
(c)2012映画『ヘルタースケルター』製作委員会
今週取り上げる新作映画は、お騒がせ女優・沢尻エリカの約5年ぶりのスクリーン復帰作として話題の『ヘルタースケルター』(R15+指定)。トップモデルの心の闇を、強烈な映像で提示してみせる問題作だ(7月14日公開)。
原作は、第8回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した岡崎京子の同名コミック。美しい顔立ちと完璧なスタイルで若い女性らの羨望を一身に集め、芸能界の頂点に上り詰めたトップモデル・りりこ。彼女が抱える大きな秘密は、その美貌を全身整形で手に入れたこと。欲望渦巻く芸能界で“女”を武器に、周囲を巻き込みながら突っ走るりりこだったが、整形手術の副作用が肌に現れ始めた頃、徐々に精神のバランスを崩していく……。
ファッションに敏感な若い女性から絶大な支持を集める写真家・蜷川実花が『さくらん』(07)に続く監督第2作として実写映画化。岡崎作品の大ファンだという蜷川監督は、かねてより本作を「絶対に映画化したい」と公言しており、約7年の歳月をかけ実現させた。また、企画段階であった3年ほど前から、沢尻に主演の打診をしていたという力の入れようだ。
『クローズド・ノート』(07)以来の銀幕復帰を果たした沢尻は、フルヌードでの濡れ場や錯乱状態などの場面をはじめ、全編で渾身の演技を披露。後半のりりこの転落ぶりに、人気絶頂から一転「不機嫌発言」でマスコミからバッシングを受け、結婚・離婚騒動でスキャンダルを振りまいてきた沢尻本人の人生を重ねてしまう観客も多いだろう。
極彩色のファッションや美術をスタイリッシュに見せる手腕はさすが女流写真家といったところだが、男性目線にも刺激的なエロス描写という点では前作から大幅に向上。桃井かおり、寺島しのぶ、大森南朋、水原希子といった豪華共演陣の好演も見どころだ。
(文=映画.com編集部)
『ヘルタースケルター』作品情報
<http://eiga.com/movie/57707/>
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「金髪ショートカットは検査逃れか?」スクープ写真で再燃する沢尻エリカの“大麻乱用疑惑”

『ヘルタースケルター』公式サイトより
体調不良を理由に今月5日に行われた主演映画『ヘルタースケルター』のジャパンプレミアを欠席し、その前日に夜遊びしていたところを週刊誌「FLASH」(光文社)に直撃されると「Fuck You!」「うるせーな!」などと取材陣に罵声を浴びせた沢尻エリカ。この一連の行動とともに、驚きをもって受け止められたのは、同誌が激写したその容姿だった。
「映画では黒髪ロングのストレートでしたが、まるで別人。バッサリショートに切り、サイドは刈り上げて金髪にしていた。体調不良を理由に無期限休養中ということもあり、気分転換のために髪形を変えただけだと思いたいが……」(スポーツ紙デスク)
沢尻といえば、5月末ころから「週刊文春」(文藝春秋)によって“大麻常習”の疑惑が盛んに報じられている。その報道は具体的であり、夫である高城剛氏の証言や、沢尻が懇意にしている大麻インストラクターの存在も明らかになった。
この一連の報道に対し、沢尻とマネジメント契約を結ぶエイベックスは「事実無根」という姿勢を貫くのみ。エイベックスと付き合いのある大手スポーツ紙やテレビ局も軒並みスルーで、マスコミの中でも「沢尻の大麻疑惑は、うやむやのまま消えてしまうだろう」(週刊誌記者)という状況だという。
そんな中、沢尻の“雲隠れ”と今回の“短髪スクープ”を関連付けて「大麻使用疑惑が再燃することは間違いない」と語るのは、ある芸能関係者だ。
「大麻インストラクターは、沢尻が昨年末に交際が発覚した30代の男性とバルセロナを訪れた際に大麻を吸っていたことをにおわせているが、沢尻は最近までその男性と海外に逃避行していたようだ。となると、またまた大麻を吸っていた疑惑も浮上する。しかも、突然、髪の毛をバッサリ切って金髪に。そこで思い出されるのが、09年8月に覚せい剤取締法違反で逮捕され、執行猶予付きの判決を受けた酒井法子。酒井は約1週間の逃亡劇の末に逮捕されたが、その間に髪の毛を切って染めた。そうすることによって薬物検査を乗り切ろうとしたのだ。沢尻も近々、薬物検査が実施されることを見越して髪の毛を切って染めた可能性があるとみられている。もしそうだとしたら、自ら大麻使用を認めているようなもの」
沢尻が過去のことを十分反省し、自らの潔白を証明したいのなら、薬物検査を受けた上で公の場で堂々と大麻使用を否定してほしいものだが……。
「Fuck You……!」大迷走の沢尻エリカ『ヘルタースケルター』が“駆け込み乳首”需要で大ヒット!?

『ヘルタースケルター』公式サイトより
体調不良を理由に休養中の沢尻エリカが主演する映画『へルタースケルター』。そのジャパンプレミアが5日、都内で行われた。主役の沢尻は体調が戻らないことを理由に欠席し、この日は監督の蜷川実花、大森南朋、水原希子らが登壇。スクリーンには「今日はこの場にいれなくって本当にごめんなさい(中略)なによりファンのみんな、ゴメンね エリカはいっぱい悩んだけど、いっぱい伝えたい気持ちがあります 早くみんなに会えるよう公開に向け気持ちを立て直して頑張ります」という沢尻からの手紙が映し出された。
ところが当の沢尻は、4日の夜から遊び回っていたところを写真週刊誌「FLASH」(光文社)取材陣にキャッチされた挙げ句、記者に対して「Fuck You!」「来んなよ! うるせーな!」などとまくし立てたという。
「これでイメージは最悪ですよ。そもそも前回の“別に……”の件だって、舞台挨拶で起こったもの。映画のプロモーションでは舞台挨拶が一番の“晴れの場”です。それを2度にわたってブチ壊したわけです。今回は監督の蜷川さんが沢尻にとことん甘いので大きなトラブルにはなっていませんが、もう沢尻を映画で使おうというプロデューサーや監督はいないんじゃないでしょうか」(専門誌記者)
その一方、主役は不在でも会場の熱気はムンムン。一連の休養発表から週刊誌での“大麻疑惑”まで、良くも悪くも同作に注目を集めたことは確かで、映画関係者いわく「最低でも興収50億円はいくのではないか」と予想する。
「何しろ、沢尻が女優生命をかけて臨んだというベッドシーンが見どころですよ。のっけから乳首があらわになるなど、かなり興奮します。モデルのようにスラッとした体形ではなく、適度にぜい肉もついているのが逆にセクシーなんです」(同)
また、別の映画ライターは「“大麻疑惑”により、彼女には警察当局も関心を示している。それこそ、万が一逮捕されるようなことになれば、公開は途中で中止。さらに次作も期待できないとなると、最後の沢尻のヌードを見ておこうという“駆け込み乳首”需要で、さらに数字が伸びるかもしれません」と明かす。
映画の評判ではなく周辺の騒動ばかりが伝えられているものの、沢尻の主演によって大きな話題を巻き起こしていることだけは間違いない本作。公開は今週末だ。
“沢尻エリカ”という名のアトラクションムービー『ヘルタースケルター』が描く無常の世界

全身整形による外見的な美しさを手に入れたりりこ(沢尻エリカ)は、
自分の過去を封印して瞬く間に芸能界を登り詰める。
映画『ヘルタースケルター』は、沢尻エリカという名のアトラクションムービーだ。いわずもがな、主人公のりりこは、マスコミを賑わせるお騒がせ女優・沢尻エリカの分身である。映画の冒頭から、フルヌードを披露するりりこ/沢尻エリカの胸や腰まわりのなめらかなカーブに観客の目はクギづけ状態。人気フォトグラファーである蜷川実花が入念にディレクションした極彩色の世界へと、りりこ/沢尻エリカは毒蛾のように優雅に羽ばたいていく。財閥の御曹司(窪塚洋介)や映画プロデューサー(哀川翔)とまぐわうことで、男たちのエキスを吸い取ったりりこ/沢尻エリカは、さらに妖しい輝きを放つ。でも、毒蛾の命は思った以上に短い。人気のピークを極めた後は、もがき叫びながら堕ちていくだけ。人気女優のヌードを目当てに劇場に足を運んだ自分たちも、彼女と一緒にヘルタースケルター(しっちゃかめっちゃか)な芸能界をジェットコースター感覚で急降下し、束の間の陶酔感を味わう。

若手の台頭、整形手術の後遺症に怯える
りりこは、マネージャーの羽田(寺島
しのぶ)をマインドコントロールしていく。
原作は1995~96年に発表された岡崎京子の同名コミック。完璧なルックスを誇るりりこ(沢尻エリカ)はあらゆる雑誌の表紙を飾り、CMに引っ張りだこの人気スター。だが、りりこの美しさは全身整形で手に入れたもの。外見の美しさとは裏腹に、りりこの内面は歪んでいる。「目ん玉と爪と耳とアソコ以外」は全部整形した莫大な手術費を回収するために事務所の社長・多田(桃井かおり)から仕事を詰め込まれ、そのストレスを年上のマネージャー・羽田(寺島しのぶ)に向かって吐き出している。恐ろしく気分屋で、羽田に自分の股間をクンニリングスするよう命じたかと思うと、翌日には「一回マンコを舐めたぐらいで、調子にのってんじゃねぇよ。この変態女!」と罵倒する。
そんなりりこでも、優しい顔を見せることがある。整形手術と同時に自分の過去は棄てたりりこだが、田舎で暮らす妹に逢うときだけは姉としての思いやりを見せる。丸まるとした体型の妹は、手術によって別人に生まれ変わった姉のことを尊敬してやまない。りりこは「あなたも整形すればいいのに」と勧めるが、妹はりりこのようにはなれないと答える。女たちにとって“美しさこそ強さ”なのだ。りりこは勇気があったから、美しさ=強さを手に入れたらしい。

りりこがひとりで暮らす部屋。彼女の嗜好性を
感じさせるゴージャスな内装だが、生活用品
はどこにも見当たらない。
事務所に後輩として、新人モデルのこずえ(水原希子)が現われる。こずえの整形ではないナチュラルな美しさと若さに、りりこは嫉妬と恐怖を感じる。さらにりりこの受けた整形手術は定期的なメンテナンスを必要とし、仕事に追われるりりこの額や首筋に黒いアザが浮かび上がる。白い肌に黒いアザが次第に広がり、りりこは大笑いしながら卒倒する。整形医(原田美枝子)が処方したクスリを浴びるように呑むうちに、りりこは奇行に走り始める。
りりこは整形手術によって外見的な美しさと自信を手に入れたが、中身は限りなく空っぽだ。りりこの部屋には悪趣味なインテリアが雑然と並び、壁には赤いルージュを塗った唇の巨大画が飾られている。りりこの部屋がりりこの心の中を反映しているのなら、どんな物でも呑み込む巨大唇はりりこの欲望のシンボルなのだろう。欲望という名のエンジンに、フラッシュと喝采をエネルギーとして注入し、クスリを潤滑油にして、りりこは芸能界を突っ走る。でも、りりこが何を目指しているのかは分からない。マネージャーの羽田も、何を考えているのかさっぱり分からない。りりこに命じられるまま、年下の恋人(綾野剛)をりりこに差し出す。りりこがライバル視する若いこずえも、また空っぽだ。りりこに操られて顔を切り刻みに来た羽田に向かって、「いいよ」と自分の顔を突き出す。さらに、りりこを追い掛ける検事(大森南朋)も意味不明の言葉をつぶやき、自分が空っぽの存在であることをほのめかす。頭を叩けば、みんなカポーンといい音がしそうだ。そして多分、空っぽの存在のほうが大衆から支持を得やすいのだろう。大衆のみんなも空っぽだから。
空っぽな美女たちが、空っぽな芸能界をうつろう。いくらSEXシーンを盛り込んでも、欲望が一方的に吐き出されるだけで、そこには体温のぬくもり、体臭、生身と生身のぶつかり合いといった生の実感は観客側には伝わってこない。そこが蜷川版『ヘルタースケルター』の物足りなさであり、でも観客がシンパシーを感じるところに違いない。と、ここまで空っぽな頭で書いていたら、ある4文字熟語が思い浮かんだ。FUCK、ではない。色即是空。観音さまの有り難いお言葉だ。すべての事物はやがて色褪せ、空虚と化していく。なんという無常の世界。観音さまが2,500年も前から『ヘルタースケルター』の世界を見通していたことに、ちょっとビックリ。でも、きっと、多分、消費社会に生まれ落ちた現代人の多くは、この社会がいつまでも続かないことに小さなときからすでに気づいている。
整形手術により本来の肉体を棄て、芸能界で若さとモラルを消耗し、さらにスキャンダルによって名声と人脈も失ったりりこは芸能界から姿を消す。心の中は空っぽで、欲望のままに突き動かされてきた彼女に残されたものは、一体何だろうか。過去の栄光ではないことは確かだ。物語のラスト、空っぽの世界から新しい物語が誕生する。原作者である岡崎京子、ドラマ性よりもビジュアルにこだわる蜷川実花、そして渦中の人・沢尻エリカは、これからどんな物語を生み出していくのだろうか。
(文=長野辰次)

『ヘルタースケルター』
原作/岡崎京子 脚本/金子ありさ テーマソング/浜崎あゆみ 監督/蜷川実花 出演/沢尻エリカ、大森南朋、寺島しのぶ、綾野剛、水原希子、新井浩文、鈴木杏、寺島進、哀川翔、窪塚洋介、原田美枝子、桃井かおり R15 配給/アスミック・エース 7月14日(土)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー <http://hs-movie.com>
(c)2012 映画『ヘルタースケルター』製作委員会
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