ガーリィレコードチャンネル、YouTubeで人気の「気配斬り」はよしもと本社のゴミ捨て場から生まれた!?

 テレビ的にはほぼ無名の芸人4人が、YouTubeで人気を博している。9月中旬時点でチャンネル登録者数は60万人超。11月には日本青年館ホールでの単独イベントも控えている。

「ガーリィレコードチャンネル」のメンバーは、お笑いコンビ・ガーリィレコードの高井佳佑、フェニックス、そして同期芸人の秋山太郎と雨野宮将明の4人からなる。藤原竜也やMr.Children桜井和寿のモノマネ、アニメやゲームをネタにした動画などで注目されるようになり、現在は4人が食事をとったり、ウレタン棒を振って遊んでいるゲーム「気配斬り」など、ただ遊んでいるように見える、無邪気な「ホームビデオ」感のある動画が中心だ。高橋一生や松坂桃李らがファンを公言しており、先日は『しゃべくり007』や『嵐にしやがれ』(共に日テレ系)にも出演を果たした。

「第7世代」芸人が話題になる昨今だが、ライブシーンから賞レースを勝ち上がり、テレビで脚光を浴びるといった、従来のパターンとはまったく別の方法で知名度を獲得しているガーリィレコードチャンネルは、どのような発想の元で作られているのだろうか?

***

――YouTubeチャンネル登録者数60万人突破、おめでとうございます(9月中旬取材時)。失礼ながら、それまで無名だった芸人さん のチャンネルが、短期間でこんな数字を出したというのは異例のケースだと思います。

フェニックス 去年の7月21日から、毎日動画を投稿し始めたんです。その前から、Twitterに上げていた動画(「対マスターハンド戦にて  全く意味のないフォックス下スマッシュ」)が無断転載されていたので、その対策として、ちょこちょこ自分たちで動画を上げてはいたんですが、本格的に始めたのはその頃ですね。

――YouTuberの世界では、子どもたちの夏休みが、1年で最もバズりやすい期間だといわれています。そこを意識して、自分たちの知名度を戦略的に上げようという意図があったのでしょうか?

フェニックス そうですね。「夏休みは(数字が)伸びる」と聞いていたので。でも、そこまで戦略的なことは考えていなくて、「ひとりでも多くの人に知ってもらえたら」くらいの気持ちでした。

太郎  もともとは、雨野宮がガーリィレコードの2人を誘って始めたんです。当初は雨野宮は裏方というか、作家的なポジションで、動画には出てなかったんですけど。俺が合流するようになったのは、フェニックスとルームシェアを始めたことがきっかけでしたね。それで、俺も暇だったので、動画に参加することになったんです(※現在、フェニックスと太郎は、友人2名と一軒家を借りてルームシェア中。「ガーリィレコードチャンネルハウス」と呼ばれ、主な撮影場所になっている。なお、今年6月には、高井と雨野宮もルームシェアを開始)。

――雨野宮さんは、どうして2人とYouTubeを始めようと考えたのでしょうか?

雨野宮 僕はもともと極楽とんぼさんが大好きで、お2人がAbemaTVで番組(『極楽とんぼKAKERUTV』)を始めたことをきっかけにして、ネット番組やYouTube動画をいろいろ見るようになったんです。そうするうちに、「YouTubeに芸人が出ていったら、絶対人気が出るのに」と思うようになりました。そんな頃、ガーリィレコードのモノマネ動画がTwitterでバズっているのを見て、「これはあるぞ……ガーリィレコード、YouTubeワンチャンあるぞ……」とひらめいたんです(笑)。

フェニックス 「YouTubeは稼げるぞ……」と、甘いささやきが……。

雨野宮 「思ってる以上に稼げるぞ……」「テレビも変わっていくぞ……」

高井 ずっと耳元でささやかれ続けました(笑)。

雨野宮 YouTubeって、(登録者数を)ゼロから100にする段階が大変で、そこから先は軌道に乗れば自然と伸びていくだろうと思っていたんです。ガーリィレコードのモノマネなら、その “100”になるという確信があったので、「YouTubeチャンネルをやらせてくれ」と頼んだんです。

――そこからガーリィレコードチャンネルがスタートしたと。当初から、今のような編集なしの「ホームビデオ」ノリだったんでしょうか?

フェニックス 最初はモノマネ動画ばかり上げてました。でも、そればかりだとネタ切れになると気づき、ご飯食べるだけだったり、単に遊んでいるだけの動画を上げるようになりました。

雨野宮 毎日毎日、「今日は何をしよう?」と話してて、まんま夏休みのノリでしたね。

太郎 本当に友達の家に遊びに行くノリで、「何も決まってないけど、とりあえず集まろう!」みたいな(笑)。

雨野宮 何も起きなくて、「夕焼けを見た!」くらいの日もあるよね。

高井 あの部屋で、ただ何をするでもなく寝っ転がってて、夕方になって窓から日が入ってくると、なんだかエモいというか、すごくノスタルジックになるんですよね。

フェニックス あの部屋の雰囲気も相まってな。

――最初からガチガチに戦略を詰めて、ほかと差別化した動画を作ったというよりは、結果的にこうなったんですね。

高井 遊んでいるうちに、今の動画のベースが出来上がったのかな。

雨野宮 「動画の編集をしないのが、ほかと違ってカッコいい」と言われるけど、「やらない」じゃなくて「できない」だけなんです!

――そんな遊びの延長線から生まれた「深夜のテンションシリーズ」も好評ですが、中でも「気配斬り」動画は大人気ですね。一体どのような経緯で誕生したんでしょうか?

フェニックス それこそ遊びの中で生まれたというか、みんなで、よしもとの東京本社の中庭で走り回ってるときに……。

雨野宮 それもおかしいんですけどね。まず「本社で走り回る」って、なんなんだ(笑)。

フェニックス で、中庭のゴミ捨て場に、2本のウレタン棒が落ちていたんです。男としては、棒を見つけたら振らざるを得ないじゃないですか。そしたら、すごく気持ちのいい音がしたんですね。

高井 みんなで気に入って、通りすがりの社員さんに「これもらっていいですか?」「いいですよ、ゴミだし」みたいな感じでもらってきました。

雨野宮 もともと「気配玉」というゲームをやっていて、棒を使って「斬り」にしたら、もっと面白いんじゃないかと思って始めたのがきっかけですね。

――そんな経緯で生まれた「気配斬り」ですが、大変バズッた結果、皆さんも『しゃべくり007』や、『嵐にしやがれ』などの地上波テレビ番組に出演したりと、話題を呼んでいます。

高井 ゴールデン番組に、あのゴミが!

雨野宮 かっこいいタレントさんが、あのゴミを持って!

フェニックス あのゴミがきっかけで、『24時間テレビ』だぜ!

高井 でも、本当にありがたいですよね。

――何がチャンスになるか、本当にわかりませんね。そしてさまざまなYouTuberたちも、こぞって「気配斬り」動画を上げています。

高井 TikTokでも「#気配斬り」みたいなのが、めちゃめちゃありますよ。だいたいルールを間違えているんですけど。

――ガーリィレコードチャンネルの動画では、お互い一度しか振ってはいけないルールでやっているのに、当たるまで何度も振り続けている動画を見たことがありますね。

雨野宮 僕らの感覚としては、一度きりが面白いと思ったけれど、振り回しているのが面白いと感じる人もいるかもしれない。それは着眼点の違いですよね。広まってくれるなら全然アリです。

――とはいえ、元ネタに言及しない人もいるじゃないですか。

太郎 まいっちゃいますよね~~~!(※太郎の持ちギャグ)

――ちなみに、これを読んでいる方の中にも、「気配斬り」に挑戦してみたい人もいると思うんです。やるときの注意点を教えて下さい。

フェニックス まず、何もない6畳間がないと……。

――そこからですか。

高井 硬い棒では絶対やらないこと。ぜひウレタン棒を手に入れてほしいですね。

太郎 腕を大きく振ると相手の体や周囲の物に当たってけがをする可能性があるので、なるべく自分の体の近くで小さめに振ってください。安全面が大事ですね。

フェニックス それに、やってる様子を見る人や撮影する人がいないと、何も面白くないですよ。

雨野宮 「気配斬り」って、人柄が出ると思うんですよ。何も気にせず行くタイプなのか、周りに気を使うタイプなのかとか。だから、恋人同士が同棲を始める前なんかには、一度「気配斬り」をしてほしい。「ねえ、アタシと気配斬りしよ?」って。

フェニックス アレをやると、仲良くなるもんね。新入社員同士とかでもやってほしいですね。

――気配斬りで、わかることがあると(笑)。そして、カジサックさんや中田敦彦さんといった、これまでテレビで活躍していたよしもとの先輩芸人が、YouTubeの世界に進出しています。これは脅威に感じますか?

雨野宮 僕たち、全員27歳で同い年なんです。みんなで「観てたテレビが全部終わっちゃったな」って話をよくしていて。『みなおか』『めちゃイケ』『はねトび』(フジテレビ系)、全部終わってしまった。でも、そこで活躍されていた人で、今YouTubeの世界に来られている人もいるじゃないですか。あの頃、僕たちが好きだった人たちと共演する夢がかなうというか。

フェニックス 正直、上の人たちがYouTubeをやってくれればくれるほど、ウチらもやりやすくなるし。

高井 今後もYouTubeに参入する芸人は増えてほしいですね。

――逆に皆さんは、劇場で評価を高めて賞レースを勝ち上がり、テレビでブレイクという芸人の売れ方の王道を目指したことはあったのでしょうか?

フェニックス ウチらは、コンビを組んで8年目なんですけど、もう1年目の終わりくらいから、漫才で賞レースを目指すのは無理だからやめました。

――早くないですか?

高井 早めにあきらめました! 上京したばかりの頃は、しゃべくり漫才をしたいと思ってました 。

フェニックス 「無理」ってなりましたね。それに、無限大ホールに出ている同期も先輩も、めちゃくちゃ面白いんですよ。同期は、ラフレクラン、空気階段ですし。

高井 正攻法じゃ勝てないから、僕らの強みを生かそうと思ったんです。

フェニックス 何かのジャンルで一番だったら食えるという目算があって、僕らは2人ともアニメやマンガが大好きだから、秋葉原で一番になろうと思ったんです。オタク文化は強いし、この国では絶対なくならないと確信して、2年目から『DEATH NOTE』ネタをやり始めました。

――一般的に、登録者数が数十万人を超えたYouTuberは、着ている服や住んでいる部屋が豪華になっていき、端的にいえば羽振りがよくなってくるじゃないですか。ガーリィレコードチャンネルは、収入に関しては、ぶっちゃけどうなんでしょうか?

高井 まあまあ、そこはよしもとさんですよね(笑)。

太郎 でも、カジサックさんが割合を変えてくれたりして、僕らも変わってきてはいます。

――それはよかったです。今後の野望はありますか? たとえば、ほかのYouTuberのような豪華な部屋に住みたいとか……。

フェニックス その欲は、あんまりないですね~。

高井 だったら、もっとおいしいものを食べたい。

――では、今後はどうなっていきたいですか?

雨野宮 結婚して子どもをつくって……。

太郎 幸せになりたいのが一番ですかね!

高井 息子とサイクリングしたいですね。そして海沿いに家を……。

――ちょっと地に足が着きすぎているので、もう少し芸人としての大きな目標もお願いします!

フェニックス 大きな目標、そうっすね。まあ、このYouTubeをきっかけに、いろんなことができたらなぁって思います。

(取材=藤谷千明/構成=斎藤岬/撮影=尾藤能暢)

 

●ガーリィレコードチャンネル

写真左から、雨野宮将明、フェニックス(ガーリィレコード)、高井佳佑(同)、秋山太郎。東京NSC17期の同期4人組。「本物の米津玄師」としてガチャピンちゃんねるにも登場している。

https://www.youtube.com/channel/UC6VjNLslXbb6Stl0I2MkQWA

 

生配信するだけで月30万円! YouTube「ゲーム実況」の世界

テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(「しもふりチューブ」)と長崎周成(「フワちゃんTV」)が、最新のYouTube事情と注目チャンネルについて語り尽くします!

<「超YouTube学」バックナンバーはこちらから>

長崎 女優の本田翼さんが、ゲーム実況のYouTubeチャンネル「ほんだのばいく開設1周年を記念したイベントを10月22日に開催することを発表して話題になっていますが、たった2本しか動画を上げていないのに、登録者113万人という驚異的な数字を叩きだしています。ゲーム実況って強大なジャンルで、実はめちゃくちゃ稼げるらしいんですよ。

白武 人がゲームしている動画を見る文化が確実に根付いていて、しかもそれがYouTubeの主流になりつつある。単純にうまくなりたい人はもちろん、『バイオハザード』とか、自分ではプレイしないのに見てる人もいる。ドラマ見てるみたいな感じですよね。

長崎 ほんとスポーツみたい。野球やってなくても、野球中継でお気に入りの選手ができてしまうのと似ている気がします。「eスポーツ」はスポーツです。

 ちなみに先ほどの”ゲーム実況は稼げる”という話ですが、例えば登録者数が10万人で、再生回数が1動画当たり2,000~3,000くらいしかないとするじゃないですか。でも、1カ月で換算すると、サラリーマンの初任給くらいはもらえていたりする。理由は、YouTubeで生配信して、そこで「スーパーチャット」っていう投げ銭をしてもらっているんですよ。100円~5万円の範囲で投げ銭が可能で、クレジットカードとか電子マネー、スマホ決済で支払います(配信者の取り分は7割)。1回1時間くらい配信するんですけど、多ければ5~6万円くらい入ってくる。あとは視聴時間の長さとかも影響してたりするんですが。

白武 投げ銭したことある?

長崎 僕はないですね。たぶん、みんな「ブラボー!」のノリで投げ銭してますよね(笑)。ナイスプレイに衝動的に賛辞を送る感じで。

白武 かわいい女の子とかカッコいい男の人がやってる「SHOWROOM」で、恋人感覚で投げ銭するのはまだわかるけど、ゲーム実況に投げ銭するって、「やってくれてありがとう」ってことだよね、たぶん。

長崎 ちょっと口がうまい人になると、「昼飯、何しようかな?」とか言いながらゲームをするんですよ。そうすると、「これ、昼飯の足しに使ってください」って2,000~3,000円放り込んでくれる視聴者がいる。

白武 アメリカのYouTubeは生配信がもっと盛んだという話を聞きますけど、日本はまだ発達してませんね。来年からの5G導入でまた状況が一変するんじゃないかと思いますが。日本はスマホ決済に関してちょっと遅れてるので、そこも今後どれだけ浸透するかですね。コンテンツに対してお金を払う意識が低い日本人はタダが好きだし、若者がお金を持っていない。

長崎 でも、日本だって古くは江戸時代くらいから投げ銭文化はあるわけじゃないですか。歌舞伎のおひねりとか。対価としてお金を払う気持ち良さって、我々日本人にも潜在的にあるんじゃないですかね。あとは環境ですね。見る環境=5Gの導入、参加する環境=投げ銭の当然化が進めば、日本の生配信文化も加速するかも。

白武 ゲーム実況がすごいのは、編集しなくても画映えするものだから、生配信でも良質なコンテンツになる。しゃべりとプレイが上手な人は稼げると思います。海外のYouTuber番付のトップ10はほとんどゲーム実況じゃないかな。

長崎 日本のゲーム実況者だと、兄者弟者が一番人気ですね。あとはキヨとか。

白武 芸人とかでも、事務所を通さないでゲーム実況している“闇ゲーム実況者”がいると聞きますね。声で、一部の人は気づいていたりするみたい。事務所に報告すると、何割か取られちゃうから。

長崎 11月から日本以外の14カ国でゲームストリーミングサービス「Google Stadia」が始まるし、ますますゲーム実況は盛り上がってくるでしょうね(日本は2020年予定)。クラウドの中にゲームが入っていて、それを選んでやるっていう。PS4もSwitchも関係なく、スマホ・PC・テレビなどネットにつながるデバイスがあればゲームができる時代がもう目の前まで来ています。ゲーム機を買う必要がありません。YouTubeもGoogleの動画サービスだし、Googleがすごい!

白武 ますます、Googleのない世界が考えられなくなりますね。オンラインのモニターさえあれば、どこでもゲームができるようになる。PS4やSwitchっていうハードの概念がなくなるかもしれない。ソフトの時代になる。フジテレビの『テラスハウス』がNetflixで見られたり、『相席食堂』(朝日放送)がTVerでもAmazonプライムでも見られるように、面白いソフトはメディアやハードを問わないようになっていってますね。

長崎 視聴者としてはひとつに集約されていたほうがわかりやすいわけで、各プラットフォームの顧客獲得競争そのものがなくなってしまうのかもしれません。

(【完】/構成=編集部)

※「超YouTube学」バックナンバーはこちらから

●しらたけ・ときお(@TOKIOCOM

▼放送作家▼1990年京都府生まれ▼「しもふりチューブ」毎日18時投稿▼担当番組:「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!絶対に笑ってはいけないシリーズ」「Aマッソのゲラニチョビ」「みんなのかが屋」▼お仕事と仲間を募集しております。お気軽にご連絡ください!【Mail】tokiocpu@gmail.com

●ながさき・しゅうせい(@shuuuuuusei

▼1991年生まれ神戸出身・放送作家▼芸人、テレビ制作会社勤務を経て放送作家に。テレビを中心に活動しながら、昨年「フワちゃんTV」(現在登録者数約31万人)/「フワちゃんFLIX」(現在登録者数約9万人) を開設▼担当番組:「ZIP!」「アオハル TV」「ドラえもん」「サムライバスターズ」「勝負の冬」など▼その他:広告案件、YouTubeチャンネルコンサルティング▼お仕事のご相談はMailかDMでどうぞ!【Mail】shusei6308@gmail.com

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白武 人がゲームしている動画を見る文化が確実に根付いていて、しかもそれがYouTubeの主流になりつつある。単純にうまくなりたい人はもちろん、『バイオハザード』とか、自分ではプレイしないのに見てる人もいる。ドラマ見てるみたいな感じですよね。

長崎 ほんとスポーツみたい。野球やってなくても、野球中継でお気に入りの選手ができてしまうのと似ている気がします。「eスポーツ」はスポーツです。

 ちなみに先ほどの”ゲーム実況は稼げる”という話ですが、例えば登録者数が10万人で、再生回数が1動画当たり2,000~3,000くらいしかないとするじゃないですか。でも、1カ月で換算すると、サラリーマンの初任給くらいはもらえていたりする。理由は、YouTubeで生配信して、そこで「スーパーチャット」っていう投げ銭をしてもらっているんですよ。100円~5万円の範囲で投げ銭が可能で、クレジットカードとか電子マネー、スマホ決済で支払います(配信者の取り分は7割)。1回1時間くらい配信するんですけど、多ければ5~6万円くらい入ってくる。あとは視聴時間の長さとかも影響してたりするんですが。

白武 投げ銭したことある?

長崎 僕はないですね。たぶん、みんな「ブラボー!」のノリで投げ銭してますよね(笑)。ナイスプレイに衝動的に賛辞を送る感じで。

白武 かわいい女の子とかカッコいい男の人がやってる「SHOWROOM」で、恋人感覚で投げ銭するのはまだわかるけど、ゲーム実況に投げ銭するって、「やってくれてありがとう」ってことだよね、たぶん。

長崎 ちょっと口がうまい人になると、「昼飯、何しようかな?」とか言いながらゲームをするんですよ。そうすると、「これ、昼飯の足しに使ってください」って2,000~3,000円放り込んでくれる視聴者がいる。

白武 アメリカのYouTubeは生配信がもっと盛んだという話を聞きますけど、日本はまだ発達してませんね。来年からの5G導入でまた状況が一変するんじゃないかと思いますが。日本はスマホ決済に関してちょっと遅れてるので、そこも今後どれだけ浸透するかですね。コンテンツに対してお金を払う意識が低い日本人はタダが好きだし、若者がお金を持っていない。

長崎 でも、日本だって古くは江戸時代くらいから投げ銭文化はあるわけじゃないですか。歌舞伎のおひねりとか。対価としてお金を払う気持ち良さって、我々日本人にも潜在的にあるんじゃないですかね。あとは環境ですね。見る環境=5Gの導入、参加する環境=投げ銭の当然化が進めば、日本の生配信文化も加速するかも。

白武 ゲーム実況がすごいのは、編集しなくても画映えするものだから、生配信でも良質なコンテンツになる。しゃべりとプレイが上手な人は稼げると思います。海外のYouTuber番付のトップ10はほとんどゲーム実況じゃないかな。

長崎 日本のゲーム実況者だと、兄者弟者が一番人気ですね。あとはキヨとか。

白武 芸人とかでも、事務所を通さないでゲーム実況している“闇ゲーム実況者”がいると聞きますね。声で、一部の人は気づいていたりするみたい。事務所に報告すると、何割か取られちゃうから。

長崎 11月から日本以外の14カ国でゲームストリーミングサービス「Google Stadia」が始まるし、ますますゲーム実況は盛り上がってくるでしょうね(日本は2020年予定)。クラウドの中にゲームが入っていて、それを選んでやるっていう。PS4もSwitchも関係なく、スマホ・PC・テレビなどネットにつながるデバイスがあればゲームができる時代がもう目の前まで来ています。ゲーム機を買う必要がありません。YouTubeもGoogleの動画サービスだし、Googleがすごい!

白武 ますます、Googleのない世界が考えられなくなりますね。オンラインのモニターさえあれば、どこでもゲームができるようになる。PS4やSwitchっていうハードの概念がなくなるかもしれない。ソフトの時代になる。フジテレビの『テラスハウス』がNetflixで見られたり、『相席食堂』(朝日放送)がTVerでもAmazonプライムでも見られるように、面白いソフトはメディアやハードを問わないようになっていってますね。

長崎 視聴者としてはひとつに集約されていたほうがわかりやすいわけで、各プラットフォームの顧客獲得競争そのものがなくなってしまうのかもしれません。

(【完】/構成=編集部)

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▼1991年生まれ神戸出身・放送作家▼芸人、テレビ制作会社勤務を経て放送作家に。テレビを中心に活動しながら、昨年「フワちゃんTV」(現在登録者数約31万人)/「フワちゃんFLIX」(現在登録者数約9万人) を開設▼担当番組:「ZIP!」「アオハル TV」「ドラえもん」「サムライバスターズ」「勝負の冬」など▼その他:広告案件、YouTubeチャンネルコンサルティング▼お仕事のご相談はMailかDMでどうぞ!【Mail】shusei6308@gmail.com

“YouTuber界のNHK” 水溜りボンドの、みんなが喜ぶツボを押さえる嗅覚

テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(「しもふりチューブ」)と長崎周成(「フワちゃんTV」)が、最新のYouTube事情と注目チャンネルについて語り尽くします!

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白武 ネタのYouTubeといえば、水溜りボンドさんがこの前、鈴木おさむさんが書いたコントをやるって企画「お化けYouTuberレイくん」を配信してました。2人はもともと青山学院大学のお笑いサークル出身なので、お笑いがベースにある。そこを大事にしていて、YouTubeでコントに挑戦してるところがいいと思いました。

長崎 水溜りボンドさんは、「キングオブコント」で準々決勝にも進出した経歴を持つ、コントの実力者。賢くて面白くて、YouTubeでもスターになった超ハイブリッドコンビですよね。

白武 最近はYouTuberさんも、プロの力を借りる流れになっていますね。部屋の中でできることは結構やりきってる状態で、もっと違うことをしなきゃいけないって。「先行者にはなかなか勝てないから、どうしたらいいですか?」という相談をされたりします。芸能人も続々参入してきているし、誰が次の展開を見せられるのか? という段階に来ているんじゃないかな。

長崎 水溜りボンドさんをはじめ、2014年頃デビューしたYouTuber第2世代以降の人たちは、ある意味、大変ですよね。「やってみた」と言われる検証系企画を毎日投稿する消費スピードといったら、ハンパじゃないと思います。しかも、デビューしてから今まで、トップにいる人たちは、ほぼ減速していない。はっきり言って、毎日偉業を更新し続けていると思います。そんな中で、やっぱり目線なり、ジャンルを開拓するために企画のプロの力が必要となってきているわけです。

白武 水溜りボンドさんは青学在学中の4年前くらいから“自分ではやらないけど気になること”っていうコンセプトで毎日動画を上げています。ペアでやっているというのも、当時は珍しかったですね。水溜りボンドさんがやった実験をほかのYouTuberがマネするって流れも一時期あったくらいで。「電動ドリルで火おこしはできるのか」「ねるねるねるねを1万回混ぜるとガムになるらしい」とか、でんじろう先生と一緒に実験するとか。“実験といえば水溜りボンド”っていうイメージができましたね。

長崎 2人とも、みんなが好きなものを押さえるツボを心得ているというか。あるある偏差値が高い。あと”YouTuber界のNHK”って呼ばれてて、エグイ描写とか下ネタ、エロは禁止。クリーンでかつ友情が厚い。お互いのことを尊敬し合っているのがちゃんと動画から伝わってくるんです。とにかく友情がまぶしすぎる(笑)。いろんな意味で邪道っぽい見られ方をするYouTuberですが、その中でも企画も見え方も王道を行くのが水溜りボンドさん。視聴者みんなが、彼らのハッピーエンドを期待している。

白武 人が不快になるようなネタはやらないのも素敵ですね。食べ物を粗末にしたり、物を壊したりだとか。だから安心して見られるんです。対して、ちょっとヤンチャなグループが、以前紹介した東海オンエアさん(参照記事)。「牛丼食って1500メートル走ってゲロ吐く」みたいな、ちょっとジャッカスっぽいノリで。先日も、宿泊先のホテルの部屋をゴミだらけにして炎上してましたが……。水溜りさんが私立の賢い子たちだとしたら、東海オンエアさんは公立高校、みたいなイメージですかね。

長崎 いや、商業高校かもしれない(笑)。どちらも人気者には変わりありませんが。

白武 水溜りさんは7月に『オールナイトニッポン0』をやったり、彼らを特集した「Quick Japan」(太田出版)も好評だったと聞きます。トミーさんは「Quick Japan」で毎月、自分たちのブランディングについてコラムを書いているんですが、これも面白い。

長崎 無敵モードに入ってますね。もはや、YouTuberがメディアやカルチャー界全体を席巻しにいってますよ。

(【5】に続く/構成=編集部)

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ジャルジャルがお笑い界のタブーに挑む、YouTubeネタ動画8,000本ノック!

テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(「しもふりチューブ」)と長崎周成(「フワちゃんTV」)が、最新のYouTube事情と注目チャンネルについて語り尽くします!

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長崎 ジャルジャルさんのYouTube「JARUJARUTOWER」も勢いスゴいですよね。ほぼ毎日、ネタ動画を投稿しているんです。芸人さんからしたら、ネタバレって結構なタブー。本来ならやりたくないことのはずなんですよ。「あ、このネタ知ってる」ってなって、ウケなくなるじゃないですか。そんな中、ネタ動画を毎日上げ続けてるジャルジャルさんは、芸人YouTuberの中でも新しいスタイルなのかなって。

白武 白バックで笑い声も入れず、「○○な奴」って縛りでキャラをどんどん開発していってて、すごいですね。去年の2月から毎日上げてて。8,000本アップするって宣言されています。どうやってあれだけの数のネタを量産しているのか、感動するレベルです。

長崎 レギュラーだった『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)が終わってしまいましたが、完全に転機が好機になっている。ジャルジャルさんはロンドンでの単独公演とかもそうだけど、とにかく挑戦の姿勢が本当えげつない! 最近はYouTube外でも、有料会員制“ネタサロン”「ジャルジャルに興味ある奴」の運営をしてますよね。自分たちのネタを見てもらう場所を自分たちで作り出して、さらに新しさに昇華させている。劇場や営業以外でも「ネタで食べていく」新たな道。自分たちがやりたい得意な土俵で最大限勝負する、これでいい気がしますね。

白武 20代の若手の芸人さんたちからは、「先越された」とか、「これ、本来は俺たちがやるべきことだったのに」っていう声を聞きますね。ジャルジャルさんのチームが確立したスタイルは、本当に素晴らしいですね。

長崎 これ、結構な賭けだったと思うんですよ。正直、ネタ動画って今まであんまり再生回数いかなかったので、やりたいことが結果につながるかどうか。東京03さん、サンドウィッチマンさんくらいじゃないかな。番組でも言ってましたけど、東京03さんは「テレビで観ました」じゃなくて「YouTubeで知りました」っていう若い子がめっちゃいるんですって。

白武 お笑い好きではない人にとっては、『エンタの神様』(日本テレビ系)とか『ENGEIグランドスラム』(フジテレビ系)とかデカいお祭りのときに見るくらいで、日常的に芸人さんのネタを見る状況にないですからね。『ネタパレ』(同)は毎週、本当に面白いネタが流れているんですが。

長崎 結果的に劇場に足運んでくれる人たちってYouTube見てる若い世代だから、イコールになってすごくいいですよね。ジャルジャルさんが毎日動画上げてるのって、やっぱ「本気」じゃないですか。やるなら、これくらいやらないと。

白武 視聴者を「すげえ!」って感動させられるかどうかですね。ジャルジャルさんのYouTubeでコントを見て、劇場に足運んでみたいっていう人が増えるはず。一方で、気軽に見られるからカリスマ性がなくなるって考える人もいるでしょうけど、僕はやっぱり、いっぱい見てもらって面白いと思われるのがいいんじゃないかなと。

長崎 番組の会議とかでも、「どの芸人さんをキャスティングするか」という時、その場でネタの動画が見られたほうが話が早いし、僕もバシバシ上げるのに賛成です。「M-1」とか「キングオブコント」とか賞レースにかけるネタはさすがにアレですが、(世間に)見つかる確率を上げるためにも、積極的に投稿していったほうがいい気がします。いま劇場やイベントに足を運ぶきっかけとなるのが、“確実に面白いものを見る確認作業”になってきているので、ネタバレしていないことのほうが、集客・認知の面ではピンチかもしれません。

白武 僕がマセキのコント芸人のかが屋とやってる「みんなのかが屋」っていうYouTube配信があるんですけど、約2時間の生配信で、視聴者と一緒に15分でコントを1本作るっていうのをやっていて。かが屋も新しいことをしたいっていうタイプのコンビで、YouTubeとか、新しいテクノロジーと向き合っている。これからの時代は、そういう脳みそも使えるタレントさんが続々出てきそうですね。

長崎 面白いネタを作るプラスアルファ、自ら企画し、売れるためのアプローチから考えることも必要ですね。

白武 もちろん、ネタを磨いて“超面白い”という一点突破で上り詰める芸人さんも、ごく一部いるとは思います。

長崎 いま、売れるためにYouTuber始めるっていうのがわかりやすい事例だけど、きちんと見せ方まで考えてやるっていうのは、芸人さんに求められる能力のひとつになってきてるんじゃないかなとは思いますね。ブランディングというか、売れるためにどう動いたらいいのか。特に僕らと同世代の20代芸人さんたちとは、どんどん一緒に新しいことにチャレンジして盛り上げていきたいですね!

(【4】に続く/構成=編集部)

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▼放送作家▼1990年京都府生まれ▼「しもふりチューブ」毎日18時投稿▼担当番組:「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!絶対に笑ってはいけないシリーズ」「Aマッソのゲラニチョビ」「みんなのかが屋」▼お仕事と仲間を募集しております。お気軽にご連絡ください!【Mail】tokiocpu@gmail.com

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▼1991年生まれ神戸出身・放送作家▼芸人、テレビ制作会社勤務を経て放送作家に。テレビを中心に活動しながら、昨年「フワちゃんTV」(現在登録者数約31万人)/「フワちゃんFLIX」(現在登録者数約9万人) を開設▼担当番組:「ZIP!」「アオハル TV」「ドラえもん」「サムライバスターズ」「勝負の冬」など▼その他:広告案件、YouTubeチャンネルコンサルティング▼お仕事のご相談はMailかDMでどうぞ!【Mail】shusei6308@gmail.com

デヴィ夫人のケタ違いのゴージャス旅をのぞき見! 金持ちとYouTubeは相性がいい!?

テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(「しもふりチューブ」)と長崎周成(「フワちゃんTV」)が、最新のYouTube事情と注目チャンネルについて語り尽くします!

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長崎 芸能人YouTuberといえば、「デヴィ夫人の華麗なる日常~モナコ編」見ました? あれ、めっちゃ面白くない?

白武 信じられないセレブ空間に潜入するやつね。

長崎 ヨーロッパの貴族、ロスチャイルド家の社交界に呼ばれてモナコに行きますっていう動画なんですけど、笑っちゃうくらいエレガント、超エレガント。社交界に行く道中、25億円の指輪を買いに行ったり、各国のVIPたちが集まるクラブでドンペリを開けてぶっかけ合いみたいなのがあったり。デヴィ夫人もその中で、謎の光るヘルメットをかぶったボーイたちに囲まれて踊ったり飲んだりしてるんですよ(笑)。

白武 ウソみたいな貴族の生活をのぞき見できるというか。いま一番映像映えしているYouTubeチャンネルですね。

長崎 こんな世界、現実にあるんだっていう。『花より男子』の道明寺の家族みたい(笑)。いい意味で生々しいんですよねぇ。

白武 Vlog的でもあって、一緒に旅行しているような雰囲気が味わえる。ロスチャイルド家の社交界なんて、「やりすぎ都市伝説」のメイン企画になりそうな映像なのに、さらっと日常のように撮影しているところが面白い。

長崎 テレビだと絶対ツッコミが入るんですよ。スタジオで誰かツッコんだり、編集で入れたり。でも、この動画は本当にただただデヴィ夫人のありのままを見せるボケっぱなしの編集。それが、YouTubeのコメントでツッコむ文化と親和性がある。

白武 真のセレブの格の違いを見せつけられた感じですね。モナコ編の動画は30万回以上再生されているし、ニューヨークのお部屋公開ルームツアーも再生回数が高い。

長崎 そこ映しちゃっていいの? ってところ撮ってるからテレビじゃ、ちょっとできないですよね。絶対、取材許可取ってないだろうし、いろいろなところから怒られそう(笑)。

白武 「デヴィ夫人にタピオカ飲ませてみた」というYouTubeっぽい企画も面白いんですけど、ここでしか見られないデヴィ夫人の普段の生活がもっと上がっていくと最高ですね。このチャンネルのスタッフに、作家仲間の鈴木遼というのが入ってるのでお願いしておきます。

長崎 「本物の金持ちしか行けない世界」は、デヴィ夫人にしかできない唯一無二のスタイルですよね。ネタ切れとか関係ないだろうし、もっとデヴィ夫人のリアルをのぞきたいです!

(【3】に続く/構成=編集部)

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●しらたけ・ときお(@TOKIOCOM

▼放送作家▼1990年京都府生まれ▼「しもふりチューブ」毎日18時投稿▼担当番組:「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!絶対に笑ってはいけないシリーズ」「Aマッソのゲラニチョビ」「みんなのかが屋」▼お仕事と仲間を募集しております。お気軽にご連絡ください!【Mail】tokiocpu@gmail.com

●ながさき・しゅうせい(@shuuuuuusei

▼1991年生まれ神戸出身・放送作家▼芸人、テレビ制作会社勤務を経て放送作家に。テレビを中心に活動しながら、昨年「フワちゃんTV」(現在登録者数約31万人)/「フワちゃんFLIX」(現在登録者数約9万人) を開設▼担当番組:「ZIP!」「アオハル TV」「ドラえもん」「サムライバスターズ」「勝負の冬」など▼その他:広告案件、YouTubeチャンネルコンサルティング▼お仕事のご相談はMailかDMでどうぞ!【Mail】shusei6308@gmail.com

“史上最速”で登録者数100万人突破! オリラジ中田敦彦がYouTubeで起こした革命

テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(「しもふりチューブ」)と長崎周成(「フワちゃんTV」)が、最新のYouTube事情と注目チャンネルについて語り尽くします!

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長崎 最近話題のYouTubeトピックスといえば、史上最速で登録者数100万人を突破したオリラジ中田敦彦さんの「YouTube大学」ですね。チャンネル自体の開設は2018年2月なんだけど、ちゃんと走りだしたのはここ4カ月くらいで。

白武 東進ハイスクールの授業のようなスタイルで、時事ネタや、政治、社会情勢などを30分前後でわかりやすく解説してくれている。ブロックチェーンとか5GとかAIとか、新しいものが次から次へと出てくる激動の時代の中で、ベース知識として知っておくべき話を取り上げていて面白すぎますね。

長崎 「NewsPicks」や「東洋経済オンライン」を見て隙間時間に情報を取り入れたいサラリーマンなど、大人の視聴者層が通勤時間に視聴したり、朝支度しながらラジオ感覚で聞いたりしているとよく耳にします。動画の制作フローは、収録前日に取り上げるトピックスについて中田さんが自ら参考書を1冊選んで勉強して、かつスタッフがリサーチしたネタも精査して動画に落とし込むそうです。『しくじり先生』(テレビ朝日系)でも見せていた、中田さんの圧倒的“授業芸”がYouTubeと爆裂にマッチングしているんだと思います。

白武 歴史や小説系の動画の頃はチェックしていなかったんですけど、堀江貴文さんとか幻冬社の箕輪厚介さんとの20分対談や、「NewsPicks」で中田さんが人気企業を深堀りする番組「NEXT」が始まり、YouTubeでもAIや5Gを扱うようになってから見始めました。その時期のチャンネル登録者数の伸びはエグかったですね。取っつきづらいテーマでも、本当にわかりやすく説明してくれます。最初からホワイトボードに要点が全部書いてあるのがポイントですね。「NewsPicks」も中田さんの動画で前提知識を得てから見ると、さらに楽しめると思います。

長崎 見ることで知識が得られる「大人が見て面白いYouTube」っていう新ジャンルを開拓しましたね。

白武 これまでも東進みたいに学生向けに授業している人はいっぱいいましたけど、中田さんがひっくり返しましたね。革命が起きてます。

長崎 もはや、YouTubeにこのジャンルは合う合わないとか、ほとんど関係ないんですよね。YouTubeって少し前までは、一般的に10~20代が見てるコンテンツっていう認識だったと思うんですが、若年層はあまり見ていないのにチャンネル登録100万人ってことは、YouTube視聴者に大人が多数存在しているという証明になりました。面白ければOK、中田さんのように新ジャンル開拓者が勝ち上がっていく時代なのかもしれません。

白武 ほかの急上昇に載っているチャンネルの100万人とは違う層の100万人だから、これはかなりすごいことが起きている。中田さんは「今はYouTubeで頑張る時期だ」って言ってるのを聞きましたけど、ほぼ毎日こんなに濃い授業をするなんて、ちょっと他人がマネできるレベルじゃないですね。

長崎 予備校の先生とかどんどんYouTube進出していきそうじゃないですか?(笑)

白武 ぼくらが知らないだけで、結構あるのかも。ヨビノリたくみさんの「予備校のノリで学ぶ『大学の数学・物理』」とかもそうですよね。

長崎 この前スタバに行ったら、隣で高校生がスマホ立てながら勉強してて、ちょっと覗いたら、動画見ていて。動画学習するスタイルは、もう若い子の間では全然あることなんじゃないかなと。

白武 「微分積分」って調べたら、微分積分の解説動画が出てくるからね。

長崎 学校の先生に質問に行くより、指先で調べたほうが早いですもんね(笑)。自分が先生に聞きにいく勇気がないとしたら、確実にそうするな。

白武 リプレイもできるし。本当、これからYouTubeはどんどん生活になくてはならない存在になっていくんじゃないかな。

(【2】に続く/構成=編集部)

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カジサック、フワちゃん……YouTube芸人の生きざま

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(9月1~7日)見たテレビの気になる発言をピックアップします。

フワちゃん「おはピヨ! フワちゃんで~す!」

 芸人にとってYouTubeは敵。明石家さんまが、そんな趣旨の発言をしたことがある。1人でも多くの人にテレビを見てもらいたいという思いで仕事をしている自分たち芸人にとって、YouTubeは戦うべき相手だ。特に若い視聴者をYouTubeから取り戻さないといけないのだ、と。テレビの第一線で数十年活動し続けてきた芸人の、矜持を示す言葉である。

 けれど、芸人がYouTubeにチャンネルを持ち、動画を投稿することは、もはや当たり前の現象になっている。テレビで有名になった芸人がYouTubeに動画を上げるだけではなく、無名の芸人がYouTubeで人気になり、テレビに出るというケースも散見される。

 その代表格がフワちゃんだろう。かつてワタナベエンターテインメントに所属する芸人だった彼女は、日の目を見る前に事務所を解雇。以後、フリーで活動を続けていたところ、YouTubeに投稿した動画が面白いと話題になった。ネット上での人気を追い風にテレビでの露出も増え、『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)では現在、ほぼ毎週出演している。トレードマークは蛍光色のスポーツブラとホットパンツ、そしてスマホと自撮り棒。ちなみに、あのお団子の髪形は、ビビアン・スーのマネから始まったらしい。

 そんなフワちゃんが7日の『ゴッドタン』(テレビ東京系)に出演していた。この日の企画は、ストイックなコント職人として知られる東京03・飯塚に、お笑いを語り合える若い友達を作ってあげようというもの。その友達候補の1人がフワちゃんだった。

「おはピヨ! フワちゃんで~す!」

 そういって登場するなりスマホで飯塚らを撮影し始めたフワちゃんに、飯塚は早々に白旗を揚げる。

「絶対無理! 一番友達になりたくないタイプだもん」

 なるほど確かに、練り上げられた構成と高い演技力で魅せるコントを披露してきた飯塚と、テンション高く野放図に振る舞っているように見えるフワちゃんの間には、大きな隔たりがあるようにも思う。

 だけどフワちゃん、ただテンションが高いだけの芸人ではない。そう感じたのは、『チルテレ』(BS日テレ、8月1日)のインタビューを見たときだった。座右の銘を聞かれた彼女は、いつものヘラヘラした調子から少しだけ真面目な顔つきに変わり、こんなふうに答えた。

「自分でやってて楽しいことをしたいなと思って(今の仕事を)始めたから、それに従ってやるようにしています」

 座右の銘は? という問いかけに対する答えではないようにも思う。けれど、ここから読み取るべきは、実感を伴わないことわざや偉人の格言に頼るのではなく、自分の内側から出てくる手触りのある言葉を指針にするという姿勢なのかもしれない。

 フワちゃんの話は続く。自分が楽しいことをしたい。自分が最高だと思うことをしたい。だからあまり、人の意見は聞かない。偉そうにアドバイスをしてくる人がいると、ケンカにならないよう表面上は「そうですよねー」と受け流すが、心の中では「知ーらんべー」と舌を出していたりする。

 そう語る彼女は、しかし、これはあくまで自分のやり方だと付言した。

「私はそういうポリシーだけど、人のことを吸収して育ったほうがいいっていう人もいるだろうから。自分にどういうのが向いてるかっていうのを、自分で分析して、自分で分析した通りにやることが大切だなと思います」

 自分の意見の発信が、他人への押し付けになっているかもしれない。そんな気配を察知すると即座にフォローを挟む。タガが外れたようなテンションでも、番組収録中にスマホで中継を始めるといった行動でもなく、こういった配慮が自然に出てくるところが最もインターネット的なのかもしれない。

 テレビのバラエティ番組ではなくYouTubeで頭角を現したフワちゃん。お笑い怪獣が「戦場」と呼ぶ場所の外からやって来た彼女は、自分から敵を作らない。

 テレビで活躍する芸人が、YouTubeで活動を始めるケースは数多い。舞台のネタ動画を淡々と投稿する者、ゲーム実況で人気を集める者、キャンプや釣りなどの趣味を披露する者、企画性の高い動画を投稿する者。芸人によりYouTubeの使い方はさまざまだが、いずれにせよ、片手間に関わるものではなくなっているようだ。

 ただし、テレビで名前の知れた芸人がYouTubeで成功した例は、あまり多くない。ヒロシやゴー☆ジャスなど、いわゆる「一発屋」と呼ばれる芸人が注目を集めることが多いようにも思う。とはいうものの、今年5月にはスギちゃんが約1年でチャンネルでの動画投稿を終えてしまった。エレベーターの中や美容室などさまざまな場所で「フェニーックス!」と叫んで腕を広げるという動画をいくつも投稿していた波田陽区は、その意味不明さで一時期話題となったが、最近では再生数が伸び悩んでいるようだ。

 そんな中、芸人ユーチューバーとして最も成功しているケースが、カジサックことキングコング・梶原雄太 であることは間違いないだろう。そんな梶原が、2日の『しくじり先生』(テレビ朝日系)に出演。仕事に追われ、キャパオーバーで失踪しないための対処法を授業していた。

 NSC在籍中にNHK上方漫才コンテストで最優秀賞を受賞、デビューして約2年で『はねるのトびら』(フジテレビ系)のレギュラー獲得など、輝かしい実績を残してきたキングコング。しかし、必ずしも実力が伴わず、人気先行でテレビ出演が増えたことで、数々の番組で失態を繰り返してしまう。テレビやラジオ、舞台などの仕事が連日連夜続く過密なスケジュールと、周囲からの期待に応えなければというプレッシャー。その結果、梶原は一時期失踪してしまった。概要については比較的知られているエピソードだと思うが、先週の『しくじり先生』では、その顛末について梶原本人が詳細に語っていた。

 梶原いわく、仕事が多忙を極める中、大阪から東京に向かう新幹線の車内で体が震えだし、出番直前でトイレに隠れるなど現実逃避が始まり、徐々に感情もなくなっていった。しかし、そんな自身の状況を誰に相談することもなく、しゃかりきに 頑張る自分を演じ続けていた。そんなある日、とうとう頭が「パーン」となり、失踪。「パーン」となってからしばらくの記憶はないという。

 特に深夜時代の『はねトび』は、スケジュールが相当厳しかったらしい。金曜の昼 12時に集合し、土曜の朝6時までコントの打ち合わせとリハーサル。その後、一睡もせずにラジオ体操を挟んで収録が始まり、土曜の深夜24時に終了。そこから日曜の朝5時まで反省会もあった。さらに収録中、梶原はずっとスベっていたのだという。

 そんな梶原が「余談ですが」と前置きして語り始めたのが、カジサックという名前の由来である。かつて『はねトび』で梶原がタイ人に扮するコントがあった。そのキャラクター名が「カジサック」だった。

「あまりにもスベりすぎて思い出に残っちゃって。そっから、ゲームとかあるじゃないですか。『ドラゴンクエスト』とか『ファイナルファンタジー』とか。全部カジサックって名前でやってたんですよ。で、YouTubeやることになって、せっかくだったらその名前つけようって」

 芸人にとってYouTubeは敵。明石家さんまはかつてそう語ったが、その現場には赤ジャージを着て頭にタオルを巻いた梶原もいた。若い人たちに話を聞くと、みんなYouTubeでテレビ番組を見ていたりする。なんとか1人でもテレビをつけさせるために、自分たちテレビで生きてきた人間は対抗しなければいけない。そう語るさんまに、梶原は反論した。

「だからなんですよ。だからYouTubeで活躍してスターになって、YouTubeでテレビ見たくなった小中高生たちを、もう1回テレビに戻したいっていう思いがあるんですよ」(『さんまのお笑い向上委員会』2018年11月17日、フジテレビ系)

 かつて自分を追い込んだ場。逃げ出した場。そんな苦い記憶が刻まれたテレビを象徴するような名前を梶原は自ら名乗り、YouTubeで返り咲く。まるで、テレビに翻弄されてきた自分を取り戻しているかのようだ。そしてその歩みは、テレビに敵対するのではなく、視聴者をテレビに取り戻そうとする挑戦とも重なっている。

(文=飲用てれび<http://inyou.hatenablog.com/>)

 

フェルミ研究所、MONSTERsJOHN TV、ユイの研究室#……漫画系&考察系YouTuberが台頭!

テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(『しもふりチューブ』)と長崎周成(『フワちゃんTV』)が、最新のYouTube時事情と注目チャンネルについて語り尽くします。

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長崎 最近は人が出ないYouTubeが人気になっていて、ひとつのジャンルとして頭角を現してきているのが、漫画系YouTuber。例えば、「フェルミ研究所」というチャンネルが一番の走りですかね。「もし○○だったらどうなるのか?」という疑問を、漫画と声優さんのナレーションで4分くらいの動画にまとめてるんですよ。「石油がなくなるとどんな生活になるのか?」とか、「生き埋めになったらどうすればいいのか?」とか。チャンネル登録者は現在約156万人。たぶんチームでやってると思うんですけど、ネタの目線が放送作家的なチャンネルというか。僕らの番組の会議でよくある、作家が出す“会議でめっちゃ盛り上がるけど、採用されないネタ”みたいな。「面白いけど、裏取りどうするの?」とか「やってみたいけど、ちょっと画がついてこないな……」みたいなことを、漫画という手法だからこそやれてるのがフェルミな気がしますね。

白武 『空想科学読本』みたいな妄想というか。「(女性の)胸が大きいとどんな生活になるのか?」とか、テレビでやるほどでもないけどちょうどいいところ見つけたなっていう。

長崎 見せ方でいうと、絵と文字とナレーションで超丁寧に作り込んでいるので、誰でも理解できる内容になっています。しかも、ちょっと雑学的な知識が増えて賢くなれた気にさせてくれる。

白武 こういうのが定着してきたら、本読む人って減りますよね。「なんで漫画って自分で読まなきゃいけないの? こうやって見せてくれればいいのに」ってなるかもしれない。しかも、全部アーカイブとして残っているわけじゃないですか。テレビは録画しない限り、その瞬間しか見られないし、TVerも1週間しか残らない。『水曜どうでしょう』(HTB)や『ゴッドタン』(テレビ東京系)、『相席食堂』(朝日放送)とか、面白い人気番組はAmazonプライム・ビデオとかNetflixにアーカイブでありますけど、その他大勢の番組がすぐ見られなくなってしまう。テレビの弱点は、アーカイブ性がなさすぎるというところですからね。

長崎 新しいジャンルといえば、まだ芽吹いてきたぐらいの感じなんですけど、考察系YouTuberもいますね。いわゆるエンタメ作品の伏線回収の解説。いま盛り上がっているのはドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)の考察動画ですね。謎が謎を呼ぶ内容になっているので、それぞれの目線からの考察が尽きないです。

白武 『ONE PIECE』とか『エヴァンゲリオン』とかを4分にまとめました、みたいなのもあるね。コンテンツを楽しむためにYouTubeで学ぶ、という習慣ができ始めてますね。

長崎 僕がめっちゃ見てるのは、「MONSTERsJOHN TV」さん。外国人が日本語で『ONE PIECE』の考察をするチャンネル。『ONE PIECE』って、めちゃくちゃ伏線回収があるじゃないですか。わかりやすいところでいうと、「『ONE PIECE』って、そもそもなんなんだ?」とか「次、麦わらの一味になるのは誰なのか?」とか。そんなことを、熱量高いトークで解説してくれる。

白武 「ユイの研究室#」っていうVTuberも『ONE PIECE』の考察をやってますね。VTuberは去年くらいに、ひとつのジャンルとして確立するかみたいな感じだったけど、まだ一般の人たちがやるとしたらチープすぎるものしかできないので、今後もうちょっと技術がみんなに開かれたら、成立するかもしれない。

長崎 どのVTuberも面白いんですが、まだ正解の見せ方が出ていない気がしますよね。ネットキャバ嬢みたいな感じで、VTuberが生配信して、アニメとかVTuberを好きな人がコメントのやりとりをするみたいなのがはやってるけど、そっちに行くと終わっちゃうんじゃないかなって、僕は思っちゃいます。

白武 VTuberにはキズナアイさんと輝夜月(かぐや・るな)さんっていう2大巨頭がいて。キズナアイさんが最初にバーチャルアイドルとして名乗り初めて、かわいいし、クオリティも高くて衝撃を受けました。しゃべり手としては、輝夜月さんがズバ抜けて面白い。ネットリテラシーも高くて編集も面白かったんですけど、ここ1カ月くらい更新してないんですよね。

――やっぱり1カ月休むと、長いなって感じなんですか?

白武 熱心なファンからしたらそうですよね。

長崎 YouTubeには視聴習慣がめちゃくちゃあって、1カ月出さないだけで視聴者が離れてっちゃうんですよ。休むなら、ちゃんと宣言したほうが潔い。

白武 彼女と1カ月、何も言わずに会わなかったら、それ自然消滅じゃないですか。

長崎 距離が近いことがウリのコンテンツだからね。って言いながら、僕がやってる「フワちゃんTV」は予告なく1カ月に1本しか出してないときあるんで、あんまり説得力はないですが(笑)。

(構成=編集部)

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ヤンチャ系YouTuber・カルマのここがすごい!

テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(「しもふりチューブ」)と長崎周成(「フワちゃんTV」)が、最新のYouTube事情と注目チャンネルについて語り尽くします!

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長崎 1人でやっていて、かつヤンチャ系のYouTuberでいうと、僕はカルマさんがいま一番面白いかなって思ってて。YouTuberって、室内で撮影しているから自宅を特定されやすくて、ファンにストーカーされることが度々あるんですよ。で、そのストーカーされたことも動画にしてしまうことが多いんですけど、だいたいそういう動画って、「ヤバい奴後ろからついてきた」とか言ってカメラ回して、「ちょっと何してんすか!?」みたいな直撃して問い詰めて、「警察に突き出しますよ」って流れのドキュメント動画なんです。この時点でYouTuberすごいなって思うんですけど(笑)、カルマさんはさらにストーカーに突撃して、その後、一緒にピザ店に行ってピザをテイクアウトして、「2週間付けて来たガチのストーカーを警察に通報せずホームパーティーに招待してみた…」という企画動画にしたんですよ。ストーカーされているっていう危険すぎるシチュエーションの中で、その場で頭を回転させて、さらに企画を一枚乗せたっていうのが、めちゃくちゃすごいなと思ってて。

白武 刺されるかもしれないのにね。覚悟がすごい。

長崎 そのストーカーが、自己中メンヘラ系のTHEストーカーみたい女性で。そんな人に話しかけて自宅に入れてホームパーティーするって、テレビでは絶対にできないじゃないですか。速攻カメラ回して、それを動画にするってことも。

白武 ドキュメンタリーだよね。カルマさんって肝が据わっているというか、街にいる人にドッキリを仕掛けたりするんですよ。マスクとグラサンして原宿で「山崎賢人です」って。それで100~200人がバーッと集まってきちゃったりとか。ヒカルさんとかそうですけど、お祭りでテキ屋のくじを買い占めて全部開けて、「当たり入ってねえじゃねか!」ってキレたり、トラブルに発展したらどうすんの? ってことも平気でやってのける。

長崎 真似したいとは思わないけど、ちょっと見てみたいじゃないですか、そういうの。あと、カルマさんは編集も面白いですね。数秒おきにちゃんと笑える仕掛けがあるから、離脱しない。スキップできないようになってるのは、YouTubeの動画として純粋にいいなと思います。

白武 それに、見た目もかっこいい。「韓国ではやってるK-POPのアイドルだよ」って言われても信じられるくらいのレベルのルックスだし、しゃべりもすごい達者。

長崎 しゃべった後に、オチもちゃんと入れるし。

白武 ウインクして、そこにテロップ入れて、「(自分に対して)こいつ死ね」とか。

長崎 まぁ、カルマさんの良さをはき違えたようなYouTuberがたくさん出てきたら最悪ですけど(笑)。別に一般の人に迷惑をかけているわけじゃないんで、そこの勘違いは、大いに気をつけてほしいなとは思いますね。カルマさんはただ無鉄砲にむちゃしているのではなく、考えた上で本気で面白いものを作ろうとしている人ですから。

――なるほど。無鉄砲に見えても、そこに本気度が感じられるかどうか。

長崎 YouTubeってめちゃくちゃ戦略的で、数学的なメディアでもあるんですよ。カルマさんで言うと、この前、「充電期間」として約1カ月休業していたんですけど、復帰明けに、レペゼン地球とのコラボ動画をドーンと出して話題になりましたね。8月って夏休みで、YouTube視聴者層が一番見ている時期なんですよ。それに合わせて、大きな企画で復帰をアピールっていう作戦もちゃんと立ててるという。

――みなさん、動画を出す時期や時間も計算しているんですか?

白武 そうですね。例えば、中高生をターゲット層にしている人だったら、帰り道に見られるよう18時に動画を出すとか。僕が担当している「しもふりチューブ」も毎日18時に出していて、その時間が一番見られています。

長崎 普通のメインは20~21時のゴールデンタイム、コアなファン層のためのサブチャンネルは21~22時のプライムタイムに上げるとか。

白武 中高生だったら、月末はギガが死ぬから、いい企画は月頭に持っていくとか、そういうのも考えないといけない。

長崎 それはやっぱり、みんなGoogleアナリティクスのデータをめちゃくちゃ分析してるから。例えば、男女比や視聴者層はさることながら、自分の動画から何分で離脱されたのかを測る平均視聴時間や平均再生数もですね。

白武 テレビは、30分、1時間の特番作るのに2カ月かける。YouTubeは思いついて、撮ったらすぐ公開できるし、作家としてコアメンバーで関われるから、その分、やりがいも感じられますね。

長崎 コメントで生の反応がすぐ返ってくるので「おもしろい」の声がじかに聞けて、そこもやりがいにつながりますね。

白武 5Gが始まったら、状況はまったく変わると思います。長時間動画と生配信の時代になるんじゃないですかね。エンタメのあり方が変わってくると思います。芸人さんもどんどん開設し始めてますね。今後、タレントはTwitterやインスタのようにYouTubeアカウントを持ってることが当たり前になってくるかもしれません。僕も今年に入って、芸能人YouTubeのディレクションの仕事が増えました。

長崎 あと、金銭面もね。例えば、テレビはレギュラーが終わると、収入も減っちゃうじゃないですか。でも、YouTubeは動画を出し続ければ収益は担保されているので、これからはみんな、両刀遣いになっていくんじゃないかな。YouTubeって、コンビニの商品棚みたいな感じなんで。置いておけばずっと売れて(再生されて)いく。やらない手はないと思いますけどね。

白武 でも、やってもしょうがない人もいるんですよ。YouTubeに向いてない人。コアなファンというよりは、みんなにいいなと思われてる好感度が高いタレントさんは、誰にも刺さらず再生数も伸びにくいので考えものですね(笑)。

(【6】に続く/構成=編集部)

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