ロンドン五輪で利用者増! 知られざる深夜コンビニの世界

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 大戸屋で、定食より単品注文が60円分損をするカラクリ 朝日と日経以外は効果ゼロ!?でバレた新聞広告タブー インド工場暴動で、やっぱりスズキの経営に大打撃 ■特にオススメ記事はこちら! ロンドン五輪で利用者増! 知られざる深夜コンビニの世界 - Business Journal(7月29日)
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コンビニを見渡しても、確かにオリンピックフェアは
ほとんどやってない!
コンビニ歴21年・バイヤー歴15年の筆者がコンビニを選ぶ視点から、お得情報、裏ワザまでを伝授!バックヤード事情を見れば毎日の生活が変わる―― <今回のテーマ>深夜コンビニとオリンピック  いよいよ ロンドンオリンピックが開幕した。日本では、人気競技のテレビ放送が夜10時~翌5時に集中するため、深夜族が急増する。さらに今回のオリンピックでは、地上波やBS放送で扱わない種目を、インターネット放送で民放150時間、NHKは1000時間放送する予定なので、マイナー競技にも日が当たり、深夜族の増加に拍車をかけるだろう。 「あいてますあなたのローソン」という、創生期である1980年代後半のテレビCMでもわかるように、もともとコンビニは、深夜のお客を取り込み、また深夜族のライフスタイル変化に影響を与えながら伸びてきた。首都圏の学生街の店舗では、深夜売り上げが20%を超える店舗などもあったりする。  今回のオリンピックは、コンビニが得意とする深夜族のお客にニーズを合わせて、売り上げをアップする最大のチャンスである。  さらに、ここ数年は、テレビとTwitterなどSNSを併用したスポーツ観戦がトレンドとなっている。知り合いが深夜も起きている安心感もあって、コンビニ側では深夜観戦族が今まで以上に増え、普段、その時間帯に利用しないお客が来店すると予想を建て、新規顧客取り込みのチャンスと考えているようだ。  オリンピックなどの時差ありスポーツイベントがあるときは、住宅立地店舗では、通常深夜は、1時間に一桁台のお客しか来店されないが、この時期は二桁台に増える。  そんな来店スタイルの変化にあわせ、深夜来店だけでなく、深夜のテレビ観戦に備えて、帰宅途中来店されるお客のニーズに応えることが、この時期のコンビニにとって売り上げを伸ばすために、最も重要なことだろう。  例えばビールやタバコは、行政指導により夜10時~翌5時まで自販機で買えないので、この期間の売り上げが確実にあがるカテゴリーである。  缶ビール、缶チューハイ、カクテルなどの酒類は、通常の120%前後にまで売り上げがアップし、さらに複数での観戦宅飲みも増加するため、大容量や多缶パックの需要が見込まれる。また、連動して、おつまみやカウチポテト系スナックの販売も増加する。  これに加え、ファーストフードの唐揚げなどの揚げ物系商品は、販売可能時間が4時間しかない商品で、普段は、お客の少ない深夜には品を揃えることはないのだが、この時期には弁当などの中食とともにきっちりと拡張補充される。  さらに、今夏の特徴として、コンビニ各社が力を入れている和風スイーツが、オリンピックのナショナリズムの高まりと連動し、新しい観戦のお供に選ばれそうだ。  セブン・イレブンやファミリーマートで販売される、冷やしみたらし、食感がネットで話題のセブン・イレブンのクリーム大福宇治抹茶、ローソン・あんこやブランドのあんみつ、水ようかんなどなどが、すでに注目されている。深夜食によるメタボ化さえ気にしなければ、非常に粋なトレンドとなりそうだ。  また、ハウス・メガシャキ、常盤薬品・眠眠打破などの眠気覚ましドリンクや、ガムやブラックコーヒーなども、テレビ観戦で寝てしまわないように、そして翌日の仕事中などに眠くならないようになど 2倍弱まで販売が伸びると予想されている。  繁華街立地店舗では、スポーツバーでの観戦も増えるため、観戦後の朝食や帰宅後の昼食などの需要の取り込みも重要である。  また、オリンピックの非日常感は、コンビニの日常購買に変化をもたらす。そうした高揚感が、ちょっと贅沢な商品の販売を加速するのである。例えば、アイスなら、ハーゲンダッツなどのプレミアムアイス。アルコールだと、発泡酒系ではなくサントリー・プレミアムモルツやサッポロ・ヱビスの販売が注目だ。普段はあまり売れないワインなども、対戦国ワインの訴求など販売の工夫をすれば、プレミアム系商品と同様、倍の売り上げを獲得する店舗もあると予測される。  テーマを見つけ、状況に応じて販促物を使用した集合陳列が、この時期の売り上げの明暗を分けるのだ。  一方でかつては、録画需要に対してHDDなどがなかったので、ビデオテープもよく売れていた。オリンピックでは 試合スタート時間の詳細が流動的な部分もあるため、通常販売シェアが高かった120分テープではなく、180分の長尺テープの多巻パックなどのセールを実施し、売り上げが通常の4倍になったりしたが、これもいまでは見込めない商品になってしまった。  また、テレビで番組表を確認できるようになるまでは、テレビガイド誌も通常の2倍強、売れていたが、現状は厳しい状況にある。このようなかつて売れていた商品群が、家電の技術革新により売れなくなったのも、前回の北京オリンピックからの特徴である。  余談だがオリンピック関連グッズも、応援施設の近くであるなどの特殊な事情がない限り、実は全く売れない。わたしがかつて「国際映像に映り世界発信できるという商品」を、ということで開発し、ローソン限定で販売した、『フジボウ×TBC アニマル浜口 気合だタオル』も、アニマルさんが常に頭に巻き露出してくれたが、タオルとしての用途ではそこそこ売れたが、応援グッズとしての販売は大変厳しかった。  いま、オリンピック色が店頭で認知できる商品は、コカコーラ、アサヒビール、ロッテ、日清食品のメーカ各社と共催した、ファミリーマートの景品の当たる「ロンドンオリンピック日本代表応援キャンペーン」ぐらいである。  オリンピックは、国際オリンピック委員会等のレギュレーションが強いため、オフィシャルスポンサーでも独自性のある販促が打てないというのが、小売店頭でオリンピックが盛り上がらない原因のひとつである。  そんなオリンピック期間に是非、深夜のコンビニを覗いてみてほしい。昼間とは全く違うコンビニが垣間見られる。例えば、商品のほとんどが深夜に納品されていることが分かったりする。特に、火曜日の0時~5時には、その週発売になる新商品が納品になるため、だれよりも早く買えるという楽しみが享受できるのだ。  ただ、気をつけたいこともある。深夜業務は、商品陳列や片づけ、清掃がメインなので、接客慣れしていない従業員が多く、接客で嫌な思いをすることがあるかもしれない。  これらに対してフランチャイズ本部としては、深夜帯の2名勤務を推奨しているが、売り上げの厳しいコンビニでは、1人勤務や店舗オーナーが勤務していることが多い。昼間しか店舗に行かないとその店のオーナーを知らないことが多いので、オーナーの人柄を知ることができれば親近感も湧くかもしれないし、その逆もまた然り。  さてここ数回、オリンピックの平均視聴率は10%台だそう。深夜でこの視聴率は悪くないのだが、ロンドンオリンピックでは、これがどうコンビニ売り上げに影響するのか。今後のコンビニの深夜営業の成否を占う上でも注目である。 (文=渡辺広明/流通クリエィティブディレクター) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 大戸屋で、定食より単品注文が60円分損をするカラクリ 朝日と日経以外は効果ゼロ!?でバレた新聞広告タブー インド工場暴動で、やっぱりスズキの経営に大打撃 売上増の秘訣は占い!?占い師と顧問契約する企業が急増中? 野村證券 証券界タブーに触れて業界から総スカン中! 紹介屋、顧客リスト…悪徳弁護士たちの“客集め”裏テクニック 宝くじ利権をしっかり組み込んだ総務省とみずほ銀行

ロンドン五輪で利用者増! 知られざる深夜コンビニの世界

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コンビニを見渡しても、確かにオリンピックフェアは
ほとんどやってない!
コンビニ歴21年・バイヤー歴15年の筆者がコンビニを選ぶ視点から、お得情報、裏ワザまでを伝授!バックヤード事情を見れば毎日の生活が変わる―― <今回のテーマ>深夜コンビニとオリンピック  いよいよ ロンドンオリンピックが開幕した。日本では、人気競技のテレビ放送が夜10時~翌5時に集中するため、深夜族が急増する。さらに今回のオリンピックでは、地上波やBS放送で扱わない種目を、インターネット放送で民放150時間、NHKは1000時間放送する予定なので、マイナー競技にも日が当たり、深夜族の増加に拍車をかけるだろう。 「あいてますあなたのローソン」という、創生期である1980年代後半のテレビCMでもわかるように、もともとコンビニは、深夜のお客を取り込み、また深夜族のライフスタイル変化に影響を与えながら伸びてきた。首都圏の学生街の店舗では、深夜売り上げが20%を超える店舗などもあったりする。  今回のオリンピックは、コンビニが得意とする深夜族のお客にニーズを合わせて、売り上げをアップする最大のチャンスである。  さらに、ここ数年は、テレビとTwitterなどSNSを併用したスポーツ観戦がトレンドとなっている。知り合いが深夜も起きている安心感もあって、コンビニ側では深夜観戦族が今まで以上に増え、普段、その時間帯に利用しないお客が来店すると予想を建て、新規顧客取り込みのチャンスと考えているようだ。  オリンピックなどの時差ありスポーツイベントがあるときは、住宅立地店舗では、通常深夜は、1時間に一桁台のお客しか来店されないが、この時期は二桁台に増える。  そんな来店スタイルの変化にあわせ、深夜来店だけでなく、深夜のテレビ観戦に備えて、帰宅途中来店されるお客のニーズに応えることが、この時期のコンビニにとって売り上げを伸ばすために、最も重要なことだろう。  例えばビールやタバコは、行政指導により夜10時~翌5時まで自販機で買えないので、この期間の売り上げが確実にあがるカテゴリーである。  缶ビール、缶チューハイ、カクテルなどの酒類は、通常の120%前後にまで売り上げがアップし、さらに複数での観戦宅飲みも増加するため、大容量や多缶パックの需要が見込まれる。また、連動して、おつまみやカウチポテト系スナックの販売も増加する。  これに加え、ファーストフードの唐揚げなどの揚げ物系商品は、販売可能時間が4時間しかない商品で、普段は、お客の少ない深夜には品を揃えることはないのだが、この時期には弁当などの中食とともにきっちりと拡張補充される。  さらに、今夏の特徴として、コンビニ各社が力を入れている和風スイーツが、オリンピックのナショナリズムの高まりと連動し、新しい観戦のお供に選ばれそうだ。  セブン・イレブンやファミリーマートで販売される、冷やしみたらし、食感がネットで話題のセブン・イレブンのクリーム大福宇治抹茶、ローソン・あんこやブランドのあんみつ、水ようかんなどなどが、すでに注目されている。深夜食によるメタボ化さえ気にしなければ、非常に粋なトレンドとなりそうだ。  また、ハウス・メガシャキ、常盤薬品・眠眠打破などの眠気覚ましドリンクや、ガムやブラックコーヒーなども、テレビ観戦で寝てしまわないように、そして翌日の仕事中などに眠くならないようになど 2倍弱まで販売が伸びると予想されている。  繁華街立地店舗では、スポーツバーでの観戦も増えるため、観戦後の朝食や帰宅後の昼食などの需要の取り込みも重要である。  また、オリンピックの非日常感は、コンビニの日常購買に変化をもたらす。そうした高揚感が、ちょっと贅沢な商品の販売を加速するのである。例えば、アイスなら、ハーゲンダッツなどのプレミアムアイス。アルコールだと、発泡酒系ではなくサントリー・プレミアムモルツやサッポロ・ヱビスの販売が注目だ。普段はあまり売れないワインなども、対戦国ワインの訴求など販売の工夫をすれば、プレミアム系商品と同様、倍の売り上げを獲得する店舗もあると予測される。  テーマを見つけ、状況に応じて販促物を使用した集合陳列が、この時期の売り上げの明暗を分けるのだ。  一方でかつては、録画需要に対してHDDなどがなかったので、ビデオテープもよく売れていた。オリンピックでは 試合スタート時間の詳細が流動的な部分もあるため、通常販売シェアが高かった120分テープではなく、180分の長尺テープの多巻パックなどのセールを実施し、売り上げが通常の4倍になったりしたが、これもいまでは見込めない商品になってしまった。  また、テレビで番組表を確認できるようになるまでは、テレビガイド誌も通常の2倍強、売れていたが、現状は厳しい状況にある。このようなかつて売れていた商品群が、家電の技術革新により売れなくなったのも、前回の北京オリンピックからの特徴である。  余談だがオリンピック関連グッズも、応援施設の近くであるなどの特殊な事情がない限り、実は全く売れない。わたしがかつて「国際映像に映り世界発信できるという商品」を、ということで開発し、ローソン限定で販売した、『フジボウ×TBC アニマル浜口 気合だタオル』も、アニマルさんが常に頭に巻き露出してくれたが、タオルとしての用途ではそこそこ売れたが、応援グッズとしての販売は大変厳しかった。  いま、オリンピック色が店頭で認知できる商品は、コカコーラ、アサヒビール、ロッテ、日清食品のメーカ各社と共催した、ファミリーマートの景品の当たる「ロンドンオリンピック日本代表応援キャンペーン」ぐらいである。  オリンピックは、国際オリンピック委員会等のレギュレーションが強いため、オフィシャルスポンサーでも独自性のある販促が打てないというのが、小売店頭でオリンピックが盛り上がらない原因のひとつである。  そんなオリンピック期間に是非、深夜のコンビニを覗いてみてほしい。昼間とは全く違うコンビニが垣間見られる。例えば、商品のほとんどが深夜に納品されていることが分かったりする。特に、火曜日の0時~5時には、その週発売になる新商品が納品になるため、だれよりも早く買えるという楽しみが享受できるのだ。  ただ、気をつけたいこともある。深夜業務は、商品陳列や片づけ、清掃がメインなので、接客慣れしていない従業員が多く、接客で嫌な思いをすることがあるかもしれない。  これらに対してフランチャイズ本部としては、深夜帯の2名勤務を推奨しているが、売り上げの厳しいコンビニでは、1人勤務や店舗オーナーが勤務していることが多い。昼間しか店舗に行かないとその店のオーナーを知らないことが多いので、オーナーの人柄を知ることができれば親近感も湧くかもしれないし、その逆もまた然り。  さてここ数回、オリンピックの平均視聴率は10%台だそう。深夜でこの視聴率は悪くないのだが、ロンドンオリンピックでは、これがどうコンビニ売り上げに影響するのか。今後のコンビニの深夜営業の成否を占う上でも注目である。 (文=渡辺広明/流通クリエィティブディレクター) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 大戸屋で、定食より単品注文が60円分損をするカラクリ 朝日と日経以外は効果ゼロ!?でバレた新聞広告タブー インド工場暴動で、やっぱりスズキの経営に大打撃 売上増の秘訣は占い!?占い師と顧問契約する企業が急増中? 野村證券 証券界タブーに触れて業界から総スカン中! 紹介屋、顧客リスト…悪徳弁護士たちの“客集め”裏テクニック 宝くじ利権をしっかり組み込んだ総務省とみずほ銀行

大戸屋で、定食より単品注文が60円分損をするカラクリ

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ロンドン五輪で利用者増! 知られざる深夜コンビニの世界 売上増の秘訣は占い!?占い師と顧問契約する企業が急増中? 野村證券 証券界タブーに触れて業界から総スカン中! ■特にオススメ記事はこちら! 大戸屋で、定食より単品注文が60円分損をするカラクリ - Business Journal(7月30日)
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“チキンかあさん煮定食”(700円)が好き。
人気放送作家の鮫肌文殊氏と山名宏和氏が、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問を直撃解決!する連載「だから直接聞いてみた」。月刊誌「サイゾー」で連載されていた同企画が、ビジネスジャーナルにて復活!  今週は、林賢一氏が、大戸屋の定食の寝台について、ある不満をぶつけた。 [回答者]大戸屋お客様相談室様  私事で恐縮だが、禁煙開始から半年経ち、人生で最大の体重になってしまった。禁煙によりたまったストレスを食欲で爆発させているつもりはなかったが、事実として太ってしまったのだから仕方ない。  禁煙など一生するものか! 禁煙を一生我慢してやる! と思っていた私があっさりと禁煙できた。ということは、食事制限もあっさりできるのではないか。そう思って、食事制限してみたら急速に体重が落ちていった。人間、やればできるものである。  食事制限の内容はこうだ。  基本的なルールとして18時以降、炭水化物を食べない。24時間禁止なのが、乳製品と糖類などの甘味系。果物の糖質は例外で、12時前までは食べてOK。そのほか、油モノは控えるのはもちろん、18時前の炭水化物も蕎麦中心にするなどなるべく控えるようにする。これだけの縛りである。必然的にサラダ中心の生活になる。  困ったのが18時以降の外食である。  炭水化物抜きだと、外食時のお店が極端に制限される。もちろん、ラーメンは食べられない。ファーストフード店もパンがNGなので入れない。中華料理も油モノなのでNG。  数日間はどこで何を食べてればいいのか分からず、途方に暮れた。  ある日ひらめいた。  大戸屋に行って、おかずだけ食べる。  これだと炭水化物を摂取しなくてよいし、何より健康的な栄養素が補給できる。都内にある大戸屋の位置を完璧にインプットして、毎晩、大戸屋に通った。定食でなく、おかず単品と冷や奴や納豆を食べるのだ。と、ここまでは順調だったのだが、食事制限以外で気になることが発生した。  それは、おかずを単品で頼んだ時の値段設定だ。大戸屋の定食には、おかずのほかにごはん、味噌汁、お新香がセットで付いてくる。おかずだけで頼んだ場合は、定食の180円引きになる。  問題はその後だ。ご飯単品の値段は180円。味噌汁単品は60円である。ん? おかしくないか。ご飯と味噌汁、合わせて240円のはずなのに、定食の単品注文は180円引きである。差額の60円がどこかにいってしまった。  細かい男だ!! と思われようと構わない。ただただ気になるのだ。  60円をケチっているわけではない。大戸屋を嫌いになったわけでもない。食事制限中の私にとっては、単品注文が可能であってくれて、むしろ大戸屋には感謝しているくらいなのだ。  しかし。食事制限中の私にとって、この一点だけは腑に落ちない。単品注文専門男のナイーブな気持ち的には、おかず単品は240円引きであってほしい。その分、冷や奴、納豆、ほうれん草のおひたしなど、サイドメニューでリカバリーさせていただいている自負はある。とにかく、定食と単品の値段差が気になるのだ。  そこで【大戸屋お客様相談室】に直接聞いてみた。 「定食のおかずを単品で頼むと、なぜ180円引きなんですか?」 担当者 うん? あのー、えーと……。 ──定食でご飯と味噌汁を抜くと、180円引きになりますよね? 担当者 えー、はい。 ──ですが、単品のご飯は180円、単品の味噌汁は60円で、計240円になるじゃないですか? 担当者 はい。 ──60円合わないな、と思いまして。 担当者 定食のほうは、単品とかを組み合わせるよりも若干ですけれど、サービスになっております。 ──サービス? 担当者 はい。ですから、バラバラで頼むより、定食で頼むほうが安くなります。例えば、ご飯、味噌汁、単品アジの開きというのをご注文なさるよりも、アジの開き定食をご注文なさったほうが、お新香も付いてますし、安いです。サ、サービスでございます。 ──サービスですか……。あの、私、食事制限をしておりまして、ご飯と味噌汁抜きで食べています。その場合ですと、差額の60円が気になってしまいまして。 担当者 はい。大変申し訳ないんですが、価格設定がそのようになっているサービスでございます。 ──定食を食べるお客にはサービスかもしれないですが、食事制限をしている私などには、逆にサービスになっていないのですが。 担当者 ええ、申し訳ないんですが……。そのようなお客さまには、そうなると思います。 ──なるほど。ちなみに、お新香の値段は? 担当者 お新香は、単品のメニューの設定はございません。お新香は、定食だけに付いております。まぁ、定食のほうがお得ですよっていう考え方です。  「サービス」の一言で押し切られてしまった。  食事制限中の私にとっては、逆サービスであり“損をしている”と感じてしまうのは大人げないのだろうか。そんなことをブツブツ考えながら、食事制限開始から一カ月がたった。  果たして、その結果は……。  1カ月で7kgも落ちた。  目標数字を大幅に超える大成功に終わり、お祝いの意味も込めて大戸屋に行って普通に定食を頼んだ。  ご飯と一緒に食べるおかずは、もちろん美味しかった。大幅なリバウンドがない限り、今後はおかず単品ではなく、定食を頼むであろう。もう「おかずの単品は180円引き問題」を、うじうじ引きずらなくてもよいのだ。よかった。  結論。大戸屋の定食と単品の差額60円にはこだわるな。そこに鉱脈はない。 (文=酒平民 林賢一) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ロンドン五輪で利用者増! 知られざる深夜コンビニの世界 売上増の秘訣は占い!?占い師と顧問契約する企業が急増中? 野村證券 証券界タブーに触れて業界から総スカン中! 紹介屋、顧客リスト…悪徳弁護士たちの“客集め”裏テクニック インド工場暴動で、やっぱりスズキの経営に大打撃 宝くじ利権をしっかり組み込んだ総務省とみずほ銀行 山本一郎「警察庁がぱちんこ営業のグレーゾーンに全力できた」

朝日と日経以外は効果ゼロ!?でバレた新聞広告タブー?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 売上増の秘訣は占い!?占い師と顧問契約する企業が急増中? これが「天職」に巡り合うための「転職」の極意だ! 宝くじ利権をしっかり組み込んだ総務省とみずほ銀行 ■特にオススメ記事はこちら! 朝日と日経以外は効果ゼロ!?でバレた新聞広告タブー? - Business Journal(7月30日)
新聞公正取引協議会調査によれば、
日本国民の新聞購読率は76%。本当かな…。
さまざまなテレビ番組や雑誌などでもお馴染みの購買/調達コンサルタント・坂口孝則。いま、大手中小問わず企業から引く手あまたのコスト削減のプロが、アイドル、牛丼から最新の企業動向まで、硬軟問わずあの「儲けのカラクリ」を暴露! そこにはある共通点が見えてくる!? 新聞の宣伝広告効果  会社をやりはじめてから、さまざまな電話がかかってくる。  その多くが売り込みで、宣伝広告の勧誘だ。広告なんだかわからないことも多い。「注目の企業」としてインタビューします、というから話を聞いていると、「ご料金は20万円」だと。そんなお金はありませんと断ると「じゃあ、10万円で」と。正規料金はなんのために存在するのか不思議だ。  地方紙になると、さらに基準料金などあったものではない。  「テレビ欄の前ページ下段に、大きく御社の宣伝を掲載します」  「いくらなの?」  「10万円」  「高いよ」  「じゃあ3万円で」 などとおっしゃる。もとの10万円という料金設定は、私をナメていたのだろうか。  私的経験では、地方紙に宣伝を載せてもほとんど効果はない。「宣伝効果を定量的に教えていただければ検討します」というと、誰もが口をつぐむ。結局は費用対効果として、宣伝効果がないといっているようなものだ。  ちなみに、私は書籍を21冊上梓している。その経験でいえば、朝日新聞と日経新聞に出版社から広告を載せれば、多少は売上に好影響がある。ただ、それ以外の新聞であれば、広告を載せてもほとんど影響がない。おそらく、これは多くの出版人の共通の感想だろう。しかし、このことをあまり大声でいう人はいない。 新聞の販売量  新聞は終わった、といわれる。いわば、オワコンというやつだ。  ちなみに、私は新聞が終わったと思ってはいない。あれほど多くのビジネスマンが毎朝のように目を通している媒体だ。工夫次第ではいくらでも活路はある。私が思うに、おそらく新たな読者層を取り込もうと思えば、「新聞の横文字化」と「社説の廃止」くらいはできるだろう。デジタル化のいま、新聞が縦文字である理由はほとんどない。  また、なにより事実やデータが必要とされているいま、社説という「意見」を聞く必要はほとんどない。  意見はブロガーでじゅうぶんだ。  朝日新聞社の社員でも「天声人語」を読んでいる人はどれくらいいるのだろう(管理社会と受験の激化を嘆きながら、「天声人語」の入試採用率を喧伝する同社の姿勢は一つのご愛嬌だった)。  ところで、みなさんは全国紙がどれだけ売れているかご存じだろうか?  朝刊の販売部数でいうと、次のとおりだ。  ・読売新聞:9,955,031部  ・朝日新聞:7,713,284部  ・毎日新聞:3,421,579部  ・日本経済新聞:3,010,558部  ・産経新聞:1,607,577部   (上記は2011年7月~12月の一日平均)  確かに、1000万部に近い読売新聞は、1000万部を切ったとはいえ、圧倒的な部数を誇っている。ここでは、押し紙などの、新聞各社の販売上の問題点についてはふれない。あくまで数字を追っていきたい。  そこで、注目したいのは全国紙の地方における影響力だ。  ここでクイズを出したい。  「北海道における産経新聞の販売部数は何部でしょうか?」  私の周囲に聞いてみたところ「10万部くらい」と言っていた。冗談ではない。どの全国紙でも、10万部以上販売できている県は少数にすぎない。  この答えだが、たった1,033部にすぎない。  産経新聞だけを取り上げて申し訳ないものの、  ・富山県:778部  ・岐阜県:631部  ・宮崎県:462部  ・佐賀県:443部 しかない。さらには沖縄県では278部のみだ。  特に沖縄は全国紙の影響力が低く、世帯数に占める各紙の購読比率は、次のとおりだ。  ・読売新聞:0.11%  ・朝日新聞:0.22%  ・毎日新聞:0.05%  ・日本経済新聞:1.09%  ・産経新聞:0.05%  みなさんは、地方での全国紙の影響力の小ささについてどう思っただろうか? いわゆる地方部では、全国紙を購読している比率はきわめて少ない。 全国紙の影響力幻想  いや、むしろ逆なのだ。  都会部の人びとは、巨大メディアが全国を支配している幻想にとらわれる。しかし、地方在住者からすれば、「全国紙など読んだことがない」状況が一般的なのであり、全国紙の論調が世の中を動かしているなど、とても信じられない。  ちなみに著者は佐賀県出身だが、「朝日新聞が世論を誘導する」だの、「読売新聞の世論迎合」だのという意味がそもそもわからなかった。全国紙を購読している地方の家庭であっても、たいていは父親が新聞を読み――、といっても時間がないので1面だけしっかり読むものの、社説を飛ばしてあとは斜め読みし――、母親がテレビ欄以外は捨てて、チラシだけを保管する。これが普通ではないか。  メディアが世論をつくっている、というのは「言い過ぎ」であって、かつての私のように、多くの地方在住者は政治的なイデオロギーなどまったく意識してはいない。もっというと、新聞をちゃんと読んではいない。多くの読者が真剣に読む媒体だったら、宣伝広告費用があれほど安価になるはずはない。  ビジネスの観点からすれば、都会部のひとたちが地方に新聞広告を出すときには、その効果について冷静になったほうがよい。新聞メディアは、購読者数以上の効果を期待することはできない。いくら安価に出稿できるからといって、購読者数の確認くらいは必須だ。それによって、一人あたり潜在顧客獲得コストの優劣が判断できるはずだ。実コストで考えると、むしろ都会部のほうが顧客獲得コストはまだ安価なこともある。  もちろん最後にフォローしておくと、新聞の意義は薄れてはいない。  新聞がなければ、夕食のときに鍋の下に敷くものがなくなるし、ちり紙交換に出すものもなくなってしまう。さらに深刻な問題は、窓を拭くものがなくなってしまうことだ。新聞紙で窓を拭くと汚れが大変よくとれる。まあ、それは新聞社が毎日大量の紙を排出していることの証でもある。  それにしても、新聞がエコロジーを叫ぶんなら、自社広告の紙のエコロジーからはじめてくれないかなあ。  おれ、ずっと日経新聞を購読しているんだけれど、毎週のようにポストに「日経新聞ご購読のオススメ」っていうチラシが入ってくる。 (文=坂口孝則) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 売上増の秘訣は占い!?占い師と顧問契約する企業が急増中? これが「天職」に巡り合うための「転職」の極意だ! 宝くじ利権をしっかり組み込んだ総務省とみずほ銀行 山本一郎「警察庁がぱちんこ営業のグレーゾーンに全力できた」 逮捕もされない!?ネット犯罪予告で成功する方法とは? サイフは親!“賢い”女子たちが切り開く親孝行マーケット 円をアメリカに流す!? アフラックの経営姿勢にかみついたダイヤモンド

宝くじ利権をしっかり組み込んだ総務省とみずほ銀行

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最終日の27日はすごい行列でした。
「Wikipedia」より
 8月7日を心待ちにしている人は多いのではないか。1等と前後賞を合わせて5億円が当たる「サマージャンボ宝くじ」の抽選日である。  1等4億円は1枚300円の宝くじとしては史上最高の賞金額で、当選本数は26本。1等前後賞は5000万円。2等500万円は52本。サマージャンボに合わせて1等2000万円の「2000万サマー」を同時発売した。こちらも、1等は2011年より50本多い450本となっている。  2月のグリーンジャンボの3億円を更新して、今回、4億円となったのは法律が改正されたから。3月に宝くじの1等賞金の上限を2.5倍にする改正当せん金付証票法が成立した。くじ1枚当たりの金額の100万倍だった賞金の上限を250万倍に引き上げた。これで1枚300円の宝くじで1等賞金を7億5000万円にまですることができるようになった。  だから今後も賞金の高額化が進む。7億5000万円の宝くじは、いつ発売されるのだろうか?  高額化は低迷傾向にある売り上げの回復が狙いだと説明されているが、素直には受け取れない。宝くじの運営は、深いベールに包まれており、資金運用の構造などの透明性のアップが必要と指摘する声はずっとある。1等賞金の引き上げは、批判をかわすための目くらましとの見方もできよう。  宝くじの資金の流れの一端を、民主党政権の行政刷新会議による事業仕分けが明らかにした。事業仕分けは政治的パフォーマンスでしかなかったが、宝くじの闇に切り込んだことは評価できる。  宝くじは東京都庁内に事務局を置く「全国自治宝くじ事務協議会」(全国協)を中心に運営されている。メンバーは、発売権限がある都道府県と政令指令都市の財政課長ら。今回、1等賞金を4億円に設定したのも全国協だ。  政府の事業仕分けに提出された総務省の資料(08年度)によると、宝くじの売り上げは1兆419億円。およそ46%が当せん金として支払われている。約40%は収益金として地方自治体に入る。残る14%が宝くじの販売手数料などの経費だ。これは「46:40:14」の分配方式と呼ばれる。  問題は、そこから先の資金の流れだ。収益金は全額が発売元の47都道府県と19政令指定都市に入り、公共事業の原資となる。収益金のうち82億円が販売権限のない全国市町村振興協議会に配られる。さらに協議会から71億円が、「宝くじの普及宣伝」の名目で総務省所管の26公益法人に渡る。市町村の協議会は、公益法人に資金を流すトンネルの役割を果たしているわけだ。  経費のうち総務省所管の財団法人である自治総合センターに98億円、日本宝くじ協会に183億円が「宝くじ事業資金」として上納される。自治総合センターからは宝くじファミリーと呼ばれる総務省管轄の5公益法人に12億円、日本宝くじ協会から同40公益法人に15億円が分配される。  日本宝くじ協会が06年度から3年連続で助成した112公益法人のうち、59法人に合計108人の官僚OBが常勤役員として在籍していることが明らかになっている。売り上げの3.3%に相当する352億円が総務省が管轄する3つの団体に渡り、天下り組の同省OBの人件費に回るわけだ。  事業仕分けでは日本宝くじ協会などの関連の4事業について「廃止」と判定。天下り役員の高額な給料や豪華オフィスなどの問題が解決されるまで、宝くじ販売を中止するよう原口一博総務相(当時)に要請すると結論づけた。  威勢が良かったのは、そこまで。枝野幸男・行政刷新担当相(当時)は原口総務相と会談し、宝くじの発売中止を求めるとした事業仕分けの結論を、あっさり撤回した。  宝くじの販売手数料としては、792億円が支払われている。宝くじの売り場の大手といえば、みずほ銀行(みずほフィナンシャルグループ)だ。「全国の宝くじ売り場は1万5825店あり、みずほ銀行の直営店は400店強にすぎない」と、みずほは言うが、日本ハーデス(旧・日宝販)を外しての数字だ。民間会社なので仕分けのテーブルに上ることはなかったが、日本ハーデスは旧第一勧業銀行の行員の天下りのための受け皿である。この日本ハーデスは全国に2000カ所の売り場を持ち、ここでの売り上げが全体の5割に達するという。宝くじを売れば、みずほが潤うという構図は不変なのだ。  最近、宝くじについての内部情報が漏れるようになったのは、みずほで経営の主導権を握る旧日本興業銀行勢が、日本ハーデスの存在を苦々しく思っているからだという説がある。宝くじは、みずほが運営していると言えば聞こえがいいが、実態は旧第一勧銀である。 「宝くじは強制的なものでない。買っている人は自分の意思でおカネを払っている。だから、仕分けには馴染まない」と主張した官僚OBがいたそうだが、宝くじを買っている人が、事業仕分けで問題になったような仕組みで売られているということは、まったく知らないだろう。宝くじの売り上げのうち、当せん金として買い手側に戻ってくるのは46%にすぎない。  消えた金の一部が、もし、総務省の天下り官僚や、みずほ銀行の天下り族の利権になっているのだとしたら、それこそ問題だ。  賞金の肥大化に刺激されて、宝くじの売り上げが増えれば、総務省とみずほ銀行の利権もまた、確実に膨らむのである。 (文=編集部) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 山本一郎「警察庁がぱちんこ営業のグレーゾーンに全力できた」 逮捕もされない!?ネット犯罪予告で成功する方法とは? サイフは親!“賢い”女子たちが切り開く親孝行マーケット 円をアメリカに流す!? アフラックの経営姿勢にかみついたダイヤモンド サイフは親!“賢い”女子たちが切り開く親孝行マーケット アップル元社員「ジョブズは他人の成果を自分のものに…」 上層部の保守的なムードにうんざり ソニー社員は阿鼻叫喚

本がない!? 東京国際ブックフェアで見えたどん底の出版業界

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 山本一郎「警察庁がぱちんこ営業のグレーゾーンに全力できた」 宝くじ利権をしっかり組み込んだ総務省とみずほ銀行 逮捕もされない!?ネット犯罪予告で成功する方法とは? ■特にオススメ記事はこちら! 本がない!? 東京国際ブックフェアで見えたどん底の出版業界 - Business Journal(7月26日)
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一見すると盛況の様子だが……。
 7月5日~8日に東京・有明の東京ビッグサイトで開かれた東京国際ブックフェア(TIBF)。各出版社が本の展示や著作権取引などを目的に出店し、2010年は世界25カ国から984社が出展、今年で19回目を迎えた同フェアだが、出展する出版関係者の間では、ある“異変”が囁かれた。 「事前に文藝春秋、筑摩書房、中央公論新社など名だたる出版社が出ないことは聞いていた。しかし、会場に来て驚いたのは、大手が出店していないどころか、文芸書は河出書房新社、語学書は白水社、ビジネス書は明日香出版社と、それぞれのジャンルに1社しか出ていなかったんです」  そう驚くのは、何年も出展してきた人文・社会科学系の出版社の営業担当者だ。ここ数年、単独ブースで出展する出版社が減少してきていると言われてきたが、今年のありさまは例年にないほどひどいものだった。  どれだけ出版社が少なかったのか。TIBFの会場図(PDF)を見てもらえれば一目瞭然だ。さすがに業界トップスリーの講談社、小学館、集英社は出展していた。しかし、ブースの規模も展示内容も以前に比べて華やかさに欠けた上に、総合出版社である小学館は児童書ゾーンでブースを展開するのみ。ハースト婦人画報社、徳間書店も会社の規模に見合わない小ブース。さらに、河出書房新社1社と同じ広さのブースに角川グループ関連10社がまとまって出展している。会場図をご覧になった読者の皆様に伺いたい。果たして、ご存じの出版社がどれほどあったのかと。  ある出展社の担当者は「弊社のブースに来られた一般読者の方に『新潮社のブースはどこか』と聞かれ、残念ながら今回も出展していませんと答えると、がっかりした様子で去って行きました」と話す。こうした趣旨の問い合わせは、たびたびあったという。  そんな状況下で唯一救いだったのが、人文・社会科学書のゾーンだ。岩波書店、平凡社、みすず書房、国書刊行会、吉川弘文館、東京大学出版会といった版元が単独出展したほか、大学出版部協会、歴史書懇話会、国語・国文学出版会などの団体による出展もあった。一般客にとっての初日となった7日には、「書物復権8社の会」のブースに長蛇の列ができていた(写真)。  なぜ著名な出版社の出展が少なかったのか。そのひとつの要因が、2011年の東日本大震災に際し運営と出版社の間で起こったトラブルだと指摘するのは、出展する老舗出版社の営業担当者。 「11年は大震災のため、出展を予定していた出版社が見合わせる、いわゆる自粛ムードがあった。しかし、キャンセル料が発生するため、主催者と多少のトラブルがあったようだ。それに抗議する意味で、今年の出展を見合わせた社もあったのではないか」  また、別の出展社社員は「出版社が共同のブースで出展することに、主催者側が様々な注文を付けてきた。ブース内での公開セミナーについても、色々と内容ややり方を制限するようなことを言われた。その交渉が嫌になって、今回は見送った共同ブースもあるようだ」と話す。  しかし、この手のトラブルはたびたび発生するもので、その影響は短期的なものであろう。問題なのは、ここ数年の出版社による単独ブースでの出展だ。減少傾向にある原因を、中小出版社の営業担当者はこう語る。 「同フェアに出展するメリットが見えないのが本当の問題だろう。かつて、海外の出版社向けに出版物の版権販売を行う場という名目で東京国際ブックフェアは開かれてきた。しかし昨今では、すでにTIBFが開かれる頃には海外出版社との版権交渉は済んでおり、今更、TIBFで交渉する必要もなくなった。そのため、版権の売買を求める旨のプレートをブースに掲げる出展社もほとんどなくなった」  たしかにTIBFのスタート時は、世界最大のブックフェアと言われるドイツの「フランクフルトブックフェア」をみならって、版権売買の場であった。しかし、先述のような状況になり、その機能は薄れていった。これではいけないと、主催者が次に掲げたのが書店と出版社との「商談会」の場という機能だ。  しかし、ある中堅出版社の営業担当者は「商談会がスタートした頃は、弊社も取り組んでいたが、会場に来るのは現場の担当者ではなく、役員や社長クラスが多かった。発注権限がある店舗の担当者が少なく、出展費用と効果を考えると、営業マンが地方に出張して注文を取ってきた方がはるかに効果的だ。それに加えて最近、首都圏と大阪で書店主導による商談会というものも始まった。それが今年は九州地区にも広まった。多くの出版社は、商談会はここでと考えている。というのも、出展費用がケタ違いに安いからだ」  一方で、こんな意見もある。 「番線印(本を発注するために必要な印鑑のようなもの)を持ってきた書店さんもいた。こうした書店さんの来場が増えれば、商談会の場として会を行う意味はある。だが、今回はそうした人は極少数だった。とくに最近は書店業界も疲弊していて、地方の書店さんは2年に1度など訪れる頻度が少なくなり、送りこむ書店員の数も減らしている」(出展出版社のブース担当者)  商談会を行う出展社がなくなったわけではない。アスク出版のような直取引(卸会社を通さず、自ら書店に配本する取引)出版社にとっては、訪れた書店員との商談にこそ出展する意味がある。しかし、そうしたブースは少数派になってしまった。今では、ほとんどのブースが在庫一掃セールを目的とした「安売り市」化してしまった。  それが悪いというのではない。1年に1度、定価販売が法律で定められている本が2割引きなどで安く買えるという意味では、読者サービスの一環の活動といえる。しかし、安売りするのがTIBFの目的なのだろうか。そう考える出版社が、そこにメリットがあると考えて、出展し続けていくのならそれもいいだろう。だが、多くの出版社が安売り市のために出展するメリットは少ないと考えているからこそ、出版社の出展が激減しているのではないだろうか。
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 加えて、近年の電子出版EXPOの華々しさも、TIBFを見劣りさせている。今回からは、開催日を1日ずらして別会場で開かれたが、10年にはグーグルの出展、今年は楽天koboの発売など、その話題性の高さに、会場には多くの関係者が訪れた。とくに、同時開催していた昨年までは、ネット関連業者が訪れたため来場者の質が変わり、もはや電子出版フェアではないかともいわれるほどだった。  来年、20回目という節目を迎えるTIBF。出展社の多くから、1年に1度のお祭りをやめよとまでの意見は出ていない。ただ、出版産業の変遷に対応した新しいブックフェアの模索も同時に必要となる。主催者に課せられた宿題は難しいかもしれないが、新たなメリットの創出を早期に望む。 (文・写真=碇 泰三) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 山本一郎「警察庁がぱちんこ営業のグレーゾーンに全力できた」 宝くじ利権をしっかり組み込んだ総務省とみずほ銀行 逮捕もされない!?ネット犯罪予告で成功する方法とは? 円をアメリカに流す!? アフラックの経営姿勢にかみついたダイヤモンド サイフは親!“賢い”女子たちが切り開く親孝行マーケット アップル元社員「ジョブズは他人の成果を自分のものに…」 上層部の保守的なムードにうんざり ソニー社員は阿鼻叫喚

本がない!? 東京国際ブックフェアで見えたどん底の出版業界

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一見すると盛況の様子だが……。
 7月5日~8日に東京・有明の東京ビッグサイトで開かれた東京国際ブックフェア(TIBF)。各出版社が本の展示や著作権取引などを目的に出店し、2010年は世界25カ国から984社が出展、今年で19回目を迎えた同フェアだが、出展する出版関係者の間では、ある“異変”が囁かれた。 「事前に文藝春秋、筑摩書房、中央公論新社など名だたる出版社が出ないことは聞いていた。しかし、会場に来て驚いたのは、大手が出店していないどころか、文芸書は河出書房新社、語学書は白水社、ビジネス書は明日香出版社と、それぞれのジャンルに1社しか出ていなかったんです」  そう驚くのは、何年も出展してきた人文・社会科学系の出版社の営業担当者だ。ここ数年、単独ブースで出展する出版社が減少してきていると言われてきたが、今年のありさまは例年にないほどひどいものだった。  どれだけ出版社が少なかったのか。TIBFの会場図(PDF)を見てもらえれば一目瞭然だ。さすがに業界トップスリーの講談社、小学館、集英社は出展していた。しかし、ブースの規模も展示内容も以前に比べて華やかさに欠けた上に、総合出版社である小学館は児童書ゾーンでブースを展開するのみ。ハースト婦人画報社、徳間書店も会社の規模に見合わない小ブース。さらに、河出書房新社1社と同じ広さのブースに角川グループ関連10社がまとまって出展している。会場図をご覧になった読者の皆様に伺いたい。果たして、ご存じの出版社がどれほどあったのかと。  ある出展社の担当者は「弊社のブースに来られた一般読者の方に『新潮社のブースはどこか』と聞かれ、残念ながら今回も出展していませんと答えると、がっかりした様子で去って行きました」と話す。こうした趣旨の問い合わせは、たびたびあったという。  そんな状況下で唯一救いだったのが、人文・社会科学書のゾーンだ。岩波書店、平凡社、みすず書房、国書刊行会、吉川弘文館、東京大学出版会といった版元が単独出展したほか、大学出版部協会、歴史書懇話会、国語・国文学出版会などの団体による出展もあった。一般客にとっての初日となった7日には、「書物復権8社の会」のブースに長蛇の列ができていた(写真)。  なぜ著名な出版社の出展が少なかったのか。そのひとつの要因が、2011年の東日本大震災に際し運営と出版社の間で起こったトラブルだと指摘するのは、出展する老舗出版社の営業担当者。 「11年は大震災のため、出展を予定していた出版社が見合わせる、いわゆる自粛ムードがあった。しかし、キャンセル料が発生するため、主催者と多少のトラブルがあったようだ。それに抗議する意味で、今年の出展を見合わせた社もあったのではないか」  また、別の出展社社員は「出版社が共同のブースで出展することに、主催者側が様々な注文を付けてきた。ブース内での公開セミナーについても、色々と内容ややり方を制限するようなことを言われた。その交渉が嫌になって、今回は見送った共同ブースもあるようだ」と話す。  しかし、この手のトラブルはたびたび発生するもので、その影響は短期的なものであろう。問題なのは、ここ数年の出版社による単独ブースでの出展だ。減少傾向にある原因を、中小出版社の営業担当者はこう語る。 「同フェアに出展するメリットが見えないのが本当の問題だろう。かつて、海外の出版社向けに出版物の版権販売を行う場という名目で東京国際ブックフェアは開かれてきた。しかし昨今では、すでにTIBFが開かれる頃には海外出版社との版権交渉は済んでおり、今更、TIBFで交渉する必要もなくなった。そのため、版権の売買を求める旨のプレートをブースに掲げる出展社もほとんどなくなった」  たしかにTIBFのスタート時は、世界最大のブックフェアと言われるドイツの「フランクフルトブックフェア」をみならって、版権売買の場であった。しかし、先述のような状況になり、その機能は薄れていった。これではいけないと、主催者が次に掲げたのが書店と出版社との「商談会」の場という機能だ。  しかし、ある中堅出版社の営業担当者は「商談会がスタートした頃は、弊社も取り組んでいたが、会場に来るのは現場の担当者ではなく、役員や社長クラスが多かった。発注権限がある店舗の担当者が少なく、出展費用と効果を考えると、営業マンが地方に出張して注文を取ってきた方がはるかに効果的だ。それに加えて最近、首都圏と大阪で書店主導による商談会というものも始まった。それが今年は九州地区にも広まった。多くの出版社は、商談会はここでと考えている。というのも、出展費用がケタ違いに安いからだ」  一方で、こんな意見もある。 「番線印(本を発注するために必要な印鑑のようなもの)を持ってきた書店さんもいた。こうした書店さんの来場が増えれば、商談会の場として会を行う意味はある。だが、今回はそうした人は極少数だった。とくに最近は書店業界も疲弊していて、地方の書店さんは2年に1度など訪れる頻度が少なくなり、送りこむ書店員の数も減らしている」(出展出版社のブース担当者)  商談会を行う出展社がなくなったわけではない。アスク出版のような直取引(卸会社を通さず、自ら書店に配本する取引)出版社にとっては、訪れた書店員との商談にこそ出展する意味がある。しかし、そうしたブースは少数派になってしまった。今では、ほとんどのブースが在庫一掃セールを目的とした「安売り市」化してしまった。  それが悪いというのではない。1年に1度、定価販売が法律で定められている本が2割引きなどで安く買えるという意味では、読者サービスの一環の活動といえる。しかし、安売りするのがTIBFの目的なのだろうか。そう考える出版社が、そこにメリットがあると考えて、出展し続けていくのならそれもいいだろう。だが、多くの出版社が安売り市のために出展するメリットは少ないと考えているからこそ、出版社の出展が激減しているのではないだろうか。
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 加えて、近年の電子出版EXPOの華々しさも、TIBFを見劣りさせている。今回からは、開催日を1日ずらして別会場で開かれたが、10年にはグーグルの出展、今年は楽天koboの発売など、その話題性の高さに、会場には多くの関係者が訪れた。とくに、同時開催していた昨年までは、ネット関連業者が訪れたため来場者の質が変わり、もはや電子出版フェアではないかともいわれるほどだった。  来年、20回目という節目を迎えるTIBF。出展社の多くから、1年に1度のお祭りをやめよとまでの意見は出ていない。ただ、出版産業の変遷に対応した新しいブックフェアの模索も同時に必要となる。主催者に課せられた宿題は難しいかもしれないが、新たなメリットの創出を早期に望む。 (文・写真=碇 泰三) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 山本一郎「警察庁がぱちんこ営業のグレーゾーンに全力できた」 宝くじ利権をしっかり組み込んだ総務省とみずほ銀行 逮捕もされない!?ネット犯罪予告で成功する方法とは? 円をアメリカに流す!? アフラックの経営姿勢にかみついたダイヤモンド サイフは親!“賢い”女子たちが切り開く親孝行マーケット アップル元社員「ジョブズは他人の成果を自分のものに…」 上層部の保守的なムードにうんざり ソニー社員は阿鼻叫喚

アップル元社員「ジョブズは他人の成果を自分のものに…」

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アップル元CEOのスティーブ・ジョブズ。
(「ウィキペディア」より)
「デザインを先に考え、そこからまったく妥協しないで製品化していく」 「ジョブズは“嫌なヤツ”です」  数々のヒット商品を生み出してきたアップル、そして創業者の故スティーブ・ジョブズを、神様のように畏敬の念をもって崇める人々は多い。しかし、その等身大の姿は、今もって明かされていない部分も多い。 「アップル強さの秘密はなんなのか?」  「世界市場における地位低下が叫ばれる日本メーカーとの、根本的な違いはなんなのか?」 そして、 「ジョブズ亡き後の、アップルの懸念材料とは?」    前回(http://biz-journal.jp/2012/07/post_416.html)に引き続き、4月に発売された『僕がアップルで学んだこと』(アスキー新書)(http://www.amazon.co.jp/dp/4048865390)の著者で、元アップル米国本社シニアマネージャーの松井博氏に話を聞いた。 ――製品のクリエイティブ面では、やはりジョブズのトップダウンが大きかったのでしょうか? 松井 そこは本当にそうなのか? と思うところもあります。スティーブは誰かが良いことを言うと、全部自分のものとしてしまう人でしたから。数々の伝説のいくつかは、眉唾なのではないかと思うものもあります。彼が「こういう方向に行こうよ」と考えたときには、必ずそれを実現してくれるジョナサン・アイブ(デザイナー)が傍らにいた。ジョナサンが率いるデザイナー・チームは、あちこちで賞を取っているような名だたるデザイナーを世界中から集め、どの会社でもよだれが出るほど欲しい人材が、ごっそりそこで働いていました。彼らの仕事場はパーテーションで仕切られたオフィスや個室ではなく、だだっ広い学校の教室みたいところでした。そこで試作品をつくっては、皆で批評し合うというカルチャー。もともと優れているから、それだけすごいデザインのものが出来上がるわけです。ただ、彼らはエンジニアではないから、実現性を度外視したものが出来上がる。「これ、無理だろ」みたいな。例えば、MacBook Airは異常に薄いでしょ? しかも全部金属で、内蔵アンテナも入っています。しかし、アンテナを金属で覆えば、電波は入りにくくなる。放熱にしても、金属は熱伝導が高いから、使っているとすぐに熱くなってしまう。プラスチックを使えばぜんぜん楽なのですが、そうしない。最初に全部金属だと決めてしまうんです。だから排熱の穴はほとんどない。結局、モニタから熱を逃がしているわけですが、そうした仕組みをどうにか考えなければならない。普通ならファンをつけて熱を出せばいいのですが、それをやらせてもらえない。どうにかして最初のデザインのまま、製品化するのです。 ――つまり、ユーザーに受け入れられるデザインを決めて、そこからブレないわけですね。 松井 そうです。エンジニアがつくりやすいものではなくて、お客さんが使いやすいもの。そうしたデザインを先に考える。そこからまったく妥協しないで製品化していく。そこが強いところですね。かつて私が日本のメーカーに勤めていた時には、「強度がない場合はネジを増やそう」という話がすぐに出てくるわけです。しかし、ネジを増やすとカッコ悪くなる。しかも集密度が高い基板の中にネジ穴をつくるだけでも、すごく大変なんです。ネジなんかないほうがいいに決まっている。ネジを使うというのは、実は安直な解決方法なのです。ネジのいらないボディをつくることは、すごく正しい。ただ、正しいけど前例がないから、つくるのは大変です。正しいとは思っても、なかなかできない。アップルは先に決めてしまうのです。だから、やらなきゃいけない。日本企業だと、できないからネジを使って、最初のコンセプトからズレてしまう。自動車メーカーがよく自動車ショーで格好いいコンセプトカーを展示していますよね。でも、何年後かに商品化されると、かつてのコンセプトカーとはまったく別物になっている。アップルは最初のコンセプトに忠実につくる。「コンセプトカーと商品は別物」という会社ではないんです。 ジョブズの考えは必ず実現 ――なぜ日本企業は、それができないんでしょうか? 松井 日本はサラリーマン社長だからだと思います。怖くて、そんな大きなリスクを取れないのです。「これで失敗したら、何と非難されるのか?」を先に考えてしまう。創業社長は、そこが強いと思います。アップルは、スティーブの考えたことを必ず実現させるという意識が、下のほうまで浸透している。100名超いた僕の部署でも、実績が上がればいい転職もできるから、何がなんでも実績を出したい。マネージャーも皆そう思っていますから、少々のリスクは厭わない。上から下までそんな感じです。一方で、失敗に寛容なところもあります。「コケても、次でなんとかすればいい」という空気です。会社だって、よほど悲惨な失敗をしない限り、辞めさせられることはなかなかありませんから。 ――アップルは、人材マネジメントという面で、何か意識して工夫している点はあるのでしょうか? 松井 社員一人ひとりに、「競争させる」「責任を負わせる」「タスクを定義して、やることを決める」ということです。いわば、自分で仕事にコミットさせて、きちんと責任を取らせる。順当に実績を積んでいけば、次のステップで「自分はこうやりたい」と言えば、その希望はかないます。ヒラ社員でもチャレンジをうまくこなしていくことで、だんだんと上に行ける。できるヤツとできないヤツとでは、給与の差もすさまじい。例えば、ボーナスの原資は各部署で決まっているわけですから、皆に均等に分けるのではなく、できるヤツにドンと渡す。良い仕事をしていれば、たくさんもらえるし、パッとしないと常にボーナスはもらえない。昇給も予算枠があるので、できるヤツは上がるし、ダメな人はずっとダメ。会社に入ってしまえば、大卒、高卒も関係なく、実績のみで評価されるという世界です。 ――なぜアップルには優秀な人材が集まるのでしょうか? 松井 それは面白いことをやらせてくれるからでしょう。例えば、物流の専門家だとすれば、アップルのヒット商品ともなれば、何千万台、何億台と売っているわけです。それだけのモノを動かすことは、物流をやっている人たちにとっても、それこそ一生で何度も出会える仕事ではありません。アップルには、そうしたスケールの大きな仕事が普通にある。やってみたいと思う人は来ますよね。 ――ジョブズ亡き後、アップルの懸念材料とは何でしょうか? 松井 やはり社内政治でしょうね。現CEOのティム・クックが社内カルチャーを変えていくかもしれませんが、スティーブ自身は良くも悪くも政治的な人でした。そうした政治的な要素が下まで浸透しているので、それが今後、吉と出るか凶と出るか、まさに両刃の剣といえるでしょう。また、前述のジョナサン・アイブがもし辞めたらどうなるだろう、ということも考えますね。アップルには2種類の天才がいるんですが、1種類目の天才はスティーブ・ジョブズやジョナサン・アイブといった、何かとんでもないことを考えつくヤツら。そしてもう1種類の天才が、それを製品化できるヤツらなんです。後者は表舞台にこそ出てきませんが、あり得ないくらいすごい人たちなんです。どちらが欠けてもダメなんですが、魅力ある商品をつくって世の中に出すという力は、今も衰えていない。しかし、ジョナサンはジョブズのいいパートナーだったので、ジョブズ亡き今、何かしらの変化が起こり得るのかなという気もします。あのふたりはいつも一緒に飯を食べていましたから。クリエイティブを起こすパワーは、少し減少するのかなという懸念を感じます。ティム・クックはプロフェッショナルな働き者です。怒ったりもしないし、感情を表に決して出さない。ただ、いい加減なことを言っていると、泣くまでそいつを追い詰めるタイプですね。ジョブズは、伝記にある通り、ある意味では“嫌なヤツ”です。 ソニーやパナソニックは眼中にない ――アップルにとって、ソニーやパナソニックなどの日本メーカーはどう映っていますか? 松井 昔はアップルのほうが「追いつき追い越せ」でしたが、今はもう眼中に入っていません。かつて私も、日本メーカーの携帯電話やミュージックプレイヤーを片っ端から買って、本社に持って帰って分解していました。その数も100や200では収まらない。そうやって得た情報を社内に出せば、上から下まで技術オタクばかりですから、すぐに食いついてくるわけです。しかし、iPhoneを出した頃からは、ライバルから「一部品メーカー」になったという感じです。部品メーカーとして納期は必ず守るし、品質も高いし、コミットしたことは必ず守るから、頼りになる存在ではあります。しかしライバルではない。今は、競合商品を分析することもしなくなったと思います。 ――今後、日本メーカーはどうすれば復活できるとお考えですか? 松井 もっと簡単な仕事を、きちんとやればいいと考えています。例えば、ソニーは、米国の量販店を覗くと、日本でまったく流通していない商品が売られている。ヨーロッパでも同じ。一体ソニーは全世界で何種類の製品つくっているのか、ウェブサイトで数を数えたことがありますが、途中で挫折してしまった。なぜなら、日本だけで180くらいあり、それが欧米やアジアといった地域ごとでも分かれていて、数えきれなかったからです。これは、人的/資金的リソースを無駄遣いしているということなのです。アップルだけではなく、成功している海外の会社は、アマゾンでもエクソン・モービルでも、世界で同じ商品・サービスを提供しているわけです。 ――日本企業も、世界共通のビジネスを展開すべきだということでしょうか? 松井 そうです。日本の会社は地域によって、ビジネスの仕方を変え過ぎです。アップルは「どこの国でも売れる製品をひとつつくろう」と思ってやっています。日本企業は地域ごとに違う製品をつくっている。だからスケールメリットが出にくい。ひとつの製品が50万台売れるほうが原価率もぐんと下げられるし、工場のラインも一本で済む。それには多様な視点を持った人材が必要です。日本企業は、社内教育で一種類の視点しか持ち得ない人間をつくってしまいがちです。先輩のやったことを踏襲すればいい。そうしたメンタリティでいると、革新的なものはできなくなるのではないでしょうか。冒険したい人間がいると、社内で異端児扱いされる。これからは、企業の中にもっと多様な視点を持った人材を確保することが必要だと思います。 (構成=國貞文隆) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 上層部の保守的なムードにうんざり ソニー社員は阿鼻叫喚 スマホ対応炊飯器にナノイー搭載テレビ…パナソニック社員はもう限界! ヤマダ電機からの"横流し"も日常茶飯事!? 家電販売のいま サムスンLG社員「ソニー社員“引き抜き”年収は1億円!?」 【検証】プレステ、PSNで、ソニーの業績回復なるか? 釈ちゃんを15年支えた芸能マネージャーのビジネス術とは? 今晩スペイン戦 日本人好みの“走るサッカー”では勝てない!

アップル元社員「ジョブズは他人の成果を自分のものに…」

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アップル元CEOのスティーブ・ジョブズ。
(「ウィキペディア」より)
「デザインを先に考え、そこからまったく妥協しないで製品化していく」 「ジョブズは“嫌なヤツ”です」  数々のヒット商品を生み出してきたアップル、そして創業者の故スティーブ・ジョブズを、神様のように畏敬の念をもって崇める人々は多い。しかし、その等身大の姿は、今もって明かされていない部分も多い。 「アップル強さの秘密はなんなのか?」  「世界市場における地位低下が叫ばれる日本メーカーとの、根本的な違いはなんなのか?」 そして、 「ジョブズ亡き後の、アップルの懸念材料とは?」    前回(http://biz-journal.jp/2012/07/post_416.html)に引き続き、4月に発売された『僕がアップルで学んだこと』(アスキー新書)(http://www.amazon.co.jp/dp/4048865390)の著者で、元アップル米国本社シニアマネージャーの松井博氏に話を聞いた。 ――製品のクリエイティブ面では、やはりジョブズのトップダウンが大きかったのでしょうか? 松井 そこは本当にそうなのか? と思うところもあります。スティーブは誰かが良いことを言うと、全部自分のものとしてしまう人でしたから。数々の伝説のいくつかは、眉唾なのではないかと思うものもあります。彼が「こういう方向に行こうよ」と考えたときには、必ずそれを実現してくれるジョナサン・アイブ(デザイナー)が傍らにいた。ジョナサンが率いるデザイナー・チームは、あちこちで賞を取っているような名だたるデザイナーを世界中から集め、どの会社でもよだれが出るほど欲しい人材が、ごっそりそこで働いていました。彼らの仕事場はパーテーションで仕切られたオフィスや個室ではなく、だだっ広い学校の教室みたいところでした。そこで試作品をつくっては、皆で批評し合うというカルチャー。もともと優れているから、それだけすごいデザインのものが出来上がるわけです。ただ、彼らはエンジニアではないから、実現性を度外視したものが出来上がる。「これ、無理だろ」みたいな。例えば、MacBook Airは異常に薄いでしょ? しかも全部金属で、内蔵アンテナも入っています。しかし、アンテナを金属で覆えば、電波は入りにくくなる。放熱にしても、金属は熱伝導が高いから、使っているとすぐに熱くなってしまう。プラスチックを使えばぜんぜん楽なのですが、そうしない。最初に全部金属だと決めてしまうんです。だから排熱の穴はほとんどない。結局、モニタから熱を逃がしているわけですが、そうした仕組みをどうにか考えなければならない。普通ならファンをつけて熱を出せばいいのですが、それをやらせてもらえない。どうにかして最初のデザインのまま、製品化するのです。 ――つまり、ユーザーに受け入れられるデザインを決めて、そこからブレないわけですね。 松井 そうです。エンジニアがつくりやすいものではなくて、お客さんが使いやすいもの。そうしたデザインを先に考える。そこからまったく妥協しないで製品化していく。そこが強いところですね。かつて私が日本のメーカーに勤めていた時には、「強度がない場合はネジを増やそう」という話がすぐに出てくるわけです。しかし、ネジを増やすとカッコ悪くなる。しかも集密度が高い基板の中にネジ穴をつくるだけでも、すごく大変なんです。ネジなんかないほうがいいに決まっている。ネジを使うというのは、実は安直な解決方法なのです。ネジのいらないボディをつくることは、すごく正しい。ただ、正しいけど前例がないから、つくるのは大変です。正しいとは思っても、なかなかできない。アップルは先に決めてしまうのです。だから、やらなきゃいけない。日本企業だと、できないからネジを使って、最初のコンセプトからズレてしまう。自動車メーカーがよく自動車ショーで格好いいコンセプトカーを展示していますよね。でも、何年後かに商品化されると、かつてのコンセプトカーとはまったく別物になっている。アップルは最初のコンセプトに忠実につくる。「コンセプトカーと商品は別物」という会社ではないんです。 ジョブズの考えは必ず実現 ――なぜ日本企業は、それができないんでしょうか? 松井 日本はサラリーマン社長だからだと思います。怖くて、そんな大きなリスクを取れないのです。「これで失敗したら、何と非難されるのか?」を先に考えてしまう。創業社長は、そこが強いと思います。アップルは、スティーブの考えたことを必ず実現させるという意識が、下のほうまで浸透している。100名超いた僕の部署でも、実績が上がればいい転職もできるから、何がなんでも実績を出したい。マネージャーも皆そう思っていますから、少々のリスクは厭わない。上から下までそんな感じです。一方で、失敗に寛容なところもあります。「コケても、次でなんとかすればいい」という空気です。会社だって、よほど悲惨な失敗をしない限り、辞めさせられることはなかなかありませんから。 ――アップルは、人材マネジメントという面で、何か意識して工夫している点はあるのでしょうか? 松井 社員一人ひとりに、「競争させる」「責任を負わせる」「タスクを定義して、やることを決める」ということです。いわば、自分で仕事にコミットさせて、きちんと責任を取らせる。順当に実績を積んでいけば、次のステップで「自分はこうやりたい」と言えば、その希望はかないます。ヒラ社員でもチャレンジをうまくこなしていくことで、だんだんと上に行ける。できるヤツとできないヤツとでは、給与の差もすさまじい。例えば、ボーナスの原資は各部署で決まっているわけですから、皆に均等に分けるのではなく、できるヤツにドンと渡す。良い仕事をしていれば、たくさんもらえるし、パッとしないと常にボーナスはもらえない。昇給も予算枠があるので、できるヤツは上がるし、ダメな人はずっとダメ。会社に入ってしまえば、大卒、高卒も関係なく、実績のみで評価されるという世界です。 ――なぜアップルには優秀な人材が集まるのでしょうか? 松井 それは面白いことをやらせてくれるからでしょう。例えば、物流の専門家だとすれば、アップルのヒット商品ともなれば、何千万台、何億台と売っているわけです。それだけのモノを動かすことは、物流をやっている人たちにとっても、それこそ一生で何度も出会える仕事ではありません。アップルには、そうしたスケールの大きな仕事が普通にある。やってみたいと思う人は来ますよね。 ――ジョブズ亡き後、アップルの懸念材料とは何でしょうか? 松井 やはり社内政治でしょうね。現CEOのティム・クックが社内カルチャーを変えていくかもしれませんが、スティーブ自身は良くも悪くも政治的な人でした。そうした政治的な要素が下まで浸透しているので、それが今後、吉と出るか凶と出るか、まさに両刃の剣といえるでしょう。また、前述のジョナサン・アイブがもし辞めたらどうなるだろう、ということも考えますね。アップルには2種類の天才がいるんですが、1種類目の天才はスティーブ・ジョブズやジョナサン・アイブといった、何かとんでもないことを考えつくヤツら。そしてもう1種類の天才が、それを製品化できるヤツらなんです。後者は表舞台にこそ出てきませんが、あり得ないくらいすごい人たちなんです。どちらが欠けてもダメなんですが、魅力ある商品をつくって世の中に出すという力は、今も衰えていない。しかし、ジョナサンはジョブズのいいパートナーだったので、ジョブズ亡き今、何かしらの変化が起こり得るのかなという気もします。あのふたりはいつも一緒に飯を食べていましたから。クリエイティブを起こすパワーは、少し減少するのかなという懸念を感じます。ティム・クックはプロフェッショナルな働き者です。怒ったりもしないし、感情を表に決して出さない。ただ、いい加減なことを言っていると、泣くまでそいつを追い詰めるタイプですね。ジョブズは、伝記にある通り、ある意味では“嫌なヤツ”です。 ソニーやパナソニックは眼中にない ――アップルにとって、ソニーやパナソニックなどの日本メーカーはどう映っていますか? 松井 昔はアップルのほうが「追いつき追い越せ」でしたが、今はもう眼中に入っていません。かつて私も、日本メーカーの携帯電話やミュージックプレイヤーを片っ端から買って、本社に持って帰って分解していました。その数も100や200では収まらない。そうやって得た情報を社内に出せば、上から下まで技術オタクばかりですから、すぐに食いついてくるわけです。しかし、iPhoneを出した頃からは、ライバルから「一部品メーカー」になったという感じです。部品メーカーとして納期は必ず守るし、品質も高いし、コミットしたことは必ず守るから、頼りになる存在ではあります。しかしライバルではない。今は、競合商品を分析することもしなくなったと思います。 ――今後、日本メーカーはどうすれば復活できるとお考えですか? 松井 もっと簡単な仕事を、きちんとやればいいと考えています。例えば、ソニーは、米国の量販店を覗くと、日本でまったく流通していない商品が売られている。ヨーロッパでも同じ。一体ソニーは全世界で何種類の製品つくっているのか、ウェブサイトで数を数えたことがありますが、途中で挫折してしまった。なぜなら、日本だけで180くらいあり、それが欧米やアジアといった地域ごとでも分かれていて、数えきれなかったからです。これは、人的/資金的リソースを無駄遣いしているということなのです。アップルだけではなく、成功している海外の会社は、アマゾンでもエクソン・モービルでも、世界で同じ商品・サービスを提供しているわけです。 ――日本企業も、世界共通のビジネスを展開すべきだということでしょうか? 松井 そうです。日本の会社は地域によって、ビジネスの仕方を変え過ぎです。アップルは「どこの国でも売れる製品をひとつつくろう」と思ってやっています。日本企業は地域ごとに違う製品をつくっている。だからスケールメリットが出にくい。ひとつの製品が50万台売れるほうが原価率もぐんと下げられるし、工場のラインも一本で済む。それには多様な視点を持った人材が必要です。日本企業は、社内教育で一種類の視点しか持ち得ない人間をつくってしまいがちです。先輩のやったことを踏襲すればいい。そうしたメンタリティでいると、革新的なものはできなくなるのではないでしょうか。冒険したい人間がいると、社内で異端児扱いされる。これからは、企業の中にもっと多様な視点を持った人材を確保することが必要だと思います。 (構成=國貞文隆) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 上層部の保守的なムードにうんざり ソニー社員は阿鼻叫喚 スマホ対応炊飯器にナノイー搭載テレビ…パナソニック社員はもう限界! ヤマダ電機からの"横流し"も日常茶飯事!? 家電販売のいま サムスンLG社員「ソニー社員“引き抜き”年収は1億円!?」 【検証】プレステ、PSNで、ソニーの業績回復なるか? 釈ちゃんを15年支えた芸能マネージャーのビジネス術とは? 今晩スペイン戦 日本人好みの“走るサッカー”では勝てない!

釈ちゃんを15年支えた芸能マネージャーのビジネス術とは?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) なぜ“汎用技術”iPodはヒットしたのか? ケータイ、キャバクラ、株含み益…失敗する経営者の“条件” 小さくてもいいじゃん!豊胸手術で乳がん検診が受けられない? ■特にオススメ記事はこちら! 釈ちゃんを15年支えた芸能マネージャーのビジネス術とは? - Business Journal(7月26日)
グラビアアイドル時代よりもさらに
進化した釈由美子が見られる !?
(『I am 釈由美子写真集』より)
 デビュー15周年を迎えて……と聞いて「エッ!? もうそんなにたっちゃうの?」と驚かれた方も多いことと思うが、女優の釈由美子が、来る8月30日に10年ぶりの水着写真集『I am 釈由美子写真集』(学研パブリッシング)を発売することを発表した。撮影場所はタイ有数のリゾート地・クラビ。実に34歳という年齢ではあり得ない健康的なナイスバディを惜しげもなく披露。2万にも及ぶショットから厳選されたカットが満載で、彼女の15年という芸歴が凝縮されたような1冊になっている。とはいえ15年という経年を全く感じさせないところも、さすがというほかはないのだが……!  さて、浮き沈みの激しい芸能界でひと口に15年といっても、それは並大抵の時間ではない。逆にいえば10年以上も芸能界で生き残ること、活動を続けられることはまれなのだ。もちろん本人の才能と努力もあるが、女優を陰で支えるスタッフの存在が大きいことは言うまでもない。  そこで、釈由美子デビュー15周年および10年ぶりの水着写真集の発売に際して、彼女の所属事務所であるトミーズアーティストカンパニーのチーフマネージャー、熊谷修宏氏(41)に話を聞いた。釈由美子と共に過ごした事務所の15年はもちろん、知られざるマネージャーという仕事の中身や仕事術、ビジネスに生かせるノウハウなど、話は多岐にわたったので、これから数回に分けて紹介していこう。 釈ちゃんの15年は熊谷氏の15年  熊谷氏は先述の通り、釈の所属事務所のスタッフのひとりで、マネージャー数名を束ねるチーフ。デビュー当時から釈の営業を行っており、彼女の15年は、まさに熊谷氏の15年ともいえる。  10年ぶりの水着写真集については「釈のデビュー当時からのファンに聞いたんです。『記念に何をしたらよいですか?』と。そうしたら『イベントで本人に会いたい』『写真集を出してほしい』という意見が多かったりと、いろいろな偶然が重なって、こういう結果を生んだんです」(熊谷氏)  その熊谷氏のスタートは実はマネージャーではなく、いわゆる“スカウトマン”だったという。スカウトマンとは文字通り、その辺を歩いている“普通の女の子や男の子”に声をかけ、芸能界に誘う仕事である。
独特の名刺・スケジュール管理法でも
知られる熊谷氏。そのテクニックは、
次回以降の当コラムで公開していく。
「もともとは、あまり人と話すことが得意じゃないというか、苦手だったんです。ただ、大学の学生寮でいろいろな大学の先輩に恵まれて、その中にいた早稲田の先輩が当時『Hot-Dog PRESS』(講談社/現在休刊)で読者モデルを集めるアルバイトをしていたんです。その方に『手伝ってもらえないか? 』と言われて始めたのが、人生初のスカウトでした。最初は話しかけてもなかなか聞いてもらえず大変だったんですが、あるとき銀座のOLに声をかけて、その方はダメだったんですけど、『スカウトがんばってくださいね』と言われたんです。そう言われたときに、すごいやりがいを感じたというか……それからスカウトに前向きになりましたね」(同) スカウトのクラスは、事務所のバリューで決まる  確かに、我々も普段仕事をしている中で、見知らぬ人に「がんばって」と声をかけられることなど、ほとんどない。一見、なんでもないそのひと言に強く励まされたという熊谷氏、以降は読者モデルから、イベントコンパニオン、レースクイーンまで、さまざまな女の子をスカウトしていく。スカウトにはA〜Dクラスがあり、そのクラス分けはスカウトした女の子が所属することになる事務所のバリューや、そこからスカウトに支払われる紹介金の額面で決まるという。 「最初はBとかCだったんですけど、だんだん欲が出て。Aクラスの扱いを受けられる女の子をスカウトしようとがんばろうと思いました。そのためには、しっかりとしたタレント事務所に籍を置いた上でスカウトしたいと思い、自分から事務所に電話をして、スカウトマンをさせてほしいと営業をかけたんです。何十社か電話したんですけど、たまたまそのうちの1社のズーム・リパブリックの方が『うちでやらないか?』と言ってくださって、そこでスカウトマンをすることになりました。その事務所の方が、たまたま母校が同じ明治大学でもあり、今の会社の社長と知り合いで、後に僕を紹介してくれることになったんですけど……スカウトをやっていなかったらこの業界には入っていませんでしたね」(同) ガス器具メーカーから芸能マネージャーへの転身  “今の会社の社長”とは、トミーズアーティストカンパニーの代表取締役社長・小林謙治氏のこと。小林氏は“トミーさん”のニックネームで親しまれ、元ジャニーズのダンサー・振付師という素敵な経歴の持ち主だけあり、齢50を過ぎてなおイケメンであり続ける社長。かつて国際派女優の工藤夕貴を育て、「あたし、脱いでもすごいんです」の名キャッチフレーズで一世を風靡した北浦共笑を輩出。そして釈由美子、山本梓を世に送った芸能界きっての名士でもある。大学卒業後、熊谷氏もすぐにその門戸を叩いたのかと思いきや、意外にも最初の就職先はガス器具メーカーの老舗・リンナイだったという。 「先の明治大学の先輩のもとで、ズーム・リパブリックの名刺を作ってもらって1年半くらいスカウトをしていたんですけど、就職活動を始めようとした時に、事務所の方から『芸能事務所はやめたほうがいい』と言われました。なぜかというと、まず日本のビジネス構造においては、一番上にメーカー、その次に流通がありきで、その後にマスコミ、芸能界があるから、まずメーカーで勉強しなさいと言われて、大学卒業後はリンナイに入りました。そこに約2年いたのですが、日本の社会や経済の構造を知る上で、すごく勉強になりましたね。その後、トミーズアーティストカンパニーに入ってからも、広告代理店があって、広告収入の比重が大きい芸能界があってと……だからトミーズカンパニーでも、自分の担当するタレントが、企業のイメージキャラクターになった時に、“日本と初めてつながった”という感覚がありました。今も、メーカーにいたことが役立っているとの思いはあります。まずメーカーがあって、日本が成り立っているというところから芸能界を考えられるようになった部分もありますし」(同)  なるほど、芸能界といえど、あくまでもビジネスの世界。釈由美子の15年も、そんな熊谷氏をはじめとするトミーズアーティストカンパニーという一企業の理念に支えられているのかもしれない。  それでは次回は、気になる“スカウト術”に肉迫してみよう。ビジネスはもちろんだが、ナンパや合コンにも役に立つかも……! (構成=岩佐陽一) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) なぜ“汎用技術”iPodはヒットしたのか? ケータイ、キャバクラ、株含み益…失敗する経営者の“条件” 小さくてもいいじゃん!豊胸手術で乳がん検診が受けられない? 駅のゴミ箱が復活しないのは、経費削減のため? GREE、DeNAは新しい“卓越した”コンプガチャを生む 敵はジャパネット? ヤマダ電機会長、ジリ貧の焦り 厚労省が、禁断の被生活保護者一斉調査を断行