元テレ朝・小川彩佳アナ、TBS『NEWS23』起用発表はナゼ遅れたか?

 3月末でテレビ朝日を退社し、フリー女子アナとして今後の活動先が注目されていた小川彩佳アナウンサーが、TBS系の報道番組『NEWS23』のキャスターに抜擢された。

 退社後、複数のメディアがこの起用を報じていたが、正式なアナウンスが遅れに遅れたのはなぜだったのか。

 そもそも『報道ステーション』のサブキャスターとして出演していた小川アナ。

「うちではお堅い報道番組のエースとして今後、育つと思われていたのですが……」(テレビ朝日関係者)

 だが、昨秋に“卒業”。その後は「AbemaTV」の報道番組に出演していた。

「Abemaに起用されたのは予算の問題で、昼間は基本的にギャラがかからない局アナ優先にしているから。ただ、それだけでは小川アナは納得しなかったでしょうね」(同)

 結局、今春テレ朝を飛び出す形となったが、新天地として報じられたのがライバル局の報道番組だったのだから、衝撃度も大きかった。

 だが、いつまで経っても“続報”がない状況が続いていたのは不自然だったが、これには事情があったのだという。

「小川アナとテレ朝サイドで、報道番組への出演などについて話がまとまっていなかったようなんです。確かに、出て行ってすぐにライバル局の報道看板番組のメインキャスターを務めるというのは、かなりハードルが高い。そもそもの出演を止めるか、出演するにしても1年間は空けるとか、そういった諸条件で折り合いがついていなかったようですね」(民放キー局報道デスク)

 TBS側にも不自然さが残る動きがあったという。

「少し前に行われた幹部出席の会見において、複数のメディアが小川アナの番組抜擢について問い詰めたようですが、『決まっていることは何もない』の一点張りだった。ただ、その話し方がいかにも『まだ、言えない』といった雰囲気で回答したので、周囲からは余計に怪しむ声が高まっていたんですよ」(同)

 紆余曲折の末に『NEWS23』に収まった小川アナ、実力を発揮できるだろうか?

『インハンド』山下智久、ボソボソしゃべりのアンドロイドから徐々に人間味あふれるキャラに変化

 山下智久が寄生虫専門のドSな医学者を演じるドラマ『インハンド』(TBS系)の第4話が3日に放送され、平均視聴率7.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。ゴールデンウィークの影響か、前回から1.4ポイントの下落となってしまいました。

(前回までのレビューはこちらから)

 今回、サイエンス・メディカル対策室の牧野巴(菜々緒)が、寄生虫学者・紐倉哲(山下)のもとへ持ち込んだ案件は、“人を自殺させる病原体”の有無について。外務事務次官・源田創子(紫吹淳)宛てに、その病原体を娘の恵奈(吉川愛)に感染させるという脅迫状が届いたというのです。

 実際、その脅迫状に記されている水原舞という女性が自殺し、菊池香織が自殺未遂、緒田貴成という男性が行方不明という状況に置かれているため、興味を抱いた紐倉は調査に協力することに。助手の高家春馬(濱田岳)を引き連れて香織の入院先を訪れたところ、屋上から飛び降りようとする香織を恵奈が必死に食い止める場面に出くわします。

 その恵奈によれば、4人は幼少期に田舎で遊んだ接点があり、大学になって再会。恵奈が見つけてきた、セクメント・ジャパンという製薬会社が実施するSQ-61という非ステロイド性消炎鎮痛薬の治験のバイトに参加した後、自殺騒動が起こったというのです。さらに、母親への脅迫状は、事件を解決するために恵奈自身が書いたものであることも判明。

 恵奈の話を聞いた紐倉は、高家を治験へと送り込んでデータを盗ませ、恵奈の友人たちが全員、ボルナ病ウイルスに感染していたことを突き止めます。このウイルスとSQ-61が結びつくことによって脳症が発症し、自殺未遂を起こしていたのです。また、ウイルスの感染源は、幼少期に度胸試しで侵入した馬小屋だったのですが、恵奈だけは馬を怖がって入らなかったために感染しませんでした。

 紐倉と恵奈がその馬小屋へ向かったところ、昏睡状態の緒田を発見。医学部に在籍する緒田は、ボルナ病ウイルスとSQ-61の成分によって脳症が起きるのではないかと疑い、その調査の途中で倒れてしまったのでした。

 この事態に責任を感じた恵奈は、衝動的に飛び降り自殺を図ろうとしてしまいます。そんな彼女に対して紐倉は、「感情の奴隷にはなるな」と諭しつつ、「感情があるから人間なんだ」との持論を展開し、「人間は笑顔になれる唯一の生物だ。だからもっと笑えばいい」と励まします。その後、香織と緒田は快方に向かい、一件落着。

 今回に関しては、1時間があっという間、というのが率直な感想。ドラマの序盤、恵奈が牧場で過ごした幼少期の回想シーンが出た時点で、“人を自殺させる病原体”の正体についてはある程度の察しがついたのですが、紐倉がかつて助手を自殺に追い込んだのではないかという疑惑や、それに関連して失った右手の幻肢痛に苦しむシーンなどが随所に挿入されたため、まったく飽きることがありませんでした。

 難しい専門用語をアニメーションを用いて伝える演出の工夫や、脚本のテンポの良さに加え、山下の演技が回を増すごとに良くなっている印象ですね。抑揚なくボソボソとしゃべるため、初回はまるでアンドロイドのようでしたけど、今回は恵奈を相手にまごついたことで、女の子が苦手だと発覚したり、その恵奈が自殺しそうになった時には熱い言葉で語りかけたりと、徐々に人間味あふれるキャラに変化しています。

 その姿を見て、高家と牧野が驚く表情を浮かべたのも印象的でした。紐倉が変わってきたのは間違いなくこの2人の影響。特に高家はドSな命令に振り回されながらも、良き理解者になりつつあります。だからこそ、紐倉が過去に入谷という助手を自殺に追いやったかもしれないという疑惑が、2人の今後の関係性に強く影響してくることになりそうです。

 その紐倉の過去について今のところ明らかになったのは、セクメント・ジャパンで働いていた入谷を引き抜き、CDC(アメリカ疫病予防管理センター)に入所させ、東南アジアの村で“危険な実験”を実施。その結果、アメリカ陸軍を敵に回すことになり、入谷を自殺に追い込み、その際に右手も失った? というものです。

 紐倉はどうやら、東南アジアの村でエボラウイルスについて研究していたようですが、当時の事件を伝える新聞記事では“村が消えた”と表現されているのが気になるところ。次回、その過去と義手の謎が明らかになるということで、ますます見逃せない展開となっていきそうです。
(文=大羽鴨乃)

吉田明世「みのもんたのセクハラ真相」告白は「被害者が加害者を庇わされる」異常事態!?

 世間も忘れかけていただけに、“無理な釈明”ならしないほうがよかったかもしれない。

 5月1日に放送された『梅沢富美男のズバッと聞きます!SP』(フジテレビ系)にて、元TBSのフリーアナウンサー、吉田明世がみのもんたと“禁断の共演”を果たし、世間を騒がせた「セクハラ騒動」の真相を語った。

「吉田がTBS時代に出演していた2013年8月30日の『みのもんたの朝ズバッ!』で、彼女のお尻付近に伸びたみのの手を払いのけるシーンが放送され大騒動に。以来、『みのにお尻を触られた女子アナ』が彼女の“代表作”となってしまった。番組ではこの件について吉田が釈明。当時はエンディングで横に並ぶアナウンサー陣の肩をみのが押してドミノ倒しになるというのがブームだったと言い、『CM中、みのさんに押されないように一歩前に出て原稿の練習をしていたんです。それで放送3秒前になり(元の位置に)そろそろ戻ろうって戻ったら、みのさんが押してきたので手を払ったら、そこがオンエアーされてしまった』と明かし、『お尻は触られていないんです』と強調していました」(テレビ誌ライター)

 吉田は「今日でようやくあの事件の呪縛から解放される」と喜んだが、ネット上では「は? 意味が分からん」「苦しい辻褄合わせ」「絶対触られてたやろ」「みのさんの名誉のためにも局アナ時代に言えば良かったじゃん」といったコメントが飛び交い、芸能界の“何らかの力”が働いたと感じた人も多かったようだ。

「騒動が拡大したことにより自宅前でこの件について会見したみのは、相手が被害を訴えなければセクハラには当たらないと主張。『あのお嬢さんは、本当によくトチるんです。ぼくはトチる度に、背中を叩いたり肩を叩いたりしていました。私はセクハラをするつもりも何もありません。“コラッ!”と叩くだけです。彼女に聞いてもらったほうがいいと思います』と、あたかも吉田が悪いかのような発言をしていました。一部週刊誌では、当時みのがTBSの個人筆頭株主だったことを指摘。吉田はお尻を触られるほかにも、背中のブラのホックを触られたりするセクハラを受けていたとも報じられており、ドミノ倒しがブームだったといった証言は皆無でしたね」(週刊誌記者)

 最近では、暴行被害にあったNGT48・山口真帆が運営サイドから加害者扱いされたことを明かしていたが、性被害者が加害者を庇わされたとしたら、芸能界は「異常」と言わざるを得ない。

吉田明世「みのもんたのセクハラ真相」告白は「被害者が加害者を庇わされる」異常事態!?

 世間も忘れかけていただけに、“無理な釈明”ならしないほうがよかったかもしれない。

 5月1日に放送された『梅沢富美男のズバッと聞きます!SP』(フジテレビ系)にて、元TBSのフリーアナウンサー、吉田明世がみのもんたと“禁断の共演”を果たし、世間を騒がせた「セクハラ騒動」の真相を語った。

「吉田がTBS時代に出演していた2013年8月30日の『みのもんたの朝ズバッ!』で、彼女のお尻付近に伸びたみのの手を払いのけるシーンが放送され大騒動に。以来、『みのにお尻を触られた女子アナ』が彼女の“代表作”となってしまった。番組ではこの件について吉田が釈明。当時はエンディングで横に並ぶアナウンサー陣の肩をみのが押してドミノ倒しになるというのがブームだったと言い、『CM中、みのさんに押されないように一歩前に出て原稿の練習をしていたんです。それで放送3秒前になり(元の位置に)そろそろ戻ろうって戻ったら、みのさんが押してきたので手を払ったら、そこがオンエアーされてしまった』と明かし、『お尻は触られていないんです』と強調していました」(テレビ誌ライター)

 吉田は「今日でようやくあの事件の呪縛から解放される」と喜んだが、ネット上では「は? 意味が分からん」「苦しい辻褄合わせ」「絶対触られてたやろ」「みのさんの名誉のためにも局アナ時代に言えば良かったじゃん」といったコメントが飛び交い、芸能界の“何らかの力”が働いたと感じた人も多かったようだ。

「騒動が拡大したことにより自宅前でこの件について会見したみのは、相手が被害を訴えなければセクハラには当たらないと主張。『あのお嬢さんは、本当によくトチるんです。ぼくはトチる度に、背中を叩いたり肩を叩いたりしていました。私はセクハラをするつもりも何もありません。“コラッ!”と叩くだけです。彼女に聞いてもらったほうがいいと思います』と、あたかも吉田が悪いかのような発言をしていました。一部週刊誌では、当時みのがTBSの個人筆頭株主だったことを指摘。吉田はお尻を触られるほかにも、背中のブラのホックを触られたりするセクハラを受けていたとも報じられており、ドミノ倒しがブームだったといった証言は皆無でしたね」(週刊誌記者)

 最近では、暴行被害にあったNGT48・山口真帆が運営サイドから加害者扱いされたことを明かしていたが、性被害者が加害者を庇わされたとしたら、芸能界は「異常」と言わざるを得ない。

寝坊の次はIT社長との熱愛スキャンダル……TBS・古谷有美アナ、“エース襲名”遠のく!?

 吉田明世アナ、宇垣美里アナとエース級の女子アナが相次いで退社したTBSで、次期エースの最右翼でもあった古谷有美アナが失態続きで、その座が遠のいてしまったかもしれない。

 さる3月2日、レギュラー出演しているTBSラジオの『土曜朝6時 木梨の会。』を寝坊により無断欠席してしまった古谷アナ。そのミスがようやく忘れられようかという中、熱愛スキャンダルが噴出してしまったのだ。

 4月23日発売の写真週刊誌「FLASH」(光文社)が、古谷アナとIT社長との“手つなぎデート”を報じた。同誌によると、同6日、同番組の京都からの出張生放送を終えた古谷アナは、同市内の高級ホテルで男性と合流し、京都国立博物館に行くなどデートを楽しんだとされる。お相手は、キャッシュレス決済の「Origami Pay」でおなじみの気鋭のIT企業・Origamiの社長・康井義貴氏。同誌では、京都デートの前に、康井氏の自宅マンションに入る2人を何度も目撃しているという。

 古谷アナは吉田アナと同期で、2011年に入社。上智大学外国語学部卒で、在学中の08年には「ミスソフィアコンテスト」のグランプリに輝いており、まさに才色兼備の女子アナだ。これまで、『Nスタ』『NEWS23』など主に報道路線を歩んでいたが、17年4月からは情報番組『ビビット』の進行を担当している。同時期に、エース級の活躍を見せていた吉田アナが産休、育休に入ってからは、出水麻衣アナ、江藤愛アナあたりと、“エース女子アナ”の座を争っていた。

「TBSでは枡田絵理奈アナが退社してから、吉田アナが大車輪の働きをしてきました。その吉田アナがお休みとなってからは、古谷アナ、出水アナ、江藤アナ、笹川友里アナあたりがエース争いをしていましたが、笹川アナは産休入り。出水アナはもう35歳で、若年層のファン獲得がむずかしくなってきました。そんな中、古谷アナがエース候補の筆頭だったはずですが、無断欠席事件で社内的な立場が危うくなってしまいました。そして、今回の熱愛スキャンダルです。古谷アナも、もう31歳でいい大人ですから、デートくらいするでしょうが、相手がセレブの匂いが漂うIT社長となると、世のやっかみが怖いですね。これで男性視聴者のみならず、同性からも嫌われてしまいかねません」(女子アナウオッチャー)

 古谷アナは、地方出張に行って、ガードが緩んだのかもしれないが、写真誌に手つなぎデートをスクープされてしまっては、熱愛を否定するわけにもいかないだろう。事実、4月27日放送の『木梨の会。』番組内で木梨憲武からの祝福に「ありがとうございます」と答えている。

 これを機に、雪崩的に男性ファンが引いてしまわなければいいのだが……。
(文=田中七男)

寝坊の次はIT社長との熱愛スキャンダル……TBS・古谷有美アナ、“エース襲名”遠のく!?

 吉田明世アナ、宇垣美里アナとエース級の女子アナが相次いで退社したTBSで、次期エースの最右翼でもあった古谷有美アナが失態続きで、その座が遠のいてしまったかもしれない。

 さる3月2日、レギュラー出演しているTBSラジオの『土曜朝6時 木梨の会。』を寝坊により無断欠席してしまった古谷アナ。そのミスがようやく忘れられようかという中、熱愛スキャンダルが噴出してしまったのだ。

 4月23日発売の写真週刊誌「FLASH」(光文社)が、古谷アナとIT社長との“手つなぎデート”を報じた。同誌によると、同6日、同番組の京都からの出張生放送を終えた古谷アナは、同市内の高級ホテルで男性と合流し、京都国立博物館に行くなどデートを楽しんだとされる。お相手は、キャッシュレス決済の「Origami Pay」でおなじみの気鋭のIT企業・Origamiの社長・康井義貴氏。同誌では、京都デートの前に、康井氏の自宅マンションに入る2人を何度も目撃しているという。

 古谷アナは吉田アナと同期で、2011年に入社。上智大学外国語学部卒で、在学中の08年には「ミスソフィアコンテスト」のグランプリに輝いており、まさに才色兼備の女子アナだ。これまで、『Nスタ』『NEWS23』など主に報道路線を歩んでいたが、17年4月からは情報番組『ビビット』の進行を担当している。同時期に、エース級の活躍を見せていた吉田アナが産休、育休に入ってからは、出水麻衣アナ、江藤愛アナあたりと、“エース女子アナ”の座を争っていた。

「TBSでは枡田絵理奈アナが退社してから、吉田アナが大車輪の働きをしてきました。その吉田アナがお休みとなってからは、古谷アナ、出水アナ、江藤アナ、笹川友里アナあたりがエース争いをしていましたが、笹川アナは産休入り。出水アナはもう35歳で、若年層のファン獲得がむずかしくなってきました。そんな中、古谷アナがエース候補の筆頭だったはずですが、無断欠席事件で社内的な立場が危うくなってしまいました。そして、今回の熱愛スキャンダルです。古谷アナも、もう31歳でいい大人ですから、デートくらいするでしょうが、相手がセレブの匂いが漂うIT社長となると、世のやっかみが怖いですね。これで男性視聴者のみならず、同性からも嫌われてしまいかねません」(女子アナウオッチャー)

 古谷アナは、地方出張に行って、ガードが緩んだのかもしれないが、写真誌に手つなぎデートをスクープされてしまっては、熱愛を否定するわけにもいかないだろう。事実、4月27日放送の『木梨の会。』番組内で木梨憲武からの祝福に「ありがとうございます」と答えている。

 これを機に、雪崩的に男性ファンが引いてしまわなければいいのだが……。
(文=田中七男)

“カマキリ先生”香川照之に福山雅治が喰われた!? 『集団左遷!!』第3話は視聴率二ケタを守れたか

 福山雅治が主演する初のサラリーマンもの『集団左遷!!』(TBS系)。元号が平成から令和に変わり、キャッチコピーも「平成最後の下克上だ」から「令和最初の下克上だ」に変わりました。さて、どれだけの人が気づいたでしょうか。第3話を振り返りたいと思います。

(前回までのレビューはこちらから)

 第1話からそこはかとなく漂う“コレジャナイ感”。第3話では廃店が決まっている三友銀行蒲田支店の片岡支店長(福山雅治)たちの前に、廃店計画を進める本部の横山常務(三上博史)が現われます。両者の間で激しい視殺戦が繰り広げられるかと思いきや、横山常務は「業績アップ、おめでとうございます」と蒲田支店の奮闘ぶりを讃え、あっさりと引き揚げていきます。あまり意味のないシーンでした。第2話のラストで盛り上げておいて、すっごい肩すかしです。

 片岡支店長は相変わらず「さらにがんばろ~!」としか言わないのですが、半期で100億円のノルマを達成しないと自分たちの居場所がなくなる蒲田支店の行員たちは尻に火が点いた状態となり、懸命に営業成績を上げていきます。

 

目の前の上司をスパイ呼ばわりする不自然さ

 ところが横山常務の指図で、またしても本部の横やりが入ります。廃店候補となっている支店が扱っている大口の取引先は、本部へと移管されることになったのです。さらに、廃店した支店の残務処理に10人回すように蒲田支店に命令が下ります。これでは、いくらがんばってもノルマを達成することは不可能です。

 せっかく団結しかかっていた蒲田支店ですが、亀裂が生じます。若手行員の滝川(神木隆之介)が「ここの情報がダダ漏れしている。おかしい。本部の肩を持つ真山さんがスパイじゃないか」とみんなの前で言い出します。滝川にとって、副支店長の真山(香川照之)は上司です。いくらドラマとはいえ、目の前にいる上司に向かってこれはないんじゃないでしょうか。若手演技派の神木くんから出てきた台詞だけに、余計に違和感がありました。

 もしかするとTBSのディレクターは、ダメダメ人間たちの中で起きる魔女狩りの恐ろしさを描きたかったのでしょうか。それにしても中途半端です。大手銀行を舞台にした企業ドラマにもかかわらず、“コレジャナイ感”がますます濃厚に漂ってきます。

 

カマキリ先生の意外な一面

 そんな第3話でも、見どころはありました。みんな残業してヤル気を見せているのに、副支店長の真山だけは定時でさっさと退社していきます。『下町ロケット』(TBS系)第2シーズンの変人・軽部(徳重聡)もそうでしたが、残業しないで帰る社員は「日曜劇場」の世界では白眼視されるのでした。でも、真山には定時に退社する理由がありました。愛妻・有里(西田尚美)が長年にわたって入院しており、元気づけるために病院へ足繁く通っていたのです。

 花束を手に病室を訪ねてきた真山に対し、ベッドに伏している妻・有里は「あなたがいっぱい仕事できるよう、私も退院したら張り切ってご飯つくるわ」と囁くのでした。小さく微笑んで妻を見守る真山。企業ドラマブームを巻き起こした『半沢直樹』(TBS系)での顔面演技が大きな話題を呼んだ香川照之ですが、抑えた演技もなかなかです。昆虫に大人げなく大興奮してみせる“カマキリ先生”香川の意外な一面を知り、視聴者もホロリとさせられるのでした。

 ちなみに“カマキリ先生”は5月3日に放送された『香川照之の昆虫すごいぜ! 6時間目』(NHK Eテレ)ではアリを取り上げ、働きアリたちの社会と人間社会を重ね合わせ「あなたにはあなたにしかできないことがある。それをアリの世界が証明している」と熱い言葉を残しています。味方に付ければ心強いけれど、敵に回すと恐ろしい男、それが香川照之です。

 カマキリ先生、いや違った真山副支店長の見せ場が続きます。第3話では主に真山を尾行していた片岡支店長は、病院のロビーでようやく真山を見つけます。真山が定時で退社していた理由が分かり、スパイの疑いも晴れました。

真山「妻が退院したとき、私の今の仕事をなくすわけにはいきません。例え、どんなゴールが待っているかは分からなくても、何もしないわけにはいきません」

 がんばらない代表だった真山が、ついに片岡と手を組み、がんばることを決意したのでした。片岡と真山、スーツ姿のおっさん2人で多摩川の土手を競い合うように走ります。まるでスポ根ドラマのような展開ですが、脚本家のいずみ吉紘って、映画『ROOKIES 卒業』(09年)を書いた人だったんですね。片岡支店長がやたらと土手を走りたがることに、妙に納得しました。

 片岡と真山の共闘作戦の第1弾は、「田口るみビューティーサロン」の杜撰な経営を立て直すことでした。るみ社長(浅野ゆう子)と夫である専務(高木渉)に再建計画書を渡し、お客の信頼を取り戻すよう進言します。それまでホスト遊びで散財していたるみ社長ですが、2人の熱意に打たれてすっかり改心。もう少しでるみ社長にうっかり30億円を融資するところだった片岡は、真山の慎重さのお陰で九死に一生を得たのでした。真山さまさまです。

 

大幅ダウンしていた第2話の数字

 いつもと違った抑えた演技で、第3話の美味しいところをさらっていった香川照之。福山雅治は主役の座を喰われたかっこうとなりましたが、視聴率はどうだったのでしょうか?

 初回13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と思いのほか好発進した『集団左遷!!』でしたが、第2話は8.9%、第3話は10.1%という結果でした。第2話で4.9%も大幅ダウンしていたとは……。救いは福山と香川ががっちりスクラムを組んだ第3話で、二ケタに持ち直したことでしょうか。

 この数字をキープできるかどうかは、やはり福山主演ドラマとしてではなく、企業ドラマとしてアンサンブルの面白さを発揮できるか次第ではないでしょうか。第4話は元男呼闘組の高橋和也にスポットライトが当たるようです。おっさんたちが底力を発揮して、採算効率しか考えない体制側や世間の常識にひと泡吹かせる展開に期待したいと思います。

(文=長野辰次)

“カマキリ先生”香川照之に福山雅治が喰われた!? 『集団左遷!!』第3話は視聴率二ケタを守れたか

 福山雅治が主演する初のサラリーマンもの『集団左遷!!』(TBS系)。元号が平成から令和に変わり、キャッチコピーも「平成最後の下克上だ」から「令和最初の下克上だ」に変わりました。さて、どれだけの人が気づいたでしょうか。第3話を振り返りたいと思います。

(前回までのレビューはこちらから)

 第1話からそこはかとなく漂う“コレジャナイ感”。第3話では廃店が決まっている三友銀行蒲田支店の片岡支店長(福山雅治)たちの前に、廃店計画を進める本部の横山常務(三上博史)が現われます。両者の間で激しい視殺戦が繰り広げられるかと思いきや、横山常務は「業績アップ、おめでとうございます」と蒲田支店の奮闘ぶりを讃え、あっさりと引き揚げていきます。あまり意味のないシーンでした。第2話のラストで盛り上げておいて、すっごい肩すかしです。

 片岡支店長は相変わらず「さらにがんばろ~!」としか言わないのですが、半期で100億円のノルマを達成しないと自分たちの居場所がなくなる蒲田支店の行員たちは尻に火が点いた状態となり、懸命に営業成績を上げていきます。

 

目の前の上司をスパイ呼ばわりする不自然さ

 ところが横山常務の指図で、またしても本部の横やりが入ります。廃店候補となっている支店が扱っている大口の取引先は、本部へと移管されることになったのです。さらに、廃店した支店の残務処理に10人回すように蒲田支店に命令が下ります。これでは、いくらがんばってもノルマを達成することは不可能です。

 せっかく団結しかかっていた蒲田支店ですが、亀裂が生じます。若手行員の滝川(神木隆之介)が「ここの情報がダダ漏れしている。おかしい。本部の肩を持つ真山さんがスパイじゃないか」とみんなの前で言い出します。滝川にとって、副支店長の真山(香川照之)は上司です。いくらドラマとはいえ、目の前にいる上司に向かってこれはないんじゃないでしょうか。若手演技派の神木くんから出てきた台詞だけに、余計に違和感がありました。

 もしかするとTBSのディレクターは、ダメダメ人間たちの中で起きる魔女狩りの恐ろしさを描きたかったのでしょうか。それにしても中途半端です。大手銀行を舞台にした企業ドラマにもかかわらず、“コレジャナイ感”がますます濃厚に漂ってきます。

 

カマキリ先生の意外な一面

 そんな第3話でも、見どころはありました。みんな残業してヤル気を見せているのに、副支店長の真山だけは定時でさっさと退社していきます。『下町ロケット』(TBS系)第2シーズンの変人・軽部(徳重聡)もそうでしたが、残業しないで帰る社員は「日曜劇場」の世界では白眼視されるのでした。でも、真山には定時に退社する理由がありました。愛妻・有里(西田尚美)が長年にわたって入院しており、元気づけるために病院へ足繁く通っていたのです。

 花束を手に病室を訪ねてきた真山に対し、ベッドに伏している妻・有里は「あなたがいっぱい仕事できるよう、私も退院したら張り切ってご飯つくるわ」と囁くのでした。小さく微笑んで妻を見守る真山。企業ドラマブームを巻き起こした『半沢直樹』(TBS系)での顔面演技が大きな話題を呼んだ香川照之ですが、抑えた演技もなかなかです。昆虫に大人げなく大興奮してみせる“カマキリ先生”香川の意外な一面を知り、視聴者もホロリとさせられるのでした。

 ちなみに“カマキリ先生”は5月3日に放送された『香川照之の昆虫すごいぜ! 6時間目』(NHK Eテレ)ではアリを取り上げ、働きアリたちの社会と人間社会を重ね合わせ「あなたにはあなたにしかできないことがある。それをアリの世界が証明している」と熱い言葉を残しています。味方に付ければ心強いけれど、敵に回すと恐ろしい男、それが香川照之です。

 カマキリ先生、いや違った真山副支店長の見せ場が続きます。第3話では主に真山を尾行していた片岡支店長は、病院のロビーでようやく真山を見つけます。真山が定時で退社していた理由が分かり、スパイの疑いも晴れました。

真山「妻が退院したとき、私の今の仕事をなくすわけにはいきません。例え、どんなゴールが待っているかは分からなくても、何もしないわけにはいきません」

 がんばらない代表だった真山が、ついに片岡と手を組み、がんばることを決意したのでした。片岡と真山、スーツ姿のおっさん2人で多摩川の土手を競い合うように走ります。まるでスポ根ドラマのような展開ですが、脚本家のいずみ吉紘って、映画『ROOKIES 卒業』(09年)を書いた人だったんですね。片岡支店長がやたらと土手を走りたがることに、妙に納得しました。

 片岡と真山の共闘作戦の第1弾は、「田口るみビューティーサロン」の杜撰な経営を立て直すことでした。るみ社長(浅野ゆう子)と夫である専務(高木渉)に再建計画書を渡し、お客の信頼を取り戻すよう進言します。それまでホスト遊びで散財していたるみ社長ですが、2人の熱意に打たれてすっかり改心。もう少しでるみ社長にうっかり30億円を融資するところだった片岡は、真山の慎重さのお陰で九死に一生を得たのでした。真山さまさまです。

 

大幅ダウンしていた第2話の数字

 いつもと違った抑えた演技で、第3話の美味しいところをさらっていった香川照之。福山雅治は主役の座を喰われたかっこうとなりましたが、視聴率はどうだったのでしょうか?

 初回13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と思いのほか好発進した『集団左遷!!』でしたが、第2話は8.9%、第3話は10.1%という結果でした。第2話で4.9%も大幅ダウンしていたとは……。救いは福山と香川ががっちりスクラムを組んだ第3話で、二ケタに持ち直したことでしょうか。

 この数字をキープできるかどうかは、やはり福山主演ドラマとしてではなく、企業ドラマとしてアンサンブルの面白さを発揮できるか次第ではないでしょうか。第4話は元男呼闘組の高橋和也にスポットライトが当たるようです。おっさんたちが底力を発揮して、採算効率しか考えない体制側や世間の常識にひと泡吹かせる展開に期待したいと思います。

(文=長野辰次)

『インハンド』山下智久、ドSキャラのハズが菜々緒の尻に敷かれる? 観月ありさが“不老不死の秘密”に説得力をもたらす

 山下智久が寄生虫専門のドSな医学者を演じるドラマ『インハンド』(TBS系)の第3話が先月26日に放送。今回は観月ありさがゲスト出演し、“不老不死”がテーマに描かれました。

 寄生虫学者の紐倉哲(山下)はある日、助手の高家春馬(濱田岳)を引き連れ、大学時代の恩師で、現在はパナシアンビューティーという美容会社のCEOを務める瀬見まき子(観月)の講演を聞きに行くことに。まき子には早老症を患う妹のみき子(松本若菜)がいたことをふと思い出し、すでに死んでいるに違いないと、紐倉は少しセンチメンタルな気分になったりします。

 その一方、この会社では、“不老不死の生物”といわれるベニクラゲからテロメテーゼという酵素を抽出し、アンチエイジング治療に活用しているものの、その会員らが次々とアルツハイマー症にかかっていることに疑問を抱くのでした。

 この件に関しては、サイエンス・メディカル対策室の牧野巴(菜々緒)も調査に乗り出していて、紐倉は協力を求められるものの拒否。しかし、老いていくみき子の姿を思い出したことで、現在のまき子の研究が気になり、結局は協力することになります。

 そこで、パナシアンビューティーが論文を募集していることに目をつけ、高家とともに一夜漬けで論文を作成。それが評価されたことで会社から呼び出され、まき子との面会の約束をとりつけます。

 そして、“博士”を装った高家とまき子が面会する間、紐倉はまき子の部屋へ潜入し、データを盗み出すことに成功。その結果、“若返り”の秘密は、違法に入手した若者の血を輸血することにあるのだと判明します。

 一方、高家は正体がバレてしまい、拉致されてしまいます。紐倉は牧野から助けに向かうよう依頼されて一度は断るものの、助手として愛着が湧き始めているため、まき子の家へ単身で突入。みき子の死によって老いていくことが怖くなったというまき子に対し、人類は死があるからこそ進化し続けてきたことや、不老不死になったら成長が止まり、逆に滅亡するのだと説き伏せ、一件落着となります。

 さて感想。今回は、人類が永遠に追い求めるであろう“不老不死”がテーマでした。若者の血を輸血することで血漿の若返りを図る、という医学的に正しいのかどうかはわかりませんが、ここはキャスティングの妙。観月ありさがまき子役を演じたことによって、絶妙な説得力とリアリティーが生まれました。これは山下にもいえますが、実際に法に触れるようなアンチエイジングでもしてるんじゃないかと疑うほど、2人とも若々しさを保っていますからね。

 その山下は、変人・紐倉役がすっかり板についてきました。相変わらずボソボソとした喋り方ですが、キャラが馴染んだのか、あるいはこちらが見慣れたのか、違和感が無くなりました。クールを装いつつも実は情に厚い。毎回のように牧野からの依頼を断りつつも、結局、最後には従うあたり、尻に敷かれているようにも思えます。山下が菜々緒のお株を奪うドSキャラという設定ですが、実際には牧野が紐倉と高家にリードをつなぎ、徐々に上手く操り始めているような気がしないでもありません。

 その牧野からぞんざいな扱いを受ける高家に関しては、前回同様に文句なし。天才的な探偵が主人公の作品ではステレオタイプに陥りがちな、いわゆるワトソン的な役回りを、濱田がコミカルに演じることで個性を発揮。回を追うごとに紐倉とのコンビネーションが冴え渡ってきている印象ですね。

 その紐倉の過去が毎回、少しずつ紐解かれているのですが、今回は大学時代の回想シーンが流れたことで、当時はまだ右手が義手ではなかったことが明らかになりました。さらに、以前はアメリカ疫病予防管理センター(CDC)で働いていたものの、アメリカ陸軍と揉めたことによって解雇されたことも判明。時折、戦場らしきシーンがフラッシュバックされ、その度に右手が痛む様子も気になるところではあります。

 恐らくそこには悲しい秘密が隠されているのでしょう。郊外の巨大な動植物園でひとり寂しく研究を続けてきた謎が明らかになることで、紐倉のキャラクターはさらに深掘りされて魅力が増すハズ。視聴率的には、常時15%前後を推移した『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズ(フジテレビ系)にはまだまだ及びませんが、山下の新たな代表作になる可能性を秘めているのではないでしょうか。次回は“人を自殺させる病原体”がテーマとのことで、放送を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

「日曜劇場」が軽いコメディになった理由とは? 福山雅治がバカボンのパパに『集団左遷!!』第2話

“平成最後の下克上”というキャッチコピーを謳った福山雅治主演ドラマ『集団左遷!!』(TBS系)。平成時代が終わっても、下克上宣言を続けるつもりでしょうか。序盤からすでに泥舟感が漂うことが気がかりです。泥舟に乗った気分で、第2話を振り返ってみましょう。

 大手の三友銀行に勤める片岡(福山雅治)は、廃店が内定している蒲田支店の支店長として着任しました。本部の横山常務(三上博史)からは「がんばらなくていい」と釘を刺されていた片岡ですが、蒲田支店の若手行員たちのがんばっている姿に感化され、ついつい「がんばらせてください、廃店にはしないでください」と横山常務に反逆してしまいました。

 副支店長の真山(香川照之)が廃店の話をみんなの前でバラし、行員たちは動揺しまくりです。新支店長である片岡が「半期で100億円のノルマを達成すれば、廃店はありません」と明るい笑顔で説明するも、「どーやって100億円のノルマを達成するんですか!?」とまるで相手にされません。「とにかく、がんばるんです」と連呼する片岡支店長の空回り感は否めません。

 さらに横山常務の指示による本部からの圧力が、蒲田支店全体を揺さぶります。かなり前に本部の審査部に提出していた融資の申請書が「不備がある」と突き返されてしまったのです。片岡支店長が横山常務に逆らったことへの露骨な嫌がらせです。

■部下に舐められまくる上司

 本部からの支店いじめは、まだまだ続きます。営業課長の横溝(迫田孝也)は町田社長(市川猿之助)から5000万円の融資の相談を受けてきたのですが、この情報は本部に筒抜けで、何と羽田支店が蒲田支店よりも安い金利でさらってしまいます。同じ支店同士での醜い足の引っ張り合いとなるのでした。

「とにかく、がんばろ~!」としか言わない片岡支店長に、若手行員のエース格である滝川(神木隆之介)がブチ切れます。

滝川「また出たよ、『がんばれ』。……と僕に口答えされたらムカつきますよね。本部に対して同じことをしたんじゃないですか」

 20代の部下に正論を吐かれ、ぐうの音も出ない片岡支店長でした。これでは、どちらが上司か分かりません。

 自宅に帰った片岡は、高校受験を控えた息子の裕太(絃瀬聡一)に「勉強か? がんばれよ」と声を掛けたところ、またまたやりこめられてしまいます。「はぁ。がんばっているのに、さらにがんばれと言われるのはキツいんだよ。会社でも言わないほうがいいよ」と息子に説教されてしまう片岡パパ。せっかく奥さまのかおり(八木亜希子)が作ってくれたすき焼きも、これでは美味しさ半減です。トホホホホ……。

■片岡支店長はバカ田大学出身?

 がんばれと部下を励ますのは、パワハラになってしまうのでしょうか? それなら、自分がまずがんばって見せるしかありません。町田社長がメガソーラーシステムをやりたがっていることを聞き出した片岡支店長は、大量のソーラーパネルを並べられる東京ドーム半分の広さがある土地を探し始めます。今回の融資話はダメでも、夢を持っている人を銀行員として純粋に励ましたいと考えたのです。他の支店への異動願いが受理されないことを知った横溝も一緒になって土地探しに奔走します。でも、このシーンを見ながら、多くの視聴者は「ちょっと待てよ」と感じたのではないでしょうか。

 太陽光パネルビジネスは、クリーンなエコイメージで以前はもてはやされましたが、ご近所とのトラブルや積雪・台風などでパネルがすぐダメになってしまうなど、多くの人が失敗に終わっている案件です。そんなリスクの高すぎるビジネスのために、後先考えずに走り続ける片岡支店長。泥舟感がハンパない蒲田支店です。

 視聴者の不安をよそに、片岡支店長は三浦半島で格安物件を見つけてしまうのでした。「仕事って、お金だけじゃないですもんね。私たち銀行員ががんばるのは、そこにがんばるお客さまがいらっしゃるからなんです」という言葉を残し、町田社長のもとをドヤ顔で去っていく片岡支店長。横溝課長と「これでいいのだ~、これでいいのだ~♪」と『天才バカボン』の主題歌をハモりながら蒲田支店への帰路に着きます。どうやら、片岡支店長はバカ田大学出身のようです。ますます、蒲田支店が心配になってきます。

 蒲田支店に戻った片岡支店長はびっくりです。さっき別れたはずの町田社長が先に来て、待っているではありませんか。片岡支店長は『天才バカボン』を歌いながら、どこまで練り歩いたのでしょうか。それはさておき、町田社長です。金利の安い羽田支店ではなく、蒲田支店から融資を受けたいと頼みにきたのでした。片岡支店長のバカ正直さに、すっかりほだされてしまったようです。福山雅治と市川猿之助、歌舞伎の世界では市川中車を名乗っている香川照之が同じ画面の中に並ぶという、なかなかレアな光景が第2話のハイライトシーンとなりました。まぁ、歌舞伎好きな人でないと、スルーされてしまいそうですけど。

 5000万円の融資話を羽田支店から奪い戻し、女性行員の木田恵美子(中村アン)をはじめとする蒲田支店の行員たちは、片岡支店長のことをすっかり信頼するようになります。蒲田支店が一丸となってがんばることで、100億円のノルマは1か月後には93億円まで減らすことに成功します。盛り上がる蒲田支店、でも本部に内部情報を漏らしているスパイはいったい誰? というところで第2話は終わりました。

 原作小説の『集団左遷』『銀行支店長』(講談社)が重々しい内容なのに比べ、福山の「日曜劇場」初主演作となった『集団左遷!!』はコメディタッチの展開です。第2話では『天才バカボン』の主題歌を歌ってみせた福山ですが、この調子なら植木等が軽快に歌った昭和のヒット曲「スーダラ節」あたりもダンスを交えて披露してくれるのではないでしょうか。

 それにしても、『集団左遷!!』に漂うこの超ライト感覚、言い換えればチャランポランさはどこから来ているのでしょうか。その答えはとても簡単です。

 今年9月からは日本で「ラグビーワールドカップ2019」が始まります。国際的なスポーツイベントを盛り上げるため、TBSでは7月期の「日曜劇場」は“切り札”池井戸潤が書き下ろすラグビードラマを放送することが決まっています。演出を務めるのは、もちろん『半沢直樹』『下町ロケット』など一連のTBS「日曜劇場」の池井戸ドラマを大ヒットさせてきた福澤克雄ディレクターです。

 福澤ディレクターは、慶應大学時代にラグビー部の主力選手としてチームを日本一に導いています。同じく慶應大学出身の池井戸潤は、国立競技場でその試合を応援していたという縁があります。なので、7月期のラグビードラマはかつてないほど熱いものになることが予測されます。つまり、逆算的に福山主演の『集団左遷!!』はライトなコメディタッチの作品になったと思われます。福山の魅力を最大限に引き出すというよりも、TBSの看板枠である「日曜劇場」の編成にメリハリをつけるための演出方針ではないでしょうか。与えられた条件の中で、結果を出すことが求められている―。という点では、片岡支店長と福山雅治の置かれている立場はすごく似通っていると思います。

 初回視聴率13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という高視聴率でスタートした『集団左遷!!』。泥舟のように沈んでいくのでしょうか。それともライト感覚のサラリーマンものとして、すいすいと進んでいけるでしょうか。

 第2話では片岡が真山たちと深刻な話をしている最中に、奥さまのかおりが「今日はすき焼きよ♪」と場違いな電話を掛けてくるシーンがありましたが、うまくギャグにすることができずにいました。お笑いの演出が今後うまくハマれば、泥舟化をまぬがれる可能性もあるかもしれません。気になる第2話の視聴率は、次回まとめてお伝えしたいと思います。
(文=長野辰次)