「ar」(主婦と生活社)12月号が発売になりました。年末とあって特集は「Love Cosmetics 2020 可愛いもの好きに捧げるときめくコスメ大賞」です。ほかの美容雑誌でもベストコスメが発表される季節ですが、一線を画したい様子の「ar」。
「ザ・ベスコス! ってな感じのランキングは美容誌を参考にしてもらうことにして。アールがお届けしたいのは、可愛いものが大好きな女の子のためだけの、ときめくベストコスメ」と書かれており、ほかの美容誌とは違うんだから! といった自負が感じられます。一体どう違うのか!? さっそく中身を見てきましょう。
<トピックス>
◎I Need 透明感
◎HMがモデル撮影で偏愛しているベスコスランキング…でメイクしてみた(ハート)
◎シオリとサトコのラブ充着回し14days
結局、田中みな実か……
ベスコス特集冒頭を飾るのは、今年、写真集のヒットなどでブレークした田中みな実です。みな実は、今年の美容界を象徴する存在ということなのかもしれません。
マフラーのようなものに包まれるみな実、バスタオルに巻かれるみな実、ワンショルトップスで”考える人“ポーズをとるみな実、ゆるい上着が肩からずり落ちちゃっているみな実――といったグラビアに、「み~んなのみな実 身体検査」や「ホントのみな実HAIR」といったインタビューが続きます。
さすがは“みんなのみな実”、彼女は「MAQUIA」(集英社)「VOCE」(講談社)「美的」(小学館)といった主要美容誌のベスコス特集号全てに登場しています。「ほかの美容誌とは違うんだから!」と主張しているように見える「ar」ですが、結局みな実なのか……という感は拭えません。
インタビューでは、美肌を追求する理由について「私はメイクさんのキャンバス。いかなる時も、まっさらで美しく、描きやすい状態を維持していたい」と語っている彼女。ほかの発言からも、相手の求めるキャンバスになろうとする“キャンバス体質”が感じられます。
「強すぎる女は疎まれる」ので「主張をする時は、努めて柔らかに丁寧に」とアドバイスしたり、「『恥ずかしいわね』『常識のない人ね』(と言われる)そんな女にならないため」に「日頃から丁寧な生き方を心がけたい」と話していたりと、常に“誰かが求めるみな実”でありたい様子がうかがえます。「人」という単語を使ってもいいところを、わざわざ「女」と言うのも、こだわりなのでしょうか。
常に相手のニーズを予測し、女を意識する。疲弊しそうな生き方にも見えますが、これが美容誌にひっぱりダコになる秘訣なのでしょうか。来年もどうか心身ともに健康で、みんなのみな実であり続けてほしいです。
「アールがお届けしたいのは、可愛いものが大好きな女の子のためだけの、ときめくベストコスメ」と独自路線を強調している同誌ですが、具体的にはどこが違うのか。主要な美容誌3誌と比較をしてみることにしました(3誌は下半期のランキング、「ar」は年間ランキング)。
まず「MAQUIA」は、審査員64名の合計点で決定するスタイル。スキンケア部門は、モニターのビフォー・アフター写真が掲載され、毛穴減少率などが数字で明らかにされているのが特徴。ベスト・オブ・ベスト大賞は美容液の「ファンケル コアエフェクター」でした。
「VOCE」は「信頼度No.1!」「忖度なし! 妥協なし!」「広告との関係は一切なし!」と謳っており、審査員61名の合計点で決定。どの選者が何点を点けたかまでわかるのが特徴で、カラーコスメは塗り比べ写真付き。スキンケア部門最優秀賞は化粧水部門1位「B.A B.Aローション」、メイク部門の最優秀賞は「シャネル レ キャトル オンブル」でした。
「美的」は“美の賢者”60名の投票で、得票数が公開されています。プチプラコスメのランキングも充実しているのが特徴で、総合1位は「B.A B.Aローション」でした。
このように、3誌とも60名以上の専門家が評価し、それぞれに独自路線を目指しているようです。
では「ar」が言う「ときめくベストコスメ」とは何なのか? 「HMがモデル撮影で偏愛しているベスコスランキング…でメイクしてみた(ハート)」では、2020年の同誌該当企画内でヘアメイクが使用したコスメをカウント。使用回数が多いものを「ベスコス」としたとのことで、1位は「カネボウ N-ルージュ」でした。
また同じベスコス特集内には、フォロワー10万人超のインスタグラマー、YouTuberら計13名による「本当は教えたくないバズコスメ」や、指原莉乃らによる「推しコスアワード」などのページも。“インスタグラマー”という単語からどうしてもステマ臭を感じてしまうのはもちろん、指原は自身が「クイックルワイパー」や「リーゼ」のCMに起用されている企業「花王」の「ビオレ メイクの上からリフレッシュシート」を一番に紹介しており、やはり宣伝臭が。
「ときめくベストコスメ」とは、「たくさん使われたコスメ」、「フォロワーが多い人や人気タレントがさまざまな事情から勧めるコスメ」という意味合いのよう。片付けコンサルタント・近藤麻理恵氏のベストセラー本『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)でも使われているように、「ときめき」とは抽象的で、なんとも便利な言葉であると感じました。
最後に見ていくのは着回し企画「シオリとサトコのラブ充着回し14days」。佐藤栞里と宮田聡子が「恋愛コラムニスト・ユニット」という設定で、2週間の着回しを披露しています。
コラムを書くために恋愛に精を出すというストーリー。最初はコロナ禍という時節柄、マッチングアプリでイケメンと出会ってZOOMデートしたり、インスタで過去の片思い相手にDMしたりと「ニューノーマルな出会い」がテーマとされていたはずが、2人は徐々に外へ。
合コンセッティングアプリで合コンに参加し、飲み友男子と再会して飲み、また別の飲み会で代理店勤務の男子と出会い、デートスポット研究に出かけ、街中でカップルを観察。最後はそれぞれ本命とデートしてうまくいき、恋愛コラムの書籍化も決定! という大ハッピーエンディングを迎えます。
きっとこの着回しストーリー上では、コロナも収まってきたということなのでしょう。この夢のような、素晴らしい未来が実際に訪れることを期待したいです。