楽天社員「社内流行語は『大事な点なので日本語で話します』」

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) IBM恐怖のリストラ、メディアや裁判所も黙る華麗な技術 セブン最高益、サークルK減益…コンビニ明暗を分けたものは? 人気放送作家・野呂エイシロウ氏秘伝「やめる技術」とは? ■特にオススメ記事はこちら! 楽天社員「社内流行語は『大事な点なので日本語で話します』」 - Business Journal(1月7日)
楽天本社(「Wikipedia」より)
 日本最大の通販サイト・楽天市場をはじめ、オークションや旅行、金融など幅広く展開し、IT業界のリーディングカンパニーである楽天。海外進出にも積極的で、昨年7月から社内公用語を完全に英語化し、グローバルに展開している。最近では、太陽光パネルや電子書籍「kobo」を手掛けるなど、新たな事業にもチャレンジし続けている。そんな楽天社員A氏に、社内の実態、そして“ミッキー”の素顔を語ってもらった。 ーー入社直後の新人研修は、どのような内容でしょうか? A氏(以下、A) 昔から続く伝統の「楽天カード営業」が、まだ行われているようです。4月上旬から始まる研修1カ月の間に、「一人30件の新規契約を取る」というようなノルマが与えられ、いきなり研修初日に人事部から、「期限は5月のゴールデン・ウィーク明けまでですが、もちろん来週明けまでには達成していますよね?」などと言われたりするみたいですね(笑)。楽天伝統の研修として有名なので、新人はみんな、前もって友人とか親族に頼んでいるようです。 ーーノルマを達成しないと、どうなるんですか? A ここ数年だと400〜500人くらいがワンフロアに全員そろって研修を受けるのですが、研修期間後半になると、ノルマを達成していない人は、その場で毎朝立たされる模様です。最後まで達成しなくても特に罰則はないのですが、人事部から「達成しないとか、そういうことはありえなくないですか?」とか、嫌みを言われるみたいです。 ーー達成すると、何かいいことがあるんですか? A 契約30件につき、金の折り鶴が1つ渡されます(笑)。60枚、90枚……と増えていくと、自分の机の上に、金の鶴がどんどん増えていくんです。聞いた話だと、過去には1000件近く集めた人がいて、その人は大学の後輩とかをフルに使って、やっていたようですね。 ●キツイ楽天市場部門は6割が辞めちゃう? ーー楽天のメイン事業である楽天市場を担当する部門が、やはり一番キツいのでしょうか? A 聞いた話だと、加入店舗の支援や新規開拓を担当する店舗コンサルティングの人は、一人で200店舗くらいを常時担当しています。各店舗にコンサル的なことをしつつ、楽天が腐るほど出しているメルマガなどに掲載する広告の契約を取ってくるノルマもあって、結構大変そうですね。 ーーその部署は、辞める人も多いのでしょうか? A そうですね、肌感覚ですが、ウチの会社は新入社員の3割くらいが3年以内に辞めますが、楽天市場の部署は、その率が6割くらいに上がると思います。実際にウツなどで休職・退職するケースも、この部署に集中しているような気がします。 ーー楽天市場以外にも、太陽光パネルや電子書籍「kobo」など、次々と新規事業が立ち上がっていますが、そうした事業は現場の社員からボトムアップで提案されて、事業化されていくのでしょうか? A そういう感じではないですね……基本的にウチは、ミッキー(三木谷浩史社長)のひらめきや、一部の幹部が考えたことを、トップダウンで一気に人を集めて推し進めるイメージですね。あまり、「現場から何か新しい事業を提案して」というクリエイティブな文化はないように思えます。ウチを辞める人は、そういう体育会系の体質に不満を感じたからという理由の人が、多いのではないでしょうか。ちなみに、ウチからグーグルに転職する人は結構いますが、その逆はないと聞いたことがあります。 ●朝会で「カモン!ミッキー!」 ーー楽天といえば、週1回全社員が出席する朝会が有名ですね。 A 毎週火曜日に、朝8時から開催されます。海外を含めたすべてのオフィスにテレビ中継して、ミッキーの話や各事業の進捗状況の報告など、全社で共有しています。 ーー社長をニックネームで呼ぶんですね……。 A 1年前から、社員全員にニックネームが付くようになりました! 普段はニックネームで呼び合うことはないのですが、対外的には呼び合っていることになっています。名札にも付いているんですよ。朝会も英語なので、ミッキーが登場する時は、司会者が「カモン!ミッキー!」って呼んでいますよ! ーー楽天では英語が公用語になっていますが、実際はどうなんですか? A 部署にもよりますけど、会議などでは基本はすべて英語です。業務関連の会話は、さすがにわかるようになりました。今は社内に外国人も多いので、日常会話も英語が多いですね。 ーー入社試験の時に、英語の試験とかはあるんですか? A 今は、入社前にTOEIC750点以上ないとダメみたいですね。執行役員は850点ないと降格ですね。

●買収先の年配社員は、英語公用語化についていけなくて…

ーー英語ができなくて辞めた人もいるんですか? A ウチは、楽天市場以外はいろいろな会社を買収して成長してきたので、買収先企業出身者で、年齢が上の人たちは、「そんなこと今さらやってられるか」と、辞めていった人も結構いるようです。その中には、買収前は幹部クラスだったような人もいますよ。逆に、新卒で入社した人たちは、やっぱり対応能力があるので、英語が原因で辞めた人は多分いないと思います。 ーー英語によって、業務に支障を来したこととかはありますか? A 大きな問題はないと思いますけど、やはり英語の上達度には個人差があるので、会議中に重要な話が出たときは、1回英語で言った後に、「ここは大事な点なので、日本語で言います」と言ってフォローしたりしています。これ、去年の楽天の流行語大賞ですね(笑)。 ーー給料はどれくらいなんですか? A 給料は、基本給(固定)+インセンティブ(出来高)で構成されていますが、新卒1年目の基本給が月30万円ですし、入社3年目になると、みんな年収600万円はもらっているようです。ですので、ウチの会社は賃金的には恵まれていると思いますよ。 ●強制参加の誕生日パーティーも英語 ーー社長主催の社員誕生日パーティーなどもあるようですね。 A 以前は1カ月に1回でしたが、今は3カ月に1回ペースです。直近3カ月のうちに誕生日の社員が一度に集まるので、何百人とかになりますね。もちろんミッキーや役員も参加して、ホテルの宴会場を貸し切って立食パーティー形式ですね。経費はすべてミッキーのポケットマネーで、プレゼントが当たるゲームもありますよ。 ーー楽しそうですね。 A でも、当日会場で出欠を取られるので実質的に強制ですし、ミッキーは会場を歩き回りながらフランクに社員たちと会話しますが、そこでも英語で話すので、結構緊張します……。 ーーパーティーでも英語なんですか? A そうですね。そもそも、社内でミッキーが日本語で話すところは、一度も見たことありません。この前テレビでミッキーが日本語を話しているのを見て、「おー、日本語を話せるんだ〜」と驚いてしまいました(笑)。 (構成=編集部) ■おすすめ記事 IBM恐怖のリストラ、メディアや裁判所も黙る華麗な技術 セブン最高益、サークルK減益…コンビニ明暗を分けたものは? 人気放送作家・野呂エイシロウ氏秘伝「やめる技術」とは? EV敗戦 日産のカルロス・ゴーンCEOが戦略を大転換 「OSって何?」のトラック運転手からIT社長に転身する技術

がんばれ楽天社員! 英語の次はコンピュータ言語公用語化?

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 大手ホテルチェーンT、相次ぐ不祥事と苦情拒絶の実態 アップル、電子書籍参入の真の狙いとは?…専用リーダー駆逐なるか 世襲否定のユニクロ、2年後に本当のリスクと試練が訪れる!? ■特にオススメ記事はこちら! がんばれ楽天社員! 英語の次はコンピュータ言語公用語化? - Business Journal(1月9日)
三木谷浩史・楽天社長(「Wikipedia」より)
1月9日の日経新聞朝刊から気になるニュースを拾い読み。まじめな1面記事から、会話のネタに使えそうな記事まで、日替わりでピックアップします。 【注目記事】迫真 楽天・三木谷浩史(3) 役員会は日本語禁止  注目は、総合面から「迫真 楽天・三木谷浩史(3) 役員会は日本語禁止」の記事。先日もピックアップした、楽天の三木谷浩史社長を讃える連載企画の3回目。今回は、有名な英語公用語化についてのエピソードを紹介している。  楽天が英語を社内公用語にしていることは広く知られているが、それを決めた2010年に三木谷社長は中国語の勉強を始めた。すでに英語は堪能だったが、「社員が頑張るのだから俺も」と考えてのことだという。  楽天の競争力の源泉は、4万店にも上る楽天市場への出店者に対するEC(電子商取引)コンサルタントのノウハウ。このビジネスモデルを海外に持ち出すために、英語で海外の社員や出店者に伝える人材が必要と考えたことが、英語の公用語にした理由なのだそうだ。  役員会議ではより高いハードルを設定した。英語のフレーズが思い浮かばない時に、少しだけ日本語を使うことも許さなかったのだという。今では楽天の会議の7割が英語で行われているとのこと。英語能力テスト「TOEIC」の平均点は、10年秋の時点では526点だったが、昨年9月には706点にまで高まった。400点台では「英語での業務遂行は難しい」とされているが、そうした社員はほぼいなくなったのだという。  こうして、英語の公用語化をなかば強引に成功させた三木谷社長が次に検討しているのは、なんとプログラム言語Javaの公用語化。ようやく英語をマスターしたと思ったら、新たな課題が……。プログラムを駆使することで仕事の効率を上げるためなのか、プログラムを理解することでコンサル業務をスムーズに行うためなのか、凡人にはなかなか意図が読めませんが、社員のみなさんは大変ですね。 【1面】原発に非常用冷却施設 規制委が新基準原案  1面トップは「原発に非常用冷却施設 規制委が新基準原案」の記事。原子力規制委員会が作成している原子力発電所の新しい安全基準について、その原案が明らかになったとのことで、概要を解説している。  新基準は「あらゆる過酷な事故は起きうる」ことを前提に、想定外の事態に陥っても、放射能漏れを最小限に抑える体制を義務づけている。一昨年の原発事故では、冷却機能の喪失が過酷な事故を引き起こしたことから、原子炉から離れた場所に非常用冷却施設の設置も義務づける。また、格納容器内の圧力を下げるために行われたベント(排気)が、大量の放射性物質の放出に繋がったことから、フィルター付きの排気設備も義務化する。  また、地震や津波への対策も強化。原発ごとに「基準津波」を設定し、防波堤や防水扉を整備して建屋内に水が入らないようにする。さらに、高台に非常用電源やポンプで冷却を続ける設備の設置も求める。  ただ、これらはあくまで基本条件で、一部では施設などが未整備でも稼働を認めることも検討しているのだという。新たに必要な設備は完成までに数年かかり、大型の原発には数百億円規模の投資が必要になることが見込まれているからだそうだ。  米同時テロなどをきっかけに、欧米では規制が強化されたが、日本は遅れたまま。規制委は早ければ月末にも骨格を公表し、一般の意見を募った後、7月には新基準を決めて再稼働の審査に入る。今回の新基準案は、国民を含む、関係する各方面にどのように受け止められるのか。 【文化面】私の履歴書 渡辺淳一(8) 女生徒から手紙  文化面からは「私の履歴書 渡辺淳一 女生徒からの手紙」の記事。「私の履歴書」は、政財界や文化人など、各界の著名人による自伝的コラム。『失楽園』(角川書店刊)、『愛の流刑地』(幻冬舎刊)などの官能的な小説で知られる渡辺淳一の履歴書なだけに、その内容もご期待通り。  今日は、進学した高校が共学となったことで男子生徒が興奮する様子や、女生徒から「今度のあなたの誕生日、わたしが祝ってあげる」という思わせぶりな手紙をもらったというエピソードなどが紹介されている。しかもその手紙をくれた女生徒の写真付き。ちなみに、1月6日には、中学のトイレに書かれた落書きを“教科書”に、性に目覚めたというエピソードが掲載されている。  思えば、先に挙げた渡辺淳一の代表作も、元は日経新聞で連載されていたもの。日本の経済とはほぼ無関係だけど、日経読者は難しい顔してこういうのを読んできたんですよね。 ■おすすめ記事 大手ホテルチェーンT、相次ぐ不祥事と苦情拒絶の実態 アップル、電子書籍参入の真の狙いとは?…専用リーダー駆逐なるか 世襲否定のユニクロ、2年後に本当のリスクと試練が訪れる!? プロアナウンサーが徹底調査、日常生活の“ひっかかる”日本語 知られざる文壇という“社会”の裏側…“ドン”丸谷才一の死で終焉を迎えるのか

楽天、本気の打倒アマゾン表明を“盟友”講談社社長が暴露?

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 楽天社員「社内流行語は『大事な点なので日本語で話します』」 マンガ賞乱立のカラクリ、主催者のメリットなしでもなぜ盛り上がる? 中国で“幸せに”生きる日本人・和僑から見える日中のリアル ■特にオススメ記事はこちら! 楽天、本気の打倒アマゾン表明を“盟友”講談社社長が暴露? - Business Journal(1月7日)
koboを販売する楽天のHPより
 1月7日の日経新聞朝刊から気になるニュースを拾い読み。まじめな1面記事から、会話のネタに使えそうな記事まで、日替わりでピックアップします。 【注目記事】業を起こす 楽天・三木谷浩史(1)  注目は、総合・政治面から「迫真 業を起こす 楽天・三木谷浩史(1)」の記事。キンドル・ファイアの発売で日本市場を震撼させているアマゾンに対抗心を燃やす楽天の三木谷浩史社長の素顔を追っている。  現在楽天市場の取扱高は約1兆2,000億円で、推定7,000億円のアマゾンを抑えてはいる。しかし世界の売上高で見るとアマゾンは楽天の約10倍。そのアマゾンがタブレット「キンドル・ファイア」を引っ提げて国内市場に本格的に攻めてくることに対し、当然三木谷社長も危機感を抱いている。週イチで開かれる「朝会」で、アマゾンの動向を注視せよ、と本部社員全員に対し呼びかけているのだそうだ。  こうした動きを予見してか、三木谷社長は、昨年1月、カナダの電子書籍販売会社、コボを買収している。コボはカナダやフランスの電子書籍市場で首位に立つ有力企業。このコボで国内の電子書籍市場を掌握すべく、コンテンツの提供を依頼したのが講談社だ。  社長の野間省伸とは、05年頃に楽天がTBS買収に動いていた頃からの付き合い。三木谷社長は、講談社の持つTBS株は売ってもらえなかったが、同世代で気が合ったことから交友が始まり、今では酒を酌み交わすほどの仲となっている。野間社長はコンテンツの提供を約束した。  その野間社長は、昨年7月に都内で開かれた国際電子出版EXPOで、三木谷社長にもらったというTシャツを“暴露”している。迷彩柄のシャツの胸に「打倒アマゾン」とプリントされた、ストレートすぎるデザインのTシャツで、客席からはどよめきが起き、この写真が海外にも配信されて注目を集めた。  三木谷社長は、このTシャツのデザインを“シャレ”と笑い飛ばしたが、「日本にとどまるつもりはない」という社内外へのメッセージとも話しており、「打倒アマゾン」に対する“本気”も伺える。社内公用語の英語化も、「来るべき世界戦争」に備えたものであることは間違いない。  97年に楽天がネット通販事業に参入した時、商社やNTTは同事業に苦戦しており「バカげたことを」と笑われた。しかし、それから15年で、同社の取扱高は、百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングスの売上高と並ぶほどに成長。三木谷社長は、「簡単じゃないのは分かっている。米国でもアマゾンに挑む企業はほとんどない。でも、僕らはバカだから『できるんじゃないか』と思っている」と控えめな表現ながら、強い自信をにじませている。  以上、ルポルタージュという名目のヨイショ記事。とはいえ、国内企業の世界進出は景気浮揚のカギでもあるので、三木谷社長、これからも頑張ってください! 【1面】スマホ向け動画、春からTVに配信  1面トップは「スマホ向け動画、春からTVに配信」の記事。この春、NTTドコモ、KDDIが、自社スマートフォンのコンテンツ加入者向けに、ネット経由で映画や音楽を配信する「スマートテレビ」のサービスを開始するとのこと。両社とも既にスマホ向けに月額500円程度で動画や音楽コンテンツを提供しているが、これを自宅のテレビなどで視聴できるようにするのだそうだ。  サービスが本格的に始まれば、衛星放送やCATVといった映像配信サービス市場の競争が活発化し、料金の低下やサービスの向上などにつながる可能性がある。  スマートテレビは徐々に浸透しつつあり、日本の有料多チャンネルサービスの利用世帯のうち、スマートテレビなどネット経由の映像サービス加入者は、3年で3倍に成長。16年までにさらに7倍にも増えると予想されている(総務省調べ)のだそうだ。  ちなみに料金だが、ドコモは現在も配信中のスマホ向けサービス「ビデオストア」(映画・音楽ビデオ合わせて7,000作品)が月額525円、「アニメストア」(アニメ600作品)が同420円で見放題。KDDIは、動画配信「ビデオパス」が月額590円、音楽配信「うたパス」が、月額315円で利用し放題となる。ソフトバンクも同様のサービスを検討しているが、料金は月1,000円前後となる見通しだそうだ。  ただこれらのサービス、現状ではコンテンツの数が少なかったり新作が少なかったりと、物足りなさを指摘する声も多い。低価格や手軽さで利用者を急に増やしても、内容の充実が伴わなければ、いずれ伸び悩むことになる。今後はコンテンツの充実に期待したいところだ。 【金融面】はや耳 保険ショップ急増、生保レディー争奪戦  金融面からは「はや耳 保険ショップ急増、生保レディー争奪戦」の記事を紹介。複数の保険会社の商品を窓口販売する「保険ショップ」の急増により、俗に「生保レディー」と呼ばれる女性営業職の“奪い合い”が勃発しているのだそうだ。  その傾向は数字にも表れている。大手生保9社の昨年9月末の営業職員数は20万強で、前年同月比で1%の減少。この3年ほど減少が続いていて、流出先は保険ショップなのだという。  保険ショップは、保険に興味を持った人が訪れるため、これまでの飛び込み勧誘に比べると「体力的に楽な面がある」(大手生保幹部)のだという。さらに、固定給の割合もおしなべて高いそうで、安定した年収を稼げることも人気の理由なのだとか。保険ショップを運営する大手4社は今後3年で現在の2.5倍の店舗増を目指しており、生保レディーモテモテの状況はいっそう強まるとみられる。  昼休み、生保レディーが突如職場に現れ保険の勧誘をしていく光景も、次第に過去のものとなってしまうのだろうか。 ■おすすめ記事 楽天社員「社内流行語は『大事な点なので日本語で話します』」 マンガ賞乱立のカラクリ、主催者のメリットなしでもなぜ盛り上がる? 中国で“幸せに”生きる日本人・和僑から見える日中のリアル セコムの飛行監視、進化するルンバ…日常に溶け込むロボット技術の現在 巨悪を撃つべき“身勝手”検察特捜部が、中小企業を潰した訳

投げ売り、無断で送りつけ…“暴走”楽天koboは今が買い時?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ドコモ幹部「iPhone導入を考えざるを得ない」 離婚で財産分与・慰謝料・養育費を不払いにする簡単な方法? ゴン、大谷、ガンバ大阪に学ぶビジネス処世術 ■特にオススメ記事はこちら! 投げ売り、無断で送りつけ…“暴走”楽天koboは今が買い時? - Business Journal(12月7日)
koboを販売する楽天のHPより
「楽天のkoboが暴走している」との声が、IT業界関係者の間で広がっている。  最初に大きくぶち上げた「日本語書籍3万冊」という目標に、遠く及ばない状態でスタートしたが、ついに改めて消費者庁に問題視され、行政指導を受けたのが10月26日。同社はこれを受けて「指導を真摯に受け止めるとともに、ご迷惑をお掛けしましたお客様、関係者の皆様に対しまして、お詫び申し上げます」という発表を行った。  このお詫びの文書によると「サービス開始当初は、19,164冊でありました」となっている。しかし発売当時の記事を見ると、もっと少ない数字を出しているものもあった。しかもその時点で、誰でもPCがあれば無料で読める「青空文庫」が1万冊強を占めていたというのだから、スタート時の裏切られた感は、期待していた人ほど大きかっただろう。  その後はWikipediaの人名の項を1人分1冊として書籍化してみたり、写真1枚で作られた作品を日本語書籍1冊としてみたり、ギター向け楽譜を日本語書籍1冊と数えてみたりと、迷走を続けている。  もうkoboへのつっこみには飽きてしまった人が多いのか、話題に上らなくなった頃に登場した行政指導の話題は、再びkoboに対する悪印象を強くした感がある。 ●突然やってくるkobo  行政指導の話題が出る直前の24日、koboはもう1つの話題を振りまいていた。注文もしていないのに、一方的に送りつけられてくるという話がツイッターなどを中心に広まったのだ。  おりしも、アマゾンがKindleの日本発売を発表したのと同日。電子書籍好きの人々の目が一気にKindleへ向かった時、飛び込んできた謎の話題だった。  当初は、何か自分でプレゼントキャンペーンに応募したのを忘れたのではないか、というような指摘もあった。実際楽天は楽天銀行の400万口座開設記念でkoboを抽選でプレゼントしていたし、楽天スーパーWiFiに登録するとポイントかkoboを選んでもらえたりもしていた。「どこかからぽろりともらえた」ということが、いかにもありそうな状況ではあったのだ。  しかし実際は、楽天のクレジットカードにプレミアム会員として申し込んだ場合のプレゼントだったらしい。事前告知はなかったため、もらった人にとっては本当に心当たりのないプレゼントだったわけだ。なお、今後プレミアムカードに登録してもkoboがもらえるとは限らないという●空回りで商品価値を自ら下げた楽天  プレゼントにしても、無断で送りつけるのはどうなのかという話もある。一時期流行した送りつけ詐欺のようだと怖がる声もあった。しかしこの一連の流れで、楽天がやらかしたのは「カード会員を驚かせた」ということだけではない。koboという製品の価値を自ら下げているように見える。  まず、送りつけ作戦が展開される前のプレゼントの設定がまずい。楽天スーパーWiFi登録でもらえるのは「楽天スーパーポイント5000ポイントかkobo」だった。ポイントが1ポイント1円換算で買い物に利用できることを考えると、要するに「5000円かkobo」という選択だったことになる。7980円の価値はない、と楽天自ら言ったようなものだ。  そして送りつけによって「タダでばらまくようなもの」という印象もつけてしまった。電子書籍の場合、実体のないコンテンツを販売するため、在庫管理や流通コストがかからない。端末をタダ同然で配布してサービスを使わせて収益をあげるというスタイルは、過去にもさまざまな分野で存在したが、このばらまき方には疑問の声が多く上がった。  また、この流れの中で、koboに目をつけて初期に定価で購入してくれたユーザーが不愉快になっていることも想像できる。発売されて何年もたっている端末ならばともかく、わずか数カ月でばらまき用にされてしまったのだから、気分がよいはずもない。  11月1日には新たな端末として「koboglo」と「kobomini」も発表された。ハードウェアとしてはすでに海外で販売されているもののローカライズであり、発売が2013年7月とかなり先であることもあり、一般ユーザーの関心度はあまり高くないようだ。しかし、これも一部関心を持っているユーザーにしてみれば数カ月で新端末が出ることが確約されたわけで、すでに現行モデルが型落ちのように見えてしまう。  どうも空回りしている動きと、三木谷氏の各種発言、コンテンツ数まわりの裏切りともいえる状況を考え合わせると、koboへの印象は悪くなりがちだ。とてもKindleを迎え撃つという状態にはない。 ●ある意味チャンス? 割り切ってkoboユーザーになれ!  しかしこの状況は、割り切れる人にとってはよいかもしれない。なぜならkoboという端末そのものはけっして悪いものではないからだ。すでに海外で十分な実績を持っている。安価な端末だけに何もかもに行き届いているというつくりではないが、「E-ink端末を使った読書」という目的は十分に達成できるモデルだ。  一連の騒動で、koboの商品価値は下がっている。今後いろいろなシーンで値下げ販売やプレゼントキャンペーンが行われるだろう。すでに欲しいと手をあげた人にではなく、一律に送りつけてしまったことで、そのままオークションで転売する人が続出している。しかも投げ売りだ。定価に遠く満たない値付けで出品され、あまり入札もされていない傾向がある。安価なE-ink端末としては狙い目だ。  楽天のサービスは使わず、koboというハードウェアを使う。自炊等に興味があってコンテンツサービスはいらないと割り切れるのならば、なかなかよい買い物ができるかもしれない。 (文=エースラッシュ) ■おすすめ記事 ドコモ幹部「iPhone導入を考えざるを得ない」 離婚で財産分与・慰謝料・養育費を不払いにする簡単な方法? ゴン、大谷、ガンバ大阪に学ぶビジネス処世術 キンドル上陸で追い込まれた楽天が自暴自棄 koboを投げ売り! Kindleにあって、koboやNexus7にない期待感

楽天が取次事業参入?に見る“ややこしい”出版ビジネスの裏側

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電子書籍「kobo」に取次事業と、“本”ビジネスに
積極的な楽天のHPより
 9月8日、楽天が出版取次事業に参入するというニュースを朝日新聞が報道じた(http://book.asahi.com/booknews/update/2012090800003.html)。見出しは「楽天、書店に即日発送」。楽天から書店に本が即日発送されるというのは、どういう意味なのか? 誰が得で誰が損なのか? ここで簡単に解説しよう。  まず、「出版取次事業」とはなんなのかということが、一般的にあまり知られていないだろう。実は出版社が、つくった本を書店と直接やりとりしているということは、非常に少ない。ごく一部の出版社は特定の書店に直接納品していたりもするが、大半の出版社は取次と呼ばれる会社を通して、書籍を流通させている。  出版社は本ができあがると、取次に納品する。取次は倉庫にある本をできるだけ効率よく販売する役割を持っていて、全国の書店に配本したり、返品の管理をしたりする。日本では基本的に多くの本が再販制度の上で委託販売の形式をとっているため、書店は売れないかもしれない本も店頭に並べ、売れなかった分は取次に返品すれば損をしない。  買う人がいないかもしれない本でも、店頭に並ぶチャンスを与えてくれるシステムでもあるが、実は書店にとっては、欲しい本が確実に入手できるわけではない仕組みでもある。  たとえば出版社が100しか印刷できなかった本の前評判が高く、多くの書店が欲しいと声を上げたとしよう。すべての希望を合計すると200必要になる。しかし本は100しかない。この時、取次は過去の実績データから、確実に売ってくれそうな書店を優先する。都会の大規模店には30の希望に対して売り上げを見込んで40送ったのに、地方の小規模店で10希望を出しても1しか入荷しない、ということが起こるわけだ。  小規模店でもその本が欲しいという人がたくさんいれば、追加発注を行うしかない。しかし実際にはなかなか入荷できないのが難しいところだ。印刷物が品切れなのならば仕方ないが、実際には取次や出版社に在庫がある既刊でも、だいぶ待たされる。

●楽天を使えば待たなくてよくなる?

 取次会社は大手3社が大半のシェアを持っている。つまり、日本中の出版物を3社で捌いていると言っても過言ではない中、小さな書店からの問い合わせにネットショップのような速度で対応できないというのは、仕方ないのかもしれない。  一方で書店側も店の面積は限られており、大型倉庫があるわけでもないため、売れないかもしれない本を置いておく余裕はない。売れる本だけを並べ、売れそうにない本は棚に置かないまま取次に返送してしまうということもよくある。そのため、普段たくさん売れるわけではない本を欲しい人が1人だけいると、取次に問い合わせるしかなくなる。  しかし、今はAmazonがある。豊富な在庫を持ち、注文すれば当日や翌日に持ってきてくれる。書店で取り寄せを依頼すると7〜10日ほど待たされる上に、確実に入手できる保証はないのだから、書店は使わずAmazonで済ませるという人が多くなるのは当たり前だろう。この流れで、街の小規模書店はたいへんな勢いで消えている。  そこで楽天が乗り出すのが、二次取次だ。楽天自身もネット書店を運営しているため、立場的には街の書店と同じく大手取次会社から本を仕入れている側になる。しかし街の書店とは違い、大きな倉庫を持っており、ネット書店として注文に即日対応できるだけのシステムと人員を持っている。これを個人ユーザー向けではなく、書店向けに使うことで二次取次事業を行おうというのだ。

●高齢者でも子供でも、すぐ本が手に入る…かも?

 これはAmazonや楽天を普通に使っている人から見れば、なんの意味があるのかわかりづらいことかもしれない。宅配便の受け取りが難しいという人にはコンビニエンスストアでの店頭受け取りもあるし、街の書店にわずかな利益を与えることができる書店店頭受け取りサービスを提供しているネット書店もある。しかしそうしたサービスを受けられるのは、今のところ自分でPCやスマートフォンを使って注文できる人だけだ。  子供や高齢者などPCの扱いが苦手な人は、街の書店が消えたことで、本を入手するのが難しくなってしまっている。店があっても、人気のコミックスやテレビで話題になるような新刊書しか置いていないということも多い。少し前に出版された本や、あまり人気のない題材の本を読もうとすると、1週間以上待たされるのが当たり前になっていた。この状態が改善できる。  また、速く入手できるからネット書店を使っているが、できれば書店で購入したいという人もいるだろう。利益の行き先という難しいことを考えなくとも、毎週買っている週刊誌があったり、毎月購入するファッション誌があるから、どうせなら一緒に買えれば楽なのにと思う人は少なくないはずだ。しかも書店で購入すれば、段ボールゴミがたまらない。  街の書店にとっては楽天もネット書店の1つであって、ライバルであり敵だ。しかし自分では持ち得ない大型倉庫を持ち、最短即日で発送してくれるとなれば役には立つ。「敵の敵は味方」という理屈で、楽天を二次取次として利用する判断をする書店も出てくるだろう。  取次というのは1書店が1社に絞らなくてはいけないものではない。複数取次と取引をしている書店は数多くある。仮に楽天の二次取次を利用する場合にも、新刊書は従来どおり大手取次から回してもらうことができるし、時間がかかってもよい取り寄せも大手取次を利用することは可能だ。もしかしたら、小規模書店にとって光明となるかもしれない。

●書店は使う? 本格化する?

 一次報道では楽天が実際に取次業務を行う上で書店側からどの程度の利益を得るのかが書かれていないが、無償で倉庫業務を行うことはないだろう。書籍は販売価格が定められているため、削られるのは書店の取り分だ。実は大手取次でも通常の取り寄せフロー以外に特急取り寄せという方法はあり、在庫さえあるならば数日で書店まで来る。しかし書店側の取り分は削られる。  書店の取り分というのは非常に少ない。書籍価格や契約にもよるが、一般的に定価の20%強というところだ。1000円の書籍を販売したら、200〜250円程度が書店に入る。ちなみに取次の取り分は10%以下といったところだ。もし楽天が大手取次と同じく10%以下の手数料を取るとしたら、書店の取り分は10〜15%程度ということになる。1000円の書籍ならば100〜150円程度の利益というわけだ。  おそらく、大手取次の特急取り寄せよりも、楽天を利用したほうが速く入手できるようにはなるだろう。しかしもともと薄利だといわれている書店が、このサービスをどう受け止めるのだろうか。  実はこのサービス、まだ本格的な展開が決定されたわけではない。2012年10月から2013年春までの実証実験で、地方都市を拠点とする8書店が参加するのみだ。経済産業省が推進している書店活性化事業の一環として実施されるもので、仮にうまく行けば本格的な展開が行われる。楽天側の対応力と、書店側の反応を見守りたいところだ。 (文=エースラッシュ) ■おすすめ記事 雑誌休刊騒動でゴタつく、出版界の大物Kの足元 パチンコマネーが日本の富裕層ビジネスに参入で湧き上がる懸念 目指せ寄付100億! 早大が長期計画で明らかにした“収入目標” 「マンション売れ残りの裏で」リノベーション古民家が人気のワケ 出生前診断騒動が欠く“普通に生きる”ダウン症の人たちの実態

キンドル上陸で追い込まれた楽天が自暴自棄 koboを投げ売り!

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ブラック企業は今すぐ辞めないと、人生でこんなに大損失を!? ご飯盛テクは習得に1年かかる! 吉野家がご飯盛り機械導入 アンドロイドアプリ情報漏洩事故の多発は当然!?のカラクリ ■特にオススメ記事はこちら! キンドル上陸で追い込まれた楽天が自暴自棄 koboを投げ売り! - Business Journal(11月6日)
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キンドル、ほんとに来た!(「キンドルHP」より)
 今年7月、日本市場に電子書籍リーダーkoboを投入した楽天。だが、年内20万冊として掲げた書籍取り扱い数は、11月時点で6万冊。さらに楽天カード会員に勝手に端末をプレゼントという前代未聞のキャンペーンを実施し、消費者の顰蹙を買っている。折しも、Amaazonが日本にキンドル投入を発表し、アップルはiPad miniを発売。  追い込まれた楽天は、いったいどんなサプライズでkoboの起死回生を図るのだろうか? 「白黒端末の分野では絶対的な自信を持っている」楽天・三木谷氏 ― INTERNET Watch(11月1日)  11月1日に、新機種「kobo glo(グロー)」と「kobo mini(ミニ)」を発表した楽天。1万円を切る価格で、キンドルの上陸ショックを食い止めようと必至の防戦を展開している。この発売会見で、三木谷社長は20万冊という目標数については「今後、結構大きな塊で、1万冊、2万冊という単位で入ってくる予定があり、そのタイミングが年内であれば20万冊までいけると思う」と語り、自信たっぷりの姿勢は変えない様子。  しかし、目標の20万冊に向けて、残りは13万冊なんですが……? 「1月になってしまうということもあるかも知れない」と言葉を濁す三木谷氏だが、いちばんの得策は速やかにこの目標を撤回することではないか? ついに楽天がもれなくkobo touchプレゼントするキャンペーンを開始 ― マイナビニュース(11月3日)  楽天カードのプレミアム会員に対して「注文していないのに届いた」というkobo touch。実は、販売促進の一環として、無料送付を行なっているようだが、楽天の思いに反して、送付された端末をYahoo! オークションに流通させている消費者が相次ぎ話題となった。しかも、定価の半額以下でも、入札数はわずかという笑えない状況だ。  そして、追い打ちをかけるように始められたのが本記事の報道するkobo Touchプレゼントキャンペーン。楽天カード新規入会と期限内の利用で、koboを無料プレゼントすると、まさに投げ売り状態だ。いったい、無料で振舞われるkoboに明日はあるのか? 少なくとも、今後端末を定価で購入しようと思う消費者は少ないだろう。 キンドルストアは「kobo以上、ガラパゴス以下」? 品ぞろえ徹底比較 ― J-CASTニュース(10月26日)  ただし、楽天が戦々恐々とするアマゾン・キンドル陣営も、決して順風満帆とはいかない。キンドルストアの取り扱い数は約5万冊と、koboストアの品ぞろえにすら追いついていない状況だ。また、その中身をみても、キンドルストアでは、ガラパゴスストア、ホントなどで配信済の『バクマン。』(集英社)や『おおきく振りかぶって』(講談社)などの人気漫画が未発売であり、まだ発展途上の段階のようだ。しかし、koboのようにwikipediaやギタースコア、写真コンテンツを「1冊」としてカウントしていないだけ、その誠実さは評価に値するかもしれない。 kobo touchを手放しました:kobo touchを買って良かった点、残念だった点 ― blogos(10月31日)  kobo touchをヤフオクに出品し手放した美谷広海氏が、使用した実感を記した本記事。koboには、「楽天スーパーポイントが使える」「お得なキャンペーンがある」「micro SDカードが使える」といった利点を挙げたものの、「辞書機能の質」「kobo storeの使いづらさ」などに苦言を呈している。  ネット上には、楽天側から見た提灯記事や、感情的とも取れるような批判記事が多く、このような冷静なレビューはとても役に立つ。koboとの日々を振り返り「7980円の8割型は回収できたかな」と比較的好意的に語る美谷氏。koboを卒業した彼の手元には、iPad miniが次の愛機として収まったようだ。 (文=萩原雄太/かもめマシーン) ■おすすめ記事 ブラック企業は今すぐ辞めないと、人生でこんなに大損失を!? ご飯盛テクは習得に1年かかる! 吉野家がご飯盛り機械導入 アンドロイドアプリ情報漏洩事故の多発は当然!?のカラクリ ブラック“だった”大塚商会、今は年収1千万の天国!? 原価開示で話題の生保が、低成長時代に入るべき保険を指南!

電子書籍の販売数はふた桁増! キンドル販売を阻む”契約問題”とkoboへ吹く大手版元の逆風

【サイゾーpremium】より ──電子書籍元年!……といわれてはや数年。実際には電子書籍はいまだ普及しておらず、それらを読む端末も浸透していない状態だ。電子書籍が今後、一般層に浸透することは間違いない中で、アマゾンやグーグルなどの外資系企業や日本の出版社などが、その主導権を握るべく争いを繰り広げている現状を追った。
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とりあえず角川さえ押さえておけば、
オタク層は取り込める!?
「スマートフォンの普及率も20%を超え、日本ではモバイル革命が予測より早く起きている。特に、日本のスマホユーザーはショッピングに使う人が75%と世界で最も高い。これは大きな成長要因になる」  9月25日、独自のタブレット型端末「Nexus(ネクサス)7」を引っ提げて、日本市場に殴り込みをかけたグーグルのエリック・シュミット会長は、発表会見の席で日本市場への期待感をそう表した。アメリカ本国では、すでに提供されている端末とサービスだが、同日付で、電子書籍販売サイト「グーグル・プレイブックス」を、日本市場向けに開設した。だが、ここに至るまでには、紆余曲折があったようだ。ある出版社の社員は語る。 「グーグルから(Nexus 7の発売の)1カ月前に突然、電子書籍と端末の販売を開始すると聞かされ、『書籍を電書化してほしい』と依頼されて急いで用意した。同社は、2年前の東京国際ブックフェアで、2011年春にも電子書籍サービスを開始すると発表していたが、それから1年以上も遅れての発売となった。その間にもやり取りはあったが、グーグルと電子書籍の販売契約をしたのは1年くらい前。紀伊國屋書店やTSUTAYAのシステムと連動するという話も挙がっていたが、すべて立ち消えた」  それでも、このタイミングに参入したのは「6月にアマゾンが『キンドル日本語版』を”近日中”に発売するとの発表に対し、少しでも先にサービスインして、市場を占有したいという思惑からだろう」(出版社社員)と話す。  次代のメディアを担う存在として、海外における電子書籍市場の覇権争いが繰り広げられる中、日本でもやはり、アマゾン・キンドルへの注目度は高い。ある出版社関係者は「楽天のkoboやグーグルへの期待値を5とすると、アマゾンへのそれは10以上。その要因は、アマゾンが紙の書籍の販売で各出版社のシェアナンバーワンECサイトとなったこと。これだけ紙の本が売れるサイトで電子書籍を販売すれば、相当売れるのではないか」と、期待の高さを話す。  一方、アマゾンに先んじたいという思惑があるにもかかわらず、グーグルが参入に、これだけの歳月がかかったのはなぜか。実は、その理由のひとつが、「グーグル・プレイブックス」の作品ラインアップから見えてくる。同サービスでは、世界の4万8000社・400万点の電子書籍作品が購入できると謳うが、そのうちの日本語の作品数については公表できていない。なぜなら、同社のサイトには講談社、小学館、集英社などの大手や文芸系出版社の作品が見当たらず、圧倒的に少ないからだ。 「グーグルが発表している作品提供出版社は、角川グループ、PHP研究所、ダイヤモンド社、東洋経済新報社、主婦の友社など。最も売れるはずの大手出版社の名前はない。電子書籍の販売に関しては、取次を介さず大手・老舗出版社と直接販売契約を結ぶのが通例となっているが、大手出版社は、外資系企業であるいわゆるGAFMA(ガフマ:グーグル、アマゾン、フェイスブック、マイクロソフト、アップルの総称)と、直接契約を結ぶことについて警戒している。特に販売価格の決定権をめぐって、契約書の内容を再三に渡り見直しているようだ。アマゾンの上陸が延期されている理由も、日本の大手・老舗版元の作品がなかなか揃わないためだろう」(電子書籍関係者)  講談社・野間省伸社長も、今年の東京国際ブックフェアで「欧米の出版社でもこの5社は、共に事業を行うパートナーでありながらも競合する関係であるとして、出版業界の脅威ととらえている」と、ガフマとの契約締結について懸念を示しており、ほかの大手出版社からも同様の声は上がっている。 ■アップルの姿勢に対し、大手出版が取引を警戒  なぜ日本の大手出版社は、新しいビジネスチャンスであるはずのガフマとの契約を警戒するのか。それには次のような経緯がある。
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都内の某電気店。電書コーナーはどこもスペース
が小さく、取り扱いメーカーも少ない。本当にニ
ーズあるの?
 まず、10年5月に日本で発売されたアップル「iPad」のヒットを契機に、出版社は矢継ぎ早に電子書籍のアプリを提供し始めた。講談社や小学館も積極的にコミック作品などを提供し、アップストアは『最も電子書籍が売れる電子書店』との称号も得た。出版社は、こぞってアップルと直接販売契約を結び始めたのだが、雨後の筍のように湧いて出てくるアプリの許可申請に、アップルが業を煮やしたのか、10年7月に書籍の単独アプリによる登録がいきなり禁止となった。いわゆる電子書店アプリ(「紀伊國屋書店Kinoppy」など、複数の書籍を取り扱うアプリ)での申請でなければ却下されてしまうのだ。  加えて、アダルト関連コンテンツを排除したいアップルは、電子書籍の検閲も開始。下着の一部が見える女性や水着姿などの絵図がリジェクトされるようになった。こうした一方的な姿勢に、出版社内部では疑問の声が上がり始めた。  さらに、アップルへの不信を高めたのは、海外で日本の出版物の海賊版がアプリ化され、それをアップルが登録・販売していた事件である。村上春樹の『1Q84』(新潮社)、東野圭吾の『白夜行』(集英社)など、大御所の作品が次々とアップストアで販売されている事が発覚。10年12月、出版界は業界4団体の名でアップルに対して、アプリの削除とともに海賊版対策を講じるべきと抗議した。だが、アップル側の反応はかたくなで、権利侵害が明白であるにもかかわらず要請をしてもなかなか削除しなかったうえ、海賊版の対策のための、登録申請の審査基準も非公表のまま。こんな、日本とは異なるビジネス風土に、出版社は不信感を募らせていった。  一方、ガフマが日本の出版社との契約締結に苦労している間に、国内市場での覇権を握ろうとしているのが、カナダのコボ社を買収した楽天だ。今年7月に電子書籍専用端末「kobo Touch」を発売し、「楽天kobo」サイトで電子書籍の販売を開始した。  楽天の三木谷浩史社長は「端末は10万台以上売れ、作品も売れているので出版社も喜んでいる」と発言。電子書籍サービスに懸ける意気込みは相当なものだ。あるIT関連会社の営業担当者は言う。 「この事業は社長室直轄で、フロアも社長室と一緒。今、楽天社内で最も人員が増強されており、営業部員も4人から20人と増えている。発売当初に起こった端末の起動トラブルなどによる炎上事件もとりあえず終結したようだ」  楽天がうまいのは、同社が抱えている7500万人の会員向けにサービスを開放している点だ。今は電子書籍をkoboの端末かPC上でしか閲覧できないが、今年中にアンドロイド用アプリを提供してスマホにも対応予定だ。そこでも同社サービス共通のIDを使用し、顧客の囲い込みを進める。  だが、このkoboにも出版社からの逆風が吹いている。 「サービス開始前に、ほとんどの出版社が対応していないEPUB3(主流はPDF、XMDFなど)のファイル形式で作品提供を求められた。これには、同形式のファイルを作成できる業者を紹介してもらうなど、その対応には苦慮した。さらに、ビットウェイやモバイルブック・ジェーピーといった電子書籍を電子書店に卸す『取次』が持つ作品をあまり調達していない。これもシステムや取引条件の問題ではなく、単に日本国内ではEPUB3というファイルフォーマットの電子書籍がほとんど製作されておらず、取次でさえ供給できないからなのだ」(別の出版関係者)  同社の紙の本の通販サイト「楽天ブックス」と、koboのサイトとを統合すればアマゾンに対抗できうるが、システムがカナダの会社のものであるため、そう簡単にはいかないようだ。 ■電子書籍市場の覇権は販売サイトで決する  このようにガフマや楽天が、出版社との契約に四苦八苦している現在、国内の状況はどうか?  メイドインジャパンの電子書籍リーダーでは、楽天kobo以外に、ソニーの「リーダー PRS-T2」、シャープの「ガラパゴス」などがある。いずれもなかなかブレイクに結びついていないが、強力なプラットフォームを持つグーグルやアップルが自社サイトでの販売を推し進めているのに対し、これらの端末は、紀伊國屋書店ブックウェブプラスなど複数の電子書店サイトで電子書籍を購入でき、自由度は高い。タブレット&電子書籍専用端末のシェア争いが繰り広げられる中で、今後の電子書籍のシェア争いは、販売サイトの優劣に左右されてくるはずだ。  こうした販売サイトの優劣は、コンテンツの質と量がものを言う。日本では、今年設立された出版界が主導する出版デジタル機構が、経済産業省の「コンテンツ緊急電子化事業」を通じて6万点、5年後に100万点という目標を掲げて、電子書籍化を推進している。だが、ほぼすべての新刊を同時に電子化していく講談社のような熱心な会社は、まだ少数派だ。  また、日本には「電子書店パピレス」や「イーブックイニシアティブジャパン」など老舗の電子書籍販売サイトもある。パピレスは12年3月期決算で売上高は約47億円、イーブックは11年1月期決算で売上高は21億円と、両社とも二桁増で成長している。大日本印刷グループの「honto」は電子書籍と紙の書籍の販売をクロスオーバーさせた戦略を進めている。 「hontoでの電子書籍の月商は4000万円。そのうち講談社だけで1000万円あったこともある」(IT企業関係者)と好調なようだ。多くのマスコミではガフマの動きばかりが目立ってしまっているが、日本の電子書籍サイトも市場をけん引する大きな力であることを忘れてはいけない。  国内市場にとどまるにせよ、外資系企業と手を組むにせよ、日本の出版界がもっと電子書籍化を進めないと電子書籍の市場が活性化しないのは自明の理。ビジネスとしての旨みが見えないからと消極的にならず、電子媒体で新たな表現手法を開発していくことも出版社(表現者)に求められることだ。 (文・写真/碇 泰三) 【「サイゾーpremium」では他にも「で、結局電子書籍ってどうなのよ!?」に迫る記事が満載です!】電子書籍リーダーを業界の裏側から徹底比較――決定版・本当に使える電書リーダーはこれだ!キンドルに勝てないアップルが編み出した電子書籍の新概念iPadやスマートフォンの台頭でバブル到来! 電子書籍人気とアップルの"検閲" 問題
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財界と社内のマネジメントから見る楽天・三木谷浩史の真価

──2011年6月、楽天が経団連を脱退することを、同社代表の三木谷浩史氏がツイッター上で発表した。それから1年、同氏はこの6月に、ウェブ事業者を中心にした「新経済連盟」を始動。97年の創業以来、順調に事業・組織を拡大してきた楽天を率いる三木谷氏とは何者か、我々は本当には知らないのかもしれない。彼は日本の経済界を変える救世主なのか? 財界の大御所を手玉にとる「ジジ転がし」なのか、あるいは、配下の人間に過酷な労働を強いるただの独裁者か。その”マネジメント能力”の真価を計る。
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三木谷浩史氏の著書『成功のコンセ
プト』
 2011年、楽天の中核をなす「楽天市場」の取扱高が1兆円を突破した。いまや国内企業が経営する最大のインターネットモールであることは、誰の目にも明らかである。三木谷浩史氏は今年最初の社員集会で「20年までに流通総額を10兆円に伸ばす」と高らかに宣言。その勢いはまだ衰えていない。一代で富を築いた彼だが、その歴史をさかのぼると、重大なターニングポイントでは常に経済界の重鎮たちによるバックアップを受けてきたことが浮き彫りになる。  生まれは1965年。父は高名な経済学者で神戸大学教授(現名誉教授)、母も同大卒のキャリアウーマンという、見事なエリート一家である。父がイェール大学の客員研究員として赴任した際には家族で渡米し、6歳からの3年間をボストンで過ごした。中学からテニスを始め、一橋大学時代にはテニス部部長として100名近くの部員を率いている。  大学を卒業した三木谷氏が就職先に選んだのが、日本興業銀行(現みずほコーポレート銀行)。3年後の91年、社内制度を利用してハーバード大学に留学し、MBAを取得。帰国後は大型M&Aを手がけ、期待の若手に育っていく。しかし95年の阪神大震災で叔父叔母を亡くしたことが、人生の転機となった。「人生は儚い。やりたいことをやらないと悔いが残る」と痛感し、同年末に興銀を退社。コンサルティング会社設立を経て、97年2月には楽天の前身となる会社を作り、同年5月に「楽天市場」を開設した。  まだネット黎明期、ECサイトの成功例もなければノウハウもない時代だった。開設当時の社員は妻を含めて6人、出店店舗はわずか13。彼はこの逆境を、猛烈な営業努力によって乗り切っていく。この頃発揮された「体育会系のアツさ」は、現在に至るまで楽天の社風としても根付いている。その働きの甲斐あって、99年にはテナント2000店舗、年間流通総額1億円超を誇り、あっという間に日本最大のインターネットショッピングサイトとなった。 ■人の話を聞くためのガラス張りの社長室  急成長の裏には、目標達成のための厳格なルール作りがある。「常に改善、常に前進」「スピード!! スピード!! スピード!!」などの「5つの社訓」は社内各所に掲示され、楽天成功の象徴として知られている。これは社員証にも印刷されており、社員は暗唱必須。ノルマも熾烈を極め、成績により細かい職級で格付けがされる。火曜朝8時から行われる定例会議では、遅刻すると入室を認めない徹底ぶり。だが、03年頃に在社した元社員は、当時の社内をこう振り返る。 「幹部クラスのほうが平社員よりも出社が早いから、文句は言えなかったですね。『豪腕』『独裁』とよく言われますが、毎月社員の合同誕生日会を開くなど、社員とも積極的にコミュニケーションを取っていくタイプ。社長室がガラス張りになっていることと、三木谷社長がよく飼い犬のチワワと出社してくることが印象的でした(笑)」  楽天を世間に最も印象づけたのは、04年のプロ野球界再編騒動だろう。先に参入に名乗りを上げていたのはライブドア社長(当時)・堀江貴文氏だったが、Tシャツ姿の彼とは真反対に、三木谷氏はスーツでメディアに登場。堅実さを印象づけた。そしてここで、彼の「ジジ転がし」の力が発揮される。加盟申請書に書かれた諮問委員には、トヨタ自動車会長・奥田碩氏、みずほコーポレート銀行頭取・齋藤宏氏ら、財界のそうそうたる顔ぶれが名を連ねていた。これでは球界の重鎮たちも首を縦に振らないわけにはいかない。結果、渡邉恒雄・読売巨人軍オーナーからのお墨付きも得て、50年ぶりの新規参入企業として選出された。『”教祖”降臨―楽天・三木谷浩史の真実』(05年/日経BP社)の著者で、当時を知るジャーナリスト・児玉博氏はこう語る。 「三木谷氏は興銀時代に孫正義氏や増田宗昭氏を顧客に抱え、ここから財界への足がかりをスタートした。03年には三井住友銀行頭取だった西川善文氏を社外取締役に迎えて地盤を固め、年配経営者たちとのパイプを強めるきっかけになる。奥田氏とはおそらく、当時頻繁に開催されていた政府関連の委員会などで知己を得たのでは。三木谷氏は起業からかなり早い段階で、いわゆる『ITベンチャー』というイメージとは決別したいと考えていました。そのためには先輩社長たちから学び、取り入ることが得策だと考えたのでしょう」  しかし興銀時代から続く人間関係があったとしても、百戦錬磨の財界人たちの懐に入るのは簡単なことではない。なぜ三木谷氏だけが彼らに可愛がられたのだろうか。 「三木谷氏は子どもの頃から、父の元を訪れる経済関係者たちの振る舞いを間近で見て育った。そこで、どんな人物ならお歴々に気に入ってもらえるか、自然と学んでいたのでしょう。テニスで鍛えたスポーツマンシップや体育会系のノリも、財界の大御所たちを惹き付ける魅力になった。トレードマークだったヒゲを剃ったことも、年配者への配慮のひとつで、クレバーな思考の象徴。そもそも球界参入のきっかけは、同じ神戸出身であり経済同友会の先輩でもあるオリックス会長・宮内義彦氏が近鉄買収を打診したことから。三木谷氏が準備を整えていたわけではなく、先輩に言われて慌てて手を挙げたのが本音。つまり子どもの頃から今まで、周りの環境に背中を押されるように育てられてきたんです」(児玉氏)  三木谷氏はこの後も「ジジ転がし」としての実力を遺憾なく発揮していく。特に財界のドン・奥田氏からは絶賛され、長年強力なバックアップを受けた。また、エイベックスの代表取締役社長・松浦勝人氏とは六本木や銀座の豪遊仲間とされるなど、コネクションは高齢実力者だけにとどまらない。さらに、政界にも人脈を持つ。興銀時代の同期には石原慎太郎都知事の三男で、前衆議院議員の石原宏高氏がいた。10年には民主党の細野豪志氏、馬淵澄夫氏など実力派中堅議員と秘密裏に会合を開き、党内の世代交代について助言したといわれている。ツイッターでも「心ある政治家はバックアップします」と宣言し、ネットを使った政治献金システム推進の旗を振る。  こうして強力な人脈を武器に財界をサバイブしてきた三木谷氏だが、やがて重鎮たちと袖を分かつ契機が訪れる。10年2月に立ち上げた「eビジネス推進連合会」。「ネット活用が進まなければ日本は開発途上国になる」と宣言し、副会長にヤフー副社長の井上雅博氏(当時)、幹事にはサイバーエージェント社長の藤田晋氏らを据えた。しかし当時三木谷氏は日本経団連の理事も務めていたため、「新団体を作るなら経団連を抜けるのが道理ではないか」と怒りを買い、11年6月、ついに脱退を決断した。 「経団連の意思決定はブラックボックスで、上層部の限られた人にしか真相がわからない。三木谷氏にとって、ジャッジの過程が見えないことはかなりストレスだったのでは。また、経団連に所属する最大のメリットは、そこで収集される国内外の情報を得られることですが、近年はその収集能力がとみに落ちている。楽天はアジアや南米に拠点を置くなど海外進出にも積極的ですが、そうなるとむしろ足を引っ張られると感じるようになったのでしょう。米倉弘昌氏が選出された会長人事でも、古い体制と求心力のなさに失望したはず」(同)  そして今年6月、「eビジネス推進連合会」は「新経済連盟」と改名し、活動を強化すると発表。「我々は未来志向だ」と力強く宣言するなど、ITこそが日本の財界を導くという信念と野望が透けて見える。冒頭に述べたように、彼の目指す先はさらなる高みであり、最終目標は「世界一のインターネット企業」だ。新局面に突入する三木谷氏は、これからどこに向かい、何を成し遂げるのだろうか?  「これまでは新興企業として尖った姿を見せて知名度を得てきたが、今はもうその必要もない。いわば『普通の大企業』になった。目立った行動は少なくなるかもしれないが、各界への影響力はさらに強まるでしょう。ひたすら分析と実行を繰り返した楽天のビジネスモデルは誰にでも真似ができるもので、彼の強みは興銀出身という背景を存分に生かしながら、その看板に驕らない冷静さと意志の強さにあります。その長所を忘れない限り、大きく凋落することはないのでは。それは反面、彼のつまらなさの象徴でもあるのですが」(同)  停滞する日本経済を救うのか、それとも単によくできたワンマン社長として終わるのか。以降では、楽天と三木谷氏を内側・外側それぞれから見てきた人々による、そのジャッジメントを見ていこう。 (取材・文/田島太陽)
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「サイゾーpremium」とは? 雑誌「サイゾー」のほぼ全記事が、
月額525円読み放題! (バックナンバー含む) 【「サイゾーpremium」では他にも楽天・三木谷関連記事が満載!】恵まれた環境と如才ない処世術でのし上がった"財界のジジ転がし"三木谷浩史が反旗を翻すまで「新経連なんて経団連の2軍に過ぎない」経団連に阻まれた三木谷の理念なき野望――評論家・佐高信"経団連"のペット三木谷が画策する維新の会とのタニマチ関係――経済ジャーナリスト・須田慎一郎

財界と社内のマネジメントから見る楽天・三木谷浩史の真価

──2011年6月、楽天が経団連を脱退することを、同社代表の三木谷浩史氏がツイッター上で発表した。それから1年、同氏はこの6月に、ウェブ事業者を中心にした「新経済連盟」を始動。97年の創業以来、順調に事業・組織を拡大してきた楽天を率いる三木谷氏とは何者か、我々は本当には知らないのかもしれない。彼は日本の経済界を変える救世主なのか? 財界の大御所を手玉にとる「ジジ転がし」なのか、あるいは、配下の人間に過酷な労働を強いるただの独裁者か。その”マネジメント能力”の真価を計る。
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三木谷浩史氏の著書『成功のコンセ
プト』
 2011年、楽天の中核をなす「楽天市場」の取扱高が1兆円を突破した。いまや国内企業が経営する最大のインターネットモールであることは、誰の目にも明らかである。三木谷浩史氏は今年最初の社員集会で「20年までに流通総額を10兆円に伸ばす」と高らかに宣言。その勢いはまだ衰えていない。一代で富を築いた彼だが、その歴史をさかのぼると、重大なターニングポイントでは常に経済界の重鎮たちによるバックアップを受けてきたことが浮き彫りになる。  生まれは1965年。父は高名な経済学者で神戸大学教授(現名誉教授)、母も同大卒のキャリアウーマンという、見事なエリート一家である。父がイェール大学の客員研究員として赴任した際には家族で渡米し、6歳からの3年間をボストンで過ごした。中学からテニスを始め、一橋大学時代にはテニス部部長として100名近くの部員を率いている。  大学を卒業した三木谷氏が就職先に選んだのが、日本興業銀行(現みずほコーポレート銀行)。3年後の91年、社内制度を利用してハーバード大学に留学し、MBAを取得。帰国後は大型M&Aを手がけ、期待の若手に育っていく。しかし95年の阪神大震災で叔父叔母を亡くしたことが、人生の転機となった。「人生は儚い。やりたいことをやらないと悔いが残る」と痛感し、同年末に興銀を退社。コンサルティング会社設立を経て、97年2月には楽天の前身となる会社を作り、同年5月に「楽天市場」を開設した。  まだネット黎明期、ECサイトの成功例もなければノウハウもない時代だった。開設当時の社員は妻を含めて6人、出店店舗はわずか13。彼はこの逆境を、猛烈な営業努力によって乗り切っていく。この頃発揮された「体育会系のアツさ」は、現在に至るまで楽天の社風としても根付いている。その働きの甲斐あって、99年にはテナント2000店舗、年間流通総額1億円超を誇り、あっという間に日本最大のインターネットショッピングサイトとなった。 ■人の話を聞くためのガラス張りの社長室  急成長の裏には、目標達成のための厳格なルール作りがある。「常に改善、常に前進」「スピード!! スピード!! スピード!!」などの「5つの社訓」は社内各所に掲示され、楽天成功の象徴として知られている。これは社員証にも印刷されており、社員は暗唱必須。ノルマも熾烈を極め、成績により細かい職級で格付けがされる。火曜朝8時から行われる定例会議では、遅刻すると入室を認めない徹底ぶり。だが、03年頃に在社した元社員は、当時の社内をこう振り返る。 「幹部クラスのほうが平社員よりも出社が早いから、文句は言えなかったですね。『豪腕』『独裁』とよく言われますが、毎月社員の合同誕生日会を開くなど、社員とも積極的にコミュニケーションを取っていくタイプ。社長室がガラス張りになっていることと、三木谷社長がよく飼い犬のチワワと出社してくることが印象的でした(笑)」  楽天を世間に最も印象づけたのは、04年のプロ野球界再編騒動だろう。先に参入に名乗りを上げていたのはライブドア社長(当時)・堀江貴文氏だったが、Tシャツ姿の彼とは真反対に、三木谷氏はスーツでメディアに登場。堅実さを印象づけた。そしてここで、彼の「ジジ転がし」の力が発揮される。加盟申請書に書かれた諮問委員には、トヨタ自動車会長・奥田碩氏、みずほコーポレート銀行頭取・齋藤宏氏ら、財界のそうそうたる顔ぶれが名を連ねていた。これでは球界の重鎮たちも首を縦に振らないわけにはいかない。結果、渡邉恒雄・読売巨人軍オーナーからのお墨付きも得て、50年ぶりの新規参入企業として選出された。『”教祖”降臨―楽天・三木谷浩史の真実』(05年/日経BP社)の著者で、当時を知るジャーナリスト・児玉博氏はこう語る。 「三木谷氏は興銀時代に孫正義氏や増田宗昭氏を顧客に抱え、ここから財界への足がかりをスタートした。03年には三井住友銀行頭取だった西川善文氏を社外取締役に迎えて地盤を固め、年配経営者たちとのパイプを強めるきっかけになる。奥田氏とはおそらく、当時頻繁に開催されていた政府関連の委員会などで知己を得たのでは。三木谷氏は起業からかなり早い段階で、いわゆる『ITベンチャー』というイメージとは決別したいと考えていました。そのためには先輩社長たちから学び、取り入ることが得策だと考えたのでしょう」  しかし興銀時代から続く人間関係があったとしても、百戦錬磨の財界人たちの懐に入るのは簡単なことではない。なぜ三木谷氏だけが彼らに可愛がられたのだろうか。 「三木谷氏は子どもの頃から、父の元を訪れる経済関係者たちの振る舞いを間近で見て育った。そこで、どんな人物ならお歴々に気に入ってもらえるか、自然と学んでいたのでしょう。テニスで鍛えたスポーツマンシップや体育会系のノリも、財界の大御所たちを惹き付ける魅力になった。トレードマークだったヒゲを剃ったことも、年配者への配慮のひとつで、クレバーな思考の象徴。そもそも球界参入のきっかけは、同じ神戸出身であり経済同友会の先輩でもあるオリックス会長・宮内義彦氏が近鉄買収を打診したことから。三木谷氏が準備を整えていたわけではなく、先輩に言われて慌てて手を挙げたのが本音。つまり子どもの頃から今まで、周りの環境に背中を押されるように育てられてきたんです」(児玉氏)  三木谷氏はこの後も「ジジ転がし」としての実力を遺憾なく発揮していく。特に財界のドン・奥田氏からは絶賛され、長年強力なバックアップを受けた。また、エイベックスの代表取締役社長・松浦勝人氏とは六本木や銀座の豪遊仲間とされるなど、コネクションは高齢実力者だけにとどまらない。さらに、政界にも人脈を持つ。興銀時代の同期には石原慎太郎都知事の三男で、前衆議院議員の石原宏高氏がいた。10年には民主党の細野豪志氏、馬淵澄夫氏など実力派中堅議員と秘密裏に会合を開き、党内の世代交代について助言したといわれている。ツイッターでも「心ある政治家はバックアップします」と宣言し、ネットを使った政治献金システム推進の旗を振る。  こうして強力な人脈を武器に財界をサバイブしてきた三木谷氏だが、やがて重鎮たちと袖を分かつ契機が訪れる。10年2月に立ち上げた「eビジネス推進連合会」。「ネット活用が進まなければ日本は開発途上国になる」と宣言し、副会長にヤフー副社長の井上雅博氏(当時)、幹事にはサイバーエージェント社長の藤田晋氏らを据えた。しかし当時三木谷氏は日本経団連の理事も務めていたため、「新団体を作るなら経団連を抜けるのが道理ではないか」と怒りを買い、11年6月、ついに脱退を決断した。 「経団連の意思決定はブラックボックスで、上層部の限られた人にしか真相がわからない。三木谷氏にとって、ジャッジの過程が見えないことはかなりストレスだったのでは。また、経団連に所属する最大のメリットは、そこで収集される国内外の情報を得られることですが、近年はその収集能力がとみに落ちている。楽天はアジアや南米に拠点を置くなど海外進出にも積極的ですが、そうなるとむしろ足を引っ張られると感じるようになったのでしょう。米倉弘昌氏が選出された会長人事でも、古い体制と求心力のなさに失望したはず」(同)  そして今年6月、「eビジネス推進連合会」は「新経済連盟」と改名し、活動を強化すると発表。「我々は未来志向だ」と力強く宣言するなど、ITこそが日本の財界を導くという信念と野望が透けて見える。冒頭に述べたように、彼の目指す先はさらなる高みであり、最終目標は「世界一のインターネット企業」だ。新局面に突入する三木谷氏は、これからどこに向かい、何を成し遂げるのだろうか?  「これまでは新興企業として尖った姿を見せて知名度を得てきたが、今はもうその必要もない。いわば『普通の大企業』になった。目立った行動は少なくなるかもしれないが、各界への影響力はさらに強まるでしょう。ひたすら分析と実行を繰り返した楽天のビジネスモデルは誰にでも真似ができるもので、彼の強みは興銀出身という背景を存分に生かしながら、その看板に驕らない冷静さと意志の強さにあります。その長所を忘れない限り、大きく凋落することはないのでは。それは反面、彼のつまらなさの象徴でもあるのですが」(同)  停滞する日本経済を救うのか、それとも単によくできたワンマン社長として終わるのか。以降では、楽天と三木谷氏を内側・外側それぞれから見てきた人々による、そのジャッジメントを見ていこう。 (取材・文/田島太陽)
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月額525円読み放題! (バックナンバー含む) 【「サイゾーpremium」では他にも楽天・三木谷関連記事が満載!】恵まれた環境と如才ない処世術でのし上がった"財界のジジ転がし"三木谷浩史が反旗を翻すまで「新経連なんて経団連の2軍に過ぎない」経団連に阻まれた三木谷の理念なき野望――評論家・佐高信"経団連"のペット三木谷が画策する維新の会とのタニマチ関係――経済ジャーナリスト・須田慎一郎

「里田とうまくいってない!?」楽天のエース・田中将大がブチ切れモードのワケとは……?

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『田中将大―ヒーローのすべて』
(北海道新聞社)
 プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大が、最近ピリピリムードだ。6月には自身がファンだと公言するアイドルグループAKB48の総選挙に関連し、当日登板予定だった田中が「テンポ良く試合時間を短縮すれば、(総選挙の)生中継を見られる」と発言したという記事が出たことに激高。「どことは言いませんが、中継が見たいから早く終わらせるみたいな記事。一言もそういう話はしてないし、そんなふうに考えて野球をしてません!」と一喝したのだ。  これはプロとしての意地なのかもしれないが、今月中旬にも似たような“事件”が勃発。18日のロッテ戦にプロ2度目で今季初の中4日で登板したが、翌日の日刊ゲンダイで「志願の強行登板」と書かれたことにブチ切れたのだ。  報道陣に囲まれた田中は、ゲンダイの記者を見つけると「なんでああいう紙面になるんですか! オレは志願なんてしてねーし! そんなこと言ってないし、するわけない」と猛反論。途中で我に返り「あ、こういうこと言うとまた書かれる」と冷静にはなったというが、続けて「なんか最近、雑な記事が多くないですか? とくに今年!」と眉間にしわを寄せながら語ったという。  AKB48はともかく、「志願の強行登板」という扱いは、マイナスではないように思えるが……。 「田中は普段からマスコミ対応もいいし、あんなことで感情をあらわにするのは珍しい。マスコミの間では、妻の里田まいとうまくいってないんじゃ……という声も飛び交っていました」(スポーツライター)  これに、楽天担当記者の1人は次のようにフォローする。 「エースは1年間ローテを守ってチームに貢献することが第一。強行登板して故障したら元も子もない。田中の中に“志願の登板”なんて言葉はなく、チーム事情と首脳陣からの要望で中4日の登板を決めただけのこと。ゲンダイの記事は彼の野球観とかけ離れたものだったため、あそこまで語気を強めたのです」  一方で、別の担当記者からはこんな話も聞かれる。 「星野仙一監督ですよ! 実は田中と星野監督はまったくソリが合わない。前任の野村克也監督は田中をエースと認めていたから、ほとんど口出しもしなかった。ところが“体育会系”の星野監督は、田中にも“小言”を言う。マスコミに変なことを書かれ、監督に揚げ足を取られるのが嫌だから、ここまで神経質になるんですよ」  エースといえども、人の子ということか……。