『テラハ』モデル起用の「おフェミなヤンキー」はギャグ!? 「ar」の努力とセンスが滲む迷コピー

 「ar」(主婦と生活社)6月号はBODY特集号。表紙に掲げられたタイトルは「LOVE MY BODY 痩/せ/ず/に/く/び/れ/、触/る/と/こ/だ/け/す/べ/す/べ」。このスラッシュの嵐にどういう意味が込められているのかは、最後のページまで読んでもわからなかったことだけは先にお伝えしておきます。早速、中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎太陽が似合う女がエロい SUMMER NUDE娘
◎やせるよりイイことしよ(ハート) たった3か条でアゲBODY
◎おフェミなヤンキーがハートに響く!

夏に期待しすぎでは?

 おフェロでエモくてラブいものに目がない「ar」が大得意の季節といえば夏。人気ヘアメイク・イガリシノブ氏によるメイク企画、今回のタイトルはずばり「太陽が似合う女がエロい SUMMER NUDE娘」です。

 「夏・夏・夏!! どフェロなサマーフェロモン!!」と大きな文字であおっていますが、そのすぐ下には「『フェロモンどば~!』じゃなく、動くたび、話すたびにこぼれ落ちるようなちら見せ系で攻める」とも書いてあります。そんなフェロモンの微調節が人間にできるのだろうかと、1ページ目から腰が引けます。

 しかし、紹介されているようなメイクをすれば「振り返られる真夏のヒロインになれる」とのことで、「夏はいつだって準備万端&前のめりに迎えなきゃ!」と明るく発破をかけ、読者を誘導していきます。

 イガリ氏の提案する「SUMMER NUDEメイク」は6種類。それぞれに付けられたタイトルは「とことんネアカに(ハート) 陽気な肌ベイべ!」、「夏の主人公 オラヌードな彼女」、「あふれちゃう(ハート)実っちゃう(ハート) DAKUDAKU娘」などなど、どれもテンション高め。

 中でも最も興味をそそられたのは、「ナツ恋必勝祈願【閲覧!推奨】顔からボンキュッボン!! arマル秘SUMMER NUDE顔」でした。タイトルが長すぎることはさておき、ブルーのラメシャドウなどで顔の隅々まで「夏のステキ感」を盛るのがポイントだそう。

 「夏のステキ感」というなんとも抽象的な言葉が、「ar」の夏への根拠なき期待、膨らみすぎている幻想をよく表していると感じました。「真夏のヒロイン」や「夏の主人公」を目指す方は、ぜひこの「夏のステキ感」とは何なのか、追求してみてほしいです。

 次に紹介するのは「やせるよりイイことしよ(ハート) たった3か条でアゲBODY」。薄着になる夏に向けて、「今よりちょっとキレイでエロい魅せBODY」を目指すため、ar girl(読者モデル)や専門家(整骨院院長)からのアドバイスを紹介する企画です。その3か条として挙げられているのは、「1 ぽわんとする 2 キュッとする 3 ぴかっとする」でした。抽象的な擬音語で、読者の読み取る力に挑戦してきます。

 「ぽわん」とは、「ふわふわおっぱい」と「上向きヒップ」のことだそうですが、その「ふわふわおっぱい」になる方法について「お風呂上りに、背中の肉をおっぱいに流すようにしただけでカップがあがった(ハート) まいまいさん24歳」との意見が。この「寄せて流してバストアップ!」系は、「ar」のバスト企画で毎回のように上がってくる方法です。もうほとんど誰も信じていない都市伝説的なバストアップ法だと思うのですが、それでもこの意見を読むたびに、わずかな希望を抱いてしまう貧乳の気持ちを編集部はもてあそんでいるのかな? とも思ってしまいます。

 「キュッとする」では、鏡で全身をチェックしよう、フィット感のある服を着てウエストを強調しようというアドバイスが紹介されています。また「ぴかっとする」では、オイルやボディパウダーで体をぴかっとさせよう、という提案がされていました。

 きつい筋トレで美ボディを目指す派からは「ふざけんな」という声が飛んできそうな内容ですが、読んでいるだけで気持ちが「ぽわん、キュッ、ぴかっ」としてきて、これくらいゆるい考え方もあっていい気もしてくる、不思議な企画でした。

テラハメンバーが夜露死苦!?

 最後は、ファッションブランド「FUR FUR」の紹介ページで、こちらのタイトルは「おフェミなヤンキーがハートに響く!」。80年代のヤンキーがテーマだそうで、チンピラ風開襟シャツ、薄ピンク色の短ラン&ボンタン、スケバン風のセーラーワンピースなど、ファッションセンスを持ち合わせていない筆者から見ればギャグのような服ばかり。それを難なく着こなしているモデルは、5月から始まったテラハ新シリーズ『テラスハウスTOKYO 2019-2020』(Netflix)のメンバー、春花でした。

 彼女のインスタには、決定版以前のページ写真が掲載されているのですが、それを見ると「おフェミなヤンキーがハートに響く!」の仮タイトルは「鬼カワ上等! FUR FUR見参。ヤンキー娘で夜露死苦」だった模様。このままでは完全なるギャグです。オシャレに限りなく近付けるように推敲を重ねたのであろう編集部の努力とセンスに頭が下がります。

 それにしても、6月号にして早くも夏真っ盛りの様相を呈していた「ar」。来月号はどうなってしまうのか心配ですが、楽しみにしています。
(島本有紀子)

橋本環奈の顔面になれる!? 「努力次第で何とかなる」思想を植えつける「ar」の非情さ

 今月の「ar」(主婦と生活社)は「その努力、必ず実ります 顔面偏差値アップ作戦」と銘打った「BEAUTY特集号」です。顔面偏差値とは、読んで字のごとく顔の良し悪しを偏差値でたとえた俗語。主にネット掲示板等で他人の容姿を無責任に採点、批評するときに使われるため、良いイメージではない単語だと思っていたのですが、「ar」は堂々と表紙に打ち出してきました。さらに、ネット上では単に顔の造作のみを採点する非情なものとして使われている「顔面偏差値」を、「ar」では努力次第でどうにかなるものとして捉えている様子です。

 同誌は2月号でも、一般的にはマイナスイメージである「匂わせ」という俗語を、「匂わせ女子=勝ち組!」とポジティブに捉えた特集を組んでいました。この感じ、「私たちって“明るい世界の住人”だけど、オタクさんっぽいネットスラングも使えちゃうよ! 意味はよくわからないけど! キャピキャピキャピ」というリア充の雰囲気がうまく出ています。読んでいるだけでリア充になれる気がする中身、早速見ていきましょう。

<トピックス>
◎「橋本環奈 隅から隅まで(ハート) 環奈顔まとめ」 
◎「その明るさが世界を救う おフェロGAL、爆誕。」
◎「だまされたくなる可愛さ 愛しのたぬきFACE」&「キャッとする!? arは全力で猫推しデス」

橋本環奈の正論は役には立たない

 表紙と巻頭特集「隅から隅まで(ハート) 環奈顔まとめ」に登場するのは、“千年に一度の美少女”こと橋本環奈です。顔面偏差値アップ作戦という特集で彼女を持って来るとは、ハードルが高すぎやしないか? と思いましたが、天然ポジティブ誌「ar」は、そんなことお構いなし。「パーツ別に自己分析して見えてきたキラキラスパークリングな女子になる秘密。今すぐマネちゃお(ハート)」と、マネしちゃえば橋本環奈になれる的な希望を、無邪気に植え付けてきます。

 そうして提示されている“橋本環奈の条件”は、「ぱっつんな前髪」「色素薄めな瞳」「すっとした鼻筋」「ピンク色チーク」「ぷるぷるなリップ」。なるほど! 前髪はカット、瞳はカラコン、チークとリップはメイクで変えられるから、どうしても変えられないのは鼻筋だけ! これで私も鼻筋以外は橋本環奈ね!! ……と思える女子がいるとは、まさか「ar」も思っていないのでしょう。内面を磨けば外見も磨かれるということを伝えたいようで、彼女のマインドを紹介するインタビューにも力を入れています。

「自分にチャンスがこないと思っている人は、チャンスを見失っちゃうんだと思う」
「何事も楽しめる人はいい方向に行く。どれだけきつくても、楽しめば結果、達成感という何事にも代えがたい幸福感というのがある」
「過程では弱音は吐かないって決めてる。『ださい』って思うんで」
「笑顔は自分も周りも幸せにしてくれるから、どんな時も忘れないように(ハート)」
「人の好き嫌いはあまりなくて、人見知りもしないです。人間好きなんだと思います」

 自己啓発本か! とツッコミたくなる正論のオンパレード。言っていることは確かに正しいんだと思います。でも、内容にまったく奥行きや温度を感じないのは筆者だけでしょうか!?

 同誌のカルチャーページには、歌手・あいみょんのインタビューも。あいみょんは、ラベルライター「テプラ」にハマっているそうで、「今はジッタリン・ジンさんのアルバムタイトル『ハッピーカムカム』という文字を打って、携帯に貼っています」とのこと。こっちをマネした方が幸せになれそう、と個人的には感じました。

 流行を牽引する「ar」、今回は「おフェロGAL」という新スタイルを推してきました。その企画タイトルが「その明るさが世界を救う おフェロGAL、爆誕。」。

 おフェロGALの条件とは「友達をRespect」「ホメ合う天才」「感情に素直」の3つだそうで、リード文では、「GALは自分の人生を明るく楽しく生きる才能にあふれた女の子たち。そんなGALマインドをar流に解釈したら、こんなおフェロでおしゃすぎるネオ人種が生まれちゃいました。名づけて“おフェロGAL”、増殖の予感ッ!」とアツく訴えています。

 そんなおフェロGALファッションとして紹介されているのは、競輪選手が履くような膝上スパッツ(白)にチェックシャツを合わせていたり、顔と同じくらいの大きさのフープピアスをぶら下げていたり、塩沢ときさんのような派手な白ぶちメガネをかけたりと、かなりの覚悟が必要なもの多数。確かに「友達をRespect」している「ホメ合う天才」であれば、このような格好で待ち合わせに現れても、「おしゃれだね!」と褒めてくれそうです。

 今号だけでは全貌が掴みきれないおフェロGALのこれからの展開が楽しみです。

人間界逃避策としてのメイク5種

 なにかと動物になりたがることの多い同誌のメイク企画。今号では、それぞれ別の企画で猫とタヌキ、2つの動物メイクが登場しました。

 さらに、猫メイクの「arは全力で猫推しデス」では短毛種と長毛種の2種類に分類され、猫ほど推されてはおらずちょっと可哀そうなタヌキメイク「愛しのたぬきFACE」でも、「あまあまたぬき」「やんちゃたぬき」「ゆーわくたぬき」の3種類に分類されているので、今月号だけで5種の動物メイクを学ぶことができる計算です。

 顔面偏差値って結局、努力では変えられないんじゃないかと気付いちゃった人、橋本環奈の正論や、おフェロGALのネアカっぷりに当てられ、なんか疲れちゃった……と思った人は、バリエーション豊富な猫orタヌキメイクで人間界からの疑似逃避をしてみるのも良いかもしれません。
(島本有紀子)

「ar」初登場で乃木坂46を蹴散らす! 安達祐実(37歳)が突きつけてくる“素材”という現実

 「ar」4月号(主婦と生活社)は、「大好きな服で可愛くなろ!」と題したファッション特集号。「この春、イチ抜ける(ハート) 可愛い服を着てる自分が好き!」「平成最後の春、とびきりラブい私になる」「甘党女子のナウ服はこうでなくっちゃ」など、テンションの高いタイトルが並び、「ar」名物の“絶対にマネできないコーデ”が今号も豊作! 早速、中身を見ていきましょう。 

<トピックス>
◎カレ好みのモノトーンLOOK
◎おしゃH顔だ~いすき(ハート)
◎安達祐実の夢みたいなLOVE顔

大阪のオバちゃんも驚く雌ヒョウ爆誕

 パステルカラーがちまたに溢れ出す春に、あえてモノトーンの服で攻めようという特集「カレ好みのモノトーンLOOK」。タイトルだけ見て「これなら私にも真似できるコーデがあるかも?」と思った自分が甘かった。

 最初のページでドーンとヤンキー座りを披露しているのは、白いキャミソールの上に白いオーバーオールを着ただけのモデル、森絵梨佳。手には買い物カゴにも見える白いメッシュのビニールバッグを提げています。このような格好で出かけられる場所が、思い浮かびません。そして寒そう。

 「ar」によれば、「注目のホワイトコーデ。美人しか似合わない? いえいえ、コツさえ掴めば無問題(ハート)。えり抜きシャツや肌見せで抜け感をつくって」とのこと。抜け感って何だろう、と考えさせられます。

 ブラックコーデの方も、頭頂部の上で結んだツインテールの森絵梨佳が、黒いキャミソールの上にフワッフワでスッケスケの黒レースカーディガンを羽織り、下半身は黒ショーパン。悪魔のコスプレでしょうか。ハロウィンでは使えそうです。

 また別の企画「一点盛り至上主義」でも、オールスパンコールのタンクトップにピンクのタイトスカートというステージ衣装のようなコーデ、上下黄色に緑のウエストポーチを提げて遠目から見ればタンポポのようなコーデなど、街で見かけたら二度見、三度見してしまうコーデが盛りだくさん。中でも最も気に入ったのは、ハイネックで超ミニなAラインのヒョウ柄ワンピを一枚で着こなしたコーデ。大阪のオバちゃんもビックリな、全面的ヒョウ感! 添えられたキャプションがこちらです。「私をつかまえて! 上品テイストの雌ヒョウ、ここに爆誕」。ヒョウをつかまえられる獣っているのでしょうか。

 「ar」に掲載されているのはリアルクローズではない、パリコレと同じ感覚で見るべし、ということを再認識しました。

 人気ヘアメイク、イガリシノブ氏のメイク企画。今号では新たに「おしゃH顔」を提案しています。タイトルは「おしゃH顔だ~いすき(ハート)」。「ハズキルーペ、だ~いすき」と同じ抑揚で読むと良さそうです。

 おしゃH顔とは、おしゃれでエッチな顔のことのよう。「#スイッチON #男子の本能 一発ムーディ顔」メイクは、ラデュレのピンク色リップを「ぐちゅぐちゅ~っ」と塗るのがポイントとか。「唇は思いきりじゅわじゅわに(ハート)」「ぐちゅぐちゅ塗りで唇だけにHっぽさを潜ませながら、メスモードを完全にON!」とのことです。男子、一発、ぐちゅぐちゅ、じゅわじゅわ、唇、H、メス……。どこかの成人雑誌のような単語のチョイスにしびれます。

 ほかに、名前だけではどんなメイクか想像もつかない「#思わせぶり #ドキドキさせる おフェロエッジ!!! Yes!」メイク、「#禁欲セクシー #眼差し攻撃 囲み目LOVER!!!」メイク、「#ピンクが味方 #目標は子猫 ワントーンBABY!!!」メイクなども。ビックリマークの多用からもテンションの高さがうかがえます。気になった方はぜひ、見てみてください。

 またイガリシノブ氏、自身が手掛ける化粧品「フーミー」の商品を、この企画内で4点も使用して紹介しています。感性の人かと思いきや、意外と商人(あきんど)。奥が深いイガリシノブ氏です。

乃木坂を公開処刑する安達祐実

 最後は、「ar」初登場の安達祐実。奇跡の童顔37歳が、6ページに渡って愛用コスメやメイク方法を紹介しています。主演ドラマ『家なき子』(日本テレビ系)や、井戸田潤との結婚・離婚などをリアルタイムで知らないであろう、20~25歳という「ar」の読者層には、ただただ美しい37歳のビューティーアイコンとして映っているのでしょうか。

 確かにどのページの安達祐実も、めちゃくちゃ美しく、ヘタしたら「ar」が大量にモデルとして投入している乃木坂46のメンバーよりも、透明感があるように見えます。素材が奇跡ということは重々承知で、それでも30代、40代の希望! そのメイク方法を読んでみると……。「なるべく薄づきで清潔感があるメイクを心掛けていて、整える感覚に近いかもしれないですね」「ファンデーションを薄く塗って、ツヤの出るパウダーをのせる。まぶたのベースにも光沢感をプラスして、赤茶系のリップを塗るのが定番」。ちなみに愛用ファンデはRMK。フッ……フツー!

 やはり素材の力か……と現実を突き付けられる結果となりましたが、大量の乃木坂に混じって37歳を起用する「ar」の挑戦心には敬意を表したいです。
(島本有紀子)

「ar」初登場で乃木坂46を蹴散らす! 安達祐実(37歳)が突きつけてくる“素材”という現実

 「ar」4月号(主婦と生活社)は、「大好きな服で可愛くなろ!」と題したファッション特集号。「この春、イチ抜ける(ハート) 可愛い服を着てる自分が好き!」「平成最後の春、とびきりラブい私になる」「甘党女子のナウ服はこうでなくっちゃ」など、テンションの高いタイトルが並び、「ar」名物の“絶対にマネできないコーデ”が今号も豊作! 早速、中身を見ていきましょう。 

<トピックス>
◎カレ好みのモノトーンLOOK
◎おしゃH顔だ~いすき(ハート)
◎安達祐実の夢みたいなLOVE顔

大阪のオバちゃんも驚く雌ヒョウ爆誕

 パステルカラーがちまたに溢れ出す春に、あえてモノトーンの服で攻めようという特集「カレ好みのモノトーンLOOK」。タイトルだけ見て「これなら私にも真似できるコーデがあるかも?」と思った自分が甘かった。

 最初のページでドーンとヤンキー座りを披露しているのは、白いキャミソールの上に白いオーバーオールを着ただけのモデル、森絵梨佳。手には買い物カゴにも見える白いメッシュのビニールバッグを提げています。このような格好で出かけられる場所が、思い浮かびません。そして寒そう。

 「ar」によれば、「注目のホワイトコーデ。美人しか似合わない? いえいえ、コツさえ掴めば無問題(ハート)。えり抜きシャツや肌見せで抜け感をつくって」とのこと。抜け感って何だろう、と考えさせられます。

 ブラックコーデの方も、頭頂部の上で結んだツインテールの森絵梨佳が、黒いキャミソールの上にフワッフワでスッケスケの黒レースカーディガンを羽織り、下半身は黒ショーパン。悪魔のコスプレでしょうか。ハロウィンでは使えそうです。

 また別の企画「一点盛り至上主義」でも、オールスパンコールのタンクトップにピンクのタイトスカートというステージ衣装のようなコーデ、上下黄色に緑のウエストポーチを提げて遠目から見ればタンポポのようなコーデなど、街で見かけたら二度見、三度見してしまうコーデが盛りだくさん。中でも最も気に入ったのは、ハイネックで超ミニなAラインのヒョウ柄ワンピを一枚で着こなしたコーデ。大阪のオバちゃんもビックリな、全面的ヒョウ感! 添えられたキャプションがこちらです。「私をつかまえて! 上品テイストの雌ヒョウ、ここに爆誕」。ヒョウをつかまえられる獣っているのでしょうか。

 「ar」に掲載されているのはリアルクローズではない、パリコレと同じ感覚で見るべし、ということを再認識しました。

 人気ヘアメイク、イガリシノブ氏のメイク企画。今号では新たに「おしゃH顔」を提案しています。タイトルは「おしゃH顔だ~いすき(ハート)」。「ハズキルーペ、だ~いすき」と同じ抑揚で読むと良さそうです。

 おしゃH顔とは、おしゃれでエッチな顔のことのよう。「#スイッチON #男子の本能 一発ムーディ顔」メイクは、ラデュレのピンク色リップを「ぐちゅぐちゅ~っ」と塗るのがポイントとか。「唇は思いきりじゅわじゅわに(ハート)」「ぐちゅぐちゅ塗りで唇だけにHっぽさを潜ませながら、メスモードを完全にON!」とのことです。男子、一発、ぐちゅぐちゅ、じゅわじゅわ、唇、H、メス……。どこかの成人雑誌のような単語のチョイスにしびれます。

 ほかに、名前だけではどんなメイクか想像もつかない「#思わせぶり #ドキドキさせる おフェロエッジ!!! Yes!」メイク、「#禁欲セクシー #眼差し攻撃 囲み目LOVER!!!」メイク、「#ピンクが味方 #目標は子猫 ワントーンBABY!!!」メイクなども。ビックリマークの多用からもテンションの高さがうかがえます。気になった方はぜひ、見てみてください。

 またイガリシノブ氏、自身が手掛ける化粧品「フーミー」の商品を、この企画内で4点も使用して紹介しています。感性の人かと思いきや、意外と商人(あきんど)。奥が深いイガリシノブ氏です。

乃木坂を公開処刑する安達祐実

 最後は、「ar」初登場の安達祐実。奇跡の童顔37歳が、6ページに渡って愛用コスメやメイク方法を紹介しています。主演ドラマ『家なき子』(日本テレビ系)や、井戸田潤との結婚・離婚などをリアルタイムで知らないであろう、20~25歳という「ar」の読者層には、ただただ美しい37歳のビューティーアイコンとして映っているのでしょうか。

 確かにどのページの安達祐実も、めちゃくちゃ美しく、ヘタしたら「ar」が大量にモデルとして投入している乃木坂46のメンバーよりも、透明感があるように見えます。素材が奇跡ということは重々承知で、それでも30代、40代の希望! そのメイク方法を読んでみると……。「なるべく薄づきで清潔感があるメイクを心掛けていて、整える感覚に近いかもしれないですね」「ファンデーションを薄く塗って、ツヤの出るパウダーをのせる。まぶたのベースにも光沢感をプラスして、赤茶系のリップを塗るのが定番」。ちなみに愛用ファンデはRMK。フッ……フツー!

 やはり素材の力か……と現実を突き付けられる結果となりましたが、大量の乃木坂に混じって37歳を起用する「ar」の挑戦心には敬意を表したいです。
(島本有紀子)

失恋したら「自撮りをSNSにアップ」!? 「ar」に見る“かまってちゃん”を受容する新時代

 今月の「ar」(主婦と生活社)のテーマは「LOVE特集号 大好きな人に大好きって言おう!」だそうですが、その中身はかつてないほど、とっ散らかっています。特に後半。「年度末の号だし、まだ実現してなかった企画、全部やっちゃおう!」という、編集部の事情なのでしょうか。通して読んでいると、自分が何の雑誌を読んでいるのかわからなくなってくる「ar」3月号の中身を、早速見ていきましょう!

<トピックス>
◎今こそオンナを磨くべし! 恋を失った時にする10のコト
◎LOVE ME真冬のHYGGEな暮らし
◎気になるオトコは鈴木だった!

「ar」読者も失恋するらしい

 前半のメイク・ファッションページは、「恋をしたら着たい服」「好きバレ服&メイク」「LOVE顔ってこんな!」「LOVE 専COLOR ON ME」など、まだ「LOVE特集号」感があります。その集大成のような読み物が、「今こそオンナを磨くべし! 恋を失った時にする10のコト」でした。恋をして「好きバレ! LOVE顔!! LOVE専!!!」と盛り上がる「ar」読者にも失恋は平等にやってくるようです。なんとなく「ar」読者には失恋で落ち込むイメージがなかったので、「ああ、同じ人間なんだなぁ」と妙に安心しました。

 編集部、雌ガール(ar読者モデル)、タレント・ぺぇなどが、失恋したらやるべきことを紹介してくれています。編集部がセレクトしたのは、「ダイエットをする」「仕事に打ち込む」「イメチェンする」「新しい人と出会う」など、王道ばかり。こちとら中学生時代に卒業したものばかりです(仕事は部活に変換)。そうか、失恋慣れしていないモテ女子「ar」読者には、こういった初歩的なことから教えないといけないのだな……と感じました。

 雌ガールたちからは「リア充っぽい写真をSNSにアップする」「SNSに自撮りをアップする」という意見が。時代を感じます。失恋で自撮りといえば、佐藤江梨子が海老蔵にフラれてブログに泣き顔をアップしたことが一番に思い浮かぶ筆者とは、感覚がまったく違うのかもしれません。

 さらなるジェネレーションギャップを感じたのは、自称「できることが多すぎる女優志望の新卒フリーランス」というマルチクリエーター、はましゃかさんのご意見。「LINEでご飯を作ってくれる人を募集する」「自分の家に女の子を住まわせる」等々。悲しんでいる姿はなるべく他人に見せず、一人で乗り越えるべしという昭和な考えからは、絶滅しつつあるようです。SNS普及で“人類総かまってちゃん”化しつつある今、フラれて自撮りくらいのことは、もしかしたら“かまってちゃん”にも入らない当たり前の行為なのでしょうか。勉強になります!

 ここからは、LOVE特集はどこへやらの、とっ散らかり企画たちを紹介していきます。まずは「LOVE ME真冬のHYGGEな暮らし」。「HYGGE(ヒュッゲ)」とは、「デンマーク発祥のライフスタイル。(中略)リラックスしてゆっくりと時間を楽しむ過ごし方のこと(ハート)」だそう。ざっくりとした説明で、いまいち全貌がつかめません。

 「arスタッフもヒュッゲしてます♪」として紹介されているのは、「ダッチオーブンを使って、ぱちぱち燃える火を眺めながらじっくりお肉を焼きます」「雪の中、真冬の本気のキャンプをします」「集めているムーミンのマグ。(中略)これでコーヒーを飲みながら読書します」など。ムーミンってデンマークではなくフィンランドでは? という疑問は置いておくとして、「ar」では「なんとなく北欧っぽいことをする」ことをヒュッゲとしたのかも。

 ……と思ったのも束の間、「ヒュッゲを感じられるスポット」として紹介されていた中には、池袋サンシャインシティの「コニカミノルタプラネタリウム“満天”」や漫画読み放題の「立川まんがぱーく」も。ヒュッゲの守備範囲は広いようです。とりあえず、ほっこりしたイイ感じのものごとには「ヒュッゲっぽ~い♪」と言っておけば、“わかってる人”ぶることができるのかも。

全国の鈴木が怒るぞ

 とっ散らかりは、ここからさらに極まります。唐突な米特集「米ラバー」、ビール特集「ビールQ&A」、“鈴木”という名前の男性を集めた「鈴木と書いてイケメンと読む! 気になるオトコは鈴木だった!」の3本です。

 まずは「米ラバー」。土鍋での米の炊き方から炊飯グッズ、おむすびのレシピ、米に合うおかず、さらには化粧水「米肌」や美容クリーム「ライスフォース」などの米系美容まで7ページにわたって紹介されています。どうして「ar」でいきなり米なのか? の疑問は晴らされないまま、それほど深くもない米の知識が羅列されています。

 次の「ビールQ&A」。タイトルのひねりが皆無で、中身も「ar」らしからぬ漢字の多さで字・字・字! 紹介されているのがサッポロのビールだけなので、「広告らしさを排除したサッポロの広告記事」を狙ったのだと思いますが、広告だとバレバレです。このページをちゃんと読む「ar」読者はいないのでは。広告の意味よ何処へ。

 最後の「鈴木と書いてイケメンと読む! 気になるオトコは鈴木だった!」。タイトルだけ見て、鈴木大集合を期待したものの、読んでみると登場する鈴木は2人だけでした。劇団EXILEの鈴木伸之と、「メンズノンノ」(集英社)のモデルで俳優の鈴木仁のみ。「気になるオトコは鈴木だった!」という仰々しいタイトルを付けるなら、もっと頑張ってほしい。鈴木福くんとかパパイヤ鈴木とか鈴木浩介とか鈴木亮平と鈴木雅之とかイチローとか、それか鈴木拓(ドランクドラゴン)でも集めろや! と思ってしまいました。

 ヒュッゲにしろ、米にしろ、鈴木にしろ、統一感がなく浅い企画ばかりだった今月号。次号に期待です!
(島本有紀子)

宮田聡子を起用して“匂わせ”の極意を伝授! 「ar」の狙いは山田涼介ファンを挑発!?

 今月の「ar」(主婦と生活社)の特集は、「トリコにさせる肌!」。なのですが、どうやら裏テーマは「匂わせ」のようです。ここで言う「匂わせ」とは、「実はあの人と付き合ってるけど、大っぴらにはできない……でも本当は叫びたくってたまらない! あの人は私だけのものなの!」という乙女心が爆発した結果、SNSなどで彼の存在をさりげなく匂わせる行為のこと。代表的な匂わせ女子といえば、嵐・二宮和也との交際をブログで匂わせていた元フリーアナウンサー・伊藤綾子氏が挙げられます。

 嫉妬心から叩かれがちな匂わせ女子ですが、今月号の「ar」は「匂わせ上等!!」とばかりに猛プッシュ! 嫉妬するより、される側の女子になろうぜ! という同誌らしいアグレッシブさが溢れる中身を、早速見ていきましょう。

<トピックス>
◎できなくてもオーラはまとえるよ 彼氏できた?って言わせる肌づくり
◎じわじわドメス(ハート) 匂わせ肌…
◎着られてる感がエロいい(ハート) 一番萌えるユニセックス服

これは山田涼介ファンへの挑戦状か

 巻頭の特集は、「できなくてもオーラはまとえるよ 彼氏できた?って言わせる肌づくり」。この企画でモデルを務めるのは、宮田聡子。宮田といえば昨年、Hey!Say!JUMP・山田涼介との交際報道が流れた人物です。SNSで紹介した靴やスマホケースが山田とおそろいに見えたことから、匂わせも疑われて話題となりました。今回の「ar」は、その一部始終を逆手にとって、面白がっているようにも見えるのです。

 まずは、青空の下でポーズを決める宮田の写真に添えられた序文。「彼氏できた?って聞かれたい! それは女の子にとって最強の褒め言葉。(中略)たとえ本当は彼氏ができてなくても、特にいいことなくても日常をほんの少し変えるだけで、こんなにキラキラに。まずは形から! 自然と心までハッピーになれるよ」とアドバイスしています。匂わせていると周りから嫉妬されることは女子として勝ちだ! ごちゃごちゃ言わず、みんなも匂わせてハッピーになろうぜ! という宮田&「ar」からの愛ある(?)挑戦状のようにも読めました。

 続いて「ハッピーに見える」服、「恋してそうな」髪形、「彼がいるヨユーを醸し出せる」メイクなどを伝授。特に気になったのは、小物テクです。「『あの子、彼氏いそう』 そんな“匂わせ”は細部に宿る」とし、指輪をすることを推奨。「華奢なリングって究極の『彼バレ』アイテム。誰からもらったの? って思わず想像しちゃうような繊細なデザインたちをチョイスして」と書いています。これはつまり、自分で買った指輪を、あたかも彼にもらったかのように付けるということで良いのでしょうか。そこまでしたら男性はもはや寄ってこないのでは……と思いますが、確かに匂わせ効果は絶大です。

 次の企画も、ずばり「じわじわドメス(ハート) 匂わせ肌…」。「今は幸せを“匂わせて”感じさせる時代!」と言い切り、人気ヘアメイクのイガリシノブ氏が「匂わせメイク」を伝授しています。

 やんちゃな彼がいそうに見える「イチャ×2モレ」メイク、アーティスティックな彼がいそうに見える「高め合いモレ」メイクという、匂わせどころかモレ(漏れ)ちゃっているメイクから、ついには「カレにも友達にも地球にも愛されてる」という「HUG充」メイクも。

 筆者は、「地球には愛されてみたいぞ」と思い、「HUG充」メイクの方法を読んでみたのですが、ポイントは「もしもカレにくっ付けてもまだ潤いの膜がたっぷりあるよ~的なじゅわじゅわ感」のある「油分たっぷりの唇」だそう。ジバンシイのルージュを「ぐじゅぐじゅとたっぷりつけて油分を感じさせ」、さらにディオールのリップマキシマイザーを重ねて「分厚い膜感&血色感をたっぷり仕込む」とのこと。

 地球は油分たっぷりのぐじゅぐじゅリップがお好きなのだと、イガリシノブ氏に教えられました。

匂わせマスターの仕上げは……

 最後に紹介するのはファッションページの「着られてる感がエロいい(ハート) 一番萌えるユニセックス服」。こちらも、ダボダボのトップスなどを着ることで、彼氏から借りてきました感をアピールする「匂わせ」を推奨しています。しかも、ウィメンズブランドからボーイッシュなアイテムをピックアップするのではなく、リアルなメンズ服を紹介する気合の入りよう。ここまで仕上げられたら、完全に匂わせマスターです。

 今月号を通して感じたのは、「実際に彼氏ができること」よりも「彼氏がいるように見せること」の方が大事という現代的な感覚。これは、「レストランでのメニュー選びは、実際においしいかどうかよりも、インスタ映えする方が大事」という空虚な風潮と同じのように見えますが、ちょっとだけ違うように思いました。「ar」が提唱するのは、「形から入ることで、彼氏がいるのと同じくらいハッピーになれるよ」という前向きなもの。匂わせて匂わせて、地球に愛されているのと同じくらいハッピーになりたい、と思わされた今月号でした。
(島本有紀子)

「どメス」「グジョつき」「あふれ出てる~」! 「ar」メイク企画がもたらす高揚感の正体

 「ar」(主婦と生活社)12月号は、「漏れフェロモン、盛る色気を仕込むよ」と題した「SEXY特集号」。「盛る」は、「もる」と読むのか「さかる」と読むのか。フリガナがないので不明ですが、どちらにせよ平成最後の12月号にふさわしい「ar」らしさ漏れ漏れのタイトルとなっています。表紙にも「秘めたるSEXYでHOTな冬!」という文字がデカデカと。レジに持っていくのは恥ずかしいですが、期待は高まります。早速、中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎隅から隅までご覧ください! 生エリカのす(ハート)べ(ハート)て
◎エモピン、一択!!! ピンク様、最強説(ハート)
◎甘酸っぱいキミ。

森絵梨佳に魅力を感じない者、人にあらず

 巻頭の特集は、「生エリカのす(ハート)べ(ハート)て」。同誌のメイクページに欠かせないモデル・森絵梨佳にスポットを当てた企画です。そこには森への盲目的な愛があふれていました。

 前提として、彼女には「少女のようなみずみずしさとシックな色気を併せ持ち、見る人すべてを魅了しまくる底なしの魅力」があるそうです。「見る人すべてを魅了しまくる底なしの魅力」――。森に魅力を感じない者、人にあらず! と言われているような圧倒的賛辞。「ここまで言うと逆に嘘っぽく聞こえちゃうかな?」というような迷いが一切感じられません。新興宗教の広報誌かのようです。

 次のページにも、ar関係者からの賞賛の声が続きます。

 「美しすぎる希少動物」(編集長)、「昔のスタアのように一枚の写真で夢を抱かせることができる、稀有な存在」(ライター)、「追いかけても追いかけても、絶対追いつかない人」(編集部員)、「都会のカメレオン」(ヘアメイク)、「名字は森ちゃんだけど、もはやアマゾンのジャングル」(カメラマン)……。この言語センスよ! さすが「ar」関係者様方!! と惚れ惚れします。

 さらに「みーんな憧れるベイビー絵梨佳をじーっとながめるページ」「もぎたて絵梨佳に見とれまくるページ」「完熟絵梨佳のしなやかポージングにうっとりの巻」「The森絵梨佳の肌」「The森絵梨佳のBODY SEXY SEXY BODY」と、教祖・森絵梨佳様をあがめるページが続きます。一問一答によれば、森様の好きであられる天気は「曇りのち晴れ」、時間は「午後二時」、寝る体勢は「うつぶせからの仰向け」、口癖は「そっかー」だそうです。ここまで読んでも「そっかー」としか思えない自分は、人間ではないのかもしれません。

 メイクアップアーティスト・イガリシノブがプロデュースするメイク企画、今号はピンク推しの「エモピン、一択!!! ピンク様、最強説(ハート)」です。「エモピン」とは初めて聞く言葉ですが、「エモいピンク」の略だそう。エモピンを「ちょっと離れてから戻っても裏切らなくて、いつだって待っててくれる。(中略)母性があって、女の子を包み込んでくれる存在」と擬人化し、「そう、ピンクは永遠かつ最強だ。まさに、“ピンク様”と呼ぶにふさわしいくらいに!!」とハイテンションにまとめています。先ほどの森様に続いて、今度はピンク様のおでましです。

 誌面を読む限り、このエモピンメイク、とっても難易度が高そうです。例えば「キレイめエモピン」メイクは、「キレイめなピンク~ってあからさまにアピらずに、ピンクをピンクとして表現していない」メイクだそうで、「別のカラーを立たせながら“ピンクを塗っている人”に見せるというワザ」を駆使するそう。高度すぎて何を言っているのかよくわかりません。

 また、エモいピンクの肌=「エモスキン」とは、「とにかく“グジョついてる”(笑)。何もかもがあふれ出てる~って感じなの。どメスの肌、みたいなね」だとか。どメスなグジョつき肌を作る方法はというと、「ツヤ感が大事だけど、ファンデーションがツヤツヤなわけじゃないの。内側にのばしたパープルの透明感と目元のピンクの輝きも重要な要素。そんでもって、ただグジョついてちゃダメだから、横顔はサラッとマットに整えて清潔感は必須だよ」。やっぱりよくわかりませんが、読んでいるだけで頭の中がグジョグジョなピンク様に染まって、なんだか、いろんなことがどうでもよくなってきました。これぞピンク様の御利益でしょうか。ありがたや。

 続いては、若手俳優のグラビア企画「甘酸っぱいキミ。」。志尊淳、佐藤寛太、岡田健史、ゆうたろう(石原裕次郎のモノマネ芸人ではない方)、荒木飛羽、岩井拳士朗の6人が登場します。コンセプトは「思うだけで胸がキュンとしたり、トキめいたり、切なくなったり……。そんな、まるで甘酸っぱいレモンパイのような6人の男の子」で、それぞれがレモンパイを手にした写真になっています。

 しかし、ただ1人、岩井のみ「フルーツが苦手」という理由でレモンパイを免除され、ジェラート(フレーバーは不明)を持つという特別待遇を受けていました。いくらフルーツが苦手だからって手に持って写真を撮られるくらいはできるでしょうよ、テレビの食べ歩きロケじゃないんだから、と思ってしまいますが、「ar」編集部の柔軟な対応力には頭が下がります。

 岩井以外は、レモンパイを食べた感想も話しています。「思ったよりレモン」(志尊)、「レモンの風味でさっぱりしててすごくおいしい」(佐藤)、「甘くておいしい」(荒木)など、とっても素直な言葉が並びます。エモピン企画のエモ語シャワーでグジョついた頭が、すーっと浄化されていくのを感じました。

 「SEXY特集号」らしさは中身からはさほど感じない今号でしたが、トータルでバランスの取れた誌面作り、あっぱれです!
(島本有紀子)

「どメス」「グジョつき」「あふれ出てる~」! 「ar」メイク企画がもたらす高揚感の正体

 「ar」(主婦と生活社)12月号は、「漏れフェロモン、盛る色気を仕込むよ」と題した「SEXY特集号」。「盛る」は、「もる」と読むのか「さかる」と読むのか。フリガナがないので不明ですが、どちらにせよ平成最後の12月号にふさわしい「ar」らしさ漏れ漏れのタイトルとなっています。表紙にも「秘めたるSEXYでHOTな冬!」という文字がデカデカと。レジに持っていくのは恥ずかしいですが、期待は高まります。早速、中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎隅から隅までご覧ください! 生エリカのす(ハート)べ(ハート)て
◎エモピン、一択!!! ピンク様、最強説(ハート)
◎甘酸っぱいキミ。

森絵梨佳に魅力を感じない者、人にあらず

 巻頭の特集は、「生エリカのす(ハート)べ(ハート)て」。同誌のメイクページに欠かせないモデル・森絵梨佳にスポットを当てた企画です。そこには森への盲目的な愛があふれていました。

 前提として、彼女には「少女のようなみずみずしさとシックな色気を併せ持ち、見る人すべてを魅了しまくる底なしの魅力」があるそうです。「見る人すべてを魅了しまくる底なしの魅力」――。森に魅力を感じない者、人にあらず! と言われているような圧倒的賛辞。「ここまで言うと逆に嘘っぽく聞こえちゃうかな?」というような迷いが一切感じられません。新興宗教の広報誌かのようです。

 次のページにも、ar関係者からの賞賛の声が続きます。

 「美しすぎる希少動物」(編集長)、「昔のスタアのように一枚の写真で夢を抱かせることができる、稀有な存在」(ライター)、「追いかけても追いかけても、絶対追いつかない人」(編集部員)、「都会のカメレオン」(ヘアメイク)、「名字は森ちゃんだけど、もはやアマゾンのジャングル」(カメラマン)……。この言語センスよ! さすが「ar」関係者様方!! と惚れ惚れします。

 さらに「みーんな憧れるベイビー絵梨佳をじーっとながめるページ」「もぎたて絵梨佳に見とれまくるページ」「完熟絵梨佳のしなやかポージングにうっとりの巻」「The森絵梨佳の肌」「The森絵梨佳のBODY SEXY SEXY BODY」と、教祖・森絵梨佳様をあがめるページが続きます。一問一答によれば、森様の好きであられる天気は「曇りのち晴れ」、時間は「午後二時」、寝る体勢は「うつぶせからの仰向け」、口癖は「そっかー」だそうです。ここまで読んでも「そっかー」としか思えない自分は、人間ではないのかもしれません。

 メイクアップアーティスト・イガリシノブがプロデュースするメイク企画、今号はピンク推しの「エモピン、一択!!! ピンク様、最強説(ハート)」です。「エモピン」とは初めて聞く言葉ですが、「エモいピンク」の略だそう。エモピンを「ちょっと離れてから戻っても裏切らなくて、いつだって待っててくれる。(中略)母性があって、女の子を包み込んでくれる存在」と擬人化し、「そう、ピンクは永遠かつ最強だ。まさに、“ピンク様”と呼ぶにふさわしいくらいに!!」とハイテンションにまとめています。先ほどの森様に続いて、今度はピンク様のおでましです。

 誌面を読む限り、このエモピンメイク、とっても難易度が高そうです。例えば「キレイめエモピン」メイクは、「キレイめなピンク~ってあからさまにアピらずに、ピンクをピンクとして表現していない」メイクだそうで、「別のカラーを立たせながら“ピンクを塗っている人”に見せるというワザ」を駆使するそう。高度すぎて何を言っているのかよくわかりません。

 また、エモいピンクの肌=「エモスキン」とは、「とにかく“グジョついてる”(笑)。何もかもがあふれ出てる~って感じなの。どメスの肌、みたいなね」だとか。どメスなグジョつき肌を作る方法はというと、「ツヤ感が大事だけど、ファンデーションがツヤツヤなわけじゃないの。内側にのばしたパープルの透明感と目元のピンクの輝きも重要な要素。そんでもって、ただグジョついてちゃダメだから、横顔はサラッとマットに整えて清潔感は必須だよ」。やっぱりよくわかりませんが、読んでいるだけで頭の中がグジョグジョなピンク様に染まって、なんだか、いろんなことがどうでもよくなってきました。これぞピンク様の御利益でしょうか。ありがたや。

 続いては、若手俳優のグラビア企画「甘酸っぱいキミ。」。志尊淳、佐藤寛太、岡田健史、ゆうたろう(石原裕次郎のモノマネ芸人ではない方)、荒木飛羽、岩井拳士朗の6人が登場します。コンセプトは「思うだけで胸がキュンとしたり、トキめいたり、切なくなったり……。そんな、まるで甘酸っぱいレモンパイのような6人の男の子」で、それぞれがレモンパイを手にした写真になっています。

 しかし、ただ1人、岩井のみ「フルーツが苦手」という理由でレモンパイを免除され、ジェラート(フレーバーは不明)を持つという特別待遇を受けていました。いくらフルーツが苦手だからって手に持って写真を撮られるくらいはできるでしょうよ、テレビの食べ歩きロケじゃないんだから、と思ってしまいますが、「ar」編集部の柔軟な対応力には頭が下がります。

 岩井以外は、レモンパイを食べた感想も話しています。「思ったよりレモン」(志尊)、「レモンの風味でさっぱりしててすごくおいしい」(佐藤)、「甘くておいしい」(荒木)など、とっても素直な言葉が並びます。エモピン企画のエモ語シャワーでグジョついた頭が、すーっと浄化されていくのを感じました。

 「SEXY特集号」らしさは中身からはさほど感じない今号でしたが、トータルでバランスの取れた誌面作り、あっぱれです!
(島本有紀子)

「ar」夏のSEXY特集が、「中身のない自己啓発書」にしか見えないワケ

 20代向けビューティ&ファッション誌「ar」(主婦と生活社)の7月号は、SEXY特集号ということで、表紙には「あるのなら醸して活かそう女の色気 HOT! HOT! SUMMER!!」と銘打たれています。五・八・七調という微妙な字余り感の標語(?)、「あるのなら 醸して活かそう 女の色気」が気になります。「色気? まぁ、あるかな~。ちょっと醸しとく? 活かしとく?」的な、色気がある前提という余裕が感じられます。どうせならそこは、「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」(豊臣秀吉)に倣うくらいの気持ちで、「ないのなら 出させてみせよう 女の色気」くらい強気にいってくれたら、手に取る層も広がるのではないでしょうか……と提案したくなりました。

<トピックス>
◎空前絶後の!!セクシーーーーー服
◎お誘い(ハート)ランジェリー
◎篠崎愛のむぎゅっと抱きしめうさぎBODY

■セクシー服はサンシャイン池崎が手本なのか

 SEXY特集ということですが、昨年の同特集の見出し「夏のエロ髪は質感勝負」「うちで一番エロいの、コレです」「色気を醸す声と話術」などと比べたら、今年はなぜか、おとなしめ。メインである「オンナは赤でオトす」と題した、赤をメインに持ってくるファッション&メイクのページに、赤い下着が6セット掲載されていることを除けば、通常営業の「ar」に見えます。

 続いてのファッションページは、見出しが、「空前絶後の!!セクシーーーーー服」。サンシャイン池崎のギャグに手を出しています。実は目次のページで、この見出しのすぐ隣に、両脇を全開にする池崎の「イェーーーーイ!」ポーズをとる人気モデル・森絵梨佳の写真が掲載されていたため、「まさかこの特集では、オシャレポーズしかとらないarモデルたちが、池崎ポーズを……!?」と期待してページをめくりました。しかし、池崎ポーズはどこにもありません。目次ページの森のポーズは、メイン特集「オンナは赤でオトす」の中の、赤リップを紹介するページにありました。どうも偶然の産物だったようです。

 気を取り直して、“セクシーーーーー服”。背中見せ、肩見せ、透け、セクシーシルエットなどが紹介されています。この露出度の高さ、いつでもタンクトップ&短パンの池崎感があるかもしれません。キャプションも「透ければ透けるほど、気になる存在(ハート)」「あの手この手でセクシーを獲得」など、夏の暑さでいっちゃったようなハイテンションが続き……。大げさな言葉と勢いで引っ張る池崎と同誌の芸風は、確かに似ていますね。

 ほかに“SEXY特集らしいページ”と感じたのが、下着紹介企画の「お誘い(ハート)ランジェリー」と、性のお悩みQ&Aページ「誰にも言えない悩みはここで aR18」。

 「お誘いランジェリー」では、「彼とのおアツい夜の演出に」と、これでもかといわんばかりの64セットの下着が掲載され、見ごたえはたっぷり。しかし、下着はなぜか「ポチャ子」向けと「ヤセ子」向けで分類して紹介されています。例えばポチャ子向けには、「気になるパーツ いっそぜ~んぶ隠しちゃえ!」とのキャプション付きで、露出控えめのブラ&パンティーや、「サイドのスリット効果で太ももほっそり」効果が期待できるというショーツが。色気がある女子というのは、“脱ぐ”ためにお誘いランジェリーを身に着けるのだとしても、脱ぎ去る前の一瞬にまで気を配るのかと感心しました。

 性のお悩み相談企画「aR18」で回答者を務めるのは、定番の女性の婦人科専門医とセックスカウンセラー。質問内容も、ほかの女性誌で読んだことがあるオーソドックスなものばかりで、特に「ar」独自路線は見られなかったのは残念ですが、色気を追い求める「ar」読者も、性の悩みは普通の女子と変わらないのかという、安心感だけは収穫でした。

■また出た「うさぎ」推し

 5月号で「うさぎ女子」、6月号で「うさぎFACE」を紹介していた「ar」。今月号では「うさぎBODY」を打ち出し始めました。うさぎBODYの持ち主として誌面に登場しているのは篠崎愛。巨乳が売りのグラビアアイドルで、最初のページではがっつりと胸の谷間も披露しています。

 うさぎBODYの定義は、「抱き心地」「柔らかな丸み」「可愛いエロさ」「透明感」「湿度のある白肌」とかなり欲張りで、かつ男性目線のもののよう。「柔らかな丸み」に関しては、「バストやヒップはもちろんだけど、うさぎボディを狙うなら、肩や二の腕などすべてのラインがまあるくなめらかであることが必須条件」とし、想像しにくい“全てが丸い女子”を推奨。さらに「可愛いエロさ」では、「無理にセクシーさを演出するんじゃなくて、自分らしい女の子パーツを素直に生かして」と呼びかけ、「無邪気さからにじむ伸びやかなエロスが“近付きたい”“触れてみたい”って周りをキュンキュンさせる無敵の吸引力につながるというワケ」と説明しています。一つひとつの言葉の響きは、ステキでキュンキュンするのですが、具体的にどうすれば「無邪気さから伸びやかなエロス」や「無敵の吸引力」が生まれるのかは触れられず、中身のない自己啓発書でヤル気だけ無理に起こされているときと似た気分になってきます。

 そして、篠崎が紹介しているビューティーアイテムも、「ヴァセリン」「牛乳石鹸」「MTG リファカラット」という、誰でも知っているであろう3点。うさぎBODYの奥が深いのか、浅いのか、もはやよくわからなくなってきています。

 次号からのうさぎ展開にも期待大です。
(島本有紀子)

「ar」夏のSEXY特集が、「中身のない自己啓発書」にしか見えないワケ

 20代向けビューティ&ファッション誌「ar」(主婦と生活社)の7月号は、SEXY特集号ということで、表紙には「あるのなら醸して活かそう女の色気 HOT! HOT! SUMMER!!」と銘打たれています。五・八・七調という微妙な字余り感の標語(?)、「あるのなら 醸して活かそう 女の色気」が気になります。「色気? まぁ、あるかな~。ちょっと醸しとく? 活かしとく?」的な、色気がある前提という余裕が感じられます。どうせならそこは、「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」(豊臣秀吉)に倣うくらいの気持ちで、「ないのなら 出させてみせよう 女の色気」くらい強気にいってくれたら、手に取る層も広がるのではないでしょうか……と提案したくなりました。

<トピックス>
◎空前絶後の!!セクシーーーーー服
◎お誘い(ハート)ランジェリー
◎篠崎愛のむぎゅっと抱きしめうさぎBODY

■セクシー服はサンシャイン池崎が手本なのか

 SEXY特集ということですが、昨年の同特集の見出し「夏のエロ髪は質感勝負」「うちで一番エロいの、コレです」「色気を醸す声と話術」などと比べたら、今年はなぜか、おとなしめ。メインである「オンナは赤でオトす」と題した、赤をメインに持ってくるファッション&メイクのページに、赤い下着が6セット掲載されていることを除けば、通常営業の「ar」に見えます。

 続いてのファッションページは、見出しが、「空前絶後の!!セクシーーーーー服」。サンシャイン池崎のギャグに手を出しています。実は目次のページで、この見出しのすぐ隣に、両脇を全開にする池崎の「イェーーーーイ!」ポーズをとる人気モデル・森絵梨佳の写真が掲載されていたため、「まさかこの特集では、オシャレポーズしかとらないarモデルたちが、池崎ポーズを……!?」と期待してページをめくりました。しかし、池崎ポーズはどこにもありません。目次ページの森のポーズは、メイン特集「オンナは赤でオトす」の中の、赤リップを紹介するページにありました。どうも偶然の産物だったようです。

 気を取り直して、“セクシーーーーー服”。背中見せ、肩見せ、透け、セクシーシルエットなどが紹介されています。この露出度の高さ、いつでもタンクトップ&短パンの池崎感があるかもしれません。キャプションも「透ければ透けるほど、気になる存在(ハート)」「あの手この手でセクシーを獲得」など、夏の暑さでいっちゃったようなハイテンションが続き……。大げさな言葉と勢いで引っ張る池崎と同誌の芸風は、確かに似ていますね。

 ほかに“SEXY特集らしいページ”と感じたのが、下着紹介企画の「お誘い(ハート)ランジェリー」と、性のお悩みQ&Aページ「誰にも言えない悩みはここで aR18」。

 「お誘いランジェリー」では、「彼とのおアツい夜の演出に」と、これでもかといわんばかりの64セットの下着が掲載され、見ごたえはたっぷり。しかし、下着はなぜか「ポチャ子」向けと「ヤセ子」向けで分類して紹介されています。例えばポチャ子向けには、「気になるパーツ いっそぜ~んぶ隠しちゃえ!」とのキャプション付きで、露出控えめのブラ&パンティーや、「サイドのスリット効果で太ももほっそり」効果が期待できるというショーツが。色気がある女子というのは、“脱ぐ”ためにお誘いランジェリーを身に着けるのだとしても、脱ぎ去る前の一瞬にまで気を配るのかと感心しました。

 性のお悩み相談企画「aR18」で回答者を務めるのは、定番の女性の婦人科専門医とセックスカウンセラー。質問内容も、ほかの女性誌で読んだことがあるオーソドックスなものばかりで、特に「ar」独自路線は見られなかったのは残念ですが、色気を追い求める「ar」読者も、性の悩みは普通の女子と変わらないのかという、安心感だけは収穫でした。

■また出た「うさぎ」推し

 5月号で「うさぎ女子」、6月号で「うさぎFACE」を紹介していた「ar」。今月号では「うさぎBODY」を打ち出し始めました。うさぎBODYの持ち主として誌面に登場しているのは篠崎愛。巨乳が売りのグラビアアイドルで、最初のページではがっつりと胸の谷間も披露しています。

 うさぎBODYの定義は、「抱き心地」「柔らかな丸み」「可愛いエロさ」「透明感」「湿度のある白肌」とかなり欲張りで、かつ男性目線のもののよう。「柔らかな丸み」に関しては、「バストやヒップはもちろんだけど、うさぎボディを狙うなら、肩や二の腕などすべてのラインがまあるくなめらかであることが必須条件」とし、想像しにくい“全てが丸い女子”を推奨。さらに「可愛いエロさ」では、「無理にセクシーさを演出するんじゃなくて、自分らしい女の子パーツを素直に生かして」と呼びかけ、「無邪気さからにじむ伸びやかなエロスが“近付きたい”“触れてみたい”って周りをキュンキュンさせる無敵の吸引力につながるというワケ」と説明しています。一つひとつの言葉の響きは、ステキでキュンキュンするのですが、具体的にどうすれば「無邪気さから伸びやかなエロス」や「無敵の吸引力」が生まれるのかは触れられず、中身のない自己啓発書でヤル気だけ無理に起こされているときと似た気分になってきます。

 そして、篠崎が紹介しているビューティーアイテムも、「ヴァセリン」「牛乳石鹸」「MTG リファカラット」という、誰でも知っているであろう3点。うさぎBODYの奥が深いのか、浅いのか、もはやよくわからなくなってきています。

 次号からのうさぎ展開にも期待大です。
(島本有紀子)