サンミュージック故・相澤秀禎会長が、最期まで守り通した岡田有希子さんの“日記ノート”

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「岡田有希子 プロマイド5」
(マルベル堂)
 サンミュージックの相澤秀禎会長が逝去したことで、「永遠に謎になってしまった」とささやかれる話がある。1986年4月8日に飛び降り自殺した岡田有希子さんの死を決断させたとされる“交際相手”だ。  相澤会長に生前、何度か取材した週刊誌記者によると「当時、岡田さんには家族にも見せていない日記のようなノートが残されていて、そこには死に至った交際相手について赤裸々に綴られていたという話があり、長くその相手の名前だけでも聞かせてもらえないかとうかがっていた」という。  あるときは酒の席で相澤会長に突っ込んだが「どんなに酔っていても、その話になると『その話はやめてくれ』の一点張りで、教えてもらえなかった」という。 「でも、当時取材した芸能リポーター(故人)からは、日記自体の存在を会長が認めた話も聞きましたし、日記の最期の言葉が“さようなら”だったということも分かっています」(同)  岡田さんの自殺でこれまで取り沙汰されたのは、俳優・峰岸徹との関係だが、峰岸本人は記者会見を開いてまで「岡田さんと交際していた事実はない」と否定。記者間では「峰岸さんが誰かをかばっているのではないか」という説もあった。 「峰岸説が消えたわけではないんですが、一部記者がつかんだところでは神田正輝という話もありました。女好きの神田が松田聖子と婚約、岡田さんが自殺したのは聖子の妊娠発表直後のことで、石原プロが神田の醜聞を避けて峰岸のウワサを立てたという説。その真偽はともかく、相澤会長が当時のことは一切語りたがらないので、何かあったのは間違いないんでしょう」  こう話す記者の取材では、当時の岡田は「くちびるNetwork」などの大ヒットで人気は絶頂だったが、酒井法子ら続々と後輩のデビューがあって、将来の路線について悩んでいたとの関係者証言もあったという。 「岡田さんは学生時代、芸能界デビューを両親に説得するためにトップの成績を取ったほどの努力家。生真面目な性格なので、必要以上に悩んだことは想像に難くない。こういう臆測を解き明かすのはやはり、その日記……」(同)  長く日記が相澤会長の保管する金庫の中にあるともいわれてきたのは有名な話。事務所関係者も以前「会長がデビュー当初のアイドルを自宅に下宿させる習わしがあったり、私生活の半分は会長がじかに見てあげていた」という話を明かしていた。  それだけに、相澤会長が岡田さん自殺の真相を知っていたという見方は根強い。芸能マスコミとしてはそれを探りたいところだが「それでも最期まで秘密を守り通したんですから、ある意味、タレント事務所としてはお手本といえる姿でもあります」と記者。  そんな生前の頼れる姿があったからか、28日の通夜には数多くの元アイドルたちが涙を流しながら参列していた。

アイドル戦国時代に“正統派の遺伝子”「さんみゅ~」を投入するサンミュージックの挑戦

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まさに“清純派”というイメージ
 AKB48が圧倒的な売り上げ枚数でシーンを牽引する中、ももいろクローバーZが大旋風を巻き起こし、モーニング娘。を筆頭にBerryz工房、℃-ute、スマイレージなどハロー!プロジェクト陣はハイレベルなパフォーマンスでファンを魅了し続けている。avexからは東京女子流、SUPER☆GiRLSがキレキレのダンスで切り込み、安室奈美恵やSPEEDを育てたヴィジョン・ファクトリーはFairiesをドロップ、アイドリング!!!や恵比寿マスカッツといったテレビ番組出身グループも存在感を示している。地方に目を向ければ、SKE48(名古屋)やNMB48(大阪)などの48ファミリーは言うに及ばず、新潟のNegicco、福岡のLinQらもすこぶる元気だ。  世はまさにアイドル戦国時代。中央、地方、メジャー、インディーズの垣根を越えて、数百人、数千人の“アイドル”たちがしのぎを削り合っている。  そんな中、新たに鬨の声を挙げたのが、白いワンピースに身を包んだ9人の黒髪の少女たち「さんみゅ~」だ。名門プロダクション・サンミュージックにとってそれは、21年ぶりの新人アイドルであり、初のグループアイドルだという。今この時代に彼女たちを、岡田有希子の「くちびるNetwork」でデビューさせた意味とは。そして、戦国時代を勝ち抜くための戦略は──。同社新人開発セクションのトップを務める富岡弘明氏に話を聞いた。  * * * ──アイドルでサンミュージックといえば、やはり松田聖子さんが圧倒的な存在でした。聖子さんというアイドルは、どのように育てられたのでしょうか。 富岡氏 彼女には、これといって特別なことをやらせたわけではないんです。アイドルの魅力というのは、ルックスだったりキャラクターだったり楽曲だったり、いろいろなものがありますが、大きな比重を占めるのが声だと思うんですね。その子の声を聞いたときに、元気になれる、安らぐ、優しい気持ちになる、そういう気持ちが良くなる素晴らしい声を、松田聖子という子は持っていたんです。 ──なるほど。声、ですか。 富岡氏 加えて、抜群の歌唱力、それに楽曲の良さですね。耳に残る心に残る歌を提供できた。そこが強かったんだと思います。松田聖子というアイドルは、最初は男性ファンが圧倒的に多く、彼女が嫌いだという女の子もたくさんいました。ところが「赤いスイートピー」という曲から、女の子のファンがガッと増えて、普通のアイドルから、またひとつ上のアイドルになった。「赤いスイートピー」はユーミン(呉田軽穂名義)の曲ですが、当時の女の子の心にスッと入っていった。そういう楽曲の力というものが、すごくあったんだと思いますね。同性のファンを掴んだのは、本当に大きかった。 ──聖子さんの他にも、桜田淳子さん、岡田有希子さん、酒井法子さんなど、その時代でのトップアイドルを多く輩出している印象があります。 富岡氏 彼女たち、それぞれ魅力が違うと思うんですけど、うちのタレントに共通して言えるのは、“清潔感”でしょうか。そういう部分はすごくあった気がしますね。それと、なんといっても曲に恵まれていたこと。彼女たちも、1作ごとに歌唱力、表現力が成長していきました。ですから、こちらからコンセプトを作り上げて云々ということではない、ストレートに正攻法で勝負してきただけなんです。 ──そんなサンミュージックにとって、「さんみゅ~」は21年ぶりのアイドルということですが、それだけの期間が空いてしまったのは、どういった理由から? 富岡氏 おそらく、時代だと思います。どんどん歌番組がなくなって、バラエティが増えていって、テレビというものが、芸人のみなさんが活躍する場に変わっていった。昔は歌の前座にお笑いというものがあったんですが、ある時期から逆転していくんです。芸人のみなさんの番組に、歌手が呼んでもらうという形になる。そういったタイミングで俳優やバラエティにシフトしていったということもありますし、これという人材に巡り会えなかったというのも、またあるのかもしれません。 ──では今回「さんみゅ~」をデビューさせるにあたって、岡田有希子さんの曲を使う意図を聞かせてください。 富岡氏 まず、1980年代のアイドルの楽曲の良さというのがあります。メロディが豊富な時代なんです。ここ10年、20年メロディが軽視されているようが気がしているんですよ。どちらかというと、リズム……踊る、ということが大前提になっている。そういう中で、うちがやるからには正攻法をやらなきゃいけないだろうな、サンミュージックがやるんだから「こういう正統派のアイドルってどうですか?」という、そういうプレゼンテーションをしたいと。 sub_kuchibiru_Re.jpg ──そうして選ばれたのが「くちびるNetwork」。 富岡氏 もちろんオリジナルも作っていますし、いい曲ができていると思っています。ただ「くちびる Network」を使うというのは、この曲が、岡田有希子にとって唯一のナンバーワンヒットなんですね。この曲がヒットしているタイミングで、あのような悲劇的なことがあったということもあって、サンミュージックの中で、特に会長の相澤(秀禎氏)が有希子に対する思いをずっと持ち続けていたので、今回このプロジェクトをやっていく中で、自然発生的に、「有希子のこの曲を、1回復活させようよ」という気持ちになったのは事実です。ありがたいことに、松田聖子(Seiko名義)作詞、坂本龍一作曲という、今では到底考えられない、すごい組み合わせの楽曲ですし、幅広い層に聞いてほしいという思いもあって。岡田有希子のファンの方は、今では30代から40代になっていると思うんですよ、そうすると子どもさんがいらっしゃって、親子で「さんみゅ~」を楽しんでいただけたら嬉しいな、と思ってるんです。 ──その岡田有希子さんの曲を使うことに対して、プロジェクトの中で葛藤というか、反対意見というのもあったと思うんですが。 富岡氏 反対意見ということではないけれど、やはり慎重論はありました。岡田有希子のファンの方、今でも彼女の命日には現場にお花を持ってきてくださる方もたくさんいます。そういう方たちにとって、果たしてどうなんだろう、ということは、もちろん考えました。ただ、彼女の悲しい出来事から20年以上たち、サンミュージックがアイドルをもう一度やろうと考えた時には、この曲だろうな、という気持ちが強くなりました。 ──通常盤カップリングの「Secret Blue Memories」のメロディは、聖子さんの「天国のキッス」を思い起こさせます。オリジナル曲も、そのあたりの時代感を突いていくということでしょうか。 富岡氏 もちろんそうですね。今はロックとかラップとか、細かくジャンル分けされていますけれど、昭和30~40年代までは「歌謡曲/流行歌」というジャンルしかなかったんですよ。たとえば「○○ブルース」も「○○マンボ」も、すべて「歌謡曲」だった。ジャンル分けされていなかったんです。それがあるときからジャンル分けされてしまって、「この音楽は若者向け、この音楽は年寄り向け」という形になっていってしまった。元来、日本の大衆音楽はその時代の文化や流行を敏感に取り入れて変化してきました。特に70年代から80年代のアイドルの楽曲というのは、それが顕著で、うまく融合していると思います。たとえば洋楽の当時流行っているテイストがいろいろなところに紛れ込んでいたりする。それが、この時代の日本のポップスの良さじゃないかなと思うんです。 ──ビジュアルについても伺います。「さんみゅ~」は、全員が白いワンピースで黒髪ですが、メンバーの個性というところでは、どのように考えていますか。 富岡氏 これから、個性作りをしていかなきゃいけない部分ですね。個々の見え方というのは、やはり変わっていかなければいけない。メンバーは全国に18校ある養成所から選び、毎週末東京に呼んで特別レッスンを重ね、1年ちょっとでここまで絞ってきました。まずは踊れなくちゃいけない、歌の経験がある子もひとりもいなかったので、歌も勉強させなきゃいけない。そういう中で、去年の後半あたりから、メンバーが「自分というものを出そう」という雰囲気を出してきています。ですから、このビジュアルは成長過程だと思ってください。ただやはり、白いワンピースというのは、80年代をシンボライズしたときに、これはいいな、というのはありましたね。髪の毛に関しては、あんまり染めたりとかはしたくないと思ってます。 ──いわゆる清潔感。 富岡氏 清潔感、そうですね。髪の毛の長さに関してはそれぞれ似合う似合わないというのがあるでしょうから、それは個々で考えてやっていっていいことだろうなと考えていますよ。 ──現段階で、9人の中で誰がセンターであるといった、そういう位置付けはあるんでしょうか。 富岡氏 メンバーを取りまとめる役割として、リーダーは西園みすずという子にしています。ただ、現段階では誰がセンターというのは決めていないですね。これから、さまざまな楽曲をやっていく中で彼女たちの力が現れてくると思いますし、デビューできるだけの力を全員に付けさせるという段階は終わったので、これからです。今活躍している方々の中に入っていけば、もっとやらなければいけないということは本人たちもわかってくるはずで、それぞれの目的意識が変わってくれば成長の度合いも変わってくると思います。
──アイドル界は、AKBがもちろんトップですが、ももクロも伸びてきて、ファンの方々もさまざまなグループに目を向けるようになってきています。 富岡氏 そうはいっても、やはりAKBさんが強いですね。とんでもなく強い。 ──そういう中で「さんみゅ~」は、この戦国時代を生き抜くために、どういう勝負をしていくのでしょうか。 富岡氏 家族で見られるという親近感と、耳に残る心地よさというものは伝えていきたいな、と思っています。家族で、親と子が一緒に見られるステージって、そうないんじゃないかな、と思うんです。そのアイドルを好きな人だけが集まっている場だけではなく、ショッピングモールのイベントなんかを積極的にやりたいんですよ。家族連れが集まるところで、「さんみゅ~が今日来てるから、買い物に行こうよ」となってくれたら、と。そして、そういう方々が足を止めてくれるようなステージをお見せできると思っているんですよ。 ──たしかに、イオンの広場で「くちびるNetwork」を歌っているアイドルがいたら、親世代は見てしまいそうです。 富岡氏 今回CD化はしていませんが、「サンミュージック・アイドル・メドレー」というのも作っていて、松田聖子、早見優、桜田淳子、森田健作、太川陽介……うちの歴代アイドルの曲をメドレーにしているんです。それは、お客さんの足を止める力はあるんじゃないかなと。 ──よく分かります。 富岡氏 池袋のサンシャインシティや、去年の夏にお台場のアイドルフェスティバルに出させていただいたんですけれど、聖子の曲を歌い出したら、やっぱり人は寄ってくるんです。有希子の曲を歌ったら、淳子の曲を歌ったら、「この曲知ってる!」と言ってくれる方がたくさんいる。それは、うちだからこそできることですし、そういうところを取っ掛かりに、彼女たちを見ていってほしいと思っています。 ──では最後に伺います。たとえばAKB48は「東京ドーム公演」を目標に掲げていました。ももクロは「紅白出場」でしたが、「さんみゅ~」にとっての、とりあえずの目標を教えてください。 富岡氏 それはやっぱり、僕としては、少なくとも年末に仕事したいと思ってます。 ──1年目から。 富岡氏 それは『紅白』の場なのか、あるいは一生に一回しかチャンスがないレコード大賞の新人賞というもの、それを狙うつもりでいかなければダメだと思うんですよ。サンミュージックがやるというのは、そういうことだと思うんです。そう簡単に答えが出ないことは分かっていますが、正攻法の良さを伝えられるように一生懸命頑張ります。ぜひとも、応援してください。 (取材・文=編集部) ●さんみゅ~ アイドル創世記から数々のスーパーアイドルを輩出している名門サンミュージックから満を持してデビューする、21年振りにして初の多人数アイドルユニット。全国各地のアカデミーレッスン生からオーディション含めいくつもの試練を乗り越えてきた精鋭9名。デビュー曲は80年代に大ヒットしたカリスマアイドル岡田有希子の「くちびるNetwork」を大胆カバー。しかも作詞は松田聖子(Seiko名義)&作曲は坂本龍一という豪華作家陣に加え、当時1986年1月29日にキャニオンレコードから発売された、ちょうど27年振りに名曲が復活となる。 【イベント】 『さんみゅ~ デビュー直前記念イベント』 【日時】2013年1月19日(土) 13:00/17:00 【会場】エディオンJR尼崎駅店 (無料ミニライブ&一斉握手会) 兵庫県尼崎市潮江1-1-50 http://event.edion.jp/ 『さんみゅ~ デビューシングル発売記念イベント』 【日時】2013年1月26日(土) 15: 00~16:30 【会場】池袋サンシャインシティ 噴水広場 (無料ミニライブ&一斉握手会) http://www.sunshinecity.co.jp/sunshine/info/access_train.html