ワーキングマザー向け雑誌「Grazia」の想定読者は実在するのか?

<p> 3月中旬、「Grazia」(講談社)が8月号をもって休刊することが発表されました。2012年5月号から「ワーキングマザーがいちばん楽しい!」というキャッチコピーをもとにワーキングマザー向けの雑誌として新創刊したものの、以後、徐々に雑誌が薄くなっていく様を見るにつけ、ざわわざわわと心の中で森山良子の「さとうきび畑」がエンドレスリピート状態だったのは、筆者だけじゃないはず。</p>

“妊娠中でもヒールが履きたい”内田恭子に集約された、「Grazia」の精神

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「Grazia」2012年12月号(講談社)

 今月号の「Grazia」(講談社)、冒頭から濃厚なトピックで恐縮ですが、『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)の著者としておなじみの宋美玄氏監修の「女医が本音で『女のカラダ』」を見てみましょう。「巷にはびこる勘違いの数々。“ご都合主義的自然志向”にご注意を!」とあるように、女性の体にまつわる都市伝説レベルのウワサや疑問を検証しています。

 「卵巣年齢を若返らせることはできますか?」「産み分けはできるのでしょうか?」といった高齢出産にまつわる相談から、「布ナプキンって、カラダにいいの?」という疑問まで細かに答えています。確かに「Grazia」読者を含む30代には、「布ナプキン讃美」「自然出産至上主義」「アンチピル」など女性のカラダを神聖視するあまりに極端な行動に出る人が多いですし、それらの人を作ってきたのはメディアでもあるので、ニュートラルな情報を提示するのはいいことだと思います。

“母として・女としての洗顔”、「Grazia」のセンスが「Domani」寄りに!

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「Grazia」2012年7月号(講談社)

 今月号の「Grazia」の表紙は、永作博美。長年、エイジレスの権化として君臨してきた永作も、一昨年に第一子を出産し、「Grazia」読者と同じくワーキングウーマンに。インタビューでは「何ひとつ無駄なものはないと思っているので。日々起こっているすべてのことが、私になってる」と語っています。カッチョエー!! ま、この手のインタビューなんて誰が出てもカッコイイことしか言えない雰囲気なのでいいのですが、スタイリングがルイ・ヴィトンの25万円のドレスやグッチの真っ白なスリーピースなど、いかにも「Grazia」が好みそうな「強くて、かっこいいワーキングマザー」をイメージさせる格好をしているんですよね。せっかくナチュラル大臣・永作を出すなら、もっと肩ひじ張らないスタイリングでもいいんじゃないかと。毎日フォーマルな服装で働いている人は、井脇ノブ子以外は思いつきません。まあ、彼女はワーキングマザーではないし、あれをフォーマルと言っていいのかも不明瞭ですが……。

<トピック>
◎子どもと一緒の時を刻む名品時計
◎美肌を育むクレンジング&洗顔術 母として洗う日 女として洗う日
◎“総合こども園”ってどーなるの!? リレー激論

独女向け雑誌は夢が語れない! 「Grazia」がワーキングマザーを美化するワケ

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「Grazia」2012年6月号(講談社)

 先月号からワーキングマザー向けの雑誌としてリニューアルした「Grazia」。今月号では、「やっぱり気になるこの人の仕事とプライベート」として神田うの嬢が登場しています。出産前は「生意気」を商売道具に変え、“出る杭”としていろんな所で叩かれまくったうの嬢ですが、出産を経て、

「今は、子どもが最優先ですから。彼女をないがしろにするような仕事のしかたはしません。彼女より大事なものはないんです。私は、どんな仕事先の方にでも、胸を張って、そう言いますよ」
「先日、『徹子の部屋』に出演した時、19歳の頃のVTRが流れて、そこで私、『子どもなんて、親がいなくてもスクスク育ちますからねー』なんて、あっけらかんと言ってるんです。もう、唖然。あれを思えば、私も成長しました(笑)。子育てをしているようで実は、子どもに育てられている、そんなふうに思います」

独女向け雑誌は夢が語れない! 「Grazia」がワーキングマザーを美化するワケ

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「Grazia」2012年6月号(講談社)

 先月号からワーキングマザー向けの雑誌としてリニューアルした「Grazia」。今月号では、「やっぱり気になるこの人の仕事とプライベート」として神田うの嬢が登場しています。出産前は「生意気」を商売道具に変え、“出る杭”としていろんな所で叩かれまくったうの嬢ですが、出産を経て、

「今は、子どもが最優先ですから。彼女をないがしろにするような仕事のしかたはしません。彼女より大事なものはないんです。私は、どんな仕事先の方にでも、胸を張って、そう言いますよ」
「先日、『徹子の部屋』に出演した時、19歳の頃のVTRが流れて、そこで私、『子どもなんて、親がいなくてもスクスク育ちますからねー』なんて、あっけらかんと言ってるんです。もう、唖然。あれを思えば、私も成長しました(笑)。子育てをしているようで実は、子どもに育てられている、そんなふうに思います」

新装刊の「Grazia」に見る、ワーキングマザー向け雑誌の難しさ

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「Grazia」2012年5月号(講談社)

 今月号から「Grazia」がワーキングマザー向け雑誌にリニューアルしました。誌名まわりに「ワーキングマザーがいちばん楽しい!」というキャッチが踊り、今月号の特集も「せわしなくって、幸せな『働く母』を生きていこう!」と気合も十分。表紙&インタビューには、“ポイズンの嫁”としておなじみ、女優・松嶋菜々子が登場。『家政婦のミタ』(日本テレビ系)で高視聴率を取る女優なのに子育てと両立しているとか、生活が充実しているとか、そんなありきたりな話ばかり受け答えしてますけど、松嶋の起用はそんな理由じゃない! 一部週刊誌で報道された、「松嶋菜々子、ハローワークで家政婦を募集! 時給は相場より安い1,300円」というニュースが、ワーキングマザーの現状を生々しく伝えており、「働く母」の味方・「Grazia」にピッタリ、というのが筆者の妄想による起用理由。あながち外れていないと思うんですが……。

<トピック>
◎せわしなくって、幸せな『働く母』を生きていこう!
◎雨宮塔子連載「瞼のパリ」
◎気になるニュース、女の論点