異物である女への噂によって、悪意が肥大化した人々を描く『噂の女』

uwasanoonna02.jpg
『噂の女』(奥田英朗、新潮社)

「あれはやりまくっとる顔やね」「セックス好きそうやな」「キャバクラでバイトしとったし」「弟はやくざ者やし」「あの子、勤めとる会社社長の愛人や」「若社長、溺死したんやと」「今度は六十過ぎの資産家と婚約やよ」「内緒やけど、どうも県会議員の愛人らしい」「クラブのママで政治家の愛人かあ」「毒でも盛ったんやないの、ってみんなが言っとる」「あの女、男をたぶらかしては、金を貢がせて、贅沢な暮らししとるらしい」

 小さな街で、噂の的になる女・糸井美幸。美人とは言えないが、色白のモチ肌、大きいオッパイとかわいらしい声を持ち、料理上手で男あしらいもうまい。しかし、彼女の過去には不審死を遂げた3人の男と、億単位で受け取っている保険金が見え隠れする。愛人だった社長は2人続けて死に、年の差婚した資産家の夫も美幸の出産直後に溺死、その保険金で高級クラブのママになり、政治家の愛人として夜の街で名をはせている――。

異物である女への噂によって、悪意が肥大化した人々を描く『噂の女』

uwasanoonna02.jpg
『噂の女』(奥田英朗、新潮社)

「あれはやりまくっとる顔やね」「セックス好きそうやな」「キャバクラでバイトしとったし」「弟はやくざ者やし」「あの子、勤めとる会社社長の愛人や」「若社長、溺死したんやと」「今度は六十過ぎの資産家と婚約やよ」「内緒やけど、どうも県会議員の愛人らしい」「クラブのママで政治家の愛人かあ」「毒でも盛ったんやないの、ってみんなが言っとる」「あの女、男をたぶらかしては、金を貢がせて、贅沢な暮らししとるらしい」

 小さな街で、噂の的になる女・糸井美幸。美人とは言えないが、色白のモチ肌、大きいオッパイとかわいらしい声を持ち、料理上手で男あしらいもうまい。しかし、彼女の過去には不審死を遂げた3人の男と、億単位で受け取っている保険金が見え隠れする。愛人だった社長は2人続けて死に、年の差婚した資産家の夫も美幸の出産直後に溺死、その保険金で高級クラブのママになり、政治家の愛人として夜の街で名をはせている――。

淡い初恋の気持ちを込めて、縦笛チョコをペロペロ……いやベロベロベロ

 毎日毎日寒すぎ! こんだけ寒いとココロも冷え冷えとしてくるわね。でも、今日はバレンタイン! 愛しのダーリンにチョコをプレゼントするのよ。そしたら、ウフッ。ダーリンのポケットに手を入れて温めてもらうのよ。あっという間に春が来ちゃうかもね~。

■アラフォーに必要なのはオネエだった!……「オネエメソッドエステサロン」

onemethod.jpg
OLIVE sapporo HPより

小さな差異でこそマウントを取りたがる、“下に見たい”欲望の正体

shitanimiruhito.jpg
『下に見る人』(酒井順子、角川書店)

 容姿・年齢・職業・年収・モテ……人に優劣をつける基準は無数に存在する。どんな基準であれ、自分と人を比べて下に見たことが一度もない、と言い切れる人は少ないだろう。ママ友、会社の同期、久しぶりに会う同級生――そんな他人と向かい合う時、「どちらが上で、どちらが下か」という勝ち負け感覚に無頓着ではいられない。あからさまにマウントを取って勝つことで生き抜いている人も、ひそかに負けたことを気に病んでいる人も、そんな不毛な戦いからちょっと離れたい時に読みたい本が『下に見る人』(酒井順子、角川書店)だ。

 『負け犬の遠吠え』(講談社)で知られる著者による本作は、自らの人生のさまざまな局面で、人を下に見た経験、逆に下に見られた経験を振り返りつつ、「下に見る人」の欲望の正体にメスを入れていく。

『男を虜にする500の秘密』って、バブル期の石田純一みたいな古臭さね! 

『男を虜にする500の秘密』(ハー
スト婦人画報社)

 はぁ~い。タテロール高柳です。今年こそダーリンを捕まえてゴールインしたいわよね。そんな女の子たちのお役立ち本がコレ! 『男を虜にする500の秘密』(ハースト婦人画報社)って本。アメリカの人気ファッション誌「コスモポリタン」が、男に関するセクシーな知識をまとめた1冊なの。男の習性とかカラダの秘密とか、いろんなことが書いてある本なんだって。

「カウンターに背中や脇を向けて立っている男性は新しい出会いを求めている」
「男の皮膚は、女性の10倍鈍感」
「男が魅力的に感じるのは魅力的な脚よりも、キレイな腕」

 ふむふむ、なんか役立ちそうなことが書いてあるじゃない。敵を射るにはまず敵のデータから収集しなくちゃ、だわ。なんでも、「右半身へのキスに男の悦びは倍増」するらしいのよ。今度チャンスがあったら、右から攻めてみなくちゃ~。

帰省して気付く「親の老い」、それこそが親からの最後の「教育」

okannohirugohan.jpg
『おかんの昼ごはん』(山田ズーニー、
河出書房新社)

 「連休、ふるさとに帰ってみると、おかんが『老いて』いた。」

 親元から離れ、普段は自分のことで手いっぱいの身に刺さるような一文から始まる『おかんの昼ごはん』(山田ズーニー、河出書房新社)。本書は、Webサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載された著者のエッセイと、そこに寄せられた読者からのメールを通して、“親が老いること”などについて語られた一冊だ。

 東京で働く著者が、ある時実家に帰省して見たものは、料理上手だったのに手の込んだ料理を作らなくなり、娘に指示を出してばかりで自分からは働かなくなった、母親の「老い」だった。

仕事でも“誰にも嫌われたくない”現代人の救いの書『督促OL 修行日記』

tokusokuol.jpg
『督促OL 修行日記』(榎本まみ、
文藝春秋)

 「人を笑顔にする仕事」「お客様からの『ありがとう』という言葉がやり甲斐です」……就職サイトをめぐれば簡単に見つけられる、この種の言葉。でも、働いたことがある人には言うまでもなく、どんな仕事に就いたとしても、常に周りから感謝されるとは限らない。むしろ懸命に仕事をすることで、他人から嫌われることすらある。そんな時、その仕事とどう向き合っていけばいいのか?

 実在のOLが、自分の仕事について綴った『督促OL 修行日記』(榎本まみ、文藝春秋)は、あまり表で語られることのない「仕事で人に嫌われること」に明るく向き合った一冊だ。

友情の頂点と終焉、どちらもが一瞬のきらめきを持つ『奇貨』

kika.jpg
『奇貨』(松浦理英子、新潮社刊)

 『奇貨』(松浦理英子、新潮社刊)は、いい大人になったからこそコントロールするのが難しい、“友情”をめぐる小説だ。

 私小説作家・本田は、普通の男と同じように女が好きだが、性格もセックスも受け身を良しとする性質が災いして、生来まともに恋愛が続かない。それでも、同性といるよりは女性といる方が気楽で、「女同士のように女と友達付き合いをしたい」という傍から理解されにくい願望を持っている45歳。

 そんな本田にとっての数少ない友人の1人が、ルームメイトでもある、10歳年下のレズビアン、七島。鋭い観察眼や正直な物言いのせいか、こちらも長い間、決まった恋人ができないままだ。

ユーモア精神、無理っすわ~! 『夫とは、したくない。』の導く珍アンサー

『夫とは、したくない。~セックス
レスな妻の本音~』(ブックマン社)

 『夫とは、したくない。~セックスレスな妻の本音~』(ブックマン社)。センセーショナルなタイトルにドキッとする本書。10人のセックスレス妻が座談会で「夫としたくないこと」を本音で語りまくり、それらに対し、2万組のカップルの問題を解決してきた二松まゆみ先生が処方術を教えまくるという、夫婦円満対策本です。

 「なぜ、昨日の愛情が今日の殺意に変わるのか!?」とショッキングな帯文がついているんですが、結婚5年目の私、言ってる意味がわかります! 今まではそういった話を耳にする度、アタシたちもぉ、そうなっちゃうのかにゃ?」的な感じで夫に甘えるという、自分には関係がないどころか、むしろ夫婦関係の旨味要素として「夫に殺意が湧く」系の話は使用させていただいていました。

他人だから理解の努力をする――『うつまま日記。』が掴んだ家族の核心

utsumamanikki.jpg
『うつまま日記。』(コンボ)

 起床は7時。授乳を済ませておむつを替え、そして赤ちゃんの顔を拭く。「顔を拭くことで赤ちゃんが朝だと気づくんですよ」と育児雑誌に書いてあったから。機嫌よく遊んでいる間に洗濯機に洗濯物を詰め込み、大人たちの朝ごはんの支度。食べようと思った途端に泣き出すわが子。冷めた味噌汁をかきこんで、さあ掃除。それまでは5日に一度、ガーッと掃除機かける程度だったのに。だって赤ちゃんに埃はよくないと、これまた育児雑誌にあったから。「外気に触れることで赤ちゃんは丈夫な体に……」ということで張り切ってお散歩、買い物、たそがれ泣きが激しいので、おんぶをしたまま夕飯作り。お風呂、ベビーマッサージ、あぁ耳掃除も爪切りもしないと。異常なテンションのまま「お母さん」の1日は過ぎていく。

 思えば母親業、特に子どもが小さいうちの母親という役割は、自分じゃない自分になりきらなければこなせないものだった。この頃の私にとって「お母さん」とは無意識なる“躁”状態で、当時のことを思い出そうとしても記憶がだいぶ抜け落ちている。もし、あの時なんらかのタイミングで張りつめたテンションが切れ、心が急降下していたら……その可能性は十分にあっただろう。私はかなり“完璧な母親”という幻影に支配されていた。