好調キープのTBS『コウノドリ』星野源が完全無欠のキャラクターになってしまう!?

 周産期医療センター(出産の前後を通して、産科と新生児科で連携した医療体制のとれる病院)を舞台に、医師や助産師、妊婦やその家族の喜びや悲しみ、生命の誕生の素晴らしさや難しさを描く医療ヒューマンドラマ『コウノドリ』(TBS系)。「泣けた」「感動した」との声も多かった第5話は、裏のサッカーブラジル戦の影響もあってか視聴率10.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とやや下がりながらも2ケタをキープ。2年前の前シーズンでも第5話は神回との呼び声高かったが、今回も中だるみしかけるこの時期に、強い話を持ってきたようだ。

 

■同じ境遇の出会い

 

 今回、産科医・鴻鳥サクラ(綾野剛)が受け持つのは、切迫早産(まだ適正な時期でないのに子宮口が開きかけ、早産「しそう」な状態)のため急遽入院することになった西山瑞希(篠原ゆき子)。

 まだ妊娠27週である今、子どもが生まれてしまうと、十分に自力呼吸できなかったり合併症を起こす心配があるため、母体である瑞希は少しでも安静に過ごし、お腹の中で1日でも長く子どもを育み、早産を防ぐ必要がある。そのため出産まで2カ月ほどの長期入院になるらしい。

 突如始まった入院生活で隣のベッドになったのは、同じく切迫早産で1カ月前から入院している七村ひかる(矢沢心)。長らく一人で入院していた七村は、「よかったー! やっと話し相手が来てくれたー!」と瑞希を歓迎、同じ境遇、同じ趣味(ゾンビ映画好き)の2人はすぐに打ち解ける。

 瑞希の夫・寛太(深水元基)が持参した手作りプリンは、七村や医師らにも大好評。2人は洋菓子店を営んでおり、寛太は小まめに病院に足を運ぶいい夫なのだが、顔が怖く無口なだけで七村にも医師らにも第一印象で「殺し屋?」と勘ぐられてしまう美味しいキャラ。イメージはジャン・レノか。本当に人を殺せる能力を持つ旦那と結婚しているのは矢沢心の方なのだが、それはさておき、同室で過ごす2人の距離はどんどん縮まっていく。

 点滴針を毎日打つため腕が硬くなり、刺す場所が減っていくが、それでも2人は「赤ちゃんのためなら」と互いに励まし合う。

 

■突然の死

 

 いつものように鴻鳥はエコーで瑞希のお腹の様子を診ているが、どうしても胎児の心拍を確認できず、顔が曇る。夫の寛太や四宮も加わり、別室で改めて確認するものの結果は同じ。

「西山さん、やはり心拍を確認できません……残念ですが、お腹の赤ちゃんはもう……」

 鴻鳥の口から正式に告げられたのは、IUFD(子宮内胎児死亡)というあまりにも唐突で残酷な事実。原因もまだ不明で、当然、夫妻もまだ受け入れられるはずもないのだが、医師である鴻鳥は早めに出産すべき旨を伝えなくてはならない。亡くなった子どもの組織の一部が母親の血中に混じると、血液が固まりづらくなり、出産時に大出血してしまう恐れがあるのだ。

 子宮内で子どもが死亡しているというだけでも失意のどん底なのに、それでもお腹を痛めてお産をしなくてはいけないという現実。泣き崩れる妻を、寛太は抱きしめる。

 個室に移るためと看護師らが西山のベットを片付けているが、七村はなんの前触れもなく突然いなくなってしまった瑞希が気にかかる。鴻鳥もまわりが心配するほど徹夜で原因を調べている。

 

■泣き声のない出産

 

 翌朝、鴻鳥による出産手順の説明を遮り、切迫早産になった自分が悪いのか? 安静にしていなかった自分が悪いのか? と自分を責める瑞希。

「僕も昨日からずっと考えています。なんでだろう、なんでだろうって。でも、わからないんです……。妊娠初期からずっと経過を診ていて、ご夫婦でうれしそうに検診に来られていたことを覚えています。入院して1カ月、赤ちゃんのために頑張っていたことも知っています。しかし、僕には今回のことを予測することができませんでした。結果としてこうなってしまい、申し訳ありません……」最後に頭をさげる鴻鳥。

 誰も悪くないだけに、やり場のない感情が瑞希の口から嗚咽となって溢れる。IUFDの1/4は今でも原因不明なのだ。

 そしてお産。苦しそうに力む瑞希に「がんばって」と声をかける助産師・小松(吉田羊)。後輩助産師は、そんなにがんばれっていったら瑞希がかわいそうではないか? とたしなめるが、小松は、

「子どもを産む母親に『がんばれ』って言って何が悪いの? 西山さん、ごめんね。私は器用な助産師じゃないから、いつも通りのお産のお手伝いしかできないの、だってさ、このお産暗くしたくないじゃない!」と、強い想いを伝える。明るい子になってほしいから「あかり」と命名した夫妻の想いを、小松は知っているのだ。

「もうすぐあかりちゃんに会えるからね!」小松に励まされ、「あかりー!」と叫びながら、我が子を産む瑞希。「あかりちゃん、きれいな女の子だねー」と小松に言われた瑞希は、笑顔を絞り出す。

 

■落ち込む下屋

 

 そして一組の患者。超低出生体重児として生まれた大松憲次郎・美代子夫妻(矢島弘一・井上依吏子)の子ども・しょうたは、動脈管開依存症(生後すぐに閉じなくてはいけない血管が閉じていない)を患っており、命に関わるため手術が必要なのだが、憲次郎は「どっちにしろ障害が残る可能性が高いってことですよね? 正直、手術をしてまで助けて欲しいと思いません」と手術に反対、新生児科医・今橋(大森南朋)の説明も聞かずに、にべもなく席を立つ。

 緊急搬送された際、お腹の中で看取る選択肢もあったのに帝王切開してまで障害を持つ我が子が生まれたことに、納得できていないらしい。執刀した下屋(松岡茉優)はカンファレンスでそれを知り、同意書を取ったことや、胎児が危険な状態だったから仕方ないことなどを主張、鴻鳥に「誰も下屋を責めていないよ」となだめられてしまうほど動揺している。

 判断は慎重にせねばという空気の中、唯一、新生児科医・白川(坂口健太郎)だけは、児童相談所と連携し、親権を一時的に停止してでも手術をすべきだとまで、真っ直ぐに言い切る。

 原作コミックでは自信過剰な鼻っ柱の強い若者なのだが、ドラマではアクが削がれすぎて、正直いてもいなくてもいいようなキャラにされている白川だが、今回は唐突に強い意思を見せてきた。これを機にもう少し活躍させてあげて欲しい。

 

■またしても、いいところを持っていく四宮

 

 そのカンファレンス後、自分の分のプリンを下屋に差し出し、落ち込むのはナンセンスだと伝える四宮。下屋は一瞬責められてるのかと思ったらそうではない。

「目の前に車に轢かれて死にそうになってる人間がいたら誰だって助けるだろう。その命を救った後に障害が残るかなんて誰も考えちゃいない。緊急オペってのはそういうもんだ」

 この一言で、下屋はどれだけ救われただろうか。この時、下屋が「……はい」と返事するのだが「ズキューン」と効果音を入れてもいいほど、うっとりしていたように見える。さらに最後にプリンが賞味期限切れであるとオチまでつける四宮。この嫌味にならない絶妙な抜き加減は、まさに星野源。

 最初にプリンを勧められた際も、食べないかと思ったら放送事故レベルなほどたっぷり無言の間をためて「冷蔵庫に入れておいて」と答えたり、小松に呼ばれた際も「ダメです、これは俺のジャムパンです」と即答でかましたり、今回はおもしろパートも随分受け持っていた。いよいよ完全無欠のキャラクターになってしまうのではないだろうか。

 

■下屋の決断

 

 お腹の中で亡くなってしまったあかりは、戸籍に表記されることはない。抱っこしてあげたり、一緒に写真を撮ってあげたり、手形や髪の毛を残してもいいと勧める小松。夫妻はいろいろな思いを胸に、我が子をお風呂に入れてあげる。そこに寄り添う鴻鳥や、「ベビー(大松しょうた)は俺がしっかりみてる。絶対あきらめない」と強く言い切る白川を見て、下屋は大松夫妻に手紙を書くことに。子どものことだけ考えて大松夫妻の気持ちを置き去りにしたのかもしれないとの思いから、主に自身の説明不足を詫びる内容だが、それを知った四宮は「サクラ(鴻鳥)が頭を下げたのは、西山さんの感情の圧を下げるためだ」「俺なら絶対に頭を下げない、次の出産に向けて綿密な計画を練る」と語る。両極端な先輩に揉まれ、吸収できて下屋は幸せなのか不幸なのか。

 

■七村との再会

 

 あかりの心拍停止がわかって個室に移って以来、瑞希は七村に会っていない。どう説明していいか、どんな顔をしていいかわからないからだろう。しかしそんな中、廊下で七村に発見されてしまう。何も知らない七村は「あかりちゃん、元気ー?」と、久しぶりの再会を喜ぶ。精一杯の作り笑顔で「かわいいよ」とだけ伝え「元気な赤ちゃんを産んでね!」と言葉にしがたい表情でエールを送り、立ち去る瑞希。病室に戻る途中、さすがにおかしいと感じた七村の耳に飛び込んできたのは、あかりが死産だったという看護師同士の会話。

 かつて、同じ苦しみを共有し励ましあった、もはや戦友といってもいい、同じ病院の釜の飯を食った同志の意外な現実を知り、一人涙する七村。それは、あのいなくなった日からずっと続いていたであろう瑞希の悲しみを知ることもなく過ごした「戦友」としての自分の不甲斐なさを嘆いているようにも見えた。一番視聴者が涙した場面もここではないだろうか。

 今回、題材的にも「泣けた」との声が多く、特に瑞希役の篠原ゆき子の言葉にならない苦悶の芝居や嗚咽は、観る者を鷲掴みにしたようだ。

「あかりおめでとう ママありがとう パパより」と書かれたバースデーケーキや、無事出産を終えた七村宅に宅配便で届けられたプリン(「おめでとうひかるさん」のカード付き)、七村の隣でずっと編んでいた毛糸の帽子があかりに被せられているなど、小道具に涙腺を刺激された人も多いだろう。

 だが、悲しい内容ながら、西山夫妻は少しずつ現実を受け止め前を向こうとしているようだし、初めは保育器の我が子を見ることもできなかった大松美代子が「手術の話がしたい」とNICU(新生児集中治療室)を訪れたり、明るい希望も最後に見せてくれた。美世子に、しょうたのことを感謝していると伝えられ涙する下屋もうれしそうだ。

 他にも、赤西(宮沢氷魚)は産科から新生児科に移り前向きに研修に励んでいたり、鴻鳥や四宮の元後輩の産科医・倉崎(松本若菜)も自身の子どもを預けるペルソナNICUのスタッフと馴染んできていたり。そんな中、さらに下屋に大きな試練がのしかかる模様。いよいよ佳境にさしかかる次週も楽しみだ。
(文=柿田太郎)

爆笑ヨーグルト姫、無事出産! おばさんたちの母性がドバドバ出ちゃう展開に笑える泣ける!『監獄のお姫さま』第5話

“クドカン”の愛称で親しまれる宮藤官九郎が脚本を手掛けるドラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の第5話が14日に放送され、平均視聴率8.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.2ポイント増となりました。

 まずはこれまでのあらすじを少し。2017年のクリスマス・イヴ、元囚人の馬場カヨ(小泉今日子)、大門洋子(坂井真紀)、足立明美(森下愛子)、勝田千夏(菅野美穂)と元刑務官の若井ふたば(満島ひかり)の5人は、EDOミルク社・社長の板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐。その背景には、6年前に起こった横田ユキ(雛形あきこ)殺害事件の罪を、当時婚約者だった“爆笑ヨーグルト姫”こと江戸川しのぶ(夏帆)に吾郎が押しつけたことを証言させ、再審請求しようという目的があったのです。

 その吾郎・監禁シーンと、カヨたちが女子刑務所で出会い親密になっていく6年前のシーンが行き交うカタチでドラマは展開。前回まではしのぶが入所、妊娠発覚、出産という流れが描かれました。

 さて、今回は勇介と名付けた男の子を無事に出産したしのぶが、刑務所に戻ってきたところからスタート。しのぶだけでなく、「母性がドバドバ出ちゃう」と言いながら子育てに協力するカヨたちの愛情も受け、勇介はスクスクと成長します。しかし、幸せな時間には限りが。規則により、刑務所内で一緒に生活できるのは最長でも1年半と決まっているのです。

 いつしかカヨたちだけでなく他の囚人や刑務官たちからも可愛がられるようになる勇介。しかし時の流れは早く、遂にしのぶの元から離されてしまう日が訪れます。乳児園か親戚か、勇介の引き渡し先の選択を迫られたしのぶは、絶縁状態だった母親に預けることに決めます。

 そして迎えたお別れの日。しのぶだけでなく遠巻きに見ているカヨたちも号泣する中、しのぶの母親に勇介が引き取られるのですが、迎えに来た車内からは吾郎が登場。勇介の存在を口止めしたハズなのに、しのぶの母親が裏切ったのです。吾郎に殺人教唆の濡れ衣を着せられただけでなく、愛する我が子まで奪われてしまったしのぶが絶望に打ちひしがれ、慟哭したところで今回は終了となりました。

 さて感想。初回から第3話目あたりまでは女優陣のテンポが悪く、クドカンの持ち味ともいえるクスっと笑わせるようなサブカルネタの台詞もキレを欠いていたため、正直レビュー書きの仕事をしていなければ観るのを止めていたかもしれません。ただ、前回から少しずつクドカンワールドの魅力が発揮され始め、今回はさらに面白味が増したため途中離脱しなくて良かったと心底思いました。

 特に、これまでダダ滑りしている感が強かった、吾郎・監禁シーンでの女優陣の歯車がカチッとハマり始めたような印象を受けました。例えば、吾郎から「おばさん」呼ばわりされてカヨたちがキレる、というパターンがこれまで何度も繰り返されていました。それがあまりにしつこかったため辟易していたのですが、今回はカヨたちが怒って吾郎に詰め寄っていく際、いつもふたばだけが参加していないというツッコミが入ったことで、これまでとは違った流れになり笑いが生まれたのです。

 ふたばを演じる満島は現在31歳ということで、小泉らと比べれば確かにおばさんではありません。しかし、微妙な年齢ではあります。「おばさん」という言葉に反応しない小さなプライドや、規律を重んじるクソ真面目な性格も相まって面白味が増すと同時に、これまでの放送を見直したところ確かにツッコミに参加していなかったため、改めて笑ってしまいました。例えるならば、バラエティ番組でひな壇芸人たちが皆オーバーリアクションする中、ただひとり立ち上がらずに冷静でいる土田晃之的な面白さといったところでしょうか。

 また、カヨたちの怒りを買ってしまったことでツッコミに加わるものの、“とりあえず参加しました”という態度が露骨に出てしまうため、さらに怒りを増幅させてしまうというやり取りは、ドラマというよりも小劇団の舞台を見ているような可笑しさがありました。今回のドラマを制作するにあたり宮藤は、自分は何が1番書きたいのか? という自問をした結果、「おばちゃんのお喋りを書いている時が一番楽しい」という結論に至り、大好きな女優をキャスティングしてもらったとのことですが、その成果が表れ始めたようです。

 現代のシーンで笑わせる一方、勇介との別れで泣かせるという緩急の付け方も見事。また、車内から吾郎が登場した際のまるで悪魔が降り立ったような演出も効いていました。今まではあまり悪い男といった感じがしなかった吾郎ですが、同シーンにより一気に憎さが増した印象です。ここからどのようにして復讐計画が立ち上がっていくのか、今後の展開に目が離せません。
(文=大羽鴨乃)

爆笑ヨーグルト姫、無事出産! おばさんたちの母性がドバドバ出ちゃう展開に笑える泣ける!『監獄のお姫さま』第5話

“クドカン”の愛称で親しまれる宮藤官九郎が脚本を手掛けるドラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の第5話が14日に放送され、平均視聴率8.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.2ポイント増となりました。

 まずはこれまでのあらすじを少し。2017年のクリスマス・イヴ、元囚人の馬場カヨ(小泉今日子)、大門洋子(坂井真紀)、足立明美(森下愛子)、勝田千夏(菅野美穂)と元刑務官の若井ふたば(満島ひかり)の5人は、EDOミルク社・社長の板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐。その背景には、6年前に起こった横田ユキ(雛形あきこ)殺害事件の罪を、当時婚約者だった“爆笑ヨーグルト姫”こと江戸川しのぶ(夏帆)に吾郎が押しつけたことを証言させ、再審請求しようという目的があったのです。

 その吾郎・監禁シーンと、カヨたちが女子刑務所で出会い親密になっていく6年前のシーンが行き交うカタチでドラマは展開。前回まではしのぶが入所、妊娠発覚、出産という流れが描かれました。

 さて、今回は勇介と名付けた男の子を無事に出産したしのぶが、刑務所に戻ってきたところからスタート。しのぶだけでなく、「母性がドバドバ出ちゃう」と言いながら子育てに協力するカヨたちの愛情も受け、勇介はスクスクと成長します。しかし、幸せな時間には限りが。規則により、刑務所内で一緒に生活できるのは最長でも1年半と決まっているのです。

 いつしかカヨたちだけでなく他の囚人や刑務官たちからも可愛がられるようになる勇介。しかし時の流れは早く、遂にしのぶの元から離されてしまう日が訪れます。乳児園か親戚か、勇介の引き渡し先の選択を迫られたしのぶは、絶縁状態だった母親に預けることに決めます。

 そして迎えたお別れの日。しのぶだけでなく遠巻きに見ているカヨたちも号泣する中、しのぶの母親に勇介が引き取られるのですが、迎えに来た車内からは吾郎が登場。勇介の存在を口止めしたハズなのに、しのぶの母親が裏切ったのです。吾郎に殺人教唆の濡れ衣を着せられただけでなく、愛する我が子まで奪われてしまったしのぶが絶望に打ちひしがれ、慟哭したところで今回は終了となりました。

 さて感想。初回から第3話目あたりまでは女優陣のテンポが悪く、クドカンの持ち味ともいえるクスっと笑わせるようなサブカルネタの台詞もキレを欠いていたため、正直レビュー書きの仕事をしていなければ観るのを止めていたかもしれません。ただ、前回から少しずつクドカンワールドの魅力が発揮され始め、今回はさらに面白味が増したため途中離脱しなくて良かったと心底思いました。

 特に、これまでダダ滑りしている感が強かった、吾郎・監禁シーンでの女優陣の歯車がカチッとハマり始めたような印象を受けました。例えば、吾郎から「おばさん」呼ばわりされてカヨたちがキレる、というパターンがこれまで何度も繰り返されていました。それがあまりにしつこかったため辟易していたのですが、今回はカヨたちが怒って吾郎に詰め寄っていく際、いつもふたばだけが参加していないというツッコミが入ったことで、これまでとは違った流れになり笑いが生まれたのです。

 ふたばを演じる満島は現在31歳ということで、小泉らと比べれば確かにおばさんではありません。しかし、微妙な年齢ではあります。「おばさん」という言葉に反応しない小さなプライドや、規律を重んじるクソ真面目な性格も相まって面白味が増すと同時に、これまでの放送を見直したところ確かにツッコミに参加していなかったため、改めて笑ってしまいました。例えるならば、バラエティ番組でひな壇芸人たちが皆オーバーリアクションする中、ただひとり立ち上がらずに冷静でいる土田晃之的な面白さといったところでしょうか。

 また、カヨたちの怒りを買ってしまったことでツッコミに加わるものの、“とりあえず参加しました”という態度が露骨に出てしまうため、さらに怒りを増幅させてしまうというやり取りは、ドラマというよりも小劇団の舞台を見ているような可笑しさがありました。今回のドラマを制作するにあたり宮藤は、自分は何が1番書きたいのか? という自問をした結果、「おばちゃんのお喋りを書いている時が一番楽しい」という結論に至り、大好きな女優をキャスティングしてもらったとのことですが、その成果が表れ始めたようです。

 現代のシーンで笑わせる一方、勇介との別れで泣かせるという緩急の付け方も見事。また、車内から吾郎が登場した際のまるで悪魔が降り立ったような演出も効いていました。今まではあまり悪い男といった感じがしなかった吾郎ですが、同シーンにより一気に憎さが増した印象です。ここからどのようにして復讐計画が立ち上がっていくのか、今後の展開に目が離せません。
(文=大羽鴨乃)

調停中の松居一代を“面白おばさん”として登場させたTBS『ビビット』に批判殺到!

 夫の船越英一郎と調停中のタレント・松居一代をキャスティングした朝の情報番組『ビビット』(TBS系)に対し、嫌悪感を訴える視聴者が相次いでいる。

 松居にとっては、これが騒動後、テレビ初出演。15日の放送では、作家でタレントの遥洋子とともにロケを実施。静岡県熱海市で“終の住処”を探すため、あらゆる物件を見て回った。

 自身が還暦を迎えたことにちなみ、若々しい赤いチェックのワンピース姿で登場した松居は、冒頭から「はーい、どーもみなさん、おはようございます。松居一代ですぅ~」とハイテンション。「私、ハッピーだもん!」「(家を掃除をして)愛が注ぎ込まれると、おうちってキラキラして、すごい幸せ運んでくれるんだよぉ」「私は還暦過ぎて、もう次の世界に来てるよ」とポジティブ発言を連発した。

 さらに、現在のひとり暮らしについては「全然さみしくない」といい、「私すごーく1人でしゃべってんだもん」「おはよー! おはよー! 帰ってきたら、帰ってきたよー! ってやってんの」と、自宅のソファーやテーブルなどに話しかけていると語った。

 また、自身の騒動にも言及。動画撮影時の状況について、「衣装もいらない、化粧代もいらない、全部素顔だから。髪の毛チュチュチューってやって(整えて)、『(怖い表情で)松居です』って、こういう感じだったからさ。すごいさ、な~んにも時間いらないのよ(笑)」と楽しそうに話していた。

 VTRが明けると、司会の国分太一は「ハードな『王様のブランチ』(同)を見てるような」と笑いながらコメント。コメンテーターのオリエンタルラジオ・中田敦彦も「めちゃめちゃ面白かったです」と感想を述べたが、ネット上では「この“本人ものまね”って、笑っていいものなのか?」「朝から松居一代見たくない」「笑顔がすげー怖い」と戸惑う視聴者の声が殺到。

 松居を起用した『ビビット』に対しても、「悪趣味にもほどがある」「視聴率やばいから焦ってるのか?」「せめて調停が終わってからにすればいいのに」といった声が上がっている。

 松居といえば、6月下旬に「1年5カ月も尾行され続けている」などとブログに綴ったほか、7月上旬に「船越英一郎 裏の顔」と題した告発動画をYouTubeに投稿。「バイアグラを使ってセックスをしまくっていた」などと船越を激しく糾弾していた。

 これを受け、船越が所属するホリプロは7月下旬、名誉毀損や業務妨害などを理由に松居を提訴する準備に入ったと表明。9月4日にに行われた第1回目の離婚調停以降、泥沼のバトルが続いている。

「『ビビット』は視聴率3%台が続き、年内での打ち切り説も浮上している。松居を出演させたのも、そんな焦りの表れでしょう。しかし、ただの離婚問題ならともかく、松居の場合は名誉毀損や業務妨害のみならず、船越の自宅への不法侵入などの疑いもかけられている。そんな松居を“面白おばさん”としてしれっとロケ企画に登場させた『ビビット』に、視聴者が疑問を抱くのも当たり前。世間では船越に同情する声が圧倒的ですし、何より騒動から半年も経っていませんからね……」(芸能記者)

『ビビット』では、何事もなかったかのように笑顔を振りまいていた松居。騒動時、「芸能界に未練はない」と明かしていた松居だが、テレビ業界は今後も松居を担ぎ出すつもりなのだろうか?

調停中の松居一代を“面白おばさん”として登場させたTBS『ビビット』に批判殺到!

 夫の船越英一郎と調停中のタレント・松居一代をキャスティングした朝の情報番組『ビビット』(TBS系)に対し、嫌悪感を訴える視聴者が相次いでいる。

 松居にとっては、これが騒動後、テレビ初出演。15日の放送では、作家でタレントの遥洋子とともにロケを実施。静岡県熱海市で“終の住処”を探すため、あらゆる物件を見て回った。

 自身が還暦を迎えたことにちなみ、若々しい赤いチェックのワンピース姿で登場した松居は、冒頭から「はーい、どーもみなさん、おはようございます。松居一代ですぅ~」とハイテンション。「私、ハッピーだもん!」「(家を掃除をして)愛が注ぎ込まれると、おうちってキラキラして、すごい幸せ運んでくれるんだよぉ」「私は還暦過ぎて、もう次の世界に来てるよ」とポジティブ発言を連発した。

 さらに、現在のひとり暮らしについては「全然さみしくない」といい、「私すごーく1人でしゃべってんだもん」「おはよー! おはよー! 帰ってきたら、帰ってきたよー! ってやってんの」と、自宅のソファーやテーブルなどに話しかけていると語った。

 また、自身の騒動にも言及。動画撮影時の状況について、「衣装もいらない、化粧代もいらない、全部素顔だから。髪の毛チュチュチューってやって(整えて)、『(怖い表情で)松居です』って、こういう感じだったからさ。すごいさ、な~んにも時間いらないのよ(笑)」と楽しそうに話していた。

 VTRが明けると、司会の国分太一は「ハードな『王様のブランチ』(同)を見てるような」と笑いながらコメント。コメンテーターのオリエンタルラジオ・中田敦彦も「めちゃめちゃ面白かったです」と感想を述べたが、ネット上では「この“本人ものまね”って、笑っていいものなのか?」「朝から松居一代見たくない」「笑顔がすげー怖い」と戸惑う視聴者の声が殺到。

 松居を起用した『ビビット』に対しても、「悪趣味にもほどがある」「視聴率やばいから焦ってるのか?」「せめて調停が終わってからにすればいいのに」といった声が上がっている。

 松居といえば、6月下旬に「1年5カ月も尾行され続けている」などとブログに綴ったほか、7月上旬に「船越英一郎 裏の顔」と題した告発動画をYouTubeに投稿。「バイアグラを使ってセックスをしまくっていた」などと船越を激しく糾弾していた。

 これを受け、船越が所属するホリプロは7月下旬、名誉毀損や業務妨害などを理由に松居を提訴する準備に入ったと表明。9月4日にに行われた第1回目の離婚調停以降、泥沼のバトルが続いている。

「『ビビット』は視聴率3%台が続き、年内での打ち切り説も浮上している。松居を出演させたのも、そんな焦りの表れでしょう。しかし、ただの離婚問題ならともかく、松居の場合は名誉毀損や業務妨害のみならず、船越の自宅への不法侵入などの疑いもかけられている。そんな松居を“面白おばさん”としてしれっとロケ企画に登場させた『ビビット』に、視聴者が疑問を抱くのも当たり前。世間では船越に同情する声が圧倒的ですし、何より騒動から半年も経っていませんからね……」(芸能記者)

『ビビット』では、何事もなかったかのように笑顔を振りまいていた松居。騒動時、「芸能界に未練はない」と明かしていた松居だが、テレビ業界は今後も松居を担ぎ出すつもりなのだろうか?

『シン・ゴジラ』の裏で14.5%の『陸王』リトグリの「Jupiter」は、うるさい? 効果的?

 エーブリデーアイリッスントゥーマイハー♪

 というわけで、毎度クライマックスに大音量で流れ出すLittle Glee Monsterの「Jupiter」にもだいぶ慣れてきた日曜劇場『陸王』(TBS系)は第4話。視聴率は14.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と安定水準です。しかも、裏ではテレビ朝日が『シン・ゴジラ』のテレビ初放送をぶつけてきてましたので、なおさら『陸王』の強さが際立ちます。

 というわけで、今回も振り返りです。

前回までのレビューはこちらから

 マラソン足袋のソールとして、前代未聞の最適素材「シルクール」の開発に成功した「こはぜ屋」の宮沢社長(役所広司)は、超ゴキゲン。開発チームを飲み会に集め「陸王を世界一のシューズにする」と夢を語ります。当然、みんなも大賛成。まずは、シューズを作るきっかけを与えてくれたダイワ食品の実業団ランナー・茂木くん(竹内涼真)に陸王を履いてもらうことを目標に掲げます。

 今回はそんな茂木くんが、陸王に足を入れてくれるまでのお話。

「半腱様筋の損傷」という、ランナーとしては致命的な故障を抱えている茂木くん。一流メーカー「アトランティス」とのサポート契約も打ち切られ、意気消沈しています。

 なんとか故障を克服し、チームドクターから“完治”のお墨付きをもらった茂木くんでしたが、アトランティスに「治ったらサポート再開」の約束を反故にされてしまいます。いわく「半腱様筋の損傷からトップランナーに復帰した例は、過去に0人」だからだそうです。所属する実業団から「若いうちに陸上部を辞めとけ」と迫られていたこともあって、心を痛めるばかりです。

 ある意味で、そんな茂木くん以上に心を痛めていたのが、アトランティスの社員シューフィッター・村野さん(市川右團次)でした。選手のことを第一に考え、長距離界では“カリスマ”とも呼ばれるほど選手たちの信頼も厚い村野さんは、「必ずアトランティスで茂木のシューズを作ってやる」と約束していたのです。しかし、しょせんは大企業の一社員ですので、上司・小原(ピエール瀧)の「サポート打ち切り」の指示に逆らうことはできません。そこで、信念の男・村野さんは、アトランティスを辞めることにしました。

 無職となったカリスマは、「大企業はもういい」と言います。そして、夢を語る宮沢社長にほだされ、こはぜ屋とアドバイザリー契約を結ぶことに。こはぜ屋にとっては、これ以上ない強力な味方となります。

 

■仕事は「人」であるという作品哲学の象徴

 

 宮沢社長は、何度もダイワ食品陸上部を訪れ、監督・城戸(音尾琢真)や茂木くん本人に「陸王を履いてくれ」「足型を採らせてくれ」とお願いしてきましたが、なしのつぶてでした。しかし、ここで村野さんの“村野力”が爆発。茂木くんの足型なんてとっくに持っていますし、宮沢社長と一緒に陸王の茂木モデルを抱えてダイワに乗りこめば、監督も顔パスでグラウンドに通すしかありません。茂木くんも茂木くんで、村野さんが持ってきたシューズなら履いてみたくなっちゃう。

 この作品で再三語られてきたのは、仕事とは「人」であるという哲学です。

 シューズメーカーの経営者として、宮沢社長は何も持っていません。資金もないし、ノウハウもないし、技術も実績も経験ない。あるのは夢と情熱だけ。その夢と情熱が、まずは縫製のエキスパートである足袋屋のおばちゃんたちを動かし、シルクレイの特許を持っていた飯山(寺尾聰)を動かし、カリスマシューフィッターも動かす。銀行員・坂本(風間俊介)は、次から次へとキーパーソンを呼び寄せる。みんながみんな、損得抜きで宮沢社長の力になろうと駆けずり回る。

 プロジェクトを前に進めるのは、いつだって宮沢社長以外の人物が持っている「ノウハウと技術と実績と経験」です。宮沢社長が、ものすごい顔面で夢を語ると、みんなが「ノウハウと技術と実績と経験」によって物事を解決していく。それは「人」を見つめ、「人」を大切に思う宮沢社長の性根のよさによるものでもありますが、そんなに都合よくみんながみんな足りないパーツを持ち寄って奇跡を起こすことなんてあるんかいな、と斜めに見てしまいそうになる。

 毎回、後半になって「そんな都合のいいことあるんかいなー」と思い始めたタイミングで、リトグリちゃんが大音量で歌い上げるわけですよ。

 エーブリデーアイリッスントゥーマイハー、ひとりじゃぁなぁーいー♪

 ここまでバッチリと歌詞を聞かせる劇伴には、当初から賛否があったようです。

 深いぃー胸の奥でぇえー、つながってぇるぅー♪

 補強してるな、と感じるんです。歌詞を聞かせることで、物語の哲学を補強してる。歌声によって、私たちの雑念(?)を、力ずくでねじ伏せようとするのが、このリトグリちゃんの歌に任された役割なのでしょう。だからこそ、物語にすんなり感動できている視聴者に対しては、うるさく感じられてしまうのかもしれません。

 

■“怖い人たち”が怖すぎた件について

 

 このドラマで、原作以上に怖い人として登場しているのが、アトランティスの小原と、ダイワの城戸監督です。特に城戸監督のエキセントリックともいえる激情芝居は、ちょっと過剰なんじゃないのかと思っていました。

 今回、この城戸監督の怖さが、村野がこはぜ屋を伴って現れたときに、非常に効果的に作用したと思いました。あんなにめっちゃ怖い城戸監督がすんなり道を開けてしまう、敬意を表してしまうほど、村野という人間の陸上界における実績が偉大なのだ、という意図が、より明確に伝わってきました。

 もうひとつ、陸王を履いて記録会に参加し、最後は脚がつって倒れてしまったものの快走を見せた茂木くんに対し「サポートを取り戻せ」と部下に命じた小原。常に会社の利益優先、効率優先な“悪役”として登場していましたが、選手の走りを見る能力は本物であることが示されました。これも、小原を悪役一辺倒に描いてきただけにギャップが利いて人物像が一気に広がったように思います。

 このへんは原作には描きこまれていない演出の妙で、上手いよなぁと素直に感じ入るところです。

 それと、第2話で城戸監督が茂木くんに「お前は終わりだ! ──ミッドフット着地を身につけなければ」と倒置で言ったり、今回、茂木くんが記録会の後、宮沢社長に「この靴のせいです。──走っていて、こんなに気持ちのいいシューズは初めてです」と倒置で言ったりするところは、原作には描きこまれていない脚本の妙で、上手いよなぁと素直に感じ入るところでした。

 あと、宮沢社長が息子・大地(山崎賢人)に「茂木選手のファンなんだべ?」と尋ねたシーンがありましたが、私は埼玉北部の出身なので、この「だべ?」には素直に感じ入りました。

 まだ4話で、ずいぶん原作を消化しているので後半のダレが心配ではありますが、次回以降も楽しみたいと思います。はい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

TBS吉田明世アナの「即日復帰」に見る厳しい各局女子アナ事情 即戦力採用のテレ東が風穴を開ける

 TBSの吉田明世アナウンサーが10月29日の『サンデー・ジャポン』生放送中に貧血で途中退席するというハプニングがあった。しかし、翌日朝8時からの『ビビット』の生放送で復帰。さらに同日午後1時からのTBSラジオ『たまむすび』の生放送にも出演し、「『ビビット』も『たまむすび』も休んでいいよと言われた」と明かしつつも、1日寝て回復したとのことで、仕事に即復帰したのだという。

 生放送中にろれつが回らなくなり、そのまま退席するという緊急事態があったのに、翌日朝から生放送に復帰というハードなスケジュールに批判も多い。

「女子アナとはいえ会社員ですから、業務中に体調を崩したのであれば、1日くらいは休ませてもいいはず。本人の意志で即復帰したとはいえ、働かせすぎな印象は否めません」(芸能記者)

 そうはいうものの、TBSとしても吉田アナを休ませたくないという事情もある。

「吉田アナは入社7年目。TBSのエース的存在で、そこに代わる女子アナがいないというのが現状です。しかも、1年後輩の林みなほアナは10月から産休に入っているということもあって、特に中堅クラスが手薄になっている。4年目の宇垣美里アナなどは人気はありますが、番組スタッフとしてはまだ安定感が足りないという印象で、吉田アナに頼らざるをえないというわけです」(テレビ局関係者)

 女子アナの台所事情が厳しいのは、TBSに限ったことではない。かつては、人気女子アナの宝庫だったフジテレビもスター不在が続いている。

「加藤綾子という大エースが退社してからというもの、小粒なメンツしか残っていません。『めざましテレビ』『ノンストップ!』と出演番組が多い山崎夕貴アナはスタッフからの信頼度は高くても人気はイマイチ。三田友梨佳アナや宮澤智アナも伸び悩んでいます。10月からは1年目の海老原優香アナを『とくダネ!』のアシスタントに抜擢しましたが、お人形のように座っているだけで、まったく仕事をしていません。局は海老原アナに相当な期待を寄せているようですが、前途多難ですね」(同)

 日本テレビやテレビ朝日も似たような状況だ。

「日テレは水卜麻美アナという絶対的な存在がいて、その下に徳島えりかアナが控えているという感じ。それ以外の女子アナは人気も知名度も低く、結構厳しいですね。テレ朝も、小川彩佳アナや竹内由恵アナといった中堅クラスは安定していますが、若手はまだまだです」(同)

 そんな中、即戦力採用でどうにか頑張っているのがテレビ東京だ。

「2016年、17年と地方局での活動歴があるアナウンサーを採用しています。2年目の元北海道テレビ・西野志海アナは『今から、西野アナが行きますんで』という深夜の冠番組を持っていますし、同じく2年目の元RKB毎日放送・福田典子アナは『モヤモヤさまぁ~ず2』の3代目アシスタントとして活躍中。入社1年目の元関西テレビ・竹崎由佳アナは10月から夕方の帯番組『よじごじDays』のメインパーソナリティーに抜擢されました。テレ東の女子アナは元々少数精鋭ですが、ここにきて経験者を次々と採用することで、その戦力平均値が一気に上がっているといえるでしょう」(同)

 次世代の女子アナスターがなかなか登場せず、中堅人気アナに頼りがちな各キー局。テレビ東京のように、これまでとは異なるアプローチでの戦力補強が必要となってきたのかもしれない。

TBS吉田明世アナの「即日復帰」に見る厳しい各局女子アナ事情 即戦力採用のテレ東が風穴を開ける

 TBSの吉田明世アナウンサーが10月29日の『サンデー・ジャポン』生放送中に貧血で途中退席するというハプニングがあった。しかし、翌日朝8時からの『ビビット』の生放送で復帰。さらに同日午後1時からのTBSラジオ『たまむすび』の生放送にも出演し、「『ビビット』も『たまむすび』も休んでいいよと言われた」と明かしつつも、1日寝て回復したとのことで、仕事に即復帰したのだという。

 生放送中にろれつが回らなくなり、そのまま退席するという緊急事態があったのに、翌日朝から生放送に復帰というハードなスケジュールに批判も多い。

「女子アナとはいえ会社員ですから、業務中に体調を崩したのであれば、1日くらいは休ませてもいいはず。本人の意志で即復帰したとはいえ、働かせすぎな印象は否めません」(芸能記者)

 そうはいうものの、TBSとしても吉田アナを休ませたくないという事情もある。

「吉田アナは入社7年目。TBSのエース的存在で、そこに代わる女子アナがいないというのが現状です。しかも、1年後輩の林みなほアナは10月から産休に入っているということもあって、特に中堅クラスが手薄になっている。4年目の宇垣美里アナなどは人気はありますが、番組スタッフとしてはまだ安定感が足りないという印象で、吉田アナに頼らざるをえないというわけです」(テレビ局関係者)

 女子アナの台所事情が厳しいのは、TBSに限ったことではない。かつては、人気女子アナの宝庫だったフジテレビもスター不在が続いている。

「加藤綾子という大エースが退社してからというもの、小粒なメンツしか残っていません。『めざましテレビ』『ノンストップ!』と出演番組が多い山崎夕貴アナはスタッフからの信頼度は高くても人気はイマイチ。三田友梨佳アナや宮澤智アナも伸び悩んでいます。10月からは1年目の海老原優香アナを『とくダネ!』のアシスタントに抜擢しましたが、お人形のように座っているだけで、まったく仕事をしていません。局は海老原アナに相当な期待を寄せているようですが、前途多難ですね」(同)

 日本テレビやテレビ朝日も似たような状況だ。

「日テレは水卜麻美アナという絶対的な存在がいて、その下に徳島えりかアナが控えているという感じ。それ以外の女子アナは人気も知名度も低く、結構厳しいですね。テレ朝も、小川彩佳アナや竹内由恵アナといった中堅クラスは安定していますが、若手はまだまだです」(同)

 そんな中、即戦力採用でどうにか頑張っているのがテレビ東京だ。

「2016年、17年と地方局での活動歴があるアナウンサーを採用しています。2年目の元北海道テレビ・西野志海アナは『今から、西野アナが行きますんで』という深夜の冠番組を持っていますし、同じく2年目の元RKB毎日放送・福田典子アナは『モヤモヤさまぁ~ず2』の3代目アシスタントとして活躍中。入社1年目の元関西テレビ・竹崎由佳アナは10月から夕方の帯番組『よじごじDays』のメインパーソナリティーに抜擢されました。テレ東の女子アナは元々少数精鋭ですが、ここにきて経験者を次々と採用することで、その戦力平均値が一気に上がっているといえるでしょう」(同)

 次世代の女子アナスターがなかなか登場せず、中堅人気アナに頼りがちな各キー局。テレビ東京のように、これまでとは異なるアプローチでの戦力補強が必要となってきたのかもしれない。

11.9%安定の綾野剛主演TBS『コウノドリ』は「ダメ夫を成敗する水戸黄門」か

 周産期医療センター(出産の前後を通して、産科と新生児科で連携した医療体制のとれる病院)を舞台に、医師や助産婦、妊婦やその家族との悲喜こもごもと、生命の誕生の素晴らしさや厳しさを描く医療ヒューマンドラマ『コウノドリ』(TBS系)。

 中盤にさしかかる第4話の視聴率は13.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と自己最高を記録。さっそく振り返ってみたい。

 

■新人にスポットが

 

 このシリーズから、新人研修医としてペルソナ総合医療センターの産科に加わっている赤西吾郎(宮沢氷魚)。産科での研修も終盤に差し掛かる中で、今ひとつ身の入らない仕事ぶりを続けていたが、安易な判断で患者の妊婦を危険にさらすミスを犯してしてしまう。

 それを先輩の産科医・四宮(星野源)に咎められるも、反省するどころか「いいんじゃないですかね? ま、何もなかったんだし(笑)」とヘラヘラする始末。それは直属の先輩医師である下屋(松岡茉優)にビンタされてしまうほどだ。

 産婦人科病院の二世でもある赤西に対し、四宮は「これだからジュニアは使えない」と皮肉を込める。人材不足で忙しい職場において平然と定時に仕事を切り上げては、またしても下屋をイラつかせる毎日。新規加入したものの、初回から今ひとつ見せ場のなかった赤西にようやくスポットが?

 

■陣痛に耐えたら愛情が湧く?

 

 今回の患者は、2人目の出産を間もなくに控えた秋野蓮(安めぐみ)。まだ幼い長女につらく当たってしまう自分が嫌で、今回は帝王切開ではなく自然分娩で産みたいと考えている。

「陣痛を味わって産道を通して産んだ方が、この子(お腹の子)に愛情が湧くんじゃないか」「痛みから逃げた、楽して産んだから、上の子の子育てもうまくいってないんじゃ?」という理屈らしい。

 このように、過去に帝王切開を経験したことある妊婦が、お腹を切らずに経膣分娩(自然分娩)に挑戦することをトーラック(TOLAC)といい、原作コミックによるとアメリカでは保険会社が医療費を抑えるために広めたらしいが、この「お腹を痛めて産んでこそ子どもに愛情を持てる」という根拠のない根性論は、耐えることを美徳とする日本人の心情に合っているのか、確かにもっともらしく、よく語られている気がする。

 主治医の鴻鳥(綾野剛)によると、トーラックにはもちろんリスクがあり、

・かつての帝王切開時の傷が裂ける子宮破裂の可能性があり、その場合、子どもの後遺症や母子の命に関わる場合もある。(確率は5/1000)

・トーラック成功率は7割、危なかったら途中から緊急帝王切開に切り替える。

 ……と伝えられるも、「産道を通した方が、子どもに対する愛情が違うんですよね?」と蓮の決意は固い。

 助産師の小松(吉田羊)は、その理屈を「思い込み」だという一方で、「それでもお腹を痛めて産みたいって思うものなの」と理解を示す。

 蓮はことあるごとに、夫の壮太(前野朋哉)に相談するのだが、仕事の忙しさにかまけて今ひとつ……ふたつほど親身になってくれない。このドラマでお馴染み「とにかく旦那がわかってない」案件である。

「ま、俺はなんでもいいよ」「好きな方法でいいんじゃないかな」「ごめん風呂入ってくる」と、今回も見事に女性の側をイラつかせる。陣痛が始まった蓮を病院に送った時も、出産する時間は何時か? と、まるで映画の上映時間かなんかのように尋ね、それまで同僚と屋形船で飲み会をしようとしていたほどの傑物だ。

 長女の育児に関しても、たいして育児に関わってなさそうな壮太は他人事のように「もっと余裕を持って接してあげたら?」と言い放ち、当事者である蓮と「朝バタバタしてるのに、そんな余裕なんてもてないよ!」とぶつかってしまう。残念ながら日本の育児でありがちな対立なのかもしれないが、こういうこともあって蓮は藁にもすがる思いでトーラックに挑みたいようだ。

 

■今回の「鴻鳥 vs 四宮」

 

「妊婦の希望に沿ってあげましょう」という鴻鳥に対し、「お前のその優しさのせいで、妊婦はもちろん、俺たちも余計なリスクを背負わされるんだ」「夜間に子宮破裂が起きたらもっと危険だ」と反発する四宮。

 前回の放送ではBLに発展しそうなほど見つめ合い、理解し合う様子を見せていたのに、また周囲が気まずくなるほどの衝突。というか、主にけしかけてるのは四宮で、もめ出すのも四宮なら、最後に態度を軟化させ我々をキュンとさせてくれるのも四宮だ。今回も、もはや主役といっていいほど見せ場のほとんどを四宮が生み出しており、おそらくキャラクター人気投票をしたら主役を差し置いて1位になってしまうであろう美味しい立ち位置。従来なら星野と綾野は逆のキャスティングの方がイメージ通りのはずだが、あえて外したところが功を奏しているように見える。

 鴻鳥も「僕らの仕事は妊婦にトーラックをやめさせることじゃないよ」「忙しくて余裕がないから妊婦の希望に添えないなんて、根本が間違ってるんじゃないかな」と物腰こそやわらかいが、譲らない。荒れた空気を読んで、上司として人員不足を詫びることで場を収めようとする今橋医師(大森南朋)が健気だ。

 2人がいない場所で「(鴻鳥)サクラと四宮、あの2人、仲いいんだか悪いんだかわからないですよね!」と後輩の下屋が愚痴るが、ごもっとも。

 しかし、小松いわく「でも考えてることは一緒なんだよ、最終的には妊婦さんのこと、そして家族のことを誰よりも考えている」らしい。実際その通りなのだろうが、原作では、直前に小松が、揉める2人を「そういうの余所でやってくんない? (食事の)味がわかんなくなるんだよ」と一喝していた。ドラマではそこが描かれていないので、単に安易に2人の関係性を言葉だけで説明してしまっているように見えたのが残念だ。

 

■トーラックは成功しなかったが……

 

 結局、トーラックを実施し自然分娩に挑むが、出産は難航し、それでも蓮は頑なに帝王切開を拒否する。しかし、長女の泣きながらの「ママ、がんばってる(だからもういいじゃん)」という一言で自身の考えを改め、途中から帝王切開に切り替え、無事出産。子どもにもっと愛情を持てるのでは? という想いから始めたトーラックだが、その想いは違う形で成就されたようだ。余談だが「安めぐみ」って、これ以上ないくらいの安産ネームだ。

 赤西は「なんで危険を冒してまで自然分娩にこだわるのか? 帝王切開すればいいのに」と何の気なしに四宮に語るが、「まだ切らなくていいものを、なんで急いで切る必要がある? そんなの優しさでもなんでもない。それで産まれて、お前はお母さんに(妊婦)におめでとうって言えるのか?」とやり返されてしまう。

 ん?? 結局トーラックをすることに理解を示しているのか? ライバル鴻鳥のしていることを新人にわかったように言われたくなかったようだが、本当にややこしい性格だ。

 だが、赤西は四宮に背中を押されて陣痛で苦しむ出産現場を訪れ、結果的に帝王切開手術に初の「前立ち」と呼ばれる第一助手として参加。出産直後、メインで執刀した下屋を差し置き「おめでとうございます! 本当におめでとうございます!」と蓮に興奮気味に声をかけ、下屋に引かれる。産科研修の最後にして、ようやく何かを掴んだ様子だが、またしてもキーマンは四宮だ。

 しかも四宮が赤西を「ジュニア」と呼んで執拗に小馬鹿にしていたのは、自分も実は産科医の息子で、かつてそう呼ばれていたことに由来しているらしく、四宮なりの非常にわかりにくいエールのようだ。目立ちすぎだぞ四宮。

 

■もう一組のゲスト夫妻

 

 肺に疾患があり、鼻から挿管されている子どもを新生児集中治療室(NICU)に預けている青木夫妻(木下優樹菜・パーマ大佐)。しかし連絡もなく2人でのんきに旅行に行き、その他人事具合を新生児科医の白川(坂口健太郎)に注意されてしまう。

「もう家族なんです。夫婦で楽しむことはもちろん大事ですが、これからは家族で楽しむことも考えてみてください」非常に短い出番だったためか、怒られるためだけにやってきたかのようなゲスト人選だと勘ぐってしまう。

 

■四宮の恋?

 

 何話かにわたり四宮と旧知の様子で接していたシングルマザーの倉橋恵美(松本若菜)。子どもをペルソナのNICUに預けているが、四宮とは医師と患者以上の関係がありそうで、それを勘ぐる白川が一人で勝手にドタバタとコメディーしていたのだが、その正体が明らかに。なんのことはない倉橋は研修医時代に四宮や鴻鳥らの下にいた後輩の産科医で、これにより数週に渡る白川の勘繰りはあっけなく終了。

 とはいえ、それでも四宮と倉橋には先輩後輩以上の感情があるようにも見え、だとしたら原作コミックにはない色恋沙汰な展開だ。

 倉橋は別れた夫に出産したことも告げずに復職を模索しているが、なかなか先が見えず行き詰まっている模様で、職を持つ女性の産休、復職問題も、このドラマでよく描かれるテーマとなっている。

 

■ダメな夫が成敗される水戸黄門

 

 あからさまに出産をナメていた蓮の夫・壮太だが、苦しむ妻や尽力する医師らを目の当たりにして自分の浅はかさを知る。

「まさか、こんなに大変だとは思いませんでした。女性は命がけで出産に立ち向かっているんですね」

「先生たちも大変ですね、僕たち夫婦のわがままを聞いてくれて本当にありがとうございます」

「バカなことを言ってすみませんでした」

 と、黄門様に悪代官が懲らしめられたかのような絵に描いた撃沈ぶりで、今回は特に勧善懲悪感が目立った。夫がわかりやすく謝罪する場面は原作になかったので、ドラマ化において、どの辺をターゲットにしているのかが見て取れる。ネットでの評判を見ても、物語そのものよりもダメな夫に対するいらだちの共感と自身の出産経験を思い出しての感動がメインのようで、やはりそこを意識して作られているのだろう。

 そのためか、感情移入のメイン媒体となるゲスト妊婦(母親)は、今まで実力派の女優が多かったのだが、今回は実力派というよりママタレありきのキャスティングだったため評判がいまいちなようで、ダメな夫役以上に引き受ける女優は大変そうだ。

 しかし本物の新生児を使う撮影は毎度リアルだし、デリケートな部分に気をつけつつ情報量の多い内容をうまくまとめあげているので、このまま人気シリーズとして安定しそう。

 個人的に今回一番気になったのは、帝王切開の最中に、メインの助手を初めて務める新人・赤西が、意識ある妊婦の目の前で何度も何度も叱られていたところ。素人バレバレの新人が何度も怒られながら自分の手術に関わってる状況って、単純に地獄だろうなって思いました。
(文=柿田太郎)

11.9%安定の綾野剛主演TBS『コウノドリ』は「ダメ夫を成敗する水戸黄門」か

 周産期医療センター(出産の前後を通して、産科と新生児科で連携した医療体制のとれる病院)を舞台に、医師や助産婦、妊婦やその家族との悲喜こもごもと、生命の誕生の素晴らしさや厳しさを描く医療ヒューマンドラマ『コウノドリ』(TBS系)。

 中盤にさしかかる第4話の視聴率は13.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と自己最高を記録。さっそく振り返ってみたい。

 

■新人にスポットが

 

 このシリーズから、新人研修医としてペルソナ総合医療センターの産科に加わっている赤西吾郎(宮沢氷魚)。産科での研修も終盤に差し掛かる中で、今ひとつ身の入らない仕事ぶりを続けていたが、安易な判断で患者の妊婦を危険にさらすミスを犯してしてしまう。

 それを先輩の産科医・四宮(星野源)に咎められるも、反省するどころか「いいんじゃないですかね? ま、何もなかったんだし(笑)」とヘラヘラする始末。それは直属の先輩医師である下屋(松岡茉優)にビンタされてしまうほどだ。

 産婦人科病院の二世でもある赤西に対し、四宮は「これだからジュニアは使えない」と皮肉を込める。人材不足で忙しい職場において平然と定時に仕事を切り上げては、またしても下屋をイラつかせる毎日。新規加入したものの、初回から今ひとつ見せ場のなかった赤西にようやくスポットが?

 

■陣痛に耐えたら愛情が湧く?

 

 今回の患者は、2人目の出産を間もなくに控えた秋野蓮(安めぐみ)。まだ幼い長女につらく当たってしまう自分が嫌で、今回は帝王切開ではなく自然分娩で産みたいと考えている。

「陣痛を味わって産道を通して産んだ方が、この子(お腹の子)に愛情が湧くんじゃないか」「痛みから逃げた、楽して産んだから、上の子の子育てもうまくいってないんじゃ?」という理屈らしい。

 このように、過去に帝王切開を経験したことある妊婦が、お腹を切らずに経膣分娩(自然分娩)に挑戦することをトーラック(TOLAC)といい、原作コミックによるとアメリカでは保険会社が医療費を抑えるために広めたらしいが、この「お腹を痛めて産んでこそ子どもに愛情を持てる」という根拠のない根性論は、耐えることを美徳とする日本人の心情に合っているのか、確かにもっともらしく、よく語られている気がする。

 主治医の鴻鳥(綾野剛)によると、トーラックにはもちろんリスクがあり、

・かつての帝王切開時の傷が裂ける子宮破裂の可能性があり、その場合、子どもの後遺症や母子の命に関わる場合もある。(確率は5/1000)

・トーラック成功率は7割、危なかったら途中から緊急帝王切開に切り替える。

 ……と伝えられるも、「産道を通した方が、子どもに対する愛情が違うんですよね?」と蓮の決意は固い。

 助産師の小松(吉田羊)は、その理屈を「思い込み」だという一方で、「それでもお腹を痛めて産みたいって思うものなの」と理解を示す。

 蓮はことあるごとに、夫の壮太(前野朋哉)に相談するのだが、仕事の忙しさにかまけて今ひとつ……ふたつほど親身になってくれない。このドラマでお馴染み「とにかく旦那がわかってない」案件である。

「ま、俺はなんでもいいよ」「好きな方法でいいんじゃないかな」「ごめん風呂入ってくる」と、今回も見事に女性の側をイラつかせる。陣痛が始まった蓮を病院に送った時も、出産する時間は何時か? と、まるで映画の上映時間かなんかのように尋ね、それまで同僚と屋形船で飲み会をしようとしていたほどの傑物だ。

 長女の育児に関しても、たいして育児に関わってなさそうな壮太は他人事のように「もっと余裕を持って接してあげたら?」と言い放ち、当事者である蓮と「朝バタバタしてるのに、そんな余裕なんてもてないよ!」とぶつかってしまう。残念ながら日本の育児でありがちな対立なのかもしれないが、こういうこともあって蓮は藁にもすがる思いでトーラックに挑みたいようだ。

 

■今回の「鴻鳥 vs 四宮」

 

「妊婦の希望に沿ってあげましょう」という鴻鳥に対し、「お前のその優しさのせいで、妊婦はもちろん、俺たちも余計なリスクを背負わされるんだ」「夜間に子宮破裂が起きたらもっと危険だ」と反発する四宮。

 前回の放送ではBLに発展しそうなほど見つめ合い、理解し合う様子を見せていたのに、また周囲が気まずくなるほどの衝突。というか、主にけしかけてるのは四宮で、もめ出すのも四宮なら、最後に態度を軟化させ我々をキュンとさせてくれるのも四宮だ。今回も、もはや主役といっていいほど見せ場のほとんどを四宮が生み出しており、おそらくキャラクター人気投票をしたら主役を差し置いて1位になってしまうであろう美味しい立ち位置。従来なら星野と綾野は逆のキャスティングの方がイメージ通りのはずだが、あえて外したところが功を奏しているように見える。

 鴻鳥も「僕らの仕事は妊婦にトーラックをやめさせることじゃないよ」「忙しくて余裕がないから妊婦の希望に添えないなんて、根本が間違ってるんじゃないかな」と物腰こそやわらかいが、譲らない。荒れた空気を読んで、上司として人員不足を詫びることで場を収めようとする今橋医師(大森南朋)が健気だ。

 2人がいない場所で「(鴻鳥)サクラと四宮、あの2人、仲いいんだか悪いんだかわからないですよね!」と後輩の下屋が愚痴るが、ごもっとも。

 しかし、小松いわく「でも考えてることは一緒なんだよ、最終的には妊婦さんのこと、そして家族のことを誰よりも考えている」らしい。実際その通りなのだろうが、原作では、直前に小松が、揉める2人を「そういうの余所でやってくんない? (食事の)味がわかんなくなるんだよ」と一喝していた。ドラマではそこが描かれていないので、単に安易に2人の関係性を言葉だけで説明してしまっているように見えたのが残念だ。

 

■トーラックは成功しなかったが……

 

 結局、トーラックを実施し自然分娩に挑むが、出産は難航し、それでも蓮は頑なに帝王切開を拒否する。しかし、長女の泣きながらの「ママ、がんばってる(だからもういいじゃん)」という一言で自身の考えを改め、途中から帝王切開に切り替え、無事出産。子どもにもっと愛情を持てるのでは? という想いから始めたトーラックだが、その想いは違う形で成就されたようだ。余談だが「安めぐみ」って、これ以上ないくらいの安産ネームだ。

 赤西は「なんで危険を冒してまで自然分娩にこだわるのか? 帝王切開すればいいのに」と何の気なしに四宮に語るが、「まだ切らなくていいものを、なんで急いで切る必要がある? そんなの優しさでもなんでもない。それで産まれて、お前はお母さんに(妊婦)におめでとうって言えるのか?」とやり返されてしまう。

 ん?? 結局トーラックをすることに理解を示しているのか? ライバル鴻鳥のしていることを新人にわかったように言われたくなかったようだが、本当にややこしい性格だ。

 だが、赤西は四宮に背中を押されて陣痛で苦しむ出産現場を訪れ、結果的に帝王切開手術に初の「前立ち」と呼ばれる第一助手として参加。出産直後、メインで執刀した下屋を差し置き「おめでとうございます! 本当におめでとうございます!」と蓮に興奮気味に声をかけ、下屋に引かれる。産科研修の最後にして、ようやく何かを掴んだ様子だが、またしてもキーマンは四宮だ。

 しかも四宮が赤西を「ジュニア」と呼んで執拗に小馬鹿にしていたのは、自分も実は産科医の息子で、かつてそう呼ばれていたことに由来しているらしく、四宮なりの非常にわかりにくいエールのようだ。目立ちすぎだぞ四宮。

 

■もう一組のゲスト夫妻

 

 肺に疾患があり、鼻から挿管されている子どもを新生児集中治療室(NICU)に預けている青木夫妻(木下優樹菜・パーマ大佐)。しかし連絡もなく2人でのんきに旅行に行き、その他人事具合を新生児科医の白川(坂口健太郎)に注意されてしまう。

「もう家族なんです。夫婦で楽しむことはもちろん大事ですが、これからは家族で楽しむことも考えてみてください」非常に短い出番だったためか、怒られるためだけにやってきたかのようなゲスト人選だと勘ぐってしまう。

 

■四宮の恋?

 

 何話かにわたり四宮と旧知の様子で接していたシングルマザーの倉橋恵美(松本若菜)。子どもをペルソナのNICUに預けているが、四宮とは医師と患者以上の関係がありそうで、それを勘ぐる白川が一人で勝手にドタバタとコメディーしていたのだが、その正体が明らかに。なんのことはない倉橋は研修医時代に四宮や鴻鳥らの下にいた後輩の産科医で、これにより数週に渡る白川の勘繰りはあっけなく終了。

 とはいえ、それでも四宮と倉橋には先輩後輩以上の感情があるようにも見え、だとしたら原作コミックにはない色恋沙汰な展開だ。

 倉橋は別れた夫に出産したことも告げずに復職を模索しているが、なかなか先が見えず行き詰まっている模様で、職を持つ女性の産休、復職問題も、このドラマでよく描かれるテーマとなっている。

 

■ダメな夫が成敗される水戸黄門

 

 あからさまに出産をナメていた蓮の夫・壮太だが、苦しむ妻や尽力する医師らを目の当たりにして自分の浅はかさを知る。

「まさか、こんなに大変だとは思いませんでした。女性は命がけで出産に立ち向かっているんですね」

「先生たちも大変ですね、僕たち夫婦のわがままを聞いてくれて本当にありがとうございます」

「バカなことを言ってすみませんでした」

 と、黄門様に悪代官が懲らしめられたかのような絵に描いた撃沈ぶりで、今回は特に勧善懲悪感が目立った。夫がわかりやすく謝罪する場面は原作になかったので、ドラマ化において、どの辺をターゲットにしているのかが見て取れる。ネットでの評判を見ても、物語そのものよりもダメな夫に対するいらだちの共感と自身の出産経験を思い出しての感動がメインのようで、やはりそこを意識して作られているのだろう。

 そのためか、感情移入のメイン媒体となるゲスト妊婦(母親)は、今まで実力派の女優が多かったのだが、今回は実力派というよりママタレありきのキャスティングだったため評判がいまいちなようで、ダメな夫役以上に引き受ける女優は大変そうだ。

 しかし本物の新生児を使う撮影は毎度リアルだし、デリケートな部分に気をつけつつ情報量の多い内容をうまくまとめあげているので、このまま人気シリーズとして安定しそう。

 個人的に今回一番気になったのは、帝王切開の最中に、メインの助手を初めて務める新人・赤西が、意識ある妊婦の目の前で何度も何度も叱られていたところ。素人バレバレの新人が何度も怒られながら自分の手術に関わってる状況って、単純に地獄だろうなって思いました。
(文=柿田太郎)