女は矮小化した? 常識の枠を飛び越えた岡本かの子らの人生を見つめ直す

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『烈しい生と美しい死を』(瀬戸内寂
聴、新潮社)

 同性の恋人とのセックスや年下の男との同棲宣言を、自ら編集する雑誌「青鞜」に発表し世間から大バッシングに遭った、平塚らいてう。痔の手術をした病院で会った美青年医師に惚れ、夫を使って、愛人として家に連れ帰った作家・岡本かの子。「結婚しながら別の男に走る」を、人生で2度繰り返した伊藤野枝――。

 斜め読みすると、一見、偉人のスキャンダラスな言動を取り上げて面白がる本のようにも見える『烈(はげ)しい生と美しい死を』(瀬戸内寂聴、新潮社)は、文字通り己の心の底から聞こえてくる欲望や理念に従い、烈しい人生を歩んだ女たちと、著者自身の人生を重ねてつづったエッセイ集だ。

 これまで「事実に限りなく近い評伝小説」という形で、近代に生きた女性を取り上げてきた瀬戸内寂聴。『烈しい生と…』には、今まで著者が書いてきた人々の中から、約100年前の時代を動かした女性たちのエピソードや取材秘話が収められている。一編一編が短いので、今まで彼女の作品を読んでいない人にとっても、“寂聴入門編”として取っ付きやすい1冊になっている。

『ギャルと不思議ちゃん』から“女子”“ガール”へ……女の子たちの戦争の果て

『ギャルと不思議ちゃん論: 女の子た
ちの三十年戦争』(原書房)

 バブル時代のボディコンギャルや90年代のコギャル、2000年代のエビちゃんOL、森ガールなど、途切れることなく盛り上がり続けている女性カルチャー。『ギャルと不思議ちゃん論:女の子たちの三十年戦争』(原書房)は、文字通り「ギャル」と「不思議ちゃん」という、日本だけでなく海外からも「GYARU(渋谷)」「Kawaii(原宿)」として注目される現代女性カルチャーの二大陣営の成り立ちとその背景を追っていき、そこから見える女性と社会の関わりとその変化を丁寧に綴っています。

 本書では、雑誌「CUTiE」(宝島社)や「egg」(大洋図書)、「東京ストリートニュース!」(現・学研ホールディングス)、「アウフォト」(新潮社)、「CanCam」(小学館)、「小悪魔ageha」(インフォレスト・パブリッシング)、映画『桜の園』『下妻物語』、マンガ『ホットロード』(紡木たく/集英社)、『ヘルタースケルター』(岡崎京子/祥伝社)、『天使なんかじゃない』『NANA』(矢沢あい/集英社)、『致死量ドーリス』(楠本まき/祥伝社)などを通して、近代の「少女」という概念から、差異化競争の果てに生まれた現代の「ギャル」「不思議ちゃん」についての分析を試みています。男性による女性カルチャー論というと、「女性の理解者になりたい」という欲求が行間からうかがえたり、単純に萌え萌えしていたりというケースが割りと見受けられますが、本書は対象と距離を置いた冷静な筆致です。

母親たちのつながりに依存するPTAという組織、「本当の敵」はどこにいる?

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『七人の敵がいる』(加納朋子、集
英社)

 現在放送中のドラマ『七人の敵がいる!』(フジテレビ系)をご覧になったことはあるだろうか。PTAを舞台にしたワーキングマザーの奮闘記。何に奮闘するかと言えば、理不尽な規律、女性同士特有のしがらみ、傍観者を決め込む男性たち、社会状況が著しく変化しているにも関わらず、全く変わろうとしない組織の実態などなど。しかし多分に昼ドラ的脚色がなされていることもあり、小学生息子を持つ当事者としては見続けるにはちとキツい番組でもある。

 『名前をなくした女神』(同)もそうだが、この手の話は「これだから女ってヤツは……」「ママ友こわいこわい」とか、女に付与されやすいイメージに帰着されがちだ。たぶん、その方がウケるから。ドラマ版『七敵』をトゥーマッチに感じる方は、どうぞこの原作本を。加納朋子著『七人の敵がいる』(集英社)には、女の嫌味と妬みの全面戦争だけでは済まされない、母親とその周辺社会とのヒリヒリする関係が存分に描かれている。

母親たちのつながりに依存するPTAという組織、「本当の敵」はどこにいる?

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『七人の敵がいる』(加納朋子、集
英社)

 現在放送中のドラマ『七人の敵がいる!』(フジテレビ系)をご覧になったことはあるだろうか。PTAを舞台にしたワーキングマザーの奮闘記。何に奮闘するかと言えば、理不尽な規律、女性同士特有のしがらみ、傍観者を決め込む男性たち、社会状況が著しく変化しているにも関わらず、全く変わろうとしない組織の実態などなど。しかし多分に昼ドラ的脚色がなされていることもあり、小学生息子を持つ当事者としては見続けるにはちとキツい番組でもある。

 『名前をなくした女神』(同)もそうだが、この手の話は「これだから女ってヤツは……」「ママ友こわいこわい」とか、女に付与されやすいイメージに帰着されがちだ。たぶん、その方がウケるから。ドラマ版『七敵』をトゥーマッチに感じる方は、どうぞこの原作本を。加納朋子著『七人の敵がいる』(集英社)には、女の嫌味と妬みの全面戦争だけでは済まされない、母親とその周辺社会とのヒリヒリする関係が存分に描かれている。

乾燥は年齢肌の元! エアコンにまけない潤い・ハリに近づきたい

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 早くもこの時期から、電車やオフィスではエアコンが大活躍。夏日には心地のよいエアコンの風も、肌から水分を奪いとるという面では女性にとって大敵です。化粧直しの度にスプレーで保湿したり、保湿効果の高いコスメを使ってみたりと、エアコン対策に奮闘している方も多いのでは? 「オイリー肌だから乾燥とは無縁」と思っていても、その皮脂の原因が「乾燥」というケースもあります。

 肌の乾燥の厄介なところは、肌バランスを乱しさまざまな肌トラブルや肌老化を引き起こす元になる点です。エアコンに代表される外的要因だけでなく、加齢という抵抗できない要因も肌の乾燥を引き起こします。ならばと高級なスキンケアラインで揃えたり、スキンケアアイテムを増やしてみたところで、使用方法が面倒くさかったり忙しくてケアまで手が回らなかったり……。 

AV借りにくい、寺社ガールウザい! 坊主が本性を晒した『美坊主図鑑』

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『美坊主図鑑』(廣済堂出版)

 坊主頭は人を選ぶ。何しろ、髪型での誤魔化しがきかないゆえ、その人本来の顔面偏差値がもろに浮き彫りになりうる。坊主頭が似合う男こそ、イケメン界の王者なのではないだろうか。

 そんなことを考えながら、先月発売された奇書『美坊主図鑑』(廣済堂出版)を開いた。著者は美しいお坊さんが大好きな女性集団の“日本美坊主愛好会”。数年前から、「高尾山には、ハンサムなお坊さんが多いらしい」などと情報交換をしつつ、あちこちの美坊主に会いに行く活動をしていたのが、満を持して本にまとめられたのだという。「お寺に行こう、お坊さんを愛でよう」をキャッチコピーに掲げ、イケメンから癒し系、クリーミー系まで、総勢40人の美しい坊主が登場。“クリーミー系”となんだかよく分からないジャンルを作ってしまうあたり、やりたい放題である。

そりゃヘルシーだろうけど……「生大根ダイエット」の大根わっしょいレシピの数々

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「やせてヘルシー! 生大根ダイエッ
ト」(主婦の友社)

 「○○ダイエット」。この言葉にどれだけの女たちが振り回され、裏切られ、苦汁をなめてきただろうか。「リンゴがいい」と聞きつけては、朝昼晩と狂ったようにリンゴを食べ続けた。「いや、バナナだ」と言う人あれば、スーパーからバナナが消えた。「ゆで卵」に至っては、板東英二もどん引きするくらいむさぼり食った。

 しかし、これらいわゆる“一品ダイエット”はリバウンドという悲しい記憶と記録だけ残して終わっていく。極端な食生活により一時的に体重は減るものの、驚くほど簡単に元に戻る。同じものを食べ続ける「飽き」との戦い、他のものが食べられない「ストレス」との戦いに、身体はあっさりと白旗を揚げるのだ。高校時代、私はブームだった「リンゴダイエット」に手を出し(もちろん玉砕)、それ以来リンゴを見るたびに反射的に「米」と「肉」が食べたくなってしまう。なんてトラウマだ。栄養バランスがよい食事を心がけ、毎日の運動も欠かさない。それがダイエット、いや健康への急がば回れだと誰もが分かっているのに、「○○ダイエット」のようなスーパーでミラクルな一手につい惹かれてしまう。この「生大根ダイエット」も、そんな女心を狂わせるあだ花だと思っていた。

オトナ手前の無防備な姿がたまらない、写真集『DK~男子高校生萌え~』

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『DK~男子高校生萌え~』(三英出版)

 電車や街ですれ違うと、ついつい目で追ってしまう制服姿の男子高校生。体つきは徐々に出来上がっていくのに、親の管理下で社会とのつながりが希薄であることにすら気付かず、日々を無防備に過ごす彼らを見ると思わずキュンとしてしまう。

 そんな男子高校生の日常の瞬間を切り取った写真集『DK~男子高校生萌え~』(三英出版)が2月の発売以降、三十路以上の女性から大反響だという。

今度のセット商品はなんと"フライパン"!! 話題のカフェが解禁したパンケーキ作りの秘訣とは!?

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 子どものころ、童話『ぐりとぐら』で描かれる大きなパンケーキに誰もが憧れた。巨大なフライパンで焼かれ、ふっくらきつね色。「ぐりとぐらのパンケーキ」というメニューがあるカフェまであるくらいだから、それだけ人々の記憶に残るのだろう。しかし、母親にねだって作ってもらうと、想像していたようにはいかない。形がまん丸じゃなかったり、色がまだらだったり、焦げてしまったり......。どうしてウチのパンケーキは本の世界に出てくるものと違うんだろう......?

 きつね色でまん丸でふっくらした、理想のパンケーキを作るには、簡単だけどちょっとしたコツがいる。それを教えてくれるのが、今回紹介する『パンケーキママカフェVoiVoiのしあわせパンケーキのつくりかた』だ。若い女子を中心に起こったパンケーキブームの先駆けと言われ、三軒茶屋のカフェ・パンケーキママカフェ VoiVoiのオーナーである、阿多笑子さんが教えてくれるパンケーキレシピブックなのだ。まず、失敗しないパンケーキの焼き方として、「ひっくり返すタイミング」や「濡れふきんを用意し、生地を流す前に、一度ふきんの上にパンケーキパンを置く」などの小技をレクチャー。誰でも出来る簡単な一手間で、憧れのふっくらパンケーキが作れるので必見です。レシピ紹介では「苺のパンケーキ」「ふわふわレモンチーズ・パンケーキ」など、目がハートになっちゃいそうなスイーツ系パンケーキはもちろん、「レンコンのパンケーキ」や「豆腐のパンケーキ」、しまいには「きんぴらパンケーキバーガー」なども載っていて、全てのレシピがパンケーキ主体とは思えないくらい、バラエティー豊かなのだ。

ハイテンションなギャクの中に、負の側面が見え隠れする『美少年名言集』

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『美少年名言集』(桂明日香、太田
出版)

 「イケメン」という言葉はカラッとしていて面白くない。淫靡なニオイもなく、直球すぎるのだ。それには、「イケメン」という言葉が持つ概念が広すぎて、「雰囲気イケメン」などもはや「美」を基準にした言葉ではなくなっていること。そして、数年前に流行した「ただしイケメンに限る」のように、自己否定に見せかけた、強烈な自己愛を表す利便性の高い言葉として男性の中で定着してしまったことが根底にあるように思えてならない。

 それに比べて、「美少年」という言葉がもらたす響きは圧倒的だ。そもそも「あの子は美少年だね」という会話は、日常ではなかなか耳にしない。人々が「美少年」と共通の認識を持てるのは、ごくわずかな人だけだから。リバー・フェニックスにしろ、エドワード・ファーロングにしろ、美少年の絶頂期は恐ろしいほどに美しい。それは同性さえも魅了してしまうほどであり、その禁忌的イメージを彷彿させる力こそが「美少年」の危うげな一面なのだ。