『アッコにおまかせ!』和田アキ子、『紅白』をネタを取り上げるも「忖度しまくり……」

『第69回NHK紅白歌合戦』の出場歌手が14日発表された。3年ぶりの返り咲きが期待された和田アキ子は、今年も落選となった。これを受け、18日の『アッコにおまかせ!』(TBS系)に注目が集まった。過去2年の落選後の放送では『紅白』の話題に一切触れず「違う時空が流れているかのよう」とネットで話題になっていたためだ。

 だが、今年の放送ではさすがに無視はできなかったのか、ニュースランキングの第7位に紅白の話題が取り上げられた。

「ニュースのVTRの右上にはスタジオの姿がワイプで映し出されていましたが、そこからも緊張感は感じられましたね。苦笑いの和田のほか、目が泳いでいるNON STYLE・井上裕介の姿などが見られました。ニュースでは『U.S.A.』で返り咲いたDA PUMPのほか、スーパー銭湯をめぐるアイドルで、今年初出場となった純烈の密着VTRが取り上げられました」(芸能ライター)

 これだけなら、普通のニュースともいえなくもない。だが、その直後に強力な「忖度」が働いたようだ。

「なぜか唐突に日本レコード大賞の話題が挟まれ、和田が5月に発売したBOYS AND MEN研究生とのコラボシングル『愛を頑張って』が企画賞を受賞したと取り上げられたのです。本年度のレコード大賞の企画賞は和田を含めて9組が受賞しています。いわば『努力賞』的なポジションのため、取り立てて強調するものでもないでしょう」(前出・同)

 さらに通常の放送ならば、ランキングの各ニュースに対するコメントタイムがある場合が多いが、この日の放送では、神戸で発生した巨額横領事件を集中的に取り上げた。続いて、東京ディズニーランドでのパワハラ訴訟、パンダのシャンシャンの独り立ち、日大アメフト部の悪質タックル問題で内田正人前監督不起訴、片山さつき議員の選挙違反問題など社会派の話題が取り上げられ、実質的に芸能ニュースはゼロ件であった。やはり今年も「違う時空」が流れていたのかもしれない。
(文=平田宏利)

『下町ロケット』不発だった……TBSに漂うあきらめムード「敗因は脚本家の変更」

「局内では、すでに『2は不発だった』という結論に達してますよ。演出の福澤克雄さんも『また来年だな』と、すでに匙を投げてますからね。やっぱり第2話でテレ朝の『おかしな刑事スペシャル』に負けたのが痛かったようです」(TBS関係者)

 阿部寛主演で、現在放送中のドラマ『下町ロケット』第2期(TBS系)。第6話までの平均視聴率が13.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、通常のドラマであれば大成功と言われる数字だが、前作と比較するとやはり物足りない結果となっている。

「前作が平均視聴率18.5%だったことから、当然、目標は20%でした。ところが、このままでは15%も怪しい雰囲気になっています。局内でも『キャスティングに奇をてらいすぎたんじゃないか』とか『ストーリーの展開が早すぎるんじゃないか』とか“戦犯探し”がすでに始まってますよ。今のところ、脚本家が変更になったことが“不発”の原因という風になりそうです」(ドラマスタッフ)

 すでに一部週刊誌でも報じられたように、来年には再び池井戸潤氏の原作でドラマ化が予定されている作品があるという。

「題材はラグビーで、同局でドラマ化もされた『ルーズヴェルト・ゲーム』のような作品になる予定だそうです。演出の福澤さんはラグビー部出身で、U-23日本代表としても活躍しましたし、来年はラグビーのW杯が日本で開催されるので話題性もある。放送は7月クールで、9月からはW杯本戦が始まるので、TBSもそこに向けていろいろな仕掛けを考えているようですから、今回の失敗はあまり気にしてないようですよ」(芸能事務所関係者)

 ヒットメーカーは転んでもただでは起きない!?

戸田恵梨香『大恋愛』7.6%に急落……「病人が、病人ゆえに危害を加える」という視点の難しさ

 これまで視聴率2ケタをキープしてきたドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』。16日に放送された第6話は、7.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と大幅に下落しました。サッカー日本代表の中継で30分遅れのスタートでしたし、裏の『金曜ロードSHOW!』は、みんな大好きハリー・ポッターでしたが、それにしても落ちましたねえ。なんでだろ。面白いのに。

 ともあれ、振り返りましょう。新展開です。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■「病気は怖くない」と、前半で描く

 前回、ベストセラー作家となった真司くん(ムロツヨシ)と結婚して、幸せラブラブなアルツハイマー・ガール尚ちゃん(戸田恵梨香)。真司くんが、尚ちゃんとの出会いをモチーフにして書いた小説『脳みそとアップルパイ』は20万部を超えるバカ売れ。ハードカバー1冊1,500円で印税10%とすると、2人の懐には3,000万円以上が転がり込んだことになります。さらに、尚ちゃんには6,000万円の貯金もありますし、クリニックと実家もある。ざっと数億はくだらない資産家夫婦となりました。新居のマンションもピッカピカ。

 披露宴で尚ちゃんは、みんなの前で「私、記憶を失っていく病気です」と告白しましたが、誰もが温かく見守ってくれているようで、一安心。もちろん、真司くんは一番の理解者ですし、尚ちゃん自身も「新しい論文を読んでも、新しいことから忘れちゃうし(笑)」と、自らの病状を明るく語れるくらい前向きになっています。一時は「もう死にたい」とか言っていた尚ちゃんでしたが、主治医の井原先生(松岡昌宏)からも、「前よりずっと良くなってる、幸せなんですね」「素敵な御主人で」とか言われて、わりとデレデレ。

 わりとデレデレでも、この作品で初めて尚ちゃんの「物忘れ」以外の症状が描かれました。だいぶしょっぱい引っ越し蕎麦を作ってしまったのです。柔らかいBGMと明るい撮影と満面の笑顔の中で、病状が着々と進行していることが語られました。

 とりあえず「ま、いっか」の精神で尚ちゃんを支えようとしている真司くんですが、やはり焦りがあるのかもしれません。ある夜、尚ちゃんに「子どもつくろう」と提案します。尚ちゃんは、「母親が記憶を失っていくのを見て、子どもは傷つかない?」「私は惨めじゃないの?」と逡巡しますが、井原先生のアドバイスもあって、新薬の治験で少しでも回復が見込めるようなら考えることにしました。

 また、尚ちゃんは井原先生が催す医学生向けの講演会で、自らがMCI(軽度認知障害)と診断されてからのことを話すことになり、日々、原稿作りやしゃべりの練習に余念がありません。もともと産科医だった尚ちゃん、もう患者を診ることはしないけれど、こうして医師として後輩の役に立てることに、大きな喜びを感じているようです。

 病気は大変だけど、本人が前向きになって周囲の理解があれば、きっと乗り越えられる……そんな希望が描かれたのが、今回の前半部分。

■「やっぱり病気は怖い」と、後半で描く

 今回、ニューキャラ登場です。年齢不詳の青年・松尾(小池徹平)が、2人の間をかき乱すことになります。

 松尾は、尚ちゃんと同じく井原先生の患者さん。尚ちゃんより先にMCIを患っており、尚ちゃんとは逆に、病気が判明した瞬間に奥さんに逃げられてしまったバツイチ男でした。仕事は保育士、周囲はフォローしてくれているものの、園長先生から「もう事務だけやれ」と迫られたり、悩みはいろいろあるようです。やたらと愛想がいいのが不気味です。

 この松尾、不気味どころか、とんだサイコ野郎でした。

 講演会で、マイクがハウリングを起こした拍子に失神してしまった尚ちゃんが運ばれていく姿を、物陰から眺めつつニッコリ。さらに、尚ちゃんの病室に無断で侵入すると、「しんじ……しんじ……」と朦朧としている尚ちゃんに「そうだよ、ここにいるよ」とか言いながら、キスしたりします。怖い。

 仕事先から駆けつけ、キス現場を目撃した真司くんは松尾を突き飛ばし、尚ちゃんの顔を覗き込みますが、尚ちゃんの口からは「誰……?」と。血の気が引いてしまう真司くん。

 真司くんはこのとき、『脳みそとアップルパイ』の続編を書こうと決意します。従来のピカレスクでエロティックな作風の新作を用意していたところでしたが、「夫を見失っていく妻を、自分が書かないで、誰が書くんだ」とのことで。このへんの作家心理はよくわかりませんが、まあそういうものなのでしょう。

 意識不明瞭な女性に準強制わいせつ行為を働いた松尾氏が、鼻歌を歌いながら病院の階段を小躍りで駆け下りつつ、次回へ。

 

■「病人が病気ゆえに健常者に危害を加える」という視点

 松尾、サイコじゃん! って話なんですが、松尾が尚ちゃんに一目惚れして、勝手に突っ走って、相手のスキをついて唇を奪う姿は、第1話で真司くんに向かって、色目という色目を使いまくって猛進していった尚ちゃんと重なる部分でもあります。

 突然、まるで取り憑かれたように、常識があるはずの大人の人間が“大恋愛”に落ちていく──それが病気の症状なのか、真実の恋なのか。オッサンになった小池徹平のほうは「病気でおかしくなってる」で、相変わらず美人の戸田恵梨香は「素敵な恋に落ちてる」と、そう切り分けて審判を下すことなど、誰にもできません。あるいは2人ともが性根に粗暴な恋愛体質を持ち合わせていたのかもしれないし、2人ともがMCIの症状によって、目の前に偶然現れた誰かを「運命の人」と勘違いしてしまったのかもしれない。

 尚ちゃんが真司くんの心を見事に奪い去ったように、松尾が尚ちゃんを奪おうと考えたって、それは誰が責められることじゃない。人妻だから、いいことじゃないけど、気持ちの問題としては理解されて然るべきなのです。

 一方で、松尾の行為は、平和に過ごそうとしている真司くんと尚ちゃんに、危害を加えるものですし、明らかに犯罪でもあります。

 精神病の患者が、その精神病ゆえに健常者に危害を加える。今後、真司くんが、松尾もまたMCI患者であることを知ったとしても、「病気だから、うちの奥さんがキスされても仕方ないね」と思えるものではないでしょう。愛する者の病気は、それはすべてを受け入れて、病気さえも愛することができるかもしれない。でも、奥さんにわいせつ行為を働く、憎むべき犯罪者の病気を、それでも受け入れるべきなのか。「病気は悪くない」と、堂々と言えるのか。

 さらに松尾は、MCIが発覚したことで奥さんに逃げられ、天涯孤独であることも語られました。ここでは、親の顔を知らない真司くんと同種の「孤独」を抱かせているわけです。松尾は、いわゆる“尚ちゃん側”でもあり“真司くん側”でもある。さらにMCIについて尚ちゃんより見識と経験が深いことにおいては、元婚約者の“井原先生側”でもある。むしろ井原先生にはないMCI罹患者としての実体験があるわけですから、尚ちゃんにとって最高の理解者にもなりえる。

 この松尾というキャラクター、実に複雑で悲しみを含んだ設定で投下されました。サイコな行為の裏に、深い絶望があるのです。視聴者である私は、もちろんそんな松尾の悲劇に心を痛めるでもなく「小池徹平、絶妙だな! おもしろーい!」と大いに喜んでいる今日この頃です。今後どうなるか、全然わからない『大恋愛』。今夜、第7話の放送は22時から。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

コウメ太夫「不審者侵入事件」、クロちゃん批判は「外見差別」? お笑い芸人の笑えない話

編集G 『NHK紅白歌合戦』の出場歌手も発表されて、いよいよ年末の雰囲気になってきたね。毎年慌ただしく年末年始を迎えるから、そろそろ穏やかに過ごしたいものだけど……。

しいちゃん 今週注目の穏やかさと無縁の事件といえば、「すっぴんが意外にイケメン」で知られるコウメ太夫の不審者侵入事件よ! 11月21日、『ノンストップ!』(フジテレビ系)にVTR出演し、11月17日に起きたその事件を明かしたの。家族と食事に出かけようとしたコウメ太夫が忘れ物を取りに自宅に戻ったところ、ベランダに見知らぬ男がいたんだって。「ここベランダなので、ウチの」と声をかけると、男は「何が言いてぇんだよ」と逆上。すぐに窓を閉めたけれど、男はガラスを割るほどの勢いでバンバン叩いてきて、「警察を呼んだんですけど、手が震えて110番も20秒くらいかかって。いろんなことが頭の中を巡って。怖いですよ」って……。警察が駆け付けた時には男はすでに逃走。

編集G うわーそれは怖い。ケガがなくてなによりだね。

しいちゃん コウメ太夫はこの恐怖体験が忘れられず、2日後にマンションを解約したそう。コウメ太夫は“一発屋”で当てたとき最高月収400万円もあり、その当時の貯金でアパートを一棟購入。今は芸人としての仕事がなくても毎月約36万円は確実に入ってくるんだってね。

編集G コウメ太夫の無駄な豆知識、ありがとう。いつか役立つ時がくるといいけど。

しいちゃん 2017年に2度の交通事故を起こして芸能活動を休止していたインパルスの堤下敦は、11月20日、自身の公式インスタグラムで、コンビでの活動再開を報告。『ネタパレ』(フジテレビ系)の楽屋に貼られた「インパルス様」という名前の写真とともに、「有り難いです。本当に感謝しかありません。ありがとうございます。関わってくださった全ての方に感謝です。本当にありがとうございます。11月23日オンエアです。是非ご覧ください」とコメント。堤下は、17年6月に睡眠薬を飲んだ直後に車を運転して自損事故、同年10月には2人に軽傷を負わせる人身事故を起こして謹慎、先月23日に約1年ぶりに活動を再開。12月4日から東京・中野で上演される舞台『悪夢のエレベーター~新宿2丁目Ver~』に出演することも決まっている。

編集G 堤下って俳優業もやってたんだ~。また役に立ちそうもない情報仕入れちゃったよ!

しいちゃん 復帰にあたってはネットでは「頑張ってほしい」という声があるものの、「笑えない」「甘すぎる」「解散したほうがいい」「テレビでは見たくない」「需要がない」と厳しい意見が多い。

編集G すごい、堤下にわざわざ意見するほど関心があることがすごい!

しいちゃん たびたび『水曜日のダウンタウン』(TBS系)での言動が炎上している安田大サーカスのクロちゃん。11月14日放送の同番組で、10月からスタートしたクロちゃん含む男女6人の共同生活による恋愛リアリティショー「MONSTER HOUSE」第3話を放送。クロちゃんは気になっている女性・蘭と2人きりでお酒を飲みながら「一番最初にいいと思ったのは蘭ちゃんだよ」と口説き始め、蘭から「別に(興味)なくはないよ」と言われると手をつなぎ、その後、計3回のキスに成功。蘭が部屋を出ていくと、彼女が座っていたところに顔をうずめて匂いを嗅ぎ、彼女のコップを舐め回し、ネット上で「キモすぎる」「吐き気がする」と大炎上してた。

編集G 狙い通りに炎上してよかったじゃん。

しいちゃん ゲスト出演したヒップホップグループ・BAD HOPのT-Pablowは「クロちゃんさんは顔がすごくイケメンだったとしたらめちゃくちゃモテるんじゃないかなと。女の人の接し方とかすごくうまい」とコメント。また、同番組の演出を手がける藤井健太郎氏は同日、自身のTwitterで「ま、キスシーンに関しては、イケメンだったら別に普通のシーンだから、気持ち悪いって言ってる人はただの外見差別ですけどね」とツイート。

編集G フーン、この番組は外見差別者をあぶり出す番組だったんだ。へえすごい。素晴らしいね(棒読み)。

しいちゃん このツイートには「外見ではなく行動や言動が不快」「『キモい』と思えるように編集しておいて何言ってるんだろう」という批判的な意見が多数。

編集G 番組だけでなく演出家の発言を含めて燃やして注目を浴びようという炎上商法ならぬ全焼商法かしらね。ああ、穏やかな日々を過ごしたいのに、余計にイライラしてきたわ。どうしてくれるのよ!

 

『紅白』裏で『SASUKE』とボクシング井岡……TBSの大みそかに勝機はあるか?

 大みそかに放送される『第69回NHK紅白歌合戦』の出演者が発表されたが、その裏となる民放各局の動向はやや鈍い。『紅白』の裏で、8年連続民放トップを独走する日本テレビは、13年目となる『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!大晦日年越しSP絶対に笑ってはいけないトレジャーハンター24時!』のオンエアを早々に決めた。そんな中、ここ数年低迷が続くTBSは8年ぶりに“改編”を決めた。

 同局が『紅白』裏で放送するのは、『平成最後の大晦日スペシャル!SASUKE2018&ボクシング井岡一翔世界タイトルマッチ(仮)』(午後6時~11時55分)。

 同局は『紅白』の裏で、2010年まで格闘技番組『Dynamite!!』をオンエアしていたが、11年にはスポーツバラエティー『ビートたけしの勝手にスポーツ国民栄誉SHOW』を放送。その流れで、12年からはリニューアルした『KYOKUGEN』をオンエアしてきた。

 同番組は健闘した年もあったが、近年は不振が続いている。昨年は田口良一、木村翔、京口紘人のボクシング3大世界戦、浅田真央の生・氷上メッセージや、ボクシング・井岡一翔のサプライズ引退会見などを放送したが、視聴率は第1部5.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、第2部5.9%、第3部4.0%、第4部2.2%と大惨敗を喫し、『紅白』裏で民放最下位に滑り落ちた。

 さすがに危機感を覚えた同局では、8年ぶりに番組を変更。今年は『SASUKE』と、同日にマカオで行われる井岡VSドニー・ニエテスのWBO世界スーパーフライ級王座決定戦をオンエアすることになった。

『SASUKE』は、1997年9月にスタートした単発のスポーツエンターテインメント番組で、今年3月26日の放送で第35回を数えた。開始当初は20%前後をはじき出す人気番組だったが、05年7月の第15回あたりからジリ貧となり、10年3月の第25回では初めて1ケタ台に転落。その後は10%前後が続き、最新の第35回は10.5%だった。

 一方、井岡の大みそかの試合は11年の『スポーツ国民栄誉SHOW』で始まり、16年まで続いた。13年には井岡の試合の時間帯で14.5%の高視聴率をマークした実績もある。

「『KYOKUGEN』で放送してきた従来の内容では、もう厳しいでしょう。『SASUKE』は一定の人気があるだけに、『ガキ使』にはとてもかなわないでしょうが、テレビ朝日、テレビ東京、フジテレビとの戦いでは、そこそこ善戦する可能性もあるでしょう。井岡の大みそかの試合は2年ぶりとなりますから、視聴者もピンと来ない面はあるかもしれません。さすがに去年のように、『紅白』裏でビリは、なんとか回避できそうな気もします」(テレビ誌関係者)

 日テレ、TBS以外の3局では、フジが格闘技番組『RIZIN』を放送するのは濃厚だが、テレ朝、テレ東は未確定。その3局のラインナップ次第ではあるが、TBSがどれだけの視聴率を取れるのか注目が集まる。
(文=田中七男)

『下町ロケット』第6話 悪役たちが“顔面パレード”する後半戦スタート!! 変人・軽部に恋の予感か

 鍋料理の後のおじやのように味わい深い、オジさん俳優たちが大挙出演する熱血理系ドラマ『下町ロケット』(TBS系)。今週もいい出汁加減です。阿部寛演じる佃社長の道楽みたいなものだったロケット開発ですが、新章「ヤタガラス編」に突入し、具体的なビジネスへと展開していくことになります。高齢化、労働者不足が叫ばれる日本社会に、新しい希望をもたらすことになりそうです。さっそく、『下町ロケット ヤタガラス』第6話を振り返ってみましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

「けったくそ、悪い話だなぁッ」。理系ならではの変人キャラ・軽部(徳重聡)が2週間ぶりの登場です。ベンチャー企業「ギアゴースト」の伊丹社長(尾上菊之助)が佃社長(阿部寛)を裏切って、ライバル社「ダイダロス」と資本提携したことが「佃製作所」の社員全員に知らされます。ひねくれ者と思われている軽部ですが、社員みんなの気持ちを率直に代弁するのでした。

 今週の軽部の台詞はこのひと言だけでしたが、その後もなかなかの挙動不審ぶりで楽しませてくれました。「ギアゴースト」を退職した副社長・島津(イモトアヤコ)が「佃製作所」へ最後のあいさつに訪れたのですが、立花(竹内涼真)やアキ(朝倉あき)は「一緒にやりましょうよ」と「佃製作所」に再就職することを勧めます。普段はぶっきらぼうな軽部ですが、天才エンジニアである島津の実直な仕事ぶりには好意を抱いています。無言ながらも、子犬のようなつぶらな瞳で、「島ちゃん、一緒に働こうよ♪」とアイコンタクトを懸命に送る軽部でした。

 苦労を共にしてきた伊丹社長から用済み扱いされた島津ですが、捨てる神あれば拾う神ありです。変人と天才との間で恋は芽生えるのでしょうか。池井戸潤の原作小説にはなかったサイドストーリーに俄然注目です。

 

■夢は現実化するとノルマに変わる!?

 ロケット開発の現場から外された「帝国重工」の財前部長(吉川晃司)の新しい部署は「企画推進部」でした。ロケットに関わる周辺ビジネスを考える部署のようです。そこで財前部長が閃いたアイデアは、人工衛星による測位情報を利用した無人農業ロボットの実用化でした。この農業ロボットが全国に普及すれば、高齢化が進む日本の農業を救うことができるのです。単なる道楽と思われていたロケットの打ち上げが、日本の第一次産業に大革命をもたらすことになるのです。財前部長から農業ロボット用のエンジンとトランスミッションの提供を頼まれ、佃社長の鼻息はいつになく強めです。

 佃社長はエンジンとトランスミッションの開発に加え、もうひとつ重要なミッションを託されます。農業ロボット研究の第一人者である北海道農業大学の野木教授(森崎博之)を、このプロジェクトに巻き込んでほしいというものでした。野木教授は佃社長の大学時代の親友です。北海道で久々の再会を果たした佃社長と野木教授は、学生たちと一緒にキャンパス内での宴会を楽しむのでした。北海道で生まれた「TEAM NACS」のリーダー・森崎だけに、ジンギスカン鍋を囲む姿がよく似合います。

 ところがビジネスの話になると、野木教授の顔色がサッと変わるではありませんか。以前、「キーシン」というベンチャー企業から共同開発を持ち掛けられ、情報を盗まれるという痛い目にあっていたのです。金儲けのために自分の研究が利用されることを嫌った野木教授は、名台詞を吐くのでした。「企業と組むことで、夢は目標となり、ノルマに変わる」と。この名言を話す相手が現われる日を、野木教授はずっと待っていたようです。

 しかし、佃社長も自社の存続が掛かっているので、「そりゃ、そうですね」と引き下がるわけにもいきません。学会で上京してきた野木教授を「いいものを見せてやる」と誘い、「帝国重工」へと強制的に連行するのでした。佃社長の「いいもの」とは、「帝国重工」と「佃製作所」が共同で開発しているロケット用新型バルブの実験現場でした。会社の垣根を越えて、開発チームのメンバーたちが共に汗を流しています。BGMは英国合唱団「LIBERA」が歌う中島みゆきの名曲「ヘッドライト・テールライト」。佃社長の「彼らにはノルマを乗り越える歓びがあるんだ」という言葉に、ついついうなずいてしまう野木教授でした。一流詐欺師のような佃社長の見事な手口に、若干の恐ろしさを覚えます。

 

■悪の貴公子、さっそうと登場!

 池畑慎之介演じる悪徳弁護士・中川は刑務所送りとなりましたが、新章スタートに合わせて新しい悪役たちがぞろぞろと姿を見せました。「ダイダロス」の重田社長(古舘伊知郎)のもとに、野木教授から情報を盗んだ「キーシン」の戸川社長(甲本雅裕)、広報担当の北堀(モロ師岡)が顔をそろえます。これにダースベイダー化した「ギアゴースト」の伊丹社長が加わり、悪のマシン軍団の完成です。カメラは丁寧に、一人ひとりの悪党づらをクローズアップで映して見せます。オジさん俳優たちは、みんな悪いことがしたくて堪らないといった風情です。『下町ロケット』はサラリーマン版『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)なのかもしれません。

 美味しい悪役をオジさん俳優たちだけに独占させるのは、もったいないというものです。「佃製作所」を退職して、新潟県燕市にある実家の農業を継いだ殿村(立川談春)ですが、故障しがちな古いトラクターに頭を抱えている殿村の前に、さっそうと悪役界の貴公子が現われるのでした。ミュージカル『テニスの王子様』や『エリザベート』『モーツァルト!』など、ミュージカル界で活躍する古川雄大の出番です。

 農林協に勤める大農家の三男坊である吉井(古川雄大)は、殿村家の自家米が農林協を遠さずに消費者に直売されていることが気に入りません。トラクターの故障箇所を見ていた佃社長を「こんな、修理のおっさん」呼ばわりした挙げ句、「米の品質なんて、客に分かるわけないだろ。米なんて、喰えりゃいいの」と農林協の職員とは思えない大暴言を吐くのでした。そのくせ、殿村から「あんたみたいな人がいると、米がまずくなる」と怒鳴られると、すたこらと退散していきます。とてもライトな小悪党ぶりは、古舘伊知郎率いる悪のマシン軍団とは違った軽やかなフレーバーで視聴者を楽しませてくれます。
 
 タレントの好感度ランキングがもてはやされた時期は、テレビドラマでも映画でも悪役をやると好感度が下がり、CMの仕事が来なくなってしまうという底の浅い理由から、俳優たちが悪役をやりたがらないというつまらない風潮がありましたが、北野武監督の『アウトレイジ』(10年)がヒットしたあたりから、風向きが変わってきたようです。俳優はダークサイド側の人間も演じられてこそ一人前です。うさん臭い芸能プロダクションの社長役のモロ師岡は、北野監督の名作『キッズ・リターン』(96年)では才能ある新人ボクサー(安藤政信)に酒と下剤を教えて潰してしまうロートルボクサーを好演しました。こういうアクのある俳優がいることで、いい出汁加減のドラマができるのです。甘い夢を語る、いい人たちだらけでは社会もドラマも回りません。

 新章スタートとなった第6話の視聴率は13.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でした。福澤克雄チーフディレクターの演出により、前回の12.7%からちょい数字が回復しました。佃社長が言った「ノルマを乗り越える歓びがある」という台詞は、野木教授だけでなく、TBSのドラマ班にも向けた言葉でもあるようです。平均視聴率18.5%を記録した前シリーズに、どこまで後半戦は迫ることができるのか。軽部の恋の行方と共に注目したいと思います。
(文=長野辰次)

『下町ロケット』第6話 悪役たちが“顔面パレード”する後半戦スタート!! 変人・軽部に恋の予感か

 鍋料理の後のおじやのように味わい深い、オジさん俳優たちが大挙出演する熱血理系ドラマ『下町ロケット』(TBS系)。今週もいい出汁加減です。阿部寛演じる佃社長の道楽みたいなものだったロケット開発ですが、新章「ヤタガラス編」に突入し、具体的なビジネスへと展開していくことになります。高齢化、労働者不足が叫ばれる日本社会に、新しい希望をもたらすことになりそうです。さっそく、『下町ロケット ヤタガラス』第6話を振り返ってみましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

「けったくそ、悪い話だなぁッ」。理系ならではの変人キャラ・軽部(徳重聡)が2週間ぶりの登場です。ベンチャー企業「ギアゴースト」の伊丹社長(尾上菊之助)が佃社長(阿部寛)を裏切って、ライバル社「ダイダロス」と資本提携したことが「佃製作所」の社員全員に知らされます。ひねくれ者と思われている軽部ですが、社員みんなの気持ちを率直に代弁するのでした。

 今週の軽部の台詞はこのひと言だけでしたが、その後もなかなかの挙動不審ぶりで楽しませてくれました。「ギアゴースト」を退職した副社長・島津(イモトアヤコ)が「佃製作所」へ最後のあいさつに訪れたのですが、立花(竹内涼真)やアキ(朝倉あき)は「一緒にやりましょうよ」と「佃製作所」に再就職することを勧めます。普段はぶっきらぼうな軽部ですが、天才エンジニアである島津の実直な仕事ぶりには好意を抱いています。無言ながらも、子犬のようなつぶらな瞳で、「島ちゃん、一緒に働こうよ♪」とアイコンタクトを懸命に送る軽部でした。

 苦労を共にしてきた伊丹社長から用済み扱いされた島津ですが、捨てる神あれば拾う神ありです。変人と天才との間で恋は芽生えるのでしょうか。池井戸潤の原作小説にはなかったサイドストーリーに俄然注目です。

 

■夢は現実化するとノルマに変わる!?

 ロケット開発の現場から外された「帝国重工」の財前部長(吉川晃司)の新しい部署は「企画推進部」でした。ロケットに関わる周辺ビジネスを考える部署のようです。そこで財前部長が閃いたアイデアは、人工衛星による測位情報を利用した無人農業ロボットの実用化でした。この農業ロボットが全国に普及すれば、高齢化が進む日本の農業を救うことができるのです。単なる道楽と思われていたロケットの打ち上げが、日本の第一次産業に大革命をもたらすことになるのです。財前部長から農業ロボット用のエンジンとトランスミッションの提供を頼まれ、佃社長の鼻息はいつになく強めです。

 佃社長はエンジンとトランスミッションの開発に加え、もうひとつ重要なミッションを託されます。農業ロボット研究の第一人者である北海道農業大学の野木教授(森崎博之)を、このプロジェクトに巻き込んでほしいというものでした。野木教授は佃社長の大学時代の親友です。北海道で久々の再会を果たした佃社長と野木教授は、学生たちと一緒にキャンパス内での宴会を楽しむのでした。北海道で生まれた「TEAM NACS」のリーダー・森崎だけに、ジンギスカン鍋を囲む姿がよく似合います。

 ところがビジネスの話になると、野木教授の顔色がサッと変わるではありませんか。以前、「キーシン」というベンチャー企業から共同開発を持ち掛けられ、情報を盗まれるという痛い目にあっていたのです。金儲けのために自分の研究が利用されることを嫌った野木教授は、名台詞を吐くのでした。「企業と組むことで、夢は目標となり、ノルマに変わる」と。この名言を話す相手が現われる日を、野木教授はずっと待っていたようです。

 しかし、佃社長も自社の存続が掛かっているので、「そりゃ、そうですね」と引き下がるわけにもいきません。学会で上京してきた野木教授を「いいものを見せてやる」と誘い、「帝国重工」へと強制的に連行するのでした。佃社長の「いいもの」とは、「帝国重工」と「佃製作所」が共同で開発しているロケット用新型バルブの実験現場でした。会社の垣根を越えて、開発チームのメンバーたちが共に汗を流しています。BGMは英国合唱団「LIBERA」が歌う中島みゆきの名曲「ヘッドライト・テールライト」。佃社長の「彼らにはノルマを乗り越える歓びがあるんだ」という言葉に、ついついうなずいてしまう野木教授でした。一流詐欺師のような佃社長の見事な手口に、若干の恐ろしさを覚えます。

 

■悪の貴公子、さっそうと登場!

 池畑慎之介演じる悪徳弁護士・中川は刑務所送りとなりましたが、新章スタートに合わせて新しい悪役たちがぞろぞろと姿を見せました。「ダイダロス」の重田社長(古舘伊知郎)のもとに、野木教授から情報を盗んだ「キーシン」の戸川社長(甲本雅裕)、広報担当の北堀(モロ師岡)が顔をそろえます。これにダースベイダー化した「ギアゴースト」の伊丹社長が加わり、悪のマシン軍団の完成です。カメラは丁寧に、一人ひとりの悪党づらをクローズアップで映して見せます。オジさん俳優たちは、みんな悪いことがしたくて堪らないといった風情です。『下町ロケット』はサラリーマン版『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)なのかもしれません。

 美味しい悪役をオジさん俳優たちだけに独占させるのは、もったいないというものです。「佃製作所」を退職して、新潟県燕市にある実家の農業を継いだ殿村(立川談春)ですが、故障しがちな古いトラクターに頭を抱えている殿村の前に、さっそうと悪役界の貴公子が現われるのでした。ミュージカル『テニスの王子様』や『エリザベート』『モーツァルト!』など、ミュージカル界で活躍する古川雄大の出番です。

 農林協に勤める大農家の三男坊である吉井(古川雄大)は、殿村家の自家米が農林協を遠さずに消費者に直売されていることが気に入りません。トラクターの故障箇所を見ていた佃社長を「こんな、修理のおっさん」呼ばわりした挙げ句、「米の品質なんて、客に分かるわけないだろ。米なんて、喰えりゃいいの」と農林協の職員とは思えない大暴言を吐くのでした。そのくせ、殿村から「あんたみたいな人がいると、米がまずくなる」と怒鳴られると、すたこらと退散していきます。とてもライトな小悪党ぶりは、古舘伊知郎率いる悪のマシン軍団とは違った軽やかなフレーバーで視聴者を楽しませてくれます。
 
 タレントの好感度ランキングがもてはやされた時期は、テレビドラマでも映画でも悪役をやると好感度が下がり、CMの仕事が来なくなってしまうという底の浅い理由から、俳優たちが悪役をやりたがらないというつまらない風潮がありましたが、北野武監督の『アウトレイジ』(10年)がヒットしたあたりから、風向きが変わってきたようです。俳優はダークサイド側の人間も演じられてこそ一人前です。うさん臭い芸能プロダクションの社長役のモロ師岡は、北野監督の名作『キッズ・リターン』(96年)では才能ある新人ボクサー(安藤政信)に酒と下剤を教えて潰してしまうロートルボクサーを好演しました。こういうアクのある俳優がいることで、いい出汁加減のドラマができるのです。甘い夢を語る、いい人たちだらけでは社会もドラマも回りません。

 新章スタートとなった第6話の視聴率は13.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でした。福澤克雄チーフディレクターの演出により、前回の12.7%からちょい数字が回復しました。佃社長が言った「ノルマを乗り越える歓びがある」という台詞は、野木教授だけでなく、TBSのドラマ班にも向けた言葉でもあるようです。平均視聴率18.5%を記録した前シリーズに、どこまで後半戦は迫ることができるのか。軽部の恋の行方と共に注目したいと思います。
(文=長野辰次)

戸田恵梨香とムロツヨシの芝居が光る『大恋愛』充実の視聴率2ケタ復帰!

 9日に放送されたドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)の第5話。視聴率は10.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2ケタに返り咲き。「若年性アルツハイマーに冒されていくアラサーインテリ女性」という難役を、戸田恵梨香がいい感じに演じております。

 というわけで、振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■未来の自分に「もう死ね」と言う

 突然、「別れよう」と言って真司くん(ムロツヨシ)が姿を消してから9カ月、尚ちゃん(戸田)のMCI(軽度認知障害)は徐々に進行しているようです。

 好きな小説のタイトル、ママの旧姓、孤児だった真司くんが捨てられた神社の名前、その3つの質問に答えられないほど病気が進んだら「私と別れて」。真司くんにかつて、そう言ったのは尚ちゃんでした。「別れない」と、真司くんは言ってくれました。

 その真司くんはもういないので、尚ちゃんに質問を投げかけてくるのは、過去の自分です。スマホで自撮りした自分からの問いかけの、神社の名前を思い出せなくなった尚ちゃんは、魂の抜けたような目をしています。動画の中では、少し元気な尚ちゃんが、こんなことを言っています。

「あなたがやるべきことはひとつ、自ら死ぬことです」

 おそらく尚ちゃんは、この動画を繰り返し見ているはずです。そして見るたびに、今より元気な過去の自分に「もう死ね」と言われているのです。なんという、ああ、なんという……。

 ちなみに尚ちゃん、元婚約者で主治医の井原先生(松岡昌宏)には、真司くんととっくに別れていることを言ってません。しかし、以前は積極的だった新薬の治験にも参加しないと言うし、遠くを見つめて「人って、なんで生きてるのかな……?」とか言ってるし、井原先生は、尚ちゃんが真司くんとの間に何かあって希死念慮が募っていることには当然気づいています。それでも、

「患者に深入りするのはいかんよ、君らしくもない」
「治験を拒否するなら打つ手はない、好きにさせてやることだ」

 そんな上司の言葉に、うなずくしかありませんでした。

■身を引いた=食い物にした

 一方、尚ちゃんに「侑市さん(井原先生のこと)」呼ばわりされた上、自分のふがいなさを思い知って別れを告げた真司くんのほうは、尚ちゃんとの日々を書いた小説を無事に上梓。

 それは、記憶を失っていく女性とその主治医、そして売れない小説家との三角関係を描いた物語でした。結末、女性は小説家の元を去り、主治医と一緒になって穏やかに暮らしていることになっていました。それは真司くんが勝手に想像した尚ちゃんの未来でした。本当に尚ちゃんの救いになるのは井原先生であって、自分ではない。だから身を引いたのだという、美しくも自己憐憫と自己陶酔に満ちた『脳みそとアップルパイ』というタイトルの本は、20万部を売るベストセラーになったそうです。「泣ける小説ベスト3!」のコーナーに平積みされたハードカバーには「切なくも胸に迫る恋愛小説」と白々しい帯文が踊り、作家は美人担当編集(木南晴夏)にも色目を使われて気分上々です。

 小説の中で真司くんは、尚ちゃんを「小説を書くために神が遣わした女神に違いない」と書いていました。一人の女性に訪れた病気というリアルな悲しみを食って作り話をでっち上げ、大金をせしめたわけです。

 最低だなコイツ、と思うんですよ。尚ちゃんの面倒は見れないけど、小説は書きたいから書いちゃうし、売れそうだから売っちゃうし、自分勝手に捨てたくせに、なんか「本当に彼女の幸せを祈るなら……」みたいな、思いやりあふれる感じになってるし。

 で、どうやらドラマのノベライズ(初期のシナリオ段階)では、前回、井原先生が尚ちゃんに橋の上で告白しているのを真司くんが目撃していたというシーンがあるんだそうです。それであれば、わりと筋が通るんですよね。井原先生は尚ちゃんに気持ちがある。尚ちゃんも自分を「侑市さん」と呼んだ。ならば2人でくっついたほうがよかろう。そういう判断でもって尚ちゃんを捨てたなら、まさしく「身を引いた」という構図が当てはまるんですが、なぜかドラマでは目撃シーンをカットしてる。カットしてるから、真司くんがより身勝手に見えている。

 後に本を読んだ井原先生の計らいで再会した真司くんと尚ちゃんはヨリを戻すことになるわけですが、この「告白を見ていた」シーンは入れたほうがわかりやすいし、真司くんのイメージもいいんですが、なんかわざとカットしたように感じたんです。わざと、作家という生き物のクズ性というか、フィクションに現実を投影することの罪というか、もっと言えば、このドラマみたいに難病をネタに“お涙頂戴”していることへの非難は受けなければならないという覚悟というか、そういう創作に対するスタンスが垣間見えたような気がする。尚ちゃんを女神扱いすることも、尚ちゃんの小説で金を稼ぐことも、あんましよくないことだという意識は捨てきれていない。だからこそ、尚ちゃんと結婚することにした真司くんの口から出た「小説書いてなかったら死んでたよ」というセリフに重みが増すし、

「生きて会えたのは奇跡だね」

 そんな尚ちゃんの返事が、しこたま響くわけです。なんか回りくどくなってしまいましたが、要するに、いい作り手による、いいドラマだなーってことです。

 

■よく訓練された俳優だ

 ムロツヨシと戸田恵梨香、すごく充実したお芝居をしていると感じます。

 ムロさん今回、間のコントロールが抜群でした。

 尚ちゃんをフッたあと、アパートに押しかけてきた尚ちゃんママ(草刈民代)との問答のシーン。

「あなた、それ本気で言ってるの?」「はい」のやりとり、普通のテンポを1拍とすると0.3くらい詰めて「はい」を入れてる。その直後の「そういうことなら、もう金輪際、娘とは関わらないでください。いいですね」「はい」では1.2くらい使う。前者は言外に「当然です」があって、後者は「……もちろん、そのつもりです」があるわけです。

 居酒屋で尚ちゃんに「結婚しよ」と言った場面でも、「名前間違えちゃうけど、いい?」「カギ差しっぱなしにしちゃうけど、いい?」「黒酢はちみつドリンク何度も注文しちゃうけどいい?」「いつか真司のこと忘れちゃうけど、いい?」という尚ちゃんの質問に、ひとつひとつ違うタイミングで「いいよ」を返してる。質問の重さ軽さに対して、「いいよ」のタイミングを丁寧に出し入れすることで、相手を思いやる感情を表現してる。

 戸田さんは感情の振り幅を目で見せました。真司くんに捨てられ、もう死のうと思っているときの目、ママに結婚を報告しに行ったときのキラキラした目、もちろんメイクの具合も違うと思うけど、何しろ感情が宿っている感じがビシビシと伝わってきました。結婚式の記念撮影で、シャッターの瞬間、真司くんが尚ちゃんの耳元に口を寄せて何か言って、尚ちゃん「ぐはははは!」って、低い声で爆笑しちゃうシーンなんか、ホント最高だと思いました。どこまで演出部の指示で、どこからアドリブなのか知る由もありませんが、やりたいことが噛み合ってるなぁー、いいドラマだなーと感じます。

 というわけで、今夜放送の第6話は30分遅れの22時30分からだそうです。よろしくどうぞ。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

 

戸田恵梨香とムロツヨシの芝居が光る『大恋愛』充実の視聴率2ケタ復帰!

 9日に放送されたドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)の第5話。視聴率は10.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2ケタに返り咲き。「若年性アルツハイマーに冒されていくアラサーインテリ女性」という難役を、戸田恵梨香がいい感じに演じております。

 というわけで、振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■未来の自分に「もう死ね」と言う

 突然、「別れよう」と言って真司くん(ムロツヨシ)が姿を消してから9カ月、尚ちゃん(戸田)のMCI(軽度認知障害)は徐々に進行しているようです。

 好きな小説のタイトル、ママの旧姓、孤児だった真司くんが捨てられた神社の名前、その3つの質問に答えられないほど病気が進んだら「私と別れて」。真司くんにかつて、そう言ったのは尚ちゃんでした。「別れない」と、真司くんは言ってくれました。

 その真司くんはもういないので、尚ちゃんに質問を投げかけてくるのは、過去の自分です。スマホで自撮りした自分からの問いかけの、神社の名前を思い出せなくなった尚ちゃんは、魂の抜けたような目をしています。動画の中では、少し元気な尚ちゃんが、こんなことを言っています。

「あなたがやるべきことはひとつ、自ら死ぬことです」

 おそらく尚ちゃんは、この動画を繰り返し見ているはずです。そして見るたびに、今より元気な過去の自分に「もう死ね」と言われているのです。なんという、ああ、なんという……。

 ちなみに尚ちゃん、元婚約者で主治医の井原先生(松岡昌宏)には、真司くんととっくに別れていることを言ってません。しかし、以前は積極的だった新薬の治験にも参加しないと言うし、遠くを見つめて「人って、なんで生きてるのかな……?」とか言ってるし、井原先生は、尚ちゃんが真司くんとの間に何かあって希死念慮が募っていることには当然気づいています。それでも、

「患者に深入りするのはいかんよ、君らしくもない」
「治験を拒否するなら打つ手はない、好きにさせてやることだ」

 そんな上司の言葉に、うなずくしかありませんでした。

■身を引いた=食い物にした

 一方、尚ちゃんに「侑市さん(井原先生のこと)」呼ばわりされた上、自分のふがいなさを思い知って別れを告げた真司くんのほうは、尚ちゃんとの日々を書いた小説を無事に上梓。

 それは、記憶を失っていく女性とその主治医、そして売れない小説家との三角関係を描いた物語でした。結末、女性は小説家の元を去り、主治医と一緒になって穏やかに暮らしていることになっていました。それは真司くんが勝手に想像した尚ちゃんの未来でした。本当に尚ちゃんの救いになるのは井原先生であって、自分ではない。だから身を引いたのだという、美しくも自己憐憫と自己陶酔に満ちた『脳みそとアップルパイ』というタイトルの本は、20万部を売るベストセラーになったそうです。「泣ける小説ベスト3!」のコーナーに平積みされたハードカバーには「切なくも胸に迫る恋愛小説」と白々しい帯文が踊り、作家は美人担当編集(木南晴夏)にも色目を使われて気分上々です。

 小説の中で真司くんは、尚ちゃんを「小説を書くために神が遣わした女神に違いない」と書いていました。一人の女性に訪れた病気というリアルな悲しみを食って作り話をでっち上げ、大金をせしめたわけです。

 最低だなコイツ、と思うんですよ。尚ちゃんの面倒は見れないけど、小説は書きたいから書いちゃうし、売れそうだから売っちゃうし、自分勝手に捨てたくせに、なんか「本当に彼女の幸せを祈るなら……」みたいな、思いやりあふれる感じになってるし。

 で、どうやらドラマのノベライズ(初期のシナリオ段階)では、前回、井原先生が尚ちゃんに橋の上で告白しているのを真司くんが目撃していたというシーンがあるんだそうです。それであれば、わりと筋が通るんですよね。井原先生は尚ちゃんに気持ちがある。尚ちゃんも自分を「侑市さん」と呼んだ。ならば2人でくっついたほうがよかろう。そういう判断でもって尚ちゃんを捨てたなら、まさしく「身を引いた」という構図が当てはまるんですが、なぜかドラマでは目撃シーンをカットしてる。カットしてるから、真司くんがより身勝手に見えている。

 後に本を読んだ井原先生の計らいで再会した真司くんと尚ちゃんはヨリを戻すことになるわけですが、この「告白を見ていた」シーンは入れたほうがわかりやすいし、真司くんのイメージもいいんですが、なんかわざとカットしたように感じたんです。わざと、作家という生き物のクズ性というか、フィクションに現実を投影することの罪というか、もっと言えば、このドラマみたいに難病をネタに“お涙頂戴”していることへの非難は受けなければならないという覚悟というか、そういう創作に対するスタンスが垣間見えたような気がする。尚ちゃんを女神扱いすることも、尚ちゃんの小説で金を稼ぐことも、あんましよくないことだという意識は捨てきれていない。だからこそ、尚ちゃんと結婚することにした真司くんの口から出た「小説書いてなかったら死んでたよ」というセリフに重みが増すし、

「生きて会えたのは奇跡だね」

 そんな尚ちゃんの返事が、しこたま響くわけです。なんか回りくどくなってしまいましたが、要するに、いい作り手による、いいドラマだなーってことです。

 

■よく訓練された俳優だ

 ムロツヨシと戸田恵梨香、すごく充実したお芝居をしていると感じます。

 ムロさん今回、間のコントロールが抜群でした。

 尚ちゃんをフッたあと、アパートに押しかけてきた尚ちゃんママ(草刈民代)との問答のシーン。

「あなた、それ本気で言ってるの?」「はい」のやりとり、普通のテンポを1拍とすると0.3くらい詰めて「はい」を入れてる。その直後の「そういうことなら、もう金輪際、娘とは関わらないでください。いいですね」「はい」では1.2くらい使う。前者は言外に「当然です」があって、後者は「……もちろん、そのつもりです」があるわけです。

 居酒屋で尚ちゃんに「結婚しよ」と言った場面でも、「名前間違えちゃうけど、いい?」「カギ差しっぱなしにしちゃうけど、いい?」「黒酢はちみつドリンク何度も注文しちゃうけどいい?」「いつか真司のこと忘れちゃうけど、いい?」という尚ちゃんの質問に、ひとつひとつ違うタイミングで「いいよ」を返してる。質問の重さ軽さに対して、「いいよ」のタイミングを丁寧に出し入れすることで、相手を思いやる感情を表現してる。

 戸田さんは感情の振り幅を目で見せました。真司くんに捨てられ、もう死のうと思っているときの目、ママに結婚を報告しに行ったときのキラキラした目、もちろんメイクの具合も違うと思うけど、何しろ感情が宿っている感じがビシビシと伝わってきました。結婚式の記念撮影で、シャッターの瞬間、真司くんが尚ちゃんの耳元に口を寄せて何か言って、尚ちゃん「ぐはははは!」って、低い声で爆笑しちゃうシーンなんか、ホント最高だと思いました。どこまで演出部の指示で、どこからアドリブなのか知る由もありませんが、やりたいことが噛み合ってるなぁー、いいドラマだなーと感じます。

 というわけで、今夜放送の第6話は30分遅れの22時30分からだそうです。よろしくどうぞ。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

 

原作&アニメ版とは別人のすずだが、これはあり!? 戦艦大和の入港に歓喜『この世界の片隅に』第2話

 こうの史代のベストセラーコミックを原作にした実写ドラマ版『この世界の片隅に』(TBS系)。第1話の25分拡大に続き、第2話も15分拡大とTBSが若手女優・松本穂香を主演に大抜擢した今回の日曜劇場に相当の力を注いでいることが分かります。戦艦大和や巡洋艦青葉も登場し、ミリタリーマニアを歓喜させた第2話を振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 昭和19年(1944)3月。広島市江波から呉市の北條家へ嫁入りしたすず(松本穂香)は初夜を終え、北條家の嫁としての新しい生活が始まります。婿の周作(松坂桃李)の寝顔を眺めて、にやにやしている場合ではありません。丘の上にある北條家には水道が通っておらず、朝イチで井戸の水をご近所まで汲みに行かなくてはならないのです。義母のサン(伊藤蘭)は足が不自由なため、がんばってすずが働かなくてはいけません。かまどでのご飯炊き、洗濯、掃除縫い物、また水汲み……と励みます。かっぽう着姿のすずの日常風景に、ジブリ映画を思わせる久石譲の音楽が優しく流れます。

 片渕須直監督の劇場アニメ版が上映時間126分に凝縮されていたのに対し、実写ドラマ版は日常生活の中で周作をはじめとする北條家の人々や隣組の刈谷タキ(木野花)、幸子(伊藤沙莉)親子らと交流していく姿をじっくりと描いていきます。片渕監督のアニメ版も、企画当初は原作エピソードを余すことなく活かすため、テレビシリーズ化することも検討されていたそうです。戦時下を生きるすずの何気ない日常風景を映し出すことは、『この世界の片隅に』のいちばんのキモでもあります。すず役に選ばれた松本穂香が、実写版『この世界の片隅に』の実力派アンサンブルの中に次第に溶け込んでいく過程を、時間を掛けて描いていけるのは、連続ドラマならではのメリットでしょう。

 

■幼少期の記憶を甦らせたキャラメルの味

 北條家での生活にすずがようやく慣れ始めて1カ月。周作の姉・径子(尾野真千子)が娘の晴美(稲垣来泉)の手を引いて現れます。気が強い径子は、亡くなった夫の実家との折り合いが悪く、呉で一緒に暮らすと言い出します。小姑・径子はすずがそれまで任されていた家事をすべてやることで、すずの居場所を奪おうとします。でも、のんびりしたすずは径子の悪意には気づかず、径子の「実家に帰れば」という言葉を真に受けて、「ありがとう、義姉さん」と喜んで広島に里帰りするのでした。すずのこの鈍感力は、厳しい時代を生きていく上で重要なものです。

 日々の家事と周囲への気遣いのために疲れて眠り込んでしまったすず。ふと目を覚ますと、そこは実母・キセノ(仙道敦子)たちのいる懐かしい我が家でした。呉で過ごした1カ月がまるで夢の中の出来事のように、まだ子ども気分の抜けないすずには思えます。実家に帰ってきて寝てばかりいるすずをたしなめるキセノでしたが、すずの頭に十円ハゲができていることに気づいてしまいます。のほほんとしているようで、娘もそれなりに苦労しているようです。自分の嫁入り時代を思い出し、あまりうるさくは言わないキセノでした。

 ぼーとした性格のすずは、母親似ではなく、どうも父親の十郎(ドロンズ石本)似のようです。十郎からお小遣いを手渡されたすずは、久しぶりに広島市の繁華街へと向かいます。大好きなキャラメルの甘さに悶え喜びながら、すずは太田川沿いに建つ産業奨励館を眺めるのでした。昔もここでスケッチしたっけなぁ……と幼年期のことを思い出したすずは、人さらいに拉致された際に一緒にキャラメルを食べ、人さらいから救ってくれた男の子が周作だったことに気づきます。キャラメルはすずと周作を結びつけた運命の味だったのです。いつもはマイペースなすずですが、このときばかりは涙を浮かべながら猛ダッシュで周作のいる呉へと帰還するのでした。

 すずが呉へ走って帰るエピソードは、原作にはない岡田惠和脚本のオリジナルシーンですが、第2話でいちばんの盛り上がりを見せました。はっきり言って、松本穂香演じるすずは、原作のすずとは別人です。もちろん、のんが声優として演じた劇場アニメ版のすずともまったく異なります。でも、自分が置かれた状況の中で、自分を必要としてくれる人のために一途になれる実写版すずの姿を視聴者は嫌いにはなれません。原作&劇場アニメ版をリスペクトしながらも、岡田惠和脚本は連ドラ版としての独自の世界を目指していることが伺えます。

 呉へ戻ったすずですが、径子がいる北條家にはなかなか入ることができず、海が見渡せる丘の斜面で時間を潰すのでした。職場から帰ってきた周作がすずを見つけ、2人で海と空が広がる美しいパノラマを眺めます。そのとき、巨大な軍艦が呉港に姿を現わします。呉海軍工厰で建造された世界最大の戦艦大和です。周作は海に向かって大きな声で叫びます。「おかえり~、大和! おかえり~、すずさん!!」。周作の優しさに包まれ、きっとすずの十円ハゲもそのうち治ることでしょう。

■機会あれば観ておきたい片渕監督の『マイマイ新子』

 周作とすずのラブラブな様子に続いて、第2話のエンディングは賛否両論を呼んでいる現代編に。周作とすずが夫婦愛を確かめ合った丘で、榮倉奈々と古舘佑太郎が並んで同じ景観を眺めています。榮倉演じる佳代は、無人化してしまった北條家を最近流行の古民家カフェか民宿にしたいと言い出します。思い付きで行動するタイプの佳代は、都会では自分の居場所を見つけることができずに悩んでいるようです。『この世界の片隅に』は絵を描くこと以外に何の取り柄もない平凡な女の子だったすずさんが、厳しい時代を懸命に生き、ようやく自分の居場所を手に入れる物語です。連ドラ版は現代を生きる佳代の居場所さがしの物語を、すずの成長譚と重ね合わせながら同時進行していくことになりそうです。

 73~74年前の物語ではなく、現代とリンクするドラマにしたいというTBS側の思惑は分からないではありませんが、戦時中の北條家やそのご近所、広島の街並みが大規模なオープンセットによってリアルに再現されているのに比べると、現代パートは逆に薄っぺらい印象を与えてしまうのが心配です。でも、脚本家の岡田惠和は『いま、会いにゆきます』(04)といったファンタジーものも得意としているので、片渕監督の前作『マイマイ新子と千年の魔法』(09)のように過去と現代がイマジネーションの世界でシンクロするミラクルな展開が待っていることに期待しましょう。

 舞台となっている広島では初回の視聴率が20.4%だったそうですが、第2話の視聴率が気になるところです。関東地区の第2話の視聴率は10.5%(ビデオリサーチ調べ)。まだ実績のない新人女優の初主演ドラマとしては、前週の10.9%に続いての2ケタキープは及第点を上げていいでしょう。第1~2話は顔見せだけだった遊女・白木リン(二階堂ふみ)と周作の関係が次週では明かされ、また劇場アニメ版でもざわめきが起きた巡洋艦青葉に乗る水原哲(村上虹郎)が入湯上陸で北條家を訪ねるエピソードも描かれるようです。大人の色恋沙汰に赤面するすずさんを、しっかりと見守りたいと思います。
(文=長野辰次)