カジサック、フワちゃん……YouTube芸人の生きざま

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(9月1~7日)見たテレビの気になる発言をピックアップします。

フワちゃん「おはピヨ! フワちゃんで~す!」

 芸人にとってYouTubeは敵。明石家さんまが、そんな趣旨の発言をしたことがある。1人でも多くの人にテレビを見てもらいたいという思いで仕事をしている自分たち芸人にとって、YouTubeは戦うべき相手だ。特に若い視聴者をYouTubeから取り戻さないといけないのだ、と。テレビの第一線で数十年活動し続けてきた芸人の、矜持を示す言葉である。

 けれど、芸人がYouTubeにチャンネルを持ち、動画を投稿することは、もはや当たり前の現象になっている。テレビで有名になった芸人がYouTubeに動画を上げるだけではなく、無名の芸人がYouTubeで人気になり、テレビに出るというケースも散見される。

 その代表格がフワちゃんだろう。かつてワタナベエンターテインメントに所属する芸人だった彼女は、日の目を見る前に事務所を解雇。以後、フリーで活動を続けていたところ、YouTubeに投稿した動画が面白いと話題になった。ネット上での人気を追い風にテレビでの露出も増え、『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)では現在、ほぼ毎週出演している。トレードマークは蛍光色のスポーツブラとホットパンツ、そしてスマホと自撮り棒。ちなみに、あのお団子の髪形は、ビビアン・スーのマネから始まったらしい。

 そんなフワちゃんが7日の『ゴッドタン』(テレビ東京系)に出演していた。この日の企画は、ストイックなコント職人として知られる東京03・飯塚に、お笑いを語り合える若い友達を作ってあげようというもの。その友達候補の1人がフワちゃんだった。

「おはピヨ! フワちゃんで~す!」

 そういって登場するなりスマホで飯塚らを撮影し始めたフワちゃんに、飯塚は早々に白旗を揚げる。

「絶対無理! 一番友達になりたくないタイプだもん」

 なるほど確かに、練り上げられた構成と高い演技力で魅せるコントを披露してきた飯塚と、テンション高く野放図に振る舞っているように見えるフワちゃんの間には、大きな隔たりがあるようにも思う。

 だけどフワちゃん、ただテンションが高いだけの芸人ではない。そう感じたのは、『チルテレ』(BS日テレ、8月1日)のインタビューを見たときだった。座右の銘を聞かれた彼女は、いつものヘラヘラした調子から少しだけ真面目な顔つきに変わり、こんなふうに答えた。

「自分でやってて楽しいことをしたいなと思って(今の仕事を)始めたから、それに従ってやるようにしています」

 座右の銘は? という問いかけに対する答えではないようにも思う。けれど、ここから読み取るべきは、実感を伴わないことわざや偉人の格言に頼るのではなく、自分の内側から出てくる手触りのある言葉を指針にするという姿勢なのかもしれない。

 フワちゃんの話は続く。自分が楽しいことをしたい。自分が最高だと思うことをしたい。だからあまり、人の意見は聞かない。偉そうにアドバイスをしてくる人がいると、ケンカにならないよう表面上は「そうですよねー」と受け流すが、心の中では「知ーらんべー」と舌を出していたりする。

 そう語る彼女は、しかし、これはあくまで自分のやり方だと付言した。

「私はそういうポリシーだけど、人のことを吸収して育ったほうがいいっていう人もいるだろうから。自分にどういうのが向いてるかっていうのを、自分で分析して、自分で分析した通りにやることが大切だなと思います」

 自分の意見の発信が、他人への押し付けになっているかもしれない。そんな気配を察知すると即座にフォローを挟む。タガが外れたようなテンションでも、番組収録中にスマホで中継を始めるといった行動でもなく、こういった配慮が自然に出てくるところが最もインターネット的なのかもしれない。

 テレビのバラエティ番組ではなくYouTubeで頭角を現したフワちゃん。お笑い怪獣が「戦場」と呼ぶ場所の外からやって来た彼女は、自分から敵を作らない。

 テレビで活躍する芸人が、YouTubeで活動を始めるケースは数多い。舞台のネタ動画を淡々と投稿する者、ゲーム実況で人気を集める者、キャンプや釣りなどの趣味を披露する者、企画性の高い動画を投稿する者。芸人によりYouTubeの使い方はさまざまだが、いずれにせよ、片手間に関わるものではなくなっているようだ。

 ただし、テレビで名前の知れた芸人がYouTubeで成功した例は、あまり多くない。ヒロシやゴー☆ジャスなど、いわゆる「一発屋」と呼ばれる芸人が注目を集めることが多いようにも思う。とはいうものの、今年5月にはスギちゃんが約1年でチャンネルでの動画投稿を終えてしまった。エレベーターの中や美容室などさまざまな場所で「フェニーックス!」と叫んで腕を広げるという動画をいくつも投稿していた波田陽区は、その意味不明さで一時期話題となったが、最近では再生数が伸び悩んでいるようだ。

 そんな中、芸人ユーチューバーとして最も成功しているケースが、カジサックことキングコング・梶原雄太 であることは間違いないだろう。そんな梶原が、2日の『しくじり先生』(テレビ朝日系)に出演。仕事に追われ、キャパオーバーで失踪しないための対処法を授業していた。

 NSC在籍中にNHK上方漫才コンテストで最優秀賞を受賞、デビューして約2年で『はねるのトびら』(フジテレビ系)のレギュラー獲得など、輝かしい実績を残してきたキングコング。しかし、必ずしも実力が伴わず、人気先行でテレビ出演が増えたことで、数々の番組で失態を繰り返してしまう。テレビやラジオ、舞台などの仕事が連日連夜続く過密なスケジュールと、周囲からの期待に応えなければというプレッシャー。その結果、梶原は一時期失踪してしまった。概要については比較的知られているエピソードだと思うが、先週の『しくじり先生』では、その顛末について梶原本人が詳細に語っていた。

 梶原いわく、仕事が多忙を極める中、大阪から東京に向かう新幹線の車内で体が震えだし、出番直前でトイレに隠れるなど現実逃避が始まり、徐々に感情もなくなっていった。しかし、そんな自身の状況を誰に相談することもなく、しゃかりきに 頑張る自分を演じ続けていた。そんなある日、とうとう頭が「パーン」となり、失踪。「パーン」となってからしばらくの記憶はないという。

 特に深夜時代の『はねトび』は、スケジュールが相当厳しかったらしい。金曜の昼 12時に集合し、土曜の朝6時までコントの打ち合わせとリハーサル。その後、一睡もせずにラジオ体操を挟んで収録が始まり、土曜の深夜24時に終了。そこから日曜の朝5時まで反省会もあった。さらに収録中、梶原はずっとスベっていたのだという。

 そんな梶原が「余談ですが」と前置きして語り始めたのが、カジサックという名前の由来である。かつて『はねトび』で梶原がタイ人に扮するコントがあった。そのキャラクター名が「カジサック」だった。

「あまりにもスベりすぎて思い出に残っちゃって。そっから、ゲームとかあるじゃないですか。『ドラゴンクエスト』とか『ファイナルファンタジー』とか。全部カジサックって名前でやってたんですよ。で、YouTubeやることになって、せっかくだったらその名前つけようって」

 芸人にとってYouTubeは敵。明石家さんまはかつてそう語ったが、その現場には赤ジャージを着て頭にタオルを巻いた梶原もいた。若い人たちに話を聞くと、みんなYouTubeでテレビ番組を見ていたりする。なんとか1人でもテレビをつけさせるために、自分たちテレビで生きてきた人間は対抗しなければいけない。そう語るさんまに、梶原は反論した。

「だからなんですよ。だからYouTubeで活躍してスターになって、YouTubeでテレビ見たくなった小中高生たちを、もう1回テレビに戻したいっていう思いがあるんですよ」(『さんまのお笑い向上委員会』2018年11月17日、フジテレビ系)

 かつて自分を追い込んだ場。逃げ出した場。そんな苦い記憶が刻まれたテレビを象徴するような名前を梶原は自ら名乗り、YouTubeで返り咲く。まるで、テレビに翻弄されてきた自分を取り戻しているかのようだ。そしてその歩みは、テレビに敵対するのではなく、視聴者をテレビに取り戻そうとする挑戦とも重なっている。

(文=飲用てれび<http://inyou.hatenablog.com/>)

 

オリラジ中田はYouTubeでなぜ成功できた? 思想の壁を越えて、アンチを金に変える狡猾な戦略

 今、もっとも勢いがある芸能人YouTuberといえばオリエンタルラジオの中田敦彦だろう。公式YouTubeチャンネル『中田敦彦のYouTube大学』の登録者数は100万人を突破した。

「チャンネル登録者数は『カジサック』を上回るペースで増えているようです。今年の下半期は、さらに速いペースで登録者を増やしていくとの予測もあります」(メディア関係者)

『中田敦彦のYouTube大学』にアップされるのは、中田が政治や社会情勢等に関する情報を講義形式で解説する動画がメイン。そのほかには、有名文学作品の解説・分析なども行っている。

「タイムリーな社会ネタがネット上で話題になることが多いですね。それこそ、消費税に関する動画や日韓関係に関する動画は人気です」(同)

 日韓関係や安倍政権による財政に関する問題は、ネット上では保守派とリベラルとの対立構造の中で語られることが多い。

 「中田が扱うのは“炎上しやすいトピック”が多いんですが、それらをかなりフラットな視線で語っているのが特徴です。ネット上でこの手のネタを扱う場合、大前提として自分が保守なのかリベラルなのか、その立場を設定し、その立場からの視点で語ることが多い。つまり、保守寄りの論者であれば、安倍政権に近い論を語るし、リベラルな論者であれば反安倍政権の立場で語る。

しかし、中田は自分の立場はほとんど設定せず、事実関係に基づく情報を伝えることに終始するんです。要するに、自分の意見をほとんど入れない。この点こそが、中田のオリジナリティーになっていると思います」(ネット炎上事情に詳しいジャーナリスト)

 保守系でもリベラルでもないのが、中田のYouTubeチャンネルなのだ。

「もちろん、それぞれの立場の人から批判コメントもありますが、中田は基本的に“そういう意見もある”と、あらゆる声を認めていくスタンス。だから、批判されたところでダメージを受けることはない。さらには、右も左も両方の声が集まるので、変に偏ることもない。政治・社会系のチャンネルとしては、凄くバランスがいい」(同)

 もちろん、単なる“アンチコメント”のような罵詈雑言がくることもあるだろうが、大して影響もなさそうだ。

 「中田にしてみれば、いろいろな情報を提供して、“それを元に色々と考えてください”というメッセージを送っているだけ。そういった動画に対するアンチコメントは、いわば“事実に文句を言っているだけ”のようなものですよ。中田本人へのバッシングにはなっていないということであり、ダメージを受けることもないと思います。むしろ、そういったアンチが動画再生回数を増やしてくれているわけですしね」(同)

 狡猾にアンチを利用して、上手くお金に変えているということだろう。中田のYouTubeにおける成功は、かなり計算され尽くした上でのものだったといえそう?

オリラジ中田はYouTubeでなぜ成功できた? 思想の壁を越えて、アンチを金に変える狡猾な戦略

 今、もっとも勢いがある芸能人YouTuberといえばオリエンタルラジオの中田敦彦だろう。公式YouTubeチャンネル『中田敦彦のYouTube大学』の登録者数は100万人を突破した。

「チャンネル登録者数は『カジサック』を上回るペースで増えているようです。今年の下半期は、さらに速いペースで登録者を増やしていくとの予測もあります」(メディア関係者)

『中田敦彦のYouTube大学』にアップされるのは、中田が政治や社会情勢等に関する情報を講義形式で解説する動画がメイン。そのほかには、有名文学作品の解説・分析なども行っている。

「タイムリーな社会ネタがネット上で話題になることが多いですね。それこそ、消費税に関する動画や日韓関係に関する動画は人気です」(同)

 日韓関係や安倍政権による財政に関する問題は、ネット上では保守派とリベラルとの対立構造の中で語られることが多い。

 「中田が扱うのは“炎上しやすいトピック”が多いんですが、それらをかなりフラットな視線で語っているのが特徴です。ネット上でこの手のネタを扱う場合、大前提として自分が保守なのかリベラルなのか、その立場を設定し、その立場からの視点で語ることが多い。つまり、保守寄りの論者であれば、安倍政権に近い論を語るし、リベラルな論者であれば反安倍政権の立場で語る。

しかし、中田は自分の立場はほとんど設定せず、事実関係に基づく情報を伝えることに終始するんです。要するに、自分の意見をほとんど入れない。この点こそが、中田のオリジナリティーになっていると思います」(ネット炎上事情に詳しいジャーナリスト)

 保守系でもリベラルでもないのが、中田のYouTubeチャンネルなのだ。

「もちろん、それぞれの立場の人から批判コメントもありますが、中田は基本的に“そういう意見もある”と、あらゆる声を認めていくスタンス。だから、批判されたところでダメージを受けることはない。さらには、右も左も両方の声が集まるので、変に偏ることもない。政治・社会系のチャンネルとしては、凄くバランスがいい」(同)

 もちろん、単なる“アンチコメント”のような罵詈雑言がくることもあるだろうが、大して影響もなさそうだ。

 「中田にしてみれば、いろいろな情報を提供して、“それを元に色々と考えてください”というメッセージを送っているだけ。そういった動画に対するアンチコメントは、いわば“事実に文句を言っているだけ”のようなものですよ。中田本人へのバッシングにはなっていないということであり、ダメージを受けることもないと思います。むしろ、そういったアンチが動画再生回数を増やしてくれているわけですしね」(同)

 狡猾にアンチを利用して、上手くお金に変えているということだろう。中田のYouTubeにおける成功は、かなり計算され尽くした上でのものだったといえそう?

フェルミ研究所、MONSTERsJOHN TV、ユイの研究室#……漫画系&考察系YouTuberが台頭!

テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(『しもふりチューブ』)と長崎周成(『フワちゃんTV』)が、最新のYouTube時事情と注目チャンネルについて語り尽くします。

<「超YouTube学」バックナンバーはこちらから>

長崎 最近は人が出ないYouTubeが人気になっていて、ひとつのジャンルとして頭角を現してきているのが、漫画系YouTuber。例えば、「フェルミ研究所」というチャンネルが一番の走りですかね。「もし○○だったらどうなるのか?」という疑問を、漫画と声優さんのナレーションで4分くらいの動画にまとめてるんですよ。「石油がなくなるとどんな生活になるのか?」とか、「生き埋めになったらどうすればいいのか?」とか。チャンネル登録者は現在約156万人。たぶんチームでやってると思うんですけど、ネタの目線が放送作家的なチャンネルというか。僕らの番組の会議でよくある、作家が出す“会議でめっちゃ盛り上がるけど、採用されないネタ”みたいな。「面白いけど、裏取りどうするの?」とか「やってみたいけど、ちょっと画がついてこないな……」みたいなことを、漫画という手法だからこそやれてるのがフェルミな気がしますね。

白武 『空想科学読本』みたいな妄想というか。「(女性の)胸が大きいとどんな生活になるのか?」とか、テレビでやるほどでもないけどちょうどいいところ見つけたなっていう。

長崎 見せ方でいうと、絵と文字とナレーションで超丁寧に作り込んでいるので、誰でも理解できる内容になっています。しかも、ちょっと雑学的な知識が増えて賢くなれた気にさせてくれる。

白武 こういうのが定着してきたら、本読む人って減りますよね。「なんで漫画って自分で読まなきゃいけないの? こうやって見せてくれればいいのに」ってなるかもしれない。しかも、全部アーカイブとして残っているわけじゃないですか。テレビは録画しない限り、その瞬間しか見られないし、TVerも1週間しか残らない。『水曜どうでしょう』(HTB)や『ゴッドタン』(テレビ東京系)、『相席食堂』(朝日放送)とか、面白い人気番組はAmazonプライム・ビデオとかNetflixにアーカイブでありますけど、その他大勢の番組がすぐ見られなくなってしまう。テレビの弱点は、アーカイブ性がなさすぎるというところですからね。

長崎 新しいジャンルといえば、まだ芽吹いてきたぐらいの感じなんですけど、考察系YouTuberもいますね。いわゆるエンタメ作品の伏線回収の解説。いま盛り上がっているのはドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)の考察動画ですね。謎が謎を呼ぶ内容になっているので、それぞれの目線からの考察が尽きないです。

白武 『ONE PIECE』とか『エヴァンゲリオン』とかを4分にまとめました、みたいなのもあるね。コンテンツを楽しむためにYouTubeで学ぶ、という習慣ができ始めてますね。

長崎 僕がめっちゃ見てるのは、「MONSTERsJOHN TV」さん。外国人が日本語で『ONE PIECE』の考察をするチャンネル。『ONE PIECE』って、めちゃくちゃ伏線回収があるじゃないですか。わかりやすいところでいうと、「『ONE PIECE』って、そもそもなんなんだ?」とか「次、麦わらの一味になるのは誰なのか?」とか。そんなことを、熱量高いトークで解説してくれる。

白武 「ユイの研究室#」っていうVTuberも『ONE PIECE』の考察をやってますね。VTuberは去年くらいに、ひとつのジャンルとして確立するかみたいな感じだったけど、まだ一般の人たちがやるとしたらチープすぎるものしかできないので、今後もうちょっと技術がみんなに開かれたら、成立するかもしれない。

長崎 どのVTuberも面白いんですが、まだ正解の見せ方が出ていない気がしますよね。ネットキャバ嬢みたいな感じで、VTuberが生配信して、アニメとかVTuberを好きな人がコメントのやりとりをするみたいなのがはやってるけど、そっちに行くと終わっちゃうんじゃないかなって、僕は思っちゃいます。

白武 VTuberにはキズナアイさんと輝夜月(かぐや・るな)さんっていう2大巨頭がいて。キズナアイさんが最初にバーチャルアイドルとして名乗り初めて、かわいいし、クオリティも高くて衝撃を受けました。しゃべり手としては、輝夜月さんがズバ抜けて面白い。ネットリテラシーも高くて編集も面白かったんですけど、ここ1カ月くらい更新してないんですよね。

――やっぱり1カ月休むと、長いなって感じなんですか?

白武 熱心なファンからしたらそうですよね。

長崎 YouTubeには視聴習慣がめちゃくちゃあって、1カ月出さないだけで視聴者が離れてっちゃうんですよ。休むなら、ちゃんと宣言したほうが潔い。

白武 彼女と1カ月、何も言わずに会わなかったら、それ自然消滅じゃないですか。

長崎 距離が近いことがウリのコンテンツだからね。って言いながら、僕がやってる「フワちゃんTV」は予告なく1カ月に1本しか出してないときあるんで、あんまり説得力はないですが(笑)。

(構成=編集部)

●しらたけ・ときお(@TOKIOCOM

▼放送作家▼1990年京都府生まれ▼「しもふりチューブ」毎日18時投稿▼担当番組:「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!絶対に笑ってはいけないシリーズ」「Aマッソのゲラニチョビ」「みんなのかが屋」▼お仕事と仲間を募集しております。お気軽にご連絡ください!【Mail】tokiocpu@gmail.com

●ながさき・しゅうせい(@shuuuuuusei

▼1991年生まれ神戸出身・放送作家▼芸人、テレビ制作会社勤務を経て放送作家に。テレビを中心に活動しながら、昨年「フワちゃんTV」(現在登録者数約31万人)/「フワちゃんFLIX」(現在登録者数約9万人) を開設▼担当番組:「ZIP!」「アオハル TV」「ドラえもん」「サムライバスターズ」「勝負の冬」など▼その他:広告案件、YouTubeチャンネルコンサルティング▼お仕事のご相談はMailかDMでどうぞ!【Mail】shusei6308@gmail.com

ヤンチャ系YouTuber・カルマのここがすごい!

テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(「しもふりチューブ」)と長崎周成(「フワちゃんTV」)が、最新のYouTube事情と注目チャンネルについて語り尽くします!

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長崎 1人でやっていて、かつヤンチャ系のYouTuberでいうと、僕はカルマさんがいま一番面白いかなって思ってて。YouTuberって、室内で撮影しているから自宅を特定されやすくて、ファンにストーカーされることが度々あるんですよ。で、そのストーカーされたことも動画にしてしまうことが多いんですけど、だいたいそういう動画って、「ヤバい奴後ろからついてきた」とか言ってカメラ回して、「ちょっと何してんすか!?」みたいな直撃して問い詰めて、「警察に突き出しますよ」って流れのドキュメント動画なんです。この時点でYouTuberすごいなって思うんですけど(笑)、カルマさんはさらにストーカーに突撃して、その後、一緒にピザ店に行ってピザをテイクアウトして、「2週間付けて来たガチのストーカーを警察に通報せずホームパーティーに招待してみた…」という企画動画にしたんですよ。ストーカーされているっていう危険すぎるシチュエーションの中で、その場で頭を回転させて、さらに企画を一枚乗せたっていうのが、めちゃくちゃすごいなと思ってて。

白武 刺されるかもしれないのにね。覚悟がすごい。

長崎 そのストーカーが、自己中メンヘラ系のTHEストーカーみたい女性で。そんな人に話しかけて自宅に入れてホームパーティーするって、テレビでは絶対にできないじゃないですか。速攻カメラ回して、それを動画にするってことも。

白武 ドキュメンタリーだよね。カルマさんって肝が据わっているというか、街にいる人にドッキリを仕掛けたりするんですよ。マスクとグラサンして原宿で「山崎賢人です」って。それで100~200人がバーッと集まってきちゃったりとか。ヒカルさんとかそうですけど、お祭りでテキ屋のくじを買い占めて全部開けて、「当たり入ってねえじゃねか!」ってキレたり、トラブルに発展したらどうすんの? ってことも平気でやってのける。

長崎 真似したいとは思わないけど、ちょっと見てみたいじゃないですか、そういうの。あと、カルマさんは編集も面白いですね。数秒おきにちゃんと笑える仕掛けがあるから、離脱しない。スキップできないようになってるのは、YouTubeの動画として純粋にいいなと思います。

白武 それに、見た目もかっこいい。「韓国ではやってるK-POPのアイドルだよ」って言われても信じられるくらいのレベルのルックスだし、しゃべりもすごい達者。

長崎 しゃべった後に、オチもちゃんと入れるし。

白武 ウインクして、そこにテロップ入れて、「(自分に対して)こいつ死ね」とか。

長崎 まぁ、カルマさんの良さをはき違えたようなYouTuberがたくさん出てきたら最悪ですけど(笑)。別に一般の人に迷惑をかけているわけじゃないんで、そこの勘違いは、大いに気をつけてほしいなとは思いますね。カルマさんはただ無鉄砲にむちゃしているのではなく、考えた上で本気で面白いものを作ろうとしている人ですから。

――なるほど。無鉄砲に見えても、そこに本気度が感じられるかどうか。

長崎 YouTubeってめちゃくちゃ戦略的で、数学的なメディアでもあるんですよ。カルマさんで言うと、この前、「充電期間」として約1カ月休業していたんですけど、復帰明けに、レペゼン地球とのコラボ動画をドーンと出して話題になりましたね。8月って夏休みで、YouTube視聴者層が一番見ている時期なんですよ。それに合わせて、大きな企画で復帰をアピールっていう作戦もちゃんと立ててるという。

――みなさん、動画を出す時期や時間も計算しているんですか?

白武 そうですね。例えば、中高生をターゲット層にしている人だったら、帰り道に見られるよう18時に動画を出すとか。僕が担当している「しもふりチューブ」も毎日18時に出していて、その時間が一番見られています。

長崎 普通のメインは20~21時のゴールデンタイム、コアなファン層のためのサブチャンネルは21~22時のプライムタイムに上げるとか。

白武 中高生だったら、月末はギガが死ぬから、いい企画は月頭に持っていくとか、そういうのも考えないといけない。

長崎 それはやっぱり、みんなGoogleアナリティクスのデータをめちゃくちゃ分析してるから。例えば、男女比や視聴者層はさることながら、自分の動画から何分で離脱されたのかを測る平均視聴時間や平均再生数もですね。

白武 テレビは、30分、1時間の特番作るのに2カ月かける。YouTubeは思いついて、撮ったらすぐ公開できるし、作家としてコアメンバーで関われるから、その分、やりがいも感じられますね。

長崎 コメントで生の反応がすぐ返ってくるので「おもしろい」の声がじかに聞けて、そこもやりがいにつながりますね。

白武 5Gが始まったら、状況はまったく変わると思います。長時間動画と生配信の時代になるんじゃないですかね。エンタメのあり方が変わってくると思います。芸人さんもどんどん開設し始めてますね。今後、タレントはTwitterやインスタのようにYouTubeアカウントを持ってることが当たり前になってくるかもしれません。僕も今年に入って、芸能人YouTubeのディレクションの仕事が増えました。

長崎 あと、金銭面もね。例えば、テレビはレギュラーが終わると、収入も減っちゃうじゃないですか。でも、YouTubeは動画を出し続ければ収益は担保されているので、これからはみんな、両刀遣いになっていくんじゃないかな。YouTubeって、コンビニの商品棚みたいな感じなんで。置いておけばずっと売れて(再生されて)いく。やらない手はないと思いますけどね。

白武 でも、やってもしょうがない人もいるんですよ。YouTubeに向いてない人。コアなファンというよりは、みんなにいいなと思われてる好感度が高いタレントさんは、誰にも刺さらず再生数も伸びにくいので考えものですね(笑)。

(【6】に続く/構成=編集部)

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東海オンエア、チャンネルがーどまん、SUSHI RAMEN【Riku】の企画力

テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(『しもふりチューブ』)と長崎周成(『フワちゃんTV』)が、最新のYouTube時事情と注目チャンネルについて語り尽くします!

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長崎 僕、今でこそYouTubeが大好きですけど、YouTuberのことを正直サブいなーと思っていた時期があったんですよ。そこを打ち破ったのが「東海オンエア」さん。ちゃんと企画がかゆいところに手が届いてて、秀逸なものばかりなんですよね。放送作家という目線から見て面白いなと思ったのがまず入り口ですね。

白武 例えば「第一回! 工藤新一選手権!!!」って企画で、『コナン』の工藤新一になりきって大喜利する回があるんですけど、それって芸人を経てないYouTuberがやっても成立しないんですよ。でも、東海オンエアさんは、そこを面白く持っていけている。演者のお笑い能力がめちゃくちゃ高くて、企画の切り口も面白い。テレビだったら成立しないような企画にどんどん挑戦してくところが面白いですね。

長崎 削除されちゃったんですけど、僕が好きなのは「『生肉食ったら腹壊す』って本当なの!?」ってやつ。牛タンから始まって、焼き肉のフルコースみたいなのあるじゃないですか。それを全部生で食べてみるという。「常識として生肉は食べちゃだめ、でも果たしてそうなのか」という危険すぎる検証動画になっていて、強制的に観てみたいという好奇心を駆り立てられるんですよね。やっぱりそういうのを見てみたいんですよ。

――YouTubeの規制は厳しくなってるんですか?

白武 そうですね。人を傷つけるものは基本NG。ドッキリも、行き過ぎたものはダメになっていて、どんどんお利口さんになってきている。みんな、広告がつかなくなると困りますからね。そんな中、いま一番やんちゃなのが「チャンネルがーどまん」。がーどまんの家に友達のMYが勝手に入り込んで、家の中でびっくりするようなドッキリを仕掛ける。「瞬間接着剤でワンピース全巻を天井に貼ってみた」とか、「友達の家の壁1面をポケモンカードしてみた」とか、「友達のスイッチを冷凍庫に5時間入れて凍らせてみた」とか……。一見するとウワーッて思うじゃないですか。でも、「チャンネルがーどまん」に関しては、エンタメとして成立している。“中学時代に、こういうやんちゃな奴いたよな”って。がーどまんはイタズラされて当然キレるんですけど、この人ラッパーでめちゃくちゃしゃべりが立つし、芸人顔負けのキレ芸を見せるんですよ。『トムとジェリー』でトムが最後に痛い目に遭うみたいに、毎回MYがイタズラして、がーどまんがキレるっていう構成なんですけど、絶対面白いキレ芸が見られるって担保があるし、やってることもドッキリの大喜利としてもすごい秀逸なものばっかりなので、めちゃくちゃ面白い。

長崎 これだけガイドラインが厳しくなってきている中で、それを気にせずやっているところがカリスマ性もあって、かっこよく見える気がします。あと裏目線かもしれませんが、ほぼ毎日、壁とかお気に入りのゲーム壊されたりしているのに、毎回リセットされて初めてみたいな新鮮なリアクションしているのが面白いです(笑)。YouTubeだけで見ていると、ドッキリされない日のほうが少ないはずなのに。

白武 2人は親友という関係でもあるので、過激さの中に絆というかほほえましさも垣間見える。僕より年上の人に「がーどまん」を勧めても、「こういうの無理なんだよね」ってなるんですけど、何本か見たら面白さわかるんじゃないすかね。みんながお利口さんになってる中で、本人たちのキャラに合ったことをやってるんで、視聴者からは嫌われないと思いますね。いま一番エッジがあるチャンネルだと思います。

長崎 伸び率もすごいですね。チャンネル開設してまだそんなにたってないのに、登録者数が90万人超。更新頻度も高いんですよね。

白武 動画の制作能力でいうと「SUSHI RAMEN【Riku】」さんがすごい。田舎の高校生が広大な土地で、火柱が上がる爆発の実験とかしてるんですよ。彼が出てきた時、みんな衝撃受けてましたね。でんじろうさんがやるような実験を、ひとりでやってるんですよ。1500℃に熱した塩をスイカの中にぶち込んでパーンと割ったり。

長崎 素朴でかわいいんですよね。

白武 最近は家族もバンバン出るんですけど、「天井にいたらどのくらいでバレるの?」というドッキリをおばあちゃん相手に仕掛けたりして。

長崎 みんながやる企画よりも一枚規模がでかいことを、かわいい少年がクレイジーな実験をひとりでやっているというのがほほえましい。

白武 テレビで同じことされてもそこまで驚かないと思うんですけど、彼は全部ひとりでやってるって考えたら「この人すげえな」って感動がありますね。

(【5】に続く/構成=編集部)

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●しらたけ・ときお(@TOKIOCOM

▼放送作家▼1990年京都府生まれ▼「しもふりチューブ」毎日18時投稿▼担当番組:「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!絶対に笑ってはいけないシリーズ」「Aマッソのゲラニチョビ」「みんなのかが屋」▼お仕事と仲間を募集しております。お気軽にご連絡ください!【Mail】tokiocpu@gmail.com

●ながさき・しゅうせい(@shuuuuuusei

▼1991年生まれ神戸出身・放送作家▼芸人、テレビ制作会社勤務を経て放送作家に。テレビを中心に活動しながら、昨年「フワちゃんTV」(現在登録者数約31万人)/「フワちゃんFLIX」(現在登録者数約9万人) を開設▼担当番組:「ZIP!」「アオハル TV」「ドラえもん」「サムライバスターズ」「勝負の冬」など▼その他:広告案件、YouTubeチャンネルコンサルティング▼お仕事のご相談はMailかDMでどうぞ!【Mail】shusei6308@gmail.com

深夜ラジオ好きは必見!? 『おっくんの宅飲みグルメ』コメ欄が大喜利祭りに

テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(『しもふりチューブ』)と長崎周成(『フワちゃんTV』)が、最新のYouTube時事情と注目チャンネルについて語り尽くします!

――それでは本題に入りますが、最近のおすすめYouTuberの話をお願いします。

白武 『QuizKnock』っていう東大生のチームが作っているチャンネルがあるんですけど、その人たちはクイズに命懸けてて、毎日見たことないようなクイズを見せてくれる。YouTube動画がメインコンテンツで、本とかも出してます。

長崎 動画自体も面白いですし、「東大生が~」ってフリが入るのがいいんですよね。「東大生がGoogleの入社試験をガチで解いてみる」とか、タイトルの時点で興味を惹かれちゃうというか。

白武 「東大生面白い」は、古くからテレビのコンテンツとしてあるよね。クイズってどの年齢層でも楽しめるものなんで、今は特にクイズ番組が多いですね。

長崎 YouTube自体がテレビで数字取るものと同じ潮流にあると思ってて、それこそテレビ、グルメ、旅がYouTubeでも強い。ちなみにグルメでいうと、僕が今、めっちゃ観ているのが、『おっくんの宅飲みグルメ』。元芸人さんなんですけど、ちょっと特殊なんですよ。「自宅で天下一品のラーメン作ってみた」とか「ラーメン二郎家で作ってみた」とか「世界一美味しい唐揚げ作ってみた」とか、男性が覗きたくなるグルメ企画をやってるんです。

 AMSRっていう、音を聞くジャンルの動画の要素も盛り込んでいて、食材を切るときの「サクッ」っていう音をちゃんと入れたりしてグルメチャンネルとしてハイクオリティなものを提供しているんですが、おっくんに関してはもうひとつ魅力が。メシというよりもコメント欄がすごい秀逸なんです。深夜ラジオのハガキ職人みたいなお笑い偏差値の高いファンがついていて、めちゃくちゃ面白いんですよ。

白武 「なんのためらいもなくお金貨してくれそうだけど、5回のあたりで急に殴りかかってきそう」「テンガは一品どころか100品ぐらい持ってそう」とか、おっくんに対する大喜利みたいなやつですね。

長崎 恐らく、偶発的に起きた奇跡のコメント欄(笑)。動画の頭に一言紹介みたいなやつがテロップ出るんですけど、自虐ネタみたいなことを書いてて、そこイジりから派生して本編よりも盛り上がっちゃって。既婚者なのに、なぜかゲイいじりみたいなのがすごく多いんです。めちゃくちゃおいしそうなメシ作っても、そこには誰も興味を示さないという。しかも、動画の中でおっくんはそれにまったく触れないんですよ。でも、いいコメントには「いいね」を押す(笑)。

白武 ストレートにグルメチャンネルから通り過ぎる人もいっぱいいるんでしょうけど、ここが面白いって気づけた人たちが盛り上がれるっていう。本人は至って真面目においしい宅飲みグルメを紹介してるのに、「ホモが一人家でチャーシュー縛ってる」って。本人がそれに反応しちゃうと冷めるけど、「いいね」で留めてるところはとてもいいですね。

長崎 「YouTuberって寒い」って思っているお笑い好きな方とかいるじゃないですか? そういう人はおっくんから入るといいのかなって思います。コメント欄だけ見る、っていう楽しみ方もあります!

(【4】に続く/構成=編集部)

 

●しらたけ・ときお(@TOKIOCOM

▼放送作家▼1990年京都府生まれ▼「しもふりチューブ」毎日18時投稿▼担当番組:「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!絶対に笑ってはいけないシリーズ」「Aマッソのゲラニチョビ」「みんなのかが屋」▼お仕事と仲間を募集しております。お気軽にご連絡ください!【Mail】tokiocpu@gmail.com

●ながさき・しゅうせい(@shuuuuuusei

▼1991年生まれ神戸出身・放送作家▼芸人、テレビ制作会社勤務を経て放送作家に。テレビを中心に活動しながら、昨年「フワちゃんTV」(現在登録者数約31万人)/「フワちゃんFLIX」(現在登録者数約9万人) を開設▼担当番組:「ZIP!」「アオハル TV」「ドラえもん」「サムライバスターズ」「勝負の冬」など▼その他:広告案件、YouTubeチャンネルコンサルティング▼お仕事のご相談はMailかDMでどうぞ!【Mail】shusei6308@gmail.com

カジサックはやっぱりすごかった! 人気YouTuberがサブチャンを作るワケ

 

テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(『しもふりチューブ』)と長崎周成(『フワちゃんTV』)が、最新のYouTube時事情と注目チャンネルについて語り尽くします!

――芸人YouTuberといえば、カジサックさんがチャンネル登録者数100万人を突破しましたけど、彼のYouTubeはどうですか?

白武 カジサックさん以前以降で、タレントYouTuberの歴史は変わっていますね。今まで芸能人がYouTubeに参入して成功している例はあんまりなかったんですよ。本田翼さん、よゐこさんのゲーム実況とかは当たってましたけど、本気で「YouTuberになります」って言ってやり始めて成功したのはカジサックさんが初めてで、それまでは企画・編集・出演っていうのをYouTuberは全部ひとりでやってて、そこのマルチさ、熱量をみんな「プロじゃないその辺の兄ちゃんなのにスゲエ!」と。自分たちとあんまり変わらない人たちが有名になるのが楽しかったんですけど、それをヒカキンさん、はじめしゃちょーさん、Fischer’sさんなどのスーパースターたちがさまざまな企画と動画を生み出し続けて、成熟してきたところにプロのしゃべり手たちがやってきている。タレントもYouTubeに参入して抵抗なく見られるようになっていくと、今後、動画のクオリティや演者のパフォーマンス能力がより求められるようになるんじゃないかなって思いますね。

長崎 カジサックさんのチャンネルと、僕がやっている『フワちゃんTV』がコラボしたことがあったんですけど、カジサックさん、猛暑の中現場で誰よりも汗をかいてるんですよ。演者であり、制作総指揮でもいらっしゃるので、全体を把握しながら裏でも表でも獅子奮迅の大回し。それは白いタオル頭に巻くわっていうね(笑)。先頭を走って、揺るがぬ信念でチーム引っ張るルフィになっているというか……。ウチはフワちゃんと僕の2人でやっているので、撮影中まごつくことが多いんですが(笑)、そんな時も、とても優しく協力してくださいました。

 さっき、白武さんが言っていた演者力でいうと、カジサックチームにはカメラや編集の裏方の人がいて、カジサックさんが出演はもちろん、企画を考えたり、現場の仕切りを担当してて、うまくチームで意思疎通して分業できているのも勝因のひとつではないかと思います。まさに、ひとつの船に乗って進んでいる感じじゃないでしょうか。

――いま人気のYouTuberは、裏方と演者のチームでやってる人も多いんですか?

白武 タレントさんの場合は最初からプロが入ってチームでやっていることが多いんですが、YouTuberたちはやっぱり自分で編集してますね。自分でやらないと納得できるクオリティにならないから、1日5~6時間かけて編集してるって人もザラにいますよ。

長崎 例えば小嶋陽菜さんvlogというのをやってて、自分の旅とかの記録を動画にしてYouTubeにアップしてるんですけど、画角や映像美を追求していて、1本の作品としても質が高いです。編集はご自身でされているのかわかりませんが、1本へのこだわりがすごい。

白武 vlogって日本ではあんまりメインではないジャンルだったんですよ。今までブログにしてたようなことを動画にしてるんですけど、視聴者は同じ部屋にいる感じや一緒に旅行に行っている感覚が味わえて、覗き見的な面白さもある。

長崎 特に海外だと、映えるところが多いですからね。だからvlogって、すごく画が楽しいっていうか。

白武 今は女性のほうが多いですけど、最近ちょっとずつ男性のvlogも増えていて、機材も発達しているんで、”一人旅に行って、こんなきれいな映像撮ってきました”っていうのもありますね。

長崎 GoProは映像クオリティが高いのに、値段はそこまで高くないですからね。あと、日本のYouTubeは“部屋の中でやってみた”っていうのが主流だったんですけど、外へ出ていくvlog文化っていうのはこれからもっと入ってくるのではないかなと思いますね。室内だと「疑問×トレンド」などの掛け算の企画が多くなってくるというか、外に出たほうが企画も画も新鮮なものが生まれるような気がしますね。

白武 YouTuberは基本、毎日投稿したほうが視聴者の視聴習慣が付きやすいので、必然的に室内で撮る傾向が多いんですけど、それを大きく打ち破ったのがFischer’sさんシルクさんは身体能力が非常に高くて、アスレチックとか見ていて気持ちいいくらいバンバンアクロバティックに進んでいくんですよ。子どもも見て楽しいし、クラスのイケてるグループが遊んでいる様子をこっそり覗き見できる感覚というか。チームYouTuberとして成功したのはFischer’sさんが最初じゃないですかね。

長崎 最近はピンでやってる人も、バイプレイヤー的な存在が絶対いるんですよ。はじめしゃちょーさんも、「はじめしゃちょーの畑」っていう仲間と一緒にグループでも活動してます。

白武 はじめしゃちょーさんは切り替えましたね。ずっとピンでやってたけど、畑でやってるほうも推してる。

長崎 「はじめしゃちょーの畑」は本家の動画と同じくらいの勢いでYouTubeの急上昇のトップに上がってくる。この人気の一因として、YouTubeというか昨今の風潮である「仲良し文化」が関係しているのかなと思います。同級生と動画を撮ったり、カップルチャンネルを始めてみたり、「最高の仲間と本当に楽しい体験をする」。その考え方がSNSの横のつながりで拡散していく本来の特性とマッチしているのではと思います。

白武 人によっては仲良しさというかBL要素を楽しんだり……。まぁ、芸人さんにしても仲良し芸人が支持されてますし、そこはテレビと似たような感じですね。

長崎 タイトルやサムネから推測して、何か面白いものとか楽しいものが見れるという担保がある動画は、クリックされやすいですね。僕も『フワちゃんFLIX』というサブチャンネルを作っていて、そこではカッチリしたものを撮ってみたりするよりも、普段見せないフワちゃんがケツをボリボリかきながらダラダラとしゃべっているほうが数字が伸びたりするんですよね。

白武 やっぱりオフというか、友達とか恋人しか見られなところが見られるというのに価値がある。まあ、インスタのストーリーもそうですよね。美女がプールサイドで寝そべっているところなんて、見ることのできない景色でしたから。

(【3】に続く/構成=編集部)

 

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▼放送作家▼1990年京都府生まれ▼「しもふりチューブ」毎日18時投稿▼担当番組:「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!絶対に笑ってはいけないシリーズ」「Aマッソのゲラニチョビ」「みんなのかが屋」▼お仕事と仲間を募集しております。お気軽にご連絡ください!【Mail】tokiocpu@gmail.com

●ながさき・しゅうせい(@shuuuuuusei

▼1991年生まれ神戸出身・放送作家▼芸人、テレビ制作会社勤務を経て放送作家に。テレビを中心に活動しながら、昨年「フワちゃんTV」(現在登録者数約31万人)/「フワちゃんFLIX」(現在登録者数約9万人) を開設▼担当番組:「ZIP!」「アオハル TV」「ドラえもん」「サムライバスターズ」「勝負の冬」など▼その他:広告案件、YouTubeチャンネルコンサルティング▼お仕事のご相談はMailかDMでどうぞ!【Mail】shusei6308@gmail.com

モデルケースはヒロシは! タレントYouTuberとして成功するための近道とは?

テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(『しもふりチューブ』)と長崎周成(『フワちゃんTV』)が、最新のYouTube事情と注目チャンネルについて語り尽くします!

――まずは、最近のYouTubeの傾向から教えてください。

白武 動画の尺が長くなってますね。2018年2月からYouTubeの広告収益の規約が「10分以上の動画には何個も広告をつけられる」っていう仕様に変わったんですよ。それでみんな、10分以上の動画を上げるようになった。昔は再生回数で何回回るかっていう競争をやっていたんですけど、最近はどれくらいの時間見られるか、長く見てもらえるかっていう勝負に変わってきている。

長崎 これまでと同様に刺激的な内容が人気の一方で、動画が長くなったのは、YouTubeにゆったりと見れる“ながら視聴文化”が根付いてきた面もあるのかなと思いますね。

白武 テレビみたいな見られ方をし始めてきている気はする。今までは電車の1~2駅分の隙間時間の奪い合いでしたけど、20~30分の動画もバンバン上げて、その分、編集も緩く、だら~っと見るみたいな感じになってますね。

長崎 それに付随して、視聴ディスプレイとしてテレビでもYouTubeが見られるようになったのは一番デカいのかなとは思いますね。親御さんもヒカキンTVを流していれば、泣いている子どもも食い入って静かに見てくれるので、とりあえず流しておくとか。

白武 子育て中のお母さんにとって、キッズ系のチャンネルはめちゃくちゃ助かってると思いますよ。『キッズライン・Kids Line』とか、要はアンパンマンとかトーマスのおもちゃで子どもが遊んでる動画を流していると、子どもは延々見続けてくれて手間がかからない。

長崎 ウチのいとこは「子どもにドラえもんとヒカキン見せとけば黙る」って言ってました(笑)。もはや、ヒカキンは国民的なキャラクターなんですよ。

白武 そのほかの傾向として、芸能人や有名人がどんどん入ってますね。夏菜さん、デヴィ夫人、本田圭佑さん……。

――やっぱりそういうチャンネルは、一般に比べて登録者数が多いんですか?

白武 初速はいいですね。でも、20代のタレントはまだ感覚がわかっているから受け入れられやすいと思うんですけど、30代以上になるとちょっとわかってない感じがしますね。スタッフだけがYouTubeのノウハウをわかっていて、タレントにやらせてるだけみたいな。編集でYouTuberっぽくしてるけど、本人の面白さがYouTubeに適しているかどうかで結構変わるので……。

長崎 YouTubeって”人”についてくるメディアだから、そこでひとつでも人にやらされている感や気持ちが入ってないようなものはすぐ視聴者にバレてしまいますね。カメラ3台くらい並べて、そこに向けてしゃべっているだけではダメで、本人がやりたいと思ってないと(視聴者は)ついてこない気がします。

――逆に、芸能人のチャンネルで面白いものは?

白武 ヒロシさんのキャンプのチャンネルは自分で好きなことをやってる感じがあって、年齢問わず、受け入れられている感じですね。編集もテロップを入れまくったりせず、ただGoPro置いてソロキャンプの映像を流してるだけなんですけど、それが面白くて見れちゃう。本人しか見られない景色というか覗き見というのもありますね。YouTubeのトレンドで「ルームツアー」「モーニングルーティン」などが流行っていて、「覗き見」は今後のキーワードかもしれません。

長崎 「キャンプといえばヒロシさん」って、YouTubeからなりましたよね。あれはすごくいいパターン。今後増えるであろうタレントYouTuberの理想のモデルケースだと思います。例えばFischer’sさんとか東海オンエアさんのような検証系を芸能人がやる必要はなくて、それよりも自分の趣味をYouTubeに落とし込むっていうのは、タレントYouTuberとして成功するための一番の近道なんじゃないかなって思いますね。すごく専門的な知識があるかどうかは特に重要じゃなくて、そこに熱があるかどうか……。本田翼さんとか、あんなに人気で、YouTubeやるってだけでも話題になるのに、本気でゲームを楽しんでやってる感じが視聴者にダイレクトに伝わってきて、ウソじゃないと感じさせてくれるのが良いですよね。

白武 だから、ニワカが一番嫌われる。「このゲーム大好きなんです」ってやって、全然コイツ知らねえじゃねえかよってなるパターン。例えば一発屋芸人とかがモンストとかパズドラとかに乗っかってやってるのも、本当に好きになってやっていたらいいんですけど、最初は叩かれがちですね。「好きでもないのにこっち来んな!」みたいな。

長崎 問題なのは「知識的なニワカ」ではなく、「熱のニワカ」。1~2回やったことあるやつを「めっちゃハマってるんですよ」って言うのが一番ダメですね。

白武 テレビだとそれでいいんですけどね、逃げ切っちゃえばいいから。でも、YouTubeはやっぱバレちゃいますね。
(【2】へ続く/構成=編集部)

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▼放送作家▼1990年京都府生まれ▼「しもふりチューブ」毎日18時投稿▼担当番組:「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!絶対に笑ってはいけないシリーズ」「Aマッソのゲラニチョビ」「みんなのかが屋」▼お仕事とお仲間募集しております。お気軽にご連絡ください!【Mail】tokiocpu@gmail.com

●ながさき・しゅうせい(@shuuuuuusei

▼1991年生まれ神戸出身・放送作家▼芸人、テレビ制作会社勤務を経て放送作家に。テレビを中心に活動しながら、昨年「フワちゃんTV」(現在登録者数約31万人)/「フワちゃんFLIX」(現在登録者数約9万人) を開設▼担当番組:「ZIP!」「アオハル TV」「ドラえもん」「サムライバスターズ」「勝負の冬」など▼その他:広告案件、YouTubeチャンネルコンサルティング▼お仕事のご相談はMailかDMでどうぞ!【Mail】shusei6308@gmail.com

モデルケースはヒロシは! タレントYouTuberとして成功するための近道とは?

テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(『しもふりチューブ』)と長崎周成(『フワちゃんTV』)が、最新のYouTube事情と注目チャンネルについて語り尽くします!

――まずは、最近のYouTubeの傾向から教えてください。

白武 動画の尺が長くなってますね。2018年2月からYouTubeの広告収益の規約が「10分以上の動画には何個も広告をつけられる」っていう仕様に変わったんですよ。それでみんな、10分以上の動画を上げるようになった。昔は再生回数で何回回るかっていう競争をやっていたんですけど、最近はどれくらいの時間見られるか、長く見てもらえるかっていう勝負に変わってきている。

長崎 これまでと同様に刺激的な内容が人気の一方で、動画が長くなったのは、YouTubeにゆったりと見れる“ながら視聴文化”が根付いてきた面もあるのかなと思いますね。

白武 テレビみたいな見られ方をし始めてきている気はする。今までは電車の1~2駅分の隙間時間の奪い合いでしたけど、20~30分の動画もバンバン上げて、その分、編集も緩く、だら~っと見るみたいな感じになってますね。

長崎 それに付随して、視聴ディスプレイとしてテレビでもYouTubeが見られるようになったのは一番デカいのかなとは思いますね。親御さんもヒカキンTVを流していれば、泣いている子どもも食い入って静かに見てくれるので、とりあえず流しておくとか。

白武 子育て中のお母さんにとって、キッズ系のチャンネルはめちゃくちゃ助かってると思いますよ。『キッズライン・Kids Line』とか、要はアンパンマンとかトーマスのおもちゃで子どもが遊んでる動画を流していると、子どもは延々見続けてくれて手間がかからない。

長崎 ウチのいとこは「子どもにドラえもんとヒカキン見せとけば黙る」って言ってました(笑)。もはや、ヒカキンは国民的なキャラクターなんですよ。

白武 そのほかの傾向として、芸能人や有名人がどんどん入ってますね。夏菜さん、デヴィ夫人、本田圭佑さん……。

――やっぱりそういうチャンネルは、一般に比べて登録者数が多いんですか?

白武 初速はいいですね。でも、20代のタレントはまだ感覚がわかっているから受け入れられやすいと思うんですけど、30代以上になるとちょっとわかってない感じがしますね。スタッフだけがYouTubeのノウハウをわかっていて、タレントにやらせてるだけみたいな。編集でYouTuberっぽくしてるけど、本人の面白さがYouTubeに適しているかどうかで結構変わるので……。

長崎 YouTubeって”人”についてくるメディアだから、そこでひとつでも人にやらされている感や気持ちが入ってないようなものはすぐ視聴者にバレてしまいますね。カメラ3台くらい並べて、そこに向けてしゃべっているだけではダメで、本人がやりたいと思ってないと(視聴者は)ついてこない気がします。

――逆に、芸能人のチャンネルで面白いものは?

白武 ヒロシさんのキャンプのチャンネルは自分で好きなことをやってる感じがあって、年齢問わず、受け入れられている感じですね。編集もテロップを入れまくったりせず、ただGoPro置いてソロキャンプの映像を流してるだけなんですけど、それが面白くて見れちゃう。本人しか見られない景色というか覗き見というのもありますね。YouTubeのトレンドで「ルームツアー」「モーニングルーティン」などが流行っていて、「覗き見」は今後のキーワードかもしれません。

長崎 「キャンプといえばヒロシさん」って、YouTubeからなりましたよね。あれはすごくいいパターン。今後増えるであろうタレントYouTuberの理想のモデルケースだと思います。例えばFischer’sさんとか東海オンエアさんのような検証系を芸能人がやる必要はなくて、それよりも自分の趣味をYouTubeに落とし込むっていうのは、タレントYouTuberとして成功するための一番の近道なんじゃないかなって思いますね。すごく専門的な知識があるかどうかは特に重要じゃなくて、そこに熱があるかどうか……。本田翼さんとか、あんなに人気で、YouTubeやるってだけでも話題になるのに、本気でゲームを楽しんでやってる感じが視聴者にダイレクトに伝わってきて、ウソじゃないと感じさせてくれるのが良いですよね。

白武 だから、ニワカが一番嫌われる。「このゲーム大好きなんです」ってやって、全然コイツ知らねえじゃねえかよってなるパターン。例えば一発屋芸人とかがモンストとかパズドラとかに乗っかってやってるのも、本当に好きになってやっていたらいいんですけど、最初は叩かれがちですね。「好きでもないのにこっち来んな!」みたいな。

長崎 問題なのは「知識的なニワカ」ではなく、「熱のニワカ」。1~2回やったことあるやつを「めっちゃハマってるんですよ」って言うのが一番ダメですね。

白武 テレビだとそれでいいんですけどね、逃げ切っちゃえばいいから。でも、YouTubeはやっぱバレちゃいますね。
(【2】へ続く/構成=編集部)

●しらたけ・ときお(@TOKIOCOM

▼放送作家▼1990年京都府生まれ▼「しもふりチューブ」毎日18時投稿▼担当番組:「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!絶対に笑ってはいけないシリーズ」「Aマッソのゲラニチョビ」「みんなのかが屋」▼お仕事とお仲間募集しております。お気軽にご連絡ください!【Mail】tokiocpu@gmail.com

●ながさき・しゅうせい(@shuuuuuusei

▼1991年生まれ神戸出身・放送作家▼芸人、テレビ制作会社勤務を経て放送作家に。テレビを中心に活動しながら、昨年「フワちゃんTV」(現在登録者数約31万人)/「フワちゃんFLIX」(現在登録者数約9万人) を開設▼担当番組:「ZIP!」「アオハル TV」「ドラえもん」「サムライバスターズ」「勝負の冬」など▼その他:広告案件、YouTubeチャンネルコンサルティング▼お仕事のご相談はMailかDMでどうぞ!【Mail】shusei6308@gmail.com