潜入!関電株主総会、副社長トンデモ発言「原発寿命60年」

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ナイナイ矢部兄「芸人挫折、借金、めちゃイケ出演のすべて」 大王製紙の泥沼抗争がついに終結! その後は......? 自衛官語る「SNSで防衛機密垂れ流すトンデモ艦長が野放し」 ■特にオススメ記事はこちら! 潜入!関電株主総会、副社長トンデモ発言「原発寿命60年」 - Business Journal(6月28日)
関電株主総会会場の壇上に居並ぶ同社経営幹部。
 関西電力(関電)大飯原発再稼動への批判が全国レベルで渦巻く中、昨日6月27日、注目の同社株主総会が、梅田芸術劇場で開催された。  会場周辺には原発再稼働に批判的な人たちが多数集まり、会場内に入る株主たちに向けて「株主がんばれ!」とのシュプレヒコールが湧き上がっていた。すでに10時開会の45分前には、関電役員たちが壇上に居並ぶメイン会場は、1905席が満席。メイン会場の様子がスクリーンに映し出される第2会場も、7割の席が埋まっていた。  ちなみに、採決のときの挙手を見渡した限り、前から10列目くらいまでは、関電側に好意的な株主で埋め尽くされていた。もちろん、関電がそのように謀ったのかどうかは定かではないが......。  総会は定刻に始まり、議長は森詳介会長が務め、ビデオ上映による事業報告の後、八木誠社長から「対処すべき課題」について説明が行われた。収支が赤字、電力需給が相変わらず厳しい、安全性が最優先......、型どおりの説明が続く。  続いて質疑に入り、まず、事前に書面で寄せられた質問について、担当役員が答えた。概要は、 原発推進みえみえの関電幹部 「電気料金の値上げは現時点で考えていないものの、経営状況次第ではあらゆる選択肢も探っていく」 「収支改善のために、当面は原発再稼動を目指す」 「再生可能エネルギーについては、さらなる導入も考えているものの、コストなども総合的に勘案する」 と、原発廃止に後ろ向きの姿勢がありありだった。  大飯原発再稼動の理由について、豊松秀己副社長が「炉心損傷に至らないと確認した」と話すや、会場から野次が巻き起こり、「やめて~」という女性株主の悲痛な声も。また、国は原発の「40年廃炉ルール」を検討中だが、「60年運転も可能」という驚きの見解も飛び出した。原発の燃料リサイクル処理施設・もんじゅについても、「使用済み核燃料の再処理によって、将来的なウラン獲得競争から解放されるため、もんじゅにも期待する」と語り、同社の原発推進路線が鮮明になった。  続いて、会場からの質問に移り、矢田立郎神戸市長の次に質問した橋下徹大阪市長は、次のように語った。 「関西電力はこのままでは潰れてしまうのではいかと危惧している。衰退産業が歩んだ道を関西電力は歩んでいる。成長産業の経営陣は、経営上の将来リスクをはっきりと株主に説明しているが、関電は説明が不十分だ。使用済み核燃料は原発の根源的な問題だ」 「(使用済み核燃料の)再処理事業は今後も継続するのか? 中間処理施設は増設するのか? 最終処分地はいつまでにつくるのか?」 「家庭用電力は2年後に自由化されるのか? 発送電分離は実施されるのか? 40年廃炉のルールは確立されるのか?」  質問の途中、議長が「3分を超えていますので手短に」と結論を急ぐと、ものすごい野次と大きな拍手が入り乱れ、騒然となった。 「言えない」「検討中」のオンパレード  これらの橋下市長の質問に対し、岩根茂樹常務取締役は、 「家庭向けの自由化は前向きに検討するが、さまざまな公益性も検討しなければいけない。発送電分離は国で検討している」 「2030年のエネルギー比率については、今は言えない」 などと語り、橋下市長の質問にはゼロ回答だった。  この後も10人以上質疑が続き、議長解任動議も出されたが、あっさり否決。強引に議事を進めようとする森議長に対して、なおも動議を出した株主は食い下がり、係員から退席させられそうになる一幕も。  質疑は打ち切られ、株主提出議案の審議へと移ると、株主からは次のように経営陣を批判する声が相次いだ。 「4~5000万円もの報酬がもらえる関電の取締役は、"取締役満足度№1"企業だ。こんな経営陣を持った会社の株主であることを恥じている」(5号議案提出株主) 「オール電化の推進は、放火しておいて消防車を走らせるようなもので、マッチポンプだ」(8号議案提出株主) 「福島原発の事故原因が究明されていないのに、どうして安全だと言い切れるのか? 経営陣は原発詐欺だ。詐欺師に経営は任せられない」(13号議案提出株主)  こうした声は会場に訪れた多くの株主たちの心に届くことはなく、28個の株主議案は次々と否決されていった。    ちなみに、橋下市長はメイン会場2階席の左端に座っていたのだが、そのせいで「動議」の声が議長に届いていなかったようである。 (文=横山渉/ジャーナリスト) ■そのほかの「Business Journal」の人気記事 ナイナイ矢部兄「芸人挫折、借金、めちゃイケ出演のすべて」 大王製紙の泥沼抗争がついに終結! その後は......? 自衛官語る「SNSで防衛機密垂れ流すトンデモ艦長が野放し」 AKB48は日本製造業の継承者と言わざるを得ない理由 伝説の代ゼミ英語講師「なぜ企業トップに東大卒が多いのか?」 財務省は消費税増税不要だと言っちゃってる!? 自称ニートがネットで"生活費集め"はOKか!? (前編)

潜入!関電株主総会、副社長トンデモ発言「原発寿命60年」

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ナイナイ矢部兄「芸人挫折、借金、めちゃイケ出演のすべて」 大王製紙の泥沼抗争がついに終結! その後は......? 自衛官語る「SNSで防衛機密垂れ流すトンデモ艦長が野放し」 ■特にオススメ記事はこちら! 潜入!関電株主総会、副社長トンデモ発言「原発寿命60年」 - Business Journal(6月28日)
関電株主総会会場の壇上に居並ぶ同社経営幹部。
 関西電力(関電)大飯原発再稼動への批判が全国レベルで渦巻く中、昨日6月27日、注目の同社株主総会が、梅田芸術劇場で開催された。  会場周辺には原発再稼働に批判的な人たちが多数集まり、会場内に入る株主たちに向けて「株主がんばれ!」とのシュプレヒコールが湧き上がっていた。すでに10時開会の45分前には、関電役員たちが壇上に居並ぶメイン会場は、1905席が満席。メイン会場の様子がスクリーンに映し出される第2会場も、7割の席が埋まっていた。  ちなみに、採決のときの挙手を見渡した限り、前から10列目くらいまでは、関電側に好意的な株主で埋め尽くされていた。もちろん、関電がそのように謀ったのかどうかは定かではないが......。  総会は定刻に始まり、議長は森詳介会長が務め、ビデオ上映による事業報告の後、八木誠社長から「対処すべき課題」について説明が行われた。収支が赤字、電力需給が相変わらず厳しい、安全性が最優先......、型どおりの説明が続く。  続いて質疑に入り、まず、事前に書面で寄せられた質問について、担当役員が答えた。概要は、 原発推進みえみえの関電幹部 「電気料金の値上げは現時点で考えていないものの、経営状況次第ではあらゆる選択肢も探っていく」 「収支改善のために、当面は原発再稼動を目指す」 「再生可能エネルギーについては、さらなる導入も考えているものの、コストなども総合的に勘案する」 と、原発廃止に後ろ向きの姿勢がありありだった。  大飯原発再稼動の理由について、豊松秀己副社長が「炉心損傷に至らないと確認した」と話すや、会場から野次が巻き起こり、「やめて~」という女性株主の悲痛な声も。また、国は原発の「40年廃炉ルール」を検討中だが、「60年運転も可能」という驚きの見解も飛び出した。原発の燃料リサイクル処理施設・もんじゅについても、「使用済み核燃料の再処理によって、将来的なウラン獲得競争から解放されるため、もんじゅにも期待する」と語り、同社の原発推進路線が鮮明になった。  続いて、会場からの質問に移り、矢田立郎神戸市長の次に質問した橋下徹大阪市長は、次のように語った。 「関西電力はこのままでは潰れてしまうのではいかと危惧している。衰退産業が歩んだ道を関西電力は歩んでいる。成長産業の経営陣は、経営上の将来リスクをはっきりと株主に説明しているが、関電は説明が不十分だ。使用済み核燃料は原発の根源的な問題だ」 「(使用済み核燃料の)再処理事業は今後も継続するのか? 中間処理施設は増設するのか? 最終処分地はいつまでにつくるのか?」 「家庭用電力は2年後に自由化されるのか? 発送電分離は実施されるのか? 40年廃炉のルールは確立されるのか?」  質問の途中、議長が「3分を超えていますので手短に」と結論を急ぐと、ものすごい野次と大きな拍手が入り乱れ、騒然となった。 「言えない」「検討中」のオンパレード  これらの橋下市長の質問に対し、岩根茂樹常務取締役は、 「家庭向けの自由化は前向きに検討するが、さまざまな公益性も検討しなければいけない。発送電分離は国で検討している」 「2030年のエネルギー比率については、今は言えない」 などと語り、橋下市長の質問にはゼロ回答だった。  この後も10人以上質疑が続き、議長解任動議も出されたが、あっさり否決。強引に議事を進めようとする森議長に対して、なおも動議を出した株主は食い下がり、係員から退席させられそうになる一幕も。  質疑は打ち切られ、株主提出議案の審議へと移ると、株主からは次のように経営陣を批判する声が相次いだ。 「4~5000万円もの報酬がもらえる関電の取締役は、"取締役満足度№1"企業だ。こんな経営陣を持った会社の株主であることを恥じている」(5号議案提出株主) 「オール電化の推進は、放火しておいて消防車を走らせるようなもので、マッチポンプだ」(8号議案提出株主) 「福島原発の事故原因が究明されていないのに、どうして安全だと言い切れるのか? 経営陣は原発詐欺だ。詐欺師に経営は任せられない」(13号議案提出株主)  こうした声は会場に訪れた多くの株主たちの心に届くことはなく、28個の株主議案は次々と否決されていった。    ちなみに、橋下市長はメイン会場2階席の左端に座っていたのだが、そのせいで「動議」の声が議長に届いていなかったようである。 (文=横山渉/ジャーナリスト) ■そのほかの「Business Journal」の人気記事 ナイナイ矢部兄「芸人挫折、借金、めちゃイケ出演のすべて」 大王製紙の泥沼抗争がついに終結! その後は......? 自衛官語る「SNSで防衛機密垂れ流すトンデモ艦長が野放し」 AKB48は日本製造業の継承者と言わざるを得ない理由 伝説の代ゼミ英語講師「なぜ企業トップに東大卒が多いのか?」 財務省は消費税増税不要だと言っちゃってる!? 自称ニートがネットで"生活費集め"はOKか!? (前編)

自衛官語る「SNSで防衛機密垂れ流すトンデモ艦長が放置」

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) AKB48は日本製造業の継承者と言わざるを得ない理由 伝説の代ゼミ英語講師「なぜ企業トップに東大卒が多いのか?」 財務省は消費税増税不要だと言っちゃってる!? ■特にオススメ記事はこちら! 自衛官語る「SNSで防衛機密垂れ流すトンデモ艦長が放置」 - Business Journal(6月27日)
「防衛省・自衛隊HP」より
 会員制SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を通じた情報漏洩事件が後を絶たない。  例えば、2月、山梨県警察本部鑑識課長が、1月に同県内で起った火災について「2人死んでました。明日は検証です。寒そう......」などと、会員制SNSに書き込みをした出来事は、記憶に新しいところだ。  また、6月に入ってからは、福岡の消防団員が火災現場を携帯電話のカメラにて撮影、「はなはだ不謹慎」との非難を浴びたという事件もあった。 「公務員の場合、職務上知り得た秘密を漏洩したら、懲戒免職モノと教育されている」(地方公務員)という声を裏づけるように、冒頭の山梨県警鑑識課長はこの書き込みにより本部長訓戒、福岡の消防団員も近く処分される見通しという。どちらの事案も、利用者に実名での参加を求めている会員制SNS・Facebookでの出来事である。  Facebookは、利用者に実名での参加を求めている。この実名性が、Facebookにおける書き込み内容の信憑性が高いとされる所以だ。 航海ルート、軍事戦略もダダ漏らし  昨年の5月頃からFacebook上に、以下のような写真が投稿された。

 この写真は軍事知識がない人からみれば、ただ潜水艦が航行している写真としか思わない。しかしある現役海上自衛隊幹部、元同自衛隊幹部、現役下士官ら数人は、口を揃えて次のように話す。 「背景から広島湾、那沙美の瀬戸と丸わかり。護衛艦にある20センチ望遠鏡から撮影したのは間違いない。分角(目盛)が入りこんでいることで、映りこんでいる建物と潜水艦のセイルの位置などから、海上自衛隊の艦艇の航路が容易に読み解ける。この位置に機雷でも仕掛けられたら、たまったものではない」  つまり安全保障上、問題のある写真である可能性が高いということだ。もっとも今の時代、広島湾に諸外国が機雷を仕掛ける可能性は、現実的には低いかもしれないが、元幹部海上自衛官は、こう懸念を示す。 「国内のテロ組織が、漁業を装って、この位置に魚網を仕掛け、スクリューを巻き込ませるなど、自衛隊を標的としたさまざまなテロ行為の可能性が考えられる。つまりこの写真は、Facebookに投稿されてはいけない代物。しかもこの広島湾の那沙美の瀬戸は狭水道なので、航行するときに、こうした写真が撮影できるのは艦長、副長、甲板士官くらいしか考えられない」  安全保障上の問題があるばかりではなく、勤務時間中に写真撮影を行っていた疑いは濃厚だ。このほかにも、護衛艦「はたかぜ」のエンジンルーム、艦砲射撃の写真もあわせて投稿されていた。「はたかぜ」のエンジンルームも「詳細は話せないが、外部に出してもらっては困る」(元海上自衛隊幹部)写真だという。 犯人はなんと現役護衛艦艦長  この写真を投稿していたのは、護衛艦「はたかぜ」副長兼砲雷長・「S」2等海佐と名乗る人物とされている。昨年12月からは舞鶴の第14護衛隊所属、護衛艦「みねゆき」艦長を務める、れっきとした現役幹部自衛官である。  はたしてこれら一連の投稿は、本当に護衛艦「みねゆき」艦長・「S」2等海佐のよるものなのか? 直接、話を聞こうとコンタクトを取ったが、回答を得ることはできなかった。  この「S」2等海佐のFacebook投稿は、昨年12月に護衛艦「みねゆき」艦長に就任後、さらに頻度が増した。その投稿内容は、自衛隊にあまり詳しくない人がみても、安全保障上、なにがしかの問題があるのではとの疑念のある内容ばかりだ。  例えば他のFacebookユーザーからの質問に応じて「護衛艦の復元性は強く、90度+○○度傾いても沈みません」とコメント。この書き込みにより、「日本の護衛艦の復元性は90度+○○度」という、「日本の安全保障上、外部に知られてはいけない情報」(現役自衛官)を公表してしまったのである。  また、「S」2等海佐が1月に実施された輸送艦「のと」の(海岸へ艦を離着岸させる)ビーチング訓練に参加した際は、「輸送艦は陸上から約200メートル沖合いで錨を投げ(略)」と書き込み、またしても自衛隊にとっての秘密情報を流している。 「この数字によって、海上自衛隊が想定しているビーチング能力がわかる。『有事の際、沖合200メートルで投錨できる地形でなければ、輸送艦を用いたビーチングは難しい』と、諸外国やテロ組織に対し公にしたようなもの。とても艦長職にある人間の書き込みとは思えない」(元海上自衛隊幹部) 注意を受けて、「Japan NAVY」と改名 「S」2等海佐が昨年12月に艦長に就任して以降、護衛艦「みねゆき」は、母港・舞鶴を拠点とし、1月は東北沖、沖縄に行き、4月には横須賀に寄港するなど、護衛艦の動きがFacebook上から読み解けるようになった。  また1月23日の投稿では「舞鶴も吹雪です。今日は吹雪の中、視界1500メートルで帰ってきました。現在、C錨地」と、その行動が実に詳らかに記されている。艦内で出された食事についても写真投稿しているが、その際、一々「東北沖」などと、その現在地についても書き込みがされている。さすがにこれはまずいだろうと、ある海上自衛隊関係者が「みねゆき」所属の第14護衛隊司令・1等海佐に注意を促したという。 「司令(1等海佐)と艦長(「S」2等海佐)は、たしか同い年。防衛大出身のエリートの司令に、少年自衛官から叩き上げた艦長は、通信制で大学を卒業して幹部となった苦労人。自衛官歴では司令より長いためか、日頃から司令を軽視していた。また自分と異なる意見を認めない意固地なところがあった」(第14護衛隊所属護衛艦乗組海曹)  上司である第14護衛隊司令からの注意を受けた2月初旬頃、「S」2等海佐はFacebook上のプロフィールの「みねゆき艦長」を削除、その表記を「Japan NAVY MINEYUKI CAPT」と英語ながらも"日本海軍"と改める暴走ぶりをみせた。 「公務員が書いた文書は、すべて公文書と理解されても仕方がない。階級章付顔写真入りで『みねゆき艦長』とプロフィールに表記していれば、海上自衛官の書き込みであることは閲覧者には明白。それを上司に注意されてなお『Japan NAVY』とはおふざけが過ぎる。とてもまともな幹部自衛官とは思えない」(元海上自衛隊幹部) 「S」2等海佐の暴走はこれに留まらない。司令(1等海佐)から注意を受けてもまだ、反省の素振りもなく、他の艦に勤務する幹部自衛官の勤務評定をFacebookに投稿、全世界に個人の勤務評定をばら撒くに至る。 自衛官の勤務評価も公開!  例えば、輸送艦「のと」船務長兼補給長(Facebookでは実名)について、「『去年、幹部になったばかりなのでまだまだです』と、同艦艦長が話していた」とFacebook上に書き込み。同艦長も、みずから話した部下への勤務評価を、ネットを通して全世界に公表されるとは思ってもいなかっただろう。挙句の果てには「船務長兼補給長はかなり『のと艦長』からしぼられていたので、同窓の縁で激励してやろうと思います」と書き込むなど、その暴走は留まるところを知らなかった。 「そもそも他艦乗組幹部の勤務評価は『職務上、知り得た内容』ではないか。それをFacebookに書き込むとは、幹部自衛官としての資質に問題あり。艦長職に留まること事態、大きな問題だ」(元海上自衛隊幹部)  こうした一連の投稿について、防衛省倫理審査会、及び海上自衛隊が調査した結果、一連の投稿は護衛艦「みねゆき」艦長・「S」2等海佐本人によるものとわかった。  本件についての対応について、同審査会に問い合わせたところ、次のような回答を得た。 「本件に関しては、情報漏洩や職務専念義務違反等の規律違反行為は確認されませ んでしたが、幹部自衛官として、無用な誤解を招きかねない情報を個人の判断でイン ターネット上に掲載することは、必ずしも適切とは言えず、当該隊員については、上 司から厳重に注意を実施いたしました」  つまり「S」2佐については、所属部隊である第14護衛隊司令・1等海佐からの注意のみということである。  また海上自衛隊へも同様に問い合わせたところ、海上幕僚監部広報室名で、次の回答を入手した。 自衛隊も「問題なし」 「一部自衛隊員として不適切な面が見受けられたことから、海上自衛隊といたしましても、インターネット環境の発達に伴う個人による情報発信の危険性を認識し、引き続き指導を徹底して参ります」  つまり自衛隊法でいう懲戒には当たらないというわけだ。防衛省倫理審査会の調査の結果にある「規律違反行為」に該当するものがなかったためである。しかし、これでは冒頭の山梨県警察本部鑑識課長の本部長訓戒と比べて、処分に著しく妥当性を欠きはしないだろうか。なぜこのような軽い処分で済んでしまうのか? 「防衛省や海上自衛隊としては、この事案では懲戒処分はできないだろう。なぜなら懲戒処分を行うと、どの書き込みで処分したかを、きちんと公表しなければならない。そうすると何が『秘』で、何が『秘』ではないかを世に明らかにすることになる。これは自衛隊のような組織では大変困る。もっとも公には処分はされないが、防衛省や海自が回答しているように『上司から厳重注意』された事実は残る」(元海上自衛隊幹部)  また、関係筋は、「情報関連及び自衛隊員の規律全般を担当する海幕高級幹部(総務部長、指揮情報部長など)は、『みねゆき』の事案はオプセック(オープン・オブ・セキュリティ)の欠如であり、"徹底教育する"との見解を示しているため、『S』2等海佐は幹部自衛官としてはもう終わったと思う」と話す。 「これくらいの書き込みならOK」というメッセージに  それにしても、こうした厳重注意を受けた艦長の命令に、部下である乗員たちは従うのであろうか? 今回、取材した何人かの幹部自衛官は、あくまでも個人の立場として、「まだ艦長職に留まるとは、いい度胸している。乗員がかわそうだよ」という声がほとんどだ。  今回、「S」2等海佐は、上司である司令からの厳重注意で済んだ。  しかし、これにより別の問題が生じる可能性があると、現役陸上自衛隊幹部は懸念を表す。 「『みねゆき』艦長の書き込み、写真投稿で処分の対象にならないのなら、『これくらいの書き込みや写真投稿もOK』だというラインを、防衛省や海上自衛隊は示したことになる」  この"お騒がせ艦長"率いる護衛艦「みねゆき」は、8月3〜4日と富山県伏木港にて一般公開される。現在、自衛隊富山地方協力本部が参加者を受け付けている。 (文=秋山謙一郎/経済ジャーナリスト) ■そのほかの「Business Journal」の人気記事 AKB48は日本製造業の継承者と言わざるを得ない理由 伝説の代ゼミ英語講師「なぜ企業トップに東大卒が多いのか?」 財務省は消費税増税不要だと言っちゃってる!? 自称ニートがネットで"生活費集め"はOKか!? (前編) シャープ本体に出資比率の引き上げを迫る鴻海 野村證券 JAL再上場の主幹事証券の座も絶望的か? 河本妻のペットサロン参入計画は無謀だったのか !?

自衛官語る「SNSで防衛機密垂れ流すトンデモ艦長が放置」

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) AKB48は日本製造業の継承者と言わざるを得ない理由 伝説の代ゼミ英語講師「なぜ企業トップに東大卒が多いのか?」 財務省は消費税増税不要だと言っちゃってる!? ■特にオススメ記事はこちら! 自衛官語る「SNSで防衛機密垂れ流すトンデモ艦長が放置」 - Business Journal(6月27日)
「防衛省・自衛隊HP」より
 会員制SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を通じた情報漏洩事件が後を絶たない。  例えば、2月、山梨県警察本部鑑識課長が、1月に同県内で起った火災について「2人死んでました。明日は検証です。寒そう......」などと、会員制SNSに書き込みをした出来事は、記憶に新しいところだ。  また、6月に入ってからは、福岡の消防団員が火災現場を携帯電話のカメラにて撮影、「はなはだ不謹慎」との非難を浴びたという事件もあった。 「公務員の場合、職務上知り得た秘密を漏洩したら、懲戒免職モノと教育されている」(地方公務員)という声を裏づけるように、冒頭の山梨県警鑑識課長はこの書き込みにより本部長訓戒、福岡の消防団員も近く処分される見通しという。どちらの事案も、利用者に実名での参加を求めている会員制SNS・Facebookでの出来事である。  Facebookは、利用者に実名での参加を求めている。この実名性が、Facebookにおける書き込み内容の信憑性が高いとされる所以だ。 航海ルート、軍事戦略もダダ漏らし  昨年の5月頃からFacebook上に、以下のような写真が投稿された。

 この写真は軍事知識がない人からみれば、ただ潜水艦が航行している写真としか思わない。しかしある現役海上自衛隊幹部、元同自衛隊幹部、現役下士官ら数人は、口を揃えて次のように話す。 「背景から広島湾、那沙美の瀬戸と丸わかり。護衛艦にある20センチ望遠鏡から撮影したのは間違いない。分角(目盛)が入りこんでいることで、映りこんでいる建物と潜水艦のセイルの位置などから、海上自衛隊の艦艇の航路が容易に読み解ける。この位置に機雷でも仕掛けられたら、たまったものではない」  つまり安全保障上、問題のある写真である可能性が高いということだ。もっとも今の時代、広島湾に諸外国が機雷を仕掛ける可能性は、現実的には低いかもしれないが、元幹部海上自衛官は、こう懸念を示す。 「国内のテロ組織が、漁業を装って、この位置に魚網を仕掛け、スクリューを巻き込ませるなど、自衛隊を標的としたさまざまなテロ行為の可能性が考えられる。つまりこの写真は、Facebookに投稿されてはいけない代物。しかもこの広島湾の那沙美の瀬戸は狭水道なので、航行するときに、こうした写真が撮影できるのは艦長、副長、甲板士官くらいしか考えられない」  安全保障上の問題があるばかりではなく、勤務時間中に写真撮影を行っていた疑いは濃厚だ。このほかにも、護衛艦「はたかぜ」のエンジンルーム、艦砲射撃の写真もあわせて投稿されていた。「はたかぜ」のエンジンルームも「詳細は話せないが、外部に出してもらっては困る」(元海上自衛隊幹部)写真だという。 犯人はなんと現役護衛艦艦長  この写真を投稿していたのは、護衛艦「はたかぜ」副長兼砲雷長・「S」2等海佐と名乗る人物とされている。昨年12月からは舞鶴の第14護衛隊所属、護衛艦「みねゆき」艦長を務める、れっきとした現役幹部自衛官である。  はたしてこれら一連の投稿は、本当に護衛艦「みねゆき」艦長・「S」2等海佐のよるものなのか? 直接、話を聞こうとコンタクトを取ったが、回答を得ることはできなかった。  この「S」2等海佐のFacebook投稿は、昨年12月に護衛艦「みねゆき」艦長に就任後、さらに頻度が増した。その投稿内容は、自衛隊にあまり詳しくない人がみても、安全保障上、なにがしかの問題があるのではとの疑念のある内容ばかりだ。  例えば他のFacebookユーザーからの質問に応じて「護衛艦の復元性は強く、90度+○○度傾いても沈みません」とコメント。この書き込みにより、「日本の護衛艦の復元性は90度+○○度」という、「日本の安全保障上、外部に知られてはいけない情報」(現役自衛官)を公表してしまったのである。  また、「S」2等海佐が1月に実施された輸送艦「のと」の(海岸へ艦を離着岸させる)ビーチング訓練に参加した際は、「輸送艦は陸上から約200メートル沖合いで錨を投げ(略)」と書き込み、またしても自衛隊にとっての秘密情報を流している。 「この数字によって、海上自衛隊が想定しているビーチング能力がわかる。『有事の際、沖合200メートルで投錨できる地形でなければ、輸送艦を用いたビーチングは難しい』と、諸外国やテロ組織に対し公にしたようなもの。とても艦長職にある人間の書き込みとは思えない」(元海上自衛隊幹部) 注意を受けて、「Japan NAVY」と改名 「S」2等海佐が昨年12月に艦長に就任して以降、護衛艦「みねゆき」は、母港・舞鶴を拠点とし、1月は東北沖、沖縄に行き、4月には横須賀に寄港するなど、護衛艦の動きがFacebook上から読み解けるようになった。  また1月23日の投稿では「舞鶴も吹雪です。今日は吹雪の中、視界1500メートルで帰ってきました。現在、C錨地」と、その行動が実に詳らかに記されている。艦内で出された食事についても写真投稿しているが、その際、一々「東北沖」などと、その現在地についても書き込みがされている。さすがにこれはまずいだろうと、ある海上自衛隊関係者が「みねゆき」所属の第14護衛隊司令・1等海佐に注意を促したという。 「司令(1等海佐)と艦長(「S」2等海佐)は、たしか同い年。防衛大出身のエリートの司令に、少年自衛官から叩き上げた艦長は、通信制で大学を卒業して幹部となった苦労人。自衛官歴では司令より長いためか、日頃から司令を軽視していた。また自分と異なる意見を認めない意固地なところがあった」(第14護衛隊所属護衛艦乗組海曹)  上司である第14護衛隊司令からの注意を受けた2月初旬頃、「S」2等海佐はFacebook上のプロフィールの「みねゆき艦長」を削除、その表記を「Japan NAVY MINEYUKI CAPT」と英語ながらも"日本海軍"と改める暴走ぶりをみせた。 「公務員が書いた文書は、すべて公文書と理解されても仕方がない。階級章付顔写真入りで『みねゆき艦長』とプロフィールに表記していれば、海上自衛官の書き込みであることは閲覧者には明白。それを上司に注意されてなお『Japan NAVY』とはおふざけが過ぎる。とてもまともな幹部自衛官とは思えない」(元海上自衛隊幹部) 「S」2等海佐の暴走はこれに留まらない。司令(1等海佐)から注意を受けてもまだ、反省の素振りもなく、他の艦に勤務する幹部自衛官の勤務評定をFacebookに投稿、全世界に個人の勤務評定をばら撒くに至る。 自衛官の勤務評価も公開!  例えば、輸送艦「のと」船務長兼補給長(Facebookでは実名)について、「『去年、幹部になったばかりなのでまだまだです』と、同艦艦長が話していた」とFacebook上に書き込み。同艦長も、みずから話した部下への勤務評価を、ネットを通して全世界に公表されるとは思ってもいなかっただろう。挙句の果てには「船務長兼補給長はかなり『のと艦長』からしぼられていたので、同窓の縁で激励してやろうと思います」と書き込むなど、その暴走は留まるところを知らなかった。 「そもそも他艦乗組幹部の勤務評価は『職務上、知り得た内容』ではないか。それをFacebookに書き込むとは、幹部自衛官としての資質に問題あり。艦長職に留まること事態、大きな問題だ」(元海上自衛隊幹部)  こうした一連の投稿について、防衛省倫理審査会、及び海上自衛隊が調査した結果、一連の投稿は護衛艦「みねゆき」艦長・「S」2等海佐本人によるものとわかった。  本件についての対応について、同審査会に問い合わせたところ、次のような回答を得た。 「本件に関しては、情報漏洩や職務専念義務違反等の規律違反行為は確認されませ んでしたが、幹部自衛官として、無用な誤解を招きかねない情報を個人の判断でイン ターネット上に掲載することは、必ずしも適切とは言えず、当該隊員については、上 司から厳重に注意を実施いたしました」  つまり「S」2佐については、所属部隊である第14護衛隊司令・1等海佐からの注意のみということである。  また海上自衛隊へも同様に問い合わせたところ、海上幕僚監部広報室名で、次の回答を入手した。 自衛隊も「問題なし」 「一部自衛隊員として不適切な面が見受けられたことから、海上自衛隊といたしましても、インターネット環境の発達に伴う個人による情報発信の危険性を認識し、引き続き指導を徹底して参ります」  つまり自衛隊法でいう懲戒には当たらないというわけだ。防衛省倫理審査会の調査の結果にある「規律違反行為」に該当するものがなかったためである。しかし、これでは冒頭の山梨県警察本部鑑識課長の本部長訓戒と比べて、処分に著しく妥当性を欠きはしないだろうか。なぜこのような軽い処分で済んでしまうのか? 「防衛省や海上自衛隊としては、この事案では懲戒処分はできないだろう。なぜなら懲戒処分を行うと、どの書き込みで処分したかを、きちんと公表しなければならない。そうすると何が『秘』で、何が『秘』ではないかを世に明らかにすることになる。これは自衛隊のような組織では大変困る。もっとも公には処分はされないが、防衛省や海自が回答しているように『上司から厳重注意』された事実は残る」(元海上自衛隊幹部)  また、関係筋は、「情報関連及び自衛隊員の規律全般を担当する海幕高級幹部(総務部長、指揮情報部長など)は、『みねゆき』の事案はオプセック(オープン・オブ・セキュリティ)の欠如であり、"徹底教育する"との見解を示しているため、『S』2等海佐は幹部自衛官としてはもう終わったと思う」と話す。 「これくらいの書き込みならOK」というメッセージに  それにしても、こうした厳重注意を受けた艦長の命令に、部下である乗員たちは従うのであろうか? 今回、取材した何人かの幹部自衛官は、あくまでも個人の立場として、「まだ艦長職に留まるとは、いい度胸している。乗員がかわそうだよ」という声がほとんどだ。  今回、「S」2等海佐は、上司である司令からの厳重注意で済んだ。  しかし、これにより別の問題が生じる可能性があると、現役陸上自衛隊幹部は懸念を表す。 「『みねゆき』艦長の書き込み、写真投稿で処分の対象にならないのなら、『これくらいの書き込みや写真投稿もOK』だというラインを、防衛省や海上自衛隊は示したことになる」  この"お騒がせ艦長"率いる護衛艦「みねゆき」は、8月3〜4日と富山県伏木港にて一般公開される。現在、自衛隊富山地方協力本部が参加者を受け付けている。 (文=秋山謙一郎/経済ジャーナリスト) ■そのほかの「Business Journal」の人気記事 AKB48は日本製造業の継承者と言わざるを得ない理由 伝説の代ゼミ英語講師「なぜ企業トップに東大卒が多いのか?」 財務省は消費税増税不要だと言っちゃってる!? 自称ニートがネットで"生活費集め"はOKか!? (前編) シャープ本体に出資比率の引き上げを迫る鴻海 野村證券 JAL再上場の主幹事証券の座も絶望的か? 河本妻のペットサロン参入計画は無謀だったのか !?

自称ニートがネットで"生活費集め"はOKか!? (前編)

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 外国特派員協会、記者クラブへの見栄で"正義なき"クビ切り!? 野村證券 JAL再上場の主幹事証券の座も絶望的か? 堂々と乗客の命を危険に晒すスカイマーク、ついに国交省が... ■特にオススメ記事はこちら! 自称ニートがネットで"生活費集め"はOKか!? (前編) - Business Journal(6月26日)
post_313_20120626_1.jpg
「アイデアを実現するために必要な創作費用」を
集めるためのサイトであると、
CAMPFIRE上では謳っている。
混迷の時代を生き抜く若者の生活に取材し、『親より稼ぐネオニート』(扶桑社新書)などの著作を持つ今一生氏が、昨今話題の「クラウドファンディング」をめぐる、あるトピックに疑問を投げかけた。これは、ネットが生み出した新しい生き方なのか、社会を沈下させる禁断の試みなのかーー。  最近、「クラウドファンディング」というwebサービスが人気を博している。個人・団体がプロジェクト内容を公開し、それに共感したネット市民がプロジェクトを実現する必要経費として、資金を提供する仕組みだ。  クラウドファンディングは、切実な社会問題を解決したいとか、楽しいアートを作りたいなど「みんなのために」活動したい志を持つものの、自助努力だけではどうしても困難な際に利用できる便利な仕組みだ。  日本では、東日本大震災の被災者支援のためにこのサービスが重宝され、多くの善意が集められてきた経緯がある。  資金はプロジェクトそのものに投入されるのが原則で、このサービスの草分けである米国のKickstarterでも、プロジェクト起案者個人の生活費に充てる利用は禁じられている。  そんな中、日本のクラウドファンディングのひとつ「CAMPFIRE」(運営:株式会社ハイパーインターネッツ)で、「ニートについての本を書いてるんですが制作費が欲しいです。」というプロジェクトがアップされた。起案者は「pha(ファ)」と名乗る33歳の男性。本人の書いたプロフィールには、こうある。 「日本一のニートを目指す。無職でネットで遊びまくり。インターネットが好きな人が集まって住むという『ギークハウスプロジェクト』提唱者。独学でプログラミングを学び『EasyBotter』『圧縮新聞』『ホッテントリメーカー』などのウェブサービスを多数開発。京都大学総合人間学部卒。できるだけ働かずに生きていきたいです」
本制作費用として、約63万8000円の資金を
集めたphaさんのプロジェクト。
 そんなphaさんが求めていた目標額面は10万円。すでにこの額面をクリアしており、最終的に249人のパトロンを集め、支援金63万8614円を調達した(このうち20%はCAMPFIREの運営者が手数料として受け取る)。  ここで、このプロジェクト内容の信憑性や妥当性について、主に2つの大きな疑問が生じる。  ひとつは、phaさんが「ニート」と自称していた点。彼のプロジェクトのページには、病気や障害などの働けない事情は紹介されていない。それどころか、「制作作業が終わったらなにがしかのバイトなどをしてお金を稼ぐことも考えている」と明かしている。彼には働けないほど切実な事情はないのだ。  約2年前の姉妹サイト「日刊サイゾー」の取材で、phaさんは月収を聞かれ、こう答えている。 「だいたい10万円ちょっとくらいです。ブログのアフィリエイトやちょっとしたネットサービスを公開していたり、ネットで本を売ったり。それから時々原稿を書いたりしているのでパラパラと細かい収入があります」  phaさんは仕事をしたくない自営業者であり、ニートでないことは彼自身も、筆者の質問に対して、自分のブログで「確かにその通り」と認めているのだ。  2つ目の疑問は、phaさんが求めたのは「制作費」なのかという点だ。彼は、集めた資金の使い道をこう説明している。 「半年ぐらい前から原稿を書いているんですが、書いているうちにお金がなくなってきて困るようになってきました。文章を書いていると資料として本を買ったりもする。家で作業していると家賃や光熱費や通信費もかかるし、家にずっといると気が滅入るのでファミレスやカフェにも行く。たまには酒を飲んだり焼き鳥を食べたりして気力も補充したい」  書籍を書き下ろす場合、資料代は税申告の際に経費として計上できるし、phaさんのような低所得者の場合は赤字申告で還付金が入り、資料代程度の額面は相殺される可能性が高い。  通常、書籍の制作費といえば、遠方の取材に必要不可欠な交通費や宿泊費などを意味する。在宅でニートの本を執筆する際には、まず関係がない。他のほとんどの経費は生活費だ。「家賃や光熱費や通信費」「ファミレスやカフェ」「酒を飲んだり焼き鳥を食べたり」を「本の制作費」と言いきるには、語弊があるだろう。  彼のプロジェクトを正確に表現するなら、「自営業者ですが、仕事をするのがだるいので貧乏になりました。とりあえず1カ月分の生活費が欲しいです」になる。 「働きたくない」は正当な理由になりうるのか?  phaさんは、「働きたくないという気持ちはそんなに責められることじゃないし、もうちょっと働かないことについてみんな寛容になったら生きやすい社会になるんじゃないか、お金がなくてもインターネットがあれば結構楽しく暮らせる」と書いている。  もっともらしい物言いだが、「『死ぬほど異常に何がなんでも働きたくない』という人は『働けない』とほぼ同じです。そして、単に『働きたくない』とか『だるい』という理由でクラウドファンディングを使っても別に構わない」とも書いている。  バイトのような自助努力を後回しにし、他人が働いて得た金を当てにする。それは彼の自由だ。だが、「制作費」を無制限に拡大解釈するプロジェクトが承認された今、食えないクリエイターが制作費として生活費を求める案件を拒む理屈が立たない。  すると、「ニート」を自称したり、特定個人の生活費にのみ資するプロジェクトを承認した審査基準の正当性を説明する社会的責任が、運営者には生じるのではないか?  その責任を放置すれば、「働けない事情はないけど、働きたくない」という反・良識的なプロジェクトの起案者を矢面に立たせて面白がるだけだ。それは、クラウドファンディング業界が築き上げてきたサービスの社会的価値を貶めることにもなりかねない。  では、CAMPFIREは、どんな基準で新規プロジェクトを審査・承認しているのか?  そこで、CAMPFIREの運営元であるハイパーインターネッツ(東京都港区六本木)に、「どのような形で新規プロジェクト案を打診してくる団体や個人の実情を把握・確認していますか?」「今後、心身ともに健康で、働けない切実な事情を持たず、単純に『だるいから働きたくない』という人が本を書きたいというプロジェクトを打診してきても受け入れていく方針ですか?」など、複数の質問をメールで送ってみた......。 (文=今一生) ■そのほかの「Business Journal」の人気記事 外国特派員協会、記者クラブへの見栄で"正義なき"クビ切り!? 野村證券 JAL再上場の主幹事証券の座も絶望的か? 堂々と乗客の命を危険に晒すスカイマーク、ついに国交省が... オウンドメディア、パーソナルSNS化のカギ「O2O」 河本妻のペットサロン参入計画は無謀だったのか !? 「モテメール」がビジネスマン必須のスキルって本気なのか? 原発官僚の"天下り先"日立社長「原発は人類に必須」

子ども健康被害続出!?マスコミの携帯電話タブーに…

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 河本妻のペットサロン参入計画は無謀だったのか !? 「モテメール」がビジネスマン必須のスキルって本気なのか? 原発官僚の"天下り先"日立社長「原発は人類に必須」 ■特にオススメ記事はこちら! 子ども健康被害続出!?マスコミの携帯電話タブーに… - Business Journal(6月21日)
post_293_20120625.jpg
「Thinkstock」より
がんのおそれに、精子減少......携帯電話は使ってはいけない!? 「週刊東洋経済 6/23号」の大特集は『夏に勝つ! 塾・予備校』という、中学、高校、大学受験に向けての夏休み前の塾・予備校選び決定版だ。この特集は春の定番だが、今回は受験の天王山といわれる夏の過ごし方がテーマ。教育関係の取材ものは、受験世代の子どものいる編集者・ライターにとっては公私混同取材もできるうえ、塾・予備校の広告費も期待できるという営業的な側面もあってド定番になっている。  今回も、編集スタッフの気合のいれようが半端ない。『独自調査 2012年度塾別合格実績一覧』を、中学・高校・大学編と掲載。学歴社会バンザイの内容だ。唯一、学歴社会に批判的スタンスの記事は『徹底試算! 中学受験にかかるおカネ 3年間の塾費用250万円 家計をどうやり繰りする』だ。ある調査では小学6年生の2割が経験するという中学受験だが、編集部の調査では合格に必要な塾費用は250万円、この資金についてファイナンシャルプランナーのアドバイスは『中学受験が本格化する小学4年までにできるだけ貯金をすることが大切』で、最低でも100~200万円は必要だというものだ。この世は学歴と金がすべて、と思い知らされるような読後感にさいなまれるが、今回の東洋経済は第2特集が秀逸だ。  第2特集は『電磁波で健康被害の報告も 携帯電話は安全か?』と、携帯電話や基地局から出る電磁波の身体への安全性の疑問の声を紹介しているのだ。携帯電話の基地局周辺に住む住民の子どもたちを中心に、鼻血、めまい、動悸といった健康被害が続出している。しかも、その被害は、基地局のアンテナが窓から見える2~3階の教室の児童や、基地局と自宅が近い児童ほど発生率が高くなっているのだという。  ただし携帯電話会社は健康障害と基地局の電波の因果関係を認めておらず、住民の不安は全国各地に広がり、基地局建設の中止や撤去を求める反対運動が全国で勃発、訴訟に発展するケースもあるのだ。  こうした住民の不安の声は、これまで大手新聞の地方面や地方紙が多少取り上げるだけだった。というのも、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクは、マスコミにとっては大スポンサー。マスコミはその利益に反するような記事は扱わないというタブーがあるが、この携帯電話の健康被害問題はスポンサータブーそのものなのだ。こうしたタブーがあるにもかかわらず、東洋経済が携帯電話の健康被害問題を取り上げたのは評価できるのだ。  記事では、「携帯電話を腰の付近に装着することによる精子の減少」や「携帯電話の電波による脳血流量の上昇」などの海外での研究結果も報告されている。ただし日本の実験では影響が認められておらず、結論が出ていない。そのようななか、昨年5月に世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(IARC)は携帯電話など無線周波の電波を、発がんリスクで5段階中の3番目にあたる「グループ2B」に分類し、世界に波紋が広がった。予防的見地から英国では16歳未満の若者に使用制限を呼びかけ、スイスでは規制値を国際基準より厳格化した。一方の日本は、国際防護指針に準拠している総務省が定めた電波防護指針の規制下にある「携帯電話の電磁波は安全」という立場だ。  ただし、日本の電波防護指針の信頼性に疑問もある。記事『"電磁波ムラ"が決める安全基準』によれば、リスク評価を行う委員に、携帯電話会社からの寄付金が渡っている事実が指摘されている。携帯電話会社には総務省から天下りがある。携帯電話1台につき200円の電波利用料を携帯電話会社が総務省に納めるなど、総務省とはズブズブの関係なのだ。  原発問題同様、行政の対応は頼りにならず、自分で対策を練るしかないが、その方法は、携帯電話はできるだけ体から離して使用する。子どもには緊急時以外使わせない。端末ごとのSAR値を比較して最も低い機種を選ぶべき......などというアドバイスが掲載されている。SAR値とは、通話中にどの程度のエネルギーが体内に吸収され熱に変換されるかを示した数値だ。米国・ピッツバーグ大学がん研究所がその重要性を喚起しているもので、できるだけSAR値の低い端末を選ぶといいが、各携帯電話会社はこの数値をHP上でしか公表していないという。 交際費がいまだイケイケなのは、商社、証券、広告代理店! 「週刊ダイヤモンド 6/23号」の大特集は『営業の常識が変わった! 新ニッポンの接待』だ。日本企業は、バブル崩壊後、経営合理化を余儀なくされ、接待の軍資金となる交際費は激減。かつて6兆円を超えていた交際費は、いまや3兆円を割り込んで半分以下になった。  会社の交際費で飲み食いする「社用族」でにぎわった銀座はどこも閑古鳥が泣き、数千軒ともいわれる飲食店が店をたたんだ。さらに、この4月からは医薬品業界が製薬会社の医薬情報担当者(MR)の医師への接待を事実上禁止する自主規制を始めた。このため、日本の産業界の中で最も派手な部類に入るとされた医師接待が4月で消滅してしまったのだ。接待禁止は製薬会社がMRの営業力に依存してばかりいられない時代になったということ。今後は新薬開発力で競い合う時代に突入し、中堅以下の製薬会社は、生き残りに苦労するのではないかという。  必見は『交際費の絶対額ランキング』だ。いまだ交際費がジャブジャブの企業が次々にランクイン。1位・三菱商事、2位・野村証券、3位・電通、4位・住友商事、5位・丸紅と、上位を占めるのは、やはりという企業ばかり。1位、4位、5位は資源高を背景にして空前の好景気に沸く大手総合商社(10位には伊藤忠商事も)、2位は6月に明らかになった巨額増資のインサイダー取引疑惑でも過剰接待が問題になった証券界のガリバー、3位には「飲ませ、食わせ、抱かせ」の広告業界最大手が名を連ねている。電通は高給でも知られるが、その高給は接待費込みという自腹文化ゆえとされてきたが、実際には交際費もしっかりと計上されているのだ。そのほか、大手ゼネコンがトップ30に12社もラインクインしているのも特徴だ。  こうした交際費の相手先の多くは、やはり官庁だ。『官庁 懲りない経産省の「隠れ会合店」求められるクリーンな意思疎通』によれば、東京都港区西麻布の閑静な住宅地の一角にある研修施設「霞会館」は経済産業省の隠れ会合店。経産官僚が商社や投資銀行といった産業界関係者と会食する際に指定する「行きつけの個室会席店」で、民間同士の接待が1次会にとどまるこの時代に「深夜2時ごろにタクシー券で帰宅する」というバブル時代の勢いそのままの接待が行われているのだという。  しかし、金融機関に旅行会社、アパレル......多くの業界は、カネのかかる接待はできなくなっているのが現実だ。そこで、今回のテーマである「新ニッポンの接待」となるわけだが、肝心の『Part3 絶対に成功する接待講座』は肩透かし。『「島耕作」が徹底伝授! もてなし接待のマル秘テクニック』では、『課長島耕作』の作者・弘兼憲史氏が語る接待のノウハウを紹介。『たいこ持ち芸人が伝授する接待術』では、サバンナ高橋が伝授する懐に入り込む会話術を紹介しているのだが、どれも現実感がなく、読者にとっては物足りない。唯一役に立ちそうなのは、『経験者1000人が明かす 本当にうれしい接待・迷惑な接待』という記事の中の「優秀な営業マンの中では飲食にも増して手土産が重要になっている」という点だ。普通では買えない限定物の小山ロール(兵庫県三田市のパティシエエスコヤマの限定一日1600本のロールケーキ)などが喜ばれるという。  できればダイヤモンド社自身の交際費はどれくらいで、取材対象者にどんな接待をしているのか、そうした実感のこもった記事があれば説得力が抜群だったのだが......。 (文=松井克明/CFP) ■そのほかの「Business Journal」の人気記事 河本妻のペットサロン参入計画は無謀だったのか !? 「モテメール」がビジネスマン必須のスキルって本気なのか? 原発官僚の"天下り先"日立社長「原発は人類に必須」 堂々と乗客の命を危険に晒すスカイマーク、ついに国交省が... 現金あらへん吉本興業経営危機説、上場廃止で墓穴掘った? 【株主総会】社長のトンデモ発言で、トヨタに暗雲 経済産業省OB、嶋田隆氏の東電取締役就任に異議あり

現金あらへん吉本興業経営危機説、上場廃止で墓穴掘った?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) がんの恐れに、精子減少......携帯電話は使ってはいけない!? 【株主総会】社長のトンデモ発言で、トヨタに暗雲 W杯予選、裏MVPはザックをしびれさせた遠藤の"自然体" ■特にオススメ記事はこちら! 現金あらへん吉本興業経営危機説、上場廃止で墓穴掘った? - Business Journal(6月22日)
post_307_20120624.jpg
反社会的勢力との関係があると、
銀行融資に支障が出る。紳介クビの
一番の要因との声も。
限りなくMBOに近いTOB  ネット上や一部週刊誌などで、「吉本興業経営危機説」が取り沙汰されているが、同社はもともと、そんな危ない会社どころか、実質無借金経営を続ける、豊富な余剰資金(現預金残高)を持った「財務の優等生」だった。  上場企業としての最後の本決算である、2009年3月期連結決算の貸借対照表(バランスシート)を見ると、約30億円の有利子負債を、約124億円もある現預金残高で完全にカバーできる「実質無借金」状態。総資産は約617億円、純資産は約450億円で、安全性を示す自己資本比率は72.9%もあった。  ところが、「週刊現代」(講談社)が入手し4月に掲載した、同社の11年度上期の中間決算データ(非公開の貸借対照表)によると、現預金残高は約50億円に減り、返済すべき負債額は約150億円(返済計画表による)と、現預金残高の約3倍にまで上っている。総資産約458億円に対する純資産は約156億円で、自己資本比率は34.0%に低下していた。  財務の優等生は、3年足らずで劣等生に一変していたのである。  その間、10年2月24日に同社は株式上場を廃止している。手法は表面上、「クオンタム・エンターテイメントという会社のTOB(株式の公開買い付け)による買収」というかたちをとっていたが、この会社は10年10月に旧吉本興業を吸収合併した上で、改めて新たな「吉本興業」が設立された。  TOBでは、時価にプレミアをつけて株を買い取るので買収資金がかさむ。"新生"吉本興業は、旧社がTOBのために銀行から借りた金の債務を受け継ぎ、旧経営陣もほとんどそのまま移行している。つまり、ワンクッションはさみながら、実質的には限りなくMBO(マネジメント・バイアウト/経営陣による企業買収)に近いTOBだったのだ。 買収資金のための負債が経営圧迫  その結果として、負債がふくらみ財務をかなり劣化させてしまったのである。営業が好調ならある程度はカバーできたかもしれないが、前出の「週刊現代」によれば11年3月期は約39億円の赤字に陥り、12年度中間決算も約15億円の赤字で、連続赤字は確実な情勢だというから、「危機説」が浮上するのも無理はない。  危機の行方はともかく、「MBOによる上場廃止」は大きなリスクを伴うことを、吉本興業のケースは改めて教えてくれた。 MBOによって経営陣が「独裁者」と化す  自社の株式を証券取引所に上場するのは、企業の資本強化策の一選択肢にすぎない。  ところが日本では、株式上場を「一流企業を証明するブランド」、その社員を「一流のビジネスパーソン」とみなす風潮がごく最近まであった。バブルの頃、新聞は「大学新卒者の3人に1人は上場企業に就職できる売り手市場」と書き、上場企業の役員限定の会員制ゴルフ場まで登場した。強引な取り立て手法を非難された商工ローン会社社長が、テレビで「我が社は一部上場企業(だから信用がある)」と開き直って失笑を買ったこともあった。  その株式上場を、倒産、上場廃止基準抵触、他社による買収や完全子会社化ではなく、経営陣自らの意思であっさり捨ててしまうのがMBOである。  ・09年:15社  ・10年:13社  ・11年:21社  ・12年:3社(6月20日時点) が、MBOによる上場廃止を発表しており、3年半で50社以上が上場企業の「ブランド」を捨てたことになる。吉本興業のような「限りなくMBOに近いTOB」のケースも含めれば、実態はもっと多いだろう。  なぜ、MBOをするのか?  財務体質がよほどいいか、「これ以上、新株を発行して資金調達する必要がない」というケースもあるが、ほとんどは「上場を廃止すれば買収される心配がなくなる」という買収防衛策か、「株主の意向に左右されず自由に経営ができる」のどちらかである。  吉本興業の場合は後者で、創業家(大株主)の経営への口出しを封じたかったからだといわれている。  もっとも、外部のチェックが入らず「自由に経営ができる」とは、好き勝手にやれることを意味する。気に入らない社員を片っ端から追放したり、社会に背を向けて露骨な金儲け至上主義に走るなど、MBOには経営陣が独裁的権力をほしいままに暴走する危険があるとの指摘もある。上場して規模が大きくなった企業だけに権力への誘惑は強くなるし、独裁がもたらす害悪は、そのへんの零細企業のワンマン社長の比ではない。  極端な話をすれば、上場廃止で財務内容を非公開にし、国家試験の合格者増のあおりで仕事がなくて困っている公認会計士を、それこそ"生活保護"してやって、会計監査人や顧問税理士に仕立てれば、決算や税務申告の操作も思いのままにできる。税務署も、元・上場企業から会計監査報告書や税務監査報告書を提出されてしまうと、なかなか文句をつけにくいからだ。  かくして会社は、経営陣の不正蓄財の集金マシンに成り下がるが、そんな悪行もいつか終わりの日がくるのが世の常だ。  かつての「ブランド」の誇りを自ら捨てて去っていった男は、ひねくれて悪の道に突き進んで破滅していったーー。そんなヤクザ映画や時代劇にありそうなストーリーが、MBOで上場を廃止し、誰からもチェックされない企業で起こったりしないだろうか。 MBO後、再上場を果たしたのは2社のみ  経営陣が「独裁者」にならなくても、MBOを行った企業の大部分は、買収資金調達のために、負債の増加という重い十字架を背負って、非上場企業として再出発することになる。  買収資金が、いったん経営陣や外部の投資ファンドなどの出資で設立したSPC(特別目的会社)の負債に計上されても、MBO成功後、SPCは買収先と合併して負債がそっくり引き継がれるのが普通だからだ。  吉本興業の場合は、クオンタム・エンターテイメントがSPCと同じ役割を果たしたが、この会社はソニーの元会長兼CEO・出井伸之氏が設立したので、正確にはこの案件はMBOではないとされている。  定義はともかく、MBOを行って非上場化した企業のその後は、概してあまりハッピーとはいえない。  結局うまくいかずに他社に買収された会社(ポッカコーポレーションなど)や、出資した投資ファンドによって社長が解任された会社(すかいらーく)もある。非上場企業の例では、倒産した会社や元のオーナーに買い戻された会社もある。  MBO、上場廃止発表時の報道では、「これからは好き勝手にやらせてもらう」と答える企業よりも、「いつかは再上場するつもりです」とまじめに答える企業のほうが多い。しかし、実際に社業が発展して再上場を果たした会社は、トーカロ(2年後)とキトー(4年後)の2社しかない。それは上場企業を"降りた"後の経営の舵取りがいかに難しいかを示している。  経営陣が自己資金だけで上場企業を買収できるケースはまれで、ほとんどは負債の重圧がのしかかり、「自由に経営できる」どころか、当面の資金繰りはどうするか、借金をどうやって返すかなど、金策で苦労している。かつては財務の優等生だった吉本興業も、今はまさにそんな状況に陥っている。  せっぱ詰まったあげく、噂が現実のものとなり、このビッグネームが日本初の「実質MBOで上場廃止後に倒産の事例」=「安易なMBOで墓穴を掘った悪い見本」として、長く語り継がれることがないよう、ナイスリカバリーを祈りたい。 (文=寺尾淳/ジャーナリスト フィナンシャル・プランナー) ■そのほかの「Business Journal」の人気記事 がんの恐れに、精子減少......携帯電話は使ってはいけない!? 【株主総会】社長のトンデモ発言で、トヨタに暗雲 W杯予選、裏MVPはザックをしびれさせた遠藤の"自然体" スカイマーク西久保愼一社長の異端経営術 「いっぺんとことんダメになった方がいいんじゃないの?」な5本 1年でたった3店"苦戦"フォーPHO24、浮上のカギは男? 日産・ゴーン社長は報酬10億円! 外国人経営者天国ニッポン

現金あらへん吉本興業経営危機説、上場廃止で墓穴掘った?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) がんの恐れに、精子減少......携帯電話は使ってはいけない!? 【株主総会】社長のトンデモ発言で、トヨタに暗雲 W杯予選、裏MVPはザックをしびれさせた遠藤の"自然体" ■特にオススメ記事はこちら! 現金あらへん吉本興業経営危機説、上場廃止で墓穴掘った? - Business Journal(6月22日)
post_307_20120624.jpg
反社会的勢力との関係があると、
銀行融資に支障が出る。紳介クビの
一番の要因との声も。
限りなくMBOに近いTOB  ネット上や一部週刊誌などで、「吉本興業経営危機説」が取り沙汰されているが、同社はもともと、そんな危ない会社どころか、実質無借金経営を続ける、豊富な余剰資金(現預金残高)を持った「財務の優等生」だった。  上場企業としての最後の本決算である、2009年3月期連結決算の貸借対照表(バランスシート)を見ると、約30億円の有利子負債を、約124億円もある現預金残高で完全にカバーできる「実質無借金」状態。総資産は約617億円、純資産は約450億円で、安全性を示す自己資本比率は72.9%もあった。  ところが、「週刊現代」(講談社)が入手し4月に掲載した、同社の11年度上期の中間決算データ(非公開の貸借対照表)によると、現預金残高は約50億円に減り、返済すべき負債額は約150億円(返済計画表による)と、現預金残高の約3倍にまで上っている。総資産約458億円に対する純資産は約156億円で、自己資本比率は34.0%に低下していた。  財務の優等生は、3年足らずで劣等生に一変していたのである。  その間、10年2月24日に同社は株式上場を廃止している。手法は表面上、「クオンタム・エンターテイメントという会社のTOB(株式の公開買い付け)による買収」というかたちをとっていたが、この会社は10年10月に旧吉本興業を吸収合併した上で、改めて新たな「吉本興業」が設立された。  TOBでは、時価にプレミアをつけて株を買い取るので買収資金がかさむ。"新生"吉本興業は、旧社がTOBのために銀行から借りた金の債務を受け継ぎ、旧経営陣もほとんどそのまま移行している。つまり、ワンクッションはさみながら、実質的には限りなくMBO(マネジメント・バイアウト/経営陣による企業買収)に近いTOBだったのだ。 買収資金のための負債が経営圧迫  その結果として、負債がふくらみ財務をかなり劣化させてしまったのである。営業が好調ならある程度はカバーできたかもしれないが、前出の「週刊現代」によれば11年3月期は約39億円の赤字に陥り、12年度中間決算も約15億円の赤字で、連続赤字は確実な情勢だというから、「危機説」が浮上するのも無理はない。  危機の行方はともかく、「MBOによる上場廃止」は大きなリスクを伴うことを、吉本興業のケースは改めて教えてくれた。 MBOによって経営陣が「独裁者」と化す  自社の株式を証券取引所に上場するのは、企業の資本強化策の一選択肢にすぎない。  ところが日本では、株式上場を「一流企業を証明するブランド」、その社員を「一流のビジネスパーソン」とみなす風潮がごく最近まであった。バブルの頃、新聞は「大学新卒者の3人に1人は上場企業に就職できる売り手市場」と書き、上場企業の役員限定の会員制ゴルフ場まで登場した。強引な取り立て手法を非難された商工ローン会社社長が、テレビで「我が社は一部上場企業(だから信用がある)」と開き直って失笑を買ったこともあった。  その株式上場を、倒産、上場廃止基準抵触、他社による買収や完全子会社化ではなく、経営陣自らの意思であっさり捨ててしまうのがMBOである。  ・09年:15社  ・10年:13社  ・11年:21社  ・12年:3社(6月20日時点) が、MBOによる上場廃止を発表しており、3年半で50社以上が上場企業の「ブランド」を捨てたことになる。吉本興業のような「限りなくMBOに近いTOB」のケースも含めれば、実態はもっと多いだろう。  なぜ、MBOをするのか?  財務体質がよほどいいか、「これ以上、新株を発行して資金調達する必要がない」というケースもあるが、ほとんどは「上場を廃止すれば買収される心配がなくなる」という買収防衛策か、「株主の意向に左右されず自由に経営ができる」のどちらかである。  吉本興業の場合は後者で、創業家(大株主)の経営への口出しを封じたかったからだといわれている。  もっとも、外部のチェックが入らず「自由に経営ができる」とは、好き勝手にやれることを意味する。気に入らない社員を片っ端から追放したり、社会に背を向けて露骨な金儲け至上主義に走るなど、MBOには経営陣が独裁的権力をほしいままに暴走する危険があるとの指摘もある。上場して規模が大きくなった企業だけに権力への誘惑は強くなるし、独裁がもたらす害悪は、そのへんの零細企業のワンマン社長の比ではない。  極端な話をすれば、上場廃止で財務内容を非公開にし、国家試験の合格者増のあおりで仕事がなくて困っている公認会計士を、それこそ"生活保護"してやって、会計監査人や顧問税理士に仕立てれば、決算や税務申告の操作も思いのままにできる。税務署も、元・上場企業から会計監査報告書や税務監査報告書を提出されてしまうと、なかなか文句をつけにくいからだ。  かくして会社は、経営陣の不正蓄財の集金マシンに成り下がるが、そんな悪行もいつか終わりの日がくるのが世の常だ。  かつての「ブランド」の誇りを自ら捨てて去っていった男は、ひねくれて悪の道に突き進んで破滅していったーー。そんなヤクザ映画や時代劇にありそうなストーリーが、MBOで上場を廃止し、誰からもチェックされない企業で起こったりしないだろうか。 MBO後、再上場を果たしたのは2社のみ  経営陣が「独裁者」にならなくても、MBOを行った企業の大部分は、買収資金調達のために、負債の増加という重い十字架を背負って、非上場企業として再出発することになる。  買収資金が、いったん経営陣や外部の投資ファンドなどの出資で設立したSPC(特別目的会社)の負債に計上されても、MBO成功後、SPCは買収先と合併して負債がそっくり引き継がれるのが普通だからだ。  吉本興業の場合は、クオンタム・エンターテイメントがSPCと同じ役割を果たしたが、この会社はソニーの元会長兼CEO・出井伸之氏が設立したので、正確にはこの案件はMBOではないとされている。  定義はともかく、MBOを行って非上場化した企業のその後は、概してあまりハッピーとはいえない。  結局うまくいかずに他社に買収された会社(ポッカコーポレーションなど)や、出資した投資ファンドによって社長が解任された会社(すかいらーく)もある。非上場企業の例では、倒産した会社や元のオーナーに買い戻された会社もある。  MBO、上場廃止発表時の報道では、「これからは好き勝手にやらせてもらう」と答える企業よりも、「いつかは再上場するつもりです」とまじめに答える企業のほうが多い。しかし、実際に社業が発展して再上場を果たした会社は、トーカロ(2年後)とキトー(4年後)の2社しかない。それは上場企業を"降りた"後の経営の舵取りがいかに難しいかを示している。  経営陣が自己資金だけで上場企業を買収できるケースはまれで、ほとんどは負債の重圧がのしかかり、「自由に経営できる」どころか、当面の資金繰りはどうするか、借金をどうやって返すかなど、金策で苦労している。かつては財務の優等生だった吉本興業も、今はまさにそんな状況に陥っている。  せっぱ詰まったあげく、噂が現実のものとなり、このビッグネームが日本初の「実質MBOで上場廃止後に倒産の事例」=「安易なMBOで墓穴を掘った悪い見本」として、長く語り継がれることがないよう、ナイスリカバリーを祈りたい。 (文=寺尾淳/ジャーナリスト フィナンシャル・プランナー) ■そのほかの「Business Journal」の人気記事 がんの恐れに、精子減少......携帯電話は使ってはいけない!? 【株主総会】社長のトンデモ発言で、トヨタに暗雲 W杯予選、裏MVPはザックをしびれさせた遠藤の"自然体" スカイマーク西久保愼一社長の異端経営術 「いっぺんとことんダメになった方がいいんじゃないの?」な5本 1年でたった3店"苦戦"フォーPHO24、浮上のカギは男? 日産・ゴーン社長は報酬10億円! 外国人経営者天国ニッポン

寺・法律事務所・ヤクザがグル!?倒産物件転売で大儲け?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 石田東尾ダウン症告白に見る、高齢出産賛美の裏で中絶激増 がんの恐れに、精子減少......携帯電話は使ってはいけない!? ロンドン五輪に向けた各メーカーの思惑とは? ■特にオススメ記事はこちら! 寺・法律事務所・ヤクザがグル!?倒産物件転売で大儲け? - Business Journal(6月22日)
post_294_20120621.jpg
悪徳弁護士を描いた高視聴率TVドラマ
『リーガル・ハイ』。(「フジテレビHP」より)
「ブラック企業アナリスト」として、テレビ番組『さんまのホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)、「週刊SPA!」(扶桑社)などでもお馴染みの新田龍氏。計100社以上の人事/採用戦略に携わり、あらゆる企業の裏の裏まで知り尽くした新田氏が、ほかでは書けない、あの一流法律事務所と有名寺の"闇"を暴く!  もう昨年末のお話になるが、小さく報道されたこの事件をご存じの方はいらっしゃるだろうか。  元警察官の組幹部に名義貸し=詐欺容疑で住職ら逮捕―警視庁 - Newsweb(2011年12月8日)  概要としては、江戸川区にある「広済寺」という寺の住職が、暴力団幹部に名義を貸し、車のローン契約を結んで逮捕されたのだ。実際には暴力団組員が使う車なのに、この寺の名義で購入するよう偽ったことが問題となった。  仏教界と暴力団。一見縁遠い関係のように見えるが、実際には一部で密接な関係を築いて、利益を分け合っている構図がある。大手メディアでは決して触れられることがない、「日本の暗部」とでもいえる話である。公になれば、かなりの問題になるはずなのだ。まず、こういった事件があったことを念頭においていただきたい。  そして今回の主役である「森・濱田松本法律事務所」(以下:森濱田)に話は移る。同事務所は前回の記事で紹介のとおり、法曹の道を目指す人にとっては憧れの一流ブランドだ。  前回記事では、大企業が「産業医」という切り札を使って、自社に都合が悪い社員をクビにする生々しい実態を報道したが、今回はもっとタチが悪い。何しろ、法を守るべき存在である「法律事務所」が、自らの利益のために、率先して「限りなくブラックに近い、きわめてグレーな仕事」をしているからだ。  本題に入る前に、ひとつだけ用語の解説をしておきたい。「破産管財人」という存在についてである。会社を破産させる手続きの中で、破産会社の財産を管理したり、処分したりする権利を持つ者のことだ。一般的には、弁護士が担当することが多い。皆さんも企業倒産関連のニュースなどで、この言葉をお聞きになったことがあろうかと思う。今回は、この管財人にまつわる話だ。 大手法律事務所が不動産転売ビジネスにも進出?  さっそく本題に入ろう。企業の破産に際して森濱田に所属する「とある弁護士」がA社の破産管財人になると、その権限をフルに活用し、A社の不動産などを激安価格で「とある組織」にまわす。その組織は闇社会とつながっており、「市価では到底ありえない安値」で物件を入手する。そしてその「とある組織」の人間は、不当に安く入手した物件を一般的な市場価格で転売して、莫大な金を得る。そして最後に、森濱田の管財人弁護士が「とある組織」から収益のバックマージンを得るという、「破産ムラ」とでもいうべき利権が形づくられているというのだ。  ちなみに、あるファンドの関係者からは、「この利権のために、つぶす必要がない健全な会社まで、つぶしているケースも多い」という声もあがっている。  ここで、話は冒頭のニュースにつながる。お察しのとおり、闇組織とは全国規模の反社会的勢力であり、そのフロント企業として物件の売買を仕切っているのが、「とある宗教法人」=「寺」なのである。  こんな怪しい動きをしている森濱田であるが、不思議と裁判所で問題になることはない。なぜなら、裁判所にとって森濱田は一種の「利権」だからだ。 法律事務所は裁判官の天下り先  その利権とは何か?  すなわち、裁判官にとっての「天下り先」である。  この実態は、実は百科事典サイト「ウィキペディア」などでも簡単に調べることができる。同サイトによると、森濱田には、最高裁裁判官から検事総長まで天下っているということが実名で書いてある。自分自身の将来の人生が気になる裁判官なら、あえて天下り先に不利になるようなことはしないはずである。  法律事務所と裁判所、そして闇社会の利権が絡み合った、ドス黒い金の流れ。この魔の手に、健全な大手企業がいつ狙われるかもわからないという状況になっているのだ。  本来、悪を裁くべき存在であるはずの司法が、こんな状態でいいのだろうか?  もちろん、今回お伝えしたのは、破産管財人を務める一部の弁護士の行動である。全部が悪質というわけでは毛頭ない。むしろ大部分は、倫理観を持ってきちんと仕事をしてくれていることを補記しておく。 (文=新田龍) ■そのほかの「Business Journal」の人気記事 石田東尾ダウン症告白に見る、高齢出産賛美の裏で中絶激増 がんの恐れに、精子減少......携帯電話は使ってはいけない!? ロンドン五輪に向けた各メーカーの思惑とは? 1年でたった3店"苦戦"フォーPHO24、浮上のカギは男? 日産・ゴーン社長は報酬10億円! 外国人経営者天国ニッポン ブラック転職先とグル..."悪徳"人材紹介会社に用心! 大阪市職員語る「橋下市長は手柄横取りで、ミスは職員のせい」

寺・法律事務所・ヤクザがグル!?倒産物件転売で大儲け?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 石田東尾ダウン症告白に見る、高齢出産賛美の裏で中絶激増 がんの恐れに、精子減少......携帯電話は使ってはいけない!? ロンドン五輪に向けた各メーカーの思惑とは? ■特にオススメ記事はこちら! 寺・法律事務所・ヤクザがグル!?倒産物件転売で大儲け? - Business Journal(6月22日)
post_294_20120621.jpg
悪徳弁護士を描いた高視聴率TVドラマ
『リーガル・ハイ』。(「フジテレビHP」より)
「ブラック企業アナリスト」として、テレビ番組『さんまのホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)、「週刊SPA!」(扶桑社)などでもお馴染みの新田龍氏。計100社以上の人事/採用戦略に携わり、あらゆる企業の裏の裏まで知り尽くした新田氏が、ほかでは書けない、あの一流法律事務所と有名寺の"闇"を暴く!  もう昨年末のお話になるが、小さく報道されたこの事件をご存じの方はいらっしゃるだろうか。  元警察官の組幹部に名義貸し=詐欺容疑で住職ら逮捕―警視庁 - Newsweb(2011年12月8日)  概要としては、江戸川区にある「広済寺」という寺の住職が、暴力団幹部に名義を貸し、車のローン契約を結んで逮捕されたのだ。実際には暴力団組員が使う車なのに、この寺の名義で購入するよう偽ったことが問題となった。  仏教界と暴力団。一見縁遠い関係のように見えるが、実際には一部で密接な関係を築いて、利益を分け合っている構図がある。大手メディアでは決して触れられることがない、「日本の暗部」とでもいえる話である。公になれば、かなりの問題になるはずなのだ。まず、こういった事件があったことを念頭においていただきたい。  そして今回の主役である「森・濱田松本法律事務所」(以下:森濱田)に話は移る。同事務所は前回の記事で紹介のとおり、法曹の道を目指す人にとっては憧れの一流ブランドだ。  前回記事では、大企業が「産業医」という切り札を使って、自社に都合が悪い社員をクビにする生々しい実態を報道したが、今回はもっとタチが悪い。何しろ、法を守るべき存在である「法律事務所」が、自らの利益のために、率先して「限りなくブラックに近い、きわめてグレーな仕事」をしているからだ。  本題に入る前に、ひとつだけ用語の解説をしておきたい。「破産管財人」という存在についてである。会社を破産させる手続きの中で、破産会社の財産を管理したり、処分したりする権利を持つ者のことだ。一般的には、弁護士が担当することが多い。皆さんも企業倒産関連のニュースなどで、この言葉をお聞きになったことがあろうかと思う。今回は、この管財人にまつわる話だ。 大手法律事務所が不動産転売ビジネスにも進出?  さっそく本題に入ろう。企業の破産に際して森濱田に所属する「とある弁護士」がA社の破産管財人になると、その権限をフルに活用し、A社の不動産などを激安価格で「とある組織」にまわす。その組織は闇社会とつながっており、「市価では到底ありえない安値」で物件を入手する。そしてその「とある組織」の人間は、不当に安く入手した物件を一般的な市場価格で転売して、莫大な金を得る。そして最後に、森濱田の管財人弁護士が「とある組織」から収益のバックマージンを得るという、「破産ムラ」とでもいうべき利権が形づくられているというのだ。  ちなみに、あるファンドの関係者からは、「この利権のために、つぶす必要がない健全な会社まで、つぶしているケースも多い」という声もあがっている。  ここで、話は冒頭のニュースにつながる。お察しのとおり、闇組織とは全国規模の反社会的勢力であり、そのフロント企業として物件の売買を仕切っているのが、「とある宗教法人」=「寺」なのである。  こんな怪しい動きをしている森濱田であるが、不思議と裁判所で問題になることはない。なぜなら、裁判所にとって森濱田は一種の「利権」だからだ。 法律事務所は裁判官の天下り先  その利権とは何か?  すなわち、裁判官にとっての「天下り先」である。  この実態は、実は百科事典サイト「ウィキペディア」などでも簡単に調べることができる。同サイトによると、森濱田には、最高裁裁判官から検事総長まで天下っているということが実名で書いてある。自分自身の将来の人生が気になる裁判官なら、あえて天下り先に不利になるようなことはしないはずである。  法律事務所と裁判所、そして闇社会の利権が絡み合った、ドス黒い金の流れ。この魔の手に、健全な大手企業がいつ狙われるかもわからないという状況になっているのだ。  本来、悪を裁くべき存在であるはずの司法が、こんな状態でいいのだろうか?  もちろん、今回お伝えしたのは、破産管財人を務める一部の弁護士の行動である。全部が悪質というわけでは毛頭ない。むしろ大部分は、倫理観を持ってきちんと仕事をしてくれていることを補記しておく。 (文=新田龍) ■そのほかの「Business Journal」の人気記事 石田東尾ダウン症告白に見る、高齢出産賛美の裏で中絶激増 がんの恐れに、精子減少......携帯電話は使ってはいけない!? ロンドン五輪に向けた各メーカーの思惑とは? 1年でたった3店"苦戦"フォーPHO24、浮上のカギは男? 日産・ゴーン社長は報酬10億円! 外国人経営者天国ニッポン ブラック転職先とグル..."悪徳"人材紹介会社に用心! 大阪市職員語る「橋下市長は手柄横取りで、ミスは職員のせい」