投げ売り、無断で送りつけ…“暴走”楽天koboは今が買い時?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ドコモ幹部「iPhone導入を考えざるを得ない」 離婚で財産分与・慰謝料・養育費を不払いにする簡単な方法? ゴン、大谷、ガンバ大阪に学ぶビジネス処世術 ■特にオススメ記事はこちら! 投げ売り、無断で送りつけ…“暴走”楽天koboは今が買い時? - Business Journal(12月7日)
koboを販売する楽天のHPより
「楽天のkoboが暴走している」との声が、IT業界関係者の間で広がっている。  最初に大きくぶち上げた「日本語書籍3万冊」という目標に、遠く及ばない状態でスタートしたが、ついに改めて消費者庁に問題視され、行政指導を受けたのが10月26日。同社はこれを受けて「指導を真摯に受け止めるとともに、ご迷惑をお掛けしましたお客様、関係者の皆様に対しまして、お詫び申し上げます」という発表を行った。  このお詫びの文書によると「サービス開始当初は、19,164冊でありました」となっている。しかし発売当時の記事を見ると、もっと少ない数字を出しているものもあった。しかもその時点で、誰でもPCがあれば無料で読める「青空文庫」が1万冊強を占めていたというのだから、スタート時の裏切られた感は、期待していた人ほど大きかっただろう。  その後はWikipediaの人名の項を1人分1冊として書籍化してみたり、写真1枚で作られた作品を日本語書籍1冊としてみたり、ギター向け楽譜を日本語書籍1冊と数えてみたりと、迷走を続けている。  もうkoboへのつっこみには飽きてしまった人が多いのか、話題に上らなくなった頃に登場した行政指導の話題は、再びkoboに対する悪印象を強くした感がある。 ●突然やってくるkobo  行政指導の話題が出る直前の24日、koboはもう1つの話題を振りまいていた。注文もしていないのに、一方的に送りつけられてくるという話がツイッターなどを中心に広まったのだ。  おりしも、アマゾンがKindleの日本発売を発表したのと同日。電子書籍好きの人々の目が一気にKindleへ向かった時、飛び込んできた謎の話題だった。  当初は、何か自分でプレゼントキャンペーンに応募したのを忘れたのではないか、というような指摘もあった。実際楽天は楽天銀行の400万口座開設記念でkoboを抽選でプレゼントしていたし、楽天スーパーWiFiに登録するとポイントかkoboを選んでもらえたりもしていた。「どこかからぽろりともらえた」ということが、いかにもありそうな状況ではあったのだ。  しかし実際は、楽天のクレジットカードにプレミアム会員として申し込んだ場合のプレゼントだったらしい。事前告知はなかったため、もらった人にとっては本当に心当たりのないプレゼントだったわけだ。なお、今後プレミアムカードに登録してもkoboがもらえるとは限らないという●空回りで商品価値を自ら下げた楽天  プレゼントにしても、無断で送りつけるのはどうなのかという話もある。一時期流行した送りつけ詐欺のようだと怖がる声もあった。しかしこの一連の流れで、楽天がやらかしたのは「カード会員を驚かせた」ということだけではない。koboという製品の価値を自ら下げているように見える。  まず、送りつけ作戦が展開される前のプレゼントの設定がまずい。楽天スーパーWiFi登録でもらえるのは「楽天スーパーポイント5000ポイントかkobo」だった。ポイントが1ポイント1円換算で買い物に利用できることを考えると、要するに「5000円かkobo」という選択だったことになる。7980円の価値はない、と楽天自ら言ったようなものだ。  そして送りつけによって「タダでばらまくようなもの」という印象もつけてしまった。電子書籍の場合、実体のないコンテンツを販売するため、在庫管理や流通コストがかからない。端末をタダ同然で配布してサービスを使わせて収益をあげるというスタイルは、過去にもさまざまな分野で存在したが、このばらまき方には疑問の声が多く上がった。  また、この流れの中で、koboに目をつけて初期に定価で購入してくれたユーザーが不愉快になっていることも想像できる。発売されて何年もたっている端末ならばともかく、わずか数カ月でばらまき用にされてしまったのだから、気分がよいはずもない。  11月1日には新たな端末として「koboglo」と「kobomini」も発表された。ハードウェアとしてはすでに海外で販売されているもののローカライズであり、発売が2013年7月とかなり先であることもあり、一般ユーザーの関心度はあまり高くないようだ。しかし、これも一部関心を持っているユーザーにしてみれば数カ月で新端末が出ることが確約されたわけで、すでに現行モデルが型落ちのように見えてしまう。  どうも空回りしている動きと、三木谷氏の各種発言、コンテンツ数まわりの裏切りともいえる状況を考え合わせると、koboへの印象は悪くなりがちだ。とてもKindleを迎え撃つという状態にはない。 ●ある意味チャンス? 割り切ってkoboユーザーになれ!  しかしこの状況は、割り切れる人にとってはよいかもしれない。なぜならkoboという端末そのものはけっして悪いものではないからだ。すでに海外で十分な実績を持っている。安価な端末だけに何もかもに行き届いているというつくりではないが、「E-ink端末を使った読書」という目的は十分に達成できるモデルだ。  一連の騒動で、koboの商品価値は下がっている。今後いろいろなシーンで値下げ販売やプレゼントキャンペーンが行われるだろう。すでに欲しいと手をあげた人にではなく、一律に送りつけてしまったことで、そのままオークションで転売する人が続出している。しかも投げ売りだ。定価に遠く満たない値付けで出品され、あまり入札もされていない傾向がある。安価なE-ink端末としては狙い目だ。  楽天のサービスは使わず、koboというハードウェアを使う。自炊等に興味があってコンテンツサービスはいらないと割り切れるのならば、なかなかよい買い物ができるかもしれない。 (文=エースラッシュ) ■おすすめ記事 ドコモ幹部「iPhone導入を考えざるを得ない」 離婚で財産分与・慰謝料・養育費を不払いにする簡単な方法? ゴン、大谷、ガンバ大阪に学ぶビジネス処世術 キンドル上陸で追い込まれた楽天が自暴自棄 koboを投げ売り! Kindleにあって、koboやNexus7にない期待感

電子書籍の販売数はふた桁増! キンドル販売を阻む”契約問題”とkoboへ吹く大手版元の逆風

【サイゾーpremium】より ──電子書籍元年!……といわれてはや数年。実際には電子書籍はいまだ普及しておらず、それらを読む端末も浸透していない状態だ。電子書籍が今後、一般層に浸透することは間違いない中で、アマゾンやグーグルなどの外資系企業や日本の出版社などが、その主導権を握るべく争いを繰り広げている現状を追った。
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とりあえず角川さえ押さえておけば、
オタク層は取り込める!?
「スマートフォンの普及率も20%を超え、日本ではモバイル革命が予測より早く起きている。特に、日本のスマホユーザーはショッピングに使う人が75%と世界で最も高い。これは大きな成長要因になる」  9月25日、独自のタブレット型端末「Nexus(ネクサス)7」を引っ提げて、日本市場に殴り込みをかけたグーグルのエリック・シュミット会長は、発表会見の席で日本市場への期待感をそう表した。アメリカ本国では、すでに提供されている端末とサービスだが、同日付で、電子書籍販売サイト「グーグル・プレイブックス」を、日本市場向けに開設した。だが、ここに至るまでには、紆余曲折があったようだ。ある出版社の社員は語る。 「グーグルから(Nexus 7の発売の)1カ月前に突然、電子書籍と端末の販売を開始すると聞かされ、『書籍を電書化してほしい』と依頼されて急いで用意した。同社は、2年前の東京国際ブックフェアで、2011年春にも電子書籍サービスを開始すると発表していたが、それから1年以上も遅れての発売となった。その間にもやり取りはあったが、グーグルと電子書籍の販売契約をしたのは1年くらい前。紀伊國屋書店やTSUTAYAのシステムと連動するという話も挙がっていたが、すべて立ち消えた」  それでも、このタイミングに参入したのは「6月にアマゾンが『キンドル日本語版』を”近日中”に発売するとの発表に対し、少しでも先にサービスインして、市場を占有したいという思惑からだろう」(出版社社員)と話す。  次代のメディアを担う存在として、海外における電子書籍市場の覇権争いが繰り広げられる中、日本でもやはり、アマゾン・キンドルへの注目度は高い。ある出版社関係者は「楽天のkoboやグーグルへの期待値を5とすると、アマゾンへのそれは10以上。その要因は、アマゾンが紙の書籍の販売で各出版社のシェアナンバーワンECサイトとなったこと。これだけ紙の本が売れるサイトで電子書籍を販売すれば、相当売れるのではないか」と、期待の高さを話す。  一方、アマゾンに先んじたいという思惑があるにもかかわらず、グーグルが参入に、これだけの歳月がかかったのはなぜか。実は、その理由のひとつが、「グーグル・プレイブックス」の作品ラインアップから見えてくる。同サービスでは、世界の4万8000社・400万点の電子書籍作品が購入できると謳うが、そのうちの日本語の作品数については公表できていない。なぜなら、同社のサイトには講談社、小学館、集英社などの大手や文芸系出版社の作品が見当たらず、圧倒的に少ないからだ。 「グーグルが発表している作品提供出版社は、角川グループ、PHP研究所、ダイヤモンド社、東洋経済新報社、主婦の友社など。最も売れるはずの大手出版社の名前はない。電子書籍の販売に関しては、取次を介さず大手・老舗出版社と直接販売契約を結ぶのが通例となっているが、大手出版社は、外資系企業であるいわゆるGAFMA(ガフマ:グーグル、アマゾン、フェイスブック、マイクロソフト、アップルの総称)と、直接契約を結ぶことについて警戒している。特に販売価格の決定権をめぐって、契約書の内容を再三に渡り見直しているようだ。アマゾンの上陸が延期されている理由も、日本の大手・老舗版元の作品がなかなか揃わないためだろう」(電子書籍関係者)  講談社・野間省伸社長も、今年の東京国際ブックフェアで「欧米の出版社でもこの5社は、共に事業を行うパートナーでありながらも競合する関係であるとして、出版業界の脅威ととらえている」と、ガフマとの契約締結について懸念を示しており、ほかの大手出版社からも同様の声は上がっている。 ■アップルの姿勢に対し、大手出版が取引を警戒  なぜ日本の大手出版社は、新しいビジネスチャンスであるはずのガフマとの契約を警戒するのか。それには次のような経緯がある。
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都内の某電気店。電書コーナーはどこもスペース
が小さく、取り扱いメーカーも少ない。本当にニ
ーズあるの?
 まず、10年5月に日本で発売されたアップル「iPad」のヒットを契機に、出版社は矢継ぎ早に電子書籍のアプリを提供し始めた。講談社や小学館も積極的にコミック作品などを提供し、アップストアは『最も電子書籍が売れる電子書店』との称号も得た。出版社は、こぞってアップルと直接販売契約を結び始めたのだが、雨後の筍のように湧いて出てくるアプリの許可申請に、アップルが業を煮やしたのか、10年7月に書籍の単独アプリによる登録がいきなり禁止となった。いわゆる電子書店アプリ(「紀伊國屋書店Kinoppy」など、複数の書籍を取り扱うアプリ)での申請でなければ却下されてしまうのだ。  加えて、アダルト関連コンテンツを排除したいアップルは、電子書籍の検閲も開始。下着の一部が見える女性や水着姿などの絵図がリジェクトされるようになった。こうした一方的な姿勢に、出版社内部では疑問の声が上がり始めた。  さらに、アップルへの不信を高めたのは、海外で日本の出版物の海賊版がアプリ化され、それをアップルが登録・販売していた事件である。村上春樹の『1Q84』(新潮社)、東野圭吾の『白夜行』(集英社)など、大御所の作品が次々とアップストアで販売されている事が発覚。10年12月、出版界は業界4団体の名でアップルに対して、アプリの削除とともに海賊版対策を講じるべきと抗議した。だが、アップル側の反応はかたくなで、権利侵害が明白であるにもかかわらず要請をしてもなかなか削除しなかったうえ、海賊版の対策のための、登録申請の審査基準も非公表のまま。こんな、日本とは異なるビジネス風土に、出版社は不信感を募らせていった。  一方、ガフマが日本の出版社との契約締結に苦労している間に、国内市場での覇権を握ろうとしているのが、カナダのコボ社を買収した楽天だ。今年7月に電子書籍専用端末「kobo Touch」を発売し、「楽天kobo」サイトで電子書籍の販売を開始した。  楽天の三木谷浩史社長は「端末は10万台以上売れ、作品も売れているので出版社も喜んでいる」と発言。電子書籍サービスに懸ける意気込みは相当なものだ。あるIT関連会社の営業担当者は言う。 「この事業は社長室直轄で、フロアも社長室と一緒。今、楽天社内で最も人員が増強されており、営業部員も4人から20人と増えている。発売当初に起こった端末の起動トラブルなどによる炎上事件もとりあえず終結したようだ」  楽天がうまいのは、同社が抱えている7500万人の会員向けにサービスを開放している点だ。今は電子書籍をkoboの端末かPC上でしか閲覧できないが、今年中にアンドロイド用アプリを提供してスマホにも対応予定だ。そこでも同社サービス共通のIDを使用し、顧客の囲い込みを進める。  だが、このkoboにも出版社からの逆風が吹いている。 「サービス開始前に、ほとんどの出版社が対応していないEPUB3(主流はPDF、XMDFなど)のファイル形式で作品提供を求められた。これには、同形式のファイルを作成できる業者を紹介してもらうなど、その対応には苦慮した。さらに、ビットウェイやモバイルブック・ジェーピーといった電子書籍を電子書店に卸す『取次』が持つ作品をあまり調達していない。これもシステムや取引条件の問題ではなく、単に日本国内ではEPUB3というファイルフォーマットの電子書籍がほとんど製作されておらず、取次でさえ供給できないからなのだ」(別の出版関係者)  同社の紙の本の通販サイト「楽天ブックス」と、koboのサイトとを統合すればアマゾンに対抗できうるが、システムがカナダの会社のものであるため、そう簡単にはいかないようだ。 ■電子書籍市場の覇権は販売サイトで決する  このようにガフマや楽天が、出版社との契約に四苦八苦している現在、国内の状況はどうか?  メイドインジャパンの電子書籍リーダーでは、楽天kobo以外に、ソニーの「リーダー PRS-T2」、シャープの「ガラパゴス」などがある。いずれもなかなかブレイクに結びついていないが、強力なプラットフォームを持つグーグルやアップルが自社サイトでの販売を推し進めているのに対し、これらの端末は、紀伊國屋書店ブックウェブプラスなど複数の電子書店サイトで電子書籍を購入でき、自由度は高い。タブレット&電子書籍専用端末のシェア争いが繰り広げられる中で、今後の電子書籍のシェア争いは、販売サイトの優劣に左右されてくるはずだ。  こうした販売サイトの優劣は、コンテンツの質と量がものを言う。日本では、今年設立された出版界が主導する出版デジタル機構が、経済産業省の「コンテンツ緊急電子化事業」を通じて6万点、5年後に100万点という目標を掲げて、電子書籍化を推進している。だが、ほぼすべての新刊を同時に電子化していく講談社のような熱心な会社は、まだ少数派だ。  また、日本には「電子書店パピレス」や「イーブックイニシアティブジャパン」など老舗の電子書籍販売サイトもある。パピレスは12年3月期決算で売上高は約47億円、イーブックは11年1月期決算で売上高は21億円と、両社とも二桁増で成長している。大日本印刷グループの「honto」は電子書籍と紙の書籍の販売をクロスオーバーさせた戦略を進めている。 「hontoでの電子書籍の月商は4000万円。そのうち講談社だけで1000万円あったこともある」(IT企業関係者)と好調なようだ。多くのマスコミではガフマの動きばかりが目立ってしまっているが、日本の電子書籍サイトも市場をけん引する大きな力であることを忘れてはいけない。  国内市場にとどまるにせよ、外資系企業と手を組むにせよ、日本の出版界がもっと電子書籍化を進めないと電子書籍の市場が活性化しないのは自明の理。ビジネスとしての旨みが見えないからと消極的にならず、電子媒体で新たな表現手法を開発していくことも出版社(表現者)に求められることだ。 (文・写真/碇 泰三) 【「サイゾーpremium」では他にも「で、結局電子書籍ってどうなのよ!?」に迫る記事が満載です!】電子書籍リーダーを業界の裏側から徹底比較――決定版・本当に使える電書リーダーはこれだ!キンドルに勝てないアップルが編み出した電子書籍の新概念iPadやスマートフォンの台頭でバブル到来! 電子書籍人気とアップルの"検閲" 問題
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