記者I いよいよGWに突入しましたが行楽のお供に日刊サイゾーをよしなに。今週はまずドラマの話題から。春ドラマの注目株である木村拓哉主演のテレビ朝日系木曜ドラマ『未来への10カウント』が始まりましたが初回の平均世帯視聴率は11.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。ほとんどのメディアが”好発進”と持ち上げましたが木村主演の連続ドラマの初回としてはワース…
「今日がヤマ」と言われてから2週間……30代シングル女性が冷静に見つめた母の“最期のとき”
“「ヨロヨロ」と生き、「ドタリ」と倒れ、誰かの世話になって生き続ける”
――『百まで生きる覚悟』春日キスヨ(光文社)
そんな「ヨロヨロ・ドタリ」期を迎えた老親と、家族はどう向き合っていくのか考えるシリーズ。
中村万里江さん(仮名・36)は、末期がんの母、晃子さん(仮名)を最期に高次脳機能障害の父、博之さん(仮名・69)と過ごさせたいと考え、隣県の有料老人ホームに2人を転居させることにした。
▼前回はこちら
母と兄、3人で最後の自宅生活
晃子さんが退院して、ホームに移るまでの4日間、中村さんは母と兄の3人で過ごした。生活保護を受けて大阪で暮らしている兄を呼ぶことに、不安がなかったわけではなかった。
「兄に帰って来るか聞いたら、『来る』と言うので。兄はお願いしたことはやってくれるようになっていたので、まあいいかと思いました(笑)」
訪問看護師の手配などはしていたが、自宅にいる間はホーム入居の準備、親戚や晃子さんの友人対応で忙殺された。晃子さんの瞑想グループの来訪は伯母から断ってもらったという。
夜中の介護も想像以上に大変だった。
「母は30分から1時間おきに起きるので、兄は『全然眠れなかった』とこぼしていました。翌日は私が介助したのですが、兄の言うとおり、寝ようとすると起こされるんです。これは体がもたないと思い、3日目は兄と交替で介助をすることにしたので、ちょっと楽になりました」
そして晃子さんはホームに移った。訪問看護師から晃子さんの状態が厳しいと伝えられていたので、翌日には博之さんも入居した。
「十数年ぶりに家族全員が揃うことができました。コロナ禍でしたが、看取り期なので、家族の面会も許されていたんです」
その後、晃子さんの状態は徐々に低下していった。一度尿量と血圧が低下し、危ないと連絡が来た。兄も再び上京してホームに泊まったが、幸いヤマは越えた。
「これからこうしてたびたびホームに呼び出されても、自宅から1時間以上かかるのですぐには行けません。それでホーム近くのホテルに泊まり込むことにしました。ちょうどGO TOキャンペーンもはじまっていて、恩恵を受けることができたのはラッキーでした」
ホテルに泊まり込んで2週間。ホームに面会に行きつつ、ホテルから仕事にも通った。博之さんもたびたび晃子さんの部屋を訪れ、2人で過ごしていた。
「父はずっと母の手を触っていました。失語でしたが、歌は歌えたので、『上を向いて歩こう』を歌っていましたね」
そして、がんばってきた晃子さんの最期のときが来た。
「1週間くらい、ときどき10秒くらい息が止まることがあったんです。『はい、息して!』と呼びかけたりしていたんですが、このときも母が大きく息を吸って、吐いて、また呼吸するだろうと思って待っていたら、それが最期でした。これがあの最期にするという下顎呼吸だったのか、と冷静に考えていました」
「今日がヤマ」と言われてから2週間。晃子さんの最期に立ち会えたのは、貴重な時間だったと中村さんは振り返る。
「いずれ私も死ぬんですし。最後の医師の処置なども興味津々でじっと観察していました」
博之さんは、晃子さんの死を理解していたのだろうか。
「母が息を引き取ってまもなく昼食の時間になって、食堂に行く途中にある母の部屋にいつものように入ってきました。母に近寄ると、『生きてる』と言ったんです。それから、食事をしたあとにまた部屋に入ってきて、看護師さんが処置をしてくれている母の姿を見て、『アーメン』と。亡くなったとわかったのかな、と思いました」
晃子さんの部屋を片付けたあと、葬儀社が引き取りに来るまでに、最期に晃子さんに会うならこのときしかないと、博之さんを呼んだ。
「でも父はなかなか動きません。ようやく連れて行ったら、突然大声で『死んでる!』と。それからは興奮してしまって、戻らなくなりました。葬儀社の方が見えて母を外に出そうとすると、父も興奮したまま外に行こうとする。それをスタッフが止める……ほかの入居者がそれを見ると、母の死に号泣している父の悲しい別れの場面に見えたらしく、ほかの方たちももらい泣きされていて……なんだか不思議に笑える光景でした」
こうしてものごとを俯瞰的に見ることができたのは、いかにも中村さんらしい。
――続きは5月15日公開
「生娘シャブ漬け」なんて密売人も言わない! 覚醒剤で12年服役した元ポン中が「吉野家」元役員に物申す
覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
密売人は女性を“シャブ漬け”しない
「瑠美さん、プロの目から見て『生娘をシャブ漬け』っていかがです?」
編集者さんから、お電話がきました。プロとは失礼な……(苦笑)。もうマジ覚醒剤はまったくさわってないですよ! ないけど、やっぱりひどい表現やなとは思いましたね。
瑠美が関わっていたクスリ(違法薬物)の密売人の仲間うちで、こんな言葉を使う人はいてなかったし、もし使(つこ)たら「罰当たり!」と、めっちゃ叩かれると思います。
要するに「何も知らない若い女性を(クスリまたは牛丼から)離れられなくする」ちゅうことですよね? こうゆうことは、少なくとも瑠美の知っている密売人はやりません。いいか悪いかは別ですが、監禁や束縛よりも風俗とかでしっかり働いて、自分の判断で自分のお金でクスリを買うのが“ええお客さん”。
やっぱり風俗系は「クソ客」が多くてストレスもたまりますから、これもいいか悪いかは別にしてクスリでもやらないとやってらんない風俗嬢は多いです。でも、これは「誰かにシャブ漬けにされとる」のではなく、自分で決めること。自業自得です。
ちなみにたいていの風俗嬢は、クスリを使うため「だけ」に風俗で働くわけでもないです。子育てや家族の治療費、あるいは自分の進学の費用など、わりとちゃんとした目的で働いている子も多いんですよ。それにエステやネイルサロンに行くお金も欲しいですしね。いろいろつらいから、クスリを使てしまうこともあるんです。でもダメですけどね。
もちろん前回書いたお医者さんみたいに、誰かを束縛するためにクスリを使う人も、いてなくはないです。
いちばんかわいそうなのは「現場の人」
話がそれてきましたが、「生娘をシャブ漬け」発言の吉野家の元役員さんは、ごっついエリートやそうで、なんでそんな言葉を思いつくんかなあと。それが不思議。カタギさんの言葉と違いますよね。まあ最近は、カタギさんのほうがクスリや人殺しなんかの重大事件を起こしてますけど。
今回いちばん気の毒なのは、吉野家の店員さんですよね。ネットを見ても「もう買わない」とか「一生行かない」とかがめちゃ目立ちます。
1,000円くらいの時給で一生懸命がんばってるのに、その何百倍のギャラを稼いでる人の「一言」でお客さんがお店に来なくなるのって、ひどくないですか?
そもそもエリートさんこそ、牛丼を食べたことないのと違いますかね。瑠美はたまに行きます。お店が終わって、明け方近くに食べるあったかい牛丼は、ほんまにおいしくて、500円くらいで幸せになれます。
エリートさんは、24時間営業のお店で時給で働く人たちの気持ちや、仕事のあとの牛丼のおいしさを知らないし、知ろうともしないから、変なことを言いだしたのかもしれませんね。
覚醒剤つながりで思い出すのもアレですが、田代まさしさんの出所がネットで話題ですね。3月には出てきているようです。
電撃ネットワークの南部虎弾さんが公式YouTubeチャンネルで公表したそうで、南部さんは「もう田代さんに期待なんか何もしてない」と言いながら、「本人(田代さん)が『やりたい』って言ったら何かやりましょうよ」とか「田代ちゃん待ってるよ」とか言ってて、やさしいですね。
田代さんは糖尿病が悪化して、収監前に救急搬送されたことも話題でしたね。
瑠美も何回もパクられて(逮捕されて)、やっとここまできました。田代さんも、またゼロからやり直しですね。
クスリをやめられない人って、バカみたいに見えるかもですが、実はめちゃくちゃつらいんですよ。「もう今日で絶対にやめよう」て、毎日苦しんでます。そこをみんなでわかってあげて、田代さんのことも見守りたいですね。瑠美的には、一緒にYouTubeにも出たいです。
日テレ『ヒルナンデス!』ドタキャン騒動は氷山の一角!? ネットで「テレビ取材でひどい目に遭いました」報告続々
ウッチャンナンチャン・南原清隆が総合MCを務める日本テレビ系情報番組『ヒルナンデス!』から取材依頼を受けたフルーツサンド専門店が、“ドタキャン”を訴えた騒動。これを発端に、ネット上では日テレに限らず、テレビ局の傲慢な態度への批判が相次ぐ事態となっているようだ。
「4月26日までに、東京・中目黒にあるフルーツサンド店『ダイワ』のスタッフが、インスタグラムのストーリーズで不測の事態を訴え、その投稿のキャプチャ画像がネット上で拡散されることに。ショーケースにずらりと並んだ色とりどりのフルーツサンドの画像とともに、『ヒルナ○デスはもう二度と見ないです』と店主の怒りがつづられていました」(芸能ライター)
「ダイワ」スタッフの投稿によれば、前日の深夜2時に番組サイドから「取材したい」と電話があったといい、取材時間である翌日午後6時までに「フルーツサンドを急いで1000個製造」したとか。しかし、予定時刻を過ぎてもスタッフが訪れず、1時間過ぎた頃に「今日はケツがオシチャッテ行けません」(原文ママ)と、中止の連絡がきたそう。当然、大量のフルーツサンドが余る事態となり、このスタッフは「助けてください!!」と訴えていた。
「『ヒルナンデス』側が商品を大量に作るよう頼んだかは不明ですが、『ダイワ』の訴えを目にしたネットユーザーからは、『テレビ取材ってひどいな』『テレビマンの傲慢さにあきれる』『一般人に平気でこんなことをする「ヒルナンデス!」は、私ももう見ません!』などと怒りの声が相次ぎました」(同)
その後、「ダイワ」スタッフはストーリーズで「投稿を見て雨の中たくさんの方が足を運んでくださいました」とつづったほか、「先程、お偉い方々が直々に雨の中頭を下げに来てくださりました」と、『ヒルナンデス!』側から謝罪があったことを報告。「大きな組織の方々への敬意と学ばせてくださったことにこれまた感謝です」と記している。
「しかし、この騒動を一部メディアが報じると、『うちの店も、テレビの取材でひどい目に遭いました』『学校の事務職をしていますが、いろいろあって、テレビ関係者からの依頼は二度と受けないようにしています』などと、“テレビ局とかかわって嫌な目に遭った”と訴えるネットユーザーが続出。これを見る限り、フルーツサンド店のような悲劇は、氷山の一角なのかもしれません」(同)
なお、日テレの番組スタッフが一般人に“失礼な態度”をとったとして炎上したケースは、ほかにもある。昨年12月26日に放送されたバラエティ特番『うわっ!ダマされた大賞2021』では、同番組史上初の試みとなる、一般人への“逆どっきり”を放送。タレントの生見愛瑠をターゲットにしたどっきりと見せかけて、仕掛け人の洋菓子店店主を騙す内容だった。
「番組は、生見に食べさせるための“激マズレモンケーキ”の製造を店主に依頼。約3週間も試行錯誤した末に、完成させましたが、結局、おいしいレモンケーキにすり替えられ、生見は平然と試食。ネタばらし後、落胆する店主の様子に、視聴者から『店主がかわいそうで見てられなかった』『店主が一生懸命作ったケーキ、最後まで誰も食べないの? ひどすぎない?』『そもそも、一般人にどっきり自体がアウトだろ』などと、否定的な声が相次ぎました」(同)
おいしいお店のロケ企画が人気の『ヒルナンデス!』だが、その裏では、泣き寝入りしたお店も少なくないのかもしれない。
NHK大河『鎌倉殿の13人』が「鬱展開すぎる」!? 第17話で「死亡フラグ」が立ったと目される人物は……
小栗旬主演のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。4月24日に放送された第16話では、視聴者から「胸が苦しい」などと、悲鳴が続出していた。
同作品は、小栗が演じる北条義時の半生を、源平合戦や鎌倉幕府の創設、源頼朝(大泉洋)の死後なども含めて描く内容。24日は「伝説の幕開け」と題し、源義経(菅田将暉)が木曽義仲(青木崇高)に宣戦布告し、義仲が敗北。近江へと退いたものの、そこには源範頼(迫田孝也)の軍が待ち構えており、落ち延びることは敵わず、命を落としてしまう……という展開だった。
「義仲は、青木の好演により視聴者の間で人気を得た登場人物だったようで、ネット上には悲痛な声が続出。『最初から最期までかっこよくて、切なくて泣いちゃった』『義仲が不憫すぎる。胸が苦しい』『青木さんの演技がうますぎて引き込まれた。もう出ないなんて悲しすぎる』などと、義仲の死を惜しむ視聴者が多かったです」(芸能ライター)
また第15話では、やはり視聴者から人気を集めていた上総広常(佐藤浩市)が、頼朝によって謀殺されている。この時も、ネット上には「つらすぎる展開」「心にぽっかりと穴が開いた」などと悲鳴が上がった。2週続けて主要人物が“退場”してしまったわけだが、5月1日放送の第17話でも、ある人物に「死亡フラグ」が立っていると話題だ。
「視聴者が次に心配しているのは、義仲の息子で、頼朝のもとに人質として送られていた、冠者殿こと源義高(市川染五郎)です。作中では、北条政子(小池栄子)が『大丈夫、私がなんとかします。決して冠者殿を死なせたりはしません』と発言するシーンがあったものの、ネット上では『これは完全に死亡フラグだ……』『冠者殿、早く逃げて!』などと言われているんです」(同)
また、第17話の予告には、頼朝が義高の殺害を命じるシーンも。こうした場面から、視聴者は“悲劇”を想像せざるを得ないようだ。
「義高は4月3日放送回で初登場しましたが、ネット上では染五郎について『めっちゃ美形!』『美少年そのもの』『目の保養』などと称賛する声が続出。第16話が終わった時点で、すでに『魅力的な役者さんだから、いなくなったら悲しい』『染五郎さん、もうちょっと見ていたかったなあ……』といった声も上がっており、今後の展開に戦々恐々としている視聴者は多いようです」(同)
人気を集めた登場人物が2話続けて死を迎える悲劇的な展開となった、『鎌倉殿の13人』。視聴者の予想通り、次回は“冠者殿ロス”が発生してしまうのだろうか?
【アラフォー婚活ルポ】アプリで出会ったバツイチ彼、運命の人だと思ってた……けど
――合コン歴20年以上、累計回数2,500回以上、30代なかばに乳がんで闘病するも、現在は絶賛婚活中のライター・漫画家の白戸ミフルが「アラフォー婚活」の実体験をほぼリアルタイムでお届けします! アラフォー中の結婚は成就するのか……!?

43歳で婚活中の私。同じくアラフォー婚活中の友だち2人と、2021年の反省会を開催! ミサの近況を聞いたあと、今度はバツイチ順子さんの婚活状況について。離婚してすぐアプリで彼氏ができたけど、3カ月で関係終了になったとか。彼が仕事の関係でメンタルクラッシュしたそうで……。
127話『アプリで出会ったバツイチ彼、運命の人だと思ってた……けど』



――続きは5月4日公開!
なにわ男子・道枝『金田一少年』が”期待外れ”発進も…業界から同情の声が上がるワケ
なにわ男子の道枝駿佑が主演を務める日本テレビ系日曜ドラマ『金田一少年の事件簿』が4月24日にスタートしたが、初回の世帯平均視聴率が7.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)だったことがわかった。日テレのドル箱シリーズの新作だけに、期待外れの結果と言えそうだが、道枝を擁護する声は根強いという。
同名の人気マンガを原作とした『金田一少年の事件簿』は、KinKi Kids・堂本剛の…
ジャニーズドラマにおける、堂本剛『金田一少年の事件簿』という記念碑――なにわ男子・大西流星『夢中さ、きみに。』に見る新時代
4月24日からスタートした『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)。主演はなにわ男子の道枝駿佑が務めている。ジャニーズで歴代5人目にあたる「金田一一」を演じる道枝には、放送前から注目と期待が集まっていたものの、初回放送は7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と1ケタスタート。
放送後は、初代金田一一を演じたKinKi Kids・堂本剛と比較する感想がネット上に続出し、同作の人気の高さがあらためて明らかになった。放送から27年の月日がたってもジャニーズファンに鮮烈な印象を残している初代『金田一少年の事件簿』。それはジャニーズドラマにとっても重要な意味を持つというのは、ドラマ評論家の成馬零一氏。サイゾーウーマンで昨年公開した記事を、あらためて公開する。
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1990年から2020年までのテレビドラマの歴史について、3人の脚本家を軸にまとめた一冊、『テレビドラマクロニクル1990→2020』(PLANETS)。その刊行にあたって、著者の成馬零一氏に同時代のジャニーズドラマの変遷について書き下ろしてもらった。『金田一少年の事件簿』から始まったというジャニーズアイドルドラマは、今後ドラマ界でどんな道を歩むのだろうか?
『人間・失格』『未成年』野島伸司作品におけるジャニーズの役割
拙著『テレビドラマクロニクル1990→2020』は、野島伸司、堤幸彦、宮藤官九郎の作品を通してテレビドラマの歴史を綴った年代記(クロニクル)だが、彼らの作品を時系列順に追いかけていくと、ジャニーズ事務所のアイドルたち(以下、ジャニーズアイドル)がいかに重要な役割を果たしていたかを実感し、改めて驚いた。
たとえば、1994年に発表された野島伸司脚本の学園ドラマ『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』(TBS系、以下『人間・失格』)にはKinKi Kidsの堂本剛と堂本光一が出演している。
本作は、いじめを苦に自殺した息子の父親が、息子を死に追いやった教師や生徒たちに復讐する悲劇を描いた作品だった。堂本剛はいじめを苦に自殺した中学生・大場誠を演じ、堂本光一は誠に対して同性愛的な感情を抱く影山留加を演じた。
私立の名門男子中学校を舞台にした本作は、『トーマの心臓』や『風と木の詩』(ともに小学館)といった少女漫画のテイストを学園ドラマに持ち込んだ怪作で、演技経験に乏しい10代の俳優が演じるため、たどたどしい部分もあるのだが、それが逆に生々しい迫力を与えており、思春期の少年に宿る神々しい切迫感は他の追随を許さないものだった。
『人間・失格』は『高校教師』、『未成年』と並ぶ野島伸司のTBSドラマ3部作といわれる初期代表作だが、『高校教師』では女子高生に投影されていた無垢なる存在への憧れが、本作では少年たちに投影されている。対して『未成年』では、SMAPの香取慎吾が演じる知的障害者のデクがその役割を果たすこととなるのだが、野島が描こうとした無垢なる魂を体現する役割を果たしたのがジャニーズアイドルの少年たちだった。
土9『金田一少年の事件簿』という記念碑
その後、堂本剛は95年にミステリードラマ『金田一少年の事件簿』(以下、『金田一』)で主演を務める。土9(日本テレビ系の土曜9時枠、現在は土曜10時枠に移動)で放送された本作は、ジャニーズアイドル主演×漫画原作によるティーン向けドラマという方向性を決定付けた記念碑的作品だ。
チーフ演出を務めたのは映像作家の堤幸彦。MVやバラエティ番組で培った堤作品の映像は、当時のテレビドラマとしては異質なもので、カット数が多い細切れの映像の中、俳優はアニメのキャラクターのように撮られていた。
同時に堤の映像はドキュメンタリー的でもあり、当時のホラー映画ではやっていた手持ちカメラ一台で撮影される揺れのある映像は、独自のリアリティを生み出し、人工的でありながら生々しい映像を展開していた。堤がここで開花させた映像美学はジャニーズアイドルと相性が良く、アニメや漫画の手法を実写ドラマの中に取り込むキャラクタードラマの嚆矢となった。
90年代は、木村拓哉を筆頭とするSMAPのメンバーが、月9(フジテレビ系月曜9時枠)の恋愛ドラマや金曜ドラマ(TBS系金曜夜10時枠)の硬派な作品で主演を務めることで、当時はまだ俳優としての評価が低かったジャニーズアイドルの活躍の場を広げ、国民的スターへと上り詰めていく時期だった。
一方、SMAPが切り開いた「歌もバラエティも俳優も司会も全部やる」という全方位型アイドルとしてキャリアをスタートしたTOKIO、KinKi Kids、V6といったジャニーズアイドルの主演作を引き受けていたのが、日本テレビの土9で撮られた堤幸彦のドラマだった。
『池袋ウエストゲートパーク』で始まったジャニーズのドラマ本格進出
彼らが出演するアイドルドラマは、当時のドラマシーンにおいては異端の存在だったが、00年代に入ると、大人向けドラマ枠にも影響が広がり、新しい時代のスタンダードへと変わっていく。
大きな転機となったのが2000年に堤がチーフ演出を務めた長瀬智也主演の青春ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系、以下『池袋』)だろう。本作の脚本家に抜てきされた宮藤官九郎の登場によって、ジャニーズアイドルのドラマ進出は本格的なものへと変わっていき、V6・岡田准一が主演し、嵐・櫻井翔が共演した『木更津キャッツアイ』(同)や嵐・二宮和也が主演で錦戸亮が重要な役どころを演じた『流星の絆』(同)といった数々の名作を生み出すことになる。
宮藤のドラマに登場する男の子たちは、性欲や暴力性を内に秘めた等身大の存在で、アイドルが演じるには生々しかった。しかし、ジャニーズ事務所は宮藤の男臭いドラマに、所属アイドルを積極的に起用し、彼らは宮藤のドラマに出演して切磋琢磨することで俳優として成長していった。
その筆頭は、やはりTOKIOの長瀬智也だろう。
長瀬は00年の『池袋』以降、クドカンドラマの初期集大成と言える落語を題材にした05年の『タイガー&ドラゴン』(TBS系)、向田邦子賞を受賞した10年の『うぬぼれ刑事』(同)に出演。ドラマ脚本家としての宮藤は、長瀬と共に成長してきたと言える。そして今年の冬クールに作られたドラマ『俺の家の話』(同)は宮藤と長瀬にとって集大成と言える作品だった。
長瀬が演じたのはピークを過ぎた42歳のプロレスラー・観山寿一。車椅子生活となった父親の介護と、家業の能楽師を継ぐために寿一が実家に戻る物語は、3月でジャニーズ事務所を退所する長瀬のバックボーンが強く反映された作品で、プロレスラーをアイドルに置き換えて見れば、そのまま長瀬の物語だったと言えるだろう。
寿一が、父を看取り能楽師として家業を継ぐのではなく、突然、命を落とし、家族を見守る守護霊のような存在となってしまう結末は、視聴者に衝撃を与えた。自分を顧みずに家族のために生きた末に、永遠の存在となる寿一の姿は、ジャニーズアイドルと長瀬の姿を寓話的に描いていたように、筆者には見えた。
ともあれ、『俺の家の話』は宮藤とジャニーズアイドルが積み上げてきた歴史の到達点であると同時に、一つの時代の終わりを告げるものだった。
堤や宮藤と並走してきたジャニーズアイドルが、40代に入り、立ち位置が変わりつつある中、現在のジャニーズ事務所の課題は、10代20代の若いジャニーズアイドルたちに活躍の場を用意し、世代交代を果たすことだったが、その試みは少しずつ成果を見せ始めている。
たとえば『俺の家の話』と同じ冬クールにMBSのドラマ特区で放送された深夜ドラマ『夢中さ、きみに。』は、関西ジャニーズJr.内ユニット・なにわ男子に所属する大西流星が出演し、鮮烈な印象を残した。
本作は新進気鋭の漫画家として注目される和山やまの同名漫画(KADOKAWA)をドラマ化した青春ドラマで、大西が演じた林美良は不思議な魅力を持った天使のような少年だ。林と女子生徒の松屋めぐみ(福本莉子)の関係は、男女の恋愛というよりは、推し(アイドル)とオタク(ファン)の関係にように見えた。
芥川賞を受賞した宇佐見りんの小説『推し、燃ゆ』(河出書房新社)を筆頭にアイドルとファンの関係を通して、新しい世界像を語ろうとする物語が近年増えているのだが、その時にジャニーズアイドルが重宝されることは間違いないだろう。
昨年は、ジャニーズJr.内グループ・HiHi Jetsに所属する高橋優斗が『#リモラブ~普通の恋は邪道~』(日本テレビ系)、King&Princeの高橋海人が『姉ちゃんの恋人』(フジテレビ系)といったプライムタイムの連続ドラマに出演。5月から始まる連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK)には、同じくKing&Princeの永瀬廉が出演することが決まっている。
LDH等の新興勢力の台頭によって、ここ数年は存在感が薄かったジャニーズアイドルだったが、すでに若手の逆襲が始まっている。今後、彼らがかつての堤や宮藤のような新世代のクリエイターと組んでドラマを作ることができれば、ジャニーズアイドルの新時代が到来するはずだ。
(成馬零一)
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※当記事は2021年4月19日初出の記事を再編集しています
視聴者も見事に騙された! 『マイファミリー』ラスト15分の“天国と地獄”に絶賛の声
二宮和也主演のTBS日曜劇場『マイファミリー』第3話が4月24日に放送された。世帯平均視聴率は11.9%(関東地区・ ビデオリサーチ調べ)で、3週連続で2桁台を記録。3話連続で同時間帯トップと好調だ。今回は、まだ第3話にもかかわらず、ストーリーのメインだと思われていた娘の誘拐事件が一旦完結。視聴者の考察の上をいく展開や、物語の完成度の高さに絶賛の声が上がっている。
娘の友果…
日テレ『笑点』、Snow Manの名前が飛び出しジャニーズファン驚き! 「国民的アイドルに近付いた」と喜ぶ声も
4月24日に放送された国民的演芸番組『笑点』(日本テレビ系)の中で、大喜利メンバーの桂宮治が披露した“ボケ”に、ジャニーズファンの注目が集まった。
この回では、病気休養中の三遊亭円楽のピンチヒッターとして、桂南光が出演。番組冒頭で南光は司会席に座り、「『笑点』のお時間がやって参りました、司会の桂南光でございます!」と挨拶。すると、すかさず“司会”の春風亭昇太が「司会は僕でしょ!?」とツッコミを入れ、場を盛り上げていた。
「その後、『笑点』メンバーは3つのテーマで大喜利を展開。中でも盛り上がったのは、回答者が大阪発祥の“河内音頭”を踊ったあとに、昇太から『陽気だねえ!』と声をかけられ、それに対して返答する『河内音頭を踊って一言』でした。このお題でトップバッターとなった宮治は、昇太から声をかけられると、不安そう無表情で『あの……これ本当にSnow Manのオーディションですか?』と、ジャニーズ所属の9人組アイドルグループ・Snow Manの名前を出したんです」(芸能ライター)
この回答に対して、ネット上ではジャニーズファンから「たまたま『笑点』見てたら、Snow Manの名前が出てきてびっくり!」「宮治さん、Snow Man知ってるんだ!」など、驚きの声が続出。中には、「『笑点』で名前が出るなんて、Snow Manも国民的アイドルに近付いた!」「Snow Manも有名になったな〜」と喜ぶファンも見受けられました。
宮治といえば、昨年末をもって大喜利メンバーを降板した林家三平の後任として、今年1月に『笑点』に加入。視聴者や出演者から、“若手のホープ”として活躍を期待されていた。
「そんな宮治の初登場回となった1月23日の放送は、世帯平均視聴率16.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。もともと視聴率の高い番組ですが、前週から4.8ポイントも上昇するという、驚きの結果に。さらに、翌週30日の放送も17.7%を獲得しており、宮治の注目度を裏付けるような結果を残しています」(同)
前述の「河内音頭を踊って一言」の中で、宮治は「この陽気さと、そして運だけで僕は『笑点』メンバーになりました」と、自虐ネタを飛ばしていた。とはいえ、今回のように幅広い層の心をつかむ回答をくり出す姿を見ると、宮治の人気に視聴者も納得するだろう。