最近、昔ネットで見たことがあるイイ話、もしくはその改変された話がFacebookのタイムラインに流れてくるようになった。シェアしている人は実際に感動し、その情報を発信したいという善意に基づいた行動なのだろうが、そのシェアは多くの人に眉唾でスルーされており、情弱判定を喰らっているということは覚えておきたいところだ。 この手の投稿では、飛行機やバスなどの公共交通機関でマイノリティを差別する人が現れたときに、CAや運転手がその人を懲らしめるという勧善懲悪が有名。一旦、マイノリティを落とすようなことを言いつつ、それが実際には差別する側に向けられている言葉としてカタルシスを得るのだ。その他、東日本大震災に関連するものやビジネスの教訓なども見かけるが、このほとんどは創作だ。本当によくできている話が多く、改変に当たり、さらにブラッシュアップされていることもある。 ネタ話として読むならもちろん問題はないが、情弱はリアルに起きていることとして捉えてしまうのだ。シェアの際に「私も見習いたいです」「世の中捨てたもんじゃない」といったコメントが書かれている場合が多いが、実話だと勘違いしているなら痛いだけ。さらに、それを指摘すれば「創作でもいい話なんだからいいんだ」と自己防衛を張る。そのため、ほとんどの人はスルーするだけ。「いいね!」がついていても、それは機械的に片っ端から押す人がいるだけで、共感を得ているわけではない。 大本の投稿者は、「いいね!」やシェア数を集められてホクホクだ。単に自己顕示欲を満たしたいというだけなら被害はないが、投稿者への「いいね!」やフォローへ誘導しているケースも多い。それによって、多人数への影響力を強めようとしているのだ。実際、コピペを疑うことなく、感動して人に押しつける人たちの集合体がフォローしているなら、確かに影響力は大きいといえる。ネットの中での立場を強くするためには効率のいい手法だし、たくましいとも思う。しかし、皆さんには、そんな道具になってほしくない。ネットの情報はきちんと判断し、収集する必要がある。投稿を拡散する際には、その情報が自分を判断する基準とされるということを肝に銘じたいところだ。 (文=柳谷智宣)Facebookより
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情弱飲食店が引っかかって阿鼻叫喚 店側も客側も得をしない“焼き畑”スタイルのクーポンビジネス
時々、クーポンサービスを利用した飲食店がSNSや掲示板で大炎上することがある。クーポンサービスとは、50%以上などの割引クーポンをネット上で販売し、購入ユーザーが一定数を超えた場合のみ成立するというもの。代表的なサービスとしては、「グルーポン」や「シェアリー」などがある。店側にとっては、ネットの強力な販促力により、自分だけではアプローチできない顧客層にクーポンを販売できるという魅力があり、新規顧客獲得の手段としては非常に効率がいいと言える。ユーザーは、もちろん通常時の半額以下で飲み食いできるというメリットがある。 一見、いいことずくめに思えるが、なぜトラブルが起きるのだろうか? まずは、価格設定のからくりを見てみよう。例えば、いつも2000円で出している商品を50%割引で出す場合、ユーザーが支払うのは1000円となる。そして、これを店側とクーポンサービス側で山分けするのだ。だいたい半分ずつというところが多い。つまり、店側の手取りは500円。一般的な原価率は3割なので、100円ほどの赤字が出てしまう。そこでよく見られるのが、普段とちょっと違う商品を用意し、ほんの一時期だけ倍の値段で売る二重価格手法。その実績があれば、50%割り引いて、いつも通りの価格になる。売り上げを半分持っていかれても、わずかながら黒字が出るという寸法だ。ただし、相当うまくやらない限りこの手はバレることが多く、炎上の燃料になる。 次に、クーポンを発行する枚数が問題になる。500~1000枚程度のケースが多いが、それでも個人店なら大変な枚数だ。有効期限が半年あるからといって、1日3~6人の上乗せと考えるなら相当情弱だ。購入したユーザーは当然、自分の都合のいい日時に食べに行くに決まっている。それは、一般客の動きと連動している。つまり、ただでさえ忙しい日にクーポン客が押し寄せることになり、その結果、常連客は入れないということも起きる。さらに、クーポン客のメニューは利益が薄い、もしくは赤字なので資金繰りが厳しくなる。満席状態に慣れていない店なら、サービスや味のクオリティが落ちることもある。それがあまりにひどい状態だと、炎上が始まる。ここに至り、店側は悲鳴を上げる。 店側が売却済みのクーポンを中止したこともある。クーポンはプリンタで印刷して持って行くのだが、コピーするのは簡単で、この偽造クーポンを多数使われてしまったためだ。テイクアウトをしているお店では、会計ごとにチェックするのが難しく、悩ましいところ。さらに、店側はブログで資金繰りが苦しくなったとも告白している。この場合は、店が被害者であることが明白なので、それほど大きな炎上にはならなかった。 大炎上するのは、店側がユーザーにひどい対応を取った場合。クーポン客に対して冷たい対応を取ったり、あからさまに手を抜いた料理を出したりしたら最悪だ。さらに、Twitterで「クーポン客は来ないでくれ」といった内容を投稿した店もある。ユーザーは正規のルートでお金を払ってわざわざ来店しているのに、暴言を吐かれようものなら怒り心頭になるのも当然だ。 とはいえ、新規顧客は獲得できているではないか、という見方もある。確かに新規の客ではあるが、リピーターになるかどうかは別問題。サービスレベルが低下した状態では、客はまた来たいとは思わないはず。また、サイゼリヤの創業者である正垣泰彦氏は「激安セールで集めた客は常連にならない」と言っている。価格を戻した瞬間に、来なくなるというのだ。確かに、クーポンを利用する人は、割り引きしている店だけを渡り歩くケースが多い。 このようなことがあると、店側も大ダメージを受け、ユーザーも不快な思いをする。儲けるのはクーポンサービスだけという結果になる。クーポンを利用した店が「二度とクーポンサービスはしない」とSNSなどで宣言することも多く、まるで焼き畑農業のような状態だ。とはいえ、飲食店は全国に70万軒ある。情報に疎い経営者を見つけるのは難しくないだろう。 結局、個人店でクーポンビジネスを利用するなら、発行枚数は身の丈に合ったレベルに抑える必要がある。クーポンサービスの営業は、枚数が多いほど売り上げが立つので増やそうとするが、乗ってしまうと経営が傾きかねない。また、価格設定もできるだけ正直にあるべきだ。個人店を経営していると、忙しい日々を送っているため、世間の情報に疎くなりがちだが、半面、客側はインターネットを介して、それまでのメニューを調べることなど朝飯前なのだ。 ユーザーとしても、混み合う時間帯を避けるようにするといいだろう。店への気遣いというより、自分へのサービスを向上させるためだ。さすがに店がガラガラなら、イラつかれることもないだろう。さらに上級者は、メニューが二重価格表示からの割引になっていないか、店のキャパシティオーバーになっていないか、などをチェックしたいところだ。 (文=柳谷智宣)イメージ画像
「1億円あげるのでもらってください」巧妙な誘導で現金を巻き上げる、ネットの罠に注意!
昔から詐欺メールはあるものの、最近のニュースを見ると、なんで引っかかったのか不思議な事件が目に付く。自分だけは詐欺に遭わないと思っている人でも意外と引っかかってしまう、巧妙な手口を紹介しよう。 2010年に「1億円あげます」とYouTubeに動画をアップした人が現れた。余命が短く、身内もいないのでもらってくれという内容だ。連絡を取るべく書き込まれたURLを開くと、有料のSNSに誘導される。1億円の受け渡しなどについてメッセージをやりとりすることで、課金が発生するという仕組みだ。この罠のポイントは、「1億円あげます」と言っている人がお金を要求していないという点。もし、「手付け金をください」とか「抵当を外すので一度入金お願いします」とか言われれば、多くの人が手を引いたはず。しかし、第三者に見えるSNSが仕掛けたためカラクリに気がつかず、課金してしまったのだ。その被害者は、2年間で約2000人。被害総額は1億9000万円で、最大1000万円支払った人もいた。ある程度課金した人が、ココまで来たら1億円をゲットしないと損をしてしまうという状況にハメ込まれたというのも、被害総額が膨らんだ理由だ。ちなみにこのパターン、「遺産をもらってほしい」とか「若い男性に投資したい」など、さまざまなバリエーションが存在する。 「ロト6の攻略法を教えます」という手口も目にすることが増えた。まずは、第1段階で入会金をせしめる。これは1万円前後と小さい金額なので、もしやと思い支払ってしまう人もいる。その後、メールや電話でコンタクトを取り、ロト6の攻略情報を伝えるのだ。そのキモは、ロト6の当せん番号は作為的に選ばれており、確実に当てられる仕組みがあるというもの。その言い分を信じさせるためのテクニックが2つある。1つは、1等は当てられないが、2等は当てられるというもの。あえてできないことを言い、もっともらしく見せている。さらに、当たった金額の半額を戻してもらうように約束させること。すると、当たることは当たるのかな? と思ってしまう人が出てくるのだ。もう1つが、過去の八百長抽選の証拠を見せる手法。もちろん、八百長などは行われていないのだが、ロト6は数百回も行われているので、こじつけられる数字を見つけられることもある。例えば、「第○回の数字を全部2倍してください。それで10回後の第○回の数字を見てください。全部同じですね?」といった具合だ。ロト6の過去の当せん番号を公開しているページを見て、すわ! と思ってしまうのだ。 心理的な誘導方法は日々進化して、多様化している。そもそも、そんなオイシイ話が転がっているわけがない、と自分を強く持っていないと、誰もがネットの罠にはまってしまう可能性がある。自分だけは平気とタカをくくらず、詐欺かも? と疑うようにしたほうが被害に遭う可能性を減らせるので、日頃から注意を怠らないようにしていただきたい。 (文=柳谷智宣)イメージ画像
マイクロソフト製セキュリティソフトに問題あり? 「Microsoft Security Essentials」がウィルステストに不合格

日本マイクロソフト
ドイツのセキュリティ研究所「AV-Test」は毎年、セキュリティソフトのテストを行っている。このテストでマイクロソフトのセキュリティソフト「Security Essentials」が認定を取得できなかったのだ。
「Security Essentials」はWindows XP/Vista/7向けに無料で公開されているセキュリティソフトで、ウィルスやマルウェアを検出・除去するためのツール。Windows 8には標準機能としてWindows Defenderに組み込まれている。それまでは、有料のセキュリティソフトを購入するのが当たり前だったのだが、Windowsを開発しているメーカーが無料で公開したため、人気を集めていた。
「AV-Test」は一般的なマルウェアの検出に加え、ここ2~3カ月で見つかったマルウェアの検出率やゼロデイアタックの防御率などもテストしている。ゼロデイアタックとはOSやアプリケーションの脆弱性を突き、対策がなされる前に攻撃する手法のこと。「Security Essentials」はゼロデイアタックの防御率が64%、最近のマルウェアの検出率は90%にとどまった。ライバルの平均値はそれぞれ89%、97%となっている。
この結果に対し、マイクロソフトマルウェアプロテクションセンターのプログラムマネージャであるジョー・ブラックバードはネットで反論。検出できなかったマルウェアのサンプルのうち、94%は顧客のPCに影響を与えなかったという。マイクロソフトは、それまでのプロダクツを使っていた20万のユーザーのフィードバックを分析し、優先してブロックする機能を与えている。要は、ほとんどの場合、大丈夫ですと言っているのだ。しかし、0.0033%は被害を受けることも明らかにしている。100万人につき33人とはいえ、膨大な人たちが使っているセキュリティソフトなので不安であることは確かだ。マイクロソフトは、反論はしたものの、改良することも明言している。次のテストは「AV-Test」の認定を取得できることだろう。
万全を期すなら、それまでは他のセキュリティソリューションを導入した方が安心できる。シマンテックやトレンドマイクロなどの製品は認定を取得している。どうしても無料で使いたいなら、「Avast: Free AntiVirus 7.0」や「AVG: Anti-Virus Free Edition 2012 & 2013」を利用しよう。
(文=柳谷智宣)
「ネトウヨ」なんて存在しない!? マスコミの“勘違いスパイラル”に惑わされるな!

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「ネトウヨ」という言葉の認知度が上がっている。「ネット右翼」のことで、匿名掲示板の「2ちゃんねる」などで、エセ右翼的な投稿を連発している人たちを指す。有名人やマスコミは、“ネトウヨがネット上で暴れており、手が付けられない”といった論調の発言をすることが多い。
ネトウヨのイメージは、2ちゃんねるが大好きで、オタクで、現実社会とのコミュニケーションが取れない人たち、といったところだろうか。「年収200万円以下の下層」とさえ言う人もいる。実際、これらのイメージは大きく間違っている。ネットの流れは、世間一般の流れと、それほど乖離しているわけではないのだ。
SNSの普及を皮切りに、一般の人がネットに書き込むことは当たり前になっている。ユーザーは、学生から社会人、社長から自営業者まで、まちまちなのだ。悪名高い2ちゃんねるも、盛り上がったスレッドを編集した「まとめサイト」のおかげで広く使われるようになった。Facebookと同レベルのユーザー数がいるというウワサもある上、女性のユーザーも増えている。ごく一部がネトウヨとしてくくっているような勢力は、実は普通の人たちなのだ。
先日の衆議院総選挙の前、ネットで安倍晋三氏を援護する声が高まった。そのため、ネトウヨを味方に付けた自民党は負ける、という意見がマスコミ側から出た。結果はご存じの通り、自民党の圧勝。ネットの流れと同じ結果が出ている。
もちろん、ネトウヨの定義にぴったりの手が付けられない輩もいる。思考停止状態で、聞くに堪えない幼稚な持論を連発。仕事をせずに、掲示板に張り付いている。とはいえ、それはごく一部で、こういう人たちが存在するのは現実社会でも一緒だ。関わりを持たなければいいだけ。掲示板なら、NG設定にして表示しなければいい。
ネットの流れが正解とか、ネットユーザーのほうが賢いというつもりもない。現実社会の世間とまったく同じなのだ。わかりやすいネタがあれば飛びつくし、自分の意見をゴリ押ししようとする人もいる。これは、テレビの内容を鵜呑みにする人やマスメディア側が世論を誘導しようとするのとまったく一緒。ただし、従来はマスメディアで簡単に誘導できた世論が、なかなか思い通りに動かないということはあるだろう。ネットでも眉をひそめるような投稿を見かけるが、そんな意見はスルーされ、消えることが多い。もちろん、ねつ造やデマも多いが、テレビや新聞も同レベルだ。
つまり、ネトウヨは存在するが、それは現実社会でエセ右翼がいるのと同じ。ネットの流れにレッテルを貼っても、それは問題から目を背けていることにしかならない。自分を攻撃する相手を貶めたいというのは理解できるが、意見を提示したいならもっとうまいやり方がいくらでもある。ネトウヨ叩き発言をして反発を呼び、勉強不足と見下してさらに反発を煽るのは賢くない。マスコミの世論誘導技術は芸術の域にあるが、すでに20代ではテレビよりネットを使っている時間のほうが多い。自分の意見を世間に提示したいなら、ネトウヨを民意と読み替えるほうが、失敗する確率を抑えることができるというわけだ。
(文=柳谷智宣)
◆「賢いネットの歩き方」過去記事はこちらから
依存症にご用心! 電話やメールの着信をうっとうしく感じたら“デジタルデトックス”

いまや多くの人がスマホを持ち、電話やメールだけでなく、TwitterやFacebookといったSNSから無料コミュニケーションアプリのLINEなど、さまざまなツールを使いこなしている。ビジネスもプライベートも関係なく、四六時中オンラインになっているのが当たり前の状況だ。地下鉄内で数分圏外になるだけでもイライラし、中には電波の届かない地下のお店などには入らないようにしている人もいるだろう。ここまでは利便性ととらえることもできるが、電話やメールの着信をうっとうしく感じてきたら要注意。完全にデジタル中毒の症状だ。受信するのが気が重く、友人からだとほっとするようだとちょっと危険。心が弱り始めている兆候なので、早めの対処が必要だ。
そこで、お勧めするのが「デジタルデトックス」。これは“デジタル中毒を解毒する”というアメリカから広まり始めたムーブメントで、デジタル機器を家に置いて出かける数泊の旅行プランが人気を集めている。ホテルによっては、チェックインの時にスマホを預けると割引サービスを受けられるところも。デジタル疲れは日本でも同じ、いや、もっとひどいかもしれない。
とはいえ、いきなり旅行というのもハードルが高い。そこで、プチデジタルデトックスから始めてみよう。まずは、休日に電子機器を一切触らないようにする。テレビやビデオもやめて、読書なり散歩なりをしてみよう。食事中に手持ちぶさたになるなら、それは禁断症状。周囲に目を移し、最近見ていないものに注意を向けよう。家族や友人、恋人との会話にも集中できるし、邪魔するものもない。半日だけでも、ずいぶんと心が軽くなるのがわかるはず。できれば、オフの時はずっとデジタルから離れるのも悪くない。
ビジネスに関する緊急の用事が飛び込んでくる可能性があるなら、完全に離れるのは難しいかもしれない。しかし、オフの間は連絡が取りにくくなると事前に連絡しておけば、ほとんど大丈夫。それでも不安なら、上司だけに自宅やホテルの連絡先を教えておけばいい。本当の緊急時にコンタクトが取れるなら問題ないはずだ。チャレンジすればわかるが、ほとんど杞憂。デジタルデトックスから復帰し、メールを見ても特に何も起きていないのが普通だ。
いきなり断ち切るのが難しいなら、デジタルダイエットから始めてもいい。メールはリアルタイムにチェックし、数分おきにTwitterに投稿。移動すれば、foursquareにチェックインする。食事はInstagramで撮影して、複数のSNSに投稿。読書や映画はFacebookに感想を載せるために鑑賞する……というのはやりすぎ。利用するウェブサービスを集約し、不要なサービスは解約してしまおう。今まで複数のアプリを切り替えていたのが、バカらしくなるほど平穏な気持ちになること請け合い。スマホをいじっている時間を減らせるはずだ。
いまやデジタルは意識して利用を制限しないと、体や心を蝕むレベルまで生活に浸透している。デジタルデトックスを活用して、リフレッシュすることをお勧めする。
(文=柳谷智宣)
格付け大幅ダウンのシャープに、大手IT企業が救いの手をさしのべる?

シャープ株式会社
2012年9月15日、シャープは創業100周年を迎えた。しかし、同社はそれどころではない状態に追い込まれている。今年に入って、日本の電機関連企業が軒並み業績をダウンさせている。中でもシャープは、2012年3月の決算で3760億円の最終赤字を出し、今年の第1四半期の連結決算でも1300億円レベルの赤字を出した。工場の稼働率は大幅ダウンし、追加のリストラを遂行中だ。
なぜこのような事態に陥ったのか。それは、液晶ディスプレイの特需に依存しきったためだ。アナログ停波から地デジへの移行と、エコポイントにより、2008年までは絶好調の売り上げを誇った。売上高は3兆円を超え、純利益も1000億円以上。だが、買い換えが一段落したら、テレビがまったく売れなくなるのは当たり前。3Dやら高解像度は一般需要ではない。しかし、液晶工場への投資を続け、一気に破綻。リーマンショックを機に、転落が始まる。
100周年を迎える少し前、シャープが取引をしている主要銀行は、シャープの全事業所の土地と建物に対して担保を設定した。これは異例のことで、続けて、今冬と来夏のボーナスを50%カットし、給与のカットも発表。必死の努力が続いている。
どちらにしてもお金が足りない。そこで、シャープは台湾の鴻海精密工業との提携を発表した。同社は世界最大の電子機器受諾生産会社で、シャープの新株を引き受ける内容だった。しかし、業績悪化に加えて、世界中のヘッジファンドの空売りを受けて、株価は暴落。鴻海も、合意した内容で手を出しにくくなり、交渉は難航。シャープの奥田隆司社長が言うように、「一刻の猶予も許されない」状況になった。
そんな中、9月ごろ半導体大手のインテルが出資するというウワサが立ったが、シャープは「そうした事実はありません」と回答。しかし、11月にもインテルや通信技術大手のクアルコムが出資すると新聞で報じられると、「決定した事実はありません」と交渉はしている回答に変わった。さらに、アップルやグーグル、マイクロソフトといったIT界の巨人たちとも業務提携の交渉をスタート。PC大手のデルも出資したい意向を示している。
当たり前だが、人情話ではない。これはシャープの技術力を高く評価しているため。シャープは4月にIGZO液晶パネルの実用化を発表し、スマホやディスプレイを続々と市場に投入している。IGZO液晶は従来の液晶に比べて、明るく低消費電力で、高解像度化が可能。この技術力を欲しがっているのだ。世界最高変換効率を誇る太陽電池技術もポイントが高い。筆者としては、国内で技術を守ってほしいところだが、存亡がかかっていればそうもいかないのかもしれない。
どちらにせよ、とことん地に落ちたシャープだが、すぐにつぶれるということはなさそうだ。スマホやテレビを購入しても、サポートに問題はない。逆に、シャープファンなら買い支えてあげたいところだ。
「直接取引や返品詐欺に注意!」手を変え品を変え進化する、オークション詐欺の手口

Yahoo!オークション
昨今、大人気のネットオークション。「Yahoo!オークション」には現在、2000万件を超える出品があり、多数のユーザーが利用している。一般的な中古ショップやリサイクルショップで買い取ってもらえない商品でも、オークションなら意外な値が付くことがあったり、発売が終わっている商品やそのパーツなどを探すときにも重宝する。しかし、人とカネが集まれば、当然よからぬ輩も集まってくる。
オークション詐欺は黎明期から問題になっていたが、手を変え品を変え、今でも頻繁に起きている。被害に遭わないためにも、オークション詐欺の手口を把握しておくことは大切だ。
一番多いのが、つり上げ詐欺。スタート価格を安く設定し、誰かが入札してきたら、出品者が別のIDで入札して価格をつり上げる方式だ。細かく上乗せして、その人が出せる限界まで価格を上げる。このIDが商品を落札してしまったらキャンセルし、「1番の人がキャンセルしたので、あなたに権利が移りました」と連絡するのだ。喜んで購入してしまう人がいるが、これはれっきとした詐欺行為だ。対策としては、別IDのアカウントをチェックし、落札件数や評価などをチェックすると効果的。とはいえ、今では別IDの履歴まで偽造して良好に見せる輩がいるので、1番がキャンセルしたと連絡が来ても無視するのがベストだ。
商品を誤解させるような詐欺もはやっている。ブランド品の写真を掲載して出品し、落札者にその商品の写真を送るというものだ。よく出品ページを読むと、商品そのものを送るとは書かれておらず、「説明を十分把握した上で入札して下さい」などという注意書きまである。これは、注意深く見れば判別しやすい。また、ブランド品の場合、明らかに相場より安いなら注意が必要。オイシイ話はそう転がっていないものだ。同様に、写真ではなく、偽物を送るケースも多い。この場合は、落札者が偽物だとわかっていて取引していることも多く、評価がよかったりするのも困りものだ。こちらも、相場より大幅に安いために見分けが付く。
商品がなかったり、そもそも発送するつもりがないのに出品し、代金をだまし取るケースもある。多人数からの入金を待つために、可能な限り発送を遅らせようとする。チケット詐欺の場合は、偽造チケットを送付して時間稼ぎをすることもある。最近のオークションサイトは、出品者の身元確認をするサービスが多いので、このような露骨な犯罪は起きにくい。しかし、ソーシャルハッキングで他人のIDを乗っ取り、入金だけは自分の口座に振り込ませるという事例が散見されている。出品者の名前とことなる名義の口座に振り込ませようとしているなら要注意だ。
入札のコメント欄や、落札後のやりとりで、直接取引を持ち掛けることも多い。匿名取引ができるエスクローサービスや代引きサービスなどを使いたくないため、直接振り込ませたいからだ。この時の常套文句は、「すぐに振り込んでくれるなら10%値引きします」というもの。「即発送します」「粗品を付けます」といった手口もある。直接取引は無視する。そもそも、そんな提案が来た時点で、入札からは手を引くべきだろう。また、直接取引を持ち掛ける際、簡単な英語を使うことがある。なぜか、英語だと簡単に引っかかってしまう人がいるが、こちらも同様に無視するといいだろう。
反対に、落札者が出品者を詐欺にかけることもある。商品を先送りしてもらい、代金を振り込まないというものだ。これは、先払いしてもらえばいいだけ。悪質なのは返品詐欺だ。普通に入金して商品を受け取り、その後、破損していたり故障していると難癖を付けて返品する。その際、別の商品を送付するのだ。例えば、自分のスマホを落として壊した場合、同じ製品を落札して、壊れた製品を送り返すのだ。これを防ぐためには、出品物のシリアルナンバーなどをしっかり控えておく必要がある。また、DVDビデオやソフトウェアなどのコンテンツの場合、商品をコピーしてから傷を付けて送り返して返金を要求する手口もある。これも、出品時にきっちり撮影して証拠を残し、トラブルがあったらオークションサイトに連絡するといいだろう。
詐欺に遭うと、いろいろな手続きをしなければならず、とても疲労する。保証サービスがあっても100%返ってくるわけでもないし、時間もかかる。自分の目を鍛え、詐欺に遭わないようにしよう。
(文=柳谷智宣)


