“W杯MVP”ウルグアイ代表フォルラン加入、小野・松井の帰国でJリーグは面白くなるか?

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『Shinji―世界のONO!小野伸二のすべて!!』(21世紀BOX)
 サッカーJリーグ、セレッソ大阪がウルグアイ代表FWのディエゴ・フォルラン(インテルナシオナル=ブラジル)を獲得することが決定的となった。昨年末から交渉を進めてきており、合意間近で近日中にも発表される予定だという。  フォルランは2010年南アフリカW杯で得点王とMVPを獲得し、ウルグアイのベスト4入りにも貢献。マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)やビジャレアル(スペイン)、インテル・ミラノ(イタリア)といったヨーロッパの名門・有力クラブを渡り歩いてきた。久々の大物プレーヤーの加入で、今季のJは大いに盛り上がりそうだ。 「フォルランは契約解除へ向けてインテルナシオナルと話し合いを行っているようですが、現地ではボタフォゴ(ブラジル)やアメリカ、イングランドでプレーする可能性があるとも報じられているので、まだまだなんらかの動きがあるかもしれません。フォルランの現在の年俸は5億円以上といわれていますから、待遇次第でしょうね。彼は34歳とすでにベテランで全盛期のプレーは期待できないものの、要所要所でのワールドクラスのプレーは健在。昨年、日本代表がウルグアイ代表と対戦しましたが、フォルランに2ゴールを決められて痛い目に遭っています」(サッカー誌記者)  C大阪は香川真司(マンチェスターU)、乾貴士(アイントラハト・フランクフルト=ドイツ)、清武弘嗣(1.FCニュルンベルク=ドイツ)といった逸材を生み出してきたクラブだが、現在も柿谷曜一朗、山口螢といった日本代表の若手や南野拓実のような次代のホープが在籍している。ここにフォルランが加わるとなると、戦力的にも他チームを圧倒しそうだ。  一方、今季はJ2にも大きな動きが見られそう。海外でプレーしていた人気選手が日本に復帰するのだ。ポーランドのレヒア・グダニスクでプレーしていた松井大輔が、今季からジュビロ磐田へ移籍。 「松井はトリッキーなドリブルなど、魅せるプレーが持ち味の、華のある選手です。京都サンガで頭角を現し、海外移籍したフランスのル・マンでは主力として活躍。南アW杯でもサイドアタッカーとして日本のベスト16進出に貢献しましたが、W杯後は移籍を繰り返しプレーの機会も少なく、くすぶっていた印象です。本人としても10年ぶりのJの舞台に、心中期するものがあるでしょうね」(同)  また、オーストラリアAリーグでプレーする小野伸二(ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ)も、6月からコンサドーレ札幌に加入することが決まっている。 「当初、札幌は今冬の移籍を目指していたのですが、“Aリーグの顔”ともいえる小野をシーズン途中にチームが手放すはずもなく、5月のAリーグ終了を待っての移籍となりました。言うまでもなく、小野は“天才”の異名をほしいままにした超テクニシャン。J2は肉弾戦が多く、テクニックよりもフィジカルが重視されるリーグですが、小野や松井の加入で、これまでとは違った趣になりそうです」(同)  大物外国人プレーヤーのJ加入に、人気日本人選手のJ復帰と、“低位安定”が続いていたJリーグが久々に活況を呈している。今季はJが面白そう?

デル・ピエロやヘスキーも加入! 小野伸二が移籍するサッカー豪州Aリーグの現状とは

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『小野伸二 清水エスパルス グレート
プレイヤー』(コナミ)
 元日本代表MFの小野伸二が、J1清水エスパルスから豪Aリーグのウェスタン・シドニー・ワンダラーズへ移籍した。2010年に、独ブンデスリーガのVfLボーフムから清水に加入し主力としてチームを牽引してきたが、昨年12月に年俸40%ダウンを提示され、今季はベンチ入りの機会も激減。クラブとの確執が取り沙汰されていた。 「Jリーグでも数少ない1億円プレーヤーだったのが、今季は年俸7,000万円でしたからね。相当プライドを傷つけられたはず。加えて、今季はコンディションも整わず、運動量が求められるアフシン・ゴトビ監督の戦術とも合わず、半ば戦力外の状態でした。このままでは来季の放出は確実だったでしょうから、小野にとってもクラブにとっても、いい移籍だったと思いますよ。年俸だって、80万豪ドル(約6,500万円)ですしね。Aリーグの平均年俸は1,000万円程度なので、相当の高額オファーです」(サッカー誌記者)  小野といえば、地元・静岡では小学生時代から天才と呼ばれ、清水商業高校卒業時にはJリーグ13クラブからオファーを受けたほど。浦和レッズ入団後も天才の呼び名にふさわしい活躍を続け、98年のフランスW杯では弱冠18歳で日本代表に選ばれ、途中出場したジャマイカ戦で見せた鮮やかな股抜きは、ファンにとっては鮮烈な記憶として残っている。それだけに当時、小野の前途は洋々だったのだが……。 「ドリブル、パス、シュートすべてにおいて完璧なプレーヤーでした。このまま経験を積めば、世界的な名選手になれると誰もが思ったものです。ボールテクニックなんて、世界でも五指に数えられるほどでしたよ。しかし、99年のシドニー五輪のアジア1次予選のフィリピン戦で、左膝靭帯断裂の重傷を負ったことでキャリアが暗転してしまいました。古傷をかばいながらのプレーで運動量も落ち、ドリブルやシュートが激減。パス中心となり、スケールダウンしてしまいましたね。それでも、あれほどの能力の持ち主なので、蘭エールディビジのフェイエノールトでは主力としてUEFAカップ(現在のヨーロッパカップ)の優勝に貢献しました。AリーグではJリーグほど運動量は求められないし、テクニックはいまだ錆びついていないので、十分活躍できると思いますよ」(同)  小野の新天地であるAリーグだが、オーストラリア各地から9チーム、ニュージーランドから1チームが参加し04年に発足。韓国の現代自動車がオフィシャルスポンサーを務めており、正式名称は「ヒュンダイ・A・リーグ」。05年には、同リーグのシドニーFCに“キング・カズ”こと三浦知良(横浜FC)が短期間在籍したことでも知られる。  ちなみに、そのシドニーFCには今季から、あのイタリア元代表のアレッサンドロ・デル・ピエロが加入して話題を集めている。また、ニューカッスル・ジェッツには元イングランド代表のエミール・ヘスキーが加入し、先日引退を発表した元ドイツ代表のミヒャエル・バラックの移籍が取り沙汰されたりと、Aリーグはちょっとした花盛りなのだ。 「レベル的にいえば、AリーグはJリーグより若干劣る程度。もちろん、資金力もそれほどなく、各クラブにはサラリーキャップ制が導入されていて、各クラブの年俸総額が160万豪ドル(約1億3,000万円)と定められています」(同)  小野の年俸はチームの総額の半分を占めており、デル・ピエロに至っては豪サッカー史上最高額の200万豪ドル(約1億6,000万円)もの年俸が支払われるという。サラリーキャップ制が導入されているにもかかわらず、なぜこうした高額年俸を支払うことができるのか? 「サラリーキャップの制限を受けない“マーキープレーヤー”という選手を、各クラブ1人獲得できるんです。アメリカのMLS(メジャーリーグサッカー)に倣った方式ですが、このやり方でMLSはイングランド元代表のデビッド・ベッカム(ロサンゼルス・ギャラクシー)や元フランス代表のティエリ・アンリ(ニューヨーク・レッドブルズ)といった有名プレーヤーを次々と獲得し、リーグの活性化とレベル向上を実現したんです。今回、小野やデル・ピエロに求められているのも、単にプレーの質だけでなく、こうしたリーグそのものへの貢献なのです」(同)  緊縮財政が続くJリーグでは、久しくスター選手の獲得がない。活躍できるかどうかわからない高齢の有名選手よりも、より安価でJに適応しやすい若手の外国人選手を獲得するのが主流だ。各クラブとも経営に汲々とするばかりで、リーグ全体の大局的な展望など、なきに等しい。中国やアラブ諸国のリーグでは資金力にモノを言わせ、スター選手を次々と獲得して活況を呈しているが、Aリーグもこうした流れに追随するとなると、Jリーグの地盤沈下が懸念される。