「まだ結婚しないの?」「孫の顔が見たい」面倒な親を黙らせる方法を心理カウンセラーに聞く

 アラサーの独身女性が、年末年始や法事などの“帰省イベント”に参加すると、決まって浴びせられる「まだ結婚しないの?」「子どもは?」「孫は?」といった面倒な質問。婚活中の女性ならば「なんてデリカシーのない質問をするんだ」と、イラ立ってしまうこともあるはず。果たして、この面倒な質問攻撃に立ち向かうには、どうすればいいのだろうか? 全国心理業連合会公認上級プロフェッショナル心理カウンセラーの浮世満理子さんに聞いた。

■共通の会話が“結婚”と“孫”しかない

 両親や親戚が、結婚や出産の質問をするのはなぜか? その一番の理由について、浮世さんは「お互いにとって、共通の話題がそれしかないから」と指摘する。

「特に、実家を離れて都会で一人暮らしをしている女性は、彼らにとって、もはや未知の生命体。どんなことを話していいのかわからず、共通の関心事として、とりあえず『結婚』を話題に出しているケースがほとんどです。一方の独身女性側は、『話題がないとはいえ、個人的な問題に答える義務はない』と感じているはず。ただ、残念ながら、結婚や出産がナーバスな話題といわれるようになったのは、つい最近のことなんです。しかも“結婚の話題=ナーバス”というイメージを持っているのは、都心住まいの若年世代だけ。極端にいえば、地方の中高年以上の人に、そのような感覚はほとんどないのが実態です」

 結婚の話題に対する世代間や地域性のギャップこそが、“面倒な質問”にイラ立つ原因だったのだ。

■“ナーバスな質問”と思ったら負け! 面倒な質問対策

 結婚の話をするしかない親世代と、結婚の話を避けたい独身女性。お互いの価値観の相違から、両者のバトルが勃発してしまう。それでは、独身女性たちは“面倒な話題”を、どう乗り切るべきだろうか?

「実は“結婚=ナーバスなこと”と捉えている時点で、すでに相手側に勝機が見えています。笑ってごまかそうものなら、独身女性たちの弱点が“結婚”にあることに気づき、『見合い相手を紹介する』『早くしないと行き遅れる』など、さらなる攻撃を仕掛けてきます。そうならないためにも、相手にはしっかり“自分の考え”を伝える必要があるのです」

 ここで、ある母と娘の会話を見てみよう。

母「あなた、もう27歳になるけど、一生結婚しないつもり? 若いだけが取り柄なんだから、早く結婚をしないと、もらい手がなくなるよ」

娘「結婚をしたいと思う相手がいて、タイミングが合えば結婚するよ。今は、しっかり仕事をしたいから結婚は考えていないけど、若さだけを理由に結婚するのはおかしいと思う。だって、結婚しても年を取るのは止められないよね?」

母「でも、子宮が若いときに妊娠、出産したほうがいいっていうし……」

娘「そういう考え方もあるけど、実際は年齢的にも精神的にも成熟した母親が子育てをしたほうが“いい子”が育つ、というデータもあるんだよ。私は、自分が成熟してから、いい子を育てたいと思う」

母「また屁理屈ばっかり! 私に孫の顔も見せてくれないの?」

娘「“孫の顔を見たい”っていうのは、お母さんの問題であって、私の問題ではないの。結婚は『お母さんに孫の顔を見せたい』という、一時的な感情で決めていいことではないよね」

母「……」

 この会話は、浮世さんと彼女の母親の間で、実際に幾度となく繰り広げられた会話だそう。とはいえ「若さだけが取りえ」「子宮が若いうちに子どもを産むべき」「孫の顔が見たい」といった言葉は、多くの女性が一度は耳にしたことがあるはず。この3つの言葉に対して「若さだけが取りえではない」「私は、いい子が育つほうがいい」「結婚は一時的な感情でしてはいけない」という、自分の考えをしっかり伝えることが「結婚しないの?」に対抗する方法なのだ。

 ただ、親相手なら強気に出られるものの、親戚のおじさんやおばさんを相手に険悪なムードとなるのは考えもの。その際は、なるべくやわらかく対応することが求められる。

「場の雰囲気を壊したくないという場合は、角が立たないようにユーモアを交えて、自分の考えを伝えましょう。たとえば、親戚が集まっている場所で『東京になんか行くから、いくつになっても独身なんだよ』と言われたら、『叔父さんがそういうこと言うから、私は東京に行ったんですよ』などと、余裕の対応を見せると相手はひるみます」

 余裕のある切り返しができれば、弱点を突かれずに会話を乗り切ることができるという。一方で、何気ないグチを言うときも注意が必要だとか。

「なによりNGなのは、面倒な質問をしてきそうな相手に“今の生活のグチ”を漏らすこと。グチを言った瞬間に『不満を感じているなら嫁に行け』と、結婚の話に持っていかれる可能性があります。不満を言う相手を間違えないようにしましょう」 

 面倒な質問と戦うための武器となるのが“自分の思い”だ。ただ、人によっては明確な考えをまだ持っていないケースもあるだろう。

「自分の思いが明確になっていないならば、『どうすれば自分が幸せになれるか』という観点で、自分を見つめ直してみてください。そもそも、こうした質問を面倒に思うということは、自分の未来について考えて決断するタイミングでもあるんです」

「結婚しないの?」という問いに、自分なりの答えを出せるかどうかが、相手を黙らせるポイントとなるのだ。その一方で「盆暮れに、実家に帰らないという選択肢もある」と、浮世さん。

「面倒な質問をされて疲弊するだけならば、わざわざ帰省する必要はありません。ただ、親戚が集まる場は、自分と異なる世代や異なる価値観を持つ人が一堂に会する機会。しっかり反論して、苦手な親戚と対等に渡り合うことができれば、コミュニケーション力の向上につながります。せっかくならば、コミュニケーションスキルを上げるチャンスと割り切って、帰省してみてはいかがでしょうか」

 面倒な質問は、自分が成長するチャンス。次回の帰省イベントでは、相手から逃げずに本気で向き合ってみると、新たな自分を発見できるかもしれない。
(真島加代/清談社)

浮世満理子(うきよ・まりこ)
上級プロフェッショナル心理カウンセラー、メンタルトレーナー、株式会社アイディアヒューマンサポートサービス代表取締役。プロスポーツ選手や芸能人、企業経営者などのメンタルトレーニングを行うかたわら、多くの人にカウンセリングを学んでほしいと、教育部門アカデミーを設立。心のケアの専門家の育成に尽力している。
アイディアヒューマンサポートサービス

不倫20年で「妻バレ」して破局……出産・結婚もあきらめた女が苦悩する「私の存在意義」

 独身女性が既婚男性とつきあっている場合、関係が長くなるにつれ、女性は自身の結婚や出産への選択肢が狭まっていくことを実感していく。そして言葉は悪いが、彼への愛情と天秤にかけるのだ。自分の幸せを追求していくのは人間の常だから、それは当然のことだと思う。だが、実際にはそこで不倫の関係を清算し、新たな道に向かうのは至難の業でもある。

(第1回:「出産リミットが見えて焦りが」長期不倫8年目、結婚と出産願望で揺れる38歳の岐路
(第2回:「40歳を迎えてラクになった」19歳から10年不倫を繰り返した女の、結婚・出産願望
(第3回:「産まないという選択肢はなかった」W不倫12年、“彼”との子どもを育てる女の決意

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 「彼がすべて」の日々を送った

 リサコさん(45歳)は、都内でとある企業の契約社員として働いている。1年ごとに契約が見直されるので、毎年、更改時期になると戦々恐々としているとか。

「大学卒業が1996年で、バブル崩壊の煽りを受けて就職がとても厳しかったんです。今だから白状しますが、私は父のコネでなんとか有名企業に就職できました。そこで出会ったのが、不倫相手となるTだったので、今思えば、無理して有名企業に入らなくてもよかったんじゃないかと後悔がありますね」

 彼女がいる部署に、T氏が課長として異動してきたのが2年後。当時35歳だったT氏はすでに家庭をもっていたが、女性社員たちに人気があった。人当たりがよくて社交的で、男女の差別なく適性を見て仕事を割り振るので、女性たちのやる気が促進されたという。

「私も彼に引き立ててもらって、仕事が楽しくてたまらなくなりました。若手女性だけでチームを組んでプロジェクトを立ち上げたりして。そこで課長とも、ぐっと親しくなったんです。仕事の場でも飲み会などでも、家庭の匂いを漂わせることがほとんどなかったので、私は個人的にひとりの“男”として見るようになっていきました。それがよくないことだとわかったのは、すでに関係を持ってからでしたね」

 関係を迫ったのはリサコさんからだという。学生時代からつきあっていた彼にフラれ、落ち込んでいた時期があった。

「課長が『メシでも行くか』と誘ってくれて。私の様子がおかしいと思ったんでしょう、話を聞いてくれたんです。私は詳しくは話しませんでしたが、結婚を考えていた彼と別れたということは言いました。実際は、彼が私の友だちと関係をもって、彼女が妊娠、結婚することになったんですよ。当時は本当につらくてたまらなかった。課長と2人でもう1軒もう1軒とはしごして、最後は『帰りたくない』と泣いたんです。課長は朝まで付き合うと言ってくれました。私から抱きついてラブホテルに連れ込んだような形でしたね」

 恋人にフラれたのはつらかったが、実際には当時、彼女の心はT課長に移りつつあった。友だちに裏切られたのはショックだったにしても、恋人を失ったことについては、それほどの痛手はなかったかもしれないと、リサコさんはつぶやく。

「ふたりきりになれば、課長と部下といえども男と女。結局、課長も私を拒みきることはできなくて関係を持ったんです。私はそれまで恋人とは感じたことのなかった快感を覚え、課長も『実は僕もきみのことが好きだった。だけどこういう関係になってはいけないと思っていた』と白状してくれました。身も心も相性がよかったんですよね」

 離れられなくなる予感はあった。そこから、2人の関係が始まっていく。彼女はひとり暮らしを始め、彼は3日にあげずやって来た。

 当初は、寝ても覚めても彼のことしか考えられなかったと、リサコさんは振り返る。

「一時期は、会社で彼がほかの女性と話しているのを見るだけで、胸が苦しくなって。どれだけ好きになったらいいんだろう、“好き”という気持ちに限界はあるんだろうか、いろいろ考えました。だけど彼と関係を続けるためには、とにかく私が仕事を頑張らないといけない。そういう結論に達したので、仕事にのめり込みました」

 仕事で頑張れば頑張るほど、課長との距離も近くなる。そう思っていたリサコさんだが、3年後、課長が東京近郊の支社に転勤となった。

「栄転だったんです。だけど、私は心にぽっかり穴があいてしまった。課長も『同じ会社なんだから、リサコのやることは見える。がんばれ』と言ってくれたけど。次に来た課長と折り合いが悪かったこともあって、30歳になったとき転職しました。もちろん、T課長にもいろいろ相談して。会社が変わってもふたりの関係は変わらないと言ってもらえてうれしかったです」

 しかし、次の会社でも彼女は「やりがい」を取り戻すことができなかった。3年で退職、それからは契約社員として仕事をするようになった。

 それでも彼が言った通り、2人の関係は変わらなかった。

「私が揺れたのは35歳を迎えようとするときですね。契約社員でも、その頃はまだ契約更新されるかどうかわからないという状況ではなかったので、仕事は楽しくやっていました。収入もそこそこでしたし。ただ、ふと周りを見渡すと、友だちはほとんど結婚していて、子どももいる。あれ、私、社会に出てから何をしてきたんだろうと恐怖感を覚えたのを思い出します。正社員でもないし、形として見える家族も築いていない。足元がぐらぐらするような感じがありました。この先の人生が怖い。そう思ったけど、彼にはそんなことは言えなかった」

 転勤になっても、彼は足繁くリサコさんの部屋に来てくれた。外で食事をしたり、ときには映画を見に行くこともあった。当時、彼は40代後半に差し掛かっていたところ。思春期の子が2人いたが、ほとんど家庭のことは話さなかった。

「あとから聞くと、子どもが受験だったとか、今年は家族中でインフルエンザにかかったとか、そんなことをつぶやくこともありました。でも私の前ではあまり家庭で何があったという話はしなかった。特に奥さんのことは。その頃で、すでに10年付き合っていたわけですけど、奥さんがどういう人かはまったくわかりませんでしたね」

 それでもときおり、家庭の影がちらつくことはある。10年という時を経て、リサコさんは自分自身が「家庭を持てない境遇」に飛び込んでしまったことが実感されるたび、彼の奥さんが多少なりとも気になっていたという。

「私が結婚や出産を意識すれば、当然、彼の家庭も気になるわけで……。彼の奥さんは、彼が10年にも及ぶ不倫をしていることを知っているのか。知っているはずはない。知ったらどうなるんだろう。そんなことも漠然と考えていました」

 ただ、自分には「どうしても家庭を持ちたい」という意欲がなかったとリサコさんは言う。それは彼がいたせいかどうか、今となってはわからない。ただ、仕事と彼が直接、密接に関与していた20代と違って、30代で転職してからはどこか「もやもやと割り切れない感じ」を抱えていたようだ。

「この人生をどこかで変えないといけないかもしれないと思いながら、彼との関係は続いていたし、仕事もそれほど窮地に陥っていたわけではないので、なんとなく、全てがずるずると来てしまったんですよね。40歳になったとき、出産はあきらめようと決めました。決めたとたんに、いや、今からでも間に合うかもしれないと思い直して、結婚相談所に入会したり学生時代の仲良しにダンナさんの友人を紹介してもらったりしたんです。でも、ほかの男性に会うたびに、『私にはやっぱりTさんしかいない』と、かえって彼のよさばかりが見えてしまう。このまま彼といけるところまでいけばいいんだ、彼以上の男性はいないと思えたのは43歳の頃でしたね」

 半年ほど前のある日の夜、携帯電話に知らない固定電話の番号から電話がかかってきた。出てみると、「Tの妻です」という女性の声。

「思わず黙り込んでしまうと、女性は『もしもし。リサコさんでしょ』と。今、あなたの家のすぐ近くにいるんだけどと言われ、窓の下を見ると女性がこちらを見ながら立っていました。逃げも隠れもできません。仕方く出て行って、近くの喫茶店で会いました」

 心の準備ができていなかった。T氏の妻はリサコさんと同世代だろうか、落ち着いた感じのきれいな人だった。

「どうしてこんなきれいな奥さんがいるのに、私と付き合っているんだろう。まず思ったのはそのことでした」

 妻は終始、冷静だったが、それが逆にリサコさんを追いつめた。

「ヒステリックに騒ぎ立ててくれれば対処のしようがあるんだけど、冷静に理詰めでくるんですよ。いつから付き合っているのか、最初から既婚だと知っていたのか、いけないことだと思わなかったのか……。全てを知っていて、確認をとるような口調でしたね。これはウソをついても意味がないと思ったんですが、いつから付き合っているかという質問に対しては、さすがに1年くらいと言いました。彼女はにやりと口の端を上げるように笑って、『へえ、そうですか……』って。怖かった。『私が知ってしまったからには、あなたに対して精神的な損害賠償を請求します』と言われました。あとで弁護士から話がいきますって。私はほとんど何も言えなかったんですが、奥さんに何か言いたいことはありますかと言われて、『すみません』とひと言だけ。奥さんは立ち上がって、『すみませんと思っているなら、最初からやらないほうがよかったですね』って。冷たい言い方でした。当然ですけど」

 妻が出て行った喫茶店で、彼女はしばらく呆然と座り込んでいた。ようやく立ち上がって店を出ようとしたとき、支払いが済んでいることを店員から伝えられた。自分の夫と関係をもった女の分まで支払う妻の心理を考えて、彼女はいても立ってもいらなくなったという。

「家までとぼとぼ歩いて帰る途中、彼から連絡が来ました。彼はまったく知らなかったんでしょうね。『今日は何かあった?』なんて、いつものメッセージ。なんていうのかなあ、悔しいとか悲しいとか、そういう感情ではなく、今まで感じたことのない『消えてなくなりたい気分』が押し寄せてきました。彼に言うのをやめようかとも思ったんですが、ノーテンキにしている彼にも腹が立ってきて、一部始終を伝えたんです。彼はそれから帰宅するはずだったのに飛んで来てくれました」

 彼の愛はまだ失ってはいない。そこで彼が帰宅するのか自分のほうに来てくれるのかは、リサコさんの立場では重要だ。彼の気持ちが自分にあるなら、貯金など失ってもいいと彼女は思った。

「ところが逆に考えれば、奥さんにとって、それがいちばん腹が立つことですよね。どうやら携帯にGPSがつけられていたようで、彼がその日、私のところに泊まったのがバレたんです」

 翌日夜、彼から公衆電話で電話がかかってきた。妻に携帯を壊された、と。明日、新たに買うから前の携帯には連絡しないようにということだった。

「それから不穏な状態が続いていたんですが、ついに彼の奥さんが自殺を図ってしまったんです。手首をちょっと切っただけらしいので、私は狂言自殺だと思ったけど、彼は自分が妻をそこまで追い込んだと取り乱して。1カ月ほどたったとき、彼が私の前で土下座しました。『もう無理だ』って。奥さんのご両親にも自分の親にも責められたようで、すっかりやつれた彼を見たらもう何も言えなかった。私としてはせめて、それでもほとぼりが冷めたら会えるようにするからという言葉がほしかったけど、彼はもう『オレが死んだと思ってほしい。今もリサコを好きだけど、オレはもう誰も愛さない』と泣いていました。今思えば、彼の一世一代の芝居だったかもしれませんけど、それに私も乗るしかなかったんですよね」

 急に1人になった。仕事の方も会社の業績悪化が原因で、契約社員が切られるというウワサも流れた。ここ数年、毎年誰かが切られているのだ。それが自分であってもおかしくないとリサコさんは感じた。

「さらにTさんの奥さんの弁護士からは100万円で示談にという話も来ました。今、100万円は厳しい。困り果てて、別れたTさんに相談しました。結局、彼が私に100万円くれて、それを払うことに。私も精神的な損害賠償を請求したいくらいですけど、もちろんそれは成立しない。夫の浮気を知ってしまった妻も、20年にわたる関係をぶったぎられた私も、精神的な傷という意味では変わりないような気がするんですけどね」

 正妻であれば訴えることができて、いわゆる愛人関係には何の保証もない。もちろん悪いのは自分だが、「恋愛は1人では成立しない」とリサコさんは言う。それも、またもっともな話である。

 40代半ばになって、リサコさんは不惑どころか戸惑いの連続だ。

「足元がぐらぐらどころか、もはや自分の存在意義さえ見いだせません」

 生きてさえいればいいことがあるよ、と軽々しくは言えない雰囲気が彼女にはあった。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
1960年東京生まれ。明治大学文学部卒。不倫、結婚、離婚、性をテーマに取材を続けるフリーライター。「All About恋愛・結婚」にて専門家として恋愛コラムを連載中。近著に『アラフォーの傷跡 女40歳の迷い道』(鹿砦社)『人はなぜ不倫をするのか』(SBクリエティブ)ほか、多数。

羽生結弦には、なぜ“くまのプーさん”が必要なのか? “ぬいぐるみを溺愛する大人”の心理

 平昌オリンピックでの偉業が記憶に新しい男子フィギュアスケートの羽生結弦選手。滑走後、リンクに投げ込まれる大量のぬいぐるみからもわかるように、彼は大の“くまのプーさん”好きで、常にプーさんのぬいぐるみ型ティッシュケースを肌身離さず持ち歩いている。ファンからは、「可愛い」「微笑ましい」との声もある一方、一般的に、ぬいぐるみを溺愛する成人男性が奇異の目で見られるのは事実。果たして、大人になってもぬいぐるみを持つ人の心理とは? 『なぜ心を読みすぎるのか みきわめと対人関係の心理学』(東京大学出版会)の著者で、東京大学大学院人文社会系研究科(社会心理学)の唐沢かおり先生に、話を聞いた。

■羽生選手のプーは“儀式”!?

――羽生選手が、試合会場にくまのプーさんを持っていくのは、どういった心理からと考えられますか?

唐沢かおり先生(以下、唐沢) 羽生選手ご本人がインタビューなどで答えていることから推測すると、精神を安定させるためでしょう。トップアスリートは、緊張を強いられる場面やプレッシャーの大きい状況下でも、コンディションや気持ちを安定させて試合に臨まなければなりません。そのために、ある行動を“儀式的に行う”、また安心感を得るためのものを身につけたり身近に置くなど、自己コントロールする方法を体得している人も多いです。羽生選手の場合は、 “くまのプーさん”がそのような役割を果たしているのではないでしょうか。羽生選手は、もともとプーさんのティッシュケースを使っていたようで、プーさんの顔に癒やされるという言葉などからも、ぬいぐるみに限った話ではなく、プーさんというキャラクターが好きということかもしれません。

――とはいえ、成人男性でぬいぐるみを持ち歩く人は稀かと思います。

唐沢 成人男性でぬいぐるみを持ち歩く人は確かに少数でしょうね。でも、彼女にもらったとか、幼い頃の思い出に関係しているとか、なにかしらの理由があると思うので、ぬいぐるみに愛着を持つこと自体は、特に問題ないと思います。ただ、商談の際にもぬいぐるみを抱いていないと集中できないとか、破産するまで買い集めるなど、あきらかに他者との関係や社会生活に支障をきたすほど、過度の依存がある場合は、何かしらの対応を考えなければいけないと思いますが。

■misonoの家には“ぬいぐるみ部屋”が

――歌手のmisonoさんもぬいぐるみが大好きなんだそうです。自宅には、大量のぬいぐるみで埋め尽くされた部屋があり、悩み事があるとそこで考えごとをしているらしいのですが……。

唐沢 misonoさんのケースは、主に3つの状況が考えられます。1つは、触覚に惹きつけられている。例えば布団も、カチカチの硬い布団より柔らかい方が落ち着きますよね。ぬいぐるみのフカフカした触り心地は気持ちよく、落ち着きを得られるので、悩んだときに、柔らかな布団に包まれたい気持ちと同じ感覚で、ぬいぐるみを求めている可能性もあります。

 もう1つは、ぬいぐるみ一体一体を、1つの存在として認めているケース。それらに囲まれていることで、大勢の友達の中にいるような感覚が得られて、安心できる場合もあります。最後の1つは、ぬいぐるみの個性は関係なく、“かわいい”“好きなキャラクター”という思いから、見ているだけで落ち着くということも考えられます。こればかりは、本人に聞いてみないとわからないですね(笑)。

■ジャニオタがぬいぐるみを持つ理由

――ジャニーズやK‐POPファンの中には、ぬいぐるみをコンサート会場に持ち込み、抱きしめながら鑑賞している人がいます。ぬいぐるみに衣装のコスプレをさせたり、ファン活動の現場以外にも連れていくという人もいます。

唐沢 あこがれの人を常に身近に感じていたいからでしょう。ファン活動とは関係のないシーンでも、ぬいぐるみを手にしていることで、“彼のファンである自分”を確認でき、いつでも相手のことを考えている状態になることができますからね。気持ち的には、好きなアイドルの写真を持ち歩くのと同じですが、ぬいぐるみの方が抱きしめられるなどの接触感を得やすいので、より心理的な近さを感じることができるのかもしれません。また、コンサートでぬいぐるみを持っているほかの人を見ると、お互いファンであることが一目でわかり連帯感が増したり、自分の好きなアイドルが、これだけ多くの人に支持されていることを確認できるということもあるでしょう。

――ジャニーズファンには、ディズニーキャラクターのダッフィーやシェリーメイ、K‐POPファンにはLINEキャラクターのブラウンのぬいぐるみが人気といった傾向もあります。

唐沢 ファン同士の仲間意識が芽生えるのかもしれません。好きなアイドルのシンボルとして同じキャラクターを共有することで、先ほど述べたようなファン同士の連帯感を得られる効果が大きいのではと思います。

――その一方で、ぬいぐるみを連れているファンを、「いい歳して痛い」と嫌悪感を持って見ているファンもいます。同じアイドルを好きなのに、なぜそのような感情が生まれてしまうのでしょうか?

唐沢 多くの人にとってのアイドルである存在が、あたかもそのファン一人に独占されているかのように感じてしまうからではないでしょうか。 アイドルは、舞台上や画面の中にいる遠い存在で、“1対多”の関係。にもかかわらず、ぬいぐるみを持つファンが、アイドルのシンボルを抱きしめるなどして強いつながりを見せると、そのようなことをしていない人は、「アナタだけのアイドルじゃない」「抱きしめて独占しないでほしい」と感じて、心がザワザワするのかもしれません。

――アイドルを独占しようとしているファンのメンタリティを「痛い」と見る人もいるのかもしれません。

唐沢 嫌悪する人が、同じようにぬいぐるみを持たないのは、そういったファン同士の連帯感に入るのがイヤで、心理的に距離を置いているからとも考えられます。

■「ぬいぐるみが好き」はアイデンティティの1つ

――そもそも、なぜ大人になってもぬいぐるみを求めるのでしょうか?

唐沢 幼い子どもの場合は、ぬいぐるみが心を持っているかのように想像して語りかけるなど、友達の代わりとして扱ったり、感触で安心感を得たりすることも多いです。“愛着を持っている”という点では大人も子どもも同じです。愛着を抱く対象が何かは、そのときの環境や興味関心で変わっていき、年を重ねるにつれて、ぬいぐるみの代わりになるものを見つけて離れていく人もいれば、そのままずっとぬいぐるみを大切にする人もいるということなのではないでしょうか。

――大人になってもぬいぐるみが好きだからといって、心理的に問題があるわけではないのですね。

唐沢 ぬいぐるみは子どもが好むイメージが強いだけに、穿った見方をされがちですが、大人がぬいぐるみに愛着を持つことを、特異なことと考える必要はありません。先ほども申した通り、過度の依存でない限り、問題視されることではないと思います。対象が何であれ、その物に自分の気持ちを向けてある種の一体感を覚え、楽しい、うれしいという感情を伴うことは、自己確認できるとともに、「その物が好きな私」も好きになれるのです。それが自己肯定につながって、アイデンティティの確立や活力にもなります。人間は他者との関係で「自分は何者か」を定義するのですが、その対象は多様で、恋人の人もいれば、アイドルの人もいるし、ペットの人もいるし、一方で物やぬいぐるみであったりする人もいる。また一つに縛られる必要もないので、これらすべてという人もいるかもしれない……ということですね。
(取材・文=千葉こころ)

唐沢かおり(からさわ・かおり)
社会的認知を専門とする社会心理学者。University of California, Los Angeles(Ph.D)、京都大学大学院文学研究科博士後期課程、名古屋大学大学院環境学研究科助教授などを経て2010年より東京大学大学院人文社会系研究科教授。『なぜ心を読みすぎるのか みきわめと対人関係の心理学』(東京大学出版会)ほか著作多数。

「宗教自体が悪いとは言い切れない」母親に信仰を強制された“二世信者”の苦悩

 子どもは親を選べない。親の教育方針や趣味趣向などが子どもに与える影響は少なくないが、否応なしにその環境に身を置く子にとっては相当な苦痛になることもあるだろう。それは、信仰についても同じことがいえそうだ。

 昨年末、コミックエッセイ『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』(講談社)を上梓したマンガ家のいしいさやさんは、母親がエホバの証人の信者で、自身も高校生の頃までは二世信者として活動に参加していた。

 母に連れられ、よその家に勧誘にいったり、宗教上の理由でクラスの行事に参加することができなかったりと、幼少期や学生時代は宗教活動中心の生活を送っていたいしいさん。今は親元から離れて宗教とは関係のない生活を送っているが、かつての記憶をマンガにした理由とは? また、「よかれと思って」娘に信仰を課した母親について、いしいさんは現在どう思っているのだろうか? お話を伺った。

■Twitterで公開されたマンガが3万5,000リツイート

 同作はもともと、Twitter上で話題になった作品だ。いしいさんも、「出版するつもりでマンガを描いたわけではない」と話す。

「信者だった時の記憶をマンガにしたのは、精神的に落ち込んでいた時に読んだ認知行動療法の本に『不快な感情になった時のこと、その時どんな感情になったか書いてみましょう』とあったから。それがいつからか、人に見てほしいという気持ちが湧いてきて、Twitterに投稿してみたんです。まさか、こんなに反響をいただけるとは予想していなかったのですが……」

 公開されたいしいさんのマンガは、瞬く間に反響を呼び、なんと3万5,000のリツイートが返ってきた。それが編集者の目に留まり、本を出すきっかけとなったのだ。

 いしいさんの元に届いたコメントの中には、同じような境遇だった人からの共感もあれば、それまで宗教活動とは関わりがなかった人たちからの驚きの声もあったという。確かに、エホバの証人といえば各国に信者をもち、日本にも全国各地に支部を置く比較的規模の大きな新宗教であるが、信者でない者にとって、その日常はベールに包まれている。

「エホバはもともとキリスト教系の宗教ですが、聖書の言葉を文字通り真実だと解釈し、その教えをできるだけ忠実に実行することが求められます。私は、やがて訪れる終末の時にも、信者だけは地上の楽園で永遠に暮らすことができると教えられてきました」

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 いしいさんは5歳のころから、熱心な信者である母親に連れられて、エホバの活動に参加していたという。そして、娘とともに楽園で暮らすことを夢見る母のもと、厳しい掟を守りながら生活を送っていた。

「信者の禁止事項は多岐にわたります。特に、偶像崇拝・淫行・血の誤用(他人や動物の血液を体内に取り入れること)などは厳しく制限されていましたね。淫行には婚前交渉も含まれていて、もしその掟を破ると“排斥”になって、ほかの信者や、同じく信者である家族との接触や会話を禁止されてしまいます。高校生の時に、気になっていた男子から告白されたことがあるのですが、付き合ったら母親がどんな行動に出るかわからなかったので、断ってしまいました」

 ほかにも、異教の行事であるクリスマスや誕生会、七夕まつりなどの祝い事への参加も禁止。偶像崇拝にあたるので、校歌や国家を歌うのも禁止。また、聖書には「争いを避けなければならない」と書かれているため、運動会の応援合戦に参加することも禁止されていたという。

「校歌斉唱の時は、みんな起立しているのに自分だけ座りっぱなしだったり、クラスの行事の時にも自分だけ机に座ってじっとしていました。そうしていると、やっぱり学校では浮いちゃうから、そのうち自分からほかの人と関わるのを避けるようになっていきました。もっとも、エホバでは信者以外の人のことを“世の子”と呼んでいて、必要以上に仲良くすることは禁止されていたんですけどね」

■宗教自体が悪いとは言い切れない

 掟だらけの日々は、いしいさんの学生時代に暗い影を落とすことになった。しかし、それでもいしいさんは「宗教そのものを否定するつもりはない」という。

「エホバは『争いを避けるべき』という考え方なので、少なくとも私の周りの信者たちは、基本的には穏やかで優しい人たちばかりでした。宗教自体が悪いとは言い切れないけど、二世として活動させられていた時は、つらいことも多かった。正直、どこに罪をもっていけばいいのかわからないんです」

 現在いしいさんは宗教から離れているが、同じ境遇の二世の中には、そのまま洗礼を受け、信者として活動を続けている人もいる。

「エホバの信者は奉仕活動などを優先しないといけないので、正社員として働くのも難しいし、掟も多いので、それ以外の場所で生きていくこと自体が、厳しいのではないかと思います。それに、正しいこととダメなことが明確に決まっていて、その通りに暮らしていれば幸せが保証されているというのは、ある意味、葛藤が少なくて楽な部分もあると思います」

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 物心ついた時から、エホバの活動に加わっていたいしいさん。しかし、エホバが説く終末思想や永遠の命などを完全に信じていたわけではなかったと話す。

「正直、神様と言われても、実感が湧かなかった。だから、信仰のせいで学校の行事に参加できない時は、ひたすら恥ずかしくて、つらくて、消えたい気持ちでいっぱいでしたね。それでも掟に従っていたのは、破ると母親にむちで叩かれるから」

 エホバでは親に従順であることが義務付けられており、いしいさんも少しでも反抗しようものなら、すぐにベルトで叩かれていたという。

「そうでなくとも、母親に逆らって悲しませるのは嫌だなと常々思っていました。自分がどうしたいかよりも、いつも母親のことばかりを考えていたから、今でも本当の自分の感情がわからなくなる時があるんです」

 いしいさんの著書『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』は、主に母親といしいさんが送ってきた日々を中心に描かれている。同書は単なる宗教の暴露本ではなく、母と娘の関係性についても考えさせられる内容だ。

「高校生の頃は、宗教にのめり込んでいた母親に怒りの矛先が向いた時もありました。その一方で、母親は私のためを思って二世として育ててきたわけですから、それを信じてあげられない自分に対する罪悪感もあります。宗教のせいでつらい思いもしたけど、母親に悪気はないわけです……まだ気持ちの面で、母親や宗教に対する決着はついていないですね」

 謎に包まれたエホバの信者の日常は、知らなかった人にとっては衝撃的な内容だが、親と子とのままならない関係性については、共感を覚える人も多いのではないだろうか。
(松原麻依/清談社)

「アダルトVR」こそ女性向き!? 男性向けとの“決定的な違い”をSILK LABOに聞いた

 専用ゴーグルを着用することで、360°全方向の映像を体験できるVR技術を使ったアダルトビデオが人気を呼んでいます。昨年ごろからタイトル数も大幅に増え、業界では「VR革命」とまでいわれるほどのブームに。市場のほとんどはセクシー女優が活躍する男性向け作品ですが、ようやく女性向けアダルト作品も登場してきました。作品を体験した女性たちからは、「VRこそ女性に向いている」という意見も……。そこで女性向けAVのパイオニア的存在であり、VR作品も手がけているメーカーSILK LABOの社長・牧野江里さん、同社VR作品の監督・イトウミナミさんに、そのノウハウと、女性向けならではのポイントなどを聞いてみました。

■VRは「リアルに抱かれてる」って感覚しかない

――男性向けアダルト業界では活況を呈しているVRですが、女性向けアダルトVRの現状はいかがでしょう?

牧野江里さん(以下、牧野) 2017年4月、女性向けアダルトVR第1作の『朝からカレに求められて…♡』をリリースしてから、ようやく1年ほどたちましたが、完全なアダルトVR作品に関しては、まだ4本しかリリースしていません。男性向け作品は、すでに3,000本以上も世に出ているのに対して、まだまだ市場は狭いですね。

――女性向けアダルトのパイオニアであるSILK LABOが、アダルトVRにも参画したきっかけは?

イトウミナミさん(以下、イトウ) 2016年末に、いわゆる「VR革命」が起こって、男性向けアダルトVRが盛り上がってきました。私はもともとその男性向け作品の編集作業を手伝っていたんですが、そこでVRのスゴさに魅了されたといいますか、これまでに手がけてきたエロとはまったくの別モノだなと、衝撃を受けました。とにかく女性向けも1本作ってみようと思い、海外ではすでにリリースされていた女性向けのVR作品をみなさんに見てもらったら、反応がスゴくて……。

牧野 男優さんが、キスしようと自分の唇めがけてズンズン迫ってくるわけですよ。慣れないうちは恥ずかしくて、顔をそむけてしまいました(笑)。

イトウ 映像はもちろんですが、臨場感たっぷりのバイノーラル録音(ステレオのヘッドフォンやイヤフォンなどで聞くと、あたかもその場に居合わせたかのような臨場感を再現できる録音方式)を採用しているので、音もすごくリアルなんです。耳元で囁かれるシーンでは、吐息が吹きかかる感覚や温度を感じるという方もいます。体験会でユーザーさんの反応を見ていると、ただ座って映像を見ているだけなのに、じっとり汗をかいてきちゃって「ゴーグルが曇って画面が見えない!」って方も(笑)。

――普通のAVを見る感覚とは、ぜんぜん違うんですね。

牧野 AVは、基本的に第三者の視点から俯瞰して見るものですよね。だからこそ、なにが起こっても「安全なところから眺めている」っていう感覚になるんですけど、VRはそこを超えてくる。

イトウ いままで2D作品でも主観映像はあったんですが、挿入シーンで「この男優さん、カメラに向かってこんなに腰振ってるんだ」って、現場を想像して冷静になっちゃったりするんですよね(笑)。でも、VRは「リアルに抱かれてる」って感覚しかない。一度体験してみたら、違いがよくわかると思います。

イトウ 普通の映像作品と違って、VRはカットを割って撮影できないんです。オープニングからキス、前戯、挿入、ピロートークまで含めたフルコースのセックスだと、だいたい30分くらいの尺を取りますが、撮影の現場でも、同じ尺でカメラを長回しします。なので、リハーサルは舞台のゲネプロみたいだし、本番はほとんど生放送みたいな雰囲気です。いちおう流れというか、台本はあるんですけど、現場では男優さんのアドリブによるところも大きいですね。たとえば、台本上では問題がなくても、リアルな尺で演じてみると「あ、ここは間がもたないな」って瞬間も多いんですよ。そういう時は、男優さんがこれまで培ってきたエロいセリフの引き出しを最大限に開放してもらって、盛り上がりのあるリアルなセックスを演出するようにしています。

牧野 セリフ覚えが良いことはもちろんですが、機転やアドリブの利く男優さんがVR向きですね。あと、お肌がキレイなことも重要! 接写が多くなるので、清潔感があって肌のキレイな男優さんを起用するようにしています。

――試行錯誤しつつ、これまでのノウハウをすべて投入して作られているのがVRなんですね。

牧野 だんだん、男性向け作品との決定的な違いも見えてきました。1作目は、男性向け作品をマネていたので、ユーザーのダミーとなる女優さんはマグロ状態というか、一切動きを与えていなかったんです。でも、撮影中にふと女優さんが動いちゃったシーンを見て「あれ? 逆にこっちの方が興奮しない?」ってなって。それからは、女優さんにも積極的にリアクションしてもらうようになりました。

 女性のユーザーは、男優と絡んでいる女優さんに、自分の気持ちを乗せていくのが上手なんです。女優さんにはセリフはありませんが、仕草などの細やかな演技をすることで、ユーザーの気分をよりホットにさせることができます。

イトウ VRでは、視聴者側は基本的にベッドに寝そべるだけの、受け身の体勢になってしまいます。セックスは基本的に男性が主導権を握るものなので、男性向けVRだと、男性がずっと受け身でいると不自然なカタチになってしまうんです。その点、女性側が動かないのは違和感がないので、技術的な面からも「VRは女性向けにピッタリ」と気づきました。

牧野 面白いのが、男性ユーザーの間では「一度VRを知ったら、もう普通のAVに戻れない!」みたいなアツい声をよく聞くんですが(笑)、女性ユーザーにはそういう風潮がないんです。たとえば、ストーリーやシチュエーション込みで「今夜はガッツリ」って気分の時はVRを楽しむし、ただ純粋にエロで癒やされたい夜はAVを見て……というふうに、うまく使い分けをしてくれているようなんです。

■妊娠や病気の心配もなく、安全にエロに没入できる

牧野 現状、アダルトVRを見ている女性は、出演する男優のファンという人がほとんどだと思います。女性はやっぱり、カッコ良くて好きな人に抱かれたいですから。性的な行為だけでなく、好みの男性といちゃいちゃできる、見つめ合えるという理由でVRを選んでくれているのかなと思います。

イトウ なかには「アダルトVRはリアルすぎる」「刺激が強すぎるから苦手」という方もいますし、逆に「イチャラブものだけじゃ物足りない! もっと激しく!」と求めるレベルの高い女性もいます(笑)。女性向けアダルト業界の中でVRが盛り上がっていくことを考えると、今後は作品のバリエーションを増やしていきたいなと思っています。

牧野 現在、女性向けアダルトは弊社がほとんど一手に引き受けているような状況ですが、ウチはあくまでもイケメンとのイチャラブものがメイン。初心者向けなんです(笑)。なので、できれば他社さんにもっと女性向けアダルトVRに参入してもらって、ガテン系とかワイルド系、枯れ専向けアダルトVRなんかが出てくれば、業界はもっと盛り上がるはず(笑)。

 VRだからこそ、妊娠や病気の心配もなく、安全にエロに没入できる。彼氏や旦那さんを裏切ることもなく、理想のイケメンに抱かれる気分をリアルに味わえるなんて、ノーリスク・ハイリターンだと思いますよ。
(森江利子/清談社)

『99.9』嵐・松本潤の「オヤジギャグ」を、デーブ・スペクターが辛口ジャッジ!

 今クール、絶好調なドラマ『99.9―刑事専門弁護士 SEASON Ⅱ―』(TBS系)。大ヒットを飛ばした1stシーズンに続き、2シーズン目の今作も、主演の嵐・松本潤をはじめ、香川照之など、人気の顔ぶれが勢ぞろい。視聴率も上々で、今期ドラマの中ではトップを独走状態だ。

 そんな無敵のドラマだが、ネット上で賛否両論を呼んでいるのが「ダジャレ」。松本演じる深山大翔が、劇中で頻繁にダジャレを披露していることが話題を呼び、「くせになる」「ジワる」といった好評の声もあれば、「うざくて集中できない」「オヤジギャグ、必要?」との嫌悪感もお茶の間から聞こえてくるのだ。

 果たして、このダジャレは面白いのか? 放送するほどの価値はあるのか? そこで、日本が誇るダジャレ名人のデーブ・スペクター氏に、『99.9』に登場したダジャレについて評価してもらった。

 「ダジャレだったら、野口五郎か僕だからね~」と、うそぶきながら登場したデーブ氏に、まずは、1~7話までのダジャレ(次ページにリンク)に目を通した上で総評をうかがおう。

<総評>70~80点!

 もっとシビアな点数がつけられると思いきや、意外と高い採点結果に。その評価ポイントは?

「すごくくだらないオヤジギャグだけじゃなく、難しいものも入ってるね。ドラマでオヤジギャグをやるのは、ハードルが高いんですよ。真面目な視聴者もいるし、スポンサーもついてるから、問題にならないように作る。企業名は使えない、個人名や芸能人の名前を使うのもリスクがある。ストリーミングやDVD化して残ることを考えると、時事ネタはできない。下ネタもマズい。だから、もっとやりたくても“縛り”があると思うんですよ。このくらいのダジャレでも、頑張ってると思いますよ。でも、ネタならもっとあると思うけどね~」

 ドラマがディスク化され、後世まで残ることを考えると「今はよくても、古くなるダジャレ」は使えない。ダジャレに使ったタレントが事件などを起こしたら、面倒なことになる……など、さまざまに考慮すると、「間違いありま千と千尋の神隠し」(4話)が固有名詞を使えるギリギリなラインだとか。

 また、『99.9』におけるダジャレは、デーブ氏のダジャレと大きく異なる点があるという。

「ドラマは、なんでも言っていいワケじゃないですね。ワゴンの上に置いてある小物を手にとって、思いついたダジャレをいうパターンと同じね。アクションやストーリーに関連して、セットの中でやるから、限られてしまう。それと、僕がやってるダジャレは、皮肉と風刺。ドラマはそういう風刺はできないよね」

 というわけで、ここからはデーブ氏に「これは唸った!」ダジャレと「これはヒドい」ダジャレを選出してもらおう。

【これは唸った!】
・きゅうり走り出してトマトったでしょ(急に走り出して戸惑ったでしょ)
→きゅうりとトマトを持ちながら

「これはいいですよ。よくできてる。若干わかりにくいけど、オブジェを持ってればわかる。文字がなければ伝わらないダジャレも多いけど、ドラマだと文字ナシでやらなきゃいけない。口頭だけだから、江東区だけの放送ならいいけど全国だからね~」

・めしあが、サクリスティ(アガサ・クリスティ)
→料理を出しながら

「これは非常にわかりにくいから、点数あげたい。ドラマを見てる人で、アガサ・クリスティを知ってる人もそんなにいないでしょ。これを入れたってことは、ハードルを上げてる。ドラマを作る中で何度も会議がある、これが落ちなかった、放送した心意気に点数あげる」

【そこそこ】
・いただき松本零士

「僕の『おはようございますだおかだ』『おはようご財務省』と同じで、言葉を途中から変えていくパターンですね。僕も、こういうのはシリーズで100個くらいあるよ」

・こんな動画撮るなんて、どうがしてるな
→犯行現場の映像を見ながら

「これは自分もやった。悪くないね」

・パクチ光秀(明智光秀)
→パクチー料理の弁当屋にて

「これは難しいダジャレだね。ドラマのシチュエーションを使ってるから伝わった」

【これはヒドい!】
・電話をかけても誰もでんわ

「これは……やらない方がよかったね。このダジャレで、ドラマはだいぶ損したよ! ダジャレでドラマがすべったらシャレにならない。僕は電話のダジャレはやらないよ。ありすぎてるからね~」

最後に、デーブ氏はダジャレについて、こんなことを語ってくれた。

「同じダジャレを何度も言うのは一番つらいですよ。言う人もつらいんです。そういう意味で、リハで何度も言ってることを考えると、『99.9』は偉い。だんだんしらじらしくなるじゃないですか。ダジャレを聞いた人は、『自分だったらこう言う』と、Twitterに載せたりして盛り上がるでしょ?だから、当たり前すぎるのはやりたくなくなるんですね。僕も『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)でダジャレをやってるけど、凝りたくなっちゃう。ダジャレはきりがないから、どこまでこだわるか、時間をかけるかですね」

【1話】
・いただきマングース

・お金はおっかねー

・脂肪がしぼーめー
→おなか周りを見ながら

・映像のピントがアメえぞ(ピントがあめえぞ)
→飴を持ちながら

・写真を撮る時は身長(しんちょう)にね
→写真を撮る時に

【2話】
・透明人間、と、うめいインゲン(透明人間とうめえインゲン)
→インゲン豆を持ちながら

・きゅうり走り出してトマトったでしょ(急に走り出して戸惑ったでしょ)

・めしあが、サクリスティ(アガサ・クリスティ)

・うん、この味!(うんこの味)
→うまいか? と聞かれて

・いただきマツコ・デラックス

【3話】
・いただき松任谷由実

・写真がボケてなくてフォット(ホッと)したよ

・写真を撮るときはしゃしん(初心)忘れるべからず
→モアイがデザインされた写真立てを持ちながら

・君とはやっぱり合いそうモアイ(合いそうもない)
→上の発言を受けて

【4話】
・いただきマゼラン海峡

・絶対に間違いありま千と千尋の神隠し
→法廷での証言時

【5話】
・いただきますだおかだ

・ちょっと、カンバン(勘弁)してよ~
→看板を見ながら

【6話】
・こんな動画撮るなんて、どうがしてるな

・いただきマスカレード、庄野真代

・パクチ小五郎(明智小五郎) 対 怪人二重弁当(怪人二十面相)
・パクチ光秀(明智光秀)
→パクチーのお弁当屋にて

【7話】
・今、クスリとしたよねえ?
→薬袋を持ちながら

・心がスーツ(スーッ)としたでしょう
→スーツを持ちながら

・電話をかけても誰もでんわ

・何を隠そう、眼鏡には目がねえ
→眼鏡を持ちながら

・いただき漫☆画太郎

・いただき松本零士

『99.9』嵐・松本潤の「オヤジギャグ」を、デーブ・スペクターが辛口ジャッジ!

 今クール、絶好調なドラマ『99.9―刑事専門弁護士 SEASON Ⅱ―』(TBS系)。大ヒットを飛ばした1stシーズンに続き、2シーズン目の今作も、主演の嵐・松本潤をはじめ、香川照之など、人気の顔ぶれが勢ぞろい。視聴率も上々で、今期ドラマの中ではトップを独走状態だ。

 そんな無敵のドラマだが、ネット上で賛否両論を呼んでいるのが「ダジャレ」。松本演じる深山大翔が、劇中で頻繁にダジャレを披露していることが話題を呼び、「くせになる」「ジワる」といった好評の声もあれば、「うざくて集中できない」「オヤジギャグ、必要?」との嫌悪感もお茶の間から聞こえてくるのだ。

 果たして、このダジャレは面白いのか? 放送するほどの価値はあるのか? そこで、日本が誇るダジャレ名人のデーブ・スペクター氏に、『99.9』に登場したダジャレについて評価してもらった。

 「ダジャレだったら、野口五郎か僕だからね~」と、うそぶきながら登場したデーブ氏に、まずは、1~7話までのダジャレ(次ページにリンク)に目を通した上で総評をうかがおう。

<総評>70~80点!

 もっとシビアな点数がつけられると思いきや、意外と高い採点結果に。その評価ポイントは?

「すごくくだらないオヤジギャグだけじゃなく、難しいものも入ってるね。ドラマでオヤジギャグをやるのは、ハードルが高いんですよ。真面目な視聴者もいるし、スポンサーもついてるから、問題にならないように作る。企業名は使えない、個人名や芸能人の名前を使うのもリスクがある。ストリーミングやDVD化して残ることを考えると、時事ネタはできない。下ネタもマズい。だから、もっとやりたくても“縛り”があると思うんですよ。このくらいのダジャレでも、頑張ってると思いますよ。でも、ネタならもっとあると思うけどね~」

 ドラマがディスク化され、後世まで残ることを考えると「今はよくても、古くなるダジャレ」は使えない。ダジャレに使ったタレントが事件などを起こしたら、面倒なことになる……など、さまざまに考慮すると、「間違いありま千と千尋の神隠し」(4話)が固有名詞を使えるギリギリなラインだとか。

 また、『99.9』におけるダジャレは、デーブ氏のダジャレと大きく異なる点があるという。

「ドラマは、なんでも言っていいワケじゃないですね。ワゴンの上に置いてある小物を手にとって、思いついたダジャレをいうパターンと同じね。アクションやストーリーに関連して、セットの中でやるから、限られてしまう。それと、僕がやってるダジャレは、皮肉と風刺。ドラマはそういう風刺はできないよね」

 というわけで、ここからはデーブ氏に「これは唸った!」ダジャレと「これはヒドい」ダジャレを選出してもらおう。

【これは唸った!】
・きゅうり走り出してトマトったでしょ(急に走り出して戸惑ったでしょ)
→きゅうりとトマトを持ちながら

「これはいいですよ。よくできてる。若干わかりにくいけど、オブジェを持ってればわかる。文字がなければ伝わらないダジャレも多いけど、ドラマだと文字ナシでやらなきゃいけない。口頭だけだから、江東区だけの放送ならいいけど全国だからね~」

・めしあが、サクリスティ(アガサ・クリスティ)
→料理を出しながら

「これは非常にわかりにくいから、点数あげたい。ドラマを見てる人で、アガサ・クリスティを知ってる人もそんなにいないでしょ。これを入れたってことは、ハードルを上げてる。ドラマを作る中で何度も会議がある、これが落ちなかった、放送した心意気に点数あげる」

【そこそこ】
・いただき松本零士

「僕の『おはようございますだおかだ』『おはようご財務省』と同じで、言葉を途中から変えていくパターンですね。僕も、こういうのはシリーズで100個くらいあるよ」

・こんな動画撮るなんて、どうがしてるな
→犯行現場の映像を見ながら

「これは自分もやった。悪くないね」

・パクチ光秀(明智光秀)
→パクチー料理の弁当屋にて

「これは難しいダジャレだね。ドラマのシチュエーションを使ってるから伝わった」

【これはヒドい!】
・電話をかけても誰もでんわ

「これは……やらない方がよかったね。このダジャレで、ドラマはだいぶ損したよ! ダジャレでドラマがすべったらシャレにならない。僕は電話のダジャレはやらないよ。ありすぎてるからね~」

最後に、デーブ氏はダジャレについて、こんなことを語ってくれた。

「同じダジャレを何度も言うのは一番つらいですよ。言う人もつらいんです。そういう意味で、リハで何度も言ってることを考えると、『99.9』は偉い。だんだんしらじらしくなるじゃないですか。ダジャレを聞いた人は、『自分だったらこう言う』と、Twitterに載せたりして盛り上がるでしょ?だから、当たり前すぎるのはやりたくなくなるんですね。僕も『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)でダジャレをやってるけど、凝りたくなっちゃう。ダジャレはきりがないから、どこまでこだわるか、時間をかけるかですね」

【1話】
・いただきマングース

・お金はおっかねー

・脂肪がしぼーめー
→おなか周りを見ながら

・映像のピントがアメえぞ(ピントがあめえぞ)
→飴を持ちながら

・写真を撮る時は身長(しんちょう)にね
→写真を撮る時に

【2話】
・透明人間、と、うめいインゲン(透明人間とうめえインゲン)
→インゲン豆を持ちながら

・きゅうり走り出してトマトったでしょ(急に走り出して戸惑ったでしょ)

・めしあが、サクリスティ(アガサ・クリスティ)

・うん、この味!(うんこの味)
→うまいか? と聞かれて

・いただきマツコ・デラックス

【3話】
・いただき松任谷由実

・写真がボケてなくてフォット(ホッと)したよ

・写真を撮るときはしゃしん(初心)忘れるべからず
→モアイがデザインされた写真立てを持ちながら

・君とはやっぱり合いそうモアイ(合いそうもない)
→上の発言を受けて

【4話】
・いただきマゼラン海峡

・絶対に間違いありま千と千尋の神隠し
→法廷での証言時

【5話】
・いただきますだおかだ

・ちょっと、カンバン(勘弁)してよ~
→看板を見ながら

【6話】
・こんな動画撮るなんて、どうがしてるな

・いただきマスカレード、庄野真代

・パクチ小五郎(明智小五郎) 対 怪人二重弁当(怪人二十面相)
・パクチ光秀(明智光秀)
→パクチーのお弁当屋にて

【7話】
・今、クスリとしたよねえ?
→薬袋を持ちながら

・心がスーツ(スーッ)としたでしょう
→スーツを持ちながら

・電話をかけても誰もでんわ

・何を隠そう、眼鏡には目がねえ
→眼鏡を持ちながら

・いただき漫☆画太郎

・いただき松本零士

結婚しても9割は離婚!? 現地事情通が語る、過酷な「ハワイ婚活」の実態

 未婚率が年々上昇している昨今、日本での結婚を見限り、国際結婚に狙いを定めた女性が増えているという。中でも人気を誇るのが、うまくいけば常夏のリゾート地での結婚生活が実現する「ハワイ婚活」だ。

 日本在住の女性が、ハワイに住むアメリカ人男性と国際結婚を目指す「ハワイ婚活」には、専門の結婚相談所が複数あるだけでなく、マッチングアプリで出会う方法や、語学留学を兼ねて現地で相手を探すという方法もある。最近では、結婚相談所と旅行会社が提携して、旅行のついでに婚活も行う「ハワイ婚活ツアー」というパッケージツアーも登場しているそうだ。

 なぜ、ハワイ婚活が人気を集めるのか? ハワイでの婚活事情に詳しい、現地在住の恋愛コンサルタント・カサブランカ氏に聞いた。

■ハワイの結婚相談所にセレブな男性はいない?

 カサブランカ氏によると、どの「ハワイ婚活」も、狙うはアメリカ人のセレブ男性。年齢がネックとなる日本の婚活市場とは違い、ハワイを含む諸外国では、そこまで年齢に重きを置く男性がいないという点も支持を得ている要因だという。

「日本では、いくら仕事面で成功していたとしても、アラフォーで未婚の女性は負け犬扱いをされがち。でも、多くの女性が憧れるハワイで国際結婚すれば、一発逆転ができるという考えを持つ婚活女性が増えているようです」

 セレブ婚に加え、憧れのハワイへ移住……まさに誰もがうらやむ“勝ち組”への転身だが、カサブランカ氏は「ハワイ婚活は過酷です」と断言。ハワイに二度と行きたくないと思うほど、ひどい経験をした女性をたくさん見てきたという。

 まず、ハワイには未婚のセレブ男性は少ないのだそうだ。ハワイ婚活専門の結婚相談所のサイトを見てみると、全男性会員のうち年収600万円以上が約6割、そのうちの約2割が年収1000万円以上のセレブな男性と記載されている。が、実態は異なるようだ。

「ハワイは島国なので大企業も少なく、在住者の平均年収は350万円前後。物価も高いので、成人男性でも親と同居しているのが一般的で、セレブ男性の数は一握り。その数少ない男性も、結婚相談所に登録する理由がありません。そもそも女性には困っていませんし、結婚相談所に登録している英語で流暢に話せない日本人女性を、パートナーとしてパーティーに連れていったりすることは考えにくいですね」

 結婚相談所によってシステムは違うが、基本的に高い金額を支払うほど高収入の男性を紹介してもらえる仕組みになっている。しかし、実際はセレブな男性はほとんどいないので、登録者の中から条件の良さそうな普通の男性を紹介されるだけだという。

「『高ステータスの男性を紹介できます』といいつつ、入会後には『今のあなたには紹介できません』と、ヘアーメイク講座や英会話教室などのオプションを勧められます。もちろん、有料です。そうやって、女性会員がお金をたくさん出すほうに誘導しているようです」

 さらに、そのオプションを受講した後に、「あなたのスペックでは、希望の男性とマッチングできません」と通告されたりすることも。そうなったとしても、返金には一切応じないそうだ。ハワイ婚活業者はグレーな商売をしている会社が多く、多額の費用をかけても思うようなアメリカ人男性と出会えず、傷ついて退会する女性が後を絶たないという。

 ハワイ婚活がオススメできない点は、ほかにもある。そもそもハワイ在住男性は、日本人女性を「セックスフレンド」ぐらいにしか思っていないという。

「日本国内の日本人女性は、英語圏の外国人というだけでちやほやしますし、簡単に肉体関係を持つ傾向があります。実際、私の男友達でも、日本に住み始めて以来、たくさんの日本人女性とカラダの関係を持って『日本はハリウッドのような楽園』と言っていました。日本人が多いハワイでも状況は同じ。しかも、ハワイ婚活している日本人女性はすぐに帰国してくれるので、セックスフレンドとしてはちょうどいいと思っていますよ」

 「セックスに誘えばNOと言わない」というのが、ハワイ在住男性の日本人女性に対するイメージだという。また、ハワイを含む欧米の文化的な違いも、日本人女性との行き違いを加速させている。

「日本人女性は親密になった男性に対していちずな方がほとんどですが、ハワイ在住男性は肉体関係を持っている女性が複数いることがよくあります。日本人の感覚では『浮気だ!』と思ってしまいそうな状況ですが、欧米では恋愛初期段階において“デーティング”という『お試し期間』があるのが一般的。日本語にすると、友達以上恋人未満のような関係で、この期間中は複数の異性と交際するのも問題なく、カラダの関係があることも多いのです。特にハワイは南国特有の気候のせいもあり、アメリカ本土や欧米よりも性に対して開放的です」

 このデーティング期間に何度もデートを重ね、男性側がコミットメント(日本でいう告白に近い行動)を行うと、正式なパートナーとして認められたことになる。この文化を「日本人女性は理解していない」とカサブランカ氏は嘆く。

「コミットメントされていないのに自分は彼女だと思い込み、2年、3年とズルズル関係を続けていく。それで『何年も付き合ってるのにプロポーズしてくれない』『今後のことを全く話してくれない』などと悩むんですけど、男性側は彼女のことを結婚相手と認識していなかったりするんです」

 付き合っていると勘違いして何度もハワイに渡航するが、日本人女性が結婚を迫ると別れて終わり……というケースが多発しているのだ。

■離婚原因で最も多いのは夜の営みに対する考え方の違い?

 ただ、少なからず結婚までこぎ着ける女性がいるのも事実。

「結婚しても、文化の違いや言葉の壁があるので苦労が多い。特に日本人妻とアメリカ人夫の夫婦の場合、必ずと言っていいほど問題になるのが夜の営みです。アメリカ人男性にとってセックスの重要度は、日本人男性とは比べものになりません。私はハワイ婚活をしている女性に『セックスは好きですか?』と必ず聞くようにしています。好きじゃないと、まず結婚生活は続けられません」

 カサブランカ氏によると、アメリカ人男性と日本人女性の夫婦は5年以内に6割、10年以内に9割の人が離婚するという。子どもがいる場合は、どちらかの親による一方的な連れ去りから守る「ハーグ条約」があるため、女性は子どもを連れて簡単に日本に帰国できなくなるなど、トラブルはさらに深刻化する。経済的な理由で、離婚後もハワイで生活せざるを得ないパターンが多いという。

「ハワイに日本人女性の仕事は少なく、観光業か飲食店ぐらいしかありません。しかも、ものすごく給料が安い。多くのシングルマザーは『日本の初任給より安い……』と嘆いていますよ。生活するだけで手いっぱいなため、貯金もないですし、帰国後すぐに仕事が見つかるかもわかりませんから。日本で暮らすシングルマザーよりも厳しい現実が待っている可能性もあります」

 過酷な婚活に成功し、憧れのハワイ生活を手に入れたとしても、結婚生活を維持するのも難しい……。日本で地道に婚活して、ハワイには新婚旅行で行く、くらいに考えておいたほうが幸せなのかもしれない。
(ほこのきかつや/清談社)

「本当に駆け落ちなのか?」元タレント女性、“大学生と失踪騒動”に夜逃げのプロの見解は?

 元タレントの40代女性Tさんが、子どもの奨学金や生活費を奪って、男子大学生と“駆け落ち”したのではないか――今、ネット上で、そんなショッキングな騒動が浮上している。

 Tさんは、かつて『進め!電波少年』(日本テレビ系)に出演していたこともある元タレントで、2月下旬に家族の元から姿を消したという。Tさんの子どもたちが、現在Twitter上で捜索願いのツイートを拡散しており、その情報によると、Tさんは、子ども4人の奨学金や授業料、生活費など200万円を持っていったそうで、その後、残されていたスマホデータから、都内大学に通う男子大学生と駆け落ちした可能性が高いとのこと。

 男性からTさんに宛てた「今の俺にできるのは、今の君を愛することと、未来、君を幸せにするために努力することしかできないけど、いつか、君と一緒に朝を迎え、『おはよう』と言える日を夢みています。いつか君を、幸せにさせて下さい。愛しています。永遠に。」などと記されたラブレターも発見されている。

 現在、子どもたちは、Tさんと男子大学生の実名や身体的特徴をまとめたものをツイートしていると同時に、Tさんと子どもたち4人の過去の写真や現在の心境などを投稿し、世間の注目を集めている状況だ。

本当に駆け落ちなのか?

 Tさんと男子大学生が本当に駆け落ちしていた場合、これまで子どもたちから発信された情報を見るに、“あまりにも突発的な行動”だったのではないかと推測することができる。2人の間には何かしらの事情があり、駆け落ちという方法でしか思いが遂げられなかったのかもしれないが、ここまでの大騒動になってしまったことを考えると、そのやり方が果たして本当に正しかったのかと、疑問が生じる。

 そこで今回、借金や倒産、いじめやストレスなど、さまざまな理由で平穏な暮らしを奪われた人々に、安全な暮らしを取り戻すためのサポートをする「夜逃げ屋 アシスト」の代表、児玉丈一郎氏に、お話を聞いた。

 「夜逃げ屋 アシスト」では、駆け落ちが原因の夜逃げのサポートも行っているが、児玉氏の目に、今回のTさんの騒動はどのように映ったのだろうか。

「私は、“駆け落ち”ではないと思いました。お子さんの奨学金や授業料などを持って……という点から、どちらかが金銭的なトラブルを抱えていたのではないかと思います。それをかばうために、2人で逃げた、と見えます。というのも、駆け落ちに、一番重要なものはお金なんです。当人たちにとって、駆け落ち後の生活は、かなり不安です。200万円程度のお金で、住まいは借りられるのか、生活費はどうなるのか。真剣に彼のことを愛しているがゆえに駆け落ちするのであれば、たった200万円では実行しないと思いますよ。世間から見たら、やはり駆け落ちに見えてしまうのでしょうが……」

 児玉氏は、駆け落ちをしたいという依頼者に対し、“お金”について話をするそうだ。駆け落ちする当人たちの今後の資金という以外に、“残される人たちに置いていくお金”も必要だという。

「駆け落ちすると、絶対に家族から捜索願が出されます。何らかの事件に巻き込まれたり、安否の確認ができない場合は、所轄の刑事が動くこともあります。ただ、本人たちは『あなたにどこまでもついていく』ということで頭がいっぱいになり、そういった事態に発展することを想像できなくなってしまうんです。我々は、『残された人たちに迷惑をかけてはいけないし、守ってあげなければいけない』『駆け落ちは、そういった覚悟がなければできません』『ただ、決して後ろを振り向いてもいけない』とお伝えし、お金を必ず置いてきてくださいとお伝えしています。駆け落ち資金として、“家族の財産をお金に換えてを持って行く”といったことは、我々は絶対に許しません。それがプロです」

 Tさんのケースでは、「お金を“持っていってしまった”がゆえに、このような大騒動になっているんです。お金を置いていけば、こうはならなかったのではないでしょうか」と児玉氏。 “持っていくお金”と“置いていくお金”を貯めるため、「問い合わせをいただいてから、1年後に駆け落ちをするお客様もいます」という。

 Tさんは、自宅にスマホを置いたまま出て行ったというが、その点に関して児玉氏は、「携帯の電波で探される可能性がある、捜索願が出れば、それを元に警察が追ってくると考えたのではないでしょうか」と指摘する。しかし、家族はそのスマホに残されたデータから、一緒に逃げた相手の目星をつけただけに、駆け落ちする人にとって“スマホを置いていく”ことには、見つかる可能性を高めてしまうようにも感じるが……。

「絶対にバレるとわかった上で、駆け落ちしたのでしょう。逃げるということは、“残された人たちが追ってくる”ことがわかっているから、逃げるんです。それをわかった上で、わからないようにする……それがプロである我々の仕事です」

 「安心して駆け落ちをできる状況を作ってからでないと、駆け落ちはできません」という児玉さんの言葉には、駆け落ちする当人たち、そして、残される人々、双方を思いやる気持ちが感じられる。ネットで大騒動になっているこの騒動、まだ全貌は見えず、今後の展開も計り知れないが、双方にとって納得できる決着はつくのだろうか。

「本当に駆け落ちなのか?」元タレント女性、“大学生と失踪騒動”に夜逃げのプロの見解は?

 元タレントの40代女性Tさんが、子どもの奨学金や生活費を奪って、男子大学生と“駆け落ち”したのではないか――今、ネット上で、そんなショッキングな騒動が浮上している。

 Tさんは、かつて『進め!電波少年』(日本テレビ系)に出演していたこともある元タレントで、2月下旬に家族の元から姿を消したという。Tさんの子どもたちが、現在Twitter上で捜索願いのツイートを拡散しており、その情報によると、Tさんは、子ども4人の奨学金や授業料、生活費など200万円を持っていったそうで、その後、残されていたスマホデータから、都内大学に通う男子大学生と駆け落ちした可能性が高いとのこと。

 男性からTさんに宛てた「今の俺にできるのは、今の君を愛することと、未来、君を幸せにするために努力することしかできないけど、いつか、君と一緒に朝を迎え、『おはよう』と言える日を夢みています。いつか君を、幸せにさせて下さい。愛しています。永遠に。」などと記されたラブレターも発見されている。

 現在、子どもたちは、Tさんと男子大学生の実名や身体的特徴をまとめたものをツイートしていると同時に、Tさんと子どもたち4人の過去の写真や現在の心境などを投稿し、世間の注目を集めている状況だ。

本当に駆け落ちなのか?

 Tさんと男子大学生が本当に駆け落ちしていた場合、これまで子どもたちから発信された情報を見るに、“あまりにも突発的な行動”だったのではないかと推測することができる。2人の間には何かしらの事情があり、駆け落ちという方法でしか思いが遂げられなかったのかもしれないが、ここまでの大騒動になってしまったことを考えると、そのやり方が果たして本当に正しかったのかと、疑問が生じる。

 そこで今回、借金や倒産、いじめやストレスなど、さまざまな理由で平穏な暮らしを奪われた人々に、安全な暮らしを取り戻すためのサポートをする「夜逃げ屋 アシスト」の代表、児玉丈一郎氏に、お話を聞いた。

 「夜逃げ屋 アシスト」では、駆け落ちが原因の夜逃げのサポートも行っているが、児玉氏の目に、今回のTさんの騒動はどのように映ったのだろうか。

「私は、“駆け落ち”ではないと思いました。お子さんの奨学金や授業料などを持って……という点から、どちらかが金銭的なトラブルを抱えていたのではないかと思います。それをかばうために、2人で逃げた、と見えます。というのも、駆け落ちに、一番重要なものはお金なんです。当人たちにとって、駆け落ち後の生活は、かなり不安です。200万円程度のお金で、住まいは借りられるのか、生活費はどうなるのか。真剣に彼のことを愛しているがゆえに駆け落ちするのであれば、たった200万円では実行しないと思いますよ。世間から見たら、やはり駆け落ちに見えてしまうのでしょうが……」

 児玉氏は、駆け落ちをしたいという依頼者に対し、“お金”について話をするそうだ。駆け落ちする当人たちの今後の資金という以外に、“残される人たちに置いていくお金”も必要だという。

「駆け落ちすると、絶対に家族から捜索願が出されます。何らかの事件に巻き込まれたり、安否の確認ができない場合は、所轄の刑事が動くこともあります。ただ、本人たちは『あなたにどこまでもついていく』ということで頭がいっぱいになり、そういった事態に発展することを想像できなくなってしまうんです。我々は、『残された人たちに迷惑をかけてはいけないし、守ってあげなければいけない』『駆け落ちは、そういった覚悟がなければできません』『ただ、決して後ろを振り向いてもいけない』とお伝えし、お金を必ず置いてきてくださいとお伝えしています。駆け落ち資金として、“家族の財産をお金に換えてを持って行く”といったことは、我々は絶対に許しません。それがプロです」

 Tさんのケースでは、「お金を“持っていってしまった”がゆえに、このような大騒動になっているんです。お金を置いていけば、こうはならなかったのではないでしょうか」と児玉氏。 “持っていくお金”と“置いていくお金”を貯めるため、「問い合わせをいただいてから、1年後に駆け落ちをするお客様もいます」という。

 Tさんは、自宅にスマホを置いたまま出て行ったというが、その点に関して児玉氏は、「携帯の電波で探される可能性がある、捜索願が出れば、それを元に警察が追ってくると考えたのではないでしょうか」と指摘する。しかし、家族はそのスマホに残されたデータから、一緒に逃げた相手の目星をつけただけに、駆け落ちする人にとって“スマホを置いていく”ことには、見つかる可能性を高めてしまうようにも感じるが……。

「絶対にバレるとわかった上で、駆け落ちしたのでしょう。逃げるということは、“残された人たちが追ってくる”ことがわかっているから、逃げるんです。それをわかった上で、わからないようにする……それがプロである我々の仕事です」

 「安心して駆け落ちをできる状況を作ってからでないと、駆け落ちはできません」という児玉さんの言葉には、駆け落ちする当人たち、そして、残される人々、双方を思いやる気持ちが感じられる。ネットで大騒動になっているこの騒動、まだ全貌は見えず、今後の展開も計り知れないが、双方にとって納得できる決着はつくのだろうか。