5月25日、岩手産業文化センターで開催されていたアイドルグループ・AKB48の握手会で発生したメンバーに対する切りつけ事件の影響で、AKB関連グループ以外にもアイドルによる握手会、イベントの中止が続々と発表されている中、アニソン業界にもその影響が出てきた。 女子高校生アニソンシンガー・鈴木このみのインストアイベントが今週末に予定されているが、事件前はトークショー、ミニライブ、握手会と内容が告知されていたところ、事件後にトークショー、ミニライブのみの開催に変更されたのだ。鈴木は自身のブログで、握手会がなくなった代わりにミニライブの曲数を増やすことを明かしているが、その理由については言及されていない。とはいえ、タイミング的にAKB事件の影響があったことは疑いがないだろう。 近年はアイドル同様に、アニソンシンガー・声優も握手会やインストアイベントなど、観客と近い距離で営業活動をする機会が増えつつあることを考えると、今回の一連の事件もアニメ・声優ファンにとって対岸の火事ではないのだ。 今回のAKB事件の犯人は、今のところ特定のアイドルのファンというわけではなく、目につく存在だったからという理由でAKBの握手会会場で事件を起こしたと語っているが、近年のアニメ・声優業界ではファンによる迷惑行為も少なくはない。 鈴木といえば、昨夏に開催された大型アニソンライブイベントでも、彼女が登場した瞬間に興奮したファンが会場を猛ダッシュ。警備員に追いかけられ、退場させられるという事件が発生していた。そのほか、昨年6月には声優・田中理恵がイベント中にファンから襲われる事件が発生。今年3月には、アイドル声優・田村ゆかりのコンサート中に34歳の男が、観客席からステージに向けて携帯ラジオを投げつけるという具合に、一部の過激な観客による危険な行為が目につくことが増えつつある今日この頃。 イベント規模の大小や頻度の問題ではなく、警備など周辺環境の整備の面に関しては一般芸能ほどイベント慣れしているとは言い難いアニメ・声優業界は、アイドル業界以上に「何かが起こった時の対応力」の不安は大きい。 CDやDVD&BDの売り上げが低迷傾向にある昨今だけに、今後もイベント参加券、握手券を特典に付けた商品展開が続くことは間違いない。しかし、同時に安全面にもこれまで以上の注力を期待したい。鈴木このみ1stアルバム『17』(メディアファクトリー)
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『けいおん!』制作陣集結の『たまこまーけっと』が陥った、“完璧すぎる理想の日常”の落とし穴
『涼宮ハルヒの憂鬱』をはじめ、『けいおん!』『氷菓』『中二病でも恋がしたい!』など安定したクオリティのアニメをコンスタントに発表し続け、今日のアニメシーンにおいて欠かせない存在となったアニメ制作スタジオ・京都アニメーション。その最新作である『たまこまーけっと』も、多分にもれず高水準な作画と脚本・演出で我々視聴者を毎回楽しませてくれている。 本作のメインスタッフは、監督・山田尚子、キャラクターデザイン・堀口悠紀子、脚本・吉田玲子という『けいおん!』を手掛けた女性スタッフたち。彼女たちの手によって、うさぎ山商店街の愉快な面々が繰り広げる日常風景が描かれる。言葉を話す謎の鳥デラ=モチマッヅィというファンタジックなキャラクターも存在するものの、基本的には普通の人々が織りなす普通の物語を描く『けいおん!』直系の日常アニメとなっている。 そんな『たまこまーけっと』では、「活気あふれる商店街」「優しすぎる隣人たち」「穏やかな日常」といった、現代の日本ではおそらくほぼ消失してしまったであろう「理想の日常(とコミュニティ)」が描かれ続ける。 この理想的すぎる物語に、違和感と空々しさを抱いてしまうのは筆者だけだろうか? 今時こんなに明るくて活気ある商店街なんて日本全国を探してもそうそうないだろうし、誰が何をしても笑って許してくれる街の人々や、色恋沙汰もなければ友達との大した諍いもない学校生活なんて、毒がなさ過ぎてむしろ不気味だ。ここに、『けいおん!』が劇場版および原作コミックの続編「college編」で露呈させた「日常アニメがその半径を広げれば広げるほど、日常を描けなくなる」に通じる問題点を感じてしまう。 ほぼ軽音部(および、それを取り巻く学校)という閉じたユートピア内での物語を描くことに徹していたTVシリーズと原作コミック『けいおん!』には、小さなコミュニティにフォーカスすればするほど、その外界にはアニメを見ている視聴者と同じ「現実」が存在しているという想像力が作品にあった。この想像力が効果的に発揮されたのが第2期『けいおん!!』終盤である。軽音部のメンバーたちが送る、取るに足らない、しかし何物にも代えがたいモラトリアムである「理想の日常」はやがて終わりを迎え、近い将来「現実の日常」という外界と向き合わねばならないというシビアな想像力が物語に説得力をもたらし、多くの視聴者に登場人物たちへの感情移入を促した。 対して劇場版『けいおん!』は、我々の生きる世界の延長線上にあると信じられていた外界ですらも、軽音部の面々に優しい閉じた世界であったがゆえに、TVシリーズには存在していたギリギリのリアリティが崩壊。原作コミック「college編」については、大学という外界に開かれた場に軽音部の身内ノリを持ち込もうとしたものの失敗。作品自体が方向性を見失い、空中分解してしまった感がある。 そこで『たまこまーけっと』では、より完璧な「理想の日常」を構築するべく、主人公たちの行動半径すべてを「理想の日常」として描くのみならず、デラ=モチマッヅィという外国からやってきたしゃべる鳥という存在を持ち込むことで、この世界はどこまでもファンタジックで理想的な日常が広がっていることを想像させることが選ばれたのだろう。シビアな「現実」が渦巻く世界の片隅に「理想の日常」という避難場所を作るのではなく、どこまでいっても誰も傷つかず、悩むことのない理想の日常「しか存在しない」別次元の世界を創造してしまった『たまこまーけっと』という作品は、結果的に作品の外部に存在する我々視聴者の居場所すら排除してしまったといえる。 身内のみでワイワイ盛り上がっているさまを、部外者である視聴者に「ほら、楽しそうでしょ?」「見て見て!」とアピールしたところで、受け手側としては「はあ、楽しそうですね……」としか言いようがないのである。視聴者の目線不在で、別次元の人々の取るに足らない日常ばかりが繰り返される『たまこまーけっと』に感じる違和感と空々しさは、つまるところ現実とは地続きではない作品に漂う「嘘臭さ」「薄さ」。そして「身内ノリに対する部外者の疎外感」にほかならないのだ。 魅力的なキャラクターデザインや、新人からベテランまでまんべんなく配置したナイスなキャスティング、毎回思わずクスッとさせられるシナリオなど、どこを取っても非常に高いクオリティでまとまった高いポテンシャルを持つ作品だけに、あまりにも安全な作りに落ち付いてしまった点が非常にもったいない。 物語としては、そろそろ折り返し地点を越えてクライマックスに向けて動き出す頃だろうか。理想に彩られた日常を描く『たまこまーけっと』という物語が、どのような「日常」に着地するのか期待したい。 (文=龍崎珠樹) ◆「週刊アニメ時評」過去記事はこちらからTVアニメ 『たまこまーけっと』
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今クール話題の学園モノを徹底分析!『男子高校生の日常』『Another』
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こちらも話題作。

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(上)『男子高校生の日常』
(下)『Another』公式サイトより
アニメの定番ジャンルといえば「学園モノ」。
やはり義務教育制度が行き届いている現代日本において、学生生活を描く「学園モノ」はもっとも視聴者に受け入れられやすいジャンルなのだろう。今クールも、学生生活というこれ以上ない共有体験をベースにした、さまざまな「学園モノ」アニメがテレビをにぎわせている。
中でも大きな話題を呼んでいるのが、『男子高校生の日常』(テレビ東京系)である。男子校を舞台に繰り広げられる日常アニメ......というと、いかにも女性ファン向けのボーイズ・ラブ的な作品という先入観を持つ読者も少なからずいるだろうが、本作の監督を務めるのは、『銀魂'』も手掛け、そのパンキッシュな作風がしばしばアニメファンの間に物議を醸しだす高松信司だ。
その鋭い切れ味は本作でも一切鈍ることはない。
放送開始直前にもともとEDテーマを担当する予定だったビジュアルバンド・人格ラジヲのメンバーの不祥事によって、急きょ楽曲が差し替えられるというトラブルに見舞われた本作だが、第1話のEDテーマには、代わりに本編のセリフをそのまま歌詞にした、ある意味適当だがセンスを感じさせる楽曲を用意。さらにその後、字幕スーパーで「放送に間に合いませんでした!」と一連の事件を堂々とネタにしてアニメファンの度肝を抜いた。
本編に関しても、体は大人で頭脳は子ども、という思春期の(非モテ)男子ならではのどうしようもない日常をあっけらかんと描いており、その作風は女性よりもむしろ男性のほうが共感を持って受け入れられるはずだ。
一見、平穏な学園生活。そのすぐ隣に潜む暗部を描くサスペンスホラー『Another』(TOKYO MXほか)も注目だ。
本作を手がけるのは水島努監督。
『おおきく振りかぶって』『侵略!?イカ娘』など、朗らかな作品で高い支持を受けている水島監督だが、彼の本領が発揮されるのはやはりスプラッタ描写を盛り込んだ作品だろう。
古くは『撲殺天使ドクロちゃん』、近作では『よんでますよアザゼルさん』『BLOOD-C』など、血と肉が乱れ飛ぶスプラッタ描写をギャグやアクションなどさまざまな作風で料理してきた彼が今回挑むのは、サスペンス&ホラーである。
物語の語り口は、どこまでもクール。淡々と描かれる平穏な学園生活は、ただクラスメイトと主人公・榊原恒一の日常風景を静かに描き出すばかりだ。
だが、そこに切れ目を入れるように登場する隻眼の少女・見崎鳴の存在と、時折見せる友人たちの「何かに怯える」不自然な言動がドラマに言いようのない緊張感と不安感をもたらす。そしてその緊張感と不安感が限界に達した時、唐突に不条理でグロテスクな死の描写が投げ込まれるのだ。
初の犠牲者となったクラス委員長・桜木ゆかりの死に様はこうだ。
階段から足を滑らせ転がり落ちる最中に、自分が持っていた傘の先端を喉に突き立て、悶絶死。
その描写も、実にエグい。
じわじわと広がる血だまりと、もがくように宙をさまよう手。そして痙攣する四肢が執拗に描かれるも、次第に身体は動きを失っていき、再び静寂が画面に戻ってくるのだ。抑え目な演出と、限界まで張りつめた緊張感を一気に解放するかのようなスプラッタ描写。そこから再びいつもの「日常」へと収斂していく演出は圧巻である。ここに水島監督の、「やっと描けたぜ!」という無言の喜びを感じてしまうのは気のせいだろうか。
ハイテンションな作風が多かった水島作品に新風を吹き込むような、静と動の対比の果てに描かれるスプラッタシーンは一見の価値がある。
一口に「学園モノ」といっても、これだけ差がある辺りに日本のアニメ文化の懐の深さを感じずにはいられない。今回紹介した作品を見て、かつて自分たちが体験した日常的な学生時代と、もしかしたら体験していたかもしれない非日常的な学生生活に思いをはせてみてはいかがだろうか。
(文=龍崎珠樹)
ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』

『輪廻のラグランジェ』公式サイトより
2012年冬クールは、話題のロボットアニメが多数スタートしており、ロボ好き男子(女子も可!)にはうれしい限りだろう。
個人的に久々の大ヒットが、日産自動車グローバルデザイン本部が登場ロボのデザインを担当した『輪廻のラグランジェ』(読売テレビほか)である。
スタイリッシュなデザインの飛行形態から、流線形の未来的なシルエットのロボットに変形する主役ロボ「ウォクス・アウラ」のカッコよさは、従来のロボットアニメにはない新鮮な衝撃を視聴者に与えてくれるだろう。
また作品全体を彩るサウンドにも注目したい。
美メロ・ハウスシーンの立役者ラスマス・フェイバーが作曲を手掛け、『マクロスF』で超時空シンデレラ・ランカを演じた中島愛が歌うOPテーマ「TRY UNITE!」をはじめ、1980年代にニューウェーブ・テクノシーンを牽引した鈴木さえ子と北野武作品をはじめとする映像作品に多くの楽曲を提供するユニット・TOMISIROがサウンドトラックを手掛けていると聞いて、「おおっ!」と反応する音楽ファンもいるのではないだろうか。
クラフトワークを思わせるフューチャー・テイスト満載のレトロ風味なテクノと、まるでコンセプトカーを思わせる洗練されたメカたちの活躍がシンクロするクールなビジュアルは、一見の価値ありだ。
そんな本作の総監督を務めるのは、『機動戦艦ナデシコ』や『宇宙のステルヴィア』などで、ハードSF要素と魅力的な人間模様を融合させた骨太なドラマを作り上げた佐藤竜雄。今後のストーリーにも期待が集まる。
そして、相変わらずのはっちゃけぶりを見せてくれるのが『アクエリオンEVOL』(テレビ東京ほか)だ。こちらは2005年に放送され、インパクト大な主題歌が社会現象となった『創聖のアクエリオン』の続編。
1万2,000年後の地球を舞台に、新たな主役ロボ「アクエリオンEVOL」が、人類を襲う異世界からの侵略兵器「アブダクター」と激しいバトルを繰り広げるというストーリーだ。
「あなたと合体したい」という刺激的なフレーズが話題となった前作だが、厳格な学園が舞台の今作では「男女の合体禁止」というルールが設定されている。異性が気になる年頃の主人公たちは、あの手この手で異性との(アクエリオンによる)合体を目指す、というのが本作の見どころ。
ウブな主人公たちが「恋愛」と「ロボットの合体」、そして「人類の勝利」を目指すという、ドタバタでラブコメ、かつ熱血な展開は、総監督の河森正治作品の真骨頂だ。ネタ要素も満載の本作は、早くもアニメファンの間で話題を呼んでいる。
最後に『ダンボール戦機W』(テレビ東京系)を推しておこう。
2年目に突入した人気アニメである本作は、プラモデル、ゲームなどのホビー展開も好調な、昔ながらの男児向けロボットアニメである。
手のひらサイズの小型ホビーロボット・LBXを操縦する主人公・山野バンが、愛機・エルシオンとともに謎のテロ組織と戦うというストーリーの本作。新たなキャラクターの登場も相まって、前作以上に「友情」「チームワーク」といった要素が重視されており、新シリーズスタート直後より早くも重厚な物語が展開している。
本作最大の見どころは、フルCGで描かれるバトルシーンだろう。ロボットアニメのケレン味と、CGならではのグリグリ動き回るド派手なアクションが高いレベルで融合した本作のバトルシーンは、一言で言って「ガチ」である。
本作を見れば、セル至上主義なロボットアニメフリークの御仁も、CGの可能性を感じることができるだろう。
『ガンダム』『エヴァンゲリオン』に代表されるミドルティーン以上向けのハードなロボットアニメが幅を利かせ、ジャンルそのもののファンの平均年齢が上がる一方、本作のような子ども向けのホビー系作品の存在は、ロボットアニメというジャンル自体を存続させるうえで見逃すことはできないはずだ。
強くてかっこいいロボットの活躍を見ながら、童心に返っておもちゃやプラモで遊んでみたくなる。そんなロボット大国・日本が誇るロボットアニメたちに触れてみてはいかがだろうか。
(文=龍崎珠樹)
ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』

『輪廻のラグランジェ』公式サイトより
2012年冬クールは、話題のロボットアニメが多数スタートしており、ロボ好き男子(女子も可!)にはうれしい限りだろう。
個人的に久々の大ヒットが、日産自動車グローバルデザイン本部が登場ロボのデザインを担当した『輪廻のラグランジェ』(読売テレビほか)である。
スタイリッシュなデザインの飛行形態から、流線形の未来的なシルエットのロボットに変形する主役ロボ「ウォクス・アウラ」のカッコよさは、従来のロボットアニメにはない新鮮な衝撃を視聴者に与えてくれるだろう。
また作品全体を彩るサウンドにも注目したい。
美メロ・ハウスシーンの立役者ラスマス・フェイバーが作曲を手掛け、『マクロスF』で超時空シンデレラ・ランカを演じた中島愛が歌うOPテーマ「TRY UNITE!」をはじめ、1980年代にニューウェーブ・テクノシーンを牽引した鈴木さえ子と北野武作品をはじめとする映像作品に多くの楽曲を提供するユニット・TOMISIROがサウンドトラックを手掛けていると聞いて、「おおっ!」と反応する音楽ファンもいるのではないだろうか。
クラフトワークを思わせるフューチャー・テイスト満載のレトロ風味なテクノと、まるでコンセプトカーを思わせる洗練されたメカたちの活躍がシンクロするクールなビジュアルは、一見の価値ありだ。
そんな本作の総監督を務めるのは、『機動戦艦ナデシコ』や『宇宙のステルヴィア』などで、ハードSF要素と魅力的な人間模様を融合させた骨太なドラマを作り上げた佐藤竜雄。今後のストーリーにも期待が集まる。
そして、相変わらずのはっちゃけぶりを見せてくれるのが『アクエリオンEVOL』(テレビ東京ほか)だ。こちらは2005年に放送され、インパクト大な主題歌が社会現象となった『創聖のアクエリオン』の続編。
1万2,000年後の地球を舞台に、新たな主役ロボ「アクエリオンEVOL」が、人類を襲う異世界からの侵略兵器「アブダクター」と激しいバトルを繰り広げるというストーリーだ。
「あなたと合体したい」という刺激的なフレーズが話題となった前作だが、厳格な学園が舞台の今作では「男女の合体禁止」というルールが設定されている。異性が気になる年頃の主人公たちは、あの手この手で異性との(アクエリオンによる)合体を目指す、というのが本作の見どころ。
ウブな主人公たちが「恋愛」と「ロボットの合体」、そして「人類の勝利」を目指すという、ドタバタでラブコメ、かつ熱血な展開は、総監督の河森正治作品の真骨頂だ。ネタ要素も満載の本作は、早くもアニメファンの間で話題を呼んでいる。
最後に『ダンボール戦機W』(テレビ東京系)を推しておこう。
2年目に突入した人気アニメである本作は、プラモデル、ゲームなどのホビー展開も好調な、昔ながらの男児向けロボットアニメである。
手のひらサイズの小型ホビーロボット・LBXを操縦する主人公・山野バンが、愛機・エルシオンとともに謎のテロ組織と戦うというストーリーの本作。新たなキャラクターの登場も相まって、前作以上に「友情」「チームワーク」といった要素が重視されており、新シリーズスタート直後より早くも重厚な物語が展開している。
本作最大の見どころは、フルCGで描かれるバトルシーンだろう。ロボットアニメのケレン味と、CGならではのグリグリ動き回るド派手なアクションが高いレベルで融合した本作のバトルシーンは、一言で言って「ガチ」である。
本作を見れば、セル至上主義なロボットアニメフリークの御仁も、CGの可能性を感じることができるだろう。
『ガンダム』『エヴァンゲリオン』に代表されるミドルティーン以上向けのハードなロボットアニメが幅を利かせ、ジャンルそのもののファンの平均年齢が上がる一方、本作のような子ども向けのホビー系作品の存在は、ロボットアニメというジャンル自体を存続させるうえで見逃すことはできないはずだ。
強くてかっこいいロボットの活躍を見ながら、童心に返っておもちゃやプラモで遊んでみたくなる。そんなロボット大国・日本が誇るロボットアニメたちに触れてみてはいかがだろうか。
(文=龍崎珠樹)



