「書いたら許さへんで!」母親の“生活保護不正受給疑惑”を報じられた中堅芸人の仰天主張

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『How to 生活保護』
 12日発売の「女性セブン」(小学館)が、ある中堅お笑い芸人Xの母親が生活保護を受給していると報じた。家庭的な事情で、やむなく生活保護を受けている可能性もあるが、同誌を読む限り、そうではないようだ。  Xが飲み会の席で親しい後輩や友人に「いま、オカンが生活保護を受けていて、役所から『息子さんが力を貸してくれませんか?』って連絡があるんだけど、そんなん絶対聞いたらアカン! タダでもらえるんなら、もろうとけばいいんや!」と話していたとも伝えている。  Xは人気お笑いコンビの1人でレギュラー、準レギュラー合わせて約10本のテレビ、ラジオに出演するだけでなく、役者としてドラマや映画などにも出演する売れっ子。既婚者だが、後輩芸人に合コンや誕生日会での“ふるまい”を暴露されることも多く、それがきっかけで過去に離婚危機に陥ったこともあった。ダウンタウン、雨上がり決死隊にかわいがられており、共演回数も多い。  テレビ関係者によると、Xクラスの芸人の推定収入は5,000万円ほど。それほどの収入があれば、母親を援助することは容易と思われ、同誌もこうした事実を鑑み疑問を投げかけているのだが、Xの所属事務所は「Xの母は12年ほど前から、高血圧やストレスが原因の突発性難聴、肺気腫などのため、生活が困窮して収入が得られず、保護を受けています。しかし、Xには母親のほかに面倒を見なければならない3人の親族がいます。ですので、母親を含め4人の面倒を見れば、その額は4倍となり、彼の負担は大きくなっているんです」と反論した。  舞台裏を知る人物は「社会問題化している生活保護の不正受給に一石投じるためにも、同誌は最初、実名報道するつもりのようでしたが、Xと所属事務所側から予想以上の抗議が入ったそうです。とくにXは『名前出したら名誉毀損で訴えるで!』と、そりゃあものすごい剣幕だったそうです。結局、実名報道は断念したそうですが、Xの粘着質な性格に同誌側は近いうちの“リベンジ”を誓ったとか。ほじくればいくらでも(スキャンダルは)出てくるでしょうね」と話す。所属事務所はXをマスコミの目から“保護”する必要がありそうだ。

生活保護を取り巻く受給者バッシング――“ナマポ”は本当に悪なのか!?

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『現代の貧困―ワーキングプア/
ホームレス/生活保護』(ちくま新書)
 長引く不況などの影響から、生活保護の受給者は今年1月の時点で209万人を突破、昨年7月から過去最多の更新が続いている。その勢いは止まることを知らず、今後もますます増え続けると予想されている。あちこちで国の予算が削減される中、高齢者、母子家庭、障害者、うつ病、DV被害などの世帯を中心に、年間3.7兆円もの税金が投じられているのが現状だ。  ネットの世界では“ナマポ”と呼ばれ、月に十数万円が支給されるケースもあることなどから、「働いたら負け」と揶揄されることもある生活保護。しかし、生活保護はあくまで最後のセーフティネットであり、損得勘定で語られるべきものではない。そこで、日本女子大学で貧困や福祉政策を研究し、『現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護』(ちくま新書)の著者としても知られる岩田正美氏とともに、生活保護というシステムの仕組みやその問題点を考えてみたい。 ■「水際作戦」と「受給者バッシング」  まず、生活保護を受給するためにはいくつかの条件がある。収入が国が定める最低生活費に満たないこと、家や車などの資産を持っていないこと、また親族などからの援助も受けることができないことなどが挙げられる。このような基準は、福祉事務所のケースワーカーと呼ばれる職員によって査定され、受給の可否が決定される。受給金額は個人や地域によって異なるものの、支給される金額は“ワーキングプア”として汗水流して働く人とほとんど大差はない。その結果、ネット上などでは受給者に対するバッシングが後を絶たない。  かねてから、生活保護の受給には暴力団などによる不正がはびこってきた。その金額は2005年度で72億円にも上るといわれている。そこで、窓口業務を担当する各自治体の福祉事務所では「水際作戦」と呼ばれる対応をする。これは、福祉事務所の窓口でできるだけ申請を受け付けず、相談のレベルで相談者を追い返してしまうことをいう。「生活保護の申請は国民の権利なので、申請をした上で却下となれば不服申し立てや裁判もできますが、申請をさせなければ、そうしたこともできなくなってしまいます」と岩田氏。しかし、その審査の厳しさによって、受給申請が却下された者による孤独死や犯罪事件などが発生すると、「弱者切り捨て」と批判の矢面に立たされてしまうのだ。  また、水際作戦には、別の側面からの問題点も指摘されている。元ケースワーカーの大山典宏氏は『生活保護 vs ワーキングプア』(PHP新書)でこう語る。「多くの人たちは『壊れる』という形で生活保護のネットに救われることとなります。厳しい労働条件の仕事でぼろぼろになるまで傷つき、家族関係の葛藤に悩まされ、心の病―うつ病―になって初めて生活保護の対象になるのです。(中略)皮肉なことに、水際作戦を展開すればするほど、壊れる若者を増やして生活保護からの自立を難しくしているのです」  生活保護を取り巻く問題は、これらの「受給者バッシング」と「行き過ぎた水際作戦」の間を揺れている。報道される際も、この両極端の問題にのみフォーカスが当たることが多いものの、それは生活保護の一部の姿でしかない。あくまで本質はその中間にある。「生活保護は、働ける可能性のある人たちにとって、もう一度労働市場へ復帰するためのトランポリンのような存在であるべきです」と岩田氏は解説する。 ■生活保護がなくなったら……  「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と憲法第25条に記されている通り、生活保護は国民として当然の権利。 「生活保護は国民の最後のセーフティネットなのです。これ以下の生活に堕ちることは、誰にとっても好ましくないという基準を示しています」(岩田氏)  しかし、国の予算がひっ迫する中、生活保護の総支給額は増加の一途をたどるばかり。このまま増え続ければ、受給者一人当たりの受給額を減額しなければならないのだろうか。 「生活保護総額の増大は、貧困の増大を背景としています。貧困を減少させないと、生活保護水準を下げても問題は解決しません。とくに強調したいのは、生活保護基準を下げると、最低賃金の基準も下がってしまうことです」(岩田氏)  ワーキングプアが生活保護受給者に嫉妬の視線を向けることが、最低賃金引き下げという形で当のワーキングプアたちにも跳ね返る。あたかも「貧困スパイラル」と形容されそうな状況で得をするのは、カネを握っている国や大企業だ。しかし、不況が続く日本では、生活保護制度そのものが立ち行かなくなってしまう可能性もある。どうすれば、無理なくこの制度を存続することができるのだろうか? 「現在、生活保護は住宅扶助や生活扶助、教育扶助、医療扶助など、さまざまな扶助がセットになって支給されています。ですから、一度生活保護から出ると、すべての援助を失ってしまうことになる。これでは、いつまでもそこから抜け出すことができません。ですから、いくつかの扶助を生活保護対象者にはならない低所得者にも利用できるようにすべきでしょう。とくに住宅扶助などは、生活保護基準ギリギリのワーキングプアに対して拡大していくことが必要なのではないでしょうか」(岩田氏)  また、先に引用した大山典宏氏も著書で「ずっと利用し続けるのではなく、困ったときだけちょっとだけ利用すればいい」という形の“プチ生活保護”という提案を行う。社会情勢とともに、生活保護制度も過渡期を迎え、その形を変えなければならない時期となっている。  では、極論だが、いっそのこと生活保護をなくしてしまったらどうなるのか……。そうすれば年間3.7兆円もの予算が削減され、余った税金を雇用対策に活用できるかもしれない。だが、岩田氏の予想する未来は暗い。 「生活保護がなくなってしまったら孤独死が頻発し、毎日のように白骨死体が発見されるかもしれません。若い世代でも、親の年金にぶら下がってしか生きていけない人々が、親の死亡届も出さなくなるケースも予想されます」  拡大する一方の生活保護にはさまざまな批判が相次ぎ、一部の生活保護受給者が受給金でパチスロに熱を上げる姿も報道される。そのような受給者の姿を見ていたら、制度そのものに疑問を持ってしまうのは当然のことだろう。しかし、その一方で、この制度によって年間200万人もの受給者が救われているという事実も存在することを、忘れてはならない。 (取材・文=萩原雄太[かもめマシーン])

「ホームレスからむしり取れ!」生保受給者を食い物にする“弱者救済”NPOの悪質手口

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炊き出しに列を作る人々。日本各地で見られる光景だ。
 厚生労働省は先頃、全国の生活保護受給者が昨年12月時点で208万7,092人に上り、過去最多を更新したと発表した。それに伴い、予想されるのが悪質な貧困ビジネスの拡大。街で集めたホームレスらに生活保護を申請させ、劣悪な環境の宿泊施設に住まわせながら、さまざまな名目で“タケノコ剥ぎ”のように生活保護費をむしり取っていくのが貧困ビジネスの典型的な手口だ。  行政も、生活保護受給者が入所する施設を社会福祉法に基づく「無料低額宿泊所」と位置づけ許認可制を取るなど、悪徳業者への対策を講じてはいる。だが、行政の“お墨付き”を得た許認可業者が善良かといえば、必ずしもそうとは言い切れない。今回は、弱者を巧妙に誘う貧困ビジネスの現場をリポートする。  毎週月曜日の早朝、横浜市内の某所ではホームレスなど生活の困窮した人々のために炊き出しが行われている。主催するのは、神奈川県でも大手の弱者救済系のNPO。このNPOは神奈川県下に1,000床以上の無料低額宿泊所を有し、当然ながら自治体からの認可も受けている。食事を求めて行列をなす人々には、握り飯と一緒に1枚のチラシが手渡される。そこには、フリーダイヤルの番号とともに「生活相談乗ります!」と記されている。  「いくら寝る場所があっても、あんな目に遭うくらいならホームレスのほうがマシですよ」と訴えるのは、ホームレスのAさん(48歳)だ。半年前、勤務先をリストラされ困窮極まったAさんは、公園で知り合ったホームレスに誘われ、この炊き出しに並んだ。 「大手のNPOだったし、一緒にいたホームレスも信頼できる団体だと太鼓判を押すので、NPOの助言に従い生活保護を申請して、無料低額宿泊所に入所したのですが、とにかく搾取がひどかった。支給された約12万円の保護費も、さまざまな名目で差っ引かれ、手元に残るのはわずか1万円ほど。食費なんて3万円も取るくせに、1日2食でご飯のお代わりもできないし、オカズも小さなウインナーとしなびたキャベツとかレトルト食品ばかりで、いつも腹を空かせていたものです」(Aさん)  何よりも耐え難かったのは、所内の人間関係だったという。通常、認可を受けた無料低額宿泊所では、許認可業者のスタッフが寮長を務めることになっているのだが、人件費節減のためだろうか、なぜかこのNPOが運営する宿泊所では入所者が寮長だった。 「寮長は元ヤクザのホームレスだったのですが、強面で腕っ節も強いため、まさに“恐怖政治”でした。彼の機嫌を損ねれば、食事を抜かれたりするイジメや殴る蹴るのリンチは日常茶飯事。まるで刑務所の囚人のような人間関係でした。NPOが関係している飯場の仕事などを斡旋されたりもするのですが、断るとやはりリンチに。どういうわけか、『シャブを売ってこい!』なんて怒鳴られたこともありましたね。本当に覚せい剤なんてあったのでしょうか」(Aさん)  AさんがNPOに強要された仕事の1つに、街へ出てカモになるホームレスをスカウトするというものがあった。週に3名獲得のノルマもあったという。そして、明らかになったのが、自分がハメられたという事実だった。 「実は、私を炊き出しに誘ったホームレスもNPOとグルだったんです。ハナっから、私を宿泊所に誘い込むために仕組まれていたわけです。さすがにやり切れなくなり、1カ月で宿泊所を脱走しました。監視も甘かったので、逃げ出すのには大して苦労しなかったですね」(Aさん)  県下でも大手のNPO、しかも許認可業者であるにもかかわらず、なぜこのようなことが起きてしまうのか。寿町で福祉事業に携わる人物は、次のように話す。 「実は、このNPOは福祉関係者の間でも悪名高い札付きの団体なんです。暴力団や右翼団体がバックに付いているともささやかれ、行政としてもアンタッチャブルな存在。ここが運営する無料低額宿泊所は、あまりの待遇のひどさに入所数カ月以内に半数近くが逃げ出してしまうほど。だから、常にホームレスを集めていて、彼らがたむろする場所を大規模なスカウト部隊が巡回しているのは地元では有名な話。でも、それだけでは足りないので炊き出しを餌におびき寄せたり、罠にはめるような形で宿泊所に誘い込んだりしているのでしょう。通常、許認可業者の施設には行政が抜き打ちで検査を行ったりするのですが、このNPOの施設では強面のスタッフが自治体の職員の介入を頑なに拒むので、実態をつかめないのだそうです。また、指導すると後日、いかにもそれ風の男性が役所に怒鳴りこんできたりするので、役所としても頭を抱えています」  ホームレスが集まる場所に現れ、相談に乗る振りをして言葉巧みに無料低額宿泊所へ誘い込む輩は、基本的に貧困ビジネスを企んでいると考えていい。そこには、許認可も無認可も関係ないのだ。 (文=牧隆文)
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【関連記事】 ・【貧困レポ】大失業時代到来 住人の85%が生活保護を受給する"ドヤ街"寿町の今フィリピン貧困層に助けられながら生きる"困窮邦人"『日本を捨てた男たち』「都はサービスが悪い!?」年越し派遣村は"ゆとりオヤジ"たちの巣窟だった!派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』秋葉原事件は必然!? トヨタ社員が憤る人材の使い捨て

「ホームレスからむしり取れ!」生保受給者を食い物にする“弱者救済”NPOの悪質手口

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炊き出しに列を作る人々。日本各地で見られる光景だ。
 厚生労働省は先頃、全国の生活保護受給者が昨年12月時点で208万7,092人に上り、過去最多を更新したと発表した。それに伴い、予想されるのが悪質な貧困ビジネスの拡大。街で集めたホームレスらに生活保護を申請させ、劣悪な環境の宿泊施設に住まわせながら、さまざまな名目で“タケノコ剥ぎ”のように生活保護費をむしり取っていくのが貧困ビジネスの典型的な手口だ。  行政も、生活保護受給者が入所する施設を社会福祉法に基づく「無料低額宿泊所」と位置づけ許認可制を取るなど、悪徳業者への対策を講じてはいる。だが、行政の“お墨付き”を得た許認可業者が善良かといえば、必ずしもそうとは言い切れない。今回は、弱者を巧妙に誘う貧困ビジネスの現場をリポートする。  毎週月曜日の早朝、横浜市内の某所ではホームレスなど生活の困窮した人々のために炊き出しが行われている。主催するのは、神奈川県でも大手の弱者救済系のNPO。このNPOは神奈川県下に1,000床以上の無料低額宿泊所を有し、当然ながら自治体からの認可も受けている。食事を求めて行列をなす人々には、握り飯と一緒に1枚のチラシが手渡される。そこには、フリーダイヤルの番号とともに「生活相談乗ります!」と記されている。  「いくら寝る場所があっても、あんな目に遭うくらいならホームレスのほうがマシですよ」と訴えるのは、ホームレスのAさん(48歳)だ。半年前、勤務先をリストラされ困窮極まったAさんは、公園で知り合ったホームレスに誘われ、この炊き出しに並んだ。 「大手のNPOだったし、一緒にいたホームレスも信頼できる団体だと太鼓判を押すので、NPOの助言に従い生活保護を申請して、無料低額宿泊所に入所したのですが、とにかく搾取がひどかった。支給された約12万円の保護費も、さまざまな名目で差っ引かれ、手元に残るのはわずか1万円ほど。食費なんて3万円も取るくせに、1日2食でご飯のお代わりもできないし、オカズも小さなウインナーとしなびたキャベツとかレトルト食品ばかりで、いつも腹を空かせていたものです」(Aさん)  何よりも耐え難かったのは、所内の人間関係だったという。通常、認可を受けた無料低額宿泊所では、許認可業者のスタッフが寮長を務めることになっているのだが、人件費節減のためだろうか、なぜかこのNPOが運営する宿泊所では入所者が寮長だった。 「寮長は元ヤクザのホームレスだったのですが、強面で腕っ節も強いため、まさに“恐怖政治”でした。彼の機嫌を損ねれば、食事を抜かれたりするイジメや殴る蹴るのリンチは日常茶飯事。まるで刑務所の囚人のような人間関係でした。NPOが関係している飯場の仕事などを斡旋されたりもするのですが、断るとやはりリンチに。どういうわけか、『シャブを売ってこい!』なんて怒鳴られたこともありましたね。本当に覚せい剤なんてあったのでしょうか」(Aさん)  AさんがNPOに強要された仕事の1つに、街へ出てカモになるホームレスをスカウトするというものがあった。週に3名獲得のノルマもあったという。そして、明らかになったのが、自分がハメられたという事実だった。 「実は、私を炊き出しに誘ったホームレスもNPOとグルだったんです。ハナっから、私を宿泊所に誘い込むために仕組まれていたわけです。さすがにやり切れなくなり、1カ月で宿泊所を脱走しました。監視も甘かったので、逃げ出すのには大して苦労しなかったですね」(Aさん)  県下でも大手のNPO、しかも許認可業者であるにもかかわらず、なぜこのようなことが起きてしまうのか。寿町で福祉事業に携わる人物は、次のように話す。 「実は、このNPOは福祉関係者の間でも悪名高い札付きの団体なんです。暴力団や右翼団体がバックに付いているともささやかれ、行政としてもアンタッチャブルな存在。ここが運営する無料低額宿泊所は、あまりの待遇のひどさに入所数カ月以内に半数近くが逃げ出してしまうほど。だから、常にホームレスを集めていて、彼らがたむろする場所を大規模なスカウト部隊が巡回しているのは地元では有名な話。でも、それだけでは足りないので炊き出しを餌におびき寄せたり、罠にはめるような形で宿泊所に誘い込んだりしているのでしょう。通常、許認可業者の施設には行政が抜き打ちで検査を行ったりするのですが、このNPOの施設では強面のスタッフが自治体の職員の介入を頑なに拒むので、実態をつかめないのだそうです。また、指導すると後日、いかにもそれ風の男性が役所に怒鳴りこんできたりするので、役所としても頭を抱えています」  ホームレスが集まる場所に現れ、相談に乗る振りをして言葉巧みに無料低額宿泊所へ誘い込む輩は、基本的に貧困ビジネスを企んでいると考えていい。そこには、許認可も無認可も関係ないのだ。 (文=牧隆文)
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 厚生労働省は先頃、全国の生活保護受給者が昨年12月時点で208万7,092人に上り、過去最多を更新したと発表した。それに伴い、予想されるのが悪質な貧困ビジネスの拡大。街で集めたホームレスらに生活保護を申請させ、劣悪な環境の宿泊施設に住まわせながら、さまざまな名目で“タケノコ剥ぎ”のように生活保護費をむしり取っていくのが貧困ビジネスの典型的な手口だ。  行政も、生活保護受給者が入所する施設を社会福祉法に基づく「無料低額宿泊所」と位置づけ許認可制を取るなど、悪徳業者への対策を講じてはいる。だが、行政の“お墨付き”を得た許認可業者が善良かといえば、必ずしもそうとは言い切れない。今回は、弱者を巧妙に誘う貧困ビジネスの現場をリポートする。  毎週月曜日の早朝、横浜市内の某所ではホームレスなど生活の困窮した人々のために炊き出しが行われている。主催するのは、神奈川県でも大手の弱者救済系のNPO。このNPOは神奈川県下に1,000床以上の無料低額宿泊所を有し、当然ながら自治体からの認可も受けている。食事を求めて行列をなす人々には、握り飯と一緒に1枚のチラシが手渡される。そこには、フリーダイヤルの番号とともに「生活相談乗ります!」と記されている。  「いくら寝る場所があっても、あんな目に遭うくらいならホームレスのほうがマシですよ」と訴えるのは、ホームレスのAさん(48歳)だ。半年前、勤務先をリストラされ困窮極まったAさんは、公園で知り合ったホームレスに誘われ、この炊き出しに並んだ。 「大手のNPOだったし、一緒にいたホームレスも信頼できる団体だと太鼓判を押すので、NPOの助言に従い生活保護を申請して、無料低額宿泊所に入所したのですが、とにかく搾取がひどかった。支給された約12万円の保護費も、さまざまな名目で差っ引かれ、手元に残るのはわずか1万円ほど。食費なんて3万円も取るくせに、1日2食でご飯のお代わりもできないし、オカズも小さなウインナーとしなびたキャベツとかレトルト食品ばかりで、いつも腹を空かせていたものです」(Aさん)  何よりも耐え難かったのは、所内の人間関係だったという。通常、認可を受けた無料低額宿泊所では、許認可業者のスタッフが寮長を務めることになっているのだが、人件費節減のためだろうか、なぜかこのNPOが運営する宿泊所では入所者が寮長だった。 「寮長は元ヤクザのホームレスだったのですが、強面で腕っ節も強いため、まさに“恐怖政治”でした。彼の機嫌を損ねれば、食事を抜かれたりするイジメや殴る蹴るのリンチは日常茶飯事。まるで刑務所の囚人のような人間関係でした。NPOが関係している飯場の仕事などを斡旋されたりもするのですが、断るとやはりリンチに。どういうわけか、『シャブを売ってこい!』なんて怒鳴られたこともありましたね。本当に覚せい剤なんてあったのでしょうか」(Aさん)  AさんがNPOに強要された仕事の1つに、街へ出てカモになるホームレスをスカウトするというものがあった。週に3名獲得のノルマもあったという。そして、明らかになったのが、自分がハメられたという事実だった。 「実は、私を炊き出しに誘ったホームレスもNPOとグルだったんです。ハナっから、私を宿泊所に誘い込むために仕組まれていたわけです。さすがにやり切れなくなり、1カ月で宿泊所を脱走しました。監視も甘かったので、逃げ出すのには大して苦労しなかったですね」(Aさん)  県下でも大手のNPO、しかも許認可業者であるにもかかわらず、なぜこのようなことが起きてしまうのか。寿町で福祉事業に携わる人物は、次のように話す。 「実は、このNPOは福祉関係者の間でも悪名高い札付きの団体なんです。暴力団や右翼団体がバックに付いているともささやかれ、行政としてもアンタッチャブルな存在。ここが運営する無料低額宿泊所は、あまりの待遇のひどさに入所数カ月以内に半数近くが逃げ出してしまうほど。だから、常にホームレスを集めていて、彼らがたむろする場所を大規模なスカウト部隊が巡回しているのは地元では有名な話。でも、それだけでは足りないので炊き出しを餌におびき寄せたり、罠にはめるような形で宿泊所に誘い込んだりしているのでしょう。通常、許認可業者の施設には行政が抜き打ちで検査を行ったりするのですが、このNPOの施設では強面のスタッフが自治体の職員の介入を頑なに拒むので、実態をつかめないのだそうです。また、指導すると後日、いかにもそれ風の男性が役所に怒鳴りこんできたりするので、役所としても頭を抱えています」  ホームレスが集まる場所に現れ、相談に乗る振りをして言葉巧みに無料低額宿泊所へ誘い込む輩は、基本的に貧困ビジネスを企んでいると考えていい。そこには、許認可も無認可も関係ないのだ。 (文=牧隆文)
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「ホームレスからむしり取れ!」生保受給者を食い物にする“弱者救済”NPOの悪質手口

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 厚生労働省は先頃、全国の生活保護受給者が昨年12月時点で208万7,092人に上り、過去最多を更新したと発表した。それに伴い、予想されるのが悪質な貧困ビジネスの拡大。街で集めたホームレスらに生活保護を申請させ、劣悪な環境の宿泊施設に住まわせながら、さまざまな名目で“タケノコ剥ぎ”のように生活保護費をむしり取っていくのが貧困ビジネスの典型的な手口だ。  行政も、生活保護受給者が入所する施設を社会福祉法に基づく「無料低額宿泊所」と位置づけ許認可制を取るなど、悪徳業者への対策を講じてはいる。だが、行政の“お墨付き”を得た許認可業者が善良かといえば、必ずしもそうとは言い切れない。今回は、弱者を巧妙に誘う貧困ビジネスの現場をリポートする。  毎週月曜日の早朝、横浜市内の某所ではホームレスなど生活の困窮した人々のために炊き出しが行われている。主催するのは、神奈川県でも大手の弱者救済系のNPO。このNPOは神奈川県下に1,000床以上の無料低額宿泊所を有し、当然ながら自治体からの認可も受けている。食事を求めて行列をなす人々には、握り飯と一緒に1枚のチラシが手渡される。そこには、フリーダイヤルの番号とともに「生活相談乗ります!」と記されている。  「いくら寝る場所があっても、あんな目に遭うくらいならホームレスのほうがマシですよ」と訴えるのは、ホームレスのAさん(48歳)だ。半年前、勤務先をリストラされ困窮極まったAさんは、公園で知り合ったホームレスに誘われ、この炊き出しに並んだ。 「大手のNPOだったし、一緒にいたホームレスも信頼できる団体だと太鼓判を押すので、NPOの助言に従い生活保護を申請して、無料低額宿泊所に入所したのですが、とにかく搾取がひどかった。支給された約12万円の保護費も、さまざまな名目で差っ引かれ、手元に残るのはわずか1万円ほど。食費なんて3万円も取るくせに、1日2食でご飯のお代わりもできないし、オカズも小さなウインナーとしなびたキャベツとかレトルト食品ばかりで、いつも腹を空かせていたものです」(Aさん)  何よりも耐え難かったのは、所内の人間関係だったという。通常、認可を受けた無料低額宿泊所では、許認可業者のスタッフが寮長を務めることになっているのだが、人件費節減のためだろうか、なぜかこのNPOが運営する宿泊所では入所者が寮長だった。 「寮長は元ヤクザのホームレスだったのですが、強面で腕っ節も強いため、まさに“恐怖政治”でした。彼の機嫌を損ねれば、食事を抜かれたりするイジメや殴る蹴るのリンチは日常茶飯事。まるで刑務所の囚人のような人間関係でした。NPOが関係している飯場の仕事などを斡旋されたりもするのですが、断るとやはりリンチに。どういうわけか、『シャブを売ってこい!』なんて怒鳴られたこともありましたね。本当に覚せい剤なんてあったのでしょうか」(Aさん)  AさんがNPOに強要された仕事の1つに、街へ出てカモになるホームレスをスカウトするというものがあった。週に3名獲得のノルマもあったという。そして、明らかになったのが、自分がハメられたという事実だった。 「実は、私を炊き出しに誘ったホームレスもNPOとグルだったんです。ハナっから、私を宿泊所に誘い込むために仕組まれていたわけです。さすがにやり切れなくなり、1カ月で宿泊所を脱走しました。監視も甘かったので、逃げ出すのには大して苦労しなかったですね」(Aさん)  県下でも大手のNPO、しかも許認可業者であるにもかかわらず、なぜこのようなことが起きてしまうのか。寿町で福祉事業に携わる人物は、次のように話す。 「実は、このNPOは福祉関係者の間でも悪名高い札付きの団体なんです。暴力団や右翼団体がバックに付いているともささやかれ、行政としてもアンタッチャブルな存在。ここが運営する無料低額宿泊所は、あまりの待遇のひどさに入所数カ月以内に半数近くが逃げ出してしまうほど。だから、常にホームレスを集めていて、彼らがたむろする場所を大規模なスカウト部隊が巡回しているのは地元では有名な話。でも、それだけでは足りないので炊き出しを餌におびき寄せたり、罠にはめるような形で宿泊所に誘い込んだりしているのでしょう。通常、許認可業者の施設には行政が抜き打ちで検査を行ったりするのですが、このNPOの施設では強面のスタッフが自治体の職員の介入を頑なに拒むので、実態をつかめないのだそうです。また、指導すると後日、いかにもそれ風の男性が役所に怒鳴りこんできたりするので、役所としても頭を抱えています」  ホームレスが集まる場所に現れ、相談に乗る振りをして言葉巧みに無料低額宿泊所へ誘い込む輩は、基本的に貧困ビジネスを企んでいると考えていい。そこには、許認可も無認可も関係ないのだ。 (文=牧隆文)
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【貧困レポ】大失業時代到来 住人の85%が生活保護を受給する"ドヤ街"寿町の今

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「寿町のランドマーク」ともいうべき寿町総合労働
福祉会館には、多くのホームレスらがたむろする
 厚生労働省は先週、全国の生活保護受給者が8月末現在で205万9,871人になったと発表したが、7月末時点より9,376人増と2カ月連続で過去最多を更新。長引く不況や高齢化の進展が主な要因だといえそうだが、生活保護を受給できればまだマシな方。さまざまな事情で、雇用保険も生活保護も受給できない人々も世の中には存在する。山谷(東京)、釜ヶ崎(大阪)と並ぶ日本3大ドヤ街の1つ、寿町を抱える横浜市では、生活に困窮した受給対象外の人々への緊急援護として「パン券」と「ドヤ券」を配布している。  パン券とはいわゆる食券のことで、寿町にあるスーパーや食堂など指定の4カ店で714円分の食料品を購入したり、食事ができたりするもの。一方、ドヤ券とは宿泊料1,500円までのドヤに泊まることができるチケットだ。  11月某日早朝──。横浜市中区役所には、あまり裕福とはいえない身なりの年配者らが行列をなしている。パン券、ドヤ券とも平日の朝に横浜市中区役所で配布されており、彼らはチケットをもらうために集まった人々だ。「券は数に限りがあるからさあ、朝の5時から区役所の前に並んでいるんだよ」とは、寿町を縄張りにするホームレスの1人。これらの券さえあれば、とりあえず食事と夜露をしのげる場所を確保できるため、みな必死だ。  パン券は代用貨幣のようなものともいえるが、購入できるのは、あくまでも食料品のみ。酒やタバコなどの嗜好品は買うことができない。だが、何といっても労働者の街である。住人たちの多くは酒やタバコが大好き。そこで、チケットを額面よりも低い値段で換金するといったブローカーのような業者も存在する。 「パン券を換金するのはもちろん不正なんだけど、やっぱり貧しくてもお酒やタバコはたしなみたいじゃない? かわいそうだから、わたしも頼まれたら換金してあげてるわよ。もちろん、ブローカーなんかと違って額面通りの値段でよ。わたしがチケットを使えばいいだけの話で、別に損するわけじゃないしね」  そう話すのは寿町でスナックを経営するママだが、それ以前に寿町のような貧しいエリアで飲み屋の経営が成り立つのか。飲み代を踏み倒されてしまうのでは、と他人事ながら心配になってしまう。しかし、ママはこう一笑に付す。 「何言ってんのよ。この街の住人は公務員と一緒よ。お客さんには生活保護受給者が多いんだけど、ツケで飲ませても支給日には必ずおカネが入るわけだから取りっぱぐれがないの。不安なときは受給窓口で待ち構えて、支給されたとたん取り立てるからね(笑)」  寿町のみならずドヤ街全般にみられる傾向だが、かつての労働者の町も昨今では不況に伴う派遣労働の激減や住人の高齢化により、生活保護など自治体からの補助金なしでは成り立たない「福祉の町」と化している。寿町でも住人の85%が生活保護受給者で、60歳以上の高齢者が60%を占めているという。パン券やドヤ券のような緊急援護的な補助は横浜市独自のものだが、では横浜市が弱者に手厚い自治体なのかといえば、決してそうではない。この街で活動するNPO関係者は次のように憤る。 「そんなキレイごとではないですよ。昭和39年に東京オリンピックが開催されたとき、客船で来日した外国人に汚いところは見せられないということで、当時の横浜の中心地だった桜木町界隈に数多くいた露店商や日雇い労務者、大岡川の船上生活者などが寿町に押し込まれたという経緯があるんです。補助金で黙らせて臭いものには蓋をするというのは、原発行政と同じ発想です」  寿町に店を構える飲食業者、この街で毎日のようにノミ行為を行っている暴力団など、すべては住人らが受け取る生活保護を目当てにしたものだ。その意味では、この街の経済は自治体からの補助金がただ還流しているだけだともいえる。最近では、ドヤを改装して外国人バックパッカー向けの宿泊施設を運営するなど、若い起業家らが立ち上げたコミュニティービジネスによって寿町のヒトとカネの流れを変えようとする動きもみられる。だが、「福祉の町」からの脱却は容易ではない。 (文=牧隆文)
風の自叙伝―横浜・寿町の日雇労働者たち 取り残された街の風景。 amazon_associate_logo.jpg
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