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2019年、誰もが“もう一つの肉体”を! 3Dアバターファイルフォーマット「VRM」の国際標準化へ、さらに一歩
いよいよ2019年は、誰もが自分のもう一つの肉体=アバターを持つ時代になるのか。
昨年12月、VR向け・3Dアバターファイルフォーマット「VRM」の国際標準化を目指す「VRMコンソーシアム」の発足が発表され、注目を集めている。
「VRMコンソーシアム」には、クリプトン・フューチャー・メディアやpixiv、ドワンゴなど13社が発起人として参加。今年2月に一般社団法人として「VRMコンソーシアム」を発足させるとしている。
昨年、3Dアバターを使えるサービスが、飛躍的に増大した。しかし、まだフォーマットはアプリケーションやプラットフォームごとに仕様が異なるために、せっかく作ったアバターも限られたところでしか使えないのが実情。まだ、多くの人は理想的な自分の分身を作って眺めて楽しむ程度で止まってしまっている。
すでに「VRchat」では、多くのアバターがセックスまで楽しんでいるわけだが、それを誰もが遊ぶにはまだまだ敷居が高いことは否めない。今後、標準フォーマットができれば、もっと間口は広がっていくことになるだろう。
ただ、サービスが増加する中で、標準フォーマットを作成する動きは、必然のもの。VRに関わる企業が考えているのは、それをどうやって収益化するかだという。
「収益を上げるのは、標準化されたフォーマットを、どこで読み込んで遊ぶか。ユーザーが利用してくれる遊び場をどのように提供するかです。まず魅力的な遊び場を提供できるかどうかが成功のカギになるでしょう」(VRに詳しい関係者)
昨年公開された映画『レディ・プレイヤー1』では、近未来の仮想現実が普及した世界が描かれた。作中に登場するような、さまざまな娯楽やビジネスを、ユーザーが作成したアバターを通して利用できる場……そんなものを生み出した企業が、覇権を握っていくことになるだろう。
恐らく、ひとつのカギになるのはセックスであろう。すでに分身として異性のアバターを利用し、同化している人は多い。そして、その多くがアバターに性欲を抱く回路を開いている。そうしたアバターを通したセックスを「VRchat」なんかよりも、もっと簡易にできるようになったら、世界は激変するだろう。
2019年には、きっとそうなると思っている。
(文=昼間たかし)
伝統的なアイドル雑誌テイストの安心感は編集者のウデか? 老舗出版社が新たに挑戦するVRサイト「LOVR」

VRの技術を用いたコンテンツは、着実に進化し普及している。2017年も数多くのさまざまなVRコンテンツが話題となったが、これに本格的に参入をしようとしているのが出版業界である。
これまで多くの人に論じられているように、従来の紙媒体の発行・流通は徐々に時代に合わなくなっている。それでもなお、出版業界には「現状のスタイルを維持できないか」という声も多く聞かれる。
だが、進取の気性に富むタイプの出版人は、そうしたコンサバな志向に見向きもせず、胎動を始めている。
12月、出版社・ジーウォークでは、ケータイ小説の草分け的存在である「魔法のiらんど」などで知られる株式会社エヌ・ティー・エスと組み、スマホ向けのVRサイト「LOVR(https://lovr.jp/)」をスタートさせた。月額課金制のこのサイトで提供されるのは、アイドルコンテンツ。スマートフォンとVRゴーグルを用いて、アイドルと各地に出かける。あるいは「スク水露天風呂」などのVR動画が適用されている。わかりやすくいえば、VRを用いてアイドルを一人占めして、デートできるというものだ。
ジーウォークは、これまでアイドルなど芸能コンテンツのほか、アダルト・成年コミックやBLなどで実績を重ねてきた出版社だ。かつては、アダルト系に強い出版社であったが、近年はサブカルチャーや料理本などの刊行も増加し、総合出版社へと進化している。
「出版社が、紙以外の商売にもシフトしていくのは必然。今はまだ種まきの時期、刈り取りは先かも知れませんが……」
同社の担当者は、そんな言葉を漏らす。でも、それは昏い言葉ではない。むしろ、次々と増殖する新規・珍奇なVRコンテンツの中で、出版社は優位性があるという自信を持っている。
「21世紀に入ってから、男性誌を中心にDVD付録も当たり前になっていました。ですので、動画制作のスキルを持ち、読者の嗜好を読める編集者はたくさんいます。これからは、そうした人材がVRを担っていくことになるでしょう」
とりわけ、アイドルなどの実写コンテンツでは「誰」を「どのように」登場させるかが、人を惹きつける要素となる。さらには、前例のないことに挑戦させる事務所との折衝など、そうしたバックグラウンドの部分のスキルで、出版社には確かな信頼がある。
VRに限らず、ネット発のコンテンツというものは、何かしらの規制や忖度のようなものが当たり前のようについて回る。だが、多くの出版社には枷を解き放つ突破力が確かにある。
さらに、担当者からは、こんな優位性についての言及も。
「紙媒体の流通インフラを用いることで、書店やコンビニエンスストアを介した販促・宣伝ができるのも、出版ならではだと思っています」
VRというと、どうしても若い世代のためのコンテンツという意識が強い。しかし、紙媒体を併用すれば、その主な読者層である中高年をも取り込める……そんなことも意識されているようだ。
実際、そのための動きも始まっている。新サイトに併せて、同社では12月末にムック『VRデート』を発行。既に類似書籍でも実施されているように、本書でもゴーグルが付属し、新たな読者層の開拓を狙っている。
VRは、最先端の技術。ゆえに、どうしても体験する段階で身構えてしまう感覚は拭えなかった。ところが、ジーウォークのVRコンテンツの雰囲気は、伝統的なアイドル誌の、それ。それが安心感を与えている。なるほど、これが出版社の強みなのか。
(文=昼間たかし)
●LOVR(ラヴァー)
https://lovr.jp/
●ジーウォーク『VRデート』
http://gwalk.sakura.ne.jp/item-html/01_mook_item-html/2017-12_VRdate.html