「結局、田中みな実」「指原莉乃の宣伝臭」……「ar」ときめくコスメは、有名美容誌ベスコス企画と何が違う?

 「ar」(主婦と生活社)12月号が発売になりました。年末とあって特集は「Love Cosmetics 2020 可愛いもの好きに捧げるときめくコスメ大賞」です。ほかの美容雑誌でもベストコスメが発表される季節ですが、一線を画したい様子の「ar」。

 「ザ・ベスコス! ってな感じのランキングは美容誌を参考にしてもらうことにして。アールがお届けしたいのは、可愛いものが大好きな女の子のためだけの、ときめくベストコスメ」と書かれており、ほかの美容誌とは違うんだから! といった自負が感じられます。一体どう違うのか!? さっそく中身を見てきましょう。

<トピックス>
◎I Need 透明感
◎HMがモデル撮影で偏愛しているベスコスランキング…でメイクしてみた(ハート)
◎シオリとサトコのラブ充着回し14days

結局、田中みな実か……

 ベスコス特集冒頭を飾るのは、今年、写真集のヒットなどでブレークした田中みな実です。みな実は、今年の美容界を象徴する存在ということなのかもしれません。

 マフラーのようなものに包まれるみな実、バスタオルに巻かれるみな実、ワンショルトップスで”考える人“ポーズをとるみな実、ゆるい上着が肩からずり落ちちゃっているみな実――といったグラビアに、「み~んなのみな実 身体検査」や「ホントのみな実HAIR」といったインタビューが続きます。

 さすがは“みんなのみな実”、彼女は「MAQUIA」(集英社)「VOCE」(講談社)「美的」(小学館)といった主要美容誌のベスコス特集号全てに登場しています。「ほかの美容誌とは違うんだから!」と主張しているように見える「ar」ですが、結局みな実なのか……という感は拭えません。

 インタビューでは、美肌を追求する理由について「私はメイクさんのキャンバス。いかなる時も、まっさらで美しく、描きやすい状態を維持していたい」と語っている彼女。ほかの発言からも、相手の求めるキャンバスになろうとする“キャンバス体質”が感じられます。

 「強すぎる女は疎まれる」ので「主張をする時は、努めて柔らかに丁寧に」とアドバイスしたり、「『恥ずかしいわね』『常識のない人ね』(と言われる)そんな女にならないため」に「日頃から丁寧な生き方を心がけたい」と話していたりと、常に“誰かが求めるみな実”でありたい様子がうかがえます。「人」という単語を使ってもいいところを、わざわざ「女」と言うのも、こだわりなのでしょうか。

 常に相手のニーズを予測し、女を意識する。疲弊しそうな生き方にも見えますが、これが美容誌にひっぱりダコになる秘訣なのでしょうか。来年もどうか心身ともに健康で、みんなのみな実であり続けてほしいです。

 「アールがお届けしたいのは、可愛いものが大好きな女の子のためだけの、ときめくベストコスメ」と独自路線を強調している同誌ですが、具体的にはどこが違うのか。主要な美容誌3誌と比較をしてみることにしました(3誌は下半期のランキング、「ar」は年間ランキング)。

 まず「MAQUIA」は、審査員64名の合計点で決定するスタイル。スキンケア部門は、モニターのビフォー・アフター写真が掲載され、毛穴減少率などが数字で明らかにされているのが特徴。ベスト・オブ・ベスト大賞は美容液の「ファンケル コアエフェクター」でした。

 「VOCE」は「信頼度No.1!」「忖度なし! 妥協なし!」「広告との関係は一切なし!」と謳っており、審査員61名の合計点で決定。どの選者が何点を点けたかまでわかるのが特徴で、カラーコスメは塗り比べ写真付き。スキンケア部門最優秀賞は化粧水部門1位「B.A B.Aローション」、メイク部門の最優秀賞は「シャネル レ キャトル オンブル」でした。

 「美的」は“美の賢者”60名の投票で、得票数が公開されています。プチプラコスメのランキングも充実しているのが特徴で、総合1位は「B.A B.Aローション」でした。

 このように、3誌とも60名以上の専門家が評価し、それぞれに独自路線を目指しているようです。

 では「ar」が言う「ときめくベストコスメ」とは何なのか? 「HMがモデル撮影で偏愛しているベスコスランキング…でメイクしてみた(ハート)」では、2020年の同誌該当企画内でヘアメイクが使用したコスメをカウント。使用回数が多いものを「ベスコス」としたとのことで、1位は「カネボウ N-ルージュ」でした。

 また同じベスコス特集内には、フォロワー10万人超のインスタグラマー、YouTuberら計13名による「本当は教えたくないバズコスメ」や、指原莉乃らによる「推しコスアワード」などのページも。“インスタグラマー”という単語からどうしてもステマ臭を感じてしまうのはもちろん、指原は自身が「クイックルワイパー」や「リーゼ」のCMに起用されている企業「花王」の「ビオレ メイクの上からリフレッシュシート」を一番に紹介しており、やはり宣伝臭が。

 「ときめくベストコスメ」とは、「たくさん使われたコスメ」、「フォロワーが多い人や人気タレントがさまざまな事情から勧めるコスメ」という意味合いのよう。片付けコンサルタント・近藤麻理恵氏のベストセラー本『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)でも使われているように、「ときめき」とは抽象的で、なんとも便利な言葉であると感じました。

 最後に見ていくのは着回し企画「シオリとサトコのラブ充着回し14days」。佐藤栞里と宮田聡子が「恋愛コラムニスト・ユニット」という設定で、2週間の着回しを披露しています。

 コラムを書くために恋愛に精を出すというストーリー。最初はコロナ禍という時節柄、マッチングアプリでイケメンと出会ってZOOMデートしたり、インスタで過去の片思い相手にDMしたりと「ニューノーマルな出会い」がテーマとされていたはずが、2人は徐々に外へ。

 合コンセッティングアプリで合コンに参加し、飲み友男子と再会して飲み、また別の飲み会で代理店勤務の男子と出会い、デートスポット研究に出かけ、街中でカップルを観察。最後はそれぞれ本命とデートしてうまくいき、恋愛コラムの書籍化も決定! という大ハッピーエンディングを迎えます。

 きっとこの着回しストーリー上では、コロナも収まってきたということなのでしょう。この夢のような、素晴らしい未来が実際に訪れることを期待したいです。

Kis-My-Ft2・北山宏光と熱愛の内田理央、「ar」インタビューに見る“オタサーの姫”マインド

 現在発売中の「ar」11月号(主婦と生活社)。今回の特集テーマは「今こそ透き通ったオンナでありたい」です。先月号では「ラブっけ女子」という独自の言葉を掲げ、「ラブっけ女子」を目指すための10カ条を展開していた「ar」ですが、今月号では早くも「透き通ったオンナになろう!」とギアチェンジ。加えて、フェロモンならぬ「ニョロモン」を出しましょうと提案する企画も。

 「透き通ったオンナ」も「ニョロモン」も非常に抽象的ですが、いったい今月号は何を訴えたいのか!? 早速、中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎ばっさー最強説 翼をください。
◎だーりおのひんやりニョロモン
◎レイドバックしてみる?

デヴィ夫人が乗り移った本田翼

 表紙と巻頭インタビュー「ばっさー最強説 翼をください。」に登場しているのは、女優の本田翼。寒色系の衣装をきこなし、涼やかな表情を見せています。本田流の美白術なども紹介されていて、編集側はこのページでも、今月号のテーマ「透き通ったオンナ」をイメージしているようです。

 しかし本田自身は、ナゼかこの撮影で「チョコミント」を連想していた様子。寒色系→ミント色→チョコミントという思考回路でしょうか。部屋の壁の色をチョコミント色に変えたエピソード、家族と食べたチョコミントタルトが絶品だったエピソードなどを披露する本田は、食いしん坊に見えてちょっと微笑ましいです。

 さらに興味深かったのが、インタビューでの本田の口調。「相手に最初からたくさんのことを求めてはダメよ」「(YouTubeの)構成、撮影、編集、全て一人でやっているのよ(ハート)ふふ」「(新垣結衣に収録で会い)本当に心底感動したわ(ハート)」「あの感動はしばらく脳に焼きついたわ(ハート)」など、どうもデヴィ夫人を彷彿とさせる口調なのです。

 本田翼のイメージが、“食いしん坊なデヴィ夫人”に変わった貴重な特集でした。

 続いて見ていく企画は、内田理央をモデルに迎えた「だーりおのひんやりニョロモン」。「ニョロモン」という新語の登場です。

 解説によれば「フェロモンの発展系。ニョ=女。相手のコンディションを察知したり、呼吸や五感、本能までをも読み取る力は女子しか持っていないもの。発するだけじゃない、受け入れることでさらに高まるフェロモンのこと」だそう。読んでもいまいち、ニョロモンへの理解が追い付きません。女子って他人の「呼吸や五感、本能までもを読み取る」ことができるものなのか……というのも、驚きでした。

 そんな「ひんやりニョロモン」のミューズが、「カワイイを主張しすぎないクールさ」を追っている内田とのこと。今年の夏にはKis-My-Ft2の北山宏光との熱愛をニュースサイト「文春オンライン」で報じられた内田ですが、「もし彼がとってもモテモテならどうしようかな策戦会議 議長・だーりお」と題した、挑発的なニョロモンファッション・アドバイスも展開。

 さらに、「文春」では、北山とはバーでの友人関係から交際に発展――と書かれていましたが、インタビューでは「男の子の友達、多いです」「みんなには『ワンピース』のチョッパー的な存在だと言われています。(中略)男の子の中のヒロインみたいになるのはイヤなんです。“仲間”がいい」とも話しています。「チョッパー的な存在」を好意的に受けとめているようですが、要はマスコット的な存在と言われているのでは……?

 チョッパー扱いを自ら明かす部分にも「オタサーの姫」的マインドを感じ、だーりおの持つ底知れぬ手強さが伝わります。

 最後に見ていく企画は読み物「レイドバックしてみる?」です。レイドバックとは元は音楽用語で、「後ろにもたれかかるように、脱力してリラックスした状態」だそう。この企画では、生き方の概念として「レイドバック」を提案。タレントのユースケ・サンタマリアが「日本を代表するテキトーマインド爆イケおじさん」として登場し、レイドバックな生き方について3ページにわたって語っています。

 「arは高田純次にオファーを断られたのか?」という印象はありつつも、時代がテキトーさ、ユルさを求める方向へ移り変わっていっていることを実感しました。

 聞き手を務める編集部側は、実に真剣に“テキトー”を身に付けたい様子。「あぁ、テキトーになりたい(願)」と切実で、ユースケに「上手に冗談が言えるようになったら、何となくステキなテキトー女子に一歩近づける気がするのですが、どうしたらいいでしょうか」と質問します。

 テキトーに見える人を、本当にテキトーな人だと思っている素直さ。そして、テキトーさをも、真正面から学ぼうとするマジメすぎる姿勢には、ある意味、鈍感さがあるようにも見えます。

 対するユースケは、「メディアに出る時にそういうキャラに変身してるだけ」「どうやったらテキトーになれますかって、それは知らねーよって話で(笑)。自分で色々試しながらやってくれって話です」など、ごもっともな回答。「逆にホントにリラックスして素で来られても、コイツどんだけありのままなんだ? オマエ以外の周り全員が超気遣ってるぞ? って思う」とも話しています。

 “テキトーに見える人”より、「テキトーになりたい(願)」と言える人のほうが生来のテキトーさを身に付けている人なのではないか……と考えさせられた企画でした。

オタク女子は“あくまでオシャレに”が重要!? 「ar」推しカラー企画に思うこと

 このほど発売になった「ar」(主婦と生活社)の10月号。創刊から25周年を迎えたとのことで、表紙には「祝 25周年」「25th anniversary year(ハート)」の文字が踊っています。しかし、このご時勢だからか、お祭り感はさほどありません。30周年に向けて、予算とエネルギーを蓄えているようにも見える中身、さっそく見ていきましょう!

<トピックス>
◎ラブっけ女子どう???
◎やっぱり猫が好きなのさ
◎推しカラーで彩る毎日。

「ar」がオススメする「ラブっけ女子」とは何か?

 コロナ禍の影響で、ファッションページを作ることが困難になっているのか、読み物が多くなってきている最近の女性誌。「ar」も例に漏れず、先月号では過去の著名人インタビューから“名言っぽい発言”を拾い集めた自己啓発的読み物企画「自分をもっと好きになりたい50Tips」がありました。

 今号でもその路線は継続中。巻頭特集「ラブっけ女子どう???」では、編集部が提唱する「ラブっけ女子」とやらに近づくための10カ条が紹介されています。

 「ラブっけ女子」とは、「自分だけの魅力=『ラブっけ』を磨いていけばそれでよくない?」「自分の中の『ラブ』に正直に生きるのが最高気持ちイイ!」というマインドを持った女子のことだそう。そんな女子になるための10カ条には「ご自由にご自愛。」「ワタシの中には“お宝”がある(ハート)」「ドドド真ん中で生きる!」「そして永遠にワンアップ!」など、抽象的かつ前向きっぽい文言が並んでいて、実に自己啓発書的です。

 10カ条を具体的に読んでいくと、「ご自由にご自愛。」とは「湧き出てくる欲求を素直に受け止めて、やってみたいと思う気持ちのままに行動する」ことだそう。その一方、「ドドド真ん中で生きる!」では、「キャラをこじらせないでね(ハート)」とも忠告。「全部取り入れようとすると絶対失敗する」「ヨクバリすぎは時に罪(笑)」とのこと。
 
 「自分の欲求に素直に行動すること」と「こじらせるな、失敗するな」を同時に求められていて、つまり“はみ出さない程度に個性を出せる”のがラブっけ女子ということでしょうか。個性尊重と言いつつ、はみ出し者には厳しい現代社会を生き抜くには、確かにこのマインドを身につけるしかないのかもしれません。

 そういった矛盾をはらみながらも、前向きな言葉が並ぶ同企画。

 「人生は一度きり。前へ! 前へ!」「私たちは自分を輝かせるために生まれてきたんだ(ハート)」「イイ波には即、乗るゼ!」「日本まるごと光らせちゃおうぜ(ハート)」――。

 同誌的には、このノリはまだ「こじらせてる」「はみ出てる」ではないようなので、意外と許容範囲は広そうです。

 誌面を埋める苦肉の策が極まったかのような企画がもう一つ。それが、編集部員やライター、読者モデル、同誌常連ヘアスタイリストといった「ar」関係者が飼い猫の写真を自慢するページ「やっぱり猫が好きなのさ」です。総勢35匹の猫のプライベートショット(?)と、ご自慢コメントが並んでいます。

 最高に内輪ノリですが、猫なので、みなさん当たり前にかわいいです。猫には誰も文句は言えないだろう……という心理を利用した、素晴らしい誌面埋め策だと感じました。

推しカラーの流行を喜ぶ超特急オタク

 最後に見ていくのは、「推しカラーで彩る毎日。」です。推しのイメージカラーをいつも持ち歩きたいというオタク女子へ向けて、赤、黄色、オレンジ、ピンク、紫、青、緑、白、それぞれのファッションアイテムが紹介されています。

 昨年あたりから、通販サイトのフェリシモが、推し色ファッションブランド「OSYAIRO(おしゃいろ)」を立ち上げたりと、日常でも推しカラーをさりげなく身に着けるニーズが高まっている様子で、「ar」もその波に乗ったようです。

 さてこのページ、色ごとに「推しVOICE」も添えられています。推しVOICEとは、ファンが自分の推しと、その推しカラーをファッションやメイクにどう取り入れているかを語るコメントのことで、取り上げられている黄色推し代表のコメントは「バンドじゃないもん!」甘夏ゆずファン、オレンジはサッカー「清水エスパルス」ファン、紫は「A.B.C.-Z」の河合郁人ファン――といった、なかなかにコアな人選。

 なお、緑がイメージカラーの「超特急」草川拓弥ファンは、ピスタチオグリーンがはやっていることを受けて、「今まで勇気がなくてあまり服やメイクで取り入れられなかったけど、今年は拓弥くんカラーが流行ってくれて嬉しい!」とのこと。

 “オタクだけど、あくまでオシャレに”という感覚は、巻頭特集の“こじらせない程度に個性を”というラブっけ女子マインドに通じるところがありそうです。バランス感覚が大事な時代なのだなぁと考えさせられました。

「ar」安斉かれん、ナチュラル系にイメチェン企画も……ド金髪で“ボスギャル”ぶりを見せつける!!

 「ar」(主婦と生活社)9月号の特集は、「私よ、こっそり可愛くなーれ(ハート)」。以前から、自分を大切にすることを説いてきた同誌によれば、“こっそり可愛くなる”とは、「『出し抜く』とか『秘密にして』という意味ではなく 人のことなんて気にしないで、誰かと比べたりなんかしないで 自分に集中するってこと」なんだそうです。それができたら誰も苦労しないよ……と思ってしまう、一見簡単そうで、ものすごく難しい提案。「ar」はどのように、その難題に挑んでいるのか!? 今月号の中身、さっそく見て行きましょう。

<トピックス>
◎ヘアメイク吉﨑沙世子的・マインドアゲ↑メイク
◎自分をもっと好きになりたい50Tips
◎ボスギャル、おナチュに覚醒 素肌のかれん

アゲ↑メイクは「つや~」「ぬり~」

 まずは、ヘアメイク企画「ヘアメイク吉﨑沙世子的・マインドアゲ↑メイク」。これも今月号のテーマ“自分に集中”に沿った内容で、ヘアメイクの“よっしー”こと吉﨑沙世子氏が、「ジブンをステキにするのは結局はジブンだから(ハート)」と語り、「自分のキモチをちゃんと自分で上げ」ていくメイクを紹介しています。

  このところ気になっているのが、「ar」に登場するヘアメイクの方々の言葉がみんな、「おフェロ」メイク創始者で人気ヘアメイク・イガリシノブ氏に似てきていること。ハイテンションかつキャッチ―な造語や独特の擬音語を使ったメイク解説で、読者の乙女心を掴んできたイガリ氏。今年7月に『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)にも出演し、自身の手掛ける化粧品ブランドも好調の様子のイガリ氏は、やはりヘアメイク業界の皆が目指す地点なのでしょうか。

 よっしー氏も、「召しませ(ハート)ヴァージンな いちごミルクふぇいす」、「ヘルシーで夏っぽくて。ミーハー上等、シトラスネアカ顔☆」、「オンナと赤のくされ縁。ほてりレッドの2点盛り」等、イガリ感あふれるネーミングセンスのメイクを紹介。解説で使われる擬音語も「ムンムンムンッ」「じゅわじゅわ」「つや~」「ぬり~」など、イガリ氏より若干パンチは弱いものの、その系統を受け継いでいるようです。

 イガリテイストを「ar」側から求めているのか、それともよっしー氏自身が目指しているのか、どちらかはわかりません。しかし、「自分に集中」して「自分のマインドをアゲる」ことを求めていくと結局、無意識のうちに“偉大な誰か”や“はやりモノ”の真似になる――。その矛盾を見せてくれる誌面に人間らしさを感じ、しみじみとした気持ちになりました。

 続いては、読み物「自分をもっと好きになりたい50Tips」。自分を好きになる助けになる著名人らの言葉を、“こういうのエモいっしょ”と訴えかけてくる風景写真やイラストとともに載せた、自己啓発風のページでした。

 過去に同誌のインタビューページに登場したタレントの発言も引用されているのですが、一番気になったのは、そこになぜかトリンドル玲奈の発言も多数引用されていること。

 「自分を誰かに寄せようとするより、内面をピカピカ輝かせることの方が重要」「マイペースに努力できたら、十分。焦らず、笑顔で(ハート)」「自分が“こうしたい”って思ったことは、なるべく素直に口に出すようにしているんです」等。トリンドルの特に強いオリジナリティーやポリシーはないように見える発言にも、同世代を励ます要素はあるのでしょうか。

 ちなみにこの企画には剛力彩芽の「正直なところ私にとっても、私を好きでいることはとても難しいことです」との言葉も。剛力の過去のあれこれ(ゴリ押し、頓挫した歌手活動、前澤友作)を背景に読むと、なんだか沁みます。トリンドルのフワッとした言葉にも、これくらいの背景を感じさせる何かがほしかったです。

THEアーティスト・安斉かれん

 今月号には、浜崎あゆみの自伝的小説を映像化した連続ドラマ『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)で、主人公・アユ役を演じ、いろいろな意味で話題になった歌手・安斉かれんも登場しています。「ボスギャル、おナチュに覚醒 素肌のかれん」と題し、「令和に彗星のごとく現れたボスギャル」である安斉にナチュラルなヘアメイクを施すという企画。

 メイクと服は確かにナチュラルにしたのかもしれません。しかし、元がヤンキーテイストのド金髪のロング、ハッキリしたギャル顔なので、メイクを薄くしたところで、ほとんど印象に変化は見られませんでした。これこそまさに、「ar」の言う「人のことなんて気にしないで、誰かと比べたりなんかしないで 自分に集中するってこと」なのかもしれません。

 注目したのは、彼女のプロ意識。短いインタビューの中で “アーティスト”または“表現者”という言葉を5回使い、「軸はアーティストでありたい」と語っていて、高いプロ意識が垣間見られます。この企画でも金髪は譲らなかったのも、プロ意識からでしょうか。女優業は「アーティスト活動とは全く別物」だそうで、「お芝居は誰かになり切るという表現で、(中略)私はアーティストとして、自分自身を偽らずに自然体で表現することが一番好き」とのこと。『M』でのあの演技も、ある意味“自然体”だったと思うのですが、本人としては違ったようです。

 ナチュラルメイクをしても、演技をしても、“安斉かれん”になってしまう個性の持ち主。さらなる活躍に期待したいです。

「ar」安斉かれん、ナチュラル系にイメチェン企画も……ド金髪で“ボスギャル”ぶりを見せつける!!

 「ar」(主婦と生活社)9月号の特集は、「私よ、こっそり可愛くなーれ(ハート)」。以前から、自分を大切にすることを説いてきた同誌によれば、“こっそり可愛くなる”とは、「『出し抜く』とか『秘密にして』という意味ではなく 人のことなんて気にしないで、誰かと比べたりなんかしないで 自分に集中するってこと」なんだそうです。それができたら誰も苦労しないよ……と思ってしまう、一見簡単そうで、ものすごく難しい提案。「ar」はどのように、その難題に挑んでいるのか!? 今月号の中身、さっそく見て行きましょう。

<トピックス>
◎ヘアメイク吉﨑沙世子的・マインドアゲ↑メイク
◎自分をもっと好きになりたい50Tips
◎ボスギャル、おナチュに覚醒 素肌のかれん

アゲ↑メイクは「つや~」「ぬり~」

 まずは、ヘアメイク企画「ヘアメイク吉﨑沙世子的・マインドアゲ↑メイク」。これも今月号のテーマ“自分に集中”に沿った内容で、ヘアメイクの“よっしー”こと吉﨑沙世子氏が、「ジブンをステキにするのは結局はジブンだから(ハート)」と語り、「自分のキモチをちゃんと自分で上げ」ていくメイクを紹介しています。

  このところ気になっているのが、「ar」に登場するヘアメイクの方々の言葉がみんな、「おフェロ」メイク創始者で人気ヘアメイク・イガリシノブ氏に似てきていること。ハイテンションかつキャッチ―な造語や独特の擬音語を使ったメイク解説で、読者の乙女心を掴んできたイガリ氏。今年7月に『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)にも出演し、自身の手掛ける化粧品ブランドも好調の様子のイガリ氏は、やはりヘアメイク業界の皆が目指す地点なのでしょうか。

 よっしー氏も、「召しませ(ハート)ヴァージンな いちごミルクふぇいす」、「ヘルシーで夏っぽくて。ミーハー上等、シトラスネアカ顔☆」、「オンナと赤のくされ縁。ほてりレッドの2点盛り」等、イガリ感あふれるネーミングセンスのメイクを紹介。解説で使われる擬音語も「ムンムンムンッ」「じゅわじゅわ」「つや~」「ぬり~」など、イガリ氏より若干パンチは弱いものの、その系統を受け継いでいるようです。

 イガリテイストを「ar」側から求めているのか、それともよっしー氏自身が目指しているのか、どちらかはわかりません。しかし、「自分に集中」して「自分のマインドをアゲる」ことを求めていくと結局、無意識のうちに“偉大な誰か”や“はやりモノ”の真似になる――。その矛盾を見せてくれる誌面に人間らしさを感じ、しみじみとした気持ちになりました。

 続いては、読み物「自分をもっと好きになりたい50Tips」。自分を好きになる助けになる著名人らの言葉を、“こういうのエモいっしょ”と訴えかけてくる風景写真やイラストとともに載せた、自己啓発風のページでした。

 過去に同誌のインタビューページに登場したタレントの発言も引用されているのですが、一番気になったのは、そこになぜかトリンドル玲奈の発言も多数引用されていること。

 「自分を誰かに寄せようとするより、内面をピカピカ輝かせることの方が重要」「マイペースに努力できたら、十分。焦らず、笑顔で(ハート)」「自分が“こうしたい”って思ったことは、なるべく素直に口に出すようにしているんです」等。トリンドルの特に強いオリジナリティーやポリシーはないように見える発言にも、同世代を励ます要素はあるのでしょうか。

 ちなみにこの企画には剛力彩芽の「正直なところ私にとっても、私を好きでいることはとても難しいことです」との言葉も。剛力の過去のあれこれ(ゴリ押し、頓挫した歌手活動、前澤友作)を背景に読むと、なんだか沁みます。トリンドルのフワッとした言葉にも、これくらいの背景を感じさせる何かがほしかったです。

THEアーティスト・安斉かれん

 今月号には、浜崎あゆみの自伝的小説を映像化した連続ドラマ『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)で、主人公・アユ役を演じ、いろいろな意味で話題になった歌手・安斉かれんも登場しています。「ボスギャル、おナチュに覚醒 素肌のかれん」と題し、「令和に彗星のごとく現れたボスギャル」である安斉にナチュラルなヘアメイクを施すという企画。

 メイクと服は確かにナチュラルにしたのかもしれません。しかし、元がヤンキーテイストのド金髪のロング、ハッキリしたギャル顔なので、メイクを薄くしたところで、ほとんど印象に変化は見られませんでした。これこそまさに、「ar」の言う「人のことなんて気にしないで、誰かと比べたりなんかしないで 自分に集中するってこと」なのかもしれません。

 注目したのは、彼女のプロ意識。短いインタビューの中で “アーティスト”または“表現者”という言葉を5回使い、「軸はアーティストでありたい」と語っていて、高いプロ意識が垣間見られます。この企画でも金髪は譲らなかったのも、プロ意識からでしょうか。女優業は「アーティスト活動とは全く別物」だそうで、「お芝居は誰かになり切るという表現で、(中略)私はアーティストとして、自分自身を偽らずに自然体で表現することが一番好き」とのこと。『M』でのあの演技も、ある意味“自然体”だったと思うのですが、本人としては違ったようです。

 ナチュラルメイクをしても、演技をしても、“安斉かれん”になってしまう個性の持ち主。さらなる活躍に期待したいです。

「ar」ワキ汗が許されるのは「キレイな女性」だけ!? 男の勝手な言い分にイラつく「カラダ悩み特集」

 新型コロナウイルスの影響で同誌初の合併号となった「ar」(主婦と生活社)6・7月号。その特集は「FOR THE BEST DAY 今のうちにジブンを最高にしておこう」です。

 巻頭には「次にお会いできる時まで、この号をいっぱい楽しんでもらえるよう“最高の自分になるため”のアレコレを詰め込みました。こんな時こそ、まず自分を愛してあげて」とのメッセージ。「ar」の“自分で自分を幸せにする”というポジティブマインドを感じます。

 モデルではなくイラストを使ったり、過去の誌面を引用したり、また、ネットで買えるコスメや服だけを紹介する企画も。混乱の中でも読者に“ベスト”を届けようとしてくれていることが伝わってきます。早速、中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎最高の自分UP UP UP チューニングBOOK
◎心震わす私のカルチャー
◎夏のオンナのカラダと悩みのすべて!!

もはやファッション誌ではなく自己啓発書

 最初に見ていくのは、この時期を乗り越えるための読み物中心の企画「最高の自分UP UP UP チューニングBOOK」です。「本当にいろんなことが起こる毎日だけど、自分の目標や生活リズム、美学を見失わないこと」と説き、おうちでできる「最高の自分にチューニングする方法」を紹介してくれています。

 その中身はファッション&美容雑誌というよりは、ライトな自己啓発書1冊分ほどの充実っぷり。自粛生活で人と気軽に会えない時に、自分の未来や性格について一人で悩むのはNGと警告し、グループ通話やLINEで不安をシェアすることを提案。「ひとりで考え込まず、お家で(ハート)みんなで悩む!」ことを勧めています。ほかにも、“ムリせず当たり前にできていること”こそがその人の持つ才能だとして、「無理に目新しいスペックを自分につけ足そうとはせず、お家でだる~んとしながら今まで自分に投げかけられた言葉を思い出し(中略)『当たり前』に目を向けて」との教えも。

 また、気持ちを切り替える「ジブンUP UP UP チューニング用語10」も紹介。「不安で頭がいっぱい」になったときは、「未来を考えすぎな時。“今”自分が何を感じるかを意識してみよう(ハート)」。「なんでもネガティブに考えちゃう」ときは、「“すべき!”が心にありすぎる時。『~したいかも』から考えてみよう」。など、心が弱っているときには染み入る言葉がたくさん。

 この時期に「ar」世代がどんな不安を抱え、どんな精神状態になっているか、ものすごく分析したうえでの言葉が並んでいるように思え、多くの人に読んでほしいと感じました。

 次に見ていくのは、編集部スタッフがおすすめするカルチャーを紹介するページ「心震わす私のカルチャー」。同誌を作っている方々を形成したカルチャーが知れるという、マニア垂涎の企画です。

 編集長は「私が好きな山崎賢人出演作」「ビジネス書が苦手な私でも納得した20代にもおすすめのビジネス書」「人生を変えた小説のフレーズ」の、それぞれのベスト3を挙げています。編集長、山崎賢人推しだったんだ……という発見もありつつ(なお第1位は映画『キングダム』とのこと)、最も興味を引かれたのは「人生を変えた小説のフレーズ」でした。第1位はよしもとばななの短編『デッドエンドの恋人』(文藝春秋)の一節で、「今ならわかる。最低の設定の中で、その時私は最高の幸せの中にいたんだということが。」。この時期に共感を呼ぶフレーズかもしれません。また3位は、三浦しをんの小説『舟を編む』(光文社)の一節「だれかの情熱に、情熱で応えること」は、「ar」作りの心意気にそのままつながっているのだろうかと想像できました。

 また「ドメス」「グジョつき」など、独特な「ar」語の生みの親である編集者が紹介していたのは、「光フェチなんで…心は晴れ写真集&本」ベスト3。謎のジャンル分けです。第1位はLA拠点の写真家ヘンリック・プリエンヌの作品集『Holiday』。「女性の濡れた肌や髪を楽しめる」写真集だそうで、「濡れ髪タオルの巻き方や部屋着の参考にもしてる」とのこと。日本では手に入りにくく、高値で取引されている(註:amazonでは約3万円~20万円の値が付いている)という同作が部屋着の参考書とは……さすが「ドメス」「グジョつき」を思いつく編集者です。

 ほかにも編集者による「原稿がはかどるBGM」「辻仁成の小説」「ジョジョの名台詞」「まぶしすぎるスポーツ映画」「OVER30韓国俳優」などが次々と紹介されていきます。これらのコンテンツを消費していくだけで、「ar」マインドが身につき、お家時間はあっという間に過ぎ去りそうです。

 最後は「夏のオンナのカラダと悩みのすべて!!」。こちらは、汗・ニオイ・ムダ毛という夏の三大お悩みについて、一般男性へのアンケートも紹介しながら対策方法を紹介する企画でした。

 「彼女がアンダーの脱毛途中でジョリジョリしてても、頑張ってる過程だからまったくイヤじゃない」という心が広め(?)の男性もいれば、「手フェチは指毛も気になります」「背中の開いた服を着てるのに背中の毛が生えてる人。着るなら気にしなよ」という細かいケアを求める男性も。

 個人的に「は?」と感じたのは、「キレイな女性でワキ汗がブラウスにちょっと染みてるのを見ると、人間らしくてドキッとする」という意見。「キレイな女性」にわざわざ限定しているのが、イラつきポイントです。また「料理を作りながら額の汗をぬぐってる姿は、頑張ってる感じが伝わってきてキュン」というコメントも。“料理というシチュエーションでの汗なら許してやるぜ=料理は女性が頑張るもの”という、この人の固定概念が透けて見えます。

 今は、男性もケアを心掛ける時代のよう。ワキ汗軽減のために「ボトックス注射やってます」という男性、乳首の周りの毛を「自分でも気持ち悪いと思うから抜いてる」という男性、VIO脱毛をしている同性は「周りにも結構いる」という男性が誌面に登場していました。こういう部分の男女の差はなくなりつつあるのだから、指毛や背中の毛もお互い大目に見ようぜ……と感じます。

 今号が合併号になったため、来月号はお休みですが、「ar」を読み込んで次の号を楽しみに待ちます。

「ar」でトリンドル玲奈がまた露出! 「じこまん」「マンゴーを手にしたカット」誌面に漂う悪意

 「ar」(主婦と生活社)5月号の特集は、「じこまんBEAUTY BOOK 私のために可愛くなる」です。「じこまん」が平仮名なのは気になるものの、誰かのためではなく「私のために可愛くなろう」というのは、「ar」が以前から発信し続けているメッセージ。外出自粛で美容もオシャレもどうでもよくなりがちな今こそ、心に響く人も多いかもしれません。今月号の中身、早速見ていきましょう!

<トピックス>
◎トリンドル玲奈、降臨! Bucchigiri Beauty Bible
◎じこまんBEAUTY BOOK
◎イケメンが全女子に捧げる褒め言葉

お尻を出すトリンドル、再び

 先月号で同誌に初登場したトリンドル玲奈。お尻のぷりんとした部分をショートパンツからハミ出させた姿で、これまであまりイメージのなかったオシャレエロ写真を撮られていた彼女が、今月号ではいきなり表紙と巻頭インタビューに抜擢されていました。直近の数カ月を振り返ると、「ar」の表紙を飾ってきたのは広瀬すず、永野芽郁、白石麻衣と、出演映画の宣伝を兼ねた旬な人々ばかり。なぜ今、突然のトリンドル?

 先月はお尻を出していたトリンドルですが、今月号でもお尻出しは健在。それどころか胸の谷間やブラジャー姿も見せています。表紙でも、ゆるゆるのショートパンツで脚をおっぴろげるふうのポーズを披露。その姿のすぐ横に、特集タイトルである「じこまん」の文字がわざわざ平仮名で躍るのは悪意があるようにも見えてきますし、誌面にぱっくり割れたマンゴーを手にしたカットがあるのも意味深に思えてきます。

 一体、トリンドルに何が起こっているのでしょうか。彼女を取り巻く環境の変化が気になりますが、インタビューで語られているのは「空前の海鮮丼ブームが到来しちゃいました(ハート)」「夏はおっきな麦わら帽子をかぶろうかな~♪」など、どうでもよいプチ情報。今後のトリンドルの行方が気になります。

 最近は外出できず服もメイクも常にオフ状態……という人に喝を入れてくれそうなのは、今号のメイン特集「じこまんBEAUTY BOOK」です。「ar」は、「いいのいいの自分が 私、さいこーじゃん! って思うために 今日も可愛さを求め、私たちは美容に励むのです。その自己満が女の子を輝かせるから」と説き、誰に見せるためでもなくでも自分のために可愛くいようぜ! と読者を鼓舞します。

 鏡を見た瞬間に「今日の私、いつもより可愛い!」と思うことが、「女子の最高の自分アゲ剤」だという部分は、大いに納得するとともに、こういう時勢こそ、自分で自分をアゲていく能力が必要なのだなあと考えさせられました。

 「可愛いインスピを刺激(ハート)」してくれるという新作コスメはなかなか買いに行けませんが、それだけでなく、「湯船にしっかり浸かる」「睡眠をしっかりとる」「食生活を見直す」「顔ヨガ」など、すぐできることも紹介されています。いつもならば「入浴? 睡眠? それで可愛くなれるなら、世の中は美女だらけだろうよ」と、やさぐれた気持ちで読むところですが、今は心に沁み入りました。

 別のメイク企画「八木アリサの恋しちゃったんだ顔」では、人気ヘアメイクのイガリシノブ氏が「ときめきONLY(ハート)うきうきフェロモン顔」メイクや、「欲はすべて…恋! ファーストデートメイク」などのハイテンションな“おフェロメイク”を紹介中。普段、街にしていく勇気はない人も、家でこっそり挑戦してみたら、イガリマインドで楽しくなれるかもしれない……とも感じました。

お尻出しもきっと、無駄じゃない

 続いて見ていくのも、自粛疲れした心を潤してくれる企画。その名も「イケメンが全女子に捧げる褒め言葉」です。杉野遥亮、清原翔、塩野瑛久ら若手イケメン俳優たちが、読者へ“褒め言葉を囁いてくれる”というコンセプトの作り。

 杉野は、上目遣いで「今の自分に自信を持って」。清原は、真っ直ぐ前を見て「頑張ることに無駄ってないから」。こちらも、普段であれば「けっ、抽象的なことばかり言いよって」と思ってしまいそうですが、こういう時期には沁みます。

 清原は続けます。「今、どんなに大変だな、この頑張りは無駄だったかもなって思ったとしても、その経験は絶対これからの糧になるし、経験しているからこそわかることってたくさんあると思うんです」と。突然、露出キャラに路線変更をし始めたトリンドルにも、この言葉が届いていてほしいです。

「ar」トリンドル玲奈の唐突な「尻出し」が、イメチェン特集号に掲載された意味

 「ar」(主婦と生活社)4月号は「YES! NEW ME! 私が私を飽きさせない」と題した、イメチェン特集号です。「大切なのは、私が私に飽きてないこと。自分に飽きちゃったら、きっと可愛いもそこで終わり。せっかく私に生まれたんだからガンガン私を楽しもう」という、「ar」らしさ満点のポジティブメッセージで始まります。何かと浮かれた気分になれない今日この頃でも、「ar」は変わらずにポジティブです。今月号の中身を、早速見ていきましょう!

<トピックス>
◎私を変えるスプリングカラー7
◎いきなりキューシンガオ
◎私たち、「「「ar編集部です!!」」」

この春は、何も着ていない系

 まず見ていくのは、「自分のイメージをガラリと変えてくれるような、新鮮な7色との出会い」を提案するファッション企画「私を変えるスプリングカラー7」。その7色とは、「甘いだけじゃないピンク」「ひとさじ明るいベージュ」「まろやかなグリーン」「エモな気分のイエロー」「あったかいパープル」「凪いだブルー」「曖昧なタイダイ」。同誌オリジナルなネーミングです。日曜朝の戦隊モノを「ar」がとびきりエモく作ったら、この7色になるのだろうか、全員弱そうだがリーダーがいるとすれば「エモな気分のイエロー」だろうか……と妄想が膨らみます。

 この企画のコーデもそうですが、今月号で紹介されているファッションの色味は全体的に淡く、素材も透けるシアーなものが多い印象。「ひとさじ明るいベージュ」などは、完全に肌着色です。「まろやかなグリーン」で着ているキャミソールも「ピスタチオ色」という流行色だそうですが、少し遠目に見ればくすんだベージュで、ただの地味な肌着。もっと離れて見れば、何も着ていない人のようにも見えます。

 この春、若者の間では“遠目に見れば何も着ていない系”がはやっているということなのでしょうか。それを象徴するように、今月号の表紙を務めた女優の広瀬すずも、誌面(16ページ)で遠目に見れば何も着ていない系コーデを披露。昭和生まれからは「肌着」としか認識されないであろう肌色のタンクトップを着ています。しかしこの肌着、1万3,000円もするそう。無印良品の2枚セット990円のタンクトップとどこが違うのか、ぜひ実物を手に取ってみたいと感じました。

 今月号では、タレントのトリンドル玲奈が初登場し、メイク企画「いきなりキューシンガオ」でモデルを務めています。最近は『テラスハウス』(Netflix)でしか見かけない印象のトリンドルがなぜ? と不思議に思ったのですが、同誌いわく、今はトリンドルのような“求心顔”が流行中とのこと。

 メイクの企画でありながら、トリンドルは肌着風タンクトップ姿や、薄ピンク色のスパッツ姿などのオシャレ系エロ写真を撮られていて、その中の1枚、超ショートの白パンツをはいたカットでは、お尻がぷりんとはみ出しています。顔よりお尻のほうが圧倒的に求心してきます。意外で唐突なトリンドルのお尻に、少々面食らいましたが、これが彼女なりのイメチェン(今月号のテーマ)なのだと受け止めました。

編集部の自画自賛がスゴイ

 ときどき内輪ノリの激しい「ar」ですが、今月号ではそれが極まった企画「私たち、『『『ar編集部です!!』』』」がありました。実はこれ、さまざまなイケイケ企業を取材してきた連載「arガール的大人の社会科見学」の最終回で、自分たちの編集部紹介をしています。

 編集部員による編集部員紹介が“自画自賛”の嵐で、このような編集部だから最強にポジティブな「ar」が出来上がるのだなぁという感慨にふけりました。

 例えば「モデル体型、生粋のおしゃれ好き、話術も巧みなアイディア女王」「ラフも机も超キレイ、おまけに毎日着てる服が超可愛い」「可愛すぎて社内中の老若男女から寵愛を受けている」など。こんなに褒められる人生、単純にうらやましい。

 また個人的には、ここ最近感じていた「ar名物、謎のハイテンションワードの勢いが落ちてきているのではないか?」という疑問も、このページで解決されました。数々の名キャッチ「おしゃH顔」「瞳ギッシュ!」「ドメス」などを生み出していた編集部員さんが、育休に入っていたそうです。その方が、この4月から復帰されるとのこと。謎ハイテンションワードの復活、今から楽しみです。

「ar」をブチ壊す、「LEON」編集長の言葉――女が自信を持つことは「俺たちにモテるため」ではない!

 3月号の「ar」(主婦と生活社)は「ALL WE NEED IS LOVE!!! 好きこそすべて」と題した「LOVE特集号」。異性モテより“自分モテ”を提唱している「ar」らしく、今号の「LOVE」も、誰かに与えるものではなく、惜しみなく自分自身に向けるものとして捉えられています。

 特集ページ冒頭には、「みんなから浮かないとか、誰かが持ってるからとか、そんな理由じゃなくて。(略)なんだかわからないけど、胸がときめく! そんな自分の“LOVE”をもっと大切に。だって、“好き”は私たちにとって最高の自分アゲ剤」とのお言葉が。自分アゲ剤、なんと素敵な響きでしょう。沢尻エリカやマッキー(槇原敬之)にも違法じゃない自分アゲ剤があればよかったのになあと思ったところで、今月号の中身、早速見ていきましょう!

<トピックス>
◎LOVE充な女になる10のこと!!
◎イケメン美容師ときめきTONIGHT
◎令和的男子図鑑

「LEON」編集長がブチ壊す

 最初に見ていくのは、巻頭特集「女の子サイコー(ハート) LOVE充な女になる10のこと!!」です。同誌いわく、「LOVE充」とは「全身いっぱいにあふれるほどの愛を持ってる」状態のこと。そして「LOVE充10か条」その1は「まず、自分が大スキ!!」だそうです。ドラム式洗濯機の傍らでショーパン姿の佐藤栞里と宮田聡子がポップコーンをつまむ平和な写真に、「LOVE充オンナは自己愛にも満ちてて当然!」「いつだって自分が自分の一番の味方」「自己肯定感、高くて損なし」との解説が添えられています。なんてハッピーな考え方。

 10か条はほかに「鏡大スキ(ハート)」「全力で休む!」「昨日よりいい女になった! と毎日思える(ハート)」など。最後のページでは、やや唐突に詩人・中原中也の言葉「天才とは、自分自身であつた人のことだ」まで引用され、これはファッション誌ではなく自己啓発書なのでは!? と思うほど、自分を慈しむことの大切さを超ポップに伝えてきます。

 お気楽すぎる感もありつつ、もしも自分に娘がいたら、こんなふうにハッピーにポップコーンをつまみつつ、自信満々でただただ明るく生きてほしい! という希望のような気持ちが湧いてきて、まさに“自分アゲ剤”な企画でした。

 ただ、これは蛇足ではと感じたのが、オジサンファッション誌「LEON」(主婦と生活社)の男性編集長からのコメント。要約すれば“異性に媚を売る女と、謙虚すぎる女はモテないぞ”というもの。モテるのは「自分とその周りの環境が好きな女性」であると説き、「そんな女性が増えたら、ボクらの人生も、もっと楽しいだろうなぁ」と結んでいます。このコメントがあることで、LOVE充マインドも結局、男性からは“俺たちにモテるための行為”として捉えられてしまうのか!? と思わされ、企画の軸がブレてしまったような。そもそも、「ボクらの人生」くらい自分で楽しくしてくれよ……「ar」読者を見習って、“自分アゲ剤”を自分で調達してくれよ! とツッコみたくなりました。

 続いては「ar」おなじみ、イケメン美容師をアーティスティックな写真で紹介するコーナー。今回はTOKYOの夜がテーマで、タイトルは「イケメン美容師ときめきTONIGHT」です。毎回、写真に添えられるキャッチを楽しみにしているのですが、今回も最高でした。

 「明けない夜があってもいいよね?」「この魅力、月明かりだけじゃ照らしきれない」「第一志望はあなたです(ハート) 恋の桜、咲きますか!?」など、すばらしい文句が並びます。「色気DakuDaku」と煽られた一見近寄りがたいイケイケ美容師のプロフィール欄を読んでみると、「チャームポイントは下っ腹(ハート) ファッションのこだわりは、お腹が見えないようにすることっ!」と書いてあり、一気に親近感があふれる工夫も。個人的なナンバーワンは、「『君にとって僕は何?』なんて…むしろ聞きたい 王子以外にありますか?」でした。

 しかし、タイトルの元ネタであるラブコメマンガ『ときめきトゥナイト』(集英社「りぼん」にて、1982年7月号から94年10月号まで連載)を知っている「ar」読者って、どれくらいいるのだろうか。

あるある令和男子図鑑

 最後は読み物企画の「令和男子図鑑」。ジャンル分けした女子を皮肉交じりに描くイラストレーター「つぼゆり」の作品を模したかのような、この企画。「アイラブ俺男子」「唯我独尊男子」「“おこだわり”男子」「いくつでちゅか男子」「僕カワイイでしょ男子」「自称イケイケ男子」の6タイプが紹介されています。

 こだわりの強さが前面に出る「“おこだわり”男子」は、「サチモスについて語りがち」「お互い無言で文庫本読むデート」「恵比寿や広尾などはもう飽きた感を出す」。オレオレパリピ系な「唯我独尊男子」は、「#出会いに感謝 #日々成長 #俺らまだ若くね? など浅い言葉のハッシュタグをつけたがる」、学生のように飲みたがる「いくつでちゅか男子」は「飲み会を“呑み会”と書く」「やたら動画や写真を撮る。(略)‟飲み会で輝く俺”を記録」など、どれも結構男性をバカにしている印象です。

 自分アゲ剤を持っているLOVE充な読者には、これくらい引いた目線で男子を観察したほうが、おかしな男子に引っ掛からなくて済むのだろうかと、またしてもオカン的な目線で感じました。

「ar」をブチ壊す、「LEON」編集長の言葉――女が自信を持つことは「俺たちにモテるため」ではない!

 3月号の「ar」(主婦と生活社)は「ALL WE NEED IS LOVE!!! 好きこそすべて」と題した「LOVE特集号」。異性モテより“自分モテ”を提唱している「ar」らしく、今号の「LOVE」も、誰かに与えるものではなく、惜しみなく自分自身に向けるものとして捉えられています。

 特集ページ冒頭には、「みんなから浮かないとか、誰かが持ってるからとか、そんな理由じゃなくて。(略)なんだかわからないけど、胸がときめく! そんな自分の“LOVE”をもっと大切に。だって、“好き”は私たちにとって最高の自分アゲ剤」とのお言葉が。自分アゲ剤、なんと素敵な響きでしょう。沢尻エリカやマッキー(槇原敬之)にも違法じゃない自分アゲ剤があればよかったのになあと思ったところで、今月号の中身、早速見ていきましょう!

<トピックス>
◎LOVE充な女になる10のこと!!
◎イケメン美容師ときめきTONIGHT
◎令和的男子図鑑

「LEON」編集長がブチ壊す

 最初に見ていくのは、巻頭特集「女の子サイコー(ハート) LOVE充な女になる10のこと!!」です。同誌いわく、「LOVE充」とは「全身いっぱいにあふれるほどの愛を持ってる」状態のこと。そして「LOVE充10か条」その1は「まず、自分が大スキ!!」だそうです。ドラム式洗濯機の傍らでショーパン姿の佐藤栞里と宮田聡子がポップコーンをつまむ平和な写真に、「LOVE充オンナは自己愛にも満ちてて当然!」「いつだって自分が自分の一番の味方」「自己肯定感、高くて損なし」との解説が添えられています。なんてハッピーな考え方。

 10か条はほかに「鏡大スキ(ハート)」「全力で休む!」「昨日よりいい女になった! と毎日思える(ハート)」など。最後のページでは、やや唐突に詩人・中原中也の言葉「天才とは、自分自身であつた人のことだ」まで引用され、これはファッション誌ではなく自己啓発書なのでは!? と思うほど、自分を慈しむことの大切さを超ポップに伝えてきます。

 お気楽すぎる感もありつつ、もしも自分に娘がいたら、こんなふうにハッピーにポップコーンをつまみつつ、自信満々でただただ明るく生きてほしい! という希望のような気持ちが湧いてきて、まさに“自分アゲ剤”な企画でした。

 ただ、これは蛇足ではと感じたのが、オジサンファッション誌「LEON」(主婦と生活社)の男性編集長からのコメント。要約すれば“異性に媚を売る女と、謙虚すぎる女はモテないぞ”というもの。モテるのは「自分とその周りの環境が好きな女性」であると説き、「そんな女性が増えたら、ボクらの人生も、もっと楽しいだろうなぁ」と結んでいます。このコメントがあることで、LOVE充マインドも結局、男性からは“俺たちにモテるための行為”として捉えられてしまうのか!? と思わされ、企画の軸がブレてしまったような。そもそも、「ボクらの人生」くらい自分で楽しくしてくれよ……「ar」読者を見習って、“自分アゲ剤”を自分で調達してくれよ! とツッコみたくなりました。

 続いては「ar」おなじみ、イケメン美容師をアーティスティックな写真で紹介するコーナー。今回はTOKYOの夜がテーマで、タイトルは「イケメン美容師ときめきTONIGHT」です。毎回、写真に添えられるキャッチを楽しみにしているのですが、今回も最高でした。

 「明けない夜があってもいいよね?」「この魅力、月明かりだけじゃ照らしきれない」「第一志望はあなたです(ハート) 恋の桜、咲きますか!?」など、すばらしい文句が並びます。「色気DakuDaku」と煽られた一見近寄りがたいイケイケ美容師のプロフィール欄を読んでみると、「チャームポイントは下っ腹(ハート) ファッションのこだわりは、お腹が見えないようにすることっ!」と書いてあり、一気に親近感があふれる工夫も。個人的なナンバーワンは、「『君にとって僕は何?』なんて…むしろ聞きたい 王子以外にありますか?」でした。

 しかし、タイトルの元ネタであるラブコメマンガ『ときめきトゥナイト』(集英社「りぼん」にて、1982年7月号から94年10月号まで連載)を知っている「ar」読者って、どれくらいいるのだろうか。

あるある令和男子図鑑

 最後は読み物企画の「令和男子図鑑」。ジャンル分けした女子を皮肉交じりに描くイラストレーター「つぼゆり」の作品を模したかのような、この企画。「アイラブ俺男子」「唯我独尊男子」「“おこだわり”男子」「いくつでちゅか男子」「僕カワイイでしょ男子」「自称イケイケ男子」の6タイプが紹介されています。

 こだわりの強さが前面に出る「“おこだわり”男子」は、「サチモスについて語りがち」「お互い無言で文庫本読むデート」「恵比寿や広尾などはもう飽きた感を出す」。オレオレパリピ系な「唯我独尊男子」は、「#出会いに感謝 #日々成長 #俺らまだ若くね? など浅い言葉のハッシュタグをつけたがる」、学生のように飲みたがる「いくつでちゅか男子」は「飲み会を“呑み会”と書く」「やたら動画や写真を撮る。(略)‟飲み会で輝く俺”を記録」など、どれも結構男性をバカにしている印象です。

 自分アゲ剤を持っているLOVE充な読者には、これくらい引いた目線で男子を観察したほうが、おかしな男子に引っ掛からなくて済むのだろうかと、またしてもオカン的な目線で感じました。