日韓の交流が活性化している。音楽シーンにおいて2020年代の大きな潮流のひとつになるに違いないその動きは、今年の夏以降特に盛り上がりを見せ、ポップミュージックの次なる可能性を示し始めている。
今の景色を切り取るより先に、まずはここに至るまでの道程を整理しておかねばならない。さかのぼると、2010年代半ばに何人かのラッパーによってすでに魅力的な日韓の交流は行われていたからであ…
日韓の交流が活性化している。音楽シーンにおいて2020年代の大きな潮流のひとつになるに違いないその動きは、今年の夏以降特に盛り上がりを見せ、ポップミュージックの次なる可能性を示し始めている。
今の景色を切り取るより先に、まずはここに至るまでの道程を整理しておかねばならない。さかのぼると、2010年代半ばに何人かのラッパーによってすでに魅力的な日韓の交流は行われていたからであ…
ヒップホップにダンスミュージックの波が来ている――と言ってみたところで、そもそもヒップホップは本来的にダンスミュージックであり、そこまでさかのぼらなくとも2000年以降のヒップホップでさえ、常にそれらに影響を受けてきたと言えるはずだ。例えば、もっともダンスと縁遠く、ベッドルームで哀しみに暮れながら聴く音楽だったであろうかつてのエモラップですら、甲高い音で規則的に刻まれるハイハットはダンスミ…
ラップとポリティカル・コレクトネス――同居することはあれど、完全に溶け合うのは難しい。歯に衣着せぬ生々しいラップのリリックには、差別用語や暴力的な表現を躊躇なく使う曲が数多く存在する。しかし、その刺激こそラップの魅力のひとつでもある。ただ、誤解しないでほしいのは、ラップは無知や差別、そして暴力を推奨していない。むしろ、メディアが伝えない現実を音楽にして広め、被差別や暴力に対抗、もしくは消化…
新たな才能だ。
和歌山出身のラッパー・7(ナナ)のデビューEP『7-11』が、SNSの片隅で局地的に支持を得ている。そのリリックとラップに宿る突然変異のオリジナリティは、私たちが世の中に対しうっすらと感じながらも具現化しきれていなかった感情を形にしている。
以前から〈BOyLE〉というMC名で活動していた7は、昨年末に「SEX」や「マリファナ」といった身も蓋…
国内のラップミュージックとダンス、その距離感が近年また近づきつつある。
以前――80年代から00年代前半にかけて――国内のヒップホップとダンスは密接な距離感を保ちながらカルチャーを作り上げてきた。映画『フラッシュダンス』や『ワイルド・スタイル』(ともに1983年)を例に挙げるまでもなく、それら映像でのインパクトから始まった国内ダンスカルチャーは徐々にシーンを形成し、『B B…
──キックボクシングで世界を制覇し、実業家としても成功を収める男が次に着手したビジネスは“ヒップホップ・シンガー”というスタイルだった(続きを読む
――2014年にエイベックスとの契約を結び、自身のレーベル〈CLOUD 9 CLIQUE〉を傘下に新設したANARCHY。舞台を華やかな場所に移そうが、彼のスタンスは何も変わらず、計3枚のアルバムをリリースし、より多くのプロップスを手にした。18年には自らのクリエイティブ・プロダクションとなる〈1% | ONEPERCENT〉を設立、映画『WALKING MAN』(19年)で…
オオスミタケシ氏が逝去という突然の訃報に胸を衝かれた1月下旬。昨今は「ミスター・ジェントルマン」のデザイナーとして広く活躍する彼だったが、やはりオオスミタケシと言えば、日本のヒップホップ史に名を刻むグループ〈SHAKKAZOMBIE〉のラッパー“OSUMI”であり、 “Big-O”である。たくましい体躯とは裏腹に、独自の感性で紡がれる詩的で繊細なリリック、排他的とも映った90年代の日本語ラ…
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