“バイオ祭り”の掉尾を飾る、CG映画『バイオハザード ダムネーション』発表会&披露試写会

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 東京ゲームショウ2日目となる21日、イベントステージでは映画『バイオハザード ダムネーション』の記者発表会が行われ、神谷誠監督と小林裕幸プロデューサー(カプコン)が登壇。ストーリーの概要やモーションキャプチャーの舞台裏、米国でのファンイベントなどについて語った。  この映画は『バイオハザード ディジェネレーション』に続く、原作ゲーム『バイオハザード』シリーズと世界観を共有するフルCG映画第2弾。ストーリーもゲーム本編とほぼ同一線上にある。  時間軸でいうと、ゲーム『バイオ4』→映画『ディジェネレーション』→ゲーム『バイオ5』→映画『ダムネーション』→ゲーム『バイオ6』の順になる。つまり『バイオ5』の後日譚(シークエル)であり、『バイオ6』の前日譚(プリクエル)にもあたる、『5』と『6』をつなぐミッシングリンク的な位置付けの作品であるともいえる。物語内の時間では『バイオ6』が2013年、『ダムネーション』はその2年前の2011年に起きた出来事を描いている。  舞台は旧ソ連圏にあるとされる架空の国家、東スラブ共和国。富裕層の支援を受ける政府軍と貧困層を核とした反政府ゲリラとの内戦が絶えないこの国に、怪物を目撃したというウワサが拡がる。  原作シリーズ2作目『バイオハザード2』の主人公であり、現在は大統領直属エージェントとなっているレオン・S・ケネディが、B.O.W.(バイオ・オーガニック・ウエポン=生体兵器)拡散の疑いについての捜査を始めようとしたところ、現地に着いた途端、米国政府と東スラブ政府の関係が決裂、作戦の中止を告げられる。しかし、B.O.W.被害が拡大することを看過できないレオンは、中止命令を無視して単独で事件の解決に乗り出していく。  同国では、B.O.W.の一種リッカーが導入され、B.O.W.を従属させることが可能になる寄生体がゲリラの切り札として蔓延、すでに首都はゾンビのようにうごめく感染者の群れに覆われ始めていた。レオンはこの事態を打開できるのか──という筋書きだ。  前作『ディジェネレーション』には登場しなかったエイダ・ウォンが、東スラブ共和国の深奥に迫りつつ暗躍し、レオンの前に度々現れるヒロイン格のキャラクターとして登場することが話題になっている。
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 エイダは『バイオ2』以来、敵か味方か分からぬ、妖しい魅力を振りまく女として存在感を放ち続けてきた。『バイオ6』にもメインキャラクターのひとりとして登場する。『ダムネーション』での、ほぼもう一方の主人公としての扱いにも納得はいく。  舞台設定を旧ソ連~東欧辺りに、とは神谷誠監督のアイデアだったという。ロケーションハンティングはウクライナ共和国で行われた。旧ソ連から東欧に到るスラブ語圏の風景がリアルに描かれ、『バイオハザード』の舞台としては珍しい香りがするが、これがかなりハマっている。  フルCG映画の性質上、演技の収録はモーションキャプチャーとアフレコに分かれる。キャストは、ボイスアクターのみならずモーションアクターも米国人だったが、言葉の壁はなかった。 「まったく英語をしゃべることができないのですが(苦笑)、役作りをしてきていただいているので、こんな感じでやってと(身振りを交えて)言うと、OK分かったと理解してくれる。非常にやりやすかった」(神谷監督)  監督自身のモーション演技もそのまま使用され、メイキング映像で確認することができるという。  身体の動きだけでなく「顔芸」も見どころだ。 「モーションキャプチャーは精度を高めるためにフェイシャル(表情)を別撮りした」と小林プロデューサーが語るように、アップのカットも密度と精度が保たれ、違和感なくスクリーンに没入できる。  特報映像は米国サン・ディエゴにて開催されたコミックコンベンションで初お披露目された。ユーザー500人を会議室に集めたパネルディスカッションでは、登場するキャラクターやクリーチャーについての質問が多かったという。  前作『ディジェネレーション』の公開後には「レオンがいるのに、なぜエイダが出ないのか」との反響があり、結果として『ダムネーション』におけるエイダ登場につながった経緯を考えると、その場でファンから吸い上げた意見は、再び今後に活かされるのかもしれない。
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『バイオハザード ダムネーション』
10月27日(土)より2D&3D全国ロードショー
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
(C)2012カプコン/バイオハザードCG2製作委員会 <http://www.biohazardcg2.com/>
 2008年中に、鍋をつつきながら小林プロデューサーが神谷監督にオファーし、翌年から制作に着手、『ダムネーション』は3年半をかけて完成した。 「映画(単体)としてだけ見ても、すごく面白いと思います。そこは自信があります。また、ゲームの世界観をちゃんと守ったつくりになっています。ゲームファンの方が『なんだよこれ、違うじゃねぇかよ』と不満を抱くこともなく、ストレスなく見られると思います。実はこの事件を経て、『6』の世界につながったのかと見ることもできる」(神谷監督) 「実写映画はポール・W・S・アンダーソン監督が描く『バイオハザード』で、この『ダムネーション』は、ゲームがお好きで、ミリタリーがお好きで、ホラーがお好きでゾンビがお好きな神谷監督が贈る、ゲームの世界観でつくるCG映画」(小林プロデューサー)  2人の言葉にある通り、『ダムネーション』にはバイオ感が満ちている。ゲームの通りの状況設定や間のつくり方。まるで、ゲーム用のシナリオを大災難ものハリウッド映画のフォーマットに叩き込んだかのような、息をもつかせぬ勢いの娯楽作品に仕上がった。ゲームに忠実で、エンタメ映画として楽しめる。その姿勢が全編を貫いている。  この日の夕方からは、幕張メッセからほど近い、海浜幕張駅前のシネプレックス幕張にて完成披露試写会が行われた。舞台挨拶に立った2人は、それぞれ「シリーズものはパート2がいちばん面白いという持論を証明したい」(神谷)、「とにかくレオンを痛めつけて苦労させ、どう乗り切るかというところを描きたい」(小林)と、それぞれエンタメ創作のツボのような一言を残している。観客へのサービスに徹した態度が心地よい。  前作の公開時には、今作でエンディングテーマ曲を歌う土屋アンナが、女性客に鑑賞を勧めようと「怖くないから見に来て」と言ってしまったというが、『ダムネーション』試写会の席では、思わず飛び上がった来場者が何人かいた。怖いかどうかはともかく、驚きがあることは間違いない。  9月14日から公開中の実写映画『バイオハザードV リトビリューション』、10月6日に発売されるゲーム『バイオハザード6』と続く“バイオ祭り”の掉尾を飾るにふさわしい快作の公開は10月27日だ。