
「漫画サンデー」(実業之日本社)
1月22日号
2012年12月、足かけ24年にわたって連載された新田たつお氏の『静かなるドン』がフィナーレを迎えたばかりの「漫画サンデー」(実業之日本社)が、2013年3月をめどに廃刊することが、明らかになった。
同誌は「漫画ゴラク」(日本文芸社)、「週刊漫画タイムス」(芳文社)と並ぶ、オヤジ系漫画誌の代表格。だが、出せば出すほど赤字がかさむ中で、経営陣は苦渋の決断を迫られたようだ。
「漫画サンデー」は1959年創刊。オヤジ系漫画誌の中でも、骨太な作品を多く掲載してきた。
過去の連載作品は、手塚治虫氏の『一輝まんだら』、水木しげるの『劇画ヒットラー』、杉浦日向子の『百日紅』、畑中純の『まんだら屋の良太』など尽きない。また、かつては、つげ義春が数多くの作品を発表した雑誌でもある。しかし、近年は売れ行きが芳しくはなかったようで、2012年6月からは発行ペースを週刊から月2回へ変更していた。
廃刊の理由は、利益があがらないことに尽きるという。
「よく知られている通り、漫画雑誌は赤字分を単行本で稼ぐもの。ところが、ほかの雑誌も同じ状況でしょうが、『漫画サンデー』でも単行本がまったく売れず、赤字がかさんでいました。それでも、会社の看板であることから発行は継続していましたが、いよいよ限界が来たんです」
と、編集部の関係者は語る。
さらに、漫画家の原稿料も赤字を増やす原因になってきたという。
「『漫画サンデー』では、原稿料を漫画家としてのキャリアに応じて支払うシステムが慣例でした。初めて執筆する漫画家さんでも、それまでのキャリアが長ければ原稿料は高くなるんです。原稿料は、安い方でも『週刊少年ジャンプ』の中堅クラスの2倍程度は支払っていました。単行本で稼ぐビジネスモデルが確立している頃なら、問題はなかったのでしょうが……」(同)
しかし、単行本が売れていないとはいえ、同誌が面白くないわけでは決してない。むしろ、歯ごたえのある作品が盛りだくさんで、ライバル誌の「漫画ゴラク」や「週刊漫画タイムス」とは違う独特の色合いの作品を支持する人は多い。同誌に連載されていた『監禁探偵』(原作:我孫子武丸・作画:西崎泰正)は、2013年初夏に実写映画の公開が決まっている人気作だ。
刊行が月2回になったことなど、不安要素はあったものの「まだまだ、元気な雑誌」と思われていただけに、廃刊の報は残念でならない。
読み捨てられる媒体のイメージが強いオヤジ系漫画誌だが、実のところ少年誌・青年誌とは異なる独特のテイストは見るべきものがある。その一角が崩れてしまうことをきっかけに、ジャンル自体が縮小してしまうことも危惧される。
なお、廃刊後も実業之日本社の漫画部門は継続するが、後継誌の予定はないという。
(取材・文=昼間たかし)