ロンドン五輪のメダルラッシュに株式市場が敏感に反応した。体操の男子総合で、内村航平選手が1984年のロサンゼルス大会の具志堅幸司選手以来、28年ぶりに金メダルを獲得した。金メダルの効果は絶大だった。内村選手が所属する東証1部上場のコナミ(東京・港区)が買われた。 8月2日の売買高は前日比2.5倍の219万株。3日は売買高が229万株に膨れ、終値は前日比74円高(4.36%高)の1771円。コナミの平均的な売買高は1日、100万株未満だったから人気化したことが分かる。 コナミが8月2日に発表した13年3月期の第1四半期(4~6月)決算は減収減益。株価は下落するのが普通だが、逆に上昇した。ひとえに金メダルの賜物である。 同社は家庭・携帯用ゲームが主力で、12年3月期の連結売上高は2657億円。内村選手が所属するのはスポーツ施設の運営を行う子会社のコナミスポーツ&ライフ(東京・品川区)。全国約300カ所でスポーツ教室を運営しており、業界首位だ。コナミのスポーツクラブには、入会の問い合わせの電話が増えたという。 体操協会は、規定で金50万円、銀30万円、銅20万円と報奨金は渋い。金メダリストの内村選手にコナミはどのくらいの特別ボーナスを奮発するのだろうか? メダルラッシュに湧いたのが競泳陣。異例の高額の報奨金を約束した競泳日本代表のオフィシャルパートナーのGMOクリック証券(東京・渋谷区)もご満悦だろう。 北島康介選手の金メダルはなかったが、それでも銀3、銅8の11個のメダルはアテネの8個を上回り、戦後最多。GMOは銀と銅を合わせて1700万円を贈ることになる。 GMOクリック証券は、FX(外国為替証拠金取引)を主力に12年3月期の連結営業収益は153億円、営業利益55億円だ。テレビでCMを流しているが、競泳のオフィシャルパートナーになったことで知名度を一気に上げた。 スポンサーとして金メダルに値するのが、男子200メートルバタフライで銅メダル、男子メドレーリレーで銀メダルを獲った松田丈志選手を支援した九州の中小企業の経営者たちだ。09年末に前のスポンサー企業との契約が切れた松田選手は、コーチの久世由美子さんと共に600社に支援を頼む手紙を出したが、いい返事はなかった。万策が尽き、引退を考えた。 10年5月、窮地を救ったのは故郷・宮崎県延岡市の有力企業、清本鐵工の清本英男社長だった。清本社長の呼び掛けで12社が「応援スポンサー会」を設立、活動費2000万円を寄付した。清本鐵工は船舶用アンカーなどの鉄鋼事業や産業用機械を製造する年商は218億円の中堅企業。「僕には最後の機会になるかもしれない。オリンピックに行かせて下さい」と言った松田選手の真剣な眼差しに、叩き上げの清本社長は金を出す気になったのだという。 10年10月には宮崎で創業し九州一円でドラッグストアをチェーン展開する東証1部上場のコスモス薬品(福岡市)と契約ができた。これで水泳ができる環境がやっと整った。松田選手の銅メダル獲得を受けて、コスモス薬品の7月31日の株価は6690円と年初来高値をつけた。 バドミントン女子ダブルスで日本勢初のメダルとなる銀を獲得した藤井瑞希、垣岩令佳選手の所属は、ともに集積回路(LSI)の製造を行うルネサス セミコンダクタ九州・山口(熊本市)。親会社のルネサス・エレクトロニクスは半導体不況で経営危機に陥ったが、母体企業であるNEC、日立製作所、三菱電機の支援策がまとまり、再建に向けて動きだした。悪い話題ばかりだった同社にとって、久々の朗報となった。 所属選手の金メダルの代償に過去をほじくりかえされた会社もある。男子の金メダルゼロという歴史的惨敗を帰した柔道界で、1人金メダルを得て気を吐いたのが女子57キロ級の松本薫選手。彼女が所属しているのは健康食品販売会社、フォーリーフジャパン(大阪市)。一躍、知名度を高めたため、過去の所業が暴かれることとなった。 同社はマルチ商法の会社。錠剤型の健康食品、ファースト・リーフを会員登録料3000円、月額1万3600円で販売し、会員がほかの人を勧誘すれば成功報酬を支払う仕組みを採っている。「がんに効く」といった事実と異なる説明で健康食品の購入を勧誘したとして、経済産業省は09年2月20日から6カ月間、新規の勧誘を禁止する業務停止命令を出した。 行政処分が解けて直ぐの09年8月、Jリーグの大分トリニータはフォーリーフ社とユニホームの胸スポンサー契約を結んだ。これに対して広瀬勝貞・大分県知事は懸念を表明、サポーターが抗議の横断幕を掲げる騒ぎとなった。大分トリニータはフォーリーフ社とのスポンサー契約を打ち切り、溝畑宏・社長は辞任した。この溝畑氏はなかなか抜け目のない御人で、民主党政権とのパイプを生かし、観光庁長官、内閣官房参与とトントン拍子に出世した。 メダルラッシュで株が上がった企業と逆に下がった企業——こうした企業に注目が集まるのも、オリンピックの別の楽しみ方といえるだろう。 (文=編集部) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) SNS戦国時代に乗り遅れた? mixiの明日はどっちだ ワタミに富士通、ローソンストア100… “ブラック企業大賞”授賞式! 山本一郎「まさかのバンダイナムコが新ガチャで規制逃れ」 保険会社の「医療保険は必要」にダマされてはいけない? 日テレ、テレ朝、東洋経済…トヨタの軍門に下るメディアたち? 不正アクセスで手軽にネットカンニング! 有名女子高では4割!?医学部志望女子急増の意外なワケ香ばしい味?「フォーリーフ」HPより
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