福山雅治から星野源へ「TENGA」のバトン!? 死地を乗り越えた男の“エロ”とは『星野源のオールナイトニッポン』

福山雅治から星野源へ「TENGA」のバトン!? 死地を乗り越えた男のエロとは『星野源のオールナイトニッポン』の画像1
ニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』番組サイトより
 ニッポン放送の深夜には、エロくてセクシーな男がよく似合う。そんなイメージがあるのは15年間、土曜の深夜を担当した福山雅治さんの影響でしょうか?  そのセクシーな声でエロトークを繰り広げる『福山雅治のオールナイトニッポン サタデーナイトスペシャル・魂のラジオ』(ニッポン放送)には、男女問わず多くのヘビーリスナーがいました。僕の記憶が正しければ、おそらく深夜ラジオで最初に自慰グッズ「TENGA」の存在に触れたのは、どの芸人でもなく福山さんだったはず。僕が中学生のころ、布団の中で悶々としていた記憶があるので2005年でしょうか?  そんな純朴だった僕も「ラジオで福山雅治が言っていたんだけど……」と、枕詞をつけて女の子にエロい質問をすると回答率が上がるという、テクニックを使うようになった16年3月に始まったのが『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)です。  放送開始以来、一貫して月曜深夜に下ネタとエロトーク、自他ともに認めるくだらない話題を投下し続ける星野源さんですが、昨年は大ブレイクしました。一昨年暮れにリリースの4枚目のアルバム『YELLOW DANCER』(ビクターエンタテイント)はロングセラーの大ヒットを遂げ、主演を務めた連ドラ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)は「恋ダンス」とともに一大社会現象になりました。  そんなドラマや楽曲から抱きがちな“草食系男子”のイメージを嫌う星野源さんが、その先入観をぶち壊すために……とかでは全くなく、この人、素で下ネタが好きなんでしょう。飾らない自然体の星野源さんと、落ち着いた声のトーンのおかげで全く下品に聴こえない放送が同番組の大きな魅力。リスナーから性体験の話とか募集しているんですけど。  星野源さんの人柄も相まって、番組には童貞丸出しのくだらないメールや、今や都市伝説と化した甘酸っぱいラジオ越しの告白、どエロい女性からのどエロいメールをはじめ、さまざまなリスナーから多くのメールが送られてきます。  なかでも、今回紹介するケンドーコバヤシさんをゲストに迎えた2016年6月13日深夜放送回は、星野さんがパーソナリティだからこそのエロとバカバカしさが合わさった神回でした。  番組冒頭から、2種類のいい声で繰り広げられるトークは、共通の友人であるバナナマンの日村さんの話題から始まります。星野さんは、毎年『バナナマンのバナナムーンGOLD』(TBS)に出演するくらいの仲なのです。この日の放送で流れた「SUN」は、日村さんに贈ったバースデーソングを基に制作されたほど。  そんな話題から始まったトークは、ものの2分ほどでエロトークに。ケンドーコバヤシさんのAV女優に対する感謝や、男優を救う基金を設立したいという話題で盛り上がり、そのままこの日のメインコーナー「A-1グランプリ」になだれ込みます。 「A-1」の「A」とは喘ぎ声のA。リスナーから喘ぎ声を収集するというコーナーです。とはいっても、もちろんガチのものではなく、どことなく喘ぎ声に聴こえる、どこかエロく聴こえる音源を募集しているので、かわいらしい女の子の声だけではなく、男性からのバカバカしい音源も数多く送られてくる、番組きっての人気コーナー。  この日も、コンバースのスニーカーを履けない女の子の「ん……んん……きつくて入らないよ……」という喘ぎ声に、おじさん2人が大興奮。電波の向こうのリスナーも、おそらく男女問わず大興奮。  星野さんがパーソナリティということで、女性からの投稿が多いのもほかのラジオと一線を画しているところです。  放送終盤には重大発表として、番組とTENGAのコラボレーションが発表されました。本人たちも自覚は全くないでしょうが、ドスケベでセクシーなラジオ界の先輩、福山雅治さんから、TENGAのバトンが星野源さんに渡った瞬間でした。  テレビのイメージとはかけ離れた、初めて聴いたら思わず引いてしまうかもしれない神回は、星野さんが弾き語りで歌う「スーダラ節」で締めくくられました。  星野さんは、12年にくも膜下出血で活動を休止。翌年春には、驚異のスピード復帰を果たしますが、治療に専念するために再度活動を休止します。一度つかみかけた武道館でのワンマンライブも中止になりました。  退院後、星野さんの携帯には、バナナマン日村さんからの「心配です。返信は無用です」と留守電が入っていたそうです。14年2月、一度消えた武道館のステージに立った時、星野さんはどんなことを思ったのでしょうか。  スーダラ節の「わかっちゃいるけど、やめらない」を歌い上げる、死地を乗り越えた星野さんの目は、きっと明るい未来を見ているはず。 (文=菅谷直弘[カカロニ])

福山雅治から星野源へ「TENGA」のバトン!? 死地を乗り越えた男の“エロ”とは『星野源のオールナイトニッポン』

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ニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』番組サイトより
 ニッポン放送の深夜には、エロくてセクシーな男がよく似合う。そんなイメージがあるのは15年間、土曜の深夜を担当した福山雅治さんの影響でしょうか?  そのセクシーな声でエロトークを繰り広げる『福山雅治のオールナイトニッポン サタデーナイトスペシャル・魂のラジオ』(ニッポン放送)には、男女問わず多くのヘビーリスナーがいました。僕の記憶が正しければ、おそらく深夜ラジオで最初に自慰グッズ「TENGA」の存在に触れたのは、どの芸人でもなく福山さんだったはず。僕が中学生のころ、布団の中で悶々としていた記憶があるので2005年でしょうか?  そんな純朴だった僕も「ラジオで福山雅治が言っていたんだけど……」と、枕詞をつけて女の子にエロい質問をすると回答率が上がるという、テクニックを使うようになった16年3月に始まったのが『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)です。  放送開始以来、一貫して月曜深夜に下ネタとエロトーク、自他ともに認めるくだらない話題を投下し続ける星野源さんですが、昨年は大ブレイクしました。一昨年暮れにリリースの4枚目のアルバム『YELLOW DANCER』(ビクターエンタテイント)はロングセラーの大ヒットを遂げ、主演を務めた連ドラ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)は「恋ダンス」とともに一大社会現象になりました。  そんなドラマや楽曲から抱きがちな“草食系男子”のイメージを嫌う星野源さんが、その先入観をぶち壊すために……とかでは全くなく、この人、素で下ネタが好きなんでしょう。飾らない自然体の星野源さんと、落ち着いた声のトーンのおかげで全く下品に聴こえない放送が同番組の大きな魅力。リスナーから性体験の話とか募集しているんですけど。  星野源さんの人柄も相まって、番組には童貞丸出しのくだらないメールや、今や都市伝説と化した甘酸っぱいラジオ越しの告白、どエロい女性からのどエロいメールをはじめ、さまざまなリスナーから多くのメールが送られてきます。  なかでも、今回紹介するケンドーコバヤシさんをゲストに迎えた2016年6月13日深夜放送回は、星野さんがパーソナリティだからこそのエロとバカバカしさが合わさった神回でした。  番組冒頭から、2種類のいい声で繰り広げられるトークは、共通の友人であるバナナマンの日村さんの話題から始まります。星野さんは、毎年『バナナマンのバナナムーンGOLD』(TBS)に出演するくらいの仲なのです。この日の放送で流れた「SUN」は、日村さんに贈ったバースデーソングを基に制作されたほど。  そんな話題から始まったトークは、ものの2分ほどでエロトークに。ケンドーコバヤシさんのAV女優に対する感謝や、男優を救う基金を設立したいという話題で盛り上がり、そのままこの日のメインコーナー「A-1グランプリ」になだれ込みます。 「A-1」の「A」とは喘ぎ声のA。リスナーから喘ぎ声を収集するというコーナーです。とはいっても、もちろんガチのものではなく、どことなく喘ぎ声に聴こえる、どこかエロく聴こえる音源を募集しているので、かわいらしい女の子の声だけではなく、男性からのバカバカしい音源も数多く送られてくる、番組きっての人気コーナー。  この日も、コンバースのスニーカーを履けない女の子の「ん……んん……きつくて入らないよ……」という喘ぎ声に、おじさん2人が大興奮。電波の向こうのリスナーも、おそらく男女問わず大興奮。  星野さんがパーソナリティということで、女性からの投稿が多いのもほかのラジオと一線を画しているところです。  放送終盤には重大発表として、番組とTENGAのコラボレーションが発表されました。本人たちも自覚は全くないでしょうが、ドスケベでセクシーなラジオ界の先輩、福山雅治さんから、TENGAのバトンが星野源さんに渡った瞬間でした。  テレビのイメージとはかけ離れた、初めて聴いたら思わず引いてしまうかもしれない神回は、星野さんが弾き語りで歌う「スーダラ節」で締めくくられました。  星野さんは、12年にくも膜下出血で活動を休止。翌年春には、驚異のスピード復帰を果たしますが、治療に専念するために再度活動を休止します。一度つかみかけた武道館でのワンマンライブも中止になりました。  退院後、星野さんの携帯には、バナナマン日村さんからの「心配です。返信は無用です」と留守電が入っていたそうです。14年2月、一度消えた武道館のステージに立った時、星野さんはどんなことを思ったのでしょうか。  スーダラ節の「わかっちゃいるけど、やめらない」を歌い上げる、死地を乗り越えた星野さんの目は、きっと明るい未来を見ているはず。 (文=菅谷直弘[カカロニ])

地元ヤカラとの戦い、難航する嫁探し……ケンコバと宮川大輔の“ほっこり”できない勝手気まま旅!!

IMG_8196_.jpg  2009年から始まった異色のトークライブ「あんぎゃー」。ケンドーコバヤシと宮川大輔が月1のペースでライブを行い、47都道府県をすべて“行脚”するという壮大すぎるプロジェクトである。2人が出会った名物、迷物、名所、迷所……それらをすべて還元してきたトークライブも、ついに東京でファイナルを迎える。感動のラストを前に、今ケンドーコバヤシは何を思うのか――。知られざる「あんぎゃー」の魅力を探る。 ――ケンコバさんと宮川(大輔)さんのトークライブ「あんぎゃー」、いよいよファイナルですね。 ケンドーコバヤシ(以下、ケンコバ) 単純計算で(全国行脚は)4年で行けるって言ってたんやけど、震災で開催できない月があったり、あと勝手に海外でやったりとかもあったので、結果足かけ5年くらいになりました。 ――そもそもこの企画のきっかけは、なんだったのでしょう? ケンコバ 以前、ヨシモト∞ホールで2人のトーク番組を一発やってもらったんですよ。そこですっごいスケベな話ばっかりしまして。いくらなんでもこれはアカンぞ、って怒られたんです ――確か「最強のAVを考える」とかでしたっけ? ケンコバ 日本刀の先にペニスつけて入れるとか(笑)。自由にやってええとは言ったけども、いくらなんでもこれはアカンやろ、と各所から言われまして。それを聞いて「だったら、ライブでやってやるよ!」と。トークでダメ出し食らったんで、トークで仕返ししたったっていうだけですね。 ――謎の反骨精神! ケンコバ 基本、反骨というか、反体制の2人ですから。スタンス的には。 ――全国を回るというコンセプトは? ケンコバ それは大輔さんがすごい俺のことを心配してくれてて、その心配が実際には5年後にも解消されてなかったんですけど、はよ結婚せいと。お前は田舎の純朴な子が似合うから、この企画で嫁を見つけろと。 ――そんな裏テーマがあったのですね。 ケンコバ そうなんです。いやぁね、女の子に関しては壮絶なエピソードが結構ありますよ。全国を「あんぎゃー」してきた中で。 ――では後ほど、強烈な思い出をお伺いするとして、まずはケンコバさんと宮川さんのつながりから教えていただけますか? ケンコバ これはね、本当に不思議な縁です。大阪で僕がデビューしたときは、すでに大輔さんは東京で(吉本印)天然素材というスターやったんですよ。その頃は飯食い行ったのも2~3回くらいの、あんまり近しい感じではなかったんです。  で、僕は大阪でちょいちょい忙しくなってきたのに、一回コンビを解散して仕事がゼロになったんですよね。それと時を同じくして大輔さんもチュパチャップスを解散しはって、まったくお笑いの仕事がないと。東京と大阪でお互い無職みたいな状態のときに、これまた東京に出てきてまったく仕事がなくなっちゃった雨上がり(決死隊)さんが、「もうこうなったらコントライブやる。全国ツアーやるから、大輔とコバ、おまえらヒマやから手伝え」と声をかけてくれたんです。当時東京には、よしもとが借り上げた合宿所みたいなところがあったんですよ。そこに僕と大輔さんずっと泊まって、雨上がりさんはそこから仕事行って、帰ってきたら4人でネタ考えて練習して。 ――テラスハウスみたいですね。 ケンコバ そう(笑)。そこで大輔さんと毎日オナニー見せ合ったりとか、どっちが飛ばすかとか、中学生みたいなことやっていて(笑)。「あ、いつまでもこういうノリで接せられる人おんねんな」とお互い思ったと思うんですよ。大輔さんは、この世界ではちょっと変わった人で、「俺、よしもとのそういうの(芸歴で先輩後輩を決めること)あんまり好きじゃないねん」っていうのを、当時からおっしゃっていて。年齢で一緒なのが一番心地ええねんなと。大輔さんとは同い年ですけど2年先輩なので今でも敬語は使ってますが、ほぼ同級生というか友達感覚でお付き合いさせてもらってます。 IMG_8114_.jpg ――以前お2人のトークライブで「大輔さんは究極のSで、僕は究極のM」とおっしゃっていましたが、そういう部分でも波長が合ったのでしょうか? ケンコバ 当時はそういう体になっていたかもしれないけど、実際Mに関しても大輔さんはすごいから(笑)。俺も、なかなか尊敬できるM仲間っていないんですよ。「俺Mです」とか言ってるヤツに限って、全然ガキだったり。だけど。大輔さん見てたら、この人、心から尊敬できるなって思いました。 ――どんな大輔さんを見て、Mを確信したのですか? ケンコバ いやぁ、大輔さんはお子さんもおられるんで、ここではあんまり言えないですけどね。まぁギリギリ言える範囲としたら……そうですね、「あんぎゃー」でタイに行ったときに、夜中にスーパー行ったら、大輔さんが2メートルくらいあるブラジル人のレディボーイと一緒に買い物してたことですかね。顔の下半分、ヒゲで青なってた。 ――タイ、ブラジル人、レディボーイ、2メール、青ヒゲ…… ケンコバ そうです。2人で魚卵のコーナーを物色してましたよ。なんやねん、まったく意味が分からない。 ――ホンマモンですね。 ケンコバ 今、居酒屋トーク感覚でSとかMとか言うじゃないですか。でもオマエらのそれはSじゃなくMじゃなく、自分勝手でガキなだけやと思うんですけど、大輔さんの話は、そんなことまったく思わないですね。あぁ、この人は求道者なんだなと。 ――その道を究めていると。 ケンコバ 陶芸家とか居合い抜きの人に近いですね。大輔さんは本当に感覚で生きている人。一方、僕は物事を考えるのが好きで、考察が趣味。でも、舞台ではちょっと逆っていうのが不思議なんです。僕が舞台では感覚で、大輔さんは理論。 ――「あんぎゃー」で2人が見つけるオモロイものは、まったく違いますか? ケンコバ いや、そこは似てるんです。だからやれてるんだと思います。あいつエロそうやな、っていう人も一緒。あいつ美人やけど、セックスあんまり良くないやろなっていうのも一緒(笑)。そういう感覚がすごく近い。 ――全国を旅するにあたり、事前リサーチなどはするのですか? ケンコバ 「るるぶ」ですよ。やっぱり昼飯は「るるぶ」頼りなところはありますね。でもね、地方に行くと日本の政治とかいろいろ考えますよ。中央集権って、ホンマなんです。「るるぶ」ペラペラな県とかありますよ。表紙と森の写真だけの「るるぶ」がね、ホンマにあるんですよ。中央集権については、もう一度考え直さなあきませんよ。 ――逆に地方のパワーを感じたのは? ケンコバ まぁ、ヤカラ方面ですね。マジかコイツらと。俺と大輔さんはどっかで頭おかしいから、マジのケンカになりかけたこと何回かありますよ。絶対ダメじゃないですか、テレビに出させてもらってる人間が。 ――ヤバかったのは、たとえば…… ケンコバ 山口県と千葉県でデカイ抗争ありましたね(笑)。なんかね、後でゾッとするんですけど、大輔さんといると一歩も引かへんようになっちゃうんですよ。うまく引けたのは埼玉くらいですね。埼玉は相手が超強そうやったんで(笑)。もう「ウソやろ?」っていう武闘派軍団出てきて。 ――マイルドじゃないヤンキー(笑)。 ケンコバ 一方で、東北に行ったら人の優しさに触れましてね。日本は北へ行けば行くほど、優しくなる。寒いからですかね、人にも優しくなれるのは。「あんぎゃー」は東日本大震災を挟んでいるんですけど、震災の時は大輔さんともよく話し合いましたよ。なんか俺たちもせなあかんと。「あんぎゃー」のカウントには入れてませんけど、宮城に行きましたし。2人が真面目な話したんは、あれが初めてかもしれないですね。 ――震災では、「笑い」が難しい局面に立たされていました。 ケンコバ あの時初めて、笑いの葛藤を感じましたね。笑かしてええんかなっていう。でも行ってみたら、皆さん笑いを求めていた。僕はこの世界に入って初めて、ちゃんと人を笑かそうと思ったかもしれない。 IMG_8169_.jpg ――あれ? それまでは…… ケンコバ 正直、そんな気持ちはないんですよ、俺。笑ってくれたらいいなとは思ってますけど。 ――自分が面白いと思うことをやって、結果お客さんが笑ってくれたらいいなという感じですか? ケンコバ いやいや、もっと自分勝手ですね。刑務所入らへんようにという具合です。こうやって吐き出しとかな、俺はいろいろ溜めたらきっとよからぬことをしてしまう。常識人とよく言われるし、確かに常識を守るのが趣味です。夜中の信号を守っているのは、俺くらいですよ、歩行者で。誰も見てないところで正義を貫くのが趣味なんですよ。頭おかしいんでしょうね。お前らにできへんことやったるっていうとこがあるんでしょう。難しいのは夜中の信号守ることですよ。 ――己との戦いですね。 ケンコバ だから、僕もちょっと求道者のところがあるのかもしれない。自分のそういうところも見つめ直した5年でした。 ――では、インタビューもたけなわになって参りましたので、そろそろ5年間の「あんぎゃー」におけるインパクト大エピソードを教えていただけますでしょうか? ケンコバ これは僕の中で「誰が呼んでん?」シリーズと呼んでいるんですけど、そうですね……あれは広島県での出来事です。僕と大輔さんと作家さんとよしもとの社員さんで打ち上げしてたんですけど、その時なぜか同じテーブルに両足血まみれの女の子がいて、一緒に飲んでたんです。後で振り返って、あれ誰やねん? と。謎中の謎なんですよ。両足血まみれの女の子を呼ぶわけないし、声かけるわけもないし。 ――飲んでるときは、気が付かなかったんですか? ケンコバ 僕らの会話を聞いてニコニコしてるだけだったので、別にジャマじゃなかったんですよ。これが話に入ってきたりしたら「おまえ誰やねん?」ってなったんでしょうけど。おまえ誰やねん、の機会すら与えてくれなかった。 ――こわいな~こわいな~系ですね。 ケンコバ ホンマですよ。あとやっぱり山口県の抗争ですかね。今どきそんなタレントいませんよね、昭和やないねんから(笑)。 ――事の発端はなんだったんですか? ケンコバ それもね、日本の中央集権の闇を感じたんですけど、山口はメインの繁華街がほぼシャッタータウンなんですよ。タクシーの運転手さんに「一番栄えてるとこに連れてってください」ってお願いしたら「何言ってんのよ、ここは滅びゆく街だよ」って言うんです。やっと一軒ラーメン屋を見つけて、そこでとりあえず飲んでたんですよ。そしたら若いやつらがTwitterかなんかで広めたんでしょうね。まず暴走族みたいなのが入ってきた。「おぉやっぱりおった~。一緒に飲もうや」って。なんでおまえらと飲まなあかんねんってモメてたら、めちゃめちゃイカついラーメン屋の大将が「うるさいんじゃ、おまえら。ラーメン食ってる間は俺の客じゃ、出ていけ!」って、暴走族に包丁突き出したんです。大将にお礼を言って飲み直してたら、さらにその上の方がバーンって入ってきよった。ホステス30人くらい連れてきて「コイツらとツーショット撮れ!」と。おお! 武闘派の大将どうすんのかと思ったら、ラーメンの湯切りして聞こえへんフリしてた(笑)。 ――大将!! ケンコバ ずっとお互いにらみ合いながら、ホステス30人と写真撮ったのはいい思い出ですね。 ――それもある意味「誰が呼んでん!」シリーズですね。 ケンコバ 後で山口出身のロンブー淳に聞いたら「実は、僕もあそこの店で殴られたことあるんです」って。そういう場所なんやと(笑)。でもよう考えたら、両足血まみれのニコニコ女のほうが怖いですけどね。 ――とにかく「あんぎゃー」では、お2人がすごい経験をされてきたと。 ケンコバ 静岡では「私のおっぱいは20代並みにキレイ」って豪語する80歳のママがやってるスナックに行って、大輔さんが「見せろ!」って言ったらホンマにキレイなおっぱい出てきたとか。そのとき、俺は泥酔してたから、もしかしたら記憶が間違ってるかもしれないんですけど、大輔さん、ちょっと咥えてたような気がします。 ――(笑)。今度の東京がファイナルというのは惜しいような、ステキな話ばかりですね。 ケンコバ 東京公演では全国からの選りすぐりの話が聞けますよ(笑)。ここには書けないような、すごい話いっぱいありますから。それを、わりかし今テレビに出させてもらってる2人がやってるというのは考えられないと思いますけどね。このコンプライアンス社会で。俺らも「あんぎゃー」してるときはヤンキーなんで。やったる! っていう気持ち。全国制覇の気合ですね。 (取材・文=西澤千央) 20140530_angya-tokyo-1.jpg ●「あんぎゃー」公演情報 日時:2014年5月30日(金) 18:30開場/19:00開演 チケット:前売 3,000円 当日 3,500円 ※全席指定 ※参加資格:高校生不可、18歳以上 会場:よみうりホール 【東京都千代田区有楽町1-11-1読売会館7階(ビックカメラ上)】 出演:宮川大輔、ケンドーコバヤシ プレイガイド ・チケットよしもと…0570-550-100【Yコード:100020】 ・チケットぴあ…0570-02-9999【Pコード:435-842】 ・ローソンチケット…0570-084-003【Lコード:33658】 お問い合わせ チケットよしもと予約問い合わせダイヤル 0570-550-100【24時間受け付け(お問い合わせは10:00~19:00)】 制作:よしもとクリエイティブ・エージェンシー

ケンドーコバヤシの「許され力」がすべてを笑いに昇華する、性的逸話の解放区『TENGA茶屋』

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FM OSAKA『TENGA presents Midnight World Cafe TENGA茶屋』
しゃべりと笑いと音楽があふれる“少数派”メディアの魅力を再発掘! ラジオ好きライターが贈る、必聴ラジオコラム。  世の中には、同じことを言っても許される人間と、そうではない人間がいる。たとえば女性の前で下ネタを言うと大半の男は嫌われるが、中には許される、あるいはむしろ積極的に下ネタを言ったほうがモテるとすら感じられる男がいる。そういう意味で、ケンドーコバヤシほど「許されている男」はいない。本質的には「許されざる男」の要素を多分に持っている彼こそが、いま最も世間に許され、愛されている。『TENGA presents Midnight World Cafe TENGA茶屋』(FM OSAKA 毎週土曜深夜1:30~2:30)とは、そんなケンドーコバヤシの本質的魅力が、余計なフィルターを通すことなくピュアに伝わってくる番組である。関西ローカルの番組だが、場所を問わずポッドキャストで聴くことができる。  そもそもこの番組のタイトルに含まれるTENGAとは、何しろあのアダルトグッズメーカーのTENGAである。日本一下ネタをノーモーションで自然と繰り出す男の番組スポンサーに、TENGAがついている。これぞまさに「Win-Winの関係」であり「鬼に金棒」状態である。これ以上、性的発言に関する自由度が確保された状況など、あり得ないだろう。 そんな解放区でのびのびと放たれるケンコバの発言には、強烈なインパクトと共に、妙なかわいげと後味の爽やかさがある。何事も極端に振り切れたものには、フルスイングの後のような爽快感が残るものなのかもしれない。  たとえば彼は番組内で、自らの自慰行為のスタイルについて赤裸々に語る。普通に考えれば、そんな話にかわいげも爽やかさもあるはずがない。しかし、かつて自慰行為を研究していた時期に、「毛の長いブラシの上をひよこ歩きして擦る」という「ひよニー」を行っていたと臆面もなく語られれば、「ひよこ歩き」というチャーミングすぎる言葉の衝撃と、その説明から思い浮かぶ構図のあまりのバカバカしさに、「性の求道者」という清々しい称号を与えたくもなる。ちなみにこの話は、その前にしていたカーリングの話からの流れであり、「カーリングの女子選手は確かに美人が多いし、あの股関節の可動域は魅力的だが、俺はそれよりもブラシのほうに痺れる」という場所へと見事に着地する。なぜか、カーリングと自慰行為とブラシが、一直線上にキレイにつながっている。何かがおかしいが、美しい。  実は、ケンコバの話術には思いがけぬ着地点が用意されていることが多く、その着地姿勢の見事さを聴き手は爽快感と錯覚する。もちろん本当に爽やかなことなどまったく言っていないのだが、彼の話の中ではなんらかのねじれや飛躍といった価値観の反転が頻繁に起こる。  「部屋に入るといきなり大外刈りされる風俗」にハマッたという話(その時点で十二分に面白いが)の先には、「そのあと受け身の研究するために、柔道の試合をじっくり見た」という本末転倒な着地点が待っている。この4月からアシスタントを務める若手芸人アインシュタインの稲田直樹のルックスに関する話(彼はブサイクであることを前面に出す芸風で知られる)になれば、「お前は前世で神を殺している」と突如スピリチュアル方面へと飛躍した発言を繰り出し、さらには「神話の世界に終止符を打った男」という途方もなくスケール感溢れる異名を授ける。内容的には単なる悪口がさらにエスカレートした形なのだが、そのファンタジックな言葉の響きにはもはや格好よさしかなく、その話の内容と着地点のギャップがもう面白くて仕方ない。すべてが笑いと共に許される。  自由を与えられた空間の中でこそ何かを極端にやり切れるし、極端に振り切れるとその先には逆サイドの端が見えてくる。行くところまで行けば善が悪になり悪が善になり、真面目が不真面目になり不真面目が真面目になり、下ネタにさえある種の品格が生まれてくる。この番組のコンセプトには「性を表通りに」という言葉が含まれているが、それはまさにケンコバが番組内で語っていた、かつての自身の体験に重なる言葉でもある。彼は若手時代、その行きすぎた芸風ゆえ腫れもの扱いされ、あるテレビマンから「お前なんか一生テレビ出れるか!」と言われたことがあるという。そんな男が、今メディアの最前線を張っている。現在のテレビが以前に比べて許容量を増しているとは到底思えないことを考えると、もちろん才能を認めてくれる人々との出会いというのも重要ではあるが、今のケンコバの「許される力」は、彼本来のファンタジックな発想力とトリッキーな話術を自ら大事に育み磨き続けてきたことによってもたらされた正当な結果だろう。この自由なラジオという空間で、それがあらためて明確になる。これほど痛快なことはない。 (文=井上智公<http://arsenal4.blog65.fc2.com/>) 「逆にラジオ」過去記事はこちらから