サトシ引退で、声優・松本梨香の今後は――『ポケモン』以外のレギュラーナシは「気性の荒さ」も原因か?

 アニメ『ポケットモンスター』(テレビ東京系、以下『アニポケ』)の新シリーズが、2023年4月よりスタートする。少女・リコと少年・ロイによる新たな旅が始まるということで、ネット上では、シリーズ初期からの主人公“サトシ”の引退が話題に。一方、25年にわたりサトシの声を務めてきた声優・松本梨香の今後にも注目が集まっている。

 株式会社ポケモン(当初は任天堂)より発売されているゲームソフト『ポケットモンスター』シリーズを原作に、1997年4月から放送をスタートした『アニポケ』。ポケモンと人間が共存する世界で、最強の“ポケモンマスター”を目指す少年・サトシと、相棒のピカチュウをはじめとするポケモンたちの冒険を25年にわたって描いてきた。

 11月11日放送の『アニポケ』では、そんなサトシがポケモンバトルの世界大会で優勝。今後のストーリー展開に注目が集まっていた中、来年1月13日から、サトシとピカチュウによる物語の“最終章”『ポケットモンスター めざせポケモンマスター』が全11話構成で放送されることが決定した。

 公式発表によると、4月からは新シリーズが始動。新たな主人公・リコとロイが、最新ゲームソフト『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』に登場するニャオハ、ホゲータ、クワッスの3匹をはじめとするポケモンたちと、冒険を繰り広げるという。

 ネット上では、「サトシくん、25年間夢と希望を本当にありがとう」「新シリーズも楽しみだけど、引退はさみしい」「またいつかサトシとピカチュウに会える日を待っています」など、ファンから感謝や悲しみの声が上がり、中には「松本梨香さん、大谷育江さん、長年お疲れさまでした」と、サトシとピカチュウの声優を務めてきた2人を労う声も。

 新シリーズにサトシやピカチュウが登場するか否かはまだ明かされていないものの、確実に出番が減ることは確かだろう。

「現在放送中のアニメ『名探偵コナン』(日本テレビ系)の円谷光彦役や、『ONE PIECE』(フジテレビ系)のトニートニー・チョッパー役を務めている大谷に比べ、松本がレギュラー出演しているのは『アニポケ』のみ。“サトシ引退”は、彼女にとってかなりの痛手ではないでしょうか」(エンタメ記者)

 ベテラン声優の松本に、『アニポケ』以外の大きな仕事がないのはなぜなのか。

「松本には、『自分の本業は声優ではない』と思っている節がある。というのも、彼女はもともとは役者志望ですし、過去にはアニソン歌手グループ・JAM Projectのメンバーとしても活動していましたから。声の仕事の優先順位が低く、あまり積極的にいろいろな役を引き受けてこなかったため、現在、『アニポケ』以外のレギュラーがない状況になっているとみられます。しかし、彼女の声優としての技術は確か。もっと早くから声優仕事の幅を広げていれば、ほかの作品でも活躍していたと思います」(声優業界関係者)

 松本といえば、20年12月、コロナ助成金の不正受給疑惑を、「フライデー」(講談社)にスクープされたことがある。その際、事務所の元スタッフから、「気に入らないことがあるとすぐに激昂する」などと、気性の激しさを暴露されていたが……。

「声優仕事が少ないのは、そういった彼女の性格も関係しているかもしれません。『アニポケ』の現場でも、彼女の気性の荒さはたびたびうわさになっています。ただ、アニメの放送開始から25年がたっていますし、キャスト・スタッフともに気心知れた仲。松本が激昂しても『またか』 といった雰囲気でした……」

 なお、主人公交代を受け、松本は今月16日にTwitterを更新し、「マサラタウンから旅だった時とずっと変わらずにサトシはみんなの心のそばにいる。約束…いつでもいっしょだぜ!」などと投稿していた。しかし、前出の関係者は、「25年間演じ続けてきたサトシと離れなければいけないことは、 彼女のプライドを深く傷つけているのでは」と推察する。

 来年4月以降、松本がどのような活動を展開していくのか注目だ。

2023年以降、“消えそうな声優”はアラフィフの3人! 「アニメのレギュラーが減少中」「起用しづらい」

 アニメやゲームのアフレコ、洋画などの吹き替え、ナレーション、アーティスト活動など、さまざまな場で活躍する声優たち。近年は、バラエティや音楽番組、映画やドラマに“顔出し出演”する機会も増えている。

 2022年は、テレビアニメ『SPY×FAMILY』(テレビ東京系)のメインキャラクター、アーニャ・フォージャー役を演じた種崎敦美が大ブレーク。また、興行収入180億円を突破するメガヒット作となった劇場アニメ『ONE PIECE FILM RED』で、物語の鍵を握るウタ役を務めた名塚佳織も、一気に知名度を上げた。

 毎年のようにニュースターが現れている声優業界だが、23年も引き続き活躍しそうな声優について、業界関係者は以下のように語る。

「人気が出そうなアニメの場合、より視聴率を稼ぐため、旬の人気声優が起用されるケースは多い。例えば、神谷浩史や下野紘、梶裕貴などは、出演が発表された際、『またこの人か』と思うアニメ・声優ファンも多いでしょう。声優の年齢や実力により、人気の移り変わりは当然ありますが、特にこの3名は業界のトップを走り続けていますし、今後もしばらくはメインキャストに指名されるのでは」(声優業界関係者)

『鬼滅の刃』竈門炭治郎役の花江夏樹、ほかの作品で「名前を見なくなった」?

 一方、今後、“消えてしまいそうな声優”には、アニメ『鬼滅の刃』(TOKYO MXほか)シリーズで主人公・竈門炭治郎を演じている花江夏樹の名前が挙がった。前出の関係者は、「あまりにも『鬼滅』人気が高いため、炭治郎のイメージがつきすぎて、かえって使いにくくなってしまったのか、最近、ほかの作品で名前を見なくなったと」と指摘する。

「また、神谷を除いた“アラフィフ世代”の声優も、消えそうといえる。実際に、彼らは近年、人気アニメの主要キャストに起用されにくくなりました。例を挙げると、最近バラエティ番組への出演が目立つ浪川大輔と森久保祥太郎。彼らは、レギュラー出演中のネット番組『声優と夜あそび』(ABEMA)で人脈を得てから、地上波にたびたび登場していますが、そもそも声優としての技術は乏しく、アニメのレギュラー出演は減っています」(同)

 アラフィフ声優といえば、今年10月、ニュースサイト「文春オンライン」に、放送作家との10年以上にわたる不倫関係をスクープされた櫻井孝宏の動向も気になるところ。報道の影響で、自身がパーソナリティーを務めていたインターネットラジオ番組『P.S.元気です。孝宏』(文化放送超!A&G+)が終了。『A&Gメディアステーション こむちゃっとカウントダウン』(文化放送)からも降板すると発表されたが……。

「報道後、一切公の場に出てこない櫻井ですが、来年は、メインキャラクターを務めている『鬼滅の刃』と『呪術廻戦』(TBS系)のテレビアニメ新シリーズが放送され、12月29日現在、櫻井の降板は伝えられていません。また、新しい作品への起用も発表されています。一見、スキャンダルによる影響はないように思えますが、これから立ち上がる新作アニメ企画の制作サイドとしては、不祥事を起こした櫻井は、やはり起用しづらいでしょう。来年以降、仕事が減っていくのでは」(同)

 ちなみに、今年、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』や10月期放送の連続ドラマ『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』(日本テレビ系)第1話に出演するなど、俳優業が活発な関智一も、彼らと同世代だが、「圧倒的な演技力があるため、声優業と俳優業をうまく両立している」(同)そうだ。

 長年活躍する者もいれば、人知れず消えていく者もいる声優業界。前出の関係者は、「キャスティングする側にも問題点がある」と指摘する。

「制作サイドが、『知名度のある声優を使えば問題ないだろう』と、安易なキャスティングに走りがちなんです。最たる例は山寺宏一。『ラスボス役は山寺を使えばいい』というような風潮もあり、結果的に彼は、どの作品でも同じようなポジションのキャラクターを演じている印象です。確かに彼はトップレベルの実力の持ち主ですが、同世代には脂の乗った声優が大勢いますから、制作陣は山寺頼みではなく、ほかの声優もどんどん起用してほしいものです」(同)

 23年の声優業界の動向に、引き続き注目していきたい。

日テレの錦戸亮“抹消”、富川アナ冷遇で退社…2022年4月の人気芸能記事

「日刊サイゾー」で2022年4月に人気のあった芸能ニュース記事を、若手記者Cと中年記者Zでプレイバック!

 

若手記者C 意外とアナウンサー関連も読まれるサイゾー、4月はテレ朝のアナウンサーだった富川悠太の“逆三行半”退社の記事が人気でした。続きを読む

IMPACTorsは不参加も…ジャニーズJr.の超豪華大運動会、滝沢秀明の手柄を“横取り”?

 ジャニーズJr.の公式YouTubeチャンネルに12月25日から7夜連続で「冬のジャニーズJr.大運動会」と題した一連の動画が公開中だ。同チャンネルにレギュラーとして登場している、美 少年、HiHi Jets、7 MEN 侍、Aぇ!group、少年忍者、Lilかんさいの6グループがさまざまな種目で競う「大運動会」の動画であり、その超豪華な内容を多くのファンが絶賛している。

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Kis-My-Ft2、メンバー脱退・退所説を払しょく? 玉森裕太らの「“定年”までよろしく」発言でファン安堵

 昨年8月10日にデビュー10周年を迎えたKis-My-Ft2(以下、キスマイ)。11年目の今年は4月に公式YouTubeチャンネルを開設したほか、アリーナツアーと5大ドームツアーを行うなど、グループ活動に恵まれた1年でもあった。昨今のジャニーズ事務所は退所者が続出していることで、キスマイにも不穏なうわさがささやかれている中、「メンバーの口から今後について前向きな発言が飛び出した」(ジャニーズに詳しい記者)という。

 12月28日深夜放送のラジオ『Kis-My-Ft2 キスマイRadio』(文化放送)に玉森裕太、二階堂高嗣、宮田俊哉の3人が登場。この日は、玉森のジャニーズ入所20周年に触れつつ、「本当に今まで頑張ってくれてありがとう」「これからもずっと応援しています」というリスナーからの温かいメッセージを紹介した。

「2002年12月1日に事務所入りを果たした玉森は『20周年、同じ会社に勤めているって、なかなか普通のことじゃないよなと思ったのね。一般社会で』『もう20年頑張った』としみじみ。宮田と二階堂は1年先輩の01年入所とあって、『俺で20年ってことは、ニカ(二階堂)とか宮(宮田)はさ、もっとあるわけじゃん。スゴい人たちがいるなと思って』と感慨深げに語っていました』(同)

 また、メンバー内で最もベテランの藤ヶ谷太輔は1998年に入所しており、宮田が「ガヤさんは、もう25年とかになるのかな?」と言うと、玉森は「普通に考えてスゴいよね。転勤もせず、そこに勤め続けてるってスゲーな」と称賛する場面もあったとか。

「『これからもよろしくお願いします』とあいさつした二階堂に、玉森は『こちらこそ』『本当ありがとうございます』と返答。続けて宮田が『“定年”までよろしくお願いします(笑)』と呼びかけると、2人は『お願いします』と答えるなど、終始和やかなムードでトークしていました」

 日本の企業の定年年齢は「60歳」が一般的だろう。実際のところ、ジャニーズの所属タレントに定年はないとみられるが、ネット上のファンは「ぜひ7人で定年まで勤め上げてね」「みんな定年まで続けてくれそうでよかった」「時には有給をとったり、休職してもいいから、定年まで勤めてくれたらうれしい」「『定年までよろしく』って言葉、とてもうれしかったし泣ける」「このタイミングで『定年までよろしく』という言葉はしみた」と歓喜している。

「かつて、キスマイのマネジメントは、SMAPのチーフマネジャーを務めていた飯島三智氏が担当していました。しかし、飯島氏は16年に勃発した“SMAP解散騒動”をきっかけに事務所を退社。後ろ盾がなくなった状態で今後のキスマイはどうなるのかと、ファンは不安視していました。とはいえ、蓋を開けてみれば脱退者も出ることなく、昨年で無事にデビュー10周年となりました。個々でもドラマ、映画、バラエティと大活躍中なのですが……。最近になって再び、メンバーの脱退や退所、グループ解散説が飛び交うようになっていたんです」(同)

 というのも今年11月1日、ジャニーズ事務所副社長だった滝沢秀明氏の退社が明らかに。同4日にはKing&Prince・岸優太、神宮寺勇太、平野紫耀のグループ脱退と退所が発表され、世間に衝撃を与えた。そんなドタバタ劇が相次いだ流れで、複数のメディアがこの先に揺らぐグループ、タレントは誰か……と予想合戦を繰り広げている。

「12月1日発売の『週刊文春』(文藝春秋)は、『TV、代理店がピリピリ 次に危ないジャニーズ』として、業界内で動きが注目されているグループを挙げていました。Snow Man、Sexy Zone、Hey!Say!JUMPらが候補に挙がる中、特にテレビ・広告代理店関係者が口を揃えて『危ういのでは』と語っていたのがキスマイだったんです。こうしたネガティブな報道によって、ネット上ではキスマイファンから心配の声が続出していました。今回のラジオでは、3人がその不安を払しょくするように、脱退・退所説を暗に否定。リスナーたちは安心したのでしょう」(同)

 来年1月期は、藤ヶ谷が連続ドラマ『ハマる男に蹴りたい女』(テレビ朝日系)で主演を務め、主題歌はキスマイの「Lemon Pie」(発売日未定)に決定。ドラマの初回放送で音源を初解禁するという。2023年は7人でどんな活動を見せてくれるのか、期待が高まる。

香川照之から「三苫の1ミリ」まで~2022年のトレンドをプチ総ざらい時事漫才

 今週のホットなニュース・トピックをピックアップして、時事漫才をお送りします。

 今年もお世話になりました。年の瀬に、今年のニュースをプチ総ざらいしてみました。続きを読む

西島秀俊の“干され”過去、佐藤健とガーシー…2022年3月の人気芸能記事

「日刊サイゾー」で2022年3月に人気のあった芸能ニュース記事を、若手記者Cと中年記者Zでプレイバック!

 

若手記者C 3月は、西島秀俊が木村拓哉に俳優として差を付けた……という記事がよく読まれました。

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Aぇ! group、HiHi Jets、美 少年の三つ巴…ジャニーズの次のデビューグループは?

 ジャニーズファンにとって、「どのジャニーズJr.のユニットが次にデビューするのか」というのは大きな関心事だ。デビュー組に負けず劣らずの人気を獲得しているユニットは少なくないが、その中でも業界内でデビューの可能性が高いといわれているのは3組に絞られるという。

 ジャニーズ事務所はこのところ、2018年5月にKing & Prince、2020年1月にSnow ManとS…

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『あちこちオードリー』若林正恭、「人を傷つけない」ための過剰な気遣いが生んだ“嫌なシニカル”

私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。

<今回の有名人>
「テレビ局が教育してくれよ」オードリー・若林正恭
『あちこちオードリー』(12月21日放送、テレビ東京系)

 「キャラ」という武器を引っ提げてテレビの世界に挑み、人気を得た芸人は少なくない。しかし、だからといって、安心はできないだろう。なぜなら、自分も時代も変わるからだ。

 例えば、ダメ男とばかり付き合い、痛い目に遭ってきた経験をウリにする恋愛ベタキャラのオンナ芸人が結婚したら、もうこのキャラは使えない。また、「ブス」「ババア」というように女性をイジる芸風で人気を博した毒舌キャラのオトコ芸人も、コンプライアンスを重んじる今の時代には合っていないので、このやり方はもう通用しない。

 現在の自分に即した個性を発揮しつつ、時代と乖離しない芸風を貫くというのは、口で言うほど簡単なことではないが、特にシニカルな芸風が評価され、売れっ子になった人にとっては、かなりの難所だろう。「人を傷つけない笑い」がよいとされる時代、シニカルな物言いが「人を傷つける」として、世間に受け入れられない可能性は十分にあるし、加えて売れっ子という立場でそれをやると、さらに嫌みな印象を与えかねない。かといって、シニカルさを捨ててしまうと、個性が死んでしまう。

 現在の立場と時代、そして芸風のはざまで、オードリー・若林正恭は時々こんがらがっているように見えることがある。彼はまさに、シニカルな芸風が受けて、人気を博すようになった売れっ子芸人だが、「人を傷つけない」ようにと過剰に気を使うことで、逆に嫌な意味でのシニカルさが前に出てしまっていないだろうか。

 例えば、12月14日放送の『あちこちオードリー』(テレビ東京系)。ゲストは相席スタート・山添寛、岡野陽一、ザ・マミィ・酒井貴士で、彼らはギャンブルで散財していることから「クズ芸人」と呼ばれることもある。

 しかし、若林は「人の目を気にせず、自由に生きているように見える」ことから、彼らに憧れているという。若林のような売れっ子芸人に評価されて、「クズ芸人」たちもうれしいだろうが、その理由がちょっと“微妙”なのだ。

 若林は、彼らを好きな理由について「たまに『あちこちオードリー』で、『うまいこと自己プロデュースして、もう1ランク上へ』って目をしている人がいるけど、3人はそういう目をしていない」と説明し、芸人が「賢くなってきて、戦略練って先々まで(考えて)生きてる」中、3人は「今を生きてる」とも指摘。自分より売れていない、「クズ芸人」と呼ばれる彼らを傷つけないよう、ほかのタレントをシニカルに腐したわけだ。

 しかし、それって結局、若林は「どんなことをしてでも、上に行こうと思っている芸人が嫌い」ということではないだろうか。芸人がどうにかして売れたいと願うことは、まったくおかしなことではなく、そこを勝ち抜いて今の地位を得た若林なら、なりふり構わず頑張る芸人の姿に、ある程度の理解を示してもよいと思う。

 若林の物言いは、彼の「社会的な上下に厳しく、自分が上でいることに固執するあまり、積極的に売れようとしない下をかわいがるという冷酷な一面」を露呈させてしまったように感じられ、これは行きすぎたシニカルで、見ていてあまり気持ちいいものではなかった。

 しかし、12月21日放送の同番組では、若林のシニカルさがいい意味で光っていた。若林は、「怒りにくい時代だと思う、年上が年下のことを」「俺らと同年代とか、30代後半、40代の人って下を怒れないと思うのよ」と切り出し、こんなエピソードを披露したのだ。

 20代のフロアディレクターが、若林の相方・春日俊彰に対してタメ口を使っていたところを見た若林は、「なんかよくないな」と感じたそう。そこで、「キミって帰国子女?」と聞いたところ、相手から「違いますよ。なんでですか?」と逆に質問され、「いや、春日にタメ口きいていたから、帰国子女かなと思った」と返答。相手は、若林の意図するところを察知し、「あ……すいません」と謝ってきたという。

 売れっ子の芸人とテレビ局スタッフ、どちらの立場が“上”かは私にはわからないが、今の地位をもってしても、若林が20代のフロアディレクターに、「言いにくいことを言った」のは伝わってきた。若林は「それはテレビ局で教育してくれや」「俺が言うこと?」と愚痴っていたものの、視聴者の中にも、若者の教育不足からくる非礼にイライラしている人はいるだろうから、「キミって帰国子女?」という “正論”に基づいたシニカルは、嫌な感じがしないし、ウケるのではないか。

 ただ、これだけだと、若林に「うるさいオジサン」という印象を抱く人もいるかもしれない。しかし、同番組出演者の平成ノブシコブシ・徳井健太が「これがMCということ」と援護射撃をしていたため、そういったネガティブな印象は受けなかった。

 徳井は、「MCとなると、(スタッフの)1つの乱れが自分の番組に響いてくる」「若林くん、本当は言いたくないよ」「でも、このままフロアの子が春日にタメ口きいていたら、全体が変になるから一応言うっていう仕事も、MCってやっていかなきゃいけない」と、若林はあくまでも「仕事のため」、20代のフロアディレクターを注意したのだと強調していた。こういうサポートする人がいることで、シニカルな人が悪者にならないで済むわけだ。

 笑いにもトレンドがあり、毒舌やシニカルな笑いが、敬遠されがちになる時期もあるだろう。売れっ子になったことで、そうした物言いがしづらくことも否定できない。けれど、だからといって、それらの笑いが「いらない」わけではないと思うし、特にシニカルな笑いは、若林の独壇場だと思う。番組MCにまで上り詰めた自身の立場をある程度踏まえつつ、他人を巻き込まない、正論の上に立った「オレはこう思う」というシニカルな笑いで、私たちをうならせてほしいものだ。