野村、業務停止逃れた“実績ゼロ”元社長と金融庁の密約?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ギャッツビーの汗ふき 使いづらい“アレ”の商品改善を要求してみた アパレルメーカーの本音は「アウトレットに出店したくない」!? Yahoo!IDとTポイント、顧客情報の集約をめぐる“仁義なき闘い” ■特にオススメ記事はこちら! 野村、業務停止逃れた“実績ゼロ”元社長と金融庁の密約? - Business Journal(8月13日)
7月27日付日経新聞より
 救世主か、それとも、過去の亡霊か――。証券国内最大手、野村ホールディングス(HD)の古賀信行会長(61)のことだ。久々の出番である。グループ最高経営責任者(CEO)の渡部賢一氏(59)と、同最高執行責任者(COO)の柴田拓美氏(59)の2トップが、7月31日付で辞任した件の舞台裏が明らかになった。  米通信社のロイター(7月29日付配信)は、「野村トップ辞任劇、危機感背景に古賀会長が振るった大なた」と題する記事で、「最後は、危機感を募らせた古賀信行会長が乗り出し、自ら当局と掛け合い、渡部CEOに引導を渡す結果になった」と報じた。  古賀会長は後任のCEOに傘下の野村證券社長の永井浩二氏(53)を、COOには野村HD専務で米州地域CEOの吉川淳氏(58)を指名(8月1日付で就任)した。これで公募増資インサイダー問題の経営責任に一定のケジメをつけた。  トップ交代はズバリ、元MOF担(旧大蔵省担当)の古賀氏と、金融庁の連携による経営陣刷新劇だったということだ。古賀氏は社長としては影が薄く、会長に退いた後も、まったくといっていいほど存在感はなかった。だが、MOF担のキャリアはダテではなかった。当局と太いパイプを持つ者として事態収拾のキーマンに躍り出たのだ。  古賀氏は1950年8月、福岡県大牟田市で生まれた。近くに三井三池炭鉱の社宅があった。小学3年生のとき、大量の指名解雇をきっかけに「総資本と総労働の対決」といわれた三池炭鉱の大争議が起きた。第1組合と第2組合の分裂は、子供の世界に持ち込まれた。学校では、2つの組合員の子供たちが「お前ら、帰れ」と罵りあった。これを受けて、古賀氏は後年「極端はよくない」と痛感したと述懐している。これが、彼の中庸志向の原点となった。  鹿児島のラ・サール高校から東京大学法学部に進む。74年4月に野村證券に入社。同期の大卒は390人。野村では、新入社員は、まず全国の支店で営業を経験する。だが、東大法学部卒の古賀氏は、“株屋”とは異なるエリートとして育てられた。営業の仕事は、一度もやったことがない。  人事部を振り出しに本社の3つの部署を約3年ずつ経験した後、総合企画室の業務課に配属された。最大の仕事は監督官庁である大蔵省(現・財務省)との折衝だ。大蔵省の英語表記Ministry of Financeの省略形はMOF。だから、その担当はMOF担と呼ばれた。のちに大蔵省への過剰接待事件で有名になった、あのMOF担である。事件後には廃止になった。  野村のMOF担は大蔵省に深く食い込んでいた。省内のトイレで立ちション(小便)をしながら秘かに話された、同省幹部の会話を翌日には野村の中枢が知っていたというエピソードがある。ほかの証券会社の首脳が大蔵省証券局を、野村證券霞ヶ関出張所と陰口を叩いたほどだ。  MOF担は各金融機関のトップへの登竜門であった。東京三菱銀行の畔柳信雄氏や住友銀行の西川善文氏は、頭取になる前に企画担当として大蔵省に出入りするMOF担だった。日本興業銀行の齋藤宏氏(後の、みずほコーポレート銀行頭取)は万年MOF担と呼ばれた。  古賀氏も証券界の万年MOF担だった。2003年4月、野村HDの社長兼CEOと子会社の野村證券の社長に就任した。営業経験のないMOF担出身社長は、動こうにも動く術を知らず、みるべき実績を上げることができなかった。97年の総会屋への利益供与事件後、社長に就いた国際畑出身の氏家純一氏と、氏家氏からそのバトンを受けた古賀社長の時代は「縮みの10年」といわれた。社内には閉塞感が漂った。  何もやれない焦燥から古賀氏はタバコの量が増え、チェーンスモーカーになったという。社長の最後の数カ月は、睡眠薬を使ってようやく眠りにつく状態が続いた。  08年4月、渡部賢一氏が社長に就いた。社内では“ナベケン”で通っている財務畑出身の内務官僚だ。不可解なトップ交代に、一部では、密室でのクーデターと囁かれた。08年9月、渡部氏と柴田氏の経営コンビは、経営破綻したリーマン・ブラザーズの欧州部門を買収。内向きの野村の殻を破って、国際化路線へと強引に舵を切った。  しかし、高額報酬で受け入れた元リーマンの社員の人件費がかさみ、金融庁幹部をして「リーマン買収後、野村はガタガタになった」といわしめるまでに経営が悪化した。営業現場のことは疎いが、元MOF担として当局とパイプをもつ古賀氏は、金融庁幹部と極秘会談を重ね、渡部、柴田の2トップ切りで事態を収拾する了解を取り付けた。渡部氏の首を差し出すことによって、業務停止命令から業務改善命令へと、処分が一段階軽くなったといわれている。  それでは、古賀氏は野村HDのキングメーカーとして院政を敷くつもりなのだろうか。答えはノーだ。「古賀氏は元会長の鈴木政志氏と同じ役割を演じたいと考えている」と指摘する向きは多い。  古賀氏がMOF担当時の97年、総会屋グループ小池隆一代表への利益供与が発覚して、酒巻英雄社長が引責辞任。会長だった鈴木氏が暫定的に社長を兼務し、米国法人トップの氏家氏を社長に起用すると、わずか1カ月で会長・社長を辞した。辞任の際に当時15人いた専務以上の代表取締役全員に辞表を提出させ、氏家新社長に対する影響力を排除した。  過去の例から、一時期、古賀会長が暫定的にグループCEOを兼務し、後任のCEOに米現地法人のトップを務める吉川淳氏を起用する案が浮上した。  しかし、古賀氏は暫定的なCEOに就かなかった。新CEOは野村證券社長の永井氏が兼務し、吉川氏はCOOに就いた。氏家氏以降、営業を知らないエリートの古賀、渡部の両氏に経営のバトンが引き継がれた。この人事が野村を決定的にダメにした。その痛切な反省から、国内営業畑一筋の永井氏をCEOに起用したといえる。  古賀氏は当局に人脈をもつMOF担として経営陣刷新という“最後の大仕事”を成し遂げた。後は、鈴木氏のように静かに表舞台から去っていくことになるのだろう。 (文=編集部) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ギャッツビーの汗ふき 使いづらい“アレ”の商品改善を要求してみた アパレルメーカーの本音は「アウトレットに出店したくない」!? Yahoo!IDとTポイント、顧客情報の集約をめぐる“仁義なき闘い” 野村、外資系証券etc.“巧妙な”インサイダー取引の実態 ブームに踊る“誤った”バイオマス発電でハゲ山だらけに!? 3割も節税できちゃう!?“今すぐできる”賢い年金活用術 「もはやメリットがない」“世界の工場”中国から企業が撤退中!

野村、業務停止逃れた“実績ゼロ”元社長と金融庁の密約?

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7月27日付日経新聞より
 救世主か、それとも、過去の亡霊か――。証券国内最大手、野村ホールディングス(HD)の古賀信行会長(61)のことだ。久々の出番である。グループ最高経営責任者(CEO)の渡部賢一氏(59)と、同最高執行責任者(COO)の柴田拓美氏(59)の2トップが、7月31日付で辞任した件の舞台裏が明らかになった。  米通信社のロイター(7月29日付配信)は、「野村トップ辞任劇、危機感背景に古賀会長が振るった大なた」と題する記事で、「最後は、危機感を募らせた古賀信行会長が乗り出し、自ら当局と掛け合い、渡部CEOに引導を渡す結果になった」と報じた。  古賀会長は後任のCEOに傘下の野村證券社長の永井浩二氏(53)を、COOには野村HD専務で米州地域CEOの吉川淳氏(58)を指名(8月1日付で就任)した。これで公募増資インサイダー問題の経営責任に一定のケジメをつけた。  トップ交代はズバリ、元MOF担(旧大蔵省担当)の古賀氏と、金融庁の連携による経営陣刷新劇だったということだ。古賀氏は社長としては影が薄く、会長に退いた後も、まったくといっていいほど存在感はなかった。だが、MOF担のキャリアはダテではなかった。当局と太いパイプを持つ者として事態収拾のキーマンに躍り出たのだ。  古賀氏は1950年8月、福岡県大牟田市で生まれた。近くに三井三池炭鉱の社宅があった。小学3年生のとき、大量の指名解雇をきっかけに「総資本と総労働の対決」といわれた三池炭鉱の大争議が起きた。第1組合と第2組合の分裂は、子供の世界に持ち込まれた。学校では、2つの組合員の子供たちが「お前ら、帰れ」と罵りあった。これを受けて、古賀氏は後年「極端はよくない」と痛感したと述懐している。これが、彼の中庸志向の原点となった。  鹿児島のラ・サール高校から東京大学法学部に進む。74年4月に野村證券に入社。同期の大卒は390人。野村では、新入社員は、まず全国の支店で営業を経験する。だが、東大法学部卒の古賀氏は、“株屋”とは異なるエリートとして育てられた。営業の仕事は、一度もやったことがない。  人事部を振り出しに本社の3つの部署を約3年ずつ経験した後、総合企画室の業務課に配属された。最大の仕事は監督官庁である大蔵省(現・財務省)との折衝だ。大蔵省の英語表記Ministry of Financeの省略形はMOF。だから、その担当はMOF担と呼ばれた。のちに大蔵省への過剰接待事件で有名になった、あのMOF担である。事件後には廃止になった。  野村のMOF担は大蔵省に深く食い込んでいた。省内のトイレで立ちション(小便)をしながら秘かに話された、同省幹部の会話を翌日には野村の中枢が知っていたというエピソードがある。ほかの証券会社の首脳が大蔵省証券局を、野村證券霞ヶ関出張所と陰口を叩いたほどだ。  MOF担は各金融機関のトップへの登竜門であった。東京三菱銀行の畔柳信雄氏や住友銀行の西川善文氏は、頭取になる前に企画担当として大蔵省に出入りするMOF担だった。日本興業銀行の齋藤宏氏(後の、みずほコーポレート銀行頭取)は万年MOF担と呼ばれた。  古賀氏も証券界の万年MOF担だった。2003年4月、野村HDの社長兼CEOと子会社の野村證券の社長に就任した。営業経験のないMOF担出身社長は、動こうにも動く術を知らず、みるべき実績を上げることができなかった。97年の総会屋への利益供与事件後、社長に就いた国際畑出身の氏家純一氏と、氏家氏からそのバトンを受けた古賀社長の時代は「縮みの10年」といわれた。社内には閉塞感が漂った。  何もやれない焦燥から古賀氏はタバコの量が増え、チェーンスモーカーになったという。社長の最後の数カ月は、睡眠薬を使ってようやく眠りにつく状態が続いた。  08年4月、渡部賢一氏が社長に就いた。社内では“ナベケン”で通っている財務畑出身の内務官僚だ。不可解なトップ交代に、一部では、密室でのクーデターと囁かれた。08年9月、渡部氏と柴田氏の経営コンビは、経営破綻したリーマン・ブラザーズの欧州部門を買収。内向きの野村の殻を破って、国際化路線へと強引に舵を切った。  しかし、高額報酬で受け入れた元リーマンの社員の人件費がかさみ、金融庁幹部をして「リーマン買収後、野村はガタガタになった」といわしめるまでに経営が悪化した。営業現場のことは疎いが、元MOF担として当局とパイプをもつ古賀氏は、金融庁幹部と極秘会談を重ね、渡部、柴田の2トップ切りで事態を収拾する了解を取り付けた。渡部氏の首を差し出すことによって、業務停止命令から業務改善命令へと、処分が一段階軽くなったといわれている。  それでは、古賀氏は野村HDのキングメーカーとして院政を敷くつもりなのだろうか。答えはノーだ。「古賀氏は元会長の鈴木政志氏と同じ役割を演じたいと考えている」と指摘する向きは多い。  古賀氏がMOF担当時の97年、総会屋グループ小池隆一代表への利益供与が発覚して、酒巻英雄社長が引責辞任。会長だった鈴木氏が暫定的に社長を兼務し、米国法人トップの氏家氏を社長に起用すると、わずか1カ月で会長・社長を辞した。辞任の際に当時15人いた専務以上の代表取締役全員に辞表を提出させ、氏家新社長に対する影響力を排除した。  過去の例から、一時期、古賀会長が暫定的にグループCEOを兼務し、後任のCEOに米現地法人のトップを務める吉川淳氏を起用する案が浮上した。  しかし、古賀氏は暫定的なCEOに就かなかった。新CEOは野村證券社長の永井氏が兼務し、吉川氏はCOOに就いた。氏家氏以降、営業を知らないエリートの古賀、渡部の両氏に経営のバトンが引き継がれた。この人事が野村を決定的にダメにした。その痛切な反省から、国内営業畑一筋の永井氏をCEOに起用したといえる。  古賀氏は当局に人脈をもつMOF担として経営陣刷新という“最後の大仕事”を成し遂げた。後は、鈴木氏のように静かに表舞台から去っていくことになるのだろう。 (文=編集部) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ギャッツビーの汗ふき 使いづらい“アレ”の商品改善を要求してみた アパレルメーカーの本音は「アウトレットに出店したくない」!? Yahoo!IDとTポイント、顧客情報の集約をめぐる“仁義なき闘い” 野村、外資系証券etc.“巧妙な”インサイダー取引の実態 ブームに踊る“誤った”バイオマス発電でハゲ山だらけに!? 3割も節税できちゃう!?“今すぐできる”賢い年金活用術 「もはやメリットがない」“世界の工場”中国から企業が撤退中!

野村社員「部下は監禁・罵倒し、顧客に損さてもノルマは死守」

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7月27日付日経新聞より
とうとう持ち株会社の経営トップ辞任、金融庁からの業務改善命令も間近に迫る事態にまで発展した、野村證券による一連の増資インサイダー事件。この事件は、世に明るみに出た当初から、野村ホールディングス(HD)、同HDの基幹会社である野村證券(以下、野村)の企業風土に、大きな問題があると見る向きは多かった。そこで今回、野村社員の証言をもとに、同社の実態に迫ってみよう。 「野村なら、これくらいやるだろう……というのは野村関係者をはじめ、証券業界ではみな衆目の一致するところ。特段、驚くべきことでもない」(野村社員・A氏)  国内証券では、その企業規模から“証券界のガリバー”として君臨した野村證券をはじめとする野村グループは、金融界でも「何事においても自社有利、コンプライアンス無視の手法を通す」強引な社風で知られている。  そんな野村では、どんな社員が集まり、どのような社員教育が行われているのだろうか?   普通の大学生が、証券業界でも恐れられる“野村マン”になるまでの過程を追い、これまで証券界で数々の問題を引き起こしてきた“ガリバー”の企業風土を、A氏の話を元に、浮き彫りにしてみたい。  体育会系の縦社会的な社風なだけあって、野村では体育会出身者が数多く入社するという。今ではよく知られているが、入社式で新入社員は大声で社歌を愛唱するところから、野村マンとしてのスタートを切る。 「入社式の2日前から研修という名目で合宿があり、ここで社歌を覚えさせられる。昔は入社前の合宿時から、新入社員は指導役の社員から『声が小さい!』と怒鳴られていたというが、私の時は『もうちょっと大きい声で歌おうよ!』くらいだった。そもそも野村に入ってくる社員の多くは、体育会出身かそういうノリなので、この時点で社に嫌気が差す人は少ない」(A氏) A・B・C、隠された階級別採用  A氏によると、野村社員は、かつて総合職と呼ばれた「全域型社員」、同じく一般職と呼ばれた「地域型社員」のいずれかとして採用されるが、新入社員の頃から、いくつかの区分分けが行われている節があるという。 「人や時代によって、多少言い方は異なるが、全域型社員、つまり総合職でも、A採用・B採用・C採用に分かれており、研修後の人事配属でも露骨にこれが反映される。もっとも社員本人は、自分が、どの区分なのかはわからないが、日々嫌でも自覚させられていく」(A氏)  この社員の区分けのうち、A採用のはAは「Alternative」の頭文字で、「誰でも代わりが務まる人材」という意味。陰では「兵隊要員」とも呼ばれる。このA採用が社員の多くを占めることはいうまでもない。  次にB採用。これは、「Brain」のBで、将来の経営幹部要員、もしくはコンピュータに精通しているなど、いわば“頭で仕事をする”人たち。学歴では、東大、京大、早稲田、慶応などの卒業生が多くを占める。  残りのC採用は、「Connection」のCで、何らかのコネのため、人事が採用したといわれる人たちだ。 社畜養成新人研修 「どの採用であっても、入社してから高輪研修センターで2週間ほど行われる新人研修は、いわば自分が“社畜”であることを自覚させる『洗脳教育』の時間。徹底的に“ノムライズム”を叩き込まれる。この段階で音を上げて、会社に見切りをつけようと考えるのは、意外にも高学歴で“頭で仕事”することを期待された人たち。この人たちは、別に野村でなくても、ほかにいくらでも仕事がありますから」(A氏)  この研修は本社の人材開発部が行うのだが、概ね、  (1)自分の意見を主張する者  (2)動作、行動のトロくさい者  (3)高学歴の者 は、指導役の社員から目の敵にされるという。 「上が言ったことには絶対服従、首から下でのご奉公をする人間が可愛がられる。どうしても体育会出身者が幅を利かす。誰がどう見ても指導役の社員が悪いことでも、それに服従しなければならない。もし反論などしたら、始末書を書かされて、長時間“詰め”られる」(A氏) ノムラ伝統の“詰め”文化  この“詰め”るとは、研修なら指導役社員が研修生に、本社や支店などの第一線の現場では上司が部下に、長時間にわたって叱り、人格を否定するほどに罵倒を続けるという意味で用いられる、野村社員なら誰でも知っている言葉だ。  また詰められる理由は、その多くが、まさに“言い掛かり”といえるようなものばかりである。 「朝の挨拶で声が小さかった。字が汚い。なんらかの事情で集合に1分間遅れた……という社員は、指導役や上司の社員に狭い部屋に呼び出されて、延々始末書を書かされるとともに、  『月給ドロボー!』  『今のお前は、ノムラで最も価値のない人間だ!』  『お前はいい加減な人間だが、親もそうなのだろう!』 等罵倒され、思い出すだけでつらい」(A氏)  こうした“詰め”は、その多くが密室で行われる。その理由についてA氏は、「もし訴訟沙汰になっても、誰も証人がいないという状況をつくっておきたかったのかもしれない」と話す。  約2週間の高輪研修センターでの新人研修を終えると、いよいよ現場への配属だ。仮に営業として配属されたとしよう。週・月の単位で、目標、すなわち“ノルマ”の達成を命じられる。  支店などの現場では、新人でもノルマが達成できなければ徹底的に詰められる。もっとも、課長代理クラスでもボロカスに上司から詰められるという。例えばこんな具合だ。 「おい。お前、今月数字できてないだろ。お前の給料分以上の働きはしろよ。それとも俺に何か恨みでもあるのか? 今、ここで言え。『今週中に必ず100万円の数字をつくります』と……」 ノルマのためなら、顧客なんてどうでもよい  ちなみに「数字をつくる」とは「ノルマを達成する」という意味だが、大声でこのような調子で詰められると、何がなんでも達成しなければならない。そうすると営業は、リテール(個人)でもホールセール(法人)でも回転売買に走ることになる。 「リテール、ホールセールの営業では、株や投資信託の売買手数料が収益となる。なので、とにかく顧客にはありとあらゆるセールストークを駆使して、売買を頻繁に行わせる。もし顧客が保有したままなら、これから収益が出るだろうな……という株式銘柄を顧客が持っていても、とにかく売らせて別の銘柄への買い替えを勧める。そうすると売買手数料が手に入る。正直、顧客のことなんて何も考えていない」(A氏)  営業が回転売買を行っているうちはまだいい。これが、直接営業に出ることのない上の役職クラスの社員だとそうもいかない。 「上の役職の社員でも、さらに上の役職者から詰められるので、自己保身から書類を改竄したり、今回発覚したインサイダーのように、“やってはいけないこと”に手を染めてしまう土壌がある」(A氏)  では、インサイダーをはじめ証券業界で“やってはいけないこと”を行うことについて、彼らにはなにがしかの罪の意識や後ろめたさはあるのだろうか? 「ないだろう。上がやれと言ったことは、とにかくやらなければならない。評価されるのはあくまで数字であって、コンプライアンスやCSR(企業における社会的責任)といったものを意識する人間は野村にはいない」(A氏)  野村社員のカラーは、上から言われたことは必ずやり遂げる。もちろんその手段や方法は問わない。しかし、もしそれが社会問題化した場合はどうなるか……ということまでは考えない者がほとんどだという。 「今回表に出たインサイダーの話についても、同期は『バレるなバカ』と言っていた。辞任に追い込まれたトップも、社会的責任を痛感する以前に、『この問題が明るみになった原因の社員をどう詰めるのか』ということしか考えていないはず」(A氏)  ちなみに今回辞任した渡部賢一・野村HD CEOは、A採用だったのだろうか? (構成=編集部) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 大阪市職員「公明党より低レベルな維新の会と、クレイジーな市民」 大手広告代理店Dの“伝説の”合コンをついに実況中継! 【特集】実はブラック?人気企業社員が語る我が社のタブー NHK堀潤アナ注目「パブリック・アクセス」というテレビ革命 フジ月九ドラマにみる、起業・IT企業への偏見? “帝王”勝栄二郎財務次官が、強靭な為替介入シフトをしく理由 短寿命・低価格で凋落したパナソニックとソニーは復活なるか?

野村社員「部下は監禁・罵倒し、顧客に損さてもノルマは死守」

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7月27日付日経新聞より
とうとう持ち株会社の経営トップ辞任、金融庁からの業務改善命令も間近に迫る事態にまで発展した、野村證券による一連の増資インサイダー事件。この事件は、世に明るみに出た当初から、野村ホールディングス(HD)、同HDの基幹会社である野村證券(以下、野村)の企業風土に、大きな問題があると見る向きは多かった。そこで今回、野村社員の証言をもとに、同社の実態に迫ってみよう。 「野村なら、これくらいやるだろう……というのは野村関係者をはじめ、証券業界ではみな衆目の一致するところ。特段、驚くべきことでもない」(野村社員・A氏)  国内証券では、その企業規模から“証券界のガリバー”として君臨した野村證券をはじめとする野村グループは、金融界でも「何事においても自社有利、コンプライアンス無視の手法を通す」強引な社風で知られている。  そんな野村では、どんな社員が集まり、どのような社員教育が行われているのだろうか?   普通の大学生が、証券業界でも恐れられる“野村マン”になるまでの過程を追い、これまで証券界で数々の問題を引き起こしてきた“ガリバー”の企業風土を、A氏の話を元に、浮き彫りにしてみたい。  体育会系の縦社会的な社風なだけあって、野村では体育会出身者が数多く入社するという。今ではよく知られているが、入社式で新入社員は大声で社歌を愛唱するところから、野村マンとしてのスタートを切る。 「入社式の2日前から研修という名目で合宿があり、ここで社歌を覚えさせられる。昔は入社前の合宿時から、新入社員は指導役の社員から『声が小さい!』と怒鳴られていたというが、私の時は『もうちょっと大きい声で歌おうよ!』くらいだった。そもそも野村に入ってくる社員の多くは、体育会出身かそういうノリなので、この時点で社に嫌気が差す人は少ない」(A氏) A・B・C、隠された階級別採用  A氏によると、野村社員は、かつて総合職と呼ばれた「全域型社員」、同じく一般職と呼ばれた「地域型社員」のいずれかとして採用されるが、新入社員の頃から、いくつかの区分分けが行われている節があるという。 「人や時代によって、多少言い方は異なるが、全域型社員、つまり総合職でも、A採用・B採用・C採用に分かれており、研修後の人事配属でも露骨にこれが反映される。もっとも社員本人は、自分が、どの区分なのかはわからないが、日々嫌でも自覚させられていく」(A氏)  この社員の区分けのうち、A採用のはAは「Alternative」の頭文字で、「誰でも代わりが務まる人材」という意味。陰では「兵隊要員」とも呼ばれる。このA採用が社員の多くを占めることはいうまでもない。  次にB採用。これは、「Brain」のBで、将来の経営幹部要員、もしくはコンピュータに精通しているなど、いわば“頭で仕事をする”人たち。学歴では、東大、京大、早稲田、慶応などの卒業生が多くを占める。  残りのC採用は、「Connection」のCで、何らかのコネのため、人事が採用したといわれる人たちだ。 社畜養成新人研修 「どの採用であっても、入社してから高輪研修センターで2週間ほど行われる新人研修は、いわば自分が“社畜”であることを自覚させる『洗脳教育』の時間。徹底的に“ノムライズム”を叩き込まれる。この段階で音を上げて、会社に見切りをつけようと考えるのは、意外にも高学歴で“頭で仕事”することを期待された人たち。この人たちは、別に野村でなくても、ほかにいくらでも仕事がありますから」(A氏)  この研修は本社の人材開発部が行うのだが、概ね、  (1)自分の意見を主張する者  (2)動作、行動のトロくさい者  (3)高学歴の者 は、指導役の社員から目の敵にされるという。 「上が言ったことには絶対服従、首から下でのご奉公をする人間が可愛がられる。どうしても体育会出身者が幅を利かす。誰がどう見ても指導役の社員が悪いことでも、それに服従しなければならない。もし反論などしたら、始末書を書かされて、長時間“詰め”られる」(A氏) ノムラ伝統の“詰め”文化  この“詰め”るとは、研修なら指導役社員が研修生に、本社や支店などの第一線の現場では上司が部下に、長時間にわたって叱り、人格を否定するほどに罵倒を続けるという意味で用いられる、野村社員なら誰でも知っている言葉だ。  また詰められる理由は、その多くが、まさに“言い掛かり”といえるようなものばかりである。 「朝の挨拶で声が小さかった。字が汚い。なんらかの事情で集合に1分間遅れた……という社員は、指導役や上司の社員に狭い部屋に呼び出されて、延々始末書を書かされるとともに、  『月給ドロボー!』  『今のお前は、ノムラで最も価値のない人間だ!』  『お前はいい加減な人間だが、親もそうなのだろう!』 等罵倒され、思い出すだけでつらい」(A氏)  こうした“詰め”は、その多くが密室で行われる。その理由についてA氏は、「もし訴訟沙汰になっても、誰も証人がいないという状況をつくっておきたかったのかもしれない」と話す。  約2週間の高輪研修センターでの新人研修を終えると、いよいよ現場への配属だ。仮に営業として配属されたとしよう。週・月の単位で、目標、すなわち“ノルマ”の達成を命じられる。  支店などの現場では、新人でもノルマが達成できなければ徹底的に詰められる。もっとも、課長代理クラスでもボロカスに上司から詰められるという。例えばこんな具合だ。 「おい。お前、今月数字できてないだろ。お前の給料分以上の働きはしろよ。それとも俺に何か恨みでもあるのか? 今、ここで言え。『今週中に必ず100万円の数字をつくります』と……」 ノルマのためなら、顧客なんてどうでもよい  ちなみに「数字をつくる」とは「ノルマを達成する」という意味だが、大声でこのような調子で詰められると、何がなんでも達成しなければならない。そうすると営業は、リテール(個人)でもホールセール(法人)でも回転売買に走ることになる。 「リテール、ホールセールの営業では、株や投資信託の売買手数料が収益となる。なので、とにかく顧客にはありとあらゆるセールストークを駆使して、売買を頻繁に行わせる。もし顧客が保有したままなら、これから収益が出るだろうな……という株式銘柄を顧客が持っていても、とにかく売らせて別の銘柄への買い替えを勧める。そうすると売買手数料が手に入る。正直、顧客のことなんて何も考えていない」(A氏)  営業が回転売買を行っているうちはまだいい。これが、直接営業に出ることのない上の役職クラスの社員だとそうもいかない。 「上の役職の社員でも、さらに上の役職者から詰められるので、自己保身から書類を改竄したり、今回発覚したインサイダーのように、“やってはいけないこと”に手を染めてしまう土壌がある」(A氏)  では、インサイダーをはじめ証券業界で“やってはいけないこと”を行うことについて、彼らにはなにがしかの罪の意識や後ろめたさはあるのだろうか? 「ないだろう。上がやれと言ったことは、とにかくやらなければならない。評価されるのはあくまで数字であって、コンプライアンスやCSR(企業における社会的責任)といったものを意識する人間は野村にはいない」(A氏)  野村社員のカラーは、上から言われたことは必ずやり遂げる。もちろんその手段や方法は問わない。しかし、もしそれが社会問題化した場合はどうなるか……ということまでは考えない者がほとんどだという。 「今回表に出たインサイダーの話についても、同期は『バレるなバカ』と言っていた。辞任に追い込まれたトップも、社会的責任を痛感する以前に、『この問題が明るみになった原因の社員をどう詰めるのか』ということしか考えていないはず」(A氏)  ちなみに今回辞任した渡部賢一・野村HD CEOは、A採用だったのだろうか? (構成=編集部) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 大阪市職員「公明党より低レベルな維新の会と、クレイジーな市民」 大手広告代理店Dの“伝説の”合コンをついに実況中継! 【特集】実はブラック?人気企業社員が語る我が社のタブー NHK堀潤アナ注目「パブリック・アクセス」というテレビ革命 フジ月九ドラマにみる、起業・IT企業への偏見? “帝王”勝栄二郎財務次官が、強靭な為替介入シフトをしく理由 短寿命・低価格で凋落したパナソニックとソニーは復活なるか?