議員のメディアリテラシーを試した? 民主党Twitter自粛騒動の全貌

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民主党群馬県第4区総支部長 衆議院議員:
三宅雪子ウェブサイトより
 民主党執行部が所属議員に対して、ブログやTwitterでの情報発信の自粛を求める文書を送付し、一部議員から「言論統制だ」と批判の声が挙がっている。ところが、別の議員からは「言論統制はデマ」との発言も。いったいどうなっているのか? 同党の関係者を取材した。  執行部の文書を「言論統制」と批判したのは、同党所属の三宅雪子衆院議員だ。三宅議員は、自身のTwitterで「言論統制の動き。組織が隠蔽したいものは大抵やましいもの。私はなおいっそう発信していく。今、民主党は信頼を失っているので透明性を高めるべき。それが信用回復への近道。私はすべて会議はオープンがいい思う。私のツイートはしょせん個人のツイート。主観も入っているし党を代表するものではない」と記した。  一方、同党所属の有田芳生参議院議員は、自身のブログ(http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/)で「そんな事実はない。その根拠とされた文書を見れば一目瞭然だ。批判はあっていいが、事実に基づかないものはデマという」と述べ、発端となった文書を公開している。「政策検討途上における情報管理・発信に関するご要請」とされた文書に記された要請は、次の3項目だ。 1 審議、検討中の政策に係る内容情報や審議経過、各議員の発言等に関する情報や資料の管理、また個人的な情報発信に関しては、党内外の誤解を招かぬよう十分に留意するよう、各位が長・事務局長を担われている組織内の参加議員に徹底されるよう要請します。 2 とりわけ議員各位がホームページ、ブログ、ツイッターなどの媒体を使って、情報を発信するに際しては、メディアや野党の方々も含め瞬時に衆目にさらされ、時として、発信者が意図しない形で情報が利用され、個人的見解が内閣・与党の見解の如く誤解され、あるいは攻撃材料になるおそれもあることに十分にご留意ください。 3 なお、各位が一政治家として、国民、有権者の皆さまの政策所見に訴え、また自らの政策活動の紹介について発信することについて、なんら抑制を求めるものではありませんが、政調機関内で審議の途上にある政策案等は機関手続きを経て初めて党議となり、あるいは手続きを経て決定されていることにご留意ください。  文書に記された要請を読む限りでは、「ブログやTwitterを自粛しろ」という強い意志を読み取るのは困難。せいぜい「みんな見ているんだから、気をつけて使ってください」程度にしか読めない。それが、いったいどうして自党の議員に「言論統制」なんて批判される事態になったのか? 「文書が出た直接のきっかけは、山田良司衆院議員が、岐阜県下呂市長選に立候補した前民主党衆院議員の石田芳弘氏(落選)の支援を要請する文書への署名を前田武志国土交通相に依頼し、自民党から問責決議が出される騒動になっている件です。山田議員がブログで、国交相と面会し、その中で選挙が話題になったことを書いてしまったことがきっかけです。これまでも、森ゆうこ参院議員をはじめ、幾人もの議員が内々の会議の内容までTwitterなどで公開してしまうことが問題になっていました。まだ決まってもいないことが公になってしまっては、連立を組む国民新党にも失礼です。この文書は、“そうしたことも考えてネットを利用してほしい”という意味のものだと思いますよ」 と、民主党所属のある国会議員は話す。さらに、別の議員からはこんな話も。 「あの文書の本音は、小沢派の議員への注意ですよ。以前から、小沢派の議員がブログやTwitterで政権批判をするので、外部から党がバラバラになっていると思われては困るという危惧がありました。今回の問責決議の件をきっかけに、ちょっとは自重をしてほしいと、文書で通達することになったんですよ」  また、「あの文書を読んで“言論統制だ!”と思うなんて、相当なおっちょこちょいですよ」と話す議員もいる。いずれにしても、多くの議員は「言論統制を目的としたものではない」と思っている様子だ。  20日に開催された民主党の議員総会では、文書の主である桜井充参院議員が「意見をツイートしてはいけないのではなくて、決まっていないことを(党の決定した方針であるかのように)書かないでくれということ」と議員たちに教え諭す一幕もあったという。  今回の騒動が、メディアリテラシーがあるかないか、議員を試す「踏み絵」となったのは間違いない。 (取材・文=昼間 たかし)

議員のメディアリテラシーを試した? 民主党Twitter自粛騒動の全貌

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民主党群馬県第4区総支部長 衆議院議員:
三宅雪子ウェブサイトより
 民主党執行部が所属議員に対して、ブログやTwitterでの情報発信の自粛を求める文書を送付し、一部議員から「言論統制だ」と批判の声が挙がっている。ところが、別の議員からは「言論統制はデマ」との発言も。いったいどうなっているのか? 同党の関係者を取材した。  執行部の文書を「言論統制」と批判したのは、同党所属の三宅雪子衆院議員だ。三宅議員は、自身のTwitterで「言論統制の動き。組織が隠蔽したいものは大抵やましいもの。私はなおいっそう発信していく。今、民主党は信頼を失っているので透明性を高めるべき。それが信用回復への近道。私はすべて会議はオープンがいい思う。私のツイートはしょせん個人のツイート。主観も入っているし党を代表するものではない」と記した。  一方、同党所属の有田芳生参議院議員は、自身のブログ(http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/)で「そんな事実はない。その根拠とされた文書を見れば一目瞭然だ。批判はあっていいが、事実に基づかないものはデマという」と述べ、発端となった文書を公開している。「政策検討途上における情報管理・発信に関するご要請」とされた文書に記された要請は、次の3項目だ。 1 審議、検討中の政策に係る内容情報や審議経過、各議員の発言等に関する情報や資料の管理、また個人的な情報発信に関しては、党内外の誤解を招かぬよう十分に留意するよう、各位が長・事務局長を担われている組織内の参加議員に徹底されるよう要請します。 2 とりわけ議員各位がホームページ、ブログ、ツイッターなどの媒体を使って、情報を発信するに際しては、メディアや野党の方々も含め瞬時に衆目にさらされ、時として、発信者が意図しない形で情報が利用され、個人的見解が内閣・与党の見解の如く誤解され、あるいは攻撃材料になるおそれもあることに十分にご留意ください。 3 なお、各位が一政治家として、国民、有権者の皆さまの政策所見に訴え、また自らの政策活動の紹介について発信することについて、なんら抑制を求めるものではありませんが、政調機関内で審議の途上にある政策案等は機関手続きを経て初めて党議となり、あるいは手続きを経て決定されていることにご留意ください。  文書に記された要請を読む限りでは、「ブログやTwitterを自粛しろ」という強い意志を読み取るのは困難。せいぜい「みんな見ているんだから、気をつけて使ってください」程度にしか読めない。それが、いったいどうして自党の議員に「言論統制」なんて批判される事態になったのか? 「文書が出た直接のきっかけは、山田良司衆院議員が、岐阜県下呂市長選に立候補した前民主党衆院議員の石田芳弘氏(落選)の支援を要請する文書への署名を前田武志国土交通相に依頼し、自民党から問責決議が出される騒動になっている件です。山田議員がブログで、国交相と面会し、その中で選挙が話題になったことを書いてしまったことがきっかけです。これまでも、森ゆうこ参院議員をはじめ、幾人もの議員が内々の会議の内容までTwitterなどで公開してしまうことが問題になっていました。まだ決まってもいないことが公になってしまっては、連立を組む国民新党にも失礼です。この文書は、“そうしたことも考えてネットを利用してほしい”という意味のものだと思いますよ」 と、民主党所属のある国会議員は話す。さらに、別の議員からはこんな話も。 「あの文書の本音は、小沢派の議員への注意ですよ。以前から、小沢派の議員がブログやTwitterで政権批判をするので、外部から党がバラバラになっていると思われては困るという危惧がありました。今回の問責決議の件をきっかけに、ちょっとは自重をしてほしいと、文書で通達することになったんですよ」  また、「あの文書を読んで“言論統制だ!”と思うなんて、相当なおっちょこちょいですよ」と話す議員もいる。いずれにしても、多くの議員は「言論統制を目的としたものではない」と思っている様子だ。  20日に開催された民主党の議員総会では、文書の主である桜井充参院議員が「意見をツイートしてはいけないのではなくて、決まっていないことを(党の決定した方針であるかのように)書かないでくれということ」と議員たちに教え諭す一幕もあったという。  今回の騒動が、メディアリテラシーがあるかないか、議員を試す「踏み絵」となったのは間違いない。 (取材・文=昼間 たかし)