「ar」お肌特集にトンデモ情報!? 「プラスチックを摂取しない」という読モの深い謎

 2月号の「ar」(主婦と生活社)は、お肌特集号。「まいやん」こと乃木坂46・白石麻衣のお顔のアップが表紙を飾っています。そんな「まいやんのこだわり」として紹介されているメイク道具は、白石自身がCMキャラクターを務めている「マキアージュ」のリップとマスカラとアイシャドウ。ほかのメーカーのものを紹介できないことなど百も承知ではありますが、何と言うか、「私たちが見せられているのは、マキアージュにお金をもらっているまいやんなのだ」という事実を、ひしひしと感じさせるページになっています。冒頭からそのような現実を実感させられた今月号の中身、早速見ていきましょう!

<トピックス>
◎お肌にいいことリスト100
◎コスパ服で華の女になる!
◎B‐1グランプリ

プラ容器は美肌の敵なのか!?

 「お肌特集号」の目玉企画は、読モやインスタグラマー、スタイリスト、スキンケアクリニック院長、形成美容外科医などの総勢17名の“肌賢者”から美肌術を集めた「お肌にいいことリスト100」です。100項目のうち7割は、それぞれのお気に入りスキンケアアイテムの紹介で埋まっていますが、それ以外の小ネタが興味深いです。

 「“瞑想”などで心を“今”に向けること」と説明される「マインドフルネス」で肌の酸化・糖化ストレスの減少を狙うという医師、お風呂でのマインドフルネス「マインド風呂ネス」で自己肯定力向上を目指すインストラクター、さらには発汗を促すために「半身浴をしながらビニール傘をさします」という個性的なインスタグラマーも。

 一番不思議だったのは、ある読モの「あまりプラスチックを摂取しないよう意識しているのでホットの場合はプラ容器ではなく、あれば必ずマグカップで注文する」との心がけです。えっ、プラ容器のプラスチックって、溶けるんですか!? 環境に配慮してプラ容器を避けるのではなくて……? せっかく医療従事者も「肌賢者17人」に入れているのだから、そのへん詳しく教えてほしかったです。

 ほかには「テレビを観て笑ったり泣いたり(ハート)」「気にしすぎない!」という、すぐ真似できそうな美肌術も。プラ容器を避ける読モには、ぜひ「気にしすぎない!」のアドバイスを実践してみてほしいものです。

 いつもは一般人はまず着る機会のないようなコーデばかり紹介しがちな「ar」ですが、今月号では、珍しく日常に目を向けたコスパ服特集が。その名も「コスパ服で華の女になる!」。服だけでなく、合わせるメイクもプチプラ化粧品だけで施すという、同誌らしからぬ実用的な企画になっていました。冒頭のコーデはコートが5,990円(アズールバイマウジー)、ワンピースが4,536円(ベルシュカ)、バッグが3,173円(同)と、絶妙なプチプラ具合です。

 そして「ar」が、ほかの雑誌の似た特集と一線を画しているのは、プチプラの殿堂「ユニクロ」「ジーユー」に頼っていないところ。この企画で提案されている全28コーデ中、使われていたユニクロ製品はニット1着だけ。ジーユーはコート、スカート、パンプスの合計3点だけでした。「コスパ服=ユニクロとジーユー」「コスパ服=人と被る」……という意識を変えてくれそうな企画でした。

イケメン扱いのシャンプーハットこいで

 最後に見ていくのは、男性お笑い芸人をイケメンっぽく撮った「B‐1グランプリ」。「ar」が男性美容師でよくやる企画の、芸人バージョンです。

 人選に味があり、若者人気の高い「EXIT」兼近大樹はまだわかるのですが、読者からしたらオジサンの部類であろう「シャンプーハット」こいで、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「イマイチ印象に残らない芸人」代表だった「相席スタート」山添寛などが登場。こいではウインクしていたり、山添はバーでグラス片手に思案顔していたりと、イケメンふうにキメています。モノマネ芸人「JP」に至っては、言われないとわからない「長瀬智也ものまね」で誌面を飾っているのです。

 男性美容師バージョンでもそうですが、それぞれに添えられるキャッチフレーズも読ませます。兼近は「日常が楽しくないって思ったら かねちだけ見とけ(ハート)」、山添は「今日は強いお酒、飲もっか。」、こいでは「好きになられて困るんなら 僕に近づいたらあかんよ(ハート)」……。男性美容師バージョンのときにはない、「かっこよく撮ってもらってよかったね」という親心のような気持ちが湧いてくると同時に、こいでの浮き具合には、編集部に熱心なこいでファンがいるのだろうか、とも想像してしまいました。

 「お肌特集号」といながらも、ほかにも鍋企画「アノ人の鍋」、サウナ企画「サウナー女子のすすめ」、田中圭インタビュー「ご一緒に田中圭はいかがですか?」など、盛りだくさんだった今月号。一体何の雑誌を読んでいるのかわからなくなるほどネタが豊富で、表紙のまいやんが薄れるほど、おなかいっぱいになりました。

「ar」に橋本環奈登場! 「女子にモテる」発言に垣間見えた、“私は女の敵ではない”アピール

 1月号の「ar」(主婦と生活社)は「オンナ特集号」。表紙には上目遣いの橋本環奈のアップとともに、「オンナ爆上げで2020を迎える!」とのピンク色の文字が踊っています。

 ハシカンといえば、約半年前の5月号でも同誌の表紙を飾り、ロングインタビューを受けていました。再び表紙&巻頭インタビューに登場ということは、やはり彼女が表紙だと売れるということだと思いますが、「ar」読者を惹きつける魅力とは何なのか!? そこも含めて、早速、中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎橋本環奈はオンナを楽しむ天才!
◎ズルい女になってみる?
◎全ての日本人に問う。ドライヤーってナニするもの?

橋本環奈の奇妙なポジティブさの根源

 まず見ていくのは巻頭の特集&インタビュー「橋本環奈はオンナを楽しむ天才!」。前回登場時、5月号のインタビューでは、「人間が好き」「笑顔を忘れない」「何事も楽しむ」など、奇妙なほどのポジティブワードを連発していた彼女。今回もそれは変わらず、むしろ「誘われたら断らない」「嫌いな人はいない」等、エスカレートしているようです。

 多忙のあまり精神が疲弊し、ポジティブ押しつけ系の宗教や自己啓発にハマっているのか? という心配も一瞬頭をかすめました。が、こんなにもポジティブでいられるのは、やはり「恵まれている容姿(顔)」の恩恵が大きいのではないか……と、思わずにはいられません。

 「私は人見知りをしないので、人とすぐ距離感ゼロまでいけるんです」と語っていますが、その距離の詰め方で許されるのは橋本環奈だから。謎のポジティブは、“1000年に一人の美少女”ゆえにいろいろと許されてきたことによる天真爛漫さなのであって、これを一般読者がまねようとすると危険かもしれません。

 また、今回はもう一つ気になる発言が。「彼氏にしたい女ナンバーワンになる自信、あります(笑)」という“女子にモテる”アピールです。「女子高時代のあだ名は“みんなの彼氏”」「忙しい時期にたまに学校に行くと、何人かがお弁当作ってきてくれたりする」「後輩に告白された」とのこと。そういえば、吉岡里帆も「ar」10月号のインタビューで似た発言をしていました。「高校の卒業式の日に、年下の女の子から告白の手紙をもらった」と。

 「男子だけじゃなくて女子にもモテます!」とアピールすることで、暗に「私、モテるけど女の敵じゃないよ☆」と伝え、女子人気がさらに高まる――という循環に、橋本環奈も乗っているのかもしれません。「ar」読者は、吉岡里帆や橋本環奈といった“清く正しく美しい人類総モテ女”系に憧れる素直な面があるのでしょうか。

 次に見ていくのは「ズルい女になってみる?」という企画。「ar」が推している“好きバレ”(好意を持っている異性に好きだと匂わせる)する服やメイク、言動などを紹介しています。最も気になったのが、「みんなやってる! 令和の好きバレ言動はコレ」のコーナーです。

 「男女100人に緊急アンケートしてわかった禁断のズルいテク」が公開されているのですが、その中にあった注目の回答がこちら。

「社内便で旅行のお土産と手紙を送った。(中略)親展の印つけるのを忘れて周りにも知られるところになってしまいました」(32歳・男性)

 32歳男性が、このような公私混同なやり方で好きバレとは、恐ろしくて震えます。ですがこの男性、「向こうがウケてくれて仕事以外でも話ができるようになりました」と前向きな報告もしています。仕事以外の会話ができない状態で、それをやったのか! という驚きとともに、相手の女性はウケてくれたのではなく、「コイツやべえ」と身の危険を感じ、あえて刺激を与えないように話を合わせてあげているだけなのでは……との疑惑も持ちました。

 同誌のアンケートには、たまにこういうおかしな回答が混じっているのでついつい読んでしまいますが、くれぐれも読者には32歳男性の行動はまねしないでほしいです。

ドライヤーで弁当を温める……?

 最後に見るのも、アンケートの回答がおかしい「全ての日本人に問う。ドライヤーってナニするもの?」です。

 ドライヤーでできる神ワザを、世のドライヤー通なる人々に「実際に聞いてみました」と掲げて紹介しているのですが、その回答は「冬はドライヤーで暖をとる、夏場は冷風で涼をとる」「お弁当が冷めてしまったとき、ドライヤーを当てて温める」「面倒なアイロンがけ、ドライヤーでささっと」「マスカラが乾燥して開かなくなったら当ててみて」などなど。確かに“あるある”ではあるものの、本来の役割ではない使い方が11項目も並んでいます。

 もっと、こんなふうに使えば寝ぐせが取れるとか、乾くのが早くなるとか……そういうことを詳しく知りたいと思って読むと拍子抜け。ですが、冬場にドライヤーの温風で暖を取っている自分がババ臭いと感じていた今日この頃、この行動って「ar」に書かれるほど公式なんだ……と妙な安心感は得られました。

「ar」に橋本環奈登場! 「女子にモテる」発言に垣間見えた、“私は女の敵ではない”アピール

 1月号の「ar」(主婦と生活社)は「オンナ特集号」。表紙には上目遣いの橋本環奈のアップとともに、「オンナ爆上げで2020を迎える!」とのピンク色の文字が踊っています。

 ハシカンといえば、約半年前の5月号でも同誌の表紙を飾り、ロングインタビューを受けていました。再び表紙&巻頭インタビューに登場ということは、やはり彼女が表紙だと売れるということだと思いますが、「ar」読者を惹きつける魅力とは何なのか!? そこも含めて、早速、中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎橋本環奈はオンナを楽しむ天才!
◎ズルい女になってみる?
◎全ての日本人に問う。ドライヤーってナニするもの?

橋本環奈の奇妙なポジティブさの根源

 まず見ていくのは巻頭の特集&インタビュー「橋本環奈はオンナを楽しむ天才!」。前回登場時、5月号のインタビューでは、「人間が好き」「笑顔を忘れない」「何事も楽しむ」など、奇妙なほどのポジティブワードを連発していた彼女。今回もそれは変わらず、むしろ「誘われたら断らない」「嫌いな人はいない」等、エスカレートしているようです。

 多忙のあまり精神が疲弊し、ポジティブ押しつけ系の宗教や自己啓発にハマっているのか? という心配も一瞬頭をかすめました。が、こんなにもポジティブでいられるのは、やはり「恵まれている容姿(顔)」の恩恵が大きいのではないか……と、思わずにはいられません。

 「私は人見知りをしないので、人とすぐ距離感ゼロまでいけるんです」と語っていますが、その距離の詰め方で許されるのは橋本環奈だから。謎のポジティブは、“1000年に一人の美少女”ゆえにいろいろと許されてきたことによる天真爛漫さなのであって、これを一般読者がまねようとすると危険かもしれません。

 また、今回はもう一つ気になる発言が。「彼氏にしたい女ナンバーワンになる自信、あります(笑)」という“女子にモテる”アピールです。「女子高時代のあだ名は“みんなの彼氏”」「忙しい時期にたまに学校に行くと、何人かがお弁当作ってきてくれたりする」「後輩に告白された」とのこと。そういえば、吉岡里帆も「ar」10月号のインタビューで似た発言をしていました。「高校の卒業式の日に、年下の女の子から告白の手紙をもらった」と。

 「男子だけじゃなくて女子にもモテます!」とアピールすることで、暗に「私、モテるけど女の敵じゃないよ☆」と伝え、女子人気がさらに高まる――という循環に、橋本環奈も乗っているのかもしれません。「ar」読者は、吉岡里帆や橋本環奈といった“清く正しく美しい人類総モテ女”系に憧れる素直な面があるのでしょうか。

 次に見ていくのは「ズルい女になってみる?」という企画。「ar」が推している“好きバレ”(好意を持っている異性に好きだと匂わせる)する服やメイク、言動などを紹介しています。最も気になったのが、「みんなやってる! 令和の好きバレ言動はコレ」のコーナーです。

 「男女100人に緊急アンケートしてわかった禁断のズルいテク」が公開されているのですが、その中にあった注目の回答がこちら。

「社内便で旅行のお土産と手紙を送った。(中略)親展の印つけるのを忘れて周りにも知られるところになってしまいました」(32歳・男性)

 32歳男性が、このような公私混同なやり方で好きバレとは、恐ろしくて震えます。ですがこの男性、「向こうがウケてくれて仕事以外でも話ができるようになりました」と前向きな報告もしています。仕事以外の会話ができない状態で、それをやったのか! という驚きとともに、相手の女性はウケてくれたのではなく、「コイツやべえ」と身の危険を感じ、あえて刺激を与えないように話を合わせてあげているだけなのでは……との疑惑も持ちました。

 同誌のアンケートには、たまにこういうおかしな回答が混じっているのでついつい読んでしまいますが、くれぐれも読者には32歳男性の行動はまねしないでほしいです。

ドライヤーで弁当を温める……?

 最後に見るのも、アンケートの回答がおかしい「全ての日本人に問う。ドライヤーってナニするもの?」です。

 ドライヤーでできる神ワザを、世のドライヤー通なる人々に「実際に聞いてみました」と掲げて紹介しているのですが、その回答は「冬はドライヤーで暖をとる、夏場は冷風で涼をとる」「お弁当が冷めてしまったとき、ドライヤーを当てて温める」「面倒なアイロンがけ、ドライヤーでささっと」「マスカラが乾燥して開かなくなったら当ててみて」などなど。確かに“あるある”ではあるものの、本来の役割ではない使い方が11項目も並んでいます。

 もっと、こんなふうに使えば寝ぐせが取れるとか、乾くのが早くなるとか……そういうことを詳しく知りたいと思って読むと拍子抜け。ですが、冬場にドライヤーの温風で暖を取っている自分がババ臭いと感じていた今日この頃、この行動って「ar」に書かれるほど公式なんだ……と妙な安心感は得られました。

「ar」セクシー特集で、内田理央が「紐パン×ウサギの被り物」……女子向けエロが迷走!?

 12月号の「ar」(主婦と生活社)は、半期に一度のペースでやってくるセクシー特集。表紙から、女優でモデルの内田理央が裸一貫で毛布を抱えている(ように見える)ショットで攻めていますが、やりすぎ感やお下品さはなく、“女子も萌えるセクシー“のさじ加減が絶妙です。中身もこのバランスを保っているのか……!? 早速見ていきましょう。

<トピックス>
◎天下無敵のゆるエロ感 だーりおのSEXYメソッド!!!!
◎セクシーになるためのいろは48のこと
◎アソコでゆらり…が色気の発信地 セクシーバングの新法則

女子向け「ゆるエロ」のさじ加減

 「ar」では今回が初の表紙だった内田理央。巻頭では「天下無敵のゆるエロ感 だーりおのSEXYメソッド!!!!」と題した特集が組まれています。

 そこで見られるのは、ペロペロキャンディーを舐めながらピンクの毛糸のブルマで寝そべる内田理央、ニット地のボディスーツで体育座りをする内田理央、下半身紐パン+上半身スウェット+頭にウサギの被り物でバスケットボールを持つ内田理央……。タイトル通りゆるい、でも確かにエロい写真たち。どこまでが女子向けのエロで、どこからがそうではなくなるのか、見れば見るほどわからなくなってきます。

 インタビューで「女の子が可愛い!って思えるセクシーを追求していきたい」と語っている彼女ですが、女性ウケするエロと男性ウケするエロはまったく別物ではないのだろうし、「ar」編集部的にも、男性にも購入してもらえるのなら売り上げが伸びて御の字だろうし……。などと考えた結果、エロを掲げる商売というのは奥深いものだなぁという浅い感想に行き着きました。

 つい先ほど「エロを掲げる商売は奥深い」という浅い感想を書いたばかりですが、次に見て行く企画「セクシーになるためのいろは48のこと」の冒頭に、こんな文言が。

「“セクシー”って(中略)性的アピールだけじゃなくって、もっと奥深いもの」

 やはり女子向けのエロは、「奥深い」という便利な言葉で、かわされがちであるようです。今回の企画は、その「奥深さ」を、「い」……色気、「ろ」……露出、というふうに、「いろは」48音を頭文字にとるキーワードで紐解くというもの。1つのキーワードごとに4~6行ほどの「セクシーになるための」解説が付いている構成なのですが、こちらも読めば読むほど、エロの迷宮に迷い込みます。

 例えば「ゐ」は「いい女」で、解説文には「柔らかさ、おっぱい、曲線、スカート、メイク、ロングヘア…男性にはないものを磨けば、それだけでセクシーは成立」とあります。そのほか、「お」は「おっぱい」で、「初対面の男性が『顔の次に見る部分』とも言われるおっぱい」。「ふ」は「フェチ」で、「脚やお尻が強調されていれば、見ない男はいない」。「せ」は「扇情」で、「例えば、大胆な肌見せ服とか。見せるからには、肌荒れやムダ毛は禁物」……。

 以上、抜粋ですが、それにしても奥深さ、皆無! むしろ「セクシー=単純」と読めてきます。「を」については「男」で、「『男ウケ主義』上等! だって、彼が喜んでくれたら私だってハッピー」と書いてあって、これも、自分ウケと男ウケの狭間で揺れ動き、結果ブレブレなっちゃう“「ar」あるある”の1つであると気が付きました。

「アソコでゆらり」するモノの正体

 最後に見るのは「アソコでゆらり…が色気の発信地 セクシーバングの新法則」。前髪の毛先を目元、鼻、口元のどれかで揺らすと色っぽさが際立つとのことで、そういったヘアスタイルを紹介するページなのですが、そこに「アソコでゆらり…」なんていう狙いすぎな言葉を持って来るセンス、しびれます。

 日常生活の邪魔しかならないであろう”目元でゆらり”の前髪も、「うっとうしい前髪を無意識に直すしぐさもセクシーに見えます」(美容師談)だそう。そういえば「セクシーになるためのいろは48のこと」でも、「ゆ」は「揺れる」で「目の前に獲物が現れたら狙いたくなるのが男ゴコロ。(中略)揺れアイテムで揺さぶってみて」と書かれていました。もはや「男性=獣」という扱いです。

 今号の「ar」は、男性はこれほど単純なのだと訴えることで、女子向けエロの奥深さを強調するとともに、男ウケと自分ウケのバランスを取りましょうと、読者へ暗に伝えているのかもしれません。
(島本有紀子)

「ar」セクシー特集で、内田理央が「紐パン×ウサギの被り物」……女子向けエロが迷走!?

 12月号の「ar」(主婦と生活社)は、半期に一度のペースでやってくるセクシー特集。表紙から、女優でモデルの内田理央が裸一貫で毛布を抱えている(ように見える)ショットで攻めていますが、やりすぎ感やお下品さはなく、“女子も萌えるセクシー“のさじ加減が絶妙です。中身もこのバランスを保っているのか……!? 早速見ていきましょう。

<トピックス>
◎天下無敵のゆるエロ感 だーりおのSEXYメソッド!!!!
◎セクシーになるためのいろは48のこと
◎アソコでゆらり…が色気の発信地 セクシーバングの新法則

女子向け「ゆるエロ」のさじ加減

 「ar」では今回が初の表紙だった内田理央。巻頭では「天下無敵のゆるエロ感 だーりおのSEXYメソッド!!!!」と題した特集が組まれています。

 そこで見られるのは、ペロペロキャンディーを舐めながらピンクの毛糸のブルマで寝そべる内田理央、ニット地のボディスーツで体育座りをする内田理央、下半身紐パン+上半身スウェット+頭にウサギの被り物でバスケットボールを持つ内田理央……。タイトル通りゆるい、でも確かにエロい写真たち。どこまでが女子向けのエロで、どこからがそうではなくなるのか、見れば見るほどわからなくなってきます。

 インタビューで「女の子が可愛い!って思えるセクシーを追求していきたい」と語っている彼女ですが、女性ウケするエロと男性ウケするエロはまったく別物ではないのだろうし、「ar」編集部的にも、男性にも購入してもらえるのなら売り上げが伸びて御の字だろうし……。などと考えた結果、エロを掲げる商売というのは奥深いものだなぁという浅い感想に行き着きました。

 つい先ほど「エロを掲げる商売は奥深い」という浅い感想を書いたばかりですが、次に見て行く企画「セクシーになるためのいろは48のこと」の冒頭に、こんな文言が。

「“セクシー”って(中略)性的アピールだけじゃなくって、もっと奥深いもの」

 やはり女子向けのエロは、「奥深い」という便利な言葉で、かわされがちであるようです。今回の企画は、その「奥深さ」を、「い」……色気、「ろ」……露出、というふうに、「いろは」48音を頭文字にとるキーワードで紐解くというもの。1つのキーワードごとに4~6行ほどの「セクシーになるための」解説が付いている構成なのですが、こちらも読めば読むほど、エロの迷宮に迷い込みます。

 例えば「ゐ」は「いい女」で、解説文には「柔らかさ、おっぱい、曲線、スカート、メイク、ロングヘア…男性にはないものを磨けば、それだけでセクシーは成立」とあります。そのほか、「お」は「おっぱい」で、「初対面の男性が『顔の次に見る部分』とも言われるおっぱい」。「ふ」は「フェチ」で、「脚やお尻が強調されていれば、見ない男はいない」。「せ」は「扇情」で、「例えば、大胆な肌見せ服とか。見せるからには、肌荒れやムダ毛は禁物」……。

 以上、抜粋ですが、それにしても奥深さ、皆無! むしろ「セクシー=単純」と読めてきます。「を」については「男」で、「『男ウケ主義』上等! だって、彼が喜んでくれたら私だってハッピー」と書いてあって、これも、自分ウケと男ウケの狭間で揺れ動き、結果ブレブレなっちゃう“「ar」あるある”の1つであると気が付きました。

「アソコでゆらり」するモノの正体

 最後に見るのは「アソコでゆらり…が色気の発信地 セクシーバングの新法則」。前髪の毛先を目元、鼻、口元のどれかで揺らすと色っぽさが際立つとのことで、そういったヘアスタイルを紹介するページなのですが、そこに「アソコでゆらり…」なんていう狙いすぎな言葉を持って来るセンス、しびれます。

 日常生活の邪魔しかならないであろう”目元でゆらり”の前髪も、「うっとうしい前髪を無意識に直すしぐさもセクシーに見えます」(美容師談)だそう。そういえば「セクシーになるためのいろは48のこと」でも、「ゆ」は「揺れる」で「目の前に獲物が現れたら狙いたくなるのが男ゴコロ。(中略)揺れアイテムで揺さぶってみて」と書かれていました。もはや「男性=獣」という扱いです。

 今号の「ar」は、男性はこれほど単純なのだと訴えることで、女子向けエロの奥深さを強調するとともに、男ウケと自分ウケのバランスを取りましょうと、読者へ暗に伝えているのかもしれません。
(島本有紀子)

「ar」の読モは「ニセうぶ毛」を仕込む!?  20代に「赤ちゃんレベルの若返り」を求める衝撃

 「ar」(主婦と生活社)11月号は、「好きバレ顔で恋愛成就!」と題したビューティ特集号。「好きバレ(ハート)メイク」「令和のモテ眉」「恋落ちリップ」などのモテメイク企画から、「I am恋(ハート)ストライカー」「天下無敵のベーグル女子になる!」「曖昧Meなレングスが気になっちゃって…」などタイトルだけでは何のこっちゃなハイテンション企画まで目白押しです。

 「ar」を読んだ後は毎回、そのノリに染まってしまい、アルコールを摂取したかのようなぼーっとした感覚になるのですが、今月号はそこを引き締めるスパイスとなるページも。夢を見せるだけじゃない今月号の中身、早速見ていきましょう!

<トピックス>
◎今より可愛くなる方法
◎「あの人にいざ、会いに行きます(ハート)」松尾スズキ
◎連載コミック『ショジョ恋。』

心の余裕は、鼻のワキに出る

 最初に取り上げる「今より可愛くなる方法」は、「女子にとって“可愛い”は永遠のテーマ。だけど常にタイム・イズ・マネー」という、激しく共感する一文から始まるビューティ企画。「ナチュラルなのにデカ目になれるアイメイク」や「即色っぽな微熱チーク」など、魔法のようなメイクを中心に紹介しています。

 中でも気になったのは「人生うまくいってます感漂うゴキゲン肌のつくり方」。それによれば「焦り感ゼロ、心の余裕を醸し出しているオンナ」たちには、「鼻のてっぺんじゃなくて、そのワキにトゥルンってツヤという名の“光”が感じられる」とか。眉頭の上、目頭、鼻先の横、あご先の計7か所に「トゥルンってツヤ」を塗るとよいと説かれています。

 人生うまくいってます感が漂う人間の、鼻のワキまで凝視したことなど、これまで生きてきて一度もなかった。そこからして、美を追求する者としての素質が足りないのだ……と考えさせられました。これからは素敵な人を見かけたら、まず鼻のワキを見てみます。

 さらに「今すぐ可愛くなれる! 裏技つぶやき」というコーナーでは、読者モデルやスタッフからの裏技を紹介。あるライターは「『可愛い』の代表格」として赤ちゃんを挙げ、「大人になっても可愛い人って、赤ちゃんと一緒で、表情が豊かでピュア」と語っています。また別の読者モデルも「赤ちゃんみたいなピュアさに憧れて、前髪の下にあえてうすーく短い『ニセうぶ毛』を仕込んでもらってます!」とのこと。

 対象年齢が上の女性誌ではよく「若返り術」が特集されたりしますが、20代前半~半ばが対象と思われる「ar」では、赤ちゃんレベルまでの若返りを求めるのか! と衝撃です。

 連載マンガも掲載されている同誌。前作の『完パコLOVE』が終了し、9月号からは新マンガ『ショジョ恋。』が始まっています。『完パコLOVE』は雑誌編集者が主人公で、なんとなく同誌に連載されている意味があるように思いましたが、今回の『ショジョ恋。』は、処女のしょう子が主人公。しょう子は「美人で仕事もでき、誰からも憧れられる」存在だが、「処女コンプレックスを抱える26歳、大手飲料メーカー勤務」という、ほぼファンタジーな設定です。

 そして今回の第3話。しょう子は「恋活シェアハウス」プロジェクトに応募し、男女3人ずつのクセ者たちで共同生活をスタートすることに。設定は、まんま『テラスハウス』(NetFlix)。

 リアルだからウケている『テラハ』がマンガになって、どう転ぶのだろう……という心配はありつつ、ほぼファンタジー設定な主人公が、これからどう進化していくのか楽しみです。

魔法を解く松尾スズキ

 話題のイケメンが登場するインタビューページ「あの人にいざ、会いに行きます(ハート)」。今回は野村周平、須藤蓮、佐野勇斗という若手俳優に混じり、松尾スズキも登場していました。一気にしぶい誌面になっています。さらに、「読者に人生のアドバイスをください!」との問いかけに、松尾は「(arに)“恋の魔法にかかっとく”ってキャッチフレーズが書いてありますけど、恋の魔法がとけて現実と向き合う瞬間が結婚ですよ」と回答していました。

 「ar」は恋の魔法、メイクの魔法、季節感の魔法、言葉の魔法……など、あらゆる魔法で女子をぽわ~っといい気持ちにさせる雑誌ですが、そこから一気に現実へと引きずり降ろす、重みある大人の一言。松尾の鋭い目線と併せて、インパクトがあります。ぜひ夢にあふれた新連載『ショジョ恋。』を読んだ感想も聞いてみたい。

 赤ちゃんの可愛さを目指して「ニセうぶ毛」にまで手を出す夢見がちな「ar」読者が、このページを読み飛ばさないことを祈ります。
(島本有紀子)

「ar」吉岡里帆が「モテたことってない」と謙遜に励む! インタビューにほどばしる野心

 「ar」(主婦と生活社)10月号は、「大好きな服で可愛くなる(ハート) ワタシ得の秋!」と題したファッション特集号です。表紙を飾っているのは「ar」でも活躍中の人気モデル・宮田聡子……かと思いきや、よく見ると女優の吉岡里帆でした。この写真では似すぎていて、見分けがつきません。

 そんな吉岡は、ツインのおだんごヘアにモヘアのニットとショーパン、そしてなぜかニットの裾を自分でめくり上げておなかをチラ見せという出で立ち。これを「あざとい」と言わずして何と言おうか。表紙だけでもかなり胸やけ感のある今月号の中身、早速見ていきましょう!

<トピックス>
◎吉岡里帆になりたすぎる!
◎Yes!! 雌ガールはモテ服しか着ません宣言!!
◎NO NATTO,NO LIFE 納豆のない人生なんて!

読者が試される吉岡里帆のモテ談義

 まず見ていくのは、表紙を飾った女優・吉岡里帆の、8ページにわたる巻頭インタビュー「吉岡里帆になりたすぎる!」です。編集部によれば、「怒涛の可愛さにつき窒息注意(ハート)(ハート)(ハート)」「誰をもトリコにする、天才級の可愛さ」だという吉岡。

 ですが、本人はそういう声に対し、“さりげな~い謙遜”をしてみせたいようで(この辺りも、あざといと言われる一因と思われます)、その可愛さの秘訣を問うページでは、「お昼寝ってホント最高ですよね(ハート)」「スキンケアでこだわるのは、やっぱり洗顔」と、ほぼ全人類が思っているだろうことを語り、「色の白さはビタミンCのおかげ」とビタミンに感謝してみせます。

 最も衝撃だったのは、「モテ期!? そんなの来たことない!!」との言葉。「私、そんなに華やかにモテたことって本当にないんですよー! まだ“モテ期”が来ていないので、これから来るのかなって期待してます(笑)」。

 ここまで読んで、逆に彼女は、とてつもなく高い理想と強い野心を秘めている女性なのでは? とも読めてきます。モテないわけがないので、その謙遜の裏に、本人の「この程度ではモテ期ではない。私はもっとモテるはず」という野心が垣間見えるのです。

 さらに、その「モテたことがないアピール」に続けて、「そういえば、高校の卒業式の日に、年下の女の子から告白の手紙をもらったことがあるんです。その手紙は捨てられずに、今も持ってますね」と女子モテをアピールする抜け目なさ。というか、それをモテ期と言わず何と言うのか!? と思ってしまうのですが。

 吉岡里帆のような女性を可愛いと認められる素直な人間になりたいものだ……と、自分の心の黒さを試されるインタビュー記事でした。

 続いては、ファッション企画の「Yes!! 雌ガールはモテ服しか着ません宣言!!」。ここでは、同誌なりの「モテ服」をあらためて定義しています。それがこちら。

「自分のテンションを上げるためでも、好きな人に可愛いって思わせるためでも、意志を持って着たら、それは『モテ服』だとarは考えます」

 この柔軟さには、素直に感動することができました。3カ月前の号で、男性50人にアンケート調査を行い、「見せるより隠して」「スカートはくならロンスカ」「大きなバッグはムードがない」との“男ウケ”意見を掲載した反動の‟自分ウケ”、つまり特集タイトルにあるところの“ワタシ得”でしょうか。

 ここで「モテ服」として紹介されていたのは、「ベージュを世界一エロく着る」オフショルニット、「オンナは背中で語れ」な背中開きニット、「ぷりっとタイト」なワンピ、「おきゃわなミニ」ワンピなどなど。露出が激しすぎやしないか? と老婆心が顔をのぞかせるものの、自分を盛り上げる“ワタシ得”なテンションは気持ちいい。真似するには勇気がいりそうなコーデばかりですが、この路線は貫いていってほしいです。

 最後は、突如現れる納豆大特集「NO NATTO,NO LIFE 納豆のない人生なんて!」です。7ページにわたり、37人の納豆ラバーが、お気に入りの納豆や、おいしいアレンジメニューを紹介していて、かなりの熱量を感じます。

 「アレンジメニュー」と格好よく言えども納豆なので、挙げられているのは、豆腐にのせる、トーストにのせる、焼きそばにのせる、うどんにのせる、フォーにのせる、パスタにのせる、オムレツにのせるなどで、意外なものはありません。

 紹介している本人が撮ったのであろうお気に入り納豆、アレンジメニューの写真も、生活感あふれる写真が多く、昨今の「映え」ブームとは一線を画しています。誌面いっぱいにあふれる納豆写真を見ていると、これが「ar」であることを忘れます。

 また、納豆アイテムも紹介も。一番気になったのは、「ベストな混ざり具合に仕上がる納豆撹拌マシン」という「究極のNTO」(¥3,024/タカラトミーアーツ)でした。食べ終えた後にマシーンを分解し、ネバネバを洗うという手間を考えても、このアイテムをこのお値段で買いたいという猛者こそが、真の納豆ラバーなのでしょう。

 ちなみに、納豆ラバーアンケートによると、好きな納豆第1位は「おかめ納豆 極小粒」、2位は「金のつぶ たまご醤油たれ」、3位は「伊勢志摩あおさのりたれ 極小粒納豆」だそう。ご参考にどうぞ。
(島本有紀子)

YouTuberリョウからプロポーズ! 「ar」着回し企画の“妄想ストーリー”はツッコミどころ満載

 甲子園も終わり、夏のピークは去ったと思しき今日この頃。しかし、ここ4カ月ほど夏に浮かれた企画が続いている「ar」(主婦と生活社)は、8月中旬発売の9月号でもまだ夏をあきらめていません。

 メイク企画「ニッポンを明るく照らすよ ぽかぽかキラキラおひさま顔」では、「まだまだ夏は真っ盛り! おひさまみたいにハッピーな顔になって、蒸し暑さを吹き飛ばそー!」と呼び掛けていますし、俳優のインタビューページのタイトルは「二人の季節は今日始まった… 神尾風珠と鈴木康介の終わらない夏」です。同誌の夏好きにちょっと引きつつ、早速、中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎モテる服だけで着回した 夢みたいにモテまくる2week
◎その美しさにお悶絶 あなたの隣のRAMPAGE BOYS
◎自分、マジでイイ女 説 “酔えるメイク”で恋の戦闘能力を上げる!

着回し企画にYouTuberの彼登場

 最初に見ていくのは、着回し企画「モテる服だけで着回した 夢みたいにモテまくる2week」。このストーリーがぶっ飛んでいます。主人公はPR会社で働く聡子、28歳(モデルは宮田聡子)。クローゼットをモテ服に総入れ替えしたら、どこに行ってもモテまくる! という内容なのですが、そのモテっぷりはまさに夢のよう。

 バーに入れば「あちらのお客様に」と次々ドリンクが届き、インスタにOOTD(outfit of the day=今日の服装)をアップすれば「いいね!」77,777件とバズり、カフェに行けばパフェが勝手に大盛サービスされ、コーヒーのテイクアウトすれば店員のLINE IDをカップに書かれ、飲み会では男性に取り合いをされ、花屋に寄れば男性店員から深紅のバラを1本贈られます。

 極めつけは、聡子が元から大ファンだった人気YouTuber・リョウとの出会いです。簡単にその概要をまとめます。
 
8月13日 街で生配信中のリョウを見かけ「大ファンなんだよね」とウットリ
8月19日 早速リョウを起用したイベントを企画し、リョウと初対面
8月20日 リョウからインスタに「これからもよろしく」とDMが届く
8月21日 リョウを含めて飲み会
8月22日 リョウの忘れ物(YouTube配信用の三脚)を届けるため2人で会う
8月25日 デートで指輪を渡され、「結婚を前提に付き合って」と言われる
 
 ……出会いからわずか1週間でプロポーズされるという、怒涛の展開でした。もしかしてリョウは、「職権乱用&公私混同で近付いてきた業界人キドリ女子を1週間で落として見た!」という動画のネタとして聡子に近づいてきたのでは……と疑わずにはいられません。きっとプロポーズ中も、どこかで隠しカメラが回されているはず。聡子の身が心配です。

 服に目がいかないくらいストーリーが濃いのは、ファッション誌としては成功なのかわかりませんが、これからも「ar」には、こんなふうに、たくさんの妄想が膨らむ“夢”を見せてもらいたいです。

 次に気になったのは、EXLE系列の若手16人組ダンス&ボーカルグループ「THE RAMPAGE from EXILE TRIBE」のメンバー、川村壱馬と吉野北人(ともに22歳)のインタビュー「その美しさにお悶絶 あなたの隣のRAMPAGE BOYS」です。7ページが費やされているのですが、EXILE界の単語が多く、あまり理解できた気がしません。「BATTLE OF TOKYO」「Jr.EXILE」「FANTASTICS」「HiGH&LOW」「WORST」「WELCOME 2 PARADISE」「ベクトルは変わらない ブレないOnlyone(註:これは歌詞だそうです)」等、EXILE界の住人でなければなかなか接することのない単語が、詳しい説明なしにぽんぽんと出てきます。

 最も興味を惹かれたのは、ボーカルである川村の「前日飲みすぎても、思い込まなければ歌える」というお言葉。川村いわく、「歌について、普段から気をつけていることは特にないですね。思い込んだ瞬間にそうなる、ってことあるじゃないですか。例えば、雨の日に濡れたら風邪ひくよとか。(中略)自分が思わなかったらならない。たとえ前日飲みすぎたって、酒焼けにならないと思えば、ステージに立った瞬間に全然歌えます!」とのこと。

 「それ、若いうちだけだから気を付けなよ」と心の中で助言しつつ、“何事も気持ち次第! うまく行かないのは気持ちの問題!”という姿勢は、まさに体育会系ブラック企業の考え方だなと震えました。

 読む人によっては「プロ意識に欠けている」と思われる可能性の高い、この発言。掲載OKにするとは、さすが居酒屋のレモンサワーを飲みつくした(といううわさのある)EXILE集団です。しかし、そんだけ自信あるなら、この人の歌、聞いてみようかな……という気にもさせられました。

 最後に見るのはメイクのページ「自分、マジでイイ女 説 “酔えるメイク”で恋の戦闘能力を上げる!」。森絵梨佳がモデルを務めるメインのメイク企画といえば、「おフェロメイク(=イガリメイク)」の創始者であるイガリシノブ氏がヘアメイクを担当するのが、ここ数年の「ar」のお決まりだったはず。ですが最近、イガリ氏が登場しないのが気になっています。今号のこの企画も、ヘアメイク担当は中山友恵氏。ほかの企画にも、イガリ氏の名前はありません。

 今回の「酔えるメイク」も、「自分、マジでいい女 説」「柔らかさ1000%の粘膜ピンク」「女は全員指がキレイ。自分もうっとりできるネイルを。」と、ちょいちょいイガリっぽいワードを取り入れつつも、全部惜しい感じです。これは編集部、中山氏どちらが考えているのでしょう。イガリ氏独特の言葉遣いやネーミングのファンだった身としては、とても物足りなさと寂しさを感じます。来月号ではイガリメイクを拝めることを期待したいと思います。
(島本有紀子)

「ar」飯豊まりえとの「同棲妄想」企画……彼氏目線のコメントが、いちいちエモくて寒いワケ

 先々月号から夏に浮かれ続けている「ar」(主婦と生活社)。8月号はデート特集号ということで、恋する乙女の盲目モードが加わって、さらに浮かれっぷりに拍車がかかっています。日本で一番夏を楽しみにしているのは「ar」なのではないか、と微笑ましく思えるほどです。早速、ハッピーな中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎ar的サロンへようこそ デート前に絶対可愛くなれる7days
◎好きだから可愛くなれる 彼と彼女のデート髪
◎飯豊まりえと過ごす夏の日(ハート) 可愛いキミのカメラロール

自称・意識高い系のつまらなさ

 デートまでの7日間で、可愛くなる方法を伝授してくれる企画「ar的サロンへようこそ デート前に絶対可愛くなれる7days」。その内容は、デート6日前には当日のファッションを決め、5日前には体のあらゆるところを保湿し、4日前には会話術を学び、3日前には趣味の話を盛り上げるコツを考え、2日前には次のデートに誘う飲食店をリサーチし……と、尋常ではない気合の入りようが伝わってくるハードスケジュールです。

 中でも最も気になったのは、「テッパン趣味話を盛り上げるコツを知る」ために、「ar男子」なる人物たちにアンケートを取ったという、「女性に言われたらうれしいセリフ集」でした。

 サッカー好きのペンネーム・川崎フロンターレ命さん(27歳)は、「Jリーグ見に行ってみたいんだよね」と言われたいと回答。理由は「W杯や代表戦ではなく、Jリーグのことを話題にしてくれると、ミーハーではなく本気で興味あるのかなって」。まるでJリーグ関係者ヅラです。そんな本気の興味を求められるなんて、川崎フロンターレ命さんの彼女候補は狭き門なのでは。

 また、仕事好きのペンネーム・意識高いって言わないでさん(30歳)は、「仕事内容についてもっと教えて!」と言われたいそう。「芸能人のゴシップやドラマの話をダラダラされるより、建設的な話ができるほうがまた会いたいって思う」とのこと。芸能ゴシップやドラマの話は建設的ではないという、視野の狭さ。めちゃくちゃ話がつまらなそう、かつ仕事もできなさそうです。

 「ar男子」は一体どこから集めてきているのか、気になるところです。このような、つまらない男たちに「ar」読者が引っ掛からないことを祈ります。

 次に見ていく「好きだから可愛くなれる 彼と彼女のデート髪」は、男性美容師がヘアメイクを担当した読者モデルとデートしている体の写真が並んでいます。美男美女のデート風景を、11パターンも見せつけられるのです。

 デートコースは「公園」「映画」「下町」「ガード下」など身近な場所ばかり。ですが、美容師も読モも、読者が怖気づきそうなほどシャレオツなヘアとファッションなので、なんとなく様になります。それぞれに添えられたキャッチフレーズも素敵です。

「君のウエーブを風が揺らすたび“好き”の気持ちが積もるんだ…」
「ほつれウエーブに夏の光が踊る、僕だけのマドンナ」
「エアリーウエーブが夏の恋を七色に輝かせる」

 “好き”が積もったり、夏の光が踊ったり、夏の恋が七色に輝いたりと、ウエーブが大忙しです。しかし、一般人&一般人のやらせデート風景を見せるって、一体、誰得な企画なのだろう……という疑念も最後まで拭えない企画でした。

これぞ新ジャンル「エモ寒い」

 最後に見ていくのは、飯豊まりえと同棲している彼氏の目線で1日を中継する企画「飯豊まりえと過ごす夏の日(ハート) 可愛いキミのカメラロール」です。注目は、彼氏目線のコメント文。これがものすごくエモ寒く(エモくて、しかし同時にサムい)、味わいたっぷりです。

 例えば、起き抜けの姿の描写は「二の腕がふわっと見えておりまして。さらにそこに、朝陽がサーっと差し込んでおりまして、ええ、わかりますか? これを幸せと呼びます」。ええ、よくわかりません、すみません。

 またメイク中の様子は、「僕は彼女に『ねえほんと、美しいおでこランキング世界1位じゃん』とか雑に口説いて、彼女がうるさいって僕のことを軽く蹴っ飛ばしてきて、ああホント毎日この展開がいいなって」。……「て」で文章をつなげていく感じ、やっぱりエモ寒いなって。

 さらにアイスを食べるカットには、「もしかして彼女、夏の権化なんじゃないかって思うくらい似合ってるから好きという惚気です」と書かれています。ニュアンスはすごく伝わってくるものの、本来の日本語としては崩壊しているこういった文章は、短文で表現するSNS世代特有の文体なのだなあと、日本語の進化を見せつけられました。

 しかし、透明感あふれる飯豊まりえには、このような軽薄そうな口調の男に騙されず、堅実な恋愛をしてほしい、という老婆心も芽生えました。暑い夏に、清涼剤としてのこのエモ寒さ、みなさんもいかがでしょうか。
(島本有紀子)

「ar」SEXY特集が迷走! 「自分ウケ」と「男ウケ」で揺れる女子に、坂口健太郎が救いの一言

 「ar」(主婦と生活社)の7月号はSEXY特集号。先月号でもすでに、「夏のヒロイン」「夏の主人公」などの言葉を多用して夏に浮かれていた「ar」ですが、今月も引き続き、TUBEの歌詞に負けない勢いで夏に向けて盛り上がっています。

 坂口健太郎が登場するインタビューページのタイトルも、「アツいのは夏のせい? 全部、坂口健太郎のせいだ。」です。この妙なテンションの責任を全て坂口に押し付けるとは、彼も荷が重いとは思いますが、早速中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎胸ギュン情熱女Forever
◎命中SEXYしか欲しくない!
◎この夏、私はカジュエロで生きる!

イガリシノブ不在の夏

 「ラブな最強パワーをとことん見せつける、超楽しい2019年の夏はもうすぐそこ(ハート)!」というご機嫌な一文から始まるメイク企画。タイトルは、「彼を焦がしちゃお(ハート)胸ギュン情熱女Forever」です。

 「胸ギュン情熱女」というワードセンス的に、「おフェロメイク」で人気のヘアメイク・イガリシノブ氏によるページかと思っていたのですが、今回のヘアメイク担当は中山友恵さんという方でした。そうわかってから読み進めると確かに、メイクのネーミング(「ジリジリ女」「ムンムン女」「秘め肌」等)は、イガリシノブ氏よりパンチが弱い。

 先月号のイガリメイク(「陽気な肌ベイべ!」「あふれちゃう実っちゃう DAKUDAKU娘」「ナツ恋必勝祈願【閲覧!推奨】顔からボンキュッボン!! arマル秘SUMMER NUDE顔」等)と比べたら、かなり寂しいネーミングです。名付けているのが本人か編集者かわかりませんが、ハイテンションなイガリ節に慣れた身としては、物足りません。

 メイクそのものも、イガリメイクよりナチュラルで、モデルの森絵梨佳の素材そのものが生きた仕上がりになっています。なんだか一気に、イガリシノブ氏のことが恋しくなってきました。知らぬ間に、すっかりイガリファンになっていたことに気づかされます。

 続いては、総勢50名の男性に「色気を感じる服」をアンケート調査したというファッション企画「命中SEXYしか欲しくない!」。初対面で落とす「初対面SEXY」、付き合う前のデートで落とす「デートSEXY」、男友達を落とす「昇格SEXY」、マンネリ打破の「惚れなおしSEXY」の、それぞれのコーデが紹介されています。

 例えば、「『オンナを武器にしてます』的な、あからさまな肌見せは苦手、との声多数」とのアンケート結果を分析し、「見せるより隠してほしい。“その先”を感じたい。そこにストーリーがあるから。(31歳・出版)」という、なんだかスカした男性の謎意見を取り上げ、3つのコーディネートを紹介しているのですが、袖ありの服は1着のみで、ほか2着はがっつりノースリーブで肌見せしています。「これくらい、ただのファッションなんだわ。勘違いして武器呼ばわりすんなや。勝手にストーリー感じんなや」と男どもに釘を刺す、「ar」の心意気と受け取りました。

 その他、「スカートはくならロンスカ」「がさっと大きなバッグはムードがない」「スニーカーはローテクデザインで女子力は死守」等、それぞれの男性による勝手な理想を反映したアドバイスが散りばめられていました。“ハイテクスニーカー=女子力低い”説は、「#KuToo論争」にも通じてきそうです。夏はSEXYにハジけたい「ar」読者と男性陣の距離を感じる内容でした。

一部、坂口健太郎のせいだ

 続いてのファッション企画「この夏、私はカジュエロで生きる!」。「デニムをエロく」「ワークパンツをエロく」「ショートパンツをエロく」「シャツをエロく」「ボタニカルをエロく」「ボーダーをエロく」「アニマルをエロく」……と、とにかくあらゆるカジュアルなアイテムをエロく着こなす術を教えてくれています。

 「スウェットをエロく」では、赤いダボダボの長袖スウェットに太もも丈のレギンス(というより昔ながらのスパッツ)を合わせたコーデに「燃えるような赤にそぐわない華奢さ。そのアンバランスが男心に刺さる」との説明が。「Tシャツをエロく」では、グラフィックTシャツにロンスカというフツーなコーデを紹介し、「スニーカーをおともに散歩にいこー」とのコメントが書かれています。読み進めるほどに、エロとは何なのか、どんどんわからなくなる仕様になっています。

 今月号は夏に浮かれつつも、「男性ウケ」を意識して「カジュアルなエロ」を求め、その結果何がSEXYで何がエロなのか、よくわからなくなってしまった印象です。

 最後は結局、坂口のインタビューに救われます。「女性の“あざとい”って、きっと好きな相手によく見られたいと考えているわけで(中略)。そういう気持ちって可愛いなと思います」。

 自分の好きなファッションを自由に楽しみたいのに異性ウケも気にして、今月号の「ar」のように迷走してしまうこと、「ar」読者世代には結構あると思います。そういう時って、「ファッションが好きなのに異性ウケなんて気にしちゃってる自分」が恥ずかしくて、すごく嫌になる瞬間も……。そんな時に「好きな相手によく見られたいと考えている、そういう気持ちって可愛い」と肯定してもらえると、肩の力が抜けて楽になれるのではという気がします。

 坂口の「そういう気持ちって可愛い」という言葉で、夏のファッションを楽しめる女子がまた増えたのかも。そう考えれば、夏がアツいのは、「(全部とは言わないまでも)坂口健太郎のせい」とも言えるかもしれません。
(島本有紀子)