エロ本がコンビニから消えるのか。東京五輪実現に向けて加速する「東京都有害図書指定」で摘発続出かと、出版関係者が戦々恐々としている。 「何しろ石原慎太郎都知事の時代から、五輪誘致が持ち上がるたびに『視察団がコンビニに寄って、たくさんのアダルト雑誌を発見したら、東京の心証が悪くなる』と、アダルト雑誌の規制が厳しくされてきましたからね。石原路線の猪瀬直樹都知事も、そうした方向性はそのまま引き継いでいて、また青少年健全育成条例を建前にした有害図書指定の摘発基準が厳しくなりそうです」(出版関係者) 昨年の摘発は約30誌もあったところ、今年は4誌と減って規制も落ち着いた感はあったのだが、麻生太郎元首相や滝川クリステルが担ぎ出されての東京五輪誘致活動の活発化で、再びその動きがありそうだと言う出版関係者は多い。 アダルト雑誌編集者によると「摘発されやすいのは、未成年の少年・少女が野放図な性行為をしたり、そして不倫する主婦を赤裸々に描くようなマンガ。昨年、摘発された『愛の体験Special デラックス』(竹書房)や、『微熱主婦』(リイド社)も不倫している男女の淫猥なセックスがやり玉に挙げられた」という。 「おそらくこれからはその範疇も広げられ、体をなぶるような行為や、道具を使ってのSM場面なども危ないだろうと、先に雑誌側がそういった内容のものを自主規制し始めています」(同) 実際、都の青少年・治安対策本部の関係者からも「複数の男女が絡んだり、レイプシーンがあるのはいかがなものか」という声が出ており、摘発対象の拡大は既定路線となっているようだ。この有害図書指定の選定には、猪瀬都知事の信頼が厚い、元警察官僚で教育委員の竹花豊氏の意向が強いとされるが、出版関係者は「要するにこれは、出版界に新しく警察関係の天下り先を作れ、そうでなければ潰すという圧力」だという。 「出版社側が新たに自主規制に関連する天下り団体を作らなければ、当局に従わなかった見せしめとなるのでしょう。だって海外の人間から見たら、コンビニのエロ本より街中にあるパチンコ店の方が異様なのに、パチンコに関しては一切スルーなんですから」(同) しかし、近年はアダルト雑誌の販売部数も激減し、そんな天下り先を作るほどの体力が出版界にあるとは思えない。実際、書店、コンビニからはアダルト雑誌が毎年、その数を減らしているだけなのだ。 「平均すれば月2冊ずつ休刊している感じ。潰れてもいいような存在だから、見せしめにしやすいのかも。自滅か圧力か、どっちにしてもコンビニからアダルト雑誌コーナーそのものがなくなる可能性はあります」(前出・アダルト雑誌編集者) あるマンガ作品は売れ行き好調だったにもかかわらず、コンビニ置きが困難になったため増刷がかなわなかった。その手の雑誌編集者たちは「次は自分たちか」と表情は暗い。 (文=鈴木雅久)「愛の体験 Specialデラックス」2013年08月号(竹書房)
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移籍の最大理由は不安定な雇用関係? コアマガジン→ワニマガジン大量移籍問題の真相

ワニマガジン公式サイトより
数カ月前から業界内で大きな話題となっていた、コアマガジンエロマンガ部門の編集と漫画家の、ワニマガジンへの移籍問題。8月後半から、その全貌がいよいよ明らかになってきた。渦中の人物であるコアマガジンの編集S氏は、部下と漫画家を引き連れてワニマガジンへの移籍を完了。ワニマガジンの「快楽天」10月号には、新雑誌「エロマンガシンドローム」の予告が掲載されており、移籍組は早くも雑誌を立ち上げることが明らかになっている。一方のコアマガジンは「メガミルク」が休刊、「コミックメガストア」と「漫画ばんがいち」を維持するのがやっと、という状態に追い込まれているという。
「今月のコアマガジン各雑誌を見れば一目瞭然ですが、実力のある漫画家が、ごっそり抜けています。ほとんどの漫画家は、編集について移籍をしたそうです」(エロ漫画編集者)
従来、実力のある漫画家を数多く抱え、コアマガジンとライバル関係にあったワニマガジンだが、そのライバルがすべて仲間となり、ひとり勝ちの時代がやってきたという具合だ。
では、今回の大量移籍の背景にあるのは何か?
「今回の移籍は、編集S氏に部下と漫画家が一緒についていった構図です。S氏は業界でも人格者として知られており、会社内でも、漫画家や部下の待遇のことで上と対立することもしばしばでした。もともと、コアマガジンは強烈な実力主義をとっており、雑誌を立ち上げないと正社員になれないというのが不文律でした。ですので、どんなに実力のある漫画家を育てて単行本で売り上げを出そうとも、“雑誌を立ち上げていない”という理由で、契約社員のままという優秀な編集者が何人もいたんです。対してワニマガジンは、コアマガジンよりも正社員になれるチャンスが多い。そのために、一緒になって移籍を決意したようです」
と、別のエロ漫画編集者は内情を暴露する。さらに、漫画家がごっそりと抜けてしまったコアマガジンでは「時々でいいから、ウチでも描いてください」と移籍を決意した漫画家に頭を下げて歩いているという話も。
「まだ、移籍をするかどうか迷っている漫画家もいるようですが、ワニマガジンでは近々、“決起集会”的な漫画家と編集者による宴会が予定されているそうです。そこに出席する、しないが、まさに死に別れになるでしょうね」(同)
ひとり勝ちとなったワニマガジン。しかし、これは新たなエロ漫画業界の危機の始まりという声もある。
「ただでさえワニマガジンの支配力は強いのに、これ以上寡占化が進めば、エロ漫画全体が似たような色に染められてしまいます。そうなれば、やがてはエロ漫画そのものが飽きられる時がくるでしょう」(書店員)
やはり、今回の騒動は「終わりの始まり」なのか? エロ漫画の未来は明るくない。合掌。
(取材・文=三途川昇天)
