韓国社会を蝕む“精神的貧困”が原因か……韓国で急増する“理由なき”犯罪

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2003年に起きたテグ地下鉄通り魔放火事件、192名の死亡者を出した(polinlove.tistory.comより)
 1月26日、ソウル都心部を走る地下鉄の駅構内で、包丁を持った男が暴れるという事件が起きた。乗客は全員、すぐさま隣の車両に退避。幸いにもケガ人が出ることはなく、男は事件発生から1時間20分後に警察に逮捕された。男は「人が多くて嫌気が差した」と、犯行動機を語っている。  韓国ではここ数年、同じような通り魔事件が急増している。メディアが報じたところによると、2000~09年の間、同様の事件はわずか4件だったが、10年以降にはすでに100~200件近く起きているという統計もある。  韓国では、通り魔事件のことを“ムッチマ(聞くな)犯罪”と表現する。つまり、動機が不明瞭なまま行われる犯罪、というニュアンスになる。  ちなみに今回、事件を起こしたのはホームレスだった。現在、韓国の地下鉄構内には、警備スタッフらに監視、管理されているホームレスが100人ほどいるという。事件を起こした男は、その中でも“特別”に監視されていたトラブルメーカーだったそうだ。  事件当時、男は酒に酔っ払っていたようで、自暴自棄になって犯罪を起こした可能性が高いと、メディアは書き立てている。例えば、テレビ局YTNのニュース番組に登場した韓国犯罪学研究所研究委員は、通り魔事件とホームレスの関係について次のように指摘している。 「ホームレスは、正常ではないからホームレスなのだ。そしてそのホームレスの中には、アルコールを飲んで中毒になっている人や、自暴自棄になっている人が多い」  正直、専門家の発言としては問題があると言わざるを得ない。「ホームレスは正常ではない」という言い切り方もそうだが、深刻化する格差など、その背景についてはまったく言及していない。彼ら・彼女らがなぜホームレスになったのか、なぜ貧困状態に陥り、精神的に自暴自棄になったのか、その根を絶たなければいくらホームレスを必死に監視したところで、通り魔事件を減らすことはできないだろう。  また、経済的貧困以外にも、通り魔事件の温床になっている要因がある。韓国社会に蔓延している精神的貧困だ。ここ数年、韓国では、ツバを吐いたことを注意されたり、また肩がぶつかったというようなささいな理由で凶器を振り回し、無関係な人々を傷つけた果てに逮捕される者が少なくない。キレる人間が多く生まれる背景には、貧困以外の問題も潜んでいるはずだ。  なお、なお韓国では通り魔事件以外にも、日本で言うところの「オレオレ詐欺」などもムッチマ犯罪に含まれる。共通する最大の特徴としては、被害者と加害者の社会的接点が見当たらないという点。韓国では知人を狙った詐欺などの犯罪件数が多かったが、近年急増するムッチマ犯罪は、少し異なる性質を持つようだ。  これまで“人情に厚い国”とされてきた韓国。ただ、通り魔事件が増加する状況を見る限り、その古き良き人々のつながりは、徐々に希薄になってきているようだ。 (取材・文=河鐘基)

動機は日本人への逆恨み? 2邦人死亡グアム通り魔事件 地元証言が浮き彫りにする犯人の素顔

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映画出演時のデソト容疑者
「犯人は劇団で日本人にイジメに遭っていた」  グアム島で起きた無差別殺人事件で、犯人を知るという現地在住の韓国系アメリカ人男性が「意図的に日本人を狙った犯行」と話している。  事件は12日午後10時ごろ、ショッピングセンターなどが連なる繁華街タモン地区で起こった。コンビニに突っ込んできた車に7~8名がはねられ、付近にいた観光客らが、車から降りた犯人に切りつけられた。日本人観光客で賑わう場所とあって、ちょうどツアーで訪れていた十数名の日本人が被害に遭い、うち2人が死亡(現時点)。その場ですぐに地元警察に取り押さえられた犯人は、現地在住のチャド・ライアン・デソト容疑者で、21歳の劇団員でもあった。 「地元のテレビCMにも出演していたし、『i Heart GU』という映画にも出ている」  こう話す前出の知人男性はデソト容疑者と顔見知りで、チップというニックネームで彼を呼び「一緒に食事に出かけたこともある」という。 「所属していた劇団にはグアム在住の日本人がたくさんいたけど、短期留学とかホームステイする若者が中心で、多くは金持ちの家庭で育っている。その中でチップは、彼らにバカにされて悔しい思いをすることが何度もあったと話していた。“日本人は金持ちを自慢するから嫌いだ”とハッキリ言っていたこともある」(同)  事件の目撃者からは、警察に取り押さえられたデソト容疑者が泥酔しているように見えたという話もあるが、知人男性は「普段はそこまで酔うことはない。よほど引き金になるような嫌なことがあったはずだ」とした。  ただ、所属していた劇団の関係者によると「イジメがあったことは把握していない」と否定。デソト容疑者についても「非常に明るい性格で、殺人事件を起こすような人間にはとても見えなかった」という。 「映画撮影のときは、アメリカから来た関係者を自宅アパートに泊めてあげたほどフレンドリー。ただ、しばらく会っていなかったので最近の様子は分からない」(同)  デソト容疑者がなぜ突然このような凶行に及んだかは分からない。韓国系男性のイジメ証言についても、別の関係者が今年1月、インターネットの会員制ブログに「劇団員に日本人の悪口を吹き込む韓国人がいる」という記述をしており、グアム在住者からは「日本人と韓国人が多く、両者の対立もよくある話なので、互いに攻撃し合う双方の主張は真に受けられない」という声もある。  情報が錯綜している現在だが、いずれにせよ、現場にいた観光客にとっては楽園が一転して地獄となってしまった。