『Iターン』第3話で猛フィーチャー! 鈴木愛理がかわいすぎる!! 

 7月26日に放送された『Iターン』(テレビ東京系)の第3話。ムロツヨシ演じる主役・狛江光雄のサラリーマンとヤクザの二重生活がいよいよ本格化し始めた回だった。

第3話あらすじ 古田新太との連携で恐喝に手を染めるムロツヨシ

 狛江は、ネット会議で阿修羅支店の成績が上がっていないことを上司の高峰博之(相島一之)からネチネチと叱責される。同席していた部下の柳直樹(渡辺大知)は高峰のパワハラに憤りを感じ、「ダメ元でアタックしてきます!」と丸越百貨店の部長・深町智博(TKO木下隆行)の元へ出かけていった。一方、もう1人の部下・吉村美月(鈴木愛理)は「2人きりでご飯行きませんか?」と、狛江に意味深な誘いをかけてきた。

 浮かれた狛江が帰宅すると、ピッキングでドアを開けた岩切猛(古田新太)が部屋の中で待っていた。岩切は迷惑料500万円を催促し、さらに丸越を抱き込んで印刷屋を使ったキックバックで金を作れと脅してきた。狛江は深町にもう一度接待をさせてほしいと頼み込み、美月が気になる深町は了承した。

 1軒目は深町行きつけの高級寿司店で食事し、2軒目に向かったのは岩切組がケツ持ちをしているスナック来夢来都である。そこで、ママの麗香(黒木瞳)は狛江に白い粉を渡し、深町のグラスに入れるよう指示。狛江が深町の酒にその粉を混ぜると、深町は気を失った。そして麗香がタクシーを呼ぶと、岩切組組員が運転手に扮して深町を連れ去っていった。

 後日、狛江が深町に会いに行くと、深町は箱いっぱいの仕事を用意しており、それらすべてを狛江に任せると指示をした。その後、岩切に呼び出された狛江は、深町が複数の女性と裸で抱き合っている写真を渡される。「これは恐喝じゃないですか!」狛江が驚くと、岩切は「だとしたらお前がやったんじゃ。おかげで、丸越の仕事取れたんじゃろがい!」と言い返す。狛江はぐうの音も出なかった。

鈴木愛理のかわいさは見どころの1つ

 前回、このドラマについて「面白いのか面白くないのかよくわからないドラマ」と評した。事実、今までの見どころはインテリヤクザを演じる田中圭の出で立ちと、チワワの昌三のかわいらしさくらいである。これだけの個性派俳優を揃え、見どころがその2つというのもどうかと思うが……。

 そんな中、今回猛フィーチャーされたのは鈴木愛理だった。「2人きりで食事に行けないですか?」と誘い、『大恋愛〜僕を忘れる君と』(TBS系)で精神的イケメンを演じていたムロを浮足立たせた愛理。ホステスとイチャつく渡辺を見て嫉妬の表情を浮かべたり、お酒で口内の傷がしみるムロに「無理しないでください」と水を渡したり、ムロとシャドーボクシングをしてボディに1発入れ悶絶させたり、カラオケで阿修羅市のテーマ曲を熱唱してスナック中をヘッドバンキングさせたり。ドラマの面白さは未だわからないが、愛理がかわいいことはわかった。

 そんな愛理に「手相が見れる」と言って腕をさすりまくるのはTKO木下だ。前回の接待で肩に手を回したのに続き、今回も愛理をセクハラしている。木下が若い子をセクハラする様は、妙に生々しい。そんな人が美人局に遭い、白ブリーフ姿で女とまぐわる写真を撮られる展開は、末路として非常にしっくりきた。

 つまり、古田と連携し、そのつもりがないのにムロが犯罪で成果を上げてしまった形だ。悪行に手を染め、サラリーマンとヤクザの二重生活は本格化。小市民が受け身でいて、脇の甘さから圧に負け、絶望の淵にはまっていく下り坂。なのに、不思議と悲壮感がないから不思議だ。きっと、前回までに会社員の悲哀が十分描かれていたことが効いているのだろう。「サラリーマンは打たれ強い」という印象が助走となり、悲劇とコメディの比率がいいバランスになった。ムロがただの善人ではなく、嫌悪すべき欠点を持っていることも大きい。だから、かろうじてコメディに着地している。この手の役をやらせたら、やはりムロの右に出る者はいない。

 1~2話に比べ、若干テンポが良くなった感のある第3話。加えて、ヤクザに翻弄されるムロの下で2人の部下が仕事に目覚めつつあるのも救いだ。あとはムロが巻き返す展開を待つばかりだが、原作を読む限り、そのフェーズに入るのはまだまだ先である。

(文=寺西ジャジューカ)

『Iターン』ムロツヨシの愛嬌がアダに……? 第2話で離脱者続出か

 7月19日に放送された『Iターン』(テレビ東京系)の第2話。これがまた、レビューしにくいドラマで……。

第2話あらすじ サラリーマンとヤクザの2重生活が本格化するムロツヨシ

 暴力団の竜崎組と岩切組から借金をし、さらに岩切組の組員にさせられてしまった狛江光雄(ムロツヨシ)。仕方なく狛江は貯金の100万円をおろし、サラ金数社からは200万円を借金して、計300万円を竜崎剣司(田中圭)に返済した。しかし、会社に戻ると今度は岩切猛(古田新太)が訪問していた……。岩切からは500万円を請求され、その上、岩切組の当番表を渡される。

 狛江がうなだれていると上司の高峰博之(相島一之)から連絡が入り、丸越百貨店の広告を受注するよう指令された。丸越百貨店の部長・深町智博(木下隆行)を接待するチャンス得た狛江だったが、接待の流れで機嫌を損ねた深町は途中で席を立ってしまった。

 その後、岩切に呼び出された狛江は組の仕事を押し付けられることに。事務所の電話番を担当し、岩切の愛犬であるチワワ「昌三」の散歩係に任命され、さらに美人ママ・麗香(黒木瞳)が経営するスナックのケツ持ちとして呼び出されるという理不尽の連続。泥酔した客を前に、本当はただのサラリーマンの狛江は困り果てるばかりだった。

意地悪なOLよりよっぽど優しいヤクザの仕事指導

 原作のストーリーからあまり外れずに進んでいったドラマ版『Iターン』。でも、所々でドラマオリジナルのテイストも発見できる。サラリーマンが極道になった第1話。そして今回の第2話は、流行りの“お仕事ドラマ”のフォーマットに則っていたように思う。

 古田が仕切る岩切組は肉体派ヤクザのイメージだが、その実、若手は毎日内職に励んでいる。中にはネイルチップを作っているヤクザまでいて、かわいらしさと暴力のギャップはすごい。

 当番初日にムロが担当したのは電話番である。電話が鳴って受話器を取ると、相手はもちろんヤクザばかり。しかも、先方は「俺」「ワシ」としか名乗らないから困りものだ。誰の電話を受けている判別がつかず、伝言のしようもない。この世で最も避けたい電話番……。狼狽し、慌てるムロを、岩切組は意外にも優しく指導した。

「叔父貴、誰からの電話かは相手の声を覚えるしかないんです」(桜井)

 組員の桜井勇一(毎熊克哉)は面倒見が良く、彼の存在に思わずホッとしてしまう。一般企業にいる意地悪なOLよりよっぽど親切ではないだろうか。

 古田の愛犬・昌三(名前は『仁義なき戦い』の菅原文太演じる広能昌三に由来)の世話係に任命されたムロ。古田の強面とチワワのかわいらしさのギャップも、やはり印象的だ。公園で昌三がしたフンをスコップで“回収”するムロ。借金と法外な利息を“回収”するヤクザの仕事とかけたのだろうか?

 任侠だけではない、現代ヤクザを取り巻く世知辛さを描いた第2話だった。

 初回レビューで「このドラマの評価は2話以降に持ち越す」と書いたが、現時点でもまだ答えは出せない。面白いのか面白くないのか、よくわからないのだ。原作のストーリーをおおむね忠実にたどっているものの、主演・ムロの愛らしさが前面に押し出されており、痛々しさが半減したことが理由かもしれない。

 小説でも主人公・狛江は追い詰められ、猛スピードでドツボにはまっていった。その悲壮感は尋常ではなく、ページをめくるのもためらうほどだった。しかし、ムロの愛嬌で悲壮感が中和され、観ている者に絶望感が伝わらないという皮肉な事態を招いている。ムロがはまる泥沼が深まるのを傍観するだけに終始した今回。原作未読の視聴者は、ストーリーがどこに向かっているか、悪い意味でまったく読めていなかったと思う。ただただ、終わりの見えない理不尽がムロを襲うばかり。SNSを見ると、第2話でドラマを脱落した視聴者は多かったようだ。もともと、佳境に入るまでの助走が『Iターン』は長い。しかも、長き助走の目指す方向が不明なので、視聴者はしびれを切らしている。そういう意味で「面白いのか面白くないのか、よくわからないドラマ」と表現した。

「面白くなるのか?」よりも「面白がれそうなフックは訪れるのか?」という心構えで、今夜放送の第3話を待ちたい。いろいろな意味で珍しいドラマだと思う。

(文=寺西ジャジューカ)

ムロツヨシが2人のヤクザの板挟みに! 『Iターン』は池井戸作品のパロディか?

 7月12日より、ドラマ『Iターン』(テレビ東京系)がスタートした。事前に公開されたイメージショットに写るは、主役のムロツヨシ、そして古田新太と田中圭だ。昨年は『大恋愛』(TBS系)で精神的イケメンを演じていたムロ、6月まで女装姿で「おつかレインボー!」と言っていた古田、そしてハイスペックなおっさんたちにモテまくっていた田中が、今までとまったく違う顔を見せてくれる今作。前クールの同じ枠で放送されていた『きのう何食べた?』(テレビ東京系)に続き、ムチャクチャ豪華な出演者たちである。

第1話あらすじ 広告マンなのに極道になるムロツヨシ

 広告代理店の営業マン・狛江光雄(ムロツヨシ)は、自分の悪口を言ったという理由で部長から最果ての阿修羅支店へ左遷を命じられる。狛江はその話を断れず、妻と娘を残し単身赴任することに。

 支店を立て直そうと、部下と取引先を回る狛江。すると、早々にドラゴンファイナンスという会社からチラシ制作の依頼が舞い込んだ。翌日、土沼印刷を訪ねた狛江は会社の様子を見て「私の求めるクオリティは期待できない」と、同社に今回が最後の仕事だと通告した。

 しばらくしてドラゴンファイナンスから呼び出された狛江は、社長の竜崎剣司(田中圭)からチラシの電話番号の誤植で店の売上が落ちたと責められ、500万円の賠償金を要求された。ドラゴンファイナンスとは表向きの顔で、正体は竜崎が組長を務める暴力団・竜崎組だった。誤植は、仕事を切られた腹いせに土沼建設の社長・土沼昭吉(笹野高史)がわざと行ったものだった。

 そこに、岩切組の組長・岩切猛(古田新太)が怒鳴り込んできた。誤植でチラシに載せられた電話番号は、岩切組が経営するテリヘル店の番号だった。竜崎に捕まる狛江に岩切は無理やり酒を飲ませ、「兄弟盃を交わした。こいつはワシの舎弟や」と狛江を連れ去った。

 岩切組に拉致された狛江は2階の窓から逆さ吊りにされ、迷惑料500万円と上納金月々5万円を約束させられる。こうしてサラリーマンでありながら、岩切組の組員になったのだった。

『Iターン』は2010年に福澤徹三が発表した同名小説が原作。今回のドラマ化に際し、アレンジを加えているところもあれば、元の設定をそのまま生かしている箇所もある。

 まず、阿修羅市行きの飛行機内で起こった出来事。身なりの良いビジネスマンを見て、みすぼらしい自分の靴を隠すなど、ムロは萎縮する。このビジネスマンが隣の席に座るや、2人の間で肘掛けの取り合いが勃発した。結果、あっさり敗北するムロからは腰の弱さが窺える。阿修羅市に到着すると、すれ違うのは危なそうな通行人ばかり。そんな人たちから話しかけられても、目も合わせず足早にムロは通り過ぎる。

 そんな彼の態度が一変したのは、道端でシンナーを吸っている女性2人組を見た時だ。うんこ座りする彼女たちを凝視し、説教しようとさえする。「こっち来いよ!」と挑発されたら、言われた通りに接近し始める強気ぶり。阿修羅支店では、有能に思われようと部下に虚勢を張り続ける。下手に出る印刷会社には、あっさり三行半を突き付けた。

 狛江はそういう奴なのだ。人によって態度を変える。強い者の前ではおとなしく、弱い立場の人間には威圧的。この男の弱さとずるさを表すためには、実は伏線でもなんでもない肘掛けのくだりを原作通り忠実に再現する必要があった。

 この物語は、ムロが古田と田中の板挟みに合う形で展開する。両者ともにヤクザだ。だから、この先ずっとムロは及び腰である。だが、いつの間にかサラリーマンらしからぬ大胆さが芽生え、緩やかなキャラ変が行われていくから期待してほしい(原作通りに進むならば)。そういえば、このドラマのエンディングはムロと古田が海岸で仲良く犬の散歩をしている映像だった。

 ところどころ、他局のヒットドラマのオマージュをぶっ込んでいるのが面白い。

 ドラゴンファイナンスに初めて訪問した際、ムロは部下の渡辺大知と一緒だった。ムロが建物に入ろうとすると、渡辺は「定時なんで」と自分だけ仕事を上がった。完全に、『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)を意識した流れである。

 また、岩切組に連れ去られたムロは、カメラ目線で視聴者にこんなことを訴えた。

「皆さん、違うんですよ! このハードなドラマの展開、違うんですよ! これは、僕が中年の危機を乗り越える感動の物語なんですよー!」

 ムロの長ゼリフは、TBS日曜21時台でおなじみの池井戸潤作品のコンセプトそのままだ。あの世界観をパロディするムロ。この構図って、まさしく『LIFE!~人生に捧げるコント~』(NHK)だろう。内村光良と『集団左遷!!』(TBS系)のコントを演じるムロを、本人がオマージュしているみたいである。

 あと、田中がムロに言った「俺は優しいほうだぞ?」のセリフ。原作通りのキャラ設定なら、この男が優しくないのは明らかだ。「優しいほうだぞ?」に間髪入れず、『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)ばりに「んなわけねえだろっつうの」と突っ込みたくなってしまった。

 これらの気になるフックを散りばめつつ、初回の内容は様子見といったところだった。実写版『Iターン』についての評価は次回以降に持ち越しだ。

(文=寺西ジャジューカ)