芸能人が何かしらのトラブルを起こした後、最も大事になってくるのは事後処理である。会見を開いて事態の収拾を図る者もいれば、何事もなかったようにスルーを決め込む者もいる。中には休業に入ってしまい、逆に復帰が困難になって引退へ追い込まれる者もいる。
そういう意味で注目だったのは、先週放送の『青春高校3年C組』(テレビ東京系)。漫画やドラマの中でしか見たことのない“理想のクラス”を1年かけて作るというコンセプトの下、生徒を募集。人気芸人が担任を務める月~金の帯番組で、副担任はNGT48・中井りかが務めている。
6月16日のAKB48世界選抜総選挙で37位にランクインした中井は、壇上で「やっちまいました」「アイドルだっていろいろあるんだよ!」と週刊誌記者から直撃されたことを告白。その後、「週刊文春」(文藝春秋)のネット番組が中井と一般男性との半同棲生活を報じたが、それ以来、初めての地上波露出が18日の『3年C組』生出演だったのだ。
■カズレーザーのイジリに黙り込んでしまう月曜日の中井
スルーを決め込む、欠席して沈静化を図るなど、さまざまな選択肢があったと思うのだが、番組は中井のことをイジリ倒した。月曜担任のメイプル超合金・カズレーザーは、中井が出てくるや「彼氏なんですか、あれは?」と、あまりにもどストレートな質問!
この日行われた特別企画は、題して「アイドルだっていろいろあるんだよ! 職員会議」である。13日から総選挙当日までに何が起こったのかを振り返る趣旨だ。
まず、13日深夜に放送された『中井りかのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)について。番組内で中井は、昨年の総選挙で結婚宣言をした須藤凜々花の件を取り上げ「つらかったんだろうな、ファンの方はって思いました」「今年は何が起きるんだろう? って。誰が1位とかもあるけど、それよりも誰か(文春砲受ける人が)いるんじゃね? みたいな」と発言している。
「これはどういう意図でおっしゃっているんですか? トレンディエンジェルのたかしさんがりりぽん(須藤)推しで。『総選挙は文春砲の発表の場じゃねえんだ』って、すげえ言ってましたもん。めちゃくちゃキレてましたよ!」(カズレーザー)
ちなみに、今回の総選挙で中井が獲得した得票数は2万6701票だ。
「こういうの、どうすんの? 返金すんの? だって、返金しなかったら何言ったってウソじゃん」(カズレーザー)
冷静なカズの指摘に、何も返せず無言になってしまう中井。ついには、生徒から「大切なものはなんですか?」という妙に深い質問が投げかけられた。
中井「今も昔もこれからも、変わらずにファンの人たちが一番大事です。本当なんです。私のファンの人たちは、次の日の握手会にも何も変わらず会いに来てくれたし」
カズ「それ言いだしたら、別にグループにいなくてもいいって話になるもんね。ほかの子は違うルールでやってるわけでしょ?」
中井「……」
しまいには、別の生徒から出された「規則すら守れないのであれば、生徒からやり直すのはいかがでしょう?」という提案が採用され、翌日の放送から中井は生徒へ降格しての出演となった(今週から副担任に復帰)。
■“週刊誌兄さん”千鳥・大悟が中井に連射したゲスなイジリ
笑いに変えるでもなく、冷静にツッコミを入れるカズとは打って変わり、火曜担任の千鳥は悪ノリで中井をイジリ続けた。降格し、転校生として登場した中井を見た大悟は、いきなり「5~6kg痩せた?」と指摘。
実は前述のANNにはノブがゲスト出演しており、番組内で行われた須藤と中井による対談のジャッジマンを務めている。
ノブ「そこで中井ちゃんは責めたわけよ。『ファンの気持わかんないんですか? どういう気持ちでああいうことをしたんですか!?』って。どういう気持ちでしゃべっていた!?」
中井「もう、特大ブーメランですよ」
あからさまにテンションの低い中井を見て、イジらずにいられない千鳥。
ノブ「中井の顔、ずっと泣く寸前やん(笑)」
大悟「今日あたり、ホストクラブで写真撮られたら最高におもろいよ」
ノブ「レスリングの栄(和人)さんか!」
火曜には、傷付いた生徒を担任が励ます「励まし先生」という恒例コーナーがある。この日、千鳥が励ますのはもちろん中井だ。
大悟「お前の先輩だ。2回撮られてるからな」
ノブ「週刊誌兄さん、おはようございます!」
大悟「いろんな人が言うと思う。『結果、撮られてよかった日が来るよ』みたいなことを。ワシも2回撮られた。経験者からすると、そんな日は来ない! (自分を指さして)まだ、現に来ていない。ワシも週刊誌を嫁に見せてこう言った。『この記事、一文字も合ってないんだ』と。で、実際に合ってる文字を数えてみたら、700文字あった」
中井「合ってんじゃん!」
大悟「意外と週刊誌は合ってるぞ」
中井「(首を振って)そんなことない!(笑)」
そして、核心に触れる千鳥。
大悟「お前が本当に受け止めなければいけないのは、本当の事実は、総選挙37位ということだ」
中井(うなだれる)
ノブ「びっくりしたよ。一番テレビ出てるよねえ?」
大悟「中井ちゃん、37位ってFIFAランキングやぞ。すごいテレビ出てるんやから」
ノブ「そうなのよ、低いのよ。FIFAランキングのサウジアラビアのところなの」
大悟「僕らも一緒に出てるから応援しようと思ってテレビつけたら、もういなかったねえ?」
ノブ「フジテレビの中継に乗ってない!」
大悟「今、世間はごちゃごちゃするから、お前は『この報道があったから37位だ』ってすり替えをしていけばいいのよ。本当は、シンプルに37位なんだけど。ただ、今後お前は歩いている時に後ろから大人が走ってきたら『えっ、なんですか!?』って言う癖がつくようになる! あと、遠くからの“カシャ!”にも『えっ!?』ってなる(笑)」
番組後半では、視聴者から寄せられた悩みをクラスで論じ合うコーナーが行われた。この日の悩みは「私は受験勉強のために恋愛を我慢してきました。でも最近好きな人ができたんです。今を逃すと二度と好きになる人と出会えないかもしれません」というものだ。この悩みに対し、中井は「受験を大事にすべき」、大悟は「恋愛を大事にすべき」とそれぞれ主張。対面に位置する中井に、大悟は「中井、こっちこっち~! な~かい!」と挑発する。中井は負けずに熱弁を振るった。
「受験です、そんなのは! 受験を一生懸命やってたら、恋愛なんて入ってこないと思うから! 恋愛なんて見えないと思うんですよ」(中井)
報道の内容と発言とのギャップに、スタジオ内で笑いが発生する。うずうずした大悟は半同棲報道が出た中井へ「今日はどこに帰るの~?」と、あまりにもなイジリを仕掛ける。
■全曜日で全担任からイジられた中井
水曜以降も中井はイジられ続けた。
水曜担任の三四郎・小宮浩信は、生徒として出演する中井への違和感を口にする。
小宮「中井さん、何があった? 『中井りか、スペース、撮られた』で検索したら出る?」
中井「スペースとかいらない! 『中井りか』で、ちゃんと全部出てくる!」
木曜担任のバカリズムも、生徒として出演する中井のことを気にしている模様。教育実習生のお笑いコンビ・ノブナガから「中井先生はいろいろありまして、生徒に降格しました」と告げられると、あからさまにイジリにいった。
「何かの雑誌に撮られたわけじゃないですからね。それはしょうがない!」
そして、フォローを入れる。
バカリ「アイドルですから、人気商売だから、結局は総選挙の順位が上位であればいいわけですよ! 中井さんは当然、10位以内だったわけですから。何位でしたっけ?」
中井「え~っと、37位です」
バカリ「低っ!」
金曜担任のバナナマン・日村勇紀は、他曜日の担任と比べて優しげだ。
「中井さんが生徒に落ちたということで。皆さんもご存じの通り、文春砲ですから。そういうことが起こると、番組的には非常にありがたいというか。正直、それによって今まで見てくれなかった視聴者の方が見てくれるメリットもあるわけです」(日村)
■バカリズムに「腕持ってるね~」と評価された中井のこれから
時間が癒やしてくれるのか? 曜日が進むにつれ、明らかに中井はテンションが上向きになっていく。
例えば、木曜日の特別企画。「今の10代はLINEで告白する人が多い」という情報を受け、“本気のLINE告白”をクラスの生徒たちが発表するのがコーナーの趣旨だ。ここで中井が発表した告白文は以下。
「卒業するまで待っててね(ハート)約束!!!」
「卒業」とは学校からの卒業ではなく、NGT48からの卒業を指しているのか? 何にせよ、かなり挑発的な文面である。
バカリ「イジってほしいんじゃん(笑)。こんなでっかいエサないよ!」
中井「いや、私アイドルなんで」
バカリ「いやいやいや、さすが! (腕を指して)持ってるね~! ネタにするね~(笑)」
金曜には「落ち込んだ仲間を励ます一言」をお題に、生徒それぞれがリップシンクを行った。この時、中井が放った一言は「撮られるよりマシだよ!」というものである。
新興宗教から帰還した飯星景子、失踪した新藤恵美を起用するなど、事態を沈静化させる“ろ過装置”として『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』(日本テレビ系)という番組がかつて存在した。そして、今回の『3年C組』。逃げず、フタをせず、中井を矢面に立たせることで、こちらも見事にろ過装置の役目を全うしている。
そして、もうひとつ。“炎上女王”と言われている中井だが、正直、AKB村の中だけの認識だった。村の外に出ると、実のところ「AKBなりに頑張ってる子」止まりだった。でも、今回の件で「自分らと同じ立ち位置で扱っていいタマ」と芸人らの認識を改めることができた。遠慮せずにイジっていいし、ちゃんと笑いも起きる。
ファン以外にもアピールする“48グループの遠心力担当”として、文春砲は100%の得しかなかった。ほかのタレントと同じ目線に立つポジション作りとして機能した。逃げなかったからこそか。
(文=寺西ジャジューカ)