DAZNにDISられた!? “黒船”来襲に、Jリーグ失い防戦一方のスカパー!は大丈夫か

 先週から放送されているDAZN(ダ・ゾーン)のCMが、「スカパー!をDISってる」と話題になっている。

 そのCMを簡単に説明すると、「昔、Jリーグ観戦を牛耳る将軍がいた」という字幕と共に、お笑いトリオ・ロバート演じる、いかにも悪そうな大名たちが「Jリーグは見ることができません」と笑うところに、黒船が現われ、開国を要求する。

 この黒船がDAZNという設定のCMだが、確かに、かなり“攻めた”CMといえる。

 というのも、Jリーグの独占放映権は2016年までの10年間、スカパー!が所持していたからだ(参照記事)。

 06年のFIFAワールドカップドイツ大会で日本代表が惨敗し、サッカー人気が急落、Jリーグが厳しい時期もスカパー!が支えてくれた。そう感じているファンたちは多く、DAZNのCMに対し、「今まで10年もお世話になってきたスカパー!をおとしめるようなCMは受け入れ難い」という声は少なくない。

 だが、それはファンがノスタルジックになりすぎている感情的な意見だといえる。ある経営者は、スカパー!の数字を見れば一目瞭然だと教えてくれる。

「Jリーグの放映権を失って以来、スカパー!の売上高は落ち続けています。その公表された数字で興味深いのが、売上高よりも、営業利益や純利益が大幅に落ちているんです。これはどういうことかというと、安く仕入れて高く売っていた商品がなくなったことを意味すると言えますよね。実際に、DAZNはドコモユーザーなら月額1,000円で、それ以外は1,750円でJ1J2全試合が視聴できます。スカパー時代は同条件のプランで3,500円でしたから、半額以下に下がったわけです」

 スカパー!は、Jリーグの放映権の価値を年間約40億円としていたが、DAZNは約200億円を用意した。この金額について、DAZNのアカウント・ディレクターであるディーン・サドラー氏は、写真家でノンフィクションライターの宇都宮徹壱氏の取材に対し、「われわれはJリーグの放映権を得ることだけが目的ではなく、Jリーグに投資することで、現状からより(リーグの価値を)高めていきたいという明確な目標がありました」と語っている。

 確かにJリーグは、スカパー!にお世話になっていた。だが、スカパー!にJリーグを発展させていこうという意図があったかは、数字を見る限りでは伝わってこない。

 そういった事実を踏まえてみると、DAZNのCMにリアリティが湧いてくる。スカパー!は浦和レッズの試合など、人気クラブの試合は地上波で放送をさせなかったと言われている。DAZNのCMでいうところの鎖国状態だったのだ(参照記事2)。

 スカパー!が売上を回復させるには、自らがコンテンツを育てるという姿勢が必要なのかもしれない。江戸幕府が開国に踏み切り、異文化を受け入れ、この国を発展させたように。
(文=TV Journal編集部)

DAZNにDISられた!? “黒船”来襲に、Jリーグ失い防戦一方のスカパー!は大丈夫か

 先週から放送されているDAZN(ダ・ゾーン)のCMが、「スカパー!をDISってる」と話題になっている。

 そのCMを簡単に説明すると、「昔、Jリーグ観戦を牛耳る将軍がいた」という字幕と共に、お笑いトリオ・ロバート演じる、いかにも悪そうな大名たちが「Jリーグは見ることができません」と笑うところに、黒船が現われ、開国を要求する。

 この黒船がDAZNという設定のCMだが、確かに、かなり“攻めた”CMといえる。

 というのも、Jリーグの独占放映権は2016年までの10年間、スカパー!が所持していたからだ(参照記事)。

 06年のFIFAワールドカップドイツ大会で日本代表が惨敗し、サッカー人気が急落、Jリーグが厳しい時期もスカパー!が支えてくれた。そう感じているファンたちは多く、DAZNのCMに対し、「今まで10年もお世話になってきたスカパー!をおとしめるようなCMは受け入れ難い」という声は少なくない。

 だが、それはファンがノスタルジックになりすぎている感情的な意見だといえる。ある経営者は、スカパー!の数字を見れば一目瞭然だと教えてくれる。

「Jリーグの放映権を失って以来、スカパー!の売上高は落ち続けています。その公表された数字で興味深いのが、売上高よりも、営業利益や純利益が大幅に落ちているんです。これはどういうことかというと、安く仕入れて高く売っていた商品がなくなったことを意味すると言えますよね。実際に、DAZNはドコモユーザーなら月額1,000円で、それ以外は1,750円でJ1J2全試合が視聴できます。スカパー時代は同条件のプランで3,500円でしたから、半額以下に下がったわけです」

 スカパー!は、Jリーグの放映権の価値を年間約40億円としていたが、DAZNは約200億円を用意した。この金額について、DAZNのアカウント・ディレクターであるディーン・サドラー氏は、写真家でノンフィクションライターの宇都宮徹壱氏の取材に対し、「われわれはJリーグの放映権を得ることだけが目的ではなく、Jリーグに投資することで、現状からより(リーグの価値を)高めていきたいという明確な目標がありました」と語っている。

 確かにJリーグは、スカパー!にお世話になっていた。だが、スカパー!にJリーグを発展させていこうという意図があったかは、数字を見る限りでは伝わってこない。

 そういった事実を踏まえてみると、DAZNのCMにリアリティが湧いてくる。スカパー!は浦和レッズの試合など、人気クラブの試合は地上波で放送をさせなかったと言われている。DAZNのCMでいうところの鎖国状態だったのだ(参照記事2)。

 スカパー!が売上を回復させるには、自らがコンテンツを育てるという姿勢が必要なのかもしれない。江戸幕府が開国に踏み切り、異文化を受け入れ、この国を発展させたように。
(文=TV Journal編集部)

Jリーグ開幕! 毎年的中の“降格チーム”を今年も聞いてみた

 2015年には清水エスパルスのJ2降格をチーム状態の取材から、どこよりも早く予測(参照記事)し、同様に16年には名古屋グランパスエイトのJ2降格(参照記事2)、昨年は大バッシングを受けていた横浜Fマリノスの躍進を断言(参照記事3)していたライターたちに、今季のJ1リーグを占ってもらった。

「まずJリーグの放映権を持つDAZNが、今までにない施策を取っています。たとえば、開幕節のFC東京×浦和レッズの試合を無料配信します。スカパー!時代には、ドル箱のアウェイでの浦和戦を無料で視聴させるなんて考えらなかった。また、DAZNはサッカーサイトだけでなく、著名なライターのサイトにも広告を出すらしいです。個人、今の言葉でいう“インフルエンサー”を使ったマーケティングは、スカパー!時代では考えられません」(ライターA氏)

 ライターたちは、DAZNが昨年以上にJリーグを一般層に届けようとしていると捉えており、相乗効果でJリーグが昨年以上の盛り上がりをみせると推測している。では、今年の台風の目となるクラブはどこになるのか?

「やはり、セレッソ大阪でしょう。ユン・ジョンファン監督の手腕が素晴らしく、選手を戦術にフィットさせている。また昨季優勝した川崎フロンターレの根幹を作った風間八宏監督率いる名古屋グランパスも順位をかき回してくれそうです。長谷川健太監督率いるFC東京にも期待できますし、昨季の上位チームも変わらず優勝争いをするでしょう」(ライターB氏)

 そう饒舌に語る一方で、「今季は降格チームを予測するのが難しい」と付け加える。

 選手の総年俸から降格チームを考察すれば、Vファーレン長崎は3億円未満で、ぶっちぎりの最下位。ベガルタ仙台や湘南ベルマーレも3億円台で、5億円から7億円の間に、低い順からサガン鳥栖、コンサドーレ札幌、柏レイソル、サンフレッチェ広島、ジュビロ磐田、清水エスパルスと続く。資金力から考えれば、長崎、仙台、湘南の3チームとなりそうだ。

「長崎の高木琢也監督は、同じような状態の横浜FCを昇格から1年でJ2に再降格させてしまいましたが、その時の経験を生かすと思います。というより、長崎をJ1に残留させないと、J2専任の監督といった烙印を押されてしまう。湘南も同様ですが、今年はいつもの昇格時とは違い、主力が残留している。残留争いでポイントになるチームは、良い意味ではミハイロ・ペトロヴィッチ監督率いる札幌で、悪い意味では城福浩監督率いる広島です。札幌はジャイアントキリングを起こす雰囲気がありますが、広島はまったく読めません」(ライターC氏)

 では、降格する3チームはどこなのか? サポーターの怒りを買うのを承知で尋ねると、「長崎。あと2つは難しいですけど広島。んー仙台かな」(同)とのこと。果たして最後に笑うのはどのクラブだろうか? 今週末、J1リーグが開幕する。
(文=TV Journal編集部)

Jリーグ開幕! 毎年的中の“降格チーム”を今年も聞いてみた

 2015年には清水エスパルスのJ2降格をチーム状態の取材から、どこよりも早く予測(参照記事)し、同様に16年には名古屋グランパスエイトのJ2降格(参照記事2)、昨年は大バッシングを受けていた横浜Fマリノスの躍進を断言(参照記事3)していたライターたちに、今季のJ1リーグを占ってもらった。

「まずJリーグの放映権を持つDAZNが、今までにない施策を取っています。たとえば、開幕節のFC東京×浦和レッズの試合を無料配信します。スカパー!時代には、ドル箱のアウェイでの浦和戦を無料で視聴させるなんて考えらなかった。また、DAZNはサッカーサイトだけでなく、著名なライターのサイトにも広告を出すらしいです。個人、今の言葉でいう“インフルエンサー”を使ったマーケティングは、スカパー!時代では考えられません」(ライターA氏)

 ライターたちは、DAZNが昨年以上にJリーグを一般層に届けようとしていると捉えており、相乗効果でJリーグが昨年以上の盛り上がりをみせると推測している。では、今年の台風の目となるクラブはどこになるのか?

「やはり、セレッソ大阪でしょう。ユン・ジョンファン監督の手腕が素晴らしく、選手を戦術にフィットさせている。また昨季優勝した川崎フロンターレの根幹を作った風間八宏監督率いる名古屋グランパスも順位をかき回してくれそうです。長谷川健太監督率いるFC東京にも期待できますし、昨季の上位チームも変わらず優勝争いをするでしょう」(ライターB氏)

 そう饒舌に語る一方で、「今季は降格チームを予測するのが難しい」と付け加える。

 選手の総年俸から降格チームを考察すれば、Vファーレン長崎は3億円未満で、ぶっちぎりの最下位。ベガルタ仙台や湘南ベルマーレも3億円台で、5億円から7億円の間に、低い順からサガン鳥栖、コンサドーレ札幌、柏レイソル、サンフレッチェ広島、ジュビロ磐田、清水エスパルスと続く。資金力から考えれば、長崎、仙台、湘南の3チームとなりそうだ。

「長崎の高木琢也監督は、同じような状態の横浜FCを昇格から1年でJ2に再降格させてしまいましたが、その時の経験を生かすと思います。というより、長崎をJ1に残留させないと、J2専任の監督といった烙印を押されてしまう。湘南も同様ですが、今年はいつもの昇格時とは違い、主力が残留している。残留争いでポイントになるチームは、良い意味ではミハイロ・ペトロヴィッチ監督率いる札幌で、悪い意味では城福浩監督率いる広島です。札幌はジャイアントキリングを起こす雰囲気がありますが、広島はまったく読めません」(ライターC氏)

 では、降格する3チームはどこなのか? サポーターの怒りを買うのを承知で尋ねると、「長崎。あと2つは難しいですけど広島。んー仙台かな」(同)とのこと。果たして最後に笑うのはどのクラブだろうか? 今週末、J1リーグが開幕する。
(文=TV Journal編集部)

中村俊輔に続いて……Jリーグの横浜F・マリノスと齋藤学に起きた“不可思議なループ”

 サッカーJリーグの横浜F・マリノスに、またまたトラブルが起きているとメディアが報じている。

 昨年12月から来季に向けた契約更改に臨んでいたものの、「どうやってチームが強くなっていくのか、イメージが描けなかった」と語っていたマリノスの齋藤学が、川崎フロンターレに移籍することが今月12日に発表されたのだ。

 昨季の中村俊輔に続き、背番号10の主将がチームへの不満を口にして移籍することに対し、メディアは「マリノスのフロントは大丈夫か?」と報じているのだが、実情はどうなのだろうか? サッカーライターに聞いた。

「マリノスが大丈夫か? というよりも、齋藤のコメントのみが一人歩きしているように思います。昨年のマリノスの成績、そして新監督を見れば、マリノスのプロセスは理解できるはずです」

 昨年、マリノスはファンタジスタタイプの中村ではなく、チームにファンタジスタを必要としないエリク・モンバエルツ監督を優先した。監督の残留を受け、中村はチームを出ていくことを選び、マリノスはメディアやファンから大バッシングを浴びることになる。

 だが、批判の声に反比例するように、モンバエルツ監督は得意とする堅守速攻を浸透させていく。そして、リーグ戦5位、天皇杯も準優勝と結果を残した(参照記事)。

 その一方で、モンバエルツ監督と選手たちの間に齟齬があったのも事実である。モンバエルツ監督だけでなく、フィリップ・トルシェ元日本代表監督やヴァヒド・ハリルホジッチ現代表監督など、フランス系の監督と日本人はコミュニケーションがかみ合わないことが多い。

 それをマリノスのアイザック・ドル統括本部スポーティングダイレクターも感じていたようで、「監督にとって一番大切なことは、選手とスタッフのマネジメントです。あとは日本のサッカーをわかっているかどうか」と基準を設定し、アンジェ・ポステコグルー監督を招聘した。

 ポステコグルー監督はオーストラリア人で、オーストラリアに初のアジアカップ制覇をもたらし、ワールドカップも経験している。軋轢なく世代交代も進めた。さらにフィジカルをベースにした堅守速攻一本だったチームに、アタッキングフットボールも根付かせている。マリノスのフロントに整合性はある。

 齋藤がマリノスへの不満を口にした5日後に、マリノスは新監督を発表している。マリノスが来季のビジョンを説明できなかったとは思えない。では、なぜ齋藤は移籍したのだろうか?

「今のマリノスは欧州的でプロフェッショナルな判断をするクラブです。齋藤は現在、ケガを抱えています。しかも、昨季のケガ前のゴール数は『1』。そして、昨季は希望通り単年契約を結び、欧州への移籍にトライした。そんな齋藤に今のマリノスが高い評価を与えるはずはないし、自分の会社にそういった社員がいたらどうですか? 来年には転職したいというケガをしている社員に高給を与えたりしないでしょう。でも、齋藤は年齢的に今がピークで、自信があるため、『強化部と選手との間で評価に差がある。明らかに自分とは考えが違う』といった不満が生じる。要するに誰が悪いではなく、マリノスも、齋藤も、互いにプロフェッショナルな判断をしただけです。」

 それでも、どこか後味が悪く感じるのは、選手が“クラブ愛”を大々的に語ってから移籍していくからだろう。本来は女々しい話なのだが、メディアが選手側に立ち、考察なく選手コメントのみを報じるため、ファンもノスタルジックな気持ちになる。そして、チーム側が批判されるという、なんとも不可思議なループだ。欧州ならば、選手が何を言っても、更新を拒んだ場合、その契約内容次第では裏切り者と呼ばれるのだが……。

 マリノスの炎上騒動は、選手コメントのみで記事を書く日本のサッカーメディアが火の元といっても過言ではない。
(文=TV Journal編集部)

中村俊輔に続いて……Jリーグの横浜F・マリノスと齋藤学に起きた“不可思議なループ”

 サッカーJリーグの横浜F・マリノスに、またまたトラブルが起きているとメディアが報じている。

 昨年12月から来季に向けた契約更改に臨んでいたものの、「どうやってチームが強くなっていくのか、イメージが描けなかった」と語っていたマリノスの齋藤学が、川崎フロンターレに移籍することが今月12日に発表されたのだ。

 昨季の中村俊輔に続き、背番号10の主将がチームへの不満を口にして移籍することに対し、メディアは「マリノスのフロントは大丈夫か?」と報じているのだが、実情はどうなのだろうか? サッカーライターに聞いた。

「マリノスが大丈夫か? というよりも、齋藤のコメントのみが一人歩きしているように思います。昨年のマリノスの成績、そして新監督を見れば、マリノスのプロセスは理解できるはずです」

 昨年、マリノスはファンタジスタタイプの中村ではなく、チームにファンタジスタを必要としないエリク・モンバエルツ監督を優先した。監督の残留を受け、中村はチームを出ていくことを選び、マリノスはメディアやファンから大バッシングを浴びることになる。

 だが、批判の声に反比例するように、モンバエルツ監督は得意とする堅守速攻を浸透させていく。そして、リーグ戦5位、天皇杯も準優勝と結果を残した(参照記事)。

 その一方で、モンバエルツ監督と選手たちの間に齟齬があったのも事実である。モンバエルツ監督だけでなく、フィリップ・トルシェ元日本代表監督やヴァヒド・ハリルホジッチ現代表監督など、フランス系の監督と日本人はコミュニケーションがかみ合わないことが多い。

 それをマリノスのアイザック・ドル統括本部スポーティングダイレクターも感じていたようで、「監督にとって一番大切なことは、選手とスタッフのマネジメントです。あとは日本のサッカーをわかっているかどうか」と基準を設定し、アンジェ・ポステコグルー監督を招聘した。

 ポステコグルー監督はオーストラリア人で、オーストラリアに初のアジアカップ制覇をもたらし、ワールドカップも経験している。軋轢なく世代交代も進めた。さらにフィジカルをベースにした堅守速攻一本だったチームに、アタッキングフットボールも根付かせている。マリノスのフロントに整合性はある。

 齋藤がマリノスへの不満を口にした5日後に、マリノスは新監督を発表している。マリノスが来季のビジョンを説明できなかったとは思えない。では、なぜ齋藤は移籍したのだろうか?

「今のマリノスは欧州的でプロフェッショナルな判断をするクラブです。齋藤は現在、ケガを抱えています。しかも、昨季のケガ前のゴール数は『1』。そして、昨季は希望通り単年契約を結び、欧州への移籍にトライした。そんな齋藤に今のマリノスが高い評価を与えるはずはないし、自分の会社にそういった社員がいたらどうですか? 来年には転職したいというケガをしている社員に高給を与えたりしないでしょう。でも、齋藤は年齢的に今がピークで、自信があるため、『強化部と選手との間で評価に差がある。明らかに自分とは考えが違う』といった不満が生じる。要するに誰が悪いではなく、マリノスも、齋藤も、互いにプロフェッショナルな判断をしただけです。」

 それでも、どこか後味が悪く感じるのは、選手が“クラブ愛”を大々的に語ってから移籍していくからだろう。本来は女々しい話なのだが、メディアが選手側に立ち、考察なく選手コメントのみを報じるため、ファンもノスタルジックな気持ちになる。そして、チーム側が批判されるという、なんとも不可思議なループだ。欧州ならば、選手が何を言っても、更新を拒んだ場合、その契約内容次第では裏切り者と呼ばれるのだが……。

 マリノスの炎上騒動は、選手コメントのみで記事を書く日本のサッカーメディアが火の元といっても過言ではない。
(文=TV Journal編集部)

2018年はどうなる日本サッカー界! 厳冬期から春へ向かう中、ファンとメディアに求められるものとは

 2013年(参照記事1)、14年(参照記事2)、15年(参照記事3)と厳冬が続いた日本サッカー界だが、16年には「日本サッカー界の春」の訪れが感じられた。

 FIFAクラブワールドカップ2016では鹿島アントラーズが決勝まで勝ち上がり、16年視聴率総合ランキング8位となる26.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)という驚異の視聴率を叩き出し、日本サッカーはオワコンではないというのを証明してみせた。

 それを物語るように、17年からJリーグの放映権が年間40億円から210億円にアップ。これにより、17年のJリーグ優勝チームには、賞金や配分金含めて前年の4倍となる約21億円が支給される。浦和レッズや鹿島のチーム人件費が約20億円ということを考えると、2017年のJリーグを制したチーム、つまり川崎フロンターレは過去にないフェーズに突入したことになる(参照記事4)。

 そういった背景もあり、17年は過去にないほど移籍が活発に行われた。

 そんな中、開幕前に横浜Fマリノスの“レジェンド”である中村俊輔が、チームへの不満からジュビロ磐田に移籍したのが暗い話題として取り上げられたが、これは日本サッカー界のメディアの稚拙な報道である。退任が決まっている横浜のモンバエルツ監督は、若手を育てるのに定評があり、堅守速攻型の監督であった。横浜で中村に居場所はなく、その反面、モンバエルツ監督が若い斎藤学などを活かしていたのも事実。中村の移籍は、横浜も磐田も「Win-Win」の移籍という認識が、ワールドスタンダードである(参照記事5)。実際に、横浜はリーグ戦5位、天皇杯も準優勝と結果を残した。

 そのJリーグを運営する事務局も、健全化が進んでいる。

 Jリーグナンバー3だった中西大介常務理事が「セクシュアルハラスメント及びパワーハラスメント」で辞任させられたことは、その証左ともいえる。以前から、中西氏の無能ぶりを筆者は糾弾してきたが、声に反比例するかのように中西氏は出世を続ける。だが、ここにきて失脚したというのは、Jリーグに自浄作用が働き始めたという側面もあるのではないだろうか(参照記事6)。

 ここまでを読むと、日本サッカー界の18年は明るそうだが、心配事もいくつかある。

 それは、サポーターや選手のリスペクト精神の低さが生む騒動である。17年にはガンバ大阪サポーターがナチス旗を掲げたり、鹿島と浦和の選手たちが舌戦を繰り広げたりと、スポーツとはかけ離れた行為が散見していた(参照記事7)。日本人はよく「サッカーは戦争だ」と言い、勝利への執念を引き出そうとするが、「それは本当の戦争を知らない人の言葉」(元クロアチア代表・ボバン)という苦言を謙虚に受け止めるべきだろう。

 そして、18年を左右するのがFIFAワールドカップ2018ロシア大会に挑む日本代表の結果である。ワールドカップで日本代表がグループリーグで敗退すれば、再び日本サッカー界は冬の時代に戻ってしまうのは、史実が物語っている。

 ワールドカップで結果を出すためにも、メディアは「ハリルホジッチ監督でグループリーグを突破できるのか?」という議論をすべきなのに、ハリル監督に傾倒するライターたちは「ハリル監督どうこうよりも、日本人選手たちの戦術理解度が低い」と論点を変えてしまっている(参照記事8)。

 ワールドカップ2006ドイツ大会に臨むジーコ監督の時も「選手たちの自主性を」といった報道に終始し監督を擁護、結果、惨敗を喫したのを忘れているかのようだ。

「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」という言葉があるが、日本サッカー界は同じ過ちを繰り返してしまうのだろうか。

 日本サッカー界の18年が明るくなるかどうかは、日本代表を率いるハリル監督と、そのハリル監督を評価する日本サッカー協会はもとより、その日本サッカー協会を監視するメディアと、日本サッカー界を支えるファンの偏差値次第である。
(文=TV Journal編集部)

Jリーグ・川崎フロンターレ初優勝も、鹿島サポーターからは「八百長だ」の声が……

 サッカーJ1リーグの2017シーズンが幕を閉じた。

 今シーズンの優勝争いは、Jリーグ史上、クラブ関係者が最も手に汗握るものだった。

 というのも、Jリーグは、スポーツライブストリーミングサービス「DAZN」と17年からの10年間、約2,100億円の放映権契約を締結した。これにより、今シーズンを制したクラブは、優勝すると配分金と賞金で総額22億円を手にすることができる。J1中位以下クラブの年間予算が約22億円前後ということを考えると、今年優勝することがクラブの未来を左右するといっても過言ではない。事実、どのチームも優勝を目指そうとし、2017年シーズンは移籍が活発になった。

 それだけに優勝争いは最終の34節までもつれた。

 首位の鹿島アントラーズと得失点差では勝る2位の川崎フロンターレの勝ち点差は2で、川崎は自身が勝利し、鹿島が引き分け以下ではないと逆転優勝できないシチュエーションだった。

 だが、川崎は“シルバーコレクター”の常連。毎回、優勝争いをしたり、トーナメントの決勝に残っても、最終的に2位で終わるのがお決まりだった。今季のルヴァン杯決勝は、同じく“シルバーコレクター”と言われてきたセレッソ大阪とぶつかったが、敗戦を喫し、「真のシルバーコレクター」と揶揄されてしまう結果になった。

 だれもが鹿島の優勝を確信していたが、鹿島はジュビロ磐田相手に0-0の引き分け。一方で川崎は大宮アルディージャを5-0で粉砕したため、なんと大逆転で川崎がJ1リーグを制した。

 劇的な結末となったのだが、鹿島サポーターからは「八百長があった」という声があがっている。一体何があったのか? サッカーライターに聞いた。

「終盤に鹿島と川崎の試合で、それぞれ微妙な判定が続いたんです。鹿島は柏レイソル戦で、相手ペナルティーエリア内で相手の手にボールが当たったのですが、ファウルをもらえなかった。鹿島に不利なジャッジだった。対する川崎は、31節のガンバ大阪戦と32節の浦和レッズ戦で、自陣ペナルティーエリア内で川崎選手の手にボールが当たったのですが、いずれもファウルにならなかった。こちらは川崎には有利なジャッジです。もし、このどれかがファウルになっていれば、PKで得点が決まる可能性が高く、そうなると勝ち点で鹿島が上回っていたことになります」

 つまり、川崎に終盤、有利なジャッジが続いたことを一部のファンが「八百長だ」と指摘しているということだ。では、実際に八百長はあるのだろうか?

「あるわけないじゃないですか(笑)。今は八百長監視システムがすごく発達していて、すぐにバレますよ。特にレフェリーには接触できません。鹿島サポーターが言っている判定についても、ゴールに入っているものを入っていないとしたわけではなくて、ハンドリングかどうかの見極めと適用する、しないという2つのポイントがあります。鹿島も、ガンバ戦で有利なジャッジがありましたし、ジャッジはシーズンが終わって振り返ると有利と不利がとんとんなのがサッカーです」(同)

 欧州で愛された名レフェリーは、「間違いは誰でも犯す、その間違いもサッカーの一部なのだ」と語っていたが、精密なジャッジを望む人たちは、サッカー観戦には向かないということなのかもしれない。
(文=TV Journal編集部)

Jリーグ・川崎フロンターレ初優勝も、鹿島サポーターからは「八百長だ」の声が……

 サッカーJ1リーグの2017シーズンが幕を閉じた。

 今シーズンの優勝争いは、Jリーグ史上、クラブ関係者が最も手に汗握るものだった。

 というのも、Jリーグは、スポーツライブストリーミングサービス「DAZN」と17年からの10年間、約2,100億円の放映権契約を締結した。これにより、今シーズンを制したクラブは、優勝すると配分金と賞金で総額22億円を手にすることができる。J1中位以下クラブの年間予算が約22億円前後ということを考えると、今年優勝することがクラブの未来を左右するといっても過言ではない。事実、どのチームも優勝を目指そうとし、2017年シーズンは移籍が活発になった。

 それだけに優勝争いは最終の34節までもつれた。

 首位の鹿島アントラーズと得失点差では勝る2位の川崎フロンターレの勝ち点差は2で、川崎は自身が勝利し、鹿島が引き分け以下ではないと逆転優勝できないシチュエーションだった。

 だが、川崎は“シルバーコレクター”の常連。毎回、優勝争いをしたり、トーナメントの決勝に残っても、最終的に2位で終わるのがお決まりだった。今季のルヴァン杯決勝は、同じく“シルバーコレクター”と言われてきたセレッソ大阪とぶつかったが、敗戦を喫し、「真のシルバーコレクター」と揶揄されてしまう結果になった。

 だれもが鹿島の優勝を確信していたが、鹿島はジュビロ磐田相手に0-0の引き分け。一方で川崎は大宮アルディージャを5-0で粉砕したため、なんと大逆転で川崎がJ1リーグを制した。

 劇的な結末となったのだが、鹿島サポーターからは「八百長があった」という声があがっている。一体何があったのか? サッカーライターに聞いた。

「終盤に鹿島と川崎の試合で、それぞれ微妙な判定が続いたんです。鹿島は柏レイソル戦で、相手ペナルティーエリア内で相手の手にボールが当たったのですが、ファウルをもらえなかった。鹿島に不利なジャッジだった。対する川崎は、31節のガンバ大阪戦と32節の浦和レッズ戦で、自陣ペナルティーエリア内で川崎選手の手にボールが当たったのですが、いずれもファウルにならなかった。こちらは川崎には有利なジャッジです。もし、このどれかがファウルになっていれば、PKで得点が決まる可能性が高く、そうなると勝ち点で鹿島が上回っていたことになります」

 つまり、川崎に終盤、有利なジャッジが続いたことを一部のファンが「八百長だ」と指摘しているということだ。では、実際に八百長はあるのだろうか?

「あるわけないじゃないですか(笑)。今は八百長監視システムがすごく発達していて、すぐにバレますよ。特にレフェリーには接触できません。鹿島サポーターが言っている判定についても、ゴールに入っているものを入っていないとしたわけではなくて、ハンドリングかどうかの見極めと適用する、しないという2つのポイントがあります。鹿島も、ガンバ戦で有利なジャッジがありましたし、ジャッジはシーズンが終わって振り返ると有利と不利がとんとんなのがサッカーです」(同)

 欧州で愛された名レフェリーは、「間違いは誰でも犯す、その間違いもサッカーの一部なのだ」と語っていたが、精密なジャッジを望む人たちは、サッカー観戦には向かないということなのかもしれない。
(文=TV Journal編集部)

「V・ファーレン長崎」が奇跡のJ1昇格! “プロ経営者”の躍進にJリーグ幹部は浮かぬ顔……?

 サッカーJリーグで、地方の小クラブであるV・ファーレン長崎が奇跡のJ1昇格を果たした。過去にも徳島ヴォルティスなど地方の小クラブがJ1昇格したことはある。だが、今回の長崎の昇格は、Jリーグ史上に残る奇跡といえる。

 今年3月、長崎は旧経営陣による給与未払いや債務超過により、J3に降格寸前となっていた。その崩壊の危機を救ったのが、通販大手「ジャパネットたかた」の創業者である高田明氏である。自らが長崎の社長に就任し、経営改革に着手。クラブを消滅の危機から救ったのだ。

 とはいえ、資金が潤沢な訳ではない。J2のチーム人件費の平均は5億円前後だが、長崎の予算は約3億円。2013年にJ1に昇格した徳島ヴォルティスにも5億近い人件費があった。そう考えると、いかに長崎の昇格が奇跡的なのかが理解できるはず。

 では、なぜ長崎はJ1に昇格できたのだろうか? サッカーライターが、その裏側を明かす。

「J2では、引いて守って、前線にいる外国人選手で得点を奪うのが一般的な戦術です。試合数も多いので、省エネサッカーを選択した方が、結果が出やすい。そんな中で長崎は、高木琢也監督が『攻めの守備』という戦略をとりました。高木監督が毎試合、相手を綿密に分析し、相手の特徴を消しにいく守備で勝ち点を重ねた。スター選手がいなくても、監督とチームの総合力でJ1昇格を果たしたわけです」

 ほんの数カ月前には消滅しそうだったクラブが、J1に昇格する。なんとも感動的なストーリーではあるが、近年のJリーグでは、プロ経営者たちが同様の旋風を巻き起こしている。

 サガン鳥栖もJ2時代の04年にクラブ消滅の危機に陥ったが、クリーク・アンド・リバー社の創業者である井川幸広氏が社長に就任し、06年には4位と大幅に順位を上げ、12年にJ1に昇格。今ではJ1で優勝争いをするチームになった。

 アビスパ福岡も同様で、13年に経営問題が発覚するも、アパマンショップの役員が立て直し、15年に5年ぶりのJ1昇格を果たしている。

 だが、そんなプロ経営者たちの活躍に、Jリーグの役員たちは浮かない顔のようだ。

「プロ経営者たちがJクラブを躍進させる反面、アルビレックス新潟の社長からJリーグ専務理事に就任した中野幸夫氏が今季からまた社長として古巣に戻りましたが、現在最下位でJ2に降格しそうになっています。何年もJの中枢にいた人物が、J1クラブを降格させてしまうと、Jリーグ事務局に説得力がなくなります。ただでさえ、今年はJリーグ常務理事の中西大介氏がセクハラで退任した後なのですから」

 プロ経営者たちの活躍の裏で、良い結果を残せない元Jリーグ幹部たち。彼らが選んだ会員が、いまだにJリーグで幅を利かせていると思うと、末恐ろしい。
(文=TV Journal編集部)