さまざまなテレビ番組や雑誌などでもお馴染みの購買/調達コンサルタント・坂口孝則。いま、大手中小問わず企業から引く手あまたのコスト削減のプロが、アイドル、牛丼から最新の企業動向まで、硬軟問わずあの「儲けのカラクリ」を暴露! そこにはある共通点が見えてくる!? 新聞の宣伝広告効果 会社をやりはじめてから、さまざまな電話がかかってくる。 その多くが売り込みで、宣伝広告の勧誘だ。広告なんだかわからないことも多い。「注目の企業」としてインタビューします、というから話を聞いていると、「ご料金は20万円」だと。そんなお金はありませんと断ると「じゃあ、10万円で」と。正規料金はなんのために存在するのか不思議だ。 地方紙になると、さらに基準料金などあったものではない。 「テレビ欄の前ページ下段に、大きく御社の宣伝を掲載します」 「いくらなの?」 「10万円」 「高いよ」 「じゃあ3万円で」 などとおっしゃる。もとの10万円という料金設定は、私をナメていたのだろうか。 私的経験では、地方紙に宣伝を載せてもほとんど効果はない。「宣伝効果を定量的に教えていただければ検討します」というと、誰もが口をつぐむ。結局は費用対効果として、宣伝効果がないといっているようなものだ。 ちなみに、私は書籍を21冊上梓している。その経験でいえば、朝日新聞と日経新聞に出版社から広告を載せれば、多少は売上に好影響がある。ただ、それ以外の新聞であれば、広告を載せてもほとんど影響がない。おそらく、これは多くの出版人の共通の感想だろう。しかし、このことをあまり大声でいう人はいない。 新聞の販売量 新聞は終わった、といわれる。いわば、オワコンというやつだ。 ちなみに、私は新聞が終わったと思ってはいない。あれほど多くのビジネスマンが毎朝のように目を通している媒体だ。工夫次第ではいくらでも活路はある。私が思うに、おそらく新たな読者層を取り込もうと思えば、「新聞の横文字化」と「社説の廃止」くらいはできるだろう。デジタル化のいま、新聞が縦文字である理由はほとんどない。 また、なにより事実やデータが必要とされているいま、社説という「意見」を聞く必要はほとんどない。 意見はブロガーでじゅうぶんだ。 朝日新聞社の社員でも「天声人語」を読んでいる人はどれくらいいるのだろう(管理社会と受験の激化を嘆きながら、「天声人語」の入試採用率を喧伝する同社の姿勢は一つのご愛嬌だった)。 ところで、みなさんは全国紙がどれだけ売れているかご存じだろうか? 朝刊の販売部数でいうと、次のとおりだ。 ・読売新聞:9,955,031部 ・朝日新聞:7,713,284部 ・毎日新聞:3,421,579部 ・日本経済新聞:3,010,558部 ・産経新聞:1,607,577部 (上記は2011年7月~12月の一日平均) 確かに、1000万部に近い読売新聞は、1000万部を切ったとはいえ、圧倒的な部数を誇っている。ここでは、押し紙などの、新聞各社の販売上の問題点についてはふれない。あくまで数字を追っていきたい。 そこで、注目したいのは全国紙の地方における影響力だ。 ここでクイズを出したい。 「北海道における産経新聞の販売部数は何部でしょうか?」 私の周囲に聞いてみたところ「10万部くらい」と言っていた。冗談ではない。どの全国紙でも、10万部以上販売できている県は少数にすぎない。 この答えだが、たった1,033部にすぎない。 産経新聞だけを取り上げて申し訳ないものの、 ・富山県:778部 ・岐阜県:631部 ・宮崎県:462部 ・佐賀県:443部 しかない。さらには沖縄県では278部のみだ。 特に沖縄は全国紙の影響力が低く、世帯数に占める各紙の購読比率は、次のとおりだ。 ・読売新聞:0.11% ・朝日新聞:0.22% ・毎日新聞:0.05% ・日本経済新聞:1.09% ・産経新聞:0.05% みなさんは、地方での全国紙の影響力の小ささについてどう思っただろうか? いわゆる地方部では、全国紙を購読している比率はきわめて少ない。 全国紙の影響力幻想 いや、むしろ逆なのだ。 都会部の人びとは、巨大メディアが全国を支配している幻想にとらわれる。しかし、地方在住者からすれば、「全国紙など読んだことがない」状況が一般的なのであり、全国紙の論調が世の中を動かしているなど、とても信じられない。 ちなみに著者は佐賀県出身だが、「朝日新聞が世論を誘導する」だの、「読売新聞の世論迎合」だのという意味がそもそもわからなかった。全国紙を購読している地方の家庭であっても、たいていは父親が新聞を読み――、といっても時間がないので1面だけしっかり読むものの、社説を飛ばしてあとは斜め読みし――、母親がテレビ欄以外は捨てて、チラシだけを保管する。これが普通ではないか。 メディアが世論をつくっている、というのは「言い過ぎ」であって、かつての私のように、多くの地方在住者は政治的なイデオロギーなどまったく意識してはいない。もっというと、新聞をちゃんと読んではいない。多くの読者が真剣に読む媒体だったら、宣伝広告費用があれほど安価になるはずはない。 ビジネスの観点からすれば、都会部のひとたちが地方に新聞広告を出すときには、その効果について冷静になったほうがよい。新聞メディアは、購読者数以上の効果を期待することはできない。いくら安価に出稿できるからといって、購読者数の確認くらいは必須だ。それによって、一人あたり潜在顧客獲得コストの優劣が判断できるはずだ。実コストで考えると、むしろ都会部のほうが顧客獲得コストはまだ安価なこともある。 もちろん最後にフォローしておくと、新聞の意義は薄れてはいない。 新聞がなければ、夕食のときに鍋の下に敷くものがなくなるし、ちり紙交換に出すものもなくなってしまう。さらに深刻な問題は、窓を拭くものがなくなってしまうことだ。新聞紙で窓を拭くと汚れが大変よくとれる。まあ、それは新聞社が毎日大量の紙を排出していることの証でもある。 それにしても、新聞がエコロジーを叫ぶんなら、自社広告の紙のエコロジーからはじめてくれないかなあ。 おれ、ずっと日経新聞を購読しているんだけれど、毎週のようにポストに「日経新聞ご購読のオススメ」っていうチラシが入ってくる。 (文=坂口孝則) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 売上増の秘訣は占い!?占い師と顧問契約する企業が急増中? これが「天職」に巡り合うための「転職」の極意だ! 宝くじ利権をしっかり組み込んだ総務省とみずほ銀行 山本一郎「警察庁がぱちんこ営業のグレーゾーンに全力できた」 逮捕もされない!?ネット犯罪予告で成功する方法とは? サイフは親!“賢い”女子たちが切り開く親孝行マーケット 円をアメリカに流す!? アフラックの経営姿勢にかみついたダイヤモンド新聞公正取引協議会調査によれば、
日本国民の新聞購読率は76%。本当かな…。
朝日と日経以外は効果ゼロ!?でバレた新聞広告タブー?
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