメ制作会社「サイエンスSARU」が『DEVILMAN crybaby』の制作を一括受けしていることも注目ポイントだ。「サイエンスSARU」は小さなアニメスタジオながら作業効率のアップに意欲的に取り組んでおり、2017年だけで劇場アニメ『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』、そして『DEVILMAN crybaby』と画期的な3本の長編アニメを完成させている。

新宅「通常のテレビアニメだと、放送スケジュールに間に合うように原画担当、動画担当……と分業化して多くのスタッフで作業を進めていくのですが、『サイエンスSARU』ではアニメーション用ソフトのフラッシュが大きく活用されています。炎や波など同じ動きを表現する場合は、フラッシュを使うことでスピーディーに仕上げることができわけです。『DEVILMAN crybaby』の第1話と第2話はすべてフラッシュで作られています。第3話以降はフラッシュと通常のアニメーションづくりとのハイブリットスタイルですね。『SARU』のプロデューサーがうまく割り振ってくれています。第4話はコンテ・演出・原画を霜山朋久さんが、第9話は小嶋崇史さんが原画のすべてをそれぞれ1人で手掛けました。第5話はデビルデザインも手掛けた押山清高さんが、ほぼ1人で描いています。才能のあるクリエイターにひとつのエピソードの中の多くを託すことによって、クオリティーの高いものに仕上がったのだと思います」

 原作コミックでは描かれなかった主人公・不動明の両親が登場する第4話「明、来て」、原作でも人気の高い妖鳥シレーヌとデビルマンとの死闘を描いた第5話「シレーヌ、君は美しい」、そしてヒロイン・牧村美樹がフィーチャリングされる第9話「地獄へ堕ちろ、人間ども」は、それぞれ“神回”と呼べる迫力がみなぎっている。

「原作を読んだことのない若い世代に、永井先生が20代の頃に描いた『デビルマン』という素晴しい作品があることを知ってもらい、長く受け継いでもらえるようなアニメーションにしようと湯浅監督と企画当初に確認した」と新宅プロデューサーが語る『DEVILMAN crybaby』はかくして完成した。世界190か国(7言語吹替え、字幕23言語対応)に向けて現在配信中で、番組公式ツイッターには、英語、韓国語、フランス語、スペイン語など様々な言葉で熱い感想が届いているという。湯浅監督と新宅プロデューサーとのタッグ歴だけに限らず、日本のアニメーション界においてもマイルストーンな作品となりそうだ。
(取材・文=長野辰次)

『DEVILMAN crybaby』
原作/永井豪『デビルマン』 監督/湯浅政明 脚本/大河内一楼 音楽/牛尾憲輔 キャラクターデザイン/倉島亜由美 デビルデザイン/押山清高 アニメーション制作/サイエンスSARU
主題歌/電気グルーヴ「MAN HUMAN」
特別エンディング/卓球と旅人「今夜だけ」
声の出演/内山昂輝、村瀬歩、潘めぐみ、小清水亜美、田中敦子、小山力也、アヴちゃん(女王蜂)、津田健次郎、KEN THE 390、木村昴、YOUNG DAIS、般若、AFRA
Netflixにて世界同時配信中
c)Go Nagai-Devilman Crybaby Project
devilman-crybaby.com

 

永井豪の伝説コミックが完全アニメーション化!! 湯浅版『デビルマン』がヤバすぎるその秘密は?

 カルト的人気を誇る永井豪の伝説コミック『デビルマン』が連載終了から45年の歳月を経て、初めて完全アニメーション化された。平和をむさぼる現人類と2万年の眠りから目覚めた先住人類であるデーモン(悪魔)との壮絶なるサバイバルウォーを描いたSFコミックだが、スケールの大きさから過去にテレビアニメ化(1972年)、実写映画化(2004年)されたものの、衝撃的なエンディングまでを描き切ることはできなかった。だが、1月5日からNetflixにて全世界配信が始まった『DEVILMAN crybaby』(全10話)では、人間の心と悪魔の能力を持った不動明ことデビルマンとサタン率いるデーモン軍団との最終戦争(ハルマゲドン)までを怒濤の展開できっちり描いてみせている。

 映像化不可能と思われていた『デビルマン』の完全アニメーション化をなし得たのは湯浅政明監督。『マインド・ゲーム』(04)で長編監督デビューを果たして以来、数々の傑作アニメーションを生み出してきた天才アニメーターだ。アヌシー国際アニメーション映画祭最高賞受賞作『夜明け告げるルーのうた』(17)でも見せた奔放な演出は、今回も存分に発揮されている。テレビアニメ『ピンポンTHE ANIMATION』(14)でも湯浅監督とタッグを組んだアニプレックス社の新宅洋平プロデューサーに、本作の企画が成立した経緯とテレビアニメとは異なるネット配信アニメの特性について聞いた。

新宅洋平(以下、新宅)「松本大洋さんの人気コミックを原作にした『ピンポン』を終えたとき、通常のコミック原作のアニメ化より一歩先へ行けた手応えを感じたんです。湯浅監督と『また、ぜひやりましょう』という話になったのですが、松本さんの『ピンポン』を上回るような作品はそうそうありません。しばらくは企画会議と称してちょくちょく話し合い、そうして出てきた企画のひとつが『デビルマン』でした。湯浅監督が全世界配信であるNetflixで新作をやるのも面白いんじゃないかと思い、Netflixに湯浅版『デビルマン』を提案したんです。企画が成立したのが2015年ごろ。永井豪先生が2018年で漫画家デビュー50年を迎えるというタイミングも重なり、また永井先生も『この企画なら、僕も観てみたい』と快諾してもらえたんです」

 永井豪原作の『デビルマン』を映像化する上で、セクシャル&バイオレンスな描写は避けて通れない。この点に関してもNetflixを表現の場に選んだことは正解だった。CMを流す企業からのスポンサー料で成り立つ民放テレビと違い、Netflixは視聴者がスポンサーとなり、好きな動画を楽しむことができる。地上波テレビと比べ、表現に関する規制はかなり少ない。

新宅「公共の電波であるテレビでは、深夜枠であっても、流血シーンや人体破壊シーンの表現は難しい。その点、ネット配信であるNetflixは自由度がとても高い。Netflixの担当者から『うちはクリエイターの表現を大切にする』と言ってもらえたのも、心強かったですね。キャラクターを縦横無尽に動かす湯浅監督の魅力を大いに活かすことができたと思います。テレビと違って放送のフォーマットが厳しく決まってないことも良かった。テレビアニメの場合、放送枠に収まらず、大事なシーンを調整せざるを得ないこともあるんですが、今回それはありませんでした。各エピソード24分程度でまとめていますが、第9話では石野卓球さんと七尾旅人さんが歌う特別エンディング曲『今夜だけ』が流れたり、尺の自由度があります。また、完成した第1話を観たときに、あまりに過激な内容だったので驚いたのですが、湯浅監督から『これでも、まだアクセル踏むのは抑えたつもりだよ』と平然と言われ、さすがだなと思いました(笑)。テレビアニメでは不可能なセクシャル&バイオレンスな表現もありますが、あくまでもデビルマンのかっこさよさを描くためのものなんです」

 湯浅監督が2013年に立ち上げたアニメ制作会社「サイエンスSARU」が『DEVILMAN crybaby』の制作を一括受けしていることも注目ポイントだ。「サイエンスSARU」は小さなアニメスタジオながら作業効率のアップに意欲的に取り組んでおり、2017年だけで劇場アニメ『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』、そして『DEVILMAN crybaby』と画期的な3本の長編アニメを完成させている。

新宅「通常のテレビアニメだと、放送スケジュールに間に合うように原画担当、動画担当……と分業化して多くのスタッフで作業を進めていくのですが、『サイエンスSARU』ではアニメーション用ソフトのフラッシュが大きく活用されています。炎や波など同じ動きを表現する場合は、フラッシュを使うことでスピーディーに仕上げることができわけです。『DEVILMAN crybaby』の第1話と第2話はすべてフラッシュで作られています。第3話以降はフラッシュと通常のアニメーションづくりとのハイブリットスタイルですね。『SARU』のプロデューサーがうまく割り振ってくれています。第4話はコンテ・演出・原画を霜山朋久さんが、第9話は小嶋崇史さんが原画のすべてをそれぞれ1人で手掛けました。第5話はデビルデザインも手掛けた押山清高さんが、ほぼ1人で描いています。才能のあるクリエイターにひとつのエピソードの中の多くを託すことによって、クオリティーの高いものに仕上がったのだと思います」

 原作コミックでは描かれなかった主人公・不動明の両親が登場する第4話「明、来て」、原作でも人気の高い妖鳥シレーヌとデビルマンとの死闘を描いた第5話「シレーヌ、君は美しい」、そしてヒロイン・牧村美樹がフィーチャリングされる第9話「地獄へ堕ちろ、人間ども」は、それぞれ“神回”と呼べる迫力がみなぎっている。

「原作を読んだことのない若い世代に、永井先生が20代の頃に描いた『デビルマン』という素晴しい作品があることを知ってもらい、長く受け継いでもらえるようなアニメーションにしようと湯浅監督と企画当初に確認した」と新宅プロデューサーが語る『DEVILMAN crybaby』はかくして完成した。世界190か国(7言語吹替え、字幕23言語対応)に向けて現在配信中で、番組公式ツイッターには、英語、韓国語、フランス語、スペイン語など様々な言葉で熱い感想が届いているという。湯浅監督と新宅プロデューサーとのタッグ歴だけに限らず、日本のアニメーション界においてもマイルストーンな作品となりそうだ。
(取材・文=長野辰次)

『DEVILMAN crybaby』
原作/永井豪『デビルマン』 監督/湯浅政明 脚本/大河内一楼 音楽/牛尾憲輔 キャラクターデザイン/倉島亜由美 デビルデザイン/押山清高 アニメーション制作/サイエンスSARU
主題歌/電気グルーヴ「MAN HUMAN」
特別エンディング/卓球と旅人「今夜だけ」
声の出演/内山昂輝、村瀬歩、潘めぐみ、小清水亜美、田中敦子、小山力也、アヴちゃん(女王蜂)、津田健次郎、KEN THE 390、木村昴、YOUNG DAIS、般若、AFRA
Netflixにて世界同時配信中
c)Go Nagai-Devilman Crybaby Project
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【元ネオヒルズ族はいま】久積篤史が「奇抜さ演じた過去」「情報商材ビジネスへの後悔」を激白

motohiruzuzoku

 2013年頃、メディアで盛んに取り上げられ、一躍脚光を浴びた、六本木ヒルズに居を構える“ネオヒルズ族”を覚えているだろうか? その1人である久積篤史氏は、高校卒業後、アパレル、ホスト、キャバクラのボーイなどの仕事についた後、起業を志して11年に上京。一時は漫画喫茶で寝泊まりすることになるも、そのわずか1年後には、ネオヒルズ族のリーダーと称される“秒速で1億円を稼ぐ男”与沢翼氏に師事して、インターネットビジネスで成功を収める。しかし、13年12月に情報商材ビジネス業界から引退――若干28歳で成功をつかみ、誰もがうらやむ生活を各種メディアで報じられた元ネオヒルズ族・久積氏のその後をレポートする。

■六本木ヒルズは撤退したが、今も六本木に暮らしている

――六本木ヒルズからはいつ頃退去されたのですか?

久積篤史氏(以下、久積) 13年には退去して港区タワーマンション最上階ペントハウスに引っ越しました。私はずっと六本木というわけではなく、虎ノ門ヒルズ(15年入居)などヒルズ系を転々としています。六本木ヒルズは、住むと人脈が広がりやすいという点で、非常に魅力的でしたし、ほかにも当時は、職場に近いという利点もありました。

――そして今はまた六本木に住まれていますが、暮らしやすいなど、メリットがあるということでしょうか?

久積 暮らしやすいかというと、ココ(某高層マンションの最上階ペントハウス)も見晴らしは確かにいいですが、騒音があるなど、生活するには適していないと思っています。オフィスとしても一部使用しているものの、社員は世界各地からのオンライン出社なので、基本的には私と彼女で使っています。こう話すと、なぜ今も六本木にある部屋を借りているのかと思われるでしょうが、実はここは私の先輩にあたる与沢翼さんが暮らしていた部屋なんです。思い出もありますからね。与沢さんが引き払った後に、手を尽くして物件を確保しました。

――与沢さんとは不仲説も流れていましたが、そういうわけでもないのですか?

久積 確かにネットでその説が流れたときには、喧嘩をしていた覚えがあります。私も当時はまだまだ子どもでした。ですが、いまでも与沢さんがいたから、今の久積篤史という存在があると思っていますし、連絡を取れる関係値にいますよ。いまはドバイにいますけど、やはり稼いでいますよね、翼会長。

――与沢さんといえば、豪快なお金の使い方が話題になりました。久積さんはどのような遊びをされていましたか? やはり当時と今では遊び方も違いますか?

久積 ネオヒルズ族と呼ばれていた頃は、クラブやキャバクラで遊んだり、パーティーを開いて騒いだりと、皆さまがイメージしているのと変わらない遊び方をしていたと思います。ここ最近でというと、遊んだ記憶はないです。ネオヒルズ族のイメージから、私が女の子をはべらせて高いシャンパンを飲んでいる、と想像されていると思うのですが、私はお酒が好きではないので、そういった遊びが特に好きということもないんです。実は私、結構オタクでして、SNSやサイトを弄ったりするのが好きなので、いまは1日中パソコンと向き合って仕事をしています。

――やはりメディアで見せる姿は違うのですね。

久積 メディアに出演する際は、特に言動には注意を払っていました。カメラを自分自身に向かせるような奇抜な言動をあえて取るようにしていたんです。それが求められていましたから。現代は企業や組織といった枠にとらわれず、スマートフォン1台さえあれば、個人が光り輝ける時代。芸能人やYouTuberやインスタグラマーも同じで、当時は「久積篤史を売る」ことが会社の繁栄につながっていたわけです。

――久積さんは、漫画『闇金ウシジマくん』(小学館)の「フリーエージェント編」にクレジットされたことがあります。ネオヒルズ族をモデルにしたマルチ商法詐欺の話で、無料セミナーに参加者を募り、その後高額の情報商材を販売するといった手法が紹介されました。久積さんも悪役のモデルにされるのはわかっていたと思うのですが、どうしてまた取材を受けられたのですか?

久積 あれも面白い経験でしたね。取材に来られた作者の真鍋昌平さんからも、「うちの漫画知ってる? 結構描いちゃうけど大丈夫?」と何度も念押しされました。いろいろと質問を受けましたが、真鍋さんはとても感じのよい方でした。描かれ方についても特に嫌だと思ったことはありません。実際、連載されたときには、うれしかったです。

――『ウシジマくん』で描かれた情報商材ビジネスと、実際に久積さんたちが扱われていた情報商材ビジネスの違いについてお教えいただけないでしょうか?

久積 身もふたもない言い方ですが、一言でいうなら同様のものです。『ウシジマくん』の「フリーエージェント編」で上手に描かれていますから、読んでいただくのが一番わかりやすいかもしれません(笑)。

――ネオヒルズ族と呼ばれていた当時、販売していた情報商材が詐欺だという声もありました。15年の「アサヒ芸能」(徳間書店)の記事で、被害者の会が立ち上がったとか。その後、何かあったのでしょうか?

久積 被害者の会は、私も「アサヒ芸能」の記事で知りました。弁護士を通じて編集部に確認したのですが、会自体は本当に存在してはいたそうです。裁判になるのかと思ったものの、その後、特に動きもなく、訴状や申し入れも届いていませんね。

 「ネオヒルズ族は何も作っていない」という批判がありますが、私が12年末に情報商材の販売を辞めた一因も、ノウハウや情報を扱うだけで、残るもの、形があるものを、「何も作っていない」ということが大きかったんです。もともと何がしたかったのか考え、「上場企業を創りたい」と思って上京した原点に立ち返り、13年からインフルエンサーとして活動を始めました。

――久積さんは、日本の元祖インフルエンサーと名乗られていますが、具体的にはどのような人のことを指すのでしょうか?

久積 インフルエンサーというのは、YouTuberやブロガー、インスタグラマーなどのSNS上で強い発言力を持つ人々のことです。私自身も13年から企業情報などを発信していくインフルエンサー(ジャンル:ビジネス)として活動していますが、SNSが発達していくにつれて益々活躍の場が増えています。

 私はAmeba、FacebookやTwitterのようなウェブサービスを見て、自分もこういったサービスを作り上げてみたいと思っていました。そこでまずインフルエンサーとして活動を始め、いまでは1,000名ほどのインフルエンサーさんたちと一緒に仕事をするようになっています。最近ではマーケティングを依頼したい企業や個人と、インフルエンサーたちをマッチングするシェアリングエコノミー「パトロン/Patron」を立ち上げるところなのですが、予想以上の反響があり、驚いているぐらいです。

――ネオヒルズ族としての活動経験は生きていますか?

久積 はい、私がソーシャルメディアを使って、さまざまな活動を行ってきたことには一貫性があります。それは、「SNS発の〇〇」といった、久積篤史個人としてインフルエンサーという名称や存在を広めるための活動です。

 私には「SNSを活用したビジネスを行う若手起業家」「ソーシャルメディアを使ってCD1万枚を売ると豪語したSNS発のメジャーデビュー歌手」「SNS発 EDMユニット“MicroCeleb”のDJ兼プロデューサー」という肩書があります。Facebookを用い、台湾・台北の会場へ現地人(台湾人)のみを送客し、久積篤史来台講演も行いました。

■ホリエモンは今の若い子にまったく響いていない

――17年2月にアメリカに会社登記されていますが、なぜアメリカなのですか?

久積 アメリカのデラウェア州に会社を設立したのは、そこを足掛かりとしてシリコンバレーに進出したいと本気で考えているからです。まだ準備中なので具体的にはお伝えできないのですが、成功すれば18年には進出します。

――日本のヒルズから世界のシリコンバレーに進出すると。まさに成り上がり、ですね。

久積 私自身が掲げている、一番の大きな野望は、同年代であるFacebookのCEO・マーク・ザッカーバーグに、僕が作ったウェブサービスを買収してもらうこと。インスタグラムもたった8人で立ち上げたサービスが、800億円で買収されました。インターネットという、人が集まる世界に投じられるお金は無限大。私たちは次なるインスタグラムやSnapchat、Uber、Airbnbを目指さなければならないんです。

 やれ、メルカリがシリコンバレーにまで進出したとか、LINEの元社長がインフルエンサー関連の次世代メディアを創ったとか、ホリエモン(堀江貴文)さんや藤田(晋)社長がまた新しいことを始めた……など、よく耳にしますが、ハッキリ言って、彼らはもうおじさん世代。僕からしたらヒーローみたいな経営者であったとしても、今の20代の若い子たちにはまったく響いていませんよ。18年は、シリコンバレー進出です。見ててください。 私たちで、世界を圧倒してみせますから。

――ネオヒルズ族時代に感じた勢いはまったく衰えていないですね。久積さんは、大金を稼ぎ、世間的には成功を収めているとみられていますが、自分自身をどのように捉えていますか?

久積 私はネオヒルズ族が成功したとは思っていません。ネオヒルズ族はインターネットを使い、個人で稼ぐ力を一定レベルで手に入れただけなんです。お金を稼ぐことだけが目的であれば、それは事業だとは言えません。私たちはネオヒルズ時代に実体のないような副産物を産んでしまいました。その責任を取らなければならないとも思っています。今もいますが、アンチアフィリエイターや他者を貶めるサイトを故意に立ち上げては、さらに稼げる情報はこちらと誘導して小銭を稼ぐような人たちも多かったんですよ。

 そんな過去があるからこそ、世の中に必要なウェブサービスを構築して、広めていかなければならない。「ネオヒルズ=情報商材屋」ではなくて、ネオヒルズ族の中にも本物の起業家がいたんだってことを証明したい。私にとって結局はこれが全てなのでしょう。

久積篤史(ひさつみ・あつし)
12年にネオヒルズ族として“秒速で1億を稼ぐ男”与沢翼氏を師事し、インターネット業界で成功をおさめるも13年12月に情報商材業界から引退。以後、「元祖インフルエンサー」として国内のみならずアメリカ、台湾など諸外国と世界規模で活動を続ける。17年2月にアメリカのデラウェア州に会社EXTRAVAGANZA INTERNATIONAL, INC.を設立。インフルエンサーと依頼者を繋げるサイト「パトロン/Patron」を運営。

EXTRAVAGANZA INTERNATIONAL, INC.
PATRON ICO