「ar」(主婦と生活社)6月号はBODY特集号。表紙に掲げられたタイトルは「LOVE MY BODY 痩/せ/ず/に/く/び/れ/、触/る/と/こ/だ/け/す/べ/す/べ」。このスラッシュの嵐にどういう意味が込められているのかは、最後のページまで読んでもわからなかったことだけは先にお伝えしておきます。早速、中身を見ていきましょう。
<トピックス>
◎太陽が似合う女がエロい SUMMER NUDE娘
◎やせるよりイイことしよ(ハート) たった3か条でアゲBODY
◎おフェミなヤンキーがハートに響く!
夏に期待しすぎでは?
おフェロでエモくてラブいものに目がない「ar」が大得意の季節といえば夏。人気ヘアメイク・イガリシノブ氏によるメイク企画、今回のタイトルはずばり「太陽が似合う女がエロい SUMMER NUDE娘」です。
「夏・夏・夏!! どフェロなサマーフェロモン!!」と大きな文字であおっていますが、そのすぐ下には「『フェロモンどば~!』じゃなく、動くたび、話すたびにこぼれ落ちるようなちら見せ系で攻める」とも書いてあります。そんなフェロモンの微調節が人間にできるのだろうかと、1ページ目から腰が引けます。
しかし、紹介されているようなメイクをすれば「振り返られる真夏のヒロインになれる」とのことで、「夏はいつだって準備万端&前のめりに迎えなきゃ!」と明るく発破をかけ、読者を誘導していきます。
イガリ氏の提案する「SUMMER NUDEメイク」は6種類。それぞれに付けられたタイトルは「とことんネアカに(ハート) 陽気な肌ベイべ!」、「夏の主人公 オラヌードな彼女」、「あふれちゃう(ハート)実っちゃう(ハート) DAKUDAKU娘」などなど、どれもテンション高め。
中でも最も興味をそそられたのは、「ナツ恋必勝祈願【閲覧!推奨】顔からボンキュッボン!! arマル秘SUMMER NUDE顔」でした。タイトルが長すぎることはさておき、ブルーのラメシャドウなどで顔の隅々まで「夏のステキ感」を盛るのがポイントだそう。
「夏のステキ感」というなんとも抽象的な言葉が、「ar」の夏への根拠なき期待、膨らみすぎている幻想をよく表していると感じました。「真夏のヒロイン」や「夏の主人公」を目指す方は、ぜひこの「夏のステキ感」とは何なのか、追求してみてほしいです。
次に紹介するのは「やせるよりイイことしよ(ハート) たった3か条でアゲBODY」。薄着になる夏に向けて、「今よりちょっとキレイでエロい魅せBODY」を目指すため、ar girl(読者モデル)や専門家(整骨院院長)からのアドバイスを紹介する企画です。その3か条として挙げられているのは、「1 ぽわんとする 2 キュッとする 3 ぴかっとする」でした。抽象的な擬音語で、読者の読み取る力に挑戦してきます。
「ぽわん」とは、「ふわふわおっぱい」と「上向きヒップ」のことだそうですが、その「ふわふわおっぱい」になる方法について「お風呂上りに、背中の肉をおっぱいに流すようにしただけでカップがあがった(ハート) まいまいさん24歳」との意見が。この「寄せて流してバストアップ!」系は、「ar」のバスト企画で毎回のように上がってくる方法です。もうほとんど誰も信じていない都市伝説的なバストアップ法だと思うのですが、それでもこの意見を読むたびに、わずかな希望を抱いてしまう貧乳の気持ちを編集部はもてあそんでいるのかな? とも思ってしまいます。
「キュッとする」では、鏡で全身をチェックしよう、フィット感のある服を着てウエストを強調しようというアドバイスが紹介されています。また「ぴかっとする」では、オイルやボディパウダーで体をぴかっとさせよう、という提案がされていました。
きつい筋トレで美ボディを目指す派からは「ふざけんな」という声が飛んできそうな内容ですが、読んでいるだけで気持ちが「ぽわん、キュッ、ぴかっ」としてきて、これくらいゆるい考え方もあっていい気もしてくる、不思議な企画でした。
テラハメンバーが夜露死苦!?
最後は、ファッションブランド「FUR FUR」の紹介ページで、こちらのタイトルは「おフェミなヤンキーがハートに響く!」。80年代のヤンキーがテーマだそうで、チンピラ風開襟シャツ、薄ピンク色の短ラン&ボンタン、スケバン風のセーラーワンピースなど、ファッションセンスを持ち合わせていない筆者から見ればギャグのような服ばかり。それを難なく着こなしているモデルは、5月から始まったテラハ新シリーズ『テラスハウスTOKYO 2019-2020』(Netflix)のメンバー、春花でした。
彼女のインスタには、決定版以前のページ写真が掲載されているのですが、それを見ると「おフェミなヤンキーがハートに響く!」の仮タイトルは「鬼カワ上等! FUR FUR見参。ヤンキー娘で夜露死苦」だった模様。このままでは完全なるギャグです。オシャレに限りなく近付けるように推敲を重ねたのであろう編集部の努力とセンスに頭が下がります。
それにしても、6月号にして早くも夏真っ盛りの様相を呈していた「ar」。来月号はどうなってしまうのか心配ですが、楽しみにしています。
(島本有紀子)