
気がついたら人生の半分以上をエロゲーをやって生きてきた筆者。いやいや、不惑が近づこうともエロゲーはやめられませんよ。きっと、棺桶に入るまでエロゲーをプレイし続けるんじゃないかな……きっと、同じ思いの人は多いだろう。
エロゲーに何を求めるか、目的はさまざまあるだろうけど、筆者は「作者は何を考えているんだ」あるいは「制作した会社は、いったいどこへ行こうとしているのか」というマジ○チな雰囲気である。けなしているのではない、褒めているのだ。なぜか、エロゲーはエロマンガに比べて異端なもの、マニアックな内容に出会う機会が多い。どのようなユーザーを想定するかといったビジネス面はよそにして、我が道を行くエロゲーは、やっぱり面白い。そりゃそうだろう。なにせ、エロゲーは一人じゃつくれないわけで、複数の人間のリビドーの集合体なのだから。
そして、凡百な「萌え」よりも、我が道を行く会社のほうが知名度はアップするし、固定客を得られると思う。だからこそ、筆者は常にキャラの立ったエロゲーを探し求めているのだ。
そんな中、今年もとんでもないタイトルの作品を発見してしまった。その名も『サド★部 ~S女に虐めヌかれ部~』。タイトルからおのずとわかるように、登場するヒロインは全員S女である。なんとも、ニッチな層を狙ったタイトルであろうか! 世の中、エロマンガもエロゲーも百花繚乱だけど、やっぱりマニアックなプレイは、まだまだ広く受け入れられてはいない。筆者は、エロゲー雑誌でレビューの仕事などもしているのだが、ここ数年は際立った変態ゲー担当である。担当編集いわく「凌辱系とか嫌がるライターさんが多いんですよね……」だって。変態の間口は広くしておいたほうが、世の中が楽しくなるハズ! でもまあ、ニッチはニッチだよね……。
そんなこの作品、発売を記念して「“初心者(よい子)のためのSM講座”サド★部体験入部会!」なるイベントを開催するという。しかも、協賛はもはや秋葉原の名所と化している大人のデパートm’sである。これは、とてつもなく妙なイベントに違いない! まだ見ぬ変態を見ることができるのではないかと、期待して会場に駆けつけた。

このゲームを制作したCLOCKUPは、「実用性」もさることながら「ちょっと、大丈夫か」とワクワクさせてくれるメーカーだ。
筆者の個人的な意見を書き記すなら、2011年に発売された『プリーズ・レ○プ・ミー!』は、スゴかった。いや、タイトルもだけれど、オープニングで流れる主題歌のタイトルが『LOVEレイプ』である。これが、女性ボーカルで、けっこう上手いにも関わらず、歌詞がタイトルに即した内容なんだから……。もちろん、今回の『サド★部 ~S女に虐めヌかれ部~』の主題歌も、やっぱりか! というものである。こんな会社のやるイベントなんだから、期待しない方がオカシイのである(断言)!
さて、イベントはネット配信中のラジオ番組「☆(ド部)ラジ」出張版ということで、CLOCKUPのいけだかなめ。氏と声優ユニットのりん月(東かりん氏・鈴音華月氏)をMCに、『サド★部』出演声優のヒマリ氏をゲストに招いたトーク……と思いきや、ちょっと違った。いや、イベントタイトルに「サド★部体験入部会」と書いてあったんだけど「大人のデパートm’s協賛」と銘打っている通り、トークもそこそこにステージ上のテーブルの上に、次々とSMグッズが並べられるではないか! おまけにスタッフから「登壇される方に顔出しNGの方がいるんですが」と写真撮影の注意があったのだけれど、ステージ上の女性全員が女王様っぽいマスクをしているし……。いや、あのマスクってすごいね、もう装着しているだけで淫靡な香りがするよ。もはや、三次元には興味のないハズだった筆者も、次第に会場を包み込む、なんともいえない淫靡な雰囲気に取り込まれていくではないか!
それをさらに加速させるのは、出演した声優の皆さんが「これ、どう使うんですか?」と、エネマグラを手に取った瞬間である。会場にいた男性の諸君は、経験の有無に限らず、その使い方をネットなどでよ~く知っているハズ、それを、本気で疑問形で話しながら手に取られたらさあ……。
そして、イベントは本気で体験ということで、来場した男性諸君に鞭、ロウソクなどを体験させるターンへと突入。体験したい人は手を挙げてと問われて、大半は手を挙げるではないか! いや、そりゃそうだろう。プレイは素人の女のコにSMして貰えるなんて、まずあり得ない機会じゃないか(違うか?)。
見事に指名されて、登壇した男性諸君は鞭打たれたり、ロウソクを垂らされたりして、ちょっと嬉しそう……。
いや、こんなノリのよいユーザーたちがCLOCKUPのゲームを支えているんだなァと、ちょっと感動した。ちょっとニッチなテイストの作品にもかかわらず、イベントを開催したり広く世間に打って出ようとするCLOCKUPは、もっと評価されてしかるべき。今、エロゲー業界が冬を迎えているといわれる。そうした中で、こうしたタイトルの登場は「エロゲーは作品内容も売り方も禁じ手なし!」という冒険心をくすぐってくれるのではないだろうか。
なお『サド★部 ~S女に虐めヌかれ部~』は、筆者もプレイ中だし、発売から日がたっておらず、あまりネタバレするとマズイので、ちょこっとだけ感想を記して置くと、とにかくヒロインのキャラ立ちがたまらない。ゲームをプレイしてSMに目覚めるか否かは、個人差はあるだろうが(いや、目覚めても困る気が)「ねえよ!」と突っ込みたくなるような強引な展開を交えつつ、グイグイと引きずり込んでくれる……。きっと、このまま一生、エロゲーをヤリ続けるんだろうな、オレ。
(取材・文=昼間たかし)