今野浩喜、俳優として──「俺を使うと、センスいいなと思われるんですよ」

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 もはや、元芸人の肩書は必要ないだろう。俳優・今野浩喜。名だたる演劇人、演出家たちを虜にしながら確実にキャリアを重ねて、7月には新ドラマ『僕たちがやりました』(フジテレビ系)の出演も決定している。これほどのものはないであろう荒波をのらりくらりとかわしながら、前に進み続ける今野。奇しくも芸能生活20周年、普段あまりつまびらかにはしない、その胸の内を訊いた――。 ――今オファーが絶えない状態だと伺っております。もう年内はスケジュールがいっぱいだとか。 今野 そんなことないですよ。11月くらいまでじゃないですか。 ――俳優としてのキャリアは、もう10年くらいでしょうか。 今野 そうですね、それくらいかもしれないですね。 ――始めた当初と今とで、変わったことはありますか? 今野 最初のほうは、すごく「よそ様感」を出して、ハードルを下げながらやってました。でもここ何年かは、そんなわけにもいられなくなってますが。 ――ジャンルが違うんで……という感じを。 今野 でも実際まだわからないことだらけです。あんまり学んでないんで、実践しかやってないので、結局わからないままやってます。 ――よく俳優さんが「コントは難しい」とおっしゃいますが、今野さんはそれとは逆の難しさを感じていましたか? 今野 それは……一切ないですね。言い方はほんと悪いですけど、ラクです。正直ラクです。与えられたことをやっていればいい。自分で生み出す必要はないですし。 ――演じること以外に、脚本を書きたいとかディレクションしたいとかそういう欲求はありますか? 今野 それも全く思わないですね。演じてるのが向いてるだけで、別に人にとやかく言うのは向いてないと思います。 ――先ほど「ハードルを下げていた」とおっしゃっていましたが、具体的にどんな風に「よそ様感」を出していたんですか? 今野 最初のほうはそこまで具体的に思っていなかったんですけど、途中から「あぁ知らないほうがいいな」って思ってきたんですよ。一番それを強く感じたのは『男子はだまってなさいよ!』という舞台(『男子・天才バカボン』2010年7月23日~8月1日)で、出てる人のことも全然知らなくて。荒川良々……松尾スズキ……とか、名前は知ってるけど、そんなに本人のこと存じ上げないですもん。松尾さんなんて、当時おじいちゃんにしか見えなくて、だからイジってたんですよ、僕は。松尾さんをおじいちゃんとして。そしたら周りの演劇人が「す、すごいなおまえ!!」って。何も知らないだけで「あいつはとんでもないやつだ……」って思われるんだなと。そこで「知らない強み」に気づいたんですよ。 ――松尾さんの反応はどのような……? 今野 普段絶対そんな目に遭わないじゃないですか。だから、うれしそうでしたね、おじいちゃん。ごはん食べにいっても、僕が食べさせてあげるみたいな。 ――介護!! 今野 でも実際はそんなおじいちゃんじゃないんですよね。それ後々知ってびっくりしたんですよ。でもあの人はあの人でいい意味で頭がおかしくて、当時まだ買ったばかりの俺のiPadの上にお灸を置いてましたからね。 ――お灸……? 今野 動きがよくなる、と。脚本の細川(徹)さんなんか俺のiPadを足で操作していたし。皆川(猿時)さんのビンタは本当に痛いし。暴力が強ければ強いほど面白いと思っている人たち(笑)。 ――知らない強み、いいですね。 今野 もともと映画や舞台を熱心に見るタイプではなく、それこそ北野映画くらいですよ。でも「出たい」っていう気持ちはほとんどなかった。 ――映画と舞台って全然違うものですか。
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今野 う~~~ん。緊張感くらいじゃないですか。間違えられないという。 ――今野さんは、やはり舞台で注目を集められた方ですよね。 今野 最初の演劇で俺がすごいと思われたのは、単にコントからの振り幅なんですよ。シリアスにやってるだけで3倍くらいすごく見えるんです。たけしさんがよく言う「振り子の理論」みたいなのが、すごくわかるんです。たけしさんがだいぶハードル下げてくれた(笑)。与えられた役を自分が演じるという点では、演劇も映画もドラマもコントも同じだと思います。 ――今野さんにとって「ターニングポイントになったな」という作品はなんでしょうか。 今野 最初は『サボテンとバントライン』(09年10月30日~11月8日)ですかね。青山円形劇場で、要潤さんが主役の。本当にそのときこそ何もわからない状態でやっていて、初めての演劇で、いきなりの円形劇場っていう、マジでワケがわからない。その演出していた福原(充則)さんにいろいろ教わったのは大きかったですね。 ――「演技を」ということですか? 今野 そうですね。 ――お客さんに観られながらコントをするということは、ずっとやられていたけど……。 今野 でも、演劇的なことっていうのは……やっぱりそう考えるとコントとは違うかもしれないですね。コントって笑わせることだけに特化してるんで、実はそんな動いたりしないんですよね。言葉の間だけで。演劇は見て飽きさせないようにしなきゃいけない。 ――コントは「笑い」というゴールがあるけど。 今野 そう。演劇の場合は別に笑わせなくても、結果いいものを見てもらえばいいわけで。 ――福原さんに教えていただいたことは、細かいことですか? それとももっと精神論的な? 今野 細かかったですね。細かく言われないと俺がわからないというのもありますけど(笑)。俺もすごく細かく聞いてたし。円形劇場は後ろの人にも顔を見せなきゃいけないじゃないですか。そうすると動きが大きくなるんです、どうしても。 ――そうか、コントではそういう意識ではやらないですもんね。 今野 俺がやっていたコントはもう、なんならお客さんのほう向いてないですからね(笑)。ドラマでもいまだにそうなんですけど、とにかく動くクセがないんですよ、無駄に。あれ無駄だと思うんですけど。だって今こうして話してるとき動かないじゃないですか。でも演劇だったらしゃべりながら「(ダッ)※席を立つ」みたいなことするじゃないですか。 ――あ~~~よく見る(笑)。 今野 こういうのができない。難しい。演劇的な見せ方。演劇だと、それを試す機会がありますけど、ドラマの現場だと段取り何回かで見せないといけない。だから演劇をやって引き出し増やして、ドラマでそれを試すっていうサイクルができればいいなと思いますけど。 ――なんか、俳優さんみたいです。 今野 質問に答えてるだけです(笑)。 ――ドラマの現場とお笑いの現場って、どうですか? 雰囲気は全然違うものですか? 今野 ドラマによりますけど、今やってる『僕たちがやりました』なんかは(カメラが)回ってないとき、まぁしゃべらないですからね(笑)。それはですね、テンションが高すぎるんですよ、芝居の。だから終わるとぐったりしちゃう。お笑いの現場でも、そのときによるなぁ。新ネタを下ろすときは誰ともしゃべらないし、営業に行ったらずっとしゃべってるし。 ――今野さんはだいたいどこでも変わらない。 今野 だいたいしゃべらないです(笑)。 ――しゃべりかけられます? 他の俳優さんに。 今野 長期間撮影があるから最終的にはしゃべってますけど、あんまり序盤は……。後々聞くと「何をしゃべっていいかわからなかった」とか「怖い」とか、だいたい言われてますね。だいたいどの現場もそうだから、これでいいと思ってます(笑)。最終的に成り立ってるから。 ――俳優さんのインタビューなどで「現場の雰囲気がすごく良くて」みたいな話、結構あるじゃないですか。あれって具体的にどんな状況のことをいうんだろうなって。
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今野 『アラサーちゃん無修正』(テレビ東京系/14年)のときなんかは、みんなでずっとトランプやってましたね。 ――今野さんが「試しに最初からタメ口で話してみよう」と思ったという。 今野 最初から仲良くしようと思ったときもあるんですよ。だから全員にタメ口で、初っ端から。途中で変えるのは難しいから。そしたら最後まで、みんなは敬語だったっていう。 ――(笑)。でも確かに敬語からタメ口に変えるタイミングってすごい難しいですよね。「あ、今あいつ急に敬語からタメ口になったな」って思われたんじゃないかとか、考えちゃう。 今野 実際それ逆だったら思うじゃないですか。機を逃したら、ずっと敬語のままで先輩後輩みたいな雰囲気になっちゃうし。本当にそれは永遠の課題ですね(笑)。 ――トランプはあんまりしゃべらなくてもいいから、いいですね。 今野 そうなんですよ。ただそれはそれでどうなのかって思いますけど。楽しげな雰囲気だけはある。 ――ほかに印象に残っている現場ってあります? 今野 そうだなぁ……『真田丸』(NHK/16年)ですかね。時代劇が初めてだったんですよ。それでやっぱりいろいろなルールの違いに戸惑ったというのはありましたね。 ――どんなルールの違いがあったんですか? 今野 『真田丸』は、リハーサルだけの日があるんですよ。そこへプラっと行ったら、みんな和服なんですよ、自前のね。 ――リハでも自前の和服を! 今野 そうです。知らないってことが、すごくありましたね。でもね、本当はこういう場で言いたくない。これを読んだやつが時代劇のリハに和服を持って行ってしまうから。俺と同じ苦労を味わわせたいんですよね。 ――確かに(笑)。でもその後どうしたんですか? 和服を持って行ったんですか? 今野 いや、ずーっと普通の服で通しましたね。 ――いや、知ってましたよ、知ってましたけどね感を(笑)。 今野 最初に私服で行ったのは間違ってそうしたんじゃないんだっていうのをね(笑)。敢えてそうしてたんだって思わせるには、そうするしかなかった。 ――なんか……カッコイイですね……。 今野 リハ室に入るとね、スタッフさんも「着替えはこちらです」とか言うんですよ。それを「このままです」っていうのは、難しかったですね。だから今後ですよね。今後呼ばれたときに和服持って行ってしまうと「直してきた!!」ってなるから。 ――そこは貫きますか。 今野 貫くでしょうね。それか、冬だったら「着込んでる結果こうなってます」みたいな感じを出すかもしれない。(『真田丸』を撮っていた)夏は私服だったけど、冬は違いますよって。 ――7月スタートの『僕たちがやりました』は、いかがですか。順調ですか。
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今野 結構きついですよ。俺、毎日髪切ってんですから、ドラマの撮影があるときは。胸毛も剃ってる。きつい。 ――毛の話(笑)。 今野 あと関西弁が。 ――そうか……。どうやって練習してるんですか? 今野 方言指導テープを車でずっと聞いてるのと、関テレ制作だから周りのスタッフほとんど関西人で、誰かに聞けば必ず教えてくれる。みんな先生ともいえるし、全員が目を光らせてるともいえる。怖い。なんの台詞か忘れましたけど、異常にNG出したんですよ、俺。 ――自分では言えてると思っていたのに、NGになってしまうんですか? 今野 いや、言えてないなとわかっているんだけど、教えられてその場で直しても台詞になるとすぐ戻っちゃって。 ――前後がつくとおかしくなっちゃう……。 今野 でも、なんかNG出しながらも、申し訳なさが全くなかったですね(笑)。 ――え?? 今野 関西弁をしゃべらない俺をキャスティングがするやつが悪い。俺は悪くない。NG出すときは、いつも周りの方々に申し訳ない気持ちになるけど、それに関しては一切思わなかった。 ――NGのドツボにハマったとき、今野さんはどうやってリカバリーするんですか? 今野 もうその場は言うしかない、やるしかない、ですよね。だけど後々メイク落とすときとか「……あの台詞すげぇ言いづらくないですか!?」とか、メイクさんに愚痴ったりします。 ――基本的に脚本通りにやるほうですか? 今野 うん……まぁ、変えたときに大変なのが、場所を移動して撮り直したときに変えたことを憶えてないといけないじゃないですか。それが面倒くさい。だったら、まんまやったほうがいいと思っちゃう。 ――アドリブもそんなに出さない? 今野 そうですね。こっちがするつもりなくても、『僕たちがやりました』では周りがすごい言うんですよ。だから俺もアドリブでなんか言わないと、やってない感が出るのもあれなんで。そういうときに関西弁のネックが出てくる。思いついても「これなんて言えばいいんだろう」っていうので、二拍くらい遅れる。 ――でも、そういうことも含めて俺をキャスティングしたやつが悪い。 今野 基本、それはありますね(笑)。 ――時代の違いとか言葉の違いとか、実生活とは離れたことをやる難しさっていうのは俳優さんの課題としてあると思うのですが、では「死ぬ演技」はどうでしょうか。なんでも今野さん、去年8回死んだらしい……。 今野 死ぬ演技って、すげぇ難しいんですよ。だって死んだことがないから。 ――なるほど(笑)。 今野 死に切った人は見たことあるけど、死ぬ寸前の人も見たことないので、どう死ぬのかがわからないじゃないですか。そうなると、いろんなドラマの真似事になっちゃうんです。それが恥ずかしい。死にます(ガクっ)の瞬間とか、めっちゃ恥ずかしい。たまらない。首がガクっととか、本当にこうなるんだろうか。 ――(笑)。 今野 地獄なのが、台本に「(目を見開いて)」とあるとき。これは本当に地獄です。 ――その「恥ずかしさ」って、どういうところに起因してるんでしょうか。 今野 ザ・ステレオタイプですね。そういうことをしている自分ですね。でも首ガク以外見たことないんですよ。演技じゃない、形をやってる。あと気持ちがない。死んだことのある役者さんはみんな言いますよ。恥ずかしいって。でもこれ、死ぬ前はわからなかったですね。たぶん死んだことのない人にはピンとこないと思う。 ――8回死んだ中での、死に方の変化というか、自分の中でつかんできた何か……みたいなものはありますか?
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今野 あぁ(笑)。そうですね。『真田丸』の与八の死に方は俺はよくできたなと思っていたんだけど、あんまり映ってなかったですね。カメラの角度的に(笑)。殺陣の先生だけが「いい死に方だった」ってほめてくれました。与八は厨房で働いていて、その師匠的存在の方に裏切られて殺されるんですけど、そのときに「え、ウソだろ? 信じてたのに……」っていう目を向けながら死んだわけです。でもその表情全然映ってない。ただ、あれはいい死に方だった。 ――そのときの死は「形」ではなく「演技」だったと。 今野 まぁ最終的には「首ガクっ」でしたけど(笑)。 ――自分が経験したことのないものをやるっていうのは、難しいですね。 今野 考え方を変えると、すごい経験をさせてもらってるなと思いますけど、その境地になかなかいけないというか、『僕たちがやりました』のローラースケートとかタンバリンとか、練習がスケジュールに組まれてるんですよ。そうなると、どうしてもやらされてる感が出ちゃう。ちゃんと考えれば、すごく貴重な経験なのに……。 ――ローラースケートを習うことは確かにあまりない……。 今野 でもね、スケジュールに組まれると面倒くささが出ちゃう。よくないですね。自主的にやるんだったら役作りしてます感で気持ちよくできるんでしょうけど、でもスケジュールに組まれるとね……「いつまでやんだよコレ!」っていう感情が先にきちゃう。 ――でもスケジュールに組まれてなかったら、やらないですよね……。 今野 「おいこれ経費で落ちんのか」とか、思うと思います。それはそれで(笑)。 ――じゃあいわゆる「役作り」は、そんなにしない? 今野 「役作り」っていう言葉がまず嫌いで。 ――そうなんですか? 今野 だって他の職業で言わないじゃないですか。シェフが「料理作りをします」とか釣り人が「これから仕掛け作りを」とか。だから役者が「役作り」とか、いちいち言うんじゃないよって思いますよ。 ――これはインタビュアーがいけないと思いますけど、俳優さんのインタビューだと、なんかカッコいいこと言ってほしいみたいな、求めてしまうところはあると思います。役作りとか演劇論とか……。 今野 今それとは別アプロ―チのカッコいいこと言ってるから大丈夫ですよ(笑)。ゼロから俳優を目指している人は、そういうインタビューを見てカッコいいなと思って、それで自分が俳優になったときにそういう話をしたがると思うんですけど、俺とか“流れ”でなってるんで……。どうしても斜に構えちゃうところがあるんですよ。 ――本当、「流れ」ですよね……。 今野 自分の肩書とかって、本当、本人の自意識次第ですよね。誰とは言いませんけど、誰もが司会業でしか見ていないのに「俳優」だって言い張る人とかいるじゃないですか。俺はちょっと自意識が強いんだと思うんですよ、逆に。いろんな職業をリスペクトし過ぎてるところもあるし、言えないなっていう。 ――これからこんな作品に出てみたいとか、こんな役をやってみたいとか、ありますか?
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今野 作品……とはあんまり関係ないかもしれないですけど、俺『ボクらの時代』(フジテレビ系)にすごい出たいんですよね。 ――ああ!! 今野 毎週録画して見てますね。『ボクらの時代』は。 ――どなたと一緒に出たいですか? 今野 そうだなぁ。松尾諭さんと野間口徹さんと(笑)。 ――次世代を担うバイプレーヤー3人! 『ボクらの時代』は基本フリートークですよね。 今野 そうなんですけど、毎週見てる身としては、流れがありますよ。だいたい番組の半分くらいから急に恋愛トークが始まるんです。本当にね、回によっては「なんだった、この30分」っていうのがあるんですよ。朝の時間に、この人たちを見れるというだけの回が。話の内容ではなく。 ――分析してますね(笑)。 今野 あと、見てると飲み物の量がすげぇ上下するんです。おそらく編集で、すげぇ順番を入れ替えてる。自分が出るときは、そういうところは気を付けていきたいと思ってます。氷多めの飲み物、やっぱ水ですね。そうすれば、かさが変わらないから。 ――昔、何かで「ケツメイシのPVに出るのが夢」とお話しされていたことありましたよね。 今野 言いましたっけ……そんなこと。でもPVっていうものへの憧れはすごくありますよ。でも全然そういう話はきませんね。 ――だって今野さんがPVに出たがってるなんて、誰も想像すらしてないと思います。 今野 そうなのかなぁ。いや出たいですよ。あと、これ、大体の作品に対しても思ってますけど、俺を使うと、たぶんセンスがいいと思われるんですよ。 ――(爆笑) 今野 キャスティングの人がね、センスがいいと思われる。俺にカッコいい感じの役を振れば「そういう使い方か!」って言われる。その人が得をすると思うんですよ。今、俺は年齢的にもブサイクとカッコいいのはざまにいると思うんです。カッコいい使い方をしても全然悪くはないです。自分では言いたくないですけど。 ――今までで一番カッコいい役はなんですか? 今野 『ミエリーノ柏木』(テレビ東京系/13年)ですかね。タカハタ秀太監督だけは昔から俺のことをそういう風に使う人なんですよ。『原宿デニール』(15年)とかも。 ――正直、俺の使い方わかってねぇなと思うときもありますか? 今野 そうは思わないですけど、台本見て「あ、そっちの使い方ね」「賑やかしのほうね」「ああ、死ぬ系ね」「振り返ったらブサイクだった系ね」とか、パターンはいくつかあります(笑)。でもどれも間違った使い方ではないと思います。それだけ俺に幅があるだけで。 ――(笑) 今野 よくも悪くも、高倉健さんは一つしかできないですし。 ――高倉健さんが賑やかしすることないですもんね。 今野 後ろのほうでワーワー言ってる高倉健さん、ないですよね。 ――でもPVは、これ書いたら絶対オファーきそうですね。 今野 今いい時期です。もうちょっと売れちゃうと当たり前になっちゃうから。 ――「売れたい」みたいな気持ちはありますか?
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今野 もうちょっと売れたいなとは思いますけど、めっちゃ売れたいとはあんまり思わないですね。もうこの世界の常識ですが、売れ切ると危ないっていうね。あるじゃないですか。まぁ俺が売れ切ることはないと思いますが、そもそも。 ――いい車乗りたいとか、いいところに住みたいとか、そういう欲求は? 今野 デカイものとか高いものを欲しいとは思わないですね。その時その時で欲しいものはありますけど。 ――今は? 今野 漫画。 ――あとは? 今野 プレイステーションVR。高いですけど、高いけど、高いなって思いながら平気で買えるようにはなりたいですね。 ――高いなって思いながら。 今野 この感覚ないとヤバイじゃないですか。指原さんが7,000円の服「安い!」って載せて炎上しちゃう世の中だから。 ――今年で芸能生活20年。最後にこの20年の道のりについて、聞かせてください。 今野 芸人始めて1、2年目くらいのときにね、うちの前の社長と話す機会がありまして、これからどうなっていきたいんだっていう。そのときに「モロ師岡さんみたいになりたい」って言ったんです、俺。そしたら社長が「うちはそういうのやってないから」って、クビになりかけたんですよ。でも運よくその社長も亡くなってね、2010年かな。結果的にそういう流れになっているなとは思います。自分が思った方向へは流れてるんじゃないでしょうか。とんでもない紆余曲折ありましたけど。想像を絶する紆余曲折が。 ――確かに、とんでもない。 今野 なんだこの道? 私道か? みたいなところを通りながらもね……。 ――先ほど「肩書は自意識」ってお話がありましたが、今の今野さんは「自分は俳優だ」っていう、自覚はありますか? 今野 自覚かぁ。俳優ど真ん中だなっていう自覚はあんまりないですね。 ――「職業はなんですか?」って聞かれたら……? 今野 今野、ですかね。 ――俳優インタビューの最大のやつが……最大のカッコいいやつが最後にきた……。 (取材・文=西澤千央/撮影=尾藤能暢) ●こんの・ひろき 1978年、埼玉県生まれ。高校卒業後、プロダクション人力舎「スクールJCA」に6期生として入学。想像を絶する紆余曲折を経験しながら、2008年頃から俳優としても活動し始め、12年、主演映画『くそガキの告白』で「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」審査員特別賞、シネガーアワード、ベストアクター賞、ゆうばりファンタランド大賞人物部門の4冠を獲得。その後も『下町ロケット』(TBS系/15年)の迫田、『真田丸』(NHK/16年)の与八など、独特の顔面を活かした個性的な役柄で存在感を発揮している。7月スタートのフジテレビ系ドラマ『僕たちがやりました』では、物語のキーパーソンとなる「パイセン」を演じる。

元キンコメ今野浩喜「たけし映画」に出演内定か!? 「東京スポーツ映画大賞」にてエールを飛ばす

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 2月28日、ビートたけしが審査委員長を務める「第25回東京スポーツ映画大賞」および「第16回ビートたけしのエンターテインメント賞」の授賞式が、港区の東京プリンスホテルで行われた。  今回のノミネート作品は、たけし審査委員長が事前に「(第25回は)『龍三』祭りにする」と語っていたように、北野武監督作品『龍三と七人の子分たち』が監督賞・主演男優賞・助演男優賞・作品賞の4冠を達成。ほかの作品としてはジョージ・ミラー監督『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(外国作品賞)、是枝裕和監督『海街diary』(主演女優賞・助演女優賞)の合計3作のみが選ばれていた。
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 東スポ映画祭は、毎度お馴染み「たけしの独断と偏見によって作品を決める」という名目の映画祭ではあるが、毎回の審査方法についてたけしは「いつも身内びいきの受賞式とかいわれているけど、各映画祭の代表者がつけた点数をもとにオイラが点数を追加する方式は守っているから、ノミネート作品は本当に力のある作品しか残っていないんだよ。もちろんオイラが勝手に100点とか追加しちゃうんだけどな」と笑いながらコメント。  途中、北野監督が東スポの会長から監督賞の賞状を受け取る際、思わずたけし審査委員長が笑ってよろけてしまうなどハプニングはあったものの、会場には龍三役の藤竜也(主演男優賞)、中尾彬、近藤正臣、品川徹ら七人の子分全員、敵役の安田顕(以上、助演男優賞)、プロデューサーの森昌行の合計10人の『龍三』関係者が参加するなど宣言通り『龍三祭り』に沸いた。  また『海街diary』からは主演女優賞・助演女優賞を受賞した綾瀬はるか、長澤まさみ、広瀬すず、そして監督の是枝裕和が参加。舞台では、綾瀬・長澤・広瀬・是枝・たけし5人による「コマネチ」が実現。美女3人との「コマネチ」に感動したたけし審査委員長は監督賞の受賞者を北野監督から是枝監督に変更すると宣言。結果、『海街diary』が『龍三』と同じ3冠に並ぶという珍事もあった。  また、『エンターテインメント賞』では、話題賞としてSMAPのほか野々村竜太郎元県議、上西小百合衆院議員とその秘書ら、話題の人物が選ばれた。SMAPは多忙のため、野々村元県議は保釈中のためもちろん不参加であったが、「国会欠席騒動」で世間を賑わした上西議員とその秘書は参加。上西議員は「(あの騒動が原因で)秘書は彼女がいなくなってしまった。誰かいませんでしょうか」と秘書の今後を心配した。
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 また激励賞には昨年末の相方の逮捕であえなくコンビ解散となってしまった元・キングオブコメディの今野浩喜が受賞。登壇した今野は今回の騒動について「割と心の整理はついているのですが、改めて『相方の逮捕』と紹介されるとキツイですね……」と神妙な顔つき。しかしその直後「最近よく勘違いされるのですが……捕まったのは僕ではありません! ビジュアルで判断しないでください! それだけ皆さんにお伝えしたいです!」と笑いをさそった。
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 たけしは「(今野は)落語も漫談もうまいし、俳優としての評価も高い。長い長い芸能人生なんだから、今回の件は今回の件として今後の芸の肥やしとして頑張ってもらいたいね。今度、映画に誘うから出てよ。『女性のサドルを盗む役』とかで(笑)」「まあ、サドルであれば考えます。自分のマイナスにならないよう俳優もお笑いも続けていきたい」と心境を語った。  例年に比べノミネート作品および人物は少なかった今回の映画祭&エンタメ賞であったが、それぞれの内容は濃く、まさに激動の年だった2015年を反映した授賞式であった。 (文・写真=穂積昭雪[山口敏太郎事務所])

「どう見ても下着ドロ!?」“本気すぎる映画監督”鈴木太一『くそガキの告白』札止め封切りレポ

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公開初日は200席超のテアトル新宿が満席。
立ち見でも入りきらずに、やむなく入場を断られたお客さんも。
 「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」でシネガーアワード賞をはじめ4冠を受賞した映画『くそガキの告白』が6月30日、テアトル新宿で封切られた。  ストーリーは、映画監督を夢見るも全てがうまくいかず、その現状を周囲にあたり散らす“ブサイクくそガキ野郎”・馬場大輔と、25歳にしてヴァージンの売れない女優・木下桃子が繰り広げる、奇想天外な青春映画。  この作品が劇場デビューとなる鈴木太一監督は、前日の夜からPRのため、都内各地を映画の宣伝をしながら走る「24時間ビラ撒きマラソン」に挑戦。公開初日、ゴール地点のテアトル新宿には『24時間テレビ』(日本テレビ)ばりにゴールテープが用意され、感動のゴールイン。鈴木監督は、寝ずに走り続けたためか、ハイテンションで「くそガキ、くそガキ♪」とラップのようなものを口ずさんだり、監督の胴上げが行われたりと、異様な盛り上がりを見せた。
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誰に頼まれたわけでもない「24時間ビラ撒きマラソン」完走直後の
鈴木監督。目が飛んでいる。
 ゴール直後に開催された初日舞台挨拶には、鈴木監督のほか主演の今野浩喜(キングオブコメディ)、田代さやか、辻岡正人、高橋健一(キングオブコメディ)が登壇。来場者全員に鈴木監督が自腹で購入したジュースが配られ、アットホームな雰囲気のなかスタートした。
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舞台上でも興奮冷めやらぬ監督。
ほとんど何を言っているかわからない。
 近頃、“愛されダメキャラ”が浸透しつつある鈴木監督は、「ゴールで皆さんに出迎えてもらって、“フォー!!”みたいな感じになっちゃって! 今日がホントに人生のピークなんです! みんなで作ったこの映画を! 俺たちの想いを観て欲しい!」と声をマイクに通すのも忘れるほど興奮気味で心情を語り、そんな純粋な監督に会場は爆笑。キャストも監督に向かって「どう見ても下着泥棒ですよ」(高橋)、「変質者!」(今野)と終始イジりたおしていたほか、田代さやかも「監督落ち着いてぇ~(笑)」と呆れ顔であった。
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軽快なトークで舞台挨拶を盛り上げた主演の2人と
「店員」役のキングオブコメディ高橋。

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辻岡正人からは撮影中の意外な裏話も……!?
 劇中の、今野浩喜と田代さやかのキスシーンの話題に及ぶと、田代は「ディープキスのシーンで、(台本上では)木下桃子(田代の役名)からしかけなきゃいけなかったのに、今野さんからしかけてきた」と裏話を暴露。また、同シーンの撮影を間近で見ていたという辻岡正人が「目の前でディープキスされると、やっぱ勃起しちゃうんですよ」と2人の濃厚ぶりが伝わるエピソードを披露すると、今野がすかさず「監督は、(このあと映画を観る)お客さんにジュースじゃなくて、ティッシュを配ったほうが良かったんじゃないですか?」と悪フザケ。それを受け田代が「そんな映画じゃない! やめてぇーー!」と嫌がるなど、キャスト同士の絶え間ない掛け合いに、会場は最後まで笑いに包まれていた。  『くそガキの告白』は、テアトル新宿にて公開中。7月28日より名古屋シネマスコーレ、今夏には大阪・第七藝術劇場ほか全国で順次公開される。 (取材・文=林タモツ) 『くそガキの告白』公式サイト http://kuso-gaki.com/

「甘くて柔らかくてセリフが飛んで」『くそガキの告白』キンコメ今野浩喜のキストーク……!

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ベストアクターの風格。
 「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」では、審査員特別賞をはじめ4冠受賞! キングオブコメディ・今野浩喜が主演を務め、Hカップグラドルの田代さやかがヒロインを演じる青春映画『くそガキの告白』が、6月30日(土)に公開となる。  物語の主人公は、映画監督を夢見る“ブサイクくそガキ野郎”馬場大輔。その大輔が恋をするのは、名も無き崖っぷち女優・木下桃子。このうだつの上がらない2人が織り成す、とびきりピュアで、ウザいほど熱く、どこかヘンテコな展開に、自然と心がズルズルと引き込まれてしまうから不思議だ……。  「ゆうばり~」ではその演技力が評価され、“ベストアクター賞”“ゆうばりファンタランド大賞 人物部門”をダブル受賞した「役者・今野浩喜」に、長いキスシーンの裏側や、愛すべきダメキャラが一部で人気上昇中(?)の鈴木太一監督について話を聞いた。 ――初主演映画『くそガキの告白』がいよいよ公開ですね。 キングオブコメディ・今野浩喜(以下、今野) 最近、いろんな映画を観たんですが、大概の作品は先が読めるんですよ。でも、この映画は何がなんだか分からないから(笑)、先を読むことは不可能だと思うんです。それでも話をパワーでなんとか押し切ってるんで、ワケが分かんない映画でもないっていう。 ――主人公の馬場大輔は、かなりエキセントリックな役柄でしたが、演じるうえで苦労はありましたか? 今野 いや、どんなベクトルでも振り切っていればそれなりにすごく見えるので、意外とラクでした。普通の人を演じるほうが難しいんですよ。 ――大輔が「この顔死ね!」と叫んで飛び降りるシーンは、衝撃的でした。 今野 あそこの台本は、セリフが多いうえに同じようなセリフがものすごくあったので、「もう意味だけ覚えて流れでやろう」と思ってやりましたね。飛び降りる直前にアドリブで「怖え」って言ったんですけど、監督がその言葉を聞いて、ラストのキスシーンを書き換えちゃったんですよ。その後の展開のヒントになったらしくて。 kusogaki_konno03.jpg ――あのキスシーンは、もともと違う感じだったということですか? 今野 もともとは、桃子の気持ち抜きで、僕がただ無理やりキスするだけだったんです。それがああいう感じのキスシーンに急遽変わりました。僕のアドリブのせいでラストを変えさせちゃって、監督には悪いことしたなって思ってますけど(笑)。 ――ほかにもアドリブのシーンは多いんですか? 今野 そうですね。これも台本にはなかったんですが、「これは泣いたほうがいいなあ」と思ったシーンがあって、初めて気持ちを入れて泣くことに挑戦してみたんです。そしたら、カットがかかった後もずっと泣きやまなくて……“泣きやみ待ち”で何十分も現場をストップさせてしまって、エライことになりました。 ――撮影でNGは出しましたか? 今野 唯一のNGがキスシーンですね。ディープキスに入る前の普通のキスの時に、田代さんの唇のあまりの柔らかさに「柔らかい!」と思って、セリフが飛んでしまったんです(笑)。田代さんには「本当に申し訳ない」と謝りました。 ――キスシーンが思いのほか長くてビックリしました。 今野 一番最初にもらった台本では、1回強引にキスするだけだったんです。それが最終的には“夜から朝にかけて長いキス”みたいなことになってて、引きましたね(笑)。 ――うれしいとかじゃなくて、引いちゃったんですか? 今野 あれだけ長いディープキスだと、後々もう面白話では処理できないなと思って(笑)。ただ、田代さんは飴をめっちゃ舐めていらっしゃったんで、口の中がとにかく甘かったですね。 ――マジで舌入れてるってことですか? 本編では、あまり分かりませんでしたが。 今野 入れてますよ。あれ、撮影では13分くらいキスしてたんですよ。本編では相当カットされてますけど。 ――今野さんが個人的に好きなシーンはどこですか? 今野 桃子が、鍋で肉じゃがを温めるシーンですね。田代さんがアドリブで「タララッタッタッタッタ♪」って『3分クッキング』の曲を歌うんですけど、DVDにした時の権利関係のこととかを考えて、わざと音を少しズラしてるんですよ。プロだな~って思って(笑)。 ――田代さんの演技はいかがでしたか? 今野 ま~うまいですよね。大輔が桃子の家に初めて行くシーンで、僕がアドリブでヘンな場所に座ったんです。そしたら瞬時に「そこですか!?」ってツッコんできたんですよ。これはすごいなって思いました。 ――ちなみに、田代さんは“処女ドル”ですが、キスした仲としては、本当に処女だと思いますか? 今野 処女だと思いますよ。彼女って異様に下ネタ言ったりするんですよ。それって逆に処女のなせる業なんじゃないかなって(笑)。やっぱ僕も中学生の頃のほうが、実感がないからこそ下ネタ言ってた気がしますし。 ――相方の高橋さんも、レンタルビデオ屋の店員役で出演されていますが、演技はいかがでしたか? 今野 生涯無二のハマり役じゃないですか?(笑) あの役は、高橋じゃないとできないと思いますね。 ――8月には舞台『鎌塚氏、すくい上げる』(本多劇場、倉持裕作・演出)の出演も控えてますが、役者として演じるのと、コントで演じるのとでは、違うものなのでしょうか。 kusogaki_konno02.jpg 今野 演じるということに関しては、まったく同じだと思います。ただ、責任が全然違うんですよね。役者業は、演出家なり監督から言われたままをやっているので、どういうシーンになろうが自分は“責任ゼロ”だと思ってるんです。だけどコントは、作ってるのが自分なので、責任が大き過ぎるんですよね。 ――『ニコニコキングオブコメディ』(サイゾーテレビ)でも、この映画のお話をたびたびされてますが、“鈴木太一監督のダメさ”のお話ばかりで、作品の素晴らしさについてあまり語ってないのでは? 今野 確かに(笑)。でも伝えたいことは、やっぱり監督のダメさなんですよ。あの人は、監督というより脚本家なんですよね。撮影の時、僕らが監督に演じ方を聞くじゃないですか。でも、そもそもそういう質問が来ると思ってないから、何も返ってこないんですよ(笑)。そういうところがイラッとするので、この映画の面白さを、あの監督のおかげだと思われたくないんです(笑)。 ――現場で演出をしないで、監督は何をされてたんですか? 今野 見てる。見学の人ですよね。 ――そんな監督も、現在は自らサンドウィッチマンとなって、各地でビラ配りのプロモーション活動を頑張ってますよね。 今野 あれね~~、僕らが出るお笑いライブの会場前でも、ちょくちょく配ってるんですよ。僕がいるところで、気持ち悪いおっさんが僕の顔のアップのビラを配ってると思うと、もう恥ずかしくてしょうがないですよ。遠くに行ってくれって思います(笑)。 ――映画の公式サイトには、ビラを配る監督の勇姿が、ドキュメント風の動画でいくつもアップされてますね。 今野 あれって『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』と、まったく同じ宣伝方法なんですよ。いい加減、怒られてもいいのに(笑)。ただ、『サイタマノラッパー』はボランティアスタッフの人数がすごいから成功してるんです。だから僕は、監督に「この映画は、クチコミでしか広がらない映画なんだから、『Yahoo!』のユーザーレビューとか書きなさい」って前から言ってるんですけどね……。 ――そんな鈴木太一監督が初監督を務めた映画『くそガキの告白』について、最後に読者へPRをお願いします! 今野 おそらくテアトル新宿あたりで、監督が割引券とかを配ってると思うので、それを手に入れて、1,000円とかで観ていただければと思います(笑)。とりあえず観れば面白い映画なので、観てください! (取材・文=林タモツ) ●『くそガキの告白』 監督・脚本/鈴木太一 出演/今野浩喜(キングオブコメディ)、田代さやか、辻岡正人、今井りか、仲川遥香(AKB48)、北川ひろし、高橋健一(キングオブコメディ)、石井トミコ 6月30日よりテアトル新宿ほか全国順次公開 <http://kuso-gaki.com> ●こんの・ひろき 1978年、埼玉県生まれ。高校卒業後、プロダクション人力舎スクールJCAに6期生として入学。2000年より同期生の高橋健一とコンビ・キングオブコメディとして活動。05年、第3回お笑いホープ大賞受賞。2010年、「キングオブコント2010」優勝。俳優として舞台『サボテンとバントライン』(09)、『天才バカボン』(10)、『男子はだまってなさいよ!8 アダルト』(11)、『鎌塚氏、すくい上げる』(12)、連続ドラマ『ティーンコート』(日本テレビ)、映画『ちょんまげぷりん』など出演。12年4月よりNHK Eテレ『テレビスポーツ教室』ナレーション担当。サイゾーテレビ『ニコニコキングオブコメディ』出演中。