これはテレビの終焉なのか、はたまた日本サッカーの終焉なのか──。
9月7日(現地時間)、日本代表はW杯最終予選の中国戦に1対0で勝利したが、この試合はテレビで放送されなかった。放映権料が高騰して、アウェー戦に関してテレビ局が手を引き、スポーツ専門の定額制動画配信サービス「DAZN」が放映権を獲得したことからだが、この意味は重い。
1998年のフランス大会以来…
これはテレビの終焉なのか、はたまた日本サッカーの終焉なのか──。
9月7日(現地時間)、日本代表はW杯最終予選の中国戦に1対0で勝利したが、この試合はテレビで放送されなかった。放映権料が高騰して、アウェー戦に関してテレビ局が手を引き、スポーツ専門の定額制動画配信サービス「DAZN」が放映権を獲得したことからだが、この意味は重い。
1998年のフランス大会以来…
世界で動画配信サービスを展開するDAZNが、今年からプロ野球・巨人戦の主催全試合を配信しているが、球界内ではこれがあちらこちらで“波紋”を呼んでいる。
昨年、DAZNは巨人を除く11球団の主催全試合をライブ配信。今年はヤクルト、広島を除く10球団を配信する。
3月に行われた巨人とDAZNの会見では配信だけにとどまらず、球団スポンサーに入ることも発表するなど、かなり大がかりな“提携”を結んで話題を呼んだ。
「一部報道では、年間に巨人や親会社の読売新聞社側に支払った金額が20億円と出たが、実際にはさらに多い25億から30億円近い巨額マネーが動いた。巨人側にとっては大きなメリットばかりの提案だった」(在京テレビ局関係者)
だが、最後まで反対していたのはテレビ中継で競合する日本テレビだったという。
「地上波、BS、CS、ネット配信と、モロに被ってしまう。最終的にはOKとなったが、今でも拒絶する関係者は多い」(同)
球界の盟主を見事にお金で口説き落としたDAZNだが、気になるのは断りを入れた2球団の理由だ。
「広島はもともと、松田元オーナーが地元民放局をかなり優遇しているのは有名な話。現在、広島戦はCSでも放送されていますが、一部の試合を除いて未だに地元ローカル局の中継を“垂れ流し”せざるを得ないのは、これが理由です。また、以前に横浜DeNAとクライマックスシリーズで対戦した際、関東のある民放局が放映権交渉しましたが、これも広島のローカル局側が反対するなど、いやらしいくらいのムラ社会が確立されています」(同)
また、ヤクルトに関しては巨人とは正反対のひどすぎる“扱い”に、球団幹部が激怒しているという。
「今年、DAZNがヤクルト球団に提示した放映権料は3億円程度と言われている。『同じセ・リーグでお隣の巨人にはあれだけ金が払えるのに、なぜうちにはたったこれだけなのか』と球団関係者が怒り、交渉は決裂。最終的にグループ会社のフジテレビのオンデマンド配信でネット中継することで落ち着いた」(別の在京テレビ局幹部)
巨額資金をバックに“ネット界の黒船”はどこへ向かうのか。
世界で動画配信サービスを展開するDAZNが、今年からプロ野球・巨人戦の主催全試合を配信しているが、球界内ではこれがあちらこちらで“波紋”を呼んでいる。
昨年、DAZNは巨人を除く11球団の主催全試合をライブ配信。今年はヤクルト、広島を除く10球団を配信する。
3月に行われた巨人とDAZNの会見では配信だけにとどまらず、球団スポンサーに入ることも発表するなど、かなり大がかりな“提携”を結んで話題を呼んだ。
「一部報道では、年間に巨人や親会社の読売新聞社側に支払った金額が20億円と出たが、実際にはさらに多い25億から30億円近い巨額マネーが動いた。巨人側にとっては大きなメリットばかりの提案だった」(在京テレビ局関係者)
だが、最後まで反対していたのはテレビ中継で競合する日本テレビだったという。
「地上波、BS、CS、ネット配信と、モロに被ってしまう。最終的にはOKとなったが、今でも拒絶する関係者は多い」(同)
球界の盟主を見事にお金で口説き落としたDAZNだが、気になるのは断りを入れた2球団の理由だ。
「広島はもともと、松田元オーナーが地元民放局をかなり優遇しているのは有名な話。現在、広島戦はCSでも放送されていますが、一部の試合を除いて未だに地元ローカル局の中継を“垂れ流し”せざるを得ないのは、これが理由です。また、以前に横浜DeNAとクライマックスシリーズで対戦した際、関東のある民放局が放映権交渉しましたが、これも広島のローカル局側が反対するなど、いやらしいくらいのムラ社会が確立されています」(同)
また、ヤクルトに関しては巨人とは正反対のひどすぎる“扱い”に、球団幹部が激怒しているという。
「今年、DAZNがヤクルト球団に提示した放映権料は3億円程度と言われている。『同じセ・リーグでお隣の巨人にはあれだけ金が払えるのに、なぜうちにはたったこれだけなのか』と球団関係者が怒り、交渉は決裂。最終的にグループ会社のフジテレビのオンデマンド配信でネット中継することで落ち着いた」(別の在京テレビ局幹部)
巨額資金をバックに“ネット界の黒船”はどこへ向かうのか。
先週から放送されているDAZN(ダ・ゾーン)のCMが、「スカパー!をDISってる」と話題になっている。
そのCMを簡単に説明すると、「昔、Jリーグ観戦を牛耳る将軍がいた」という字幕と共に、お笑いトリオ・ロバート演じる、いかにも悪そうな大名たちが「Jリーグは見ることができません」と笑うところに、黒船が現われ、開国を要求する。
この黒船がDAZNという設定のCMだが、確かに、かなり“攻めた”CMといえる。
というのも、Jリーグの独占放映権は2016年までの10年間、スカパー!が所持していたからだ(参照記事)。
06年のFIFAワールドカップドイツ大会で日本代表が惨敗し、サッカー人気が急落、Jリーグが厳しい時期もスカパー!が支えてくれた。そう感じているファンたちは多く、DAZNのCMに対し、「今まで10年もお世話になってきたスカパー!をおとしめるようなCMは受け入れ難い」という声は少なくない。
だが、それはファンがノスタルジックになりすぎている感情的な意見だといえる。ある経営者は、スカパー!の数字を見れば一目瞭然だと教えてくれる。
「Jリーグの放映権を失って以来、スカパー!の売上高は落ち続けています。その公表された数字で興味深いのが、売上高よりも、営業利益や純利益が大幅に落ちているんです。これはどういうことかというと、安く仕入れて高く売っていた商品がなくなったことを意味すると言えますよね。実際に、DAZNはドコモユーザーなら月額1,000円で、それ以外は1,750円でJ1J2全試合が視聴できます。スカパー時代は同条件のプランで3,500円でしたから、半額以下に下がったわけです」
スカパー!は、Jリーグの放映権の価値を年間約40億円としていたが、DAZNは約200億円を用意した。この金額について、DAZNのアカウント・ディレクターであるディーン・サドラー氏は、写真家でノンフィクションライターの宇都宮徹壱氏の取材に対し、「われわれはJリーグの放映権を得ることだけが目的ではなく、Jリーグに投資することで、現状からより(リーグの価値を)高めていきたいという明確な目標がありました」と語っている。
確かにJリーグは、スカパー!にお世話になっていた。だが、スカパー!にJリーグを発展させていこうという意図があったかは、数字を見る限りでは伝わってこない。
そういった事実を踏まえてみると、DAZNのCMにリアリティが湧いてくる。スカパー!は浦和レッズの試合など、人気クラブの試合は地上波で放送をさせなかったと言われている。DAZNのCMでいうところの鎖国状態だったのだ(参照記事2)。
スカパー!が売上を回復させるには、自らがコンテンツを育てるという姿勢が必要なのかもしれない。江戸幕府が開国に踏み切り、異文化を受け入れ、この国を発展させたように。
(文=TV Journal編集部)
先週から放送されているDAZN(ダ・ゾーン)のCMが、「スカパー!をDISってる」と話題になっている。
そのCMを簡単に説明すると、「昔、Jリーグ観戦を牛耳る将軍がいた」という字幕と共に、お笑いトリオ・ロバート演じる、いかにも悪そうな大名たちが「Jリーグは見ることができません」と笑うところに、黒船が現われ、開国を要求する。
この黒船がDAZNという設定のCMだが、確かに、かなり“攻めた”CMといえる。
というのも、Jリーグの独占放映権は2016年までの10年間、スカパー!が所持していたからだ(参照記事)。
06年のFIFAワールドカップドイツ大会で日本代表が惨敗し、サッカー人気が急落、Jリーグが厳しい時期もスカパー!が支えてくれた。そう感じているファンたちは多く、DAZNのCMに対し、「今まで10年もお世話になってきたスカパー!をおとしめるようなCMは受け入れ難い」という声は少なくない。
だが、それはファンがノスタルジックになりすぎている感情的な意見だといえる。ある経営者は、スカパー!の数字を見れば一目瞭然だと教えてくれる。
「Jリーグの放映権を失って以来、スカパー!の売上高は落ち続けています。その公表された数字で興味深いのが、売上高よりも、営業利益や純利益が大幅に落ちているんです。これはどういうことかというと、安く仕入れて高く売っていた商品がなくなったことを意味すると言えますよね。実際に、DAZNはドコモユーザーなら月額1,000円で、それ以外は1,750円でJ1J2全試合が視聴できます。スカパー時代は同条件のプランで3,500円でしたから、半額以下に下がったわけです」
スカパー!は、Jリーグの放映権の価値を年間約40億円としていたが、DAZNは約200億円を用意した。この金額について、DAZNのアカウント・ディレクターであるディーン・サドラー氏は、写真家でノンフィクションライターの宇都宮徹壱氏の取材に対し、「われわれはJリーグの放映権を得ることだけが目的ではなく、Jリーグに投資することで、現状からより(リーグの価値を)高めていきたいという明確な目標がありました」と語っている。
確かにJリーグは、スカパー!にお世話になっていた。だが、スカパー!にJリーグを発展させていこうという意図があったかは、数字を見る限りでは伝わってこない。
そういった事実を踏まえてみると、DAZNのCMにリアリティが湧いてくる。スカパー!は浦和レッズの試合など、人気クラブの試合は地上波で放送をさせなかったと言われている。DAZNのCMでいうところの鎖国状態だったのだ(参照記事2)。
スカパー!が売上を回復させるには、自らがコンテンツを育てるという姿勢が必要なのかもしれない。江戸幕府が開国に踏み切り、異文化を受け入れ、この国を発展させたように。
(文=TV Journal編集部)
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