「Domani」豊洲タワマンママ登場! 「子どものトートバッグ」でママ友選ぶ、恐るべき“価値観”

 ワーキングマザー向けに大リニューアルされた「Domani」(小学館)。リニューアル後第3弾となる6・7月号の表紙からは、前号まで猛プッシュされていた新キャッチフレーズ「脱ママ! 脱モテ! 脱真面目!」が消えました。

 特集も、前々号は「ママと呼ばないで」、前号は「“かっこいいオカン”になろう!」だったのが、今号では「スニーカーの日 NOTスニーカーの日」に。一気に「イケ★ママ」(「Domani」の提唱するイケてるワーママのこと)臭を脱臭してきました。しかしご安心ください。中身の方は、相変わらずぶっ飛んでいます。早速、見ていきましょう。

<トピックス>
◎高島彩の「ママ時間」「ノーママ時間」
◎アグネス・チャンさんの言葉
◎実録!? 東京23区・働く母の生態ファイル『江東区の女』

小保方さんを感じさせる高島彩

 気になるところが多すぎる「Domani」の連載エッセイ陣。どんな連載なのか、それぞれご紹介していきたいと思います。

 まずは、高島彩のエッセイ「高島彩の『ママ時間』『ノーママ時間』」。毎号、どことなく人の心をぞわりとさせる文章が気になっているのですが……。今号は、自分の顔のパーツが数年前と比べて「1センチくらい落下しているではないですか!」という嘆きから始まり、締めくくりは「人目もはばからず草むらでゴロゴロしていたら飛行機雲が一筋。あ、こんな空の見方もあったのね。たまには大きく手足を広げて空を仰ぐ時間もお母さんには必要なのかも」。

 個人的にはこの一部分だけで、何となく、小保方晴子さんのエッセイ『小保方晴子日記』(中央公論新社)を読んだときと同じぞわぞわを感じてしまったのですが、理由はわからぬまま。この謎は、今後解明していきたいと思います。

 次は、美容家・神崎恵の連載「神崎恵・人生訓」。夕食の時間が違う息子3人と夫のため、「唐揚げ、親子丼、パスタ、うどんを1時間おき」で作るような忙しさだそうですが、「疲れた顔と心で料理しないよう気をつけています」とのことで、キッチンに立つとき専用のチーク、リップ、ピアスをつけて臨むそう。「できたてごはんが言葉の代わり。料理は私の愛情表現」という大正論をキメられては、ぐうの音も出ません。

 しかし、これを読んで「よしっ、私も頑張るぞ!」と思える素直な読者はどれほどいるのでしょうか。少なくとも筆者は一旦、そっと「Domani」を閉じました。

 最後は、リニューアル前から続くKinKi Kids・堂本剛の人気連載「堂本剛のなら(ず)もん」。今回は、最近ハマっているというホットケーキがテーマ。本人のアイデアで「ホットケーキ配色のコーデ」をテーマに撮影することになったそうで、ホットケーキふうのミニ剛が、いちごやブルーベリーとともに、皿に載ったカットが掲載されています。非常にシュールで、一度見たら忘れられない写真です。

 以上のように、細かな部分でも読者を飽きさせないのが「Domani」なのです。

 タイトルも前書きもなく突如として現れる、白黒オンリー、縦書き二段組みの、ファッション誌とは思えない異様なページ。言葉を失いつつも、「これは一体何のページなのか」と読んでみると、「イケ★ママ」から寄せられた子育ての悩みに、誰かが答えている……という内容のページでした。

 しかし回答者が誰なのかということには触れられないまま、6ページにわたってその白黒縦書きページは続きます。恐る恐る読み進めると、最後のページ左下に小さく、このような記載がありました。

【答えてくれた人 アグネス・チャンさん】

 ……ここ数年で最も鳥肌が立ちました。まるでホラーです。え……? なんで私、アグネス・チャンの子育て論を読まされていたの?? とキツネにつままれた気分でした。

 どうやら、「Domani」と同じ小学館から、アグネスが書籍『未知に勝つ子育て:AI時代への準備』を出版したそうで、そのPRだったようです。児童心理学を学んだアグネスは、スタンフォード大学で教育博士号を取得し、息子3人も同大学に入学させたことで、近年では教育ママ売りしていることは、今回初めて知りました。

 その回答内容も賛否を呼びそうでしたので、気になる方はぜひお読みください。立ち読みでペラペラとめくるだけでも、あのホラーテイストなページはすぐに見つけられるはずです。

豊洲ママは持ち物で選別される

 注目の連載読み物「実録!? 東京23区・働く母の生態ファイル」。千代田区ママ編、港区ママ編ときて、次は江東区編です。江東区といっても予想通り、今回取り上げられているのは豊洲のタワーマンションエリアのみ。

 亀戸も大島も森下も清澄白河も南砂町も、ほかはぜーんぶ切り捨てられ、「高層階だと、まるで天上にいるみたいですよ」「天気がわからないんです。下に降りて初めて、今、雨なのか! と傘を取りに戻ることが多いですね」など、タワマン在住の「イケ★ママ」あるあるが羅列されています。

 子どもが多いエリアだそうで、「豊洲は子育ての街。こんなに育てやすい街、ほかにあるのかな」という意見もあり、そうなんだ~と信じそうになったのも束の間、「保育園、習いごと、学童がキャパオーバー」「水泳教室の土曜クラスは3年待ち」と書かれていて、それのどこが育てやすいんじゃいと一人つっこみました。

 また、ママ友に声を掛けたきっかけを質問された人が、「〇さんのお子さんが、沖縄の某ホテルのトートバッグを持っていて。それは、そのホテルに泊まってキッズプログラムに参加した人だけもらえるバッグで、うちも同じのを持ってたんです。(中略)生活レベルっていうか、価値観が同じかなあと思って」と回答しているのを読んだとき、「価値観」って便利な言葉だなと思うとともに、絶対に豊洲には住まないと誓いました。「豊洲への不満点は?」という質問に「カブトムシがいない」と答えた人がいたことは、ちょっと面白かったですが……。

 隔月刊なのがもったいないほど読み応えある「Domani」、次号も楽しみにしています。
(島本有紀子)