『Red』が描く、不倫愛に陥ったセックスレス妻――彼女に感じる“愛おしさ”の正体とは?

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『Red』(中央公論新社)

■今回の官能作品
『Red』(島本理生、中央公論新社)

 女は年を重ねるたびに、自分の欲望を開放することが難しくなってくる。そのきっかけになるのが出産だ。かつては街を歩けば楽しみばかり転がっていたはずなのに、ひとたび子ども連れになると、身勝手に楽しむわけにはいかない。子どもの手を引き、機嫌を取り、ぐずりだす前に早々と用事を済ませて帰宅する……自由であるはずの外出はいつしか苦痛となっていく。もちろん、子どもを持つ喜びもあるが、子どもの成長を最優先にした生活を続けるうちに、家庭をまるで“牢獄”のように感じてしまう瞬間もあるのではないだろうか。
 
 今回ご紹介する『Red』(中央公論新社)の主人公・塔子は、端から見れば幸せをそのまま形にしたような女性だ。イケメンの夫を持ち、出産を期に会社退職し、3歳の娘・翠と、義理の両親と共に暮らしている。姑は塔子に対して理解があり、平穏無事に暮らしていた。